JP5047981B2 - 高いガラス転移温度のコポリカーボネート、製造方法、およびその使用 - Google Patents

高いガラス転移温度のコポリカーボネート、製造方法、およびその使用 Download PDF

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Description

本開示は、コポリカーボネート組成物、特に向上した特性を有するコポリカーボネート組成物、製造方法、およびその使用に関する。
ポリカーボネートは、自動車部品から電子機器までの広く多様な用途の物品および部品の製造に有用である。3,3-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロイソインドール-1-オン(「BHPD」)は、二価フェノール反応剤として、高融点ポリカーボネートを得るために、単独で、または他の芳香族ジオール〔例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノールA」すなわち「BPA」)等〕と共に用いられてきた。このようなポリカーボネートおよびコポリカーボネートは、例えば、Sybertらの米国特許第5,344,910号、Hideyuki らの特開平6-3838号(1994)および特開平6-82624号(1994)、ならびにHooverらの米国特許第5,455,310号に記載されている。
米国特許第5,344,910号 特開平6-3838号 特開平6-82624号 米国特許第5,455,310号
加水分解安定性は、これらのポリマーに特に重要である。これらのポリマーは、温度および/または湿度の厳しい条件下での使用が意図されることが多いからである。高いTgのモノマーとBPAとから誘導される残基を含むコポリカーボネートがこれらの使用目的に好適であることが多いが、加水分解に対してさらに大きな安定性を有するコポリマーが当分野になお存在する。
当分野における上述した要求および他の要求は、下記式のコポリカーボネートにより満たされる。
Figure 0005047981
式中、R1基の合計数の5〜75モル%は、式(2):
Figure 0005047981
(式中、R2およびR3は、それぞれ独立にハロゲンまたはC1〜6アルキル基であり、R4は、メチルまたはフェニルであり、cは0〜4である)
の高いTgのモノマーから誘導され;かつ、
R1基の25〜95モル%は、式(3):
HO-R5-OH
(式中、R5の少なくとも60%は芳香族であり、式(3)のジヒドロキシ化合物は式(2)の高いTgのモノマーと同じではない)
のジヒドロキシ化合物から誘導される。
このコポリカーボネートは、式(4):
Figure 0005047981
のカーボネート結合を、同じ比の式(2)の高いTgのモノマーと式(3)のジヒドロキシ化合物とから製造されたランダムコポリマーにおいて理論的に得られる式(4) のカーボネート結合より少なくとも10%少なく含む。
別の実施態様では、上述したコポリカーボネートの製造方法は、式(2)の高いTgのモノマーの水性アルカリ溶液を、式(3)のジヒドロキシ化合物から形成されたビスクロロホルメートと、水、実質的に不活性であり実質的に水不溶性の有機液体、および相間移動剤を含む反応系で反応させて縮合物を得る工程(この場合において、ビスクロロホルメートの重合度を調節して、式(4)の結合を最小化する)と、前記縮合物を有機塩基と接触させて、前記縮合物中の残余のビスクロロホルメートを加水分解および縮合させる工程とを含む。
別の実施態様は、上述した方法によって製造された高いガラス転移温度のコポリカーボネートを含む。
さらに別の実施態様では、物品が上述のコポリカーボネートを含む。
さらに別の実施態様では、物品の製造方法が、上述したコポリカーボネートを物品に成形する工程を含む。
本発明者らは、式(2)の高いTgのモノマーと式(3)のジヒドロキシ化合物とから形成され、改良された加水分解安定性を有するコポリカーボネートが、驚くべきことに、カーボネート中の、高Tgモノマー−高Tgモノマーカーボネート結合の数を減少させることによって得られることを見いだした。例えば、コポリカーボネートを製造するために用いる高TgモノマーがBHPDである場合、BHPD- BHPD結合の数を最小限にするとコポリカーボネートの加水分解安定性が向上する。BHPDタイプのコポリカーボネートに関する従来技術の開示は、明らかに、ランダムコポリカーボネートを形成させることを指向してきたため、高Tgモノマー−高Tgモノマーカーボネート結合の数を減少ことの利点を認識することができていない。
本明細書において「ポリカーボネート」および「ポリカーボネート樹脂」という用語は、式(1) の反復カーボネート構造単位を有するポリマーを意味する。
Figure 0005047981
式中、R1基の部分は、式(2) の構造を有する高いTgの芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導される。
Figure 0005047981
式中、R2およびR3は、それぞれ独立にハロゲンまたはC1〜6アルキル基であり、R4は、メチルまたはフェニルであり、各cは0〜4である。別の特定の実施態様では、R1基は、BHPDから誘導される。BHPDは以下の式を有する。
Figure 0005047981
加えて、R1基の一部は、式HO-R5-OHで表される異なるジヒドロキシ化合物から誘導される。式中、R5は、二価のC1〜30ヒドロカルビル基、すなわち炭素、水素、および任意で1個以上のヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、またはハロゲン)を含む基である(但し、R5の少なくとも60%は芳香族であることを条件とする)。典型的なヒドロカルビル基には、置換および非置換のC1〜30アルキレン基、置換および非置換のC3〜30シクロアルキレン基、ならびに置換および非置換のC6〜30アリーレン基が含まれる。
例えば、R5は、式(5)の構造を有することができる。
Figure 0005047981
式中、A1およびA2の各々は、2価の単環アリール基であり、Y1は、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O 2)-、-C(O)-、または二価の置換または非置換のC1〜30炭化水素である。式(5)の構造を有するこのカーボネート単位は、式(6)のジヒドロキシ化合物の反応によって製造することができる。
Figure 0005047981
式中、Y1、A1、およびA2は、上述により定義した通りである。一般式(7)のビスフェノール化合物も含まれる。
Figure 0005047981
式中、RaおよびRbはそれぞれ、ハロゲン原子または1価のC1〜6アルキル基であり、; pおよびqはそれぞれ独立に、0から4の整数であり;Xaは、1〜4個の炭素原子が2個のフェニル環を隔てているヒドロカルビレンである。一実施態様では、Xaは、以下の基の1つを表す。
Figure 0005047981
式中、RcおよびRdは、それぞれ独立に水素原子またはC1〜29アルキル基であるか、あるいはRc、C、およびRdが一緒に、任意に1個以上のC1〜10アルキル基で置換されていてもよい二価のC3〜10シクロアルキル基であり、Reは、二価の炭化水素基である。Xeの例は、メチレン、シクロヘキシルメチレン、2-[2.2.1]-ビシクロヘプチリデン、エチリデン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン、およびアダマンチリデンである。具体的なアルキル置換シクロヘキシリデン類は、式(8)のビスフェノールから誘導することができる。
Figure 0005047981
式中、Rf は、独立に、水素、C1-12アルキル、またはハロゲンであり;各Rgは、独立に、水素またはC1-12アルキルである。この様なシクロヘキサン含有ビスフェノール類、例えば2モルのフェノールと1モルの水素化イソホロンとの反応生成物は、高いガラス転移温度および高い熱変形温度を有するポリカーボネートポリマーの製造に有用である。
追加的な、適切なビスフェノール類の非限定的例には以下のものが含まれる:ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパン、1,1-ビス(ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)イソブテン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、trans-2,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブテン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)アダマンタン、(α,α'-ビス(4-ヒドロキシフェニル)トルエン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)アセトニトリル、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-エチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-n-プロピル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-イソプロピル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-sec-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1-ジクロロ-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1-ジブロモ-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1-ジクロロ-2,2-ビス(5-フェノキシ-4-ヒドロキシフェニル)エチレン、4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、エチレングリコールビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9-ビス(4
-ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,7-ジヒドロキシピレン、6,6'-ジヒドロキシ-3,3,3',3'-テトラメチルスピロ(ビス)インダン(「スピロビインダンビスフェノール」)など、ならびに、前述のジヒドロキシ化合物の少なくとも1種を含む組合せ。
式(5)により表されるビスフェノール化合物類の具体例には、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」または「BPA」と称する)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-1-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニル)プロパン、および1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン(DMBPC)が含まれる。前述のジヒドロキシ化合物の少なくとも1種を含む組合せも使用することができる。
代替的に、または加えて、R1は、アリーレン含有化合物(例えば、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、または式(9)の芳香族ジヒドロキシ化合物等)から誘導することができる。
Figure 0005047981
式中、各Rfは独立に、ハロゲン原子、C1〜10炭化水素基、またはハロゲン置換C1〜10炭化水素基であり、nは0から4である。このハロゲンは通常臭素である。このような化合物の例には、レゾルシノール、置換レゾルシノール化合物(例えば、4-ブロモレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、5-エチルレゾルシノール、5-プロピルレゾルシノール、5-ブチルレゾルシノール、5-t-ブチルレゾルシノール、5-フェニルレゾルシノール、5-クミルレゾルシノール、2,4,5,6-テトラフルオロレゾルシノール、2,4,5,6-テトラブロモレゾルシノールなど)、およびカテコールが含まれる。ヒドロキノンまたは置換ヒドロキノン(例えば、20メチルヒドロキノン、2-エチルヒドロキノン、2-プロピルヒドロキノン、2-ブチルヒドロキノン、2-t-ブチルヒドロキノン、2-フェニルヒドロキノン、2-クミルヒドロキノン、2,3,5,6-テトラメチルヒドロキノン、2,3,5,6-テトラ-t-ブチルヒドロキノン、2,3,5,6-テトラフルオロヒドロキノン、および2,3,5,6-テトラブロモヒドロキノン等)から誘導される少量のカーボネート単位も用いることができる。
一実施態様では、コポリカーボネート中のR1基の5〜75モル%は、式(2)の高いTgモノマーから誘導され、R1基の25〜95モル%は、別の式(3)のジヒドロキシ化合物から誘導される。別の実施態様では、コポリカーボネート中のR1基の10〜70モル%は、式(2)の高いTgモノマーから誘導され、R1基の30〜90モル%は、別の式(3)のジヒドロキシ化合物から誘導される。さらに別の実施態様では、コポリカーボネート中のR1基の20〜65モル%は、式(2)の高いTgモノマーから誘導され、R1基の35〜80モル%は、別の式(3)のジヒドロキシ化合物から誘導される。さらに別の実施態様では、コポリカーボネート中のR1基の25〜60モル%は、式(2)の高いTgモノマーから誘導され、R1基の40〜75モル%は、別の式(3)のジヒドロキシ化合物から誘導される。さらに別の実施態様では、コポリカーボネート中のR1基30〜55モル%は、式(2)の高いTgモノマーから誘導され、R1基の45〜70モル%は、別の式(3)のジヒドロキシ化合物から誘導される。
従来技術に記載されているように、高いTgのコポリカーボネートは、界面ホスゲン化反応、ならびにビスクロロホルメートに基づく1段階および2段階の方法を含む、標準的な方法で製造することができる。界面法では、ジヒドロキシ反応剤を水性苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)または炭酸カリウムに溶解または分散し、得られた混合物を適切な水非混和性溶媒媒体に添加する。次いで、反応物を、触媒(例えば、トリエチルアミンまたは相間移動触媒)の存在下、制御されたpH(例えば、約8〜10)条件下で、カーボネート前駆体と接触させる。このような方法は、ランダムな数または高い数の高Tgモノマー−高Tgモノマーカーボネート結合を有するコポリカーボネートを生成することが見いだされた。ここで、本発明者らは、生成物コポリカーボネート中の高Tgモノマー−高Tgモノマーカーボネート結合数が、オリゴマーブロック長を最小化する改変した2段階のビスクロロホルメート法を用いることによって低減されることを見いだした。意図的にオリゴマーブロック長を最小化しない場合、前記2段階のビスクロロホルメート法では、実際に、ランダムコポリマーより好ましくない高い高Tgモノマー−高Tgモノマーカーボネート結合数を有する塊状の構造が生成する。
2段階のビスクロロホルメート法では、最初に、式(3)のジヒドロキシ化合物(例えば、BPA)から(式(2)の高いTgモノマー以外の別のジヒドロキシ化合物と共に、あるいは式(2)の高いTgモノマー以外の別のジヒドロキシ化合物なしで)、芳香族ビスクロロホルメート組成物が形成される。このようなビスクロロホルメートは、式(10)のものである。
Figure 0005047981
式中、R5基は、上述により定義した通りであり、jは、0〜19であり、Zは、H、ビスクロロホルメートの形成に用いられたアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属陽イオン、またはクロロホルメート基(-C(O)Cl)である(但し、少なくとも1個のZは、クロロホルメート基であることを条件とする)。好ましくは、大部分のZ基は、クロロホルメート基である。さらにより好ましくは、Z基の75%より多くがクロロホルメート基である。
式(10)のビスクロロホルメート基は、実質的に不活性であり、実質的に水非混和性の溶媒中のジヒドロキシ化合物の混合物を、アルカリまたはアルカリ土類の水溶液およびホスゲンと接触させることによって形成される。
溶媒の例は、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサンおよびn-ヘプタン等);クロロ化された脂肪族炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン、および1,2-ジクロロエチレン等);芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、およびキシレン等);および置換芳香族炭化水素(例えば、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、クロロトルエン、ニトロベンゼン、およびアセトフェノン等)である。最も一般的に用いられる、水非混和性溶媒には、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエンなどが含まれる。
アルカリ水溶液には、強塩基性水酸化物(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム等)の水性溶液である。このアルカリ水溶液中の塩基性水酸化物の濃度は、1〜50%、特に30〜50%であってよい。塩基性水酸化物の量は、2モルよりわずかに過剰量、例えば、ジヒドロキシ化合物1モル当たり2.01〜2.05モルである。
上述したように、コポリカーボネート中の高Tgモノマー−高Tgモノマーカーボネート結合の数を低下させることが、2段階のビスクロロホルメート法を用い、式(10)の中間体ビスクロロホルメートの重合度を最小化することによって達成された。重合度の最小化は、ビスクロロホルメートの形成および反応に用いられる反応条件を調節することによって達成することができる。例えば、ビスクロロホルメート形成の間、低い溶液pHを用いることができ、これにより、ビスクロロホルメートと水性相中のヒドロキシドイオンとの間の反応を最小化させると理論化することができる。ジヒドロキシ化合物の濃度を低くするとができ、これにより、ジヒドロキシ化合物とビスクロロホルメートとの有機相中での縮合が低減または阻止されると理論化することができる。これは、ホスゲン化の間に、ジヒドロキシ化合物の集積を最小限にする速度にて、ジヒドロキシ化合物溶液を反応器に同時に供給することによって達成することができる。高いホスゲン化速度を用いて、反応混合物中のホスゲンの濃度を可能な限り高く維持することができる。一実施態様では、低いpH、低いジヒドロキシ化合物濃度、および高いホスゲン化速度の3つ全てを用いる。
上述のガイダンスに従って、当業者は過度の実験をすることなく容易に的確なビスクロロホルメート形成条件を決めることができる。例えば、式(10)のビスクロロホルメートは、0〜50℃の温度、および2〜6の水性相のpH値で形成させることができる。時間は数分間〜20分間以上であってよく;通常、より長い時間は、認められ得る利点を全くもたらさない。
一般に、高いTgのモノマーがより多くポリカーボネートに組み込まれると、望まれるビスクロロホルメートの重合度は低くなる。例えば、式(2)の高いTgのモノマーを20モル%含有するコポリカーボネートを製造するためには、式(10)のビスクロロホルメートは理想的には4量体またはそれ以下(J=1〜3)である。式(2)の高いTgのモノマーを25モル%含有するコポリカーボネートを製造するためには、3単位またはそれ以下の式(10)のビスクロロホルメートを使用すると、高Tgモノマー−高Tgモノマーカーボネート結合の形成が最小化される。式(2)の高いTgのモノマーを33モル%含有するコポリカーボネートを製造するためには、2単位またはそれ以下の式(10)のビスクロロホルメートを使用すると、高Tgモノマー−高Tgモノマーカーボネート結合の形成が最小化される。したがって、ビスクロロホルメートの平均単位数は、コポリカーボネートに組み込まれる高いTgモノマーの量次第で、1〜19、より特に1〜14、1〜10、1〜7、1〜5、さらにより特に1〜4、1〜3、またはさらに特に1〜2である。
ビスクロロホルメートが形成された後、このビスクロロホルメートを、式(2)の高いTgのモノマー、塩基(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)、および縮合を引き起こすための相間移動剤と接触させる。添加の順番は、特に重要ではないようである。一実施態様では、高いTgのモノマーと相間移動剤とを水性アルカリ溶液中で混合し、次いで、ビスクロロホルメート溶液を添加する。好適な水性アルカリ溶液は、強塩基性ヒドロキシド(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)の水溶液である。塩基性ヒドロキシドの水性アルカリ溶液中の濃度は、1〜50重量%、特に25〜50重量%であってよい。塩基性ヒドロキシドの量は、2モルのわずかに過剰量、例えば、高いTgのモノマー1モル当たり2.01〜2.5モルである。高いTgのモノマーの量は、コポリマー中の高いTgのモノマーの所望の最終モル比次第で変動する。
用いることができる相間移動触媒として、式(R9)4Q+Xの触媒があり、式中、各R9は同じであるかもしくは異なり、C1〜10アルキル基であり;Qは窒素原子またはリン原子であり;Xはハロゲン原子またはC1〜8アルコキシ基またはC6〜18アリールオキシ基である。好適な相間移動触媒には、例えば、[CH3(CH2)3]4NX、[CH3(CH2)3]4PX、[CH3(CH2)5]4NX、[CH3(CH2)6]4NX、[CH3(CH2)4]4NX、CH3[CH3(CH2)3]3NX、および、CH3[CH3(CH2)2]3NXが含まれ、式中、XはCl-、Br-、C1〜8アルコキシ基、またはC6〜18アリールオキシ基である。特定の実施態様では、Xは、ハロゲン(例えば、塩素等)またはヒドロキシル基である。相間移動触媒の有効量は、ホスゲン化混合物中の高いTgのモノマーの重量に基づいて、約0.1から約10重量%であってよい。別の実施態様では、相間移動触媒の有効量は、ホスゲン化混合物中の高いTgのモノマーの重量に基づいて、約0.5から約2重量%である。
一般に、コポリカーボネート形成反応は、0〜100℃、特に20〜50℃にて;約8を超えるpH、特に9〜10のpHで;かつ、ビスクロロホルメート組成物中の構造単位に基づいて0.235〜3.0モル%の触媒を用いて行う。
キャッピング剤(チェーンストッパーとも呼ばれる)を、コポリカーボネート形成反応中に分子量増大速度を制限するために用いて、ビスクロロホルメート中の分子量を制御する。キャッピング剤の例には、特定のモノ-フェノール性化合物、モノ-カルボン酸クロライド、および/またはモノクロロホルメートが含まれる。好適なモノ-フェノール性チェーンストッパーは、単環式フェノール(例えば、フェノール等)、C1〜22アルキル置換フェノール(例えば、p-クミルフェノール、レゾルシノールモノベンゾエート、ならびにp-およびtert-ブチルフェノール);ならびにジフェノールのモノエーテル(例えば、p-メトキシフェノール等)によって例示される。炭素原子8〜9個を有する分岐鎖アルキル置換基を有するアルキル置換フェノールを、特に挙げることができる。特定のモノフェノール性UV吸収剤(例えば、4-置換-2-ヒドロキシベンゾフェノンおよびその誘導体)、アリールサリチレート、ジフェノールのモノエステル(例えば、レゾルシノールモノベンゾエート、2-(2-ヒドロキシアリール)-ベンゾトリアゾールおよびそれらの誘導体等)などを、キャッピング剤として用いることもできる。ビスクロロホルメートに対するキャッピング剤の比率は、所望の分子量および/または線状コポリカーボネート生成物の固有粘度次第である。ビスクロロホルメート組成物中の構造単位に基づく、約0.5モル%〜7.0モル%の量は、典型的である。
分岐コポリカーボネートブロックを、重合中に分岐剤を添加することによって製造することができる。これらの分岐剤には、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボン酸無水物、ハロホルミル、およびこれらの官能基の混合物から選択される少なくとも3個の官能性基を有する多官能性有機化合物が含まれる。具体例には、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、トリメリット酸トリクロライド、トリス-p-ヒドロキシルフェニルエタン、イサチン-ビス-フェノール、トリス-フェノールTC〔1,3,5-トリス((p-ヒドロキシフェニル)イソプロピル)ベンゼン〕、トリス-フェノールPA〔4(4(1,1-ビス(p-エチル)α,α-ジメチルベンジル)フェノール)〕、4-クロロホルミルフタル酸無水物、トリメシン酸、およびベンゾフェノンテトラカルボン酸が含まれる。分岐剤は、約0.05〜2.0重量%の濃度で添加することができる。線状コポリカーボネートと分岐状コポリカーボネートとを含む混合物を用いることができる。
縮合反応が所望の完結度まで進行した後、有機塩基を添加して、残ったビスクロロホルメートを全て加水分解および縮合させる。これは過剰のビスクロロホルメートを使用した場合に好ましい。好適な塩基には、コポリカーボネートの界面重合に用いた三級アミンが含まれる。典型的な三級アミンには、脂肪族アミン(例えば、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、ジエチル-n-プロピルアミン、およびトリ-n-ブチルアミン等)、ならびに高度に求核性のヘテロ環式アミン(例えば、4-ジメチルアミノピリジン等)が含まれる。好ましいアミンは、反応系の有機相に優先的に溶解して、アミンとビスクロロホルメートとの間の接触を増進させる。最も有用なアミンは、1-位および2-位の炭素原子上に分岐を含まないトリアルキルアミンであり、特に、アルキル基が約4個までの炭素原子を含有するトリ-n-アルキルアミンが含まれる。
その後、混合物を追加のホスゲンに接触させて、重合の終了を確実にすることができる。
バッチ条件または連続条件のいずれかを、コポリカーボネートの製造に用いることができ、あるいは、1つの工程をバッチ式で行い、他の一工程を連続式で行うこともできる。
コポリカーボネートは、反応混合物から単離することができ、あるいは製造されたままで物品の成形に用いることができる。例えば、水蒸気沈殿法を用いることができ、あるいは非溶媒沈殿法(例えば、メタノールを用いるもの)を用いることができる。あるいは、フィルムのような物品を、直接反応溶液から(溶媒キャスティング等によって)コポリカーボネートの中間的な単離をすることなく成形することができる。
本プロセスは、コポリカーボネート中の高Tgモノマー−高Tgモノマーポリカーボネート結合の数を低減する方法を提供する。本方法は、特に、式(4):
Figure 0005047981
の高Tgモノマー−高Tgモノマーカーボネート結合を、同じ比の式(2)の高いTgのモノマーと式(3)のジヒドロキシ化合物とから製造されたランダムコポリマーにおいて理論的に得られるものより少なくとも10%少なく有するコポリカーボネートの製造方法を提供する。コポリカーボネート中の高Tgモノマー−高Tgモノマーポリカーボネート結合の数は、C13NMRによって、コポリカーボネート中に損じする各タイプのカーボネート結合の曲線下面積を使ってパーセントベースで定量することができる。
一般に、コポリカーボネート中に形成された高Tgモノマー−高Tgモノマーポリカーボネート結合の数は、コポリカーボネートを形成させるために使用した高いTgのモノマーのモル%と相関関係がある。すなわち、コポリカーボネートを形成させるために使用した高いTgのモノマーのモル%が高い程、形成される高Tgモノマー−高Tgモノマーポリカーボネート結合の数が多い。例えば、40モル%のA単位と60モル%のB単位とを含むランダムABポリカーボネートにおいて、A-Aカーボネート結合の理論濃度は16%([0.40]2 x 100)であり、B-Bカーボネート結合の理論濃度は36%([0.60]2 x 100)であり、A-Bカーボネート結合の理論濃度は48%(100%-16%-48%)である。同様に、25モル%のA単位と75モル%のB単位とを含むランダムABポリカーボネートにおいて、A-Aカーボネート結合の理論濃度は6.25%であり、B-Bカーボネート結合の理論濃度は56.25%であり、A-Bカーボネート結合の理論濃度は37.5%である。
本方法によるコポリカーボネート製品は、同じ比の式(2)の高いTgのモノマーと式(3)のジヒドロキシ化合物とを使用して製造されたランダムコポリマーにおいて理論的に形成されるものより式(4)のカーボネート結合数が少ない。一実施態様では、形成される式(4)の結合が少なくとも10%少ない。理論的に、式(4)の結合が最高で100%少ないもの、すなわち式(4)の結合がコポリマー中に全く存在しないものが形成されうる。他の実施態様では、同じ比の式(2)の高いTgのモノマーと式(3)のジヒドロキシ化合物とを使用して製造されたランダムコポリマーにおいて理論的に形成されるものより式(4)のカーボネート結合数が、10%〜99%、15%〜95%、20%〜90%、25%〜85%、30%〜80%、40%〜75%、あるいは50%〜70%少ない。
本コポリカーボネートは、高いTgおよび向上した加水分解安定性を含む多くの望ましい特性を有する。コポリカーボネートのTgは、コポリカーボネート中に存在する高いTgモノマーのモル%によって決まる。例えば、BHPDから誘導された単位を75モル%含むコポリカーボネートは、255〜260℃のTgを有する場合があり、BHPDから誘導された単位を50モル%含むコポリカーボネートは、225℃のTgを有する場合がある。
ポリカーボネートの重量平均分子量は、ポリカーボネート標準を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定して、17,000〜400,000ダルトンである。一実施態様では、分子量は、20,000〜29,000ダルトンである。
本コポリカーボネートは、多くの他の望ましい特性、例えば、熱安定性、光学的透明性、無色であること、および/または耐黄化性を有する。高いTgのコポリカーボネートを製造により、高い光学的透明性が得られる。このように、コポリカーボネートの透過率は、ASTM-D1003-01に準拠して測定して、50%、60%、70%、80%、あるいは90%より高くなり得る。
高いTgのコポリカーボネートは、低い収縮性および/または低い熱膨張係数(CTE)も有し得る。これらはいずれも、ASTM E831に準拠して測定することができる。一実施態様では、コポリカーボネートの収縮性は、200℃で8時間加熱した後で40 ppm未満、または30 ppm未満、あるいは200℃で8時間加熱した後で25 ppm未満である。高いTgのコポリカーボネートは、80 ppm/℃未満、あるいは70 ppm/℃未満、あるいはさらに60 ppm/℃未満、50 ppm/℃未満までのCTEも有し得る。
コポリカーボネートと共に用いることができる他のポリマーおよび/または添加剤の量および種類は、所与の用途に必要とされる他の特性に悪影響を及ぼすことなく、コポリカーボネートに所望される特性がもたらされるように選択する。このような選択は、組成物の所望の特性および添加剤の公知の特性に基づいて、当業者が過度の実験をすることなく行うことができる。例えば、特定のポリマーおよび/または添加剤は、コポリカーボネートに用いられる加工条件によって制限されうる。後述する一実施態様では、コポリカーボネートを含むフィルムを、溶媒キャスティングによって成形する。他のポリマーおよび/または添加剤(例えば、耐衝撃性改良剤、UV安定剤など)は、好ましくは、フィルムのキャスティングに用いる溶液にも可溶性である。コポリカーボネートと共に用いることができる他のポリマーおよび/または添加剤の量および種類は、用途によって制限される場合もある。例えば、透明フィルムが望まれる場合、特定の耐衝撃性改良剤、フィラー、着色剤、滴下防止剤を使用することができない場合がある。
本明細書に記述するコポリカーボネートは、他のポリマー〔他のホモポリカーボネート、異なるR1基を含むポリカーボネートコポリマー、および/または、ポリカーボネート単位と他のポリマー単位(例えば、エステル単位またはジオルガノシロキサン単位)とを含むコポリマーを含む〕と組み合わせて使用することができる。本明細書において、「組合せ」には、ブレンド、混合物、アロイなどが含まれる。本コポリカーボネートは、他のポリマー、例えば、ポリエステル(例えば、ポリアリーレート等)、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン(例えば、ポリアリールスルホンおよびポリエーテルスルホン等)、ポリスルホネート、ポリスルホンアミド、ポリスルフィド(例えば、ポリフェニレンスルフィド等)、ポリチオエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリビニルエーテル、ポリビニルチオエーテル、ポリビニル、ポリビニルケトン、ポリビニルハライドアルコール(例えば、ポリビニルクロライド)、ポリビニルニトリル、ポリビニルエステル、または前述の有機ポリマーの少なくとも1種と含む組合せ、と組み合わせて使用することもできる。
本コポリカーボネートは、耐衝撃性を増すために耐衝撃性改良剤組成物を含んでいてよい。これらの耐衝撃性改良剤には、(i)約10℃未満、さらに特に約-10℃未満、または、さらに特に約-40℃から-80℃のTgを有するエラストマー(すなわち、ゴム状)ポリマー基質、および(ii)このエラストマーポリマー基質にグラフトされた剛性(rigid)ポリマー性上層、を含むエラストマー変性グラフトコポリマーが含まれる。知られているように、エラストマー変性グラフトコポリマーは、最初に、エラストマーポリマーを準備し、次いで、このエラストマーの存在下で、剛性相を構成する(複数の)モノマーを重合してグラフトコポリマーを得ることによって製造することができる。グラフトは、接木の枝のように、または、エラストマーのコアに対する殻(shell)のように付着させることができる。この殻は、コアを単に物理的に包み込んでいても、あるいは、コアに部分的にまたは本質的に完全にグラフトされていてもよい。
エラストマー相として用いるのに適する材料には、例えば、共役ジエンゴム;共役ジエンと約50重量%未満の共重合可能なモノマーとのコポリマー;オレフィンゴム、例えば、エチレンプロピレンコポリマー(EPR)またはエチレン-プロピレン-ジエンモノマーゴム(EPDM);エチレン-酢酸ビニルゴム;シリコーンゴム; エラストマーC1〜8アルキル(メタ)アクリレート;C1〜8アルキル(メタ)アクリレートと、ブタジエンおよび/またはスチレンとのエラストマーコポリマー;あるいはこれらのエラストマーの少なくとも1種を含む組合せが含まれる。
エラストマー相を製造するための適切な共役ジエンモノマーは、式(11)のモノマーである。
Figure 0005047981
式中、各Xbは独立に、水素、C1〜C5アルキルなどである。使用され得る共役ジエンモノマーの例は、ブタジエン、イソプレン、1,3-ヘプタジエン、メチル-1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-エチル-1,3-ペンタジエン、1,3-および2,4-ヘキサジエンなど、ならびに、これらの共役ジエンモノマーの少なくとも1種を含む混合物である。具体的な共役ジエンホモポリマーには、ポリブタジエンおよびポリイソプレンが含まれる。
共役ジエンゴムのコポリマー(例えば、共役ジエンと、共役ジエンと共重合可能な1種または複数種のモノマーとの水性乳化ラジカル重合によって製造されるコポリマー)を用いることもできる。共役ジエンとの共重合に適したモノマーには、縮合芳香環構造を含有するビニル芳香族モノマー(例えば、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなど)、または式(12)のモノマーが含まれる。
Figure 0005047981
式中、各Xcは独立に、水素、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C6〜C12アリール、C7〜C12アリールアルキル、C7〜C12アルキルアリール、C1〜C12アルコキシ、C3〜C12シクロアルコキシ、C6〜C12アリールオキシ、クロロ、ブロモ、またはヒドロキシであり、Rは、水素、C1〜C5アルキル、ブロモ、またはクロロである。使用し得る適切なモノビニル芳香族モノマーには、スチレン、3-メチルスチレン、3,5-ジエチルスチレン、4-n-プロピルスチレン、α-メチルスチレン、α-メチルビニルトルエン、α-クロロスチレン、α-ブロモスチレン、ジクロロスチレン、ジブロモスチレン、tetra-クロロスチレンンなど、およびこれらの化合物の少なくとも1種を含む組合せが含まれる。スチレンおよび/またはα-メチルスチレンは、共役ジエンモノマーと共重合可能なモノマーとして使用することができる。
共役ジエンと共重合し得る他のモノマーは、例えば、イタコン酸、アクリルアミド、N-置換アクリルアミドまたはメタクリルアミド、無水マレイン酸、マレイミド、N-アルキル、アリール-、もしくはハロアリール-置換マレイミド、グリシジル(メタ)アクリレート、および一般式(13)のモノマーなどのモノビニルモノマーである。
Figure 0005047981
式中、Rは、水素、C1〜C5アルキル、ブロモ、またはクロロであり、Xcは、シアノ、C1〜C12アルコキシカルボニル、C1〜C12アリールオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルなどである。式(13)のモノマーの例には、アクリロニトリル、エタクリロニトリル、メタクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、β-クロロアクリロニトリル、α-ブロモアクリロニトリル、アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど、およびこれらのモノマーの少なくとも1種を含む組合せが含まれる。例えば、n-ブチルアクリレート、エチルアクリレート、および2-エチルへキシルアクリレートなどのモノマーは、共役ジエンモノマーと共重合可能なモノマーとして広く用いられている。これらのモノビニルモノマーとモノビニル芳香族モノマーとの混合物を用いてもよい。
エラストマー相として使用するのに適する、適切な(メタ)アクリレートモノマーは、架橋して、C1〜C8アルキル(メタ)アクリレート、特に、C4〜6アルキルアクリレート(例えば、n-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートなど)、およびこれらのモノマーの少なくとも1種を含む組合せの、微粒子状乳化ホモポリマーまたはコポリマーを形成することができる。C1〜C8アルキル(メタ)アクリレートモノマーは、任意選択で、最高で15重量%までの式(11)、(12)、または(13)のコモノマーと混合して重合してもよい。例示的なコモノマーには、これらだけに限られないが、ブタジエン、イソプレン、スチレン、メチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、フェネチルメタクリレート、N-シクロヘキシルアクリルアミド、ビニルメチルエーテル、およびこれらのコモノマーの少なくとも1種を含む混合物が含まれる。任意選択で、最高で5重量%までの多官能架橋性コモノマー、例えば、ジビニルベンゼン、アルキレンジオールジ(メタ)アクリレート(例えば、グリコールビスアクリレート)、アルキレントリオールトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスアクリルアミド類、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルアジペート、クエン酸のトリアリルエステル、リン酸のトリアリルエステルなど、ならびにこれらの架橋剤の少なくとも1種を含む組合せが存在してもよい。
エラストマー相は、塊状、乳化、懸濁、溶液法、または塊状-懸濁、乳化-塊状、塊状-溶液のような組み合わせた方法、あるいは他の技法によって、連続、半バッチ、バッチプロセスを用いて重合され得る。エラストマー基質の粒径は重要ではない。エマルジョン系重合ゴムラテックスでは、例えば、約0.001から約25マイクロメートル、特に、約0.01から約15マイクロメートル、さらに特に、約0.1から約8マイクロメートルの平均粒径を用いることができる。塊状重合ゴム基質では、約0.5から約10マイクロメートル、特に、約0.6から約1.5マイクロメートルの粒径が用いられ得る。粒径は、簡単な光透過法またはキャピラリーハイドロダイナミッククロマトグラフィー(CHDF)によって測定することができる。エラストマー相は、微粒子状の、中程度に架橋された共役ブタジエンゴムまたはC4〜6アルキルアクリレートゴムであってよく、70%より高いゲル含量を有することが好ましい。ブタジエンとスチレンとの混合物および/またはC4〜6アルキルアクリレートゴムも適切である。
エラストマー相は、全グラフトコポリマーの5から95重量%を占め、さらに特に、エラストマー変性グラフトコポリマーの20から90重量%、なお一層特に、40から85重量%を占め、残りの部分は剛性グラフト相である。
エラストマー変性グラフトコポリマーの剛性相は、モノビニル芳香族モノマーと、任意選択で1種以上のコモノマーとを含む混合物を、1種以上のエラストマーポリマー基質の存在の下でグラフト重合することによって形成させることができる。式(12)の前述のモノビニル芳香族モノマーを剛性グラフト相に用いることができ、これらには、スチレン、α-メチルスチレン、ハロスチレン(例えば、ジブロモスチレン)、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ブチルスチレン、パラ-ヒドロキシスチレン、メトキシスチレンなど、またはこれらのモノビニル芳香族モノマーの少なくとも1種を含む組合せが含まれる。適切なコモノマーには、例えば、前述のモノビニルモノマーおよび/または一般式(13)のモノマーが含まれる。一実施態様において、Rは水素またはC1〜C2アルキルであり、XcはシアノまたはC1〜C12アルコキシカルボニルである。剛性相に使用するのに適するコモノマーの具体例には、アクリロニトリル、エタクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレートなど、およびこれらのコモノマーの少なくとも1種を含む組合せが含まれる。
剛性グラフト相におけるモノビニル芳香族モノマーとコモノマーとの相対比は、エラストマー基質のタイプ、(複数の)モノビニル芳香族モノマーのタイプ、(複数の)コモノマーのタイプ、および耐衝撃性改良剤の所望の性質に応じて広く変わり得る。剛性相は、一般に、最高で100重量%までのモノビニル芳香族モノマー、特に、約30から約100重量%、さらに特に、約50から約90重量%のモノビニル芳香族モノマーを含んでいてもよく、残りの部分が(複数の)コモノマーである。
存在するエラストマー変性ポリマーの量に応じて、グラフトされていない剛性ポリマーもしくはコポリマーの分離したマトリックスもしくは連続相が、エラストマー変性グラフトコポリマーと共に、同時に得られ得る。典型的には、このような耐衝撃性改良剤は、耐衝撃性改良剤の合計重量に基づいて、約40から約95重量%のエラストマー変性グラフトコポリマーと、約5から約65重量%のグラフト(コ)ポリマーとを含む。別の実施態様において、このような耐衝撃性改良剤は、耐衝撃性改良剤の合計重量に対して、約50から約85重量%、さらに特に、約75から約85重量%のゴム変性グラフトコポリマーを、約15から約50重量%、さらに特に、約15から約25重量%のグラフト(コ)ポリマーと共に含む。
エラストマー変性耐衝撃性改良剤の別の具体的なタイプは、少なくとも1種のシリコーンゴムモノマー、式H2C=C(Rd)C(O)OCH2CH2Re(式中、Rdは、水素またはC1〜C8直鎖状または分岐状アルキル基であり、Reは、C3〜C16分岐状アルキル基である)を有する分岐状アクリルゴムモノマー;第1グラフト連結モノマー;重合性アルケニル含有有機物質;および第2グラフト連結モノマーから誘導される構造単位を含む。シリコーンゴムモノマーには、例えば、環状シロキサン、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、(アクリルオキシ)アルコキシシラン、(メルカプトアルキル)アルコキシシラン、ビニルアルコキシシラン、または、アリルアルコキシシラン、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、および/またはテトラエトキシシランが、単独でもしくは組み合わせて含まれ得る。
例示的な分岐状アクリルゴムモノマーには、イソオクチルアクリレート、6-メチルオクチルアクリレート、7-メチルオクチルアクリレート、6-メチルヘプチルアクリレートなどが、単独でもしくは組み合わせて含まれる。前記の重合性アルケニル含有有機物質は、単独でもしくは組み合わせて、例えば、式(12)または(13)のモノマー(例えば、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、または、分岐のない(メタ)アクリレート(例えば、メチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレートなど))であってよい。
前記の少なくとも1種の第1グラフト連結モノマーは、単独でもしくは組み合わせて、(アクリルオキシ)アルコキシシラン、(メルカプトアルキル)アルコキシシラン、ビニルアルコキシシラン、または、アリルアルコキシシラン、例えば、(γ-メタクリルオキシプロピル)(ジメトキシ)メチルシランおよび/または(3-メルカプトプロピル)トリメトキシシランであってよい。前記の少なくとも1種の第2グラフト連結モノマーは、単独でもしくは組み合わせて、少なくとも1つのアリル基を有するポリエチレン性不飽和化合物、例えば、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、またはトリアリルイソシアヌレートである。
これらのシリコーン-アクリレート耐衝撃性改良剤組成物は乳化重合によって製造することができ、この場合、例えば、少なくとも1種のシリコーンゴムモノマーが、少なくとも1種の第1グラフト連結モノマーと、例えばドデシルベンゼンスルホン酸などの界面活性剤の存在下、約30℃から約110℃の温度で反応して、シリコーンゴムラテックスを生成する。別法として、例えばシクロオクタメチルテトラシロキサンなどの環状シロキサンと、テトラエトキシオルソシリケートとを、例えば(γ-メタクリルオキシプロピル)メチルジメトキシシランなどの第1グラフト連結モノマーと共に反応させて、約100ナノメートルから約2ミクロンの平均粒径を有するシリコーンゴムを得てもよい。次いで、少なくとも1種の分岐状アクリレートゴムモノマーを、このシリコーンゴム粒子と、過酸化ベンゾイルのようなフリーラジカル発生重合触媒の存在下で、任意選択で架橋モノマー(例えば、アリルメタクリレート)の存在の下で重合させる。次に、このラテックスを、重合性アルケニル含有有機物質および第2グラフト連結モノマーと反応させる。このシリコーン-アクリレートのグラフトゴムハイブリッドのラテックス粒子を、凝結により(凝結剤による処理により)水性相から分離し、乾燥し微粉末にして、シリコーン-アクリレートゴム耐衝撃性改良剤組成物を形成させることができる。この方法は一般に、約100ナノメートルから約2マイクロメートルの粒径を有するシリコーン-アクリレート耐衝撃性改良剤を製造するために用いることができる。
前記のエラストマー変性グラフトコポリマーを形成させるための公知の方法には、連続、半バッチ、バッチプロセスを用いる、塊状法、乳化法、懸濁法、溶液法、または、塊状-懸濁、乳化-塊状、塊状-溶液のような組み合わせた方法、あるいは他の技法が含まれる。
このタイプの具体的な耐衝撃性改良剤は、ブタジエン基質が、前記のスルホネート、サルフェート、またはホスフェートを界面活性剤として用いて製造されるメチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン(MBS)耐衝撃性改良剤である。ABSおよびMBS以外の他のエラストマー変性グラフトコポリマーの例には、これらに限定されないが、アクリロニトリル-スチレン-ブチルアクリレート(ASA)、メチルメタクリレート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(MABS)、およびアクリロニトリル-エチレン-プロピレン-ジエン-スチレン(AES)が含まれる。存在する場合には、耐衝撃性改良剤は、熱可塑性組成物中に、ポリカーボネートとスルホン化されたポリアリーレートポリマーとの合計重量に基づいて、0.1から約30重量パーセントの量で存在する。
通常、コポリマー樹脂組成物に組み込まれるさまざまな添加剤が、その添加剤が、好ましくはコポリカーボネートに所望される特性に悪影響を及ぼさないように選択されるという条件で組み込まれる。添加剤の混合物を用いることができる。このような添加剤は、組成物を形成させるための成分の混合途中の好適な時期に混合することができる。
高いTgのコポリカーボネートをフィルム、特に透明フィルムの成形に用いる場合、フィラーの種類および粒径は、滑らかさまたは透明度の所望のレベルに有意な悪影響を及ぼさないように選択する。キャスティング溶液中で非凝集性のフィラーが特に有用である。
適切なフィラーまたは強化剤には、例えば、シリケートおよびシリカ粉末〔例えば、ケイ酸アルミニウム(ムライト)、合成ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ヒューズドシリカ、結晶性シリカグラファイト、天然シリカサンドなど〕;ホウ素粉末(例えば、窒化ホウ素粉末、ボロンシリケート粉末など);酸化物(例えば、TiO2、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど);硫酸カルシウム(無水物、二水和物または三水和物として);炭酸カルシウム類(例えば、チョーク、石灰石、大理石、合成沈降炭酸カルシウム類など);タルク(繊維状、球状(nodular)、針状、ラメラ状のタルクなどが含まれる)など;珪灰石;表面処理珪灰石;ガラス球状体(例えば、中空または中実のガラス球状体)、シリケート球状体、セノスフェア、アルミノシリケート(アルモスフィア(armosphere))など;カオリン(硬質カオリン、軟質カオリン、焼成カオリン、当技術分野においてポリマーマトリックス樹脂との相溶を容易にすることが知られている様々なコーティングを備えるカオリンを含む)など;単結晶繊維すなわち「ウィスカー」(例えば、炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、鉄、ニッケル、銅など);繊維(連続繊維および短繊維が含まれる)〔例えば、アスベスト、炭素繊維、ガラス繊維(例えば、E、A、C、ECR、R、S、D、またはNEガラス)など〕;硫化物(例えば、硫化モリブデン、硫化亜鉛など);バリウム化合物(例えば、チタン酸バリウム、バリウムフェライト、硫酸バリウム、重晶石など);金属および金属酸化物(例えば、粒子状または繊維状のアルミニウム、青銅、亜鉛、銅、ニッケルなど);フレーク状フィラー、(例えば、ガラスフレーク、フレーク状炭化ケイ素、二ホウ化アルミニウム、アルミニウムフレーク、スチールフレークなど);繊維状フィラー、例えば、無機短繊維(例えば、ケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、および硫酸カルシウム半水和物などの少なくとも1種を含むブレンドから誘導されるもの)など;天然のフィラーおよび強化材〔例えば、木材を粉末にすることにより得られる木粉、繊維状産物(例えば、セルロース、綿、サイザル麻、ジュート、デンプン、コルク粉、リグニン、ピーナッツの殻、トウモロコシ、米粒殻)など〕;有機フィラー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン等);繊維に成形できる有機ポリマー〔例えば、ポリ(エーテルケトン)、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリエステル、ポリエチレン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂、ポリ(ビニルアルコール)など〕から形成された強化有機繊維フィラー;ならびに、さらなるフィラーおよび強化剤(例えば、マイカ、クレー、長石、煙塵、フィライト、石英、珪岩、パーライト、トリポリ石、珪藻土、カーボンブラックなど)、あるいは、これらのフィラーまたは強化剤の少なくとも1種を含む組合せが含まれる。
フィラーおよび強化剤は、導電を容易にするために金属材料の層でコーティングされていても、あるいは、ポリマーマトリックス樹脂との接着および分散を向上させるためにシランにより表面処理されていてもよい。さらに、強化フィラーは、モノフィラメント繊維またはマルチフィラメント繊維の形態で供用されてもよく、また、単独で用いられても、あるいは、例えば、共織り(co-weaving)、またはコア/シース、サイド-バイ-サイド、オレンジ-タイプ、もしくはマトリックスおよびフィブリルの構造により、または、繊維製造分野の技術者に公知な他の方法によって、他のタイプの繊維と組み合わせて用いられてもよい。適切な共織り構造には、例えば、ガラス繊維-炭素繊維、炭素繊維-芳香族ポリイミド(アラミド)繊維、および、芳香族ポリイミド繊維-ガラス繊維などが含まれる。繊維状フィラーは、例えば、ロービング、織った繊維強化材(例えば、0〜90度ファブリックなど);不織繊維強化材(例えば、連続ストランドマット、チョップドストランドマット、ティッシュ(tissue)、紙およびフェルトなど);または、3次元強化材(例えば、ブレイド(braid))の形態で供給され得る。フィラーは、一般に、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、約1から約500重量部の量で用いられる。
適切な酸化防止添加剤には、例えば、有機ホスファイト〔例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイトなど〕;アルキル化モノフェノールもしくはポリフェノール;ポリフェノールのジエンを用いたアルキル化反応生成物〔例えば、テトラキス[メチレン(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン〕など;パラクレゾールまたはジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物;アルキル化ヒドロキノン;ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル;アルキリデン-ビスフェノール;ベンジル化合物;β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸と1価もしくは多価アルコールとのエステル;β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-プロピオン酸と1価もしくは多価アルコールとのエステル;チオアルキルまたはチオアリール化合物のエステル〔例えば、ジステアリルチオプロピオネート、ジラウリルチオプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリトリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕など;β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸のアミドなど、またはこれらの酸化防止剤の少なくとも1種を含む組合せが含まれる。酸化防止剤は、一般に、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、約1から約10重量部の量で用いられる。
適切な熱安定剤添加剤には、例えば、有機ホスファイト〔例えば、トリフェニルホスファイト、トリス-(2,6-ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス-(混合モノ-およびジノニルフェニル)ホスファイト〕など;ホスホネート(例えば、ジメチルベンゼンホスホネート)など;ホスフェート(例えば、トリメチルホスフェート)など、またはこれらの熱安定剤の少なくとも1種を含む組合せが含まれる。熱安定剤は、一般に、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、約1から約10重量部の量で用いられる。
光安定剤および/または紫外線(UV)吸収添加剤を用いることもできる。適切な光安定剤には、例えば、ベンゾチアゾール類〔例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルベンゾフェノンなど〕またはこれらの光安定剤の少なくとも1種を含む組合せが含まれる。光安定剤は、一般に、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、約1から約10重量部の量で用いられる。
適切なUV吸収添加剤には、例えば、ヒドロキシベンゾフェノン類;ヒドロキシベンゾトリアゾール類;ヒドロキシベンゾトリアジン類;シアノアクリレート類;オキサニリド類;ベンゾオキサジノン類;2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノール(CYASORB(登録商標)5411);2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン(CYASORB(登録商標)531);2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチルオキシ)-フェノール(CYASORB(登録商標)1164);2,2'-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)(CYASORB(登録商標)UV-3638);1,3-ビス[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]-2,2-ビス[[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパン(UVINUL(登録商標)3030);2,2'-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン);1,3-ビス[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]-2,2-ビス[[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパン;ナノサイズの無機材料〔例えば、酸化チタン、酸化セリウム、および酸化亜鉛(いずれも、約100ナノメートル未満の粒径を有するもの)〕など;またはこれらのUV吸収剤の少なくとも1種を含む組合せが含まれる。UV吸収剤は、一般に、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、約1から約10重量部の量で用いられる。
可塑剤、滑剤、および/または離型剤添加剤を用いることもできる。これらのタイプの物質には、かなり重なる部分があり、これらには、例えば、フタル酸エステル(例えば、ジオクチル-4,5-エポキシヘキサヒドロフタレートなど);トリス-(オクトキシカルボニルエチル)イソシアヌレート;トリステアリン;ジ-、もしくはポリ官能性芳香族ホスフェート〔例えば、レゾルシノールテトラフェニルジホスフェート(RDP)、ヒドロキノンのビス(ジフェニル)ホスフェート、およびビスフェノールAのビス(ジフェニル)ホスフェート等〕;ポリ-α-オレフィン;エポキシ化大豆油;シリコーン(シリコーンオイルを含む);エステル〔例えば、アルキルステアリルエステルなどの脂肪酸エステル(例えばメチルステアレート、ステアリルステアレート、ペンタエリトリトールテトラステアレート)など〕;メチルステアレートと、親水性および疎水性の非イオン性界面活性剤(ポリエチレングリコールポリマー、ポリプロピレングリコールポリマー、およびこれらのコポリマーが含まれる)との混合物(例えば、適切な溶媒中のメチルステアレートとポリエチレン-ポリプロピレングリコールコポリマーとの混合物);ワックス(例えば、蜜蝋、モンタンワックス、パラフィンワックス等)が含まれる。このような物質は、一般に、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、約1から約25重量部の量で用いられる。
「帯電防止剤」という用語は、導電性および全体的な物理的性能を向上させるために、ポリマー樹脂に組み入れるか、かつ/あるいは材料もしくは物品上にスプレーすることができる、モノマー物質、オリゴマー物質、またはポリマー物質を表す。モノマー帯電防止剤の例には、グリセロールモノステアレート、グリセロールジステアレート、グリセロールトリステアレート、エトキシル化アミン、第1級、第2級、および第3級アミン、エトキシル化アルコール、アルキルサルフェート、アルキルアリールサルフェート、アルキルホスフェート、アルキルアミンサルフェート、アルキルスルホン酸塩(例えば、ステアリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど)、第4級アンモニウム塩、第4級アンモニウム樹脂、イミダゾリン誘導体、ソルビタンエステル、エタノールアミド、ベタインなど、またはこれらのモノマー帯電防止剤の少なくとも1種を含む組合せが含まれる。
例示的なポリマー帯電防止剤には、特定のポリエステルアミド、ポリエーテル-ポリアミド(ポリエーテルアミド)ブロックコポリマー、ポリエーテルエステルアミドブロックコポリマー、ポリエーテルエステル、または、ポリウレタンなどが含まれ、それぞれ、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコール部分のポリアルキレンオキシド単位を含有している。このようなポリマー帯電防止剤は市販されており、例えば、Pelestat(登録商標)6321(Sanyo)もしくはPebax(登録商標)MH1657(Atofina)、Irgastat(登録商標)P18およびP22(Ciba-Geigy)がある。帯電防止剤として使用され得る他のポリマー物質は、真性導電性ポリマー〔例えば、ポリアニリン(Panipolから、PANIPOL(登録商標)EBとして市販されている)、ポリピロール、およびポリチオフェン (Bayerから市販されている)であり、これらは、高温での溶融加工の後でも、これらの固有の導電性の一部を保持する。一実施態様において、炭素繊維、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、または、これらの任意の組合せを、化学的帯電防止剤を含有するポリマー樹脂中において本組成物を静電気散逸性にするために用いることができる。帯電防止剤は、一般に、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、約1から約25重量部の量で用いられる。
顔料および/または染料添加剤などの着色剤が存在していてもよい。適切な顔料には、例えば、無機顔料、例えば、金属酸化物および混合金属酸化物(例えば、酸化亜鉛、二酸化チタン類、酸化鉄類など);硫化物(例えば、硫化亜鉛類など);アルミネート;スルホケイ酸ナトリウム、サルフェート、クロメートなど;カーボンブラック類;亜鉛フェライト類;ウルトラマリンブルー;Pigment Brown 24;Pigment Red 101;Pigment Yellow 119;有機顔料(例えば、アゾ類、ジアゾ類、キナクリドン類、ペリレン類、ナフタレンテトラカルボン酸類、フラバントロン類、イソインドリノン類、テトラクロロイソインドリノン類、アントラキノン類、アンサンスロン類、ジオキサジン類、フタロシアニン類、およびアゾレーキ;Pigment Blue 60、Pigment Red 122、Pigment Red 149、Pigment Red 177、Pigment Red 179、Pigment Red 202、Pigment Violet 29、Pigment Blue 15、Pigment Blue 15、Pigment Green 7、Pigment Yellow 147およびPigment Yellow 150など)、またはこれらの顔料の少なくとも1種を含む組合せが含まれる。顔料は、一般に、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、約1から約25重量部の量で用いられる。
適切な染料は一般に有機物質であり、これらには、例えば、クマリン染料、例えば、クマリン460(青)、クマリン6(緑)、ナイルレッドなど;ランタニド錯体;炭化水素染料および置換炭化水素染料;多環芳香族炭化水素染料;シンチレーション染料(例えば、オキサゾールまたはオキサジアゾール染料等);アリール-もしくはヘテロアリール-置換ポリ(C2-8)オレフィン染料;カルボシアニン染料;インダントロン染料;フタロシアニン染料;オキサジン染料;カルボスチリル染料;ナフタレンテトラカルボン酸染料;ポルフィリン染料;ビス(スチリル)ビフェニル染料;アクリジン染料;アントラキノン染料;シアニン染料;メチン染料;アリールメタン染料;アゾ染料;インジゴイド染料、チオインジゴイド染料;ジアゾニウム染料;ニトロ染料;キノンイミン染料;アミノケトン染料;テトラゾリウム染料;チアゾール染料;ペリレン染料、ペリノン染料;ビス-ベンゾオキサゾリルチオフェン(BBOT);トリアリールメタン染料;キサンテン染料;チオキサンテン染料;ナフタルイミド染料;ラクトン染料;フルオロフォア(例えば、反ストークスシフト染料)(これらは、近赤外波長を吸収し、可視波長で発光する)など;発光染料、例えば、7-アミノ-4-メチルクマリン;3-(2'-ベンゾチアゾリル)-7-ジエチルアミノクマリン;2-(4-ビフェニルイル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール;2,5-ビス-(4-ビフェニルイル)-オキサゾール;2,2'-ジメチル-p-クオターフェニル;2,2-ジメチル-p-ターフェニル;3,5,3"",5""-テトラ-t-ブチル-p-キンキフェニル;2,5-ジフェニルフラン;2,5-ジフェニルオキサゾール;4,4'-ジフェニルスチルベン;4-ジシアノメチレン-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピラン;1,1'-ジエチル-2,2'-カルボシアニンアイオダイド;3,3'-ジエチル-4,4',5,5'-ジベンゾチアトリカルボシアニンアイオダイド;7-ジメチルアミノ-1-メチル-4-メトキシ-8-アザキノロン-2;7-ジメチルアミノ-4-メチルキノロン-2;2-(4-(4-ジメチルアミノフェニル)-1,3-ブタジエニル)-3-エチルベンゾチアゾリウムパークロレート;3-ジエチルアミノ-7-ジエチルイミノフェノキサゾニウム(phenoxazonium)パークロレート;2-(1-ナフチル)-5-フェニルオキサゾール;2,2'-p-フェニレン-ビス(5-フェニルオキサゾール);ローダミン700;ローダミン800;ピレン;クリセン;ルブレン;コロネン、またはこれらの染料の少なくとも1種を含む組合せが含まれる。染料は、一般に、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、約1から約25重量部の量で用いられる。
添加され得る適切な難燃剤は、リン、臭素、およびまたは塩素を含む有機化合物であってよい。臭素を含まず塩素を含まずリンを含む難燃剤、例えば、有機ホスフェート、およびリン-窒素の結合を含む有機化合物は、規制のために、特定の用途にとって好ましいものであり得る。
例示的な有機ホスフェートの1つのタイプは、式(GO)3P=Oの芳香族ホスフェートであり、式中、各Gは独立に、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、またはアリールアルキル基であるが、ただし、少なくとも1つのGは芳香族基である。2個のG基が一緒になって、環状基となっていてもよい(例えば、Axelrodによる米国特許第4,154,775に記載されているジフェニルペンタエリトリトールジホスフェートなど)。他の適切な芳香族ホスフェートは、例えば、フェニルビス(ドデシル)ホスフェート、フェニルビス(ネオペンチル)ホスフェート、フェニルビス(3,5,5'-トリメチルへキシル)ホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、2-エチルヘキシルジ(p-トリル)ホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)p-トリルホスフェート、トリトリルホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)フェニルホスフェート、トリ(ノニルフェニル)ホスフェート、ビス(ドデシル)p-トリルホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、2-クロロエチルジフェニルホスフェート、p-トリルビス(2,5,5'-トリメチルヘキシル)ホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどであってよい。具体的な芳香族ホスフェートは、各Gが芳香族であるものであり、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、イソプロピル化トリフェニルホスフェートなどである。
ジ-、またはポリ官能性の芳香族リン含有化合物、例えば、下記式の化合物も有用である。
Figure 0005047981
式中、各G1は独立に、1から約30個の炭素原子を有する炭化水素であり;各G2は独立に、1個から約30個の炭素原子を有する炭化水素または炭化水素オキシであり;各Xは独立に、1から約30個の炭素原子を有する炭化水素であり;各Xは独立に、臭素または塩素であり;mは0から4であり、nは1から約30である。適切なジ-またはポリ官能性芳香族リン含有化合物の例には、レゾルシノールテトラフェニルジホスフェート(RDP)、ヒドロキノンのビス(ジフェニル)ホスフェート、およびビスフェノール-Aのビス(ジフェニル)ホスフェート、これらのオリゴマーおよびポリマー相当物などが含まれる。
リン-窒素結合を含有する適切な難燃剤の例示的化合物には、ホスホニトリルクロリド、リンエステルアミド、リン酸アミド、ホスホン酸アミド、ホスフィン酸アミド、トリス(アジリジニル)ホスフィンオキシドが含まれる。存在する場合、リン含有難燃剤は、一般に、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、約1から約20重量部の量で用いられる。
ハロゲン化物質、例えば、式(14)を有するハロゲン化化合物および樹脂も、難燃剤として用いることができる。
Figure 0005047981
式中、Rは、アルキレン、アルキリデンまたは脂環式の連結基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、イソプロピリデン、ブチレン、イソブチレン、アミレン、シクロヘキシレン、シクロペンチリデンなど);または、酸素エーテル、カルボニル、アミン、または硫黄含有連結基(例えば、スルフィド、スルホキシド、スルホンなど)である。Rはまた、芳香族基、アミノ、エーテル、カルボニル、スルフィド、スルホキシド、スルホンなどのような基によって連結された、2つ以上のアルキレンまたはアルキリデン連結基からなっていてもよい。
式(14)のArおよびAr'は、それぞれ独立に、フェニレン、ビフェニレン、ターフェニレン、ナフチレンなどのような、モノ-またはポリ炭素環式芳香族基である。
Yは、有機、無機、または有機金属の基、例えば、(1)ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)、(2)一般式OE(式中、EはXと同様の1価の炭化水素基である)のエーテル基、または(3)Rによって表されるタイプの一価の炭化水素基、または(4)他の置換基(例えば、ニトロ、シアノなど)(これらの置換基は、アリール核1個当たり、少なくとも1個、好ましくは2個のハロゲン原子が存在することを条件として、本質的に不活性である)である。
存在する場合、各Xは独立に、1価の炭化水素基、例えば、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、デシルなど);アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、キシリル、トリルなど);アリールアルキル基(例えば、ベンジル、エチルフェニルなど);脂環式基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)である。この1価の炭化水素基は、それ自体、不活性置換基を含有していてもよい。
各dは独立に、1から、ArまたはAr'を含む芳香族環上で置換され得る水素の数の最大値に相当する数までである。各eは独立に、0から、R上で置換され得る水素の数の最大値に相当する数までである。各a、b、およびcは独立に、0を含むすべての整数である。bが0でない場合、aもcも0でなくてよい。そうでなければ、aまたはcのいずれかは0であってもよいが両方共0ではない。bが0である場合、芳香族基は直接の炭素-炭素結合によって連結されている。
芳香族基(ArおよびAr')上のヒドロキシルおよびY置換基は、芳香族環のオルト、メタまたはパラ位であってよく、これらの基は互いに、可能などのような幾何的な関係にあってもよい。
上記の式の範囲内に含まれるものとして、以下のビスフェノールが代表的である:2,2-ビス-(3,5-ジクロロフェニル)-プロパン;ビス-(2-クロロフェニル)-メタン;ビス(2,6-ジブロモフェニル)-メタン;1,1-ビス-(4-ヨードフェニル)-エタン;1,2-ビス-(2,6-ジクロロフェニル)-エタン;1,1-ビス-(2-クロロ-4-ヨードフェニル)エタン;1,1-ビス-(2-クロロ-4-メチルフェニル)-エタン;1,1-ビス-(3,5-ジクロロフェニル)-エタン;2,2-ビス-(3-フェニル-4-ブロモフェニル)-エタン;2,6-ビス-(4,6-ジクロロナフチル)-プロパン;2,2-ビス-(2,6-ジクロロフェニル)-ペンタン;2,2-ビス-(3,5-ジブロモフェニル)-ヘキサン;ビス-(4-クロロフェニル)-フェニル-メタン;ビス-(3,5-ジクロロフェニル)-シクロヘキシルメタン;ビス-(3-ニトロ-4-ブロモフェニル)-メタン;ビス-(4-ヒドロキシ-2,6-ジクロロ-3-メトキシフェニル)-メタン;および2,2-ビス-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、 2,2 ビス-(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン。上記構造式の範囲には、1,3-ジクロロベンゼン、1,4-ジブロモベンゼン、1,3-ジクロロ-4-ヒドロキシベンゼン、および2,2'-ジクロロビフェニル、ポリ臭化1,4-ジフェノキシベンゼン、2,4'-ジブロモビフェニル、および2,4'-ジクロロビフェニルなどのビフェニル、ならびにデカブロモジフェニルオキシドなども含まれる。
オリゴマー性およびポリマー性のハロゲン化芳香族化合物、例えば、ビスフェノールAおよびテトラブロモビスフェノールAとカーボネート前駆体(例えば、ホスゲン)とのコポリカーボネートも有用である。金属相乗作用剤、例えば、酸化アンチモンも難燃剤と共に使用され得る。存在する場合、ハロゲン含有難燃剤は、一般に、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、約1から約25重量部の量で用いられる。
あるいは、本熱可塑性組成物は、基本的に塩素または臭素を含まないことができる。本明細書において「基本的に塩素または臭素を含まない」とは、塩素もしくは臭素、または塩素もしくは臭素を含有する材料を意図的に添加することなく製造された物質を意味する。しかし、複数の製品を製造する設備においていくらかの量の交差汚染が起こり、典型的に重量ppmスケールの臭素および/または塩素濃度がもたらされる場合があることが理解される。これを了解した上で、「基本的に塩素または臭素を含まない」が、100万分の約100重量部(ppm)以下、75 ppm以下、または50 ppm以下の塩素または臭素含量を有すると定義されることが容易に理解される。この定義が難燃剤に適用される場合は、難燃剤の総重量に基づく。この定義が本熱可塑性組成物に適用される場合は、コポリカーボネートの総重量に基づく。
無機難燃剤を用いることもでき、例えば、C2〜16アルキルスルホン酸塩〔例えば、ペルフルオロブタンスルホン酸カリウム(Rimar塩)、ペルフルオロオクタンスルホン酸カリウム、ペルフルオロヘキサンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、およびジフェニルスルホンスルホン酸カリウムなど〕;アルカリ金属またはアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、およびバリウム塩)と、無機酸錯塩(例えばオキソアニオン)との反応によって生成する塩(例えば炭酸のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、例えば、Na2CO3、K2CO3、MgCO3、CaCO3、およびBaCO3)、あるいはフルオロ-アニオン錯体との反応によって生成する塩(例えば、Li3AlF6、BaSiF6、KBF4、K3AlF6、KAlF4、K2SiF6、および/またはNa3AlF6)なども使用され得る。存在する場合、無機難燃剤は、一般に、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、約1から約20重量部の量で用いられる。
別の有用なタイプの難燃剤は、式(15)の反復構造単位を含むポリオルガノシロキサンブロックを有するポリシロキサン-ポリカーボネートコポリマーである。
Figure 0005047981
式中、Rは、各出現ごとに同じかまたは異なっていて、一価のC1〜13有機基である。例えば、Rは、C1〜C13アルキル基、C1〜C13アルコキシ基、C2〜C13アルケニル基、C2〜C13アルケニルオキシ基、C3〜C6シクロアルキル基、C3〜C6シクロアルコキシ基、C6〜C10アリール基、C6〜C10アリールオキシ基、C7〜C13アリールアルキル基、C7〜C13アリールアルコキシ基、C7〜C13アルキルアリール基、または、C7〜C13アルキルアリールオキシ基であってよい。前述のR基の組合せを同一のコポリマー中に用いることができる。式(15)中のR2は、二価のC1〜C8脂肪族基である。式(15)中の各Mは同じであっても異なっていてもよく、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C8アルキルチオ、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルケニルオキシ基、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルコキシ、C6〜C10アリール、C6〜C10アリールオキシ、C7〜C12アリールアルキル、C7〜C12アリールアルコキシ、C7〜C12アルキルアリール、またはC7〜C12アルキルアリールオキシであってよく、各nは独立に、0、1、2、3、または4である。
式(15)中のEの値は、本熱可塑性組成物に有効な難燃性レベルをもたらすために選択される。したがって、Eの値は、熱可塑性組成物における各成分の種類と相対量(コポリカーボネートの種類と相対量を含む)、耐衝撃性改良剤、ポリシロキサンポリカーボネートコポリマー、および他の難燃剤次第で変動する。好ましいEの値は、本明細書において教示したガイドラインを用いて、当業者によって過度の実験をすることなく決定され得る。一般に、Eは2から1,000、特に10から100、さらに特に25から75の平均値を有し得る。一実施態様において、Eは、40から60の平均値を有し、別の実施態様において、Eは50の平均値を有する。Dが低い値(例えば、40未満の値)である場合、比較的多量のポリシロキサン-ポリカーボネートコポリマーを用いる必要がある可能性がある。逆に、Eが高い値(例えば、40より高い値)である場合、比較的少量のポリシロキサン-ポリカーボネートコポリマーを用いる必要がある可能性がある。
一実施態様において、Mは、独立に、ブロモまたはクロロ、C1〜C3アルキル基(例えば、メチル、エチル、もしくはプロピル)、C1〜C3アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、もしくはプロポキシ)、またはC6〜C7アリール基(例えば、フェニル、クロロフェニル、もしくはトリル)であり;R2はジメチレン、トリメチレン、またはテトラメチレン基であり;Rは、C1〜C8アルキル、ハロアルキル(例えば、トリフルオロプロピル)、シアノアルキル、またはアリール(例えば、フェニル、クロロフェニルもしくはトリル)である。別の実施態様において、Rはメチル、またはメチルおよびトリフルオロプロピルの混合、またはメチルおよびフェニルの混合である。さらに別の実施態様において、Mはメトキシであり、nは1であり、R2は2価のC1〜C3脂肪族基であり、Rはメチルである。
このポリシロキサン-ポリカーボネートコポリマーは、対応するジヒドロキシポリシロキサンと、カーボネート源および式(3)のジヒドロキシ芳香族化合物との、任意で相間移動触媒の存在下での反応によって製造することができる。好適な条件は、コポリカーボネートの形成において有用な条件と同様である。あるいは、ポリシロキサン-ポリカーボネートコポリマーは、ジヒドロキシモノマーとジアリールカーボネートエステル(例えば、ジフェニルカーボネート)とを、上述した相間移動触媒の存在下で、溶融状態で共反応させることによって製造することができる。一般に、ジヒドロキシポリジオルガノシロキサンの量は、ポリカーボネートブロックのモル数に対して、約1〜約60モルパーセントのポリジオルガノシロキサンブロックを含むコポリマー、さらに一般的には、ポリカーボネートブロックのモル数に対して、約3〜約50モルパーセントのポリジオルガノシロキサンブロックを含むコポリマーがもたらされるように選択する。存在する場合には、コポリマーは、コポリカーボネート100重量部に基づいて、約5〜約50重量部の量、さらに特に約10〜約40重量部の量で用いることができる。
ドリップ防止剤(anti-drip agent)、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような、フィブリル生成または非フィブリル生成フルオロポリマーを、本組成物中に使用することもできる。ドリップ防止剤は、上述の剛性コポリマー(例えば、スチレン-アクリロニトリルコポリマー(SAN))によってカプセル化され得る。SAN中のカプセル化されたPTFEはTSANとして知られている。カプセル化されたフルオロポリマーは、フルオロポリマー(例えば、水性分散体)の存在下で、カプセル化するポリマーを重合させることによって製造され得る。TSANは、それが組成物中により容易に分散され得るという点において、PTFEを凌ぐかなりの利点をもたらし得る。適切なTSANは、カプセル化フルオロポリマーの合計量に基づいて、例えば、約50重量%のPTFEと約50%のSANとを含み得る。このSANは、コポリマーの合計重量に基づいて、例えば、約75重量%のスチレンと約25重量%のアクリロニトリルとを含み得る。別法として、フルオロポリマーを、何らかの仕方で、例えば芳香族ポリカーボネート樹脂またはSANなどの第2ポリマーと予備ブレンドして、ドリップ防止剤として使用される塊状物質を生成させてもよい。どちらの方法もカプセル化フルオロポリマーを製造するために用いることができる。ドリップ防止剤は、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、約0.1〜約5重量パーセントの量で用いることができる。
放射線安定剤、特にガンマ-放射線安定剤を存在させることもできる。好適なガンマ-放射線安定剤には、アルキレンポリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、meso -2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、2,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,4-ヘキサンジオールなど;シクロアルキレンポリオール(例えば、1,2-シクロペンタンジオール、1,2-シクロヘキサンジオールなど);分岐アルキレンポリオール〔例えば、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール(ピナコール)等〕;およびアルコキシ置換環状または非環状アルカンが含まれる。不飽和アルケノールも有用であり、その例には、4-メチル-4-ペンテン-2-オール、3-メチルペンテン-3-オール、2-メチル-4-ペンテン-2-オール、2,4-ジメチル-4-ペンテン-2-オール、および9-デセン-1-オール、ならびに、少なくとも1個のヒドロキシ置換三級炭素を有する三級アルコール〔例えば、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、2-フェニル-2-ブタノール、3-ヒドロキシ-3-メチル-2-ブタノン、2-メチル-2-ブタノールなど〕および三級環状アルコール(例えば、1-ヒドロキシ-1-メチル-シクロヘキサン)が含まれる。芳香環内の不飽和炭素に結合した飽和炭素上のヒドロキシ置換基を有する特定のヒドロキシメチル芳香族化合物を用いることもできる。このヒドロキシ置換飽和炭素は、メチロール基(-CH2OH)であってもよく、あるいは、より複雑な炭化水素基〔例えば、CR4HOH、または-CR2 4OH(式中、R4は、複雑なまたは単純な炭化水素である)〕の一員であってもよい。具体的なヒドロキシメチル芳香族化合物には、ベンズヒドロール、1,3-ベンゼンジメタノール、ベンジルアルコール、4-ベンジルオキシベンジルアルコール、およびベンジルベンジルアルコールが含まれる。2-メチル-2,4-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールを、ガンマ-放射線安定剤として用いることが多い。ガンマ-放射線安定剤は、典型的に、コポリカーボネート樹脂100重量部に基づいて、0.001〜1重量%、より特に0.01〜0.5重量%の量で用いられる。
コポリカーボネート樹脂と、1種以上の任意の他のポリマー、任意のフィラー、および前述した任意の添加剤とを含む熱可塑性組成物は、一般的に当分野で実施されている方法によって製造することができる。一実施態様において、1つの手順では、まず、粉末化したコポリカーボネート樹脂および/または他の任意の成分を任意で他のフィラーと共に、HENSCHEL-Mixer(登録商標)高速ミキサー中でブレンドする。他の低剪断プロセス(これだけに限定されないが手動による混合を含む)でも、このブレンドを達成することができる。次いで、このブレンドを、ホッパー経由で2軸押出機の投入口に供給する。あるいは、1種以上の成分を、押出機の投入口に、かつ/あるいはサイド投入口を通して下流に直接供給することによって組成物に組み込むことができる。このような添加剤は、所望のポリマー樹脂を用いてマスターバッチにコンパウンディングし、押出機に供給することもできる。押出機は、一般に、組成物を流動させるのに必要とされるより高い温度で操作される。押出された物は、水浴中で直ちにクエンチし、ペレット化する。調製したペレットは、押出物を切断する時に所望により4分の1インチ以下にする。このようなペレットは、その後の成型、成形付与、または成形に用いられる。
成形付与、成形、または成型された、コポリカーボネート組成物を含む物品も提供される。コポリカーボネートは、射出成形、押出成形、回転成形、ブロー成形、熱成などのさまざまな方法によってさまざまな用途の物品に成形することができる。さまざまな用途の物品には、例えば、パッケージ、電子機器〔例えば、コンピュータ(例えばモニター)、携帯電子装置、携帯電話、および電子コネクタ〕のハウジング、および照明器具、装飾品、家庭用電気製品、屋根、温室、サンルーム、スイミングプールの囲いなどの部品である。
用いる場合、ブレンド、押出、および/または成形の温度は、コポリカーボネートの分解を最小化するか分解しないするように注意深くコントロールする。あるいは、より便宜的には、コポリカーボネートの高いTgを考慮して、樹脂をまず溶媒に溶解した後に他の添加剤と混合することができる。一実施態様では、調製したコポリカーボネート溶液を任意の他の添加剤と混合する。その後、溶媒を除去し、組成物を上述した物品に成形する。しかし、再び、組成物の溶液から物品を、例えば、スピンコーティング、キャスティング、ディッピング、バーコーティング、ロールコーティングなどによって成形することがより都合がよい。
例えば、一実施態様では、コポリカーボネート組成物を、高性能用途のフィルム、特に、透明フィルムに成形する。フィルムは、溶媒に溶解した本高Tgコポリカーボネートの溶液を、例えば、スピンコーティング、キャスティング、ディッピング、バーコーティング、ロールコーティングなどの当分野で公知の方法によって成形することができる。典型的なプロセスでは、コポリカーボネート樹脂を、他の任意の添加剤と一緒にジクロロメタンなどの有機溶媒に適切な濃度(例えば、樹脂の5〜50重量%)に溶解する。好適な溶媒および濃度は、コポリカーボネートの溶解性、コポリカーボネートの分子量、任意の添加剤の種類と存在などの考慮に応じて、当業者によって容易に決定される。製造プロセスで製造されたままの溶液を、例えば、高Tgコポリカーボネートの中間的な単離を全くせずに用いることもできる。
この溶液を、適切な厚さを有するフィルムに、例えば、基材またはキャスティング、スピンコーティングすることによって成形する。このフィルムを、フィルムの物理的特性に重要な悪影響を与えることなく溶媒を除去するために効果的な温度で乾燥する。溶媒が蒸発する温度は、具体的な樹脂組成物および用いた溶媒次第でさまざまである。好適な温度は、例えば、20℃〜200℃、特に30℃〜150℃、さらに特に40℃〜100℃である。溶媒を除去した後のフィルムの厚さは、意図した用途次第であるが、例えば、1マイクロメートル〜200マイクロメートル、特に10マイクロメートル〜150マイクロメートル、より特に20マイクロメートル〜100マイクロメートルであってよい。
本コポリカーボネート組成物を、以下の非限定的な実施例によってさらに説明する。
[実施例1]
以下の手順を用いて、低下した高Tgモノマー-高Tgモノマーカーボネート結合数を有するコポリカーボネートを生成させることができる。
機械的攪拌機、凝縮器、および苛性アルカリ用ベントスクラバーを備えた2リットル(L)のフラスコに、500ミリリットル(ml)の脱塩(DI)水、NaOH(50%水性NaOH溶液26.7グラム(g)、0.334 mol)、およびBPA(38.1 g、0.167モル)を入れた。このスラリーを、全てのBPAが溶解するまで攪拌した。次いで、ホスゲン(33.6 g、0.339モル)を、激しい攪拌下で、一方で、50重量%水酸化ナトリウム溶液をpH 10を維持するために十分な速度で添加しながら、2.0 g/分の速度で添加した。ホスゲンの添加中に、白色結晶が形成された。ホスゲンの添加が終了した後に、このバッチを窒素でパージして、残ったホスゲンを除去した。メチレンクロライド(400 ml)を、この還流下の加温した反応器に、内容物が冷却され、固体が溶解するまで注意深く添加した。その後、BHPD(21.90 g、0.56モル)を、反応器に加え、内容物を9〜10のpHで10分間攪拌した。次いで、パラ-クミルフェノール(1.56 g、0.0073モル)を添加し、内容物をさらに10分間9〜10のpHで攪拌した。トリエチルアミン(0.44 ml、0.0031モル)を添加し、反応器を、全くクロロホルメートの痕跡が検出されなくなるまで、9〜10のpHで攪拌した。追加の2 gのホスゲン(0.02モル)を、50重量%水酸化ナトリウム溶液をpH 8〜9を維持するために十分な速度で添加しながら、1 g/分の速度で添加した。反応器を窒素でパージし、攪拌を止め、相を分離させた。
得られた有機相(ポリマーを含有する)を、1N HCl(1 x 500 ml)で洗浄した後、DI水(3 x 500 ml)で洗浄した。次いで、洗浄したポリマー溶液を、急速に攪拌しながら約2 Lの熱水にゆっくりと注いで、ジクロロメタンをざっと除き、得られた白色ポリマーを濾過により単離し、空気中、110℃にて一晩乾燥させた。乾燥したポリマーは、27090の重量平均分子量(Mw)および14190の数平均分子量を有する(Mn)。
ポリマー中のBHPD-BHPDカーボネート単位(BHPD-C(O)-BHPD)の百分率は、13C NMRによって決定した。3種類のカーボネートのピークが確認され、以下のように帰属された:151.667 ppm(BHPD-C(O)-BHPDカーボネート)、151.98 ppm(BHPD-C(O)-BHAカーボネート)、152.28 ppm(BHA-C(O)-BHAカーボネート)。これらのピーク面積を用いて、BHPD-C(O)-BHPD単位の比率を以下のように算出した。
Figure 0005047981
分析により、ポリマー中のBHPD-C(O)-BHPD単位の量は、1.8%であることが示された。
[実施例2(比較例)]
機械的攪拌機、凝縮器、および苛性アルカリ用ベントスクラバーを備えた、200ガロンのガラスライニングされた反応器に、117ガロンのメチレンクロライド、77.1ガロンのDI水、NaOH(50%水性NaOH溶液101 lbs(USポンド)、573 mol)、BHPD(60 lbs、69モル)、BPA(104 lbs、207モル)、メチルトリブチルアンモニウムクロライド(70重量%水溶液1500 ml)、および0.36 lbsのグルコン酸ナトリウムを入れた。このスラリーを、BPAが溶解するまで攪拌した。次いで、ホスゲン(89.9 lbs、0.91モル)を、激しい攪拌下で、一方で、50重量%水酸化ナトリウム溶液をpH 9未満になることを避けるために必要に応じて添加しながら、200 lb/時間の速度で添加した。ホスゲンを73 lbs添加した時点で、反応器にトリエチルアミンを加えた。ホスゲンの添加が終了した後、このバッチを遠心分離装置に供給し、そこで塩水相を除去し、有機相を、1N HClで洗浄し、次いで、残った塩素濃度が(AgNO3滴定で決定して)5 ppm未満になるまでDI水で洗浄した。その後、このポリマー溶液を水蒸気により沈殿させ、窒素下で乾燥させた。
乾燥したポリマーは、Mw=28990、Mn=14230であり、BHPD-C(O)-BHPD単位の量は6.3%であった。
[加水分解試験]
加水分解試験を実施して、実施例1のコポリカーボネートと従来技術のコポリカーボネート(実施例2)とを比較した。両コポリカーボネートは、BHPDから誘導された単位25モル%と、BPAから誘導された単位75モル%とを有する。このコポリマー中のBHPD-BHPD結合は6.25%である。実施例1の方法で調製した本発明によるコポリカーボネートは、13C NMRによって決定して1.8%(理論比率6.25%から71%少ない)のBHPD-BHPDカーボネート結合を有していた。従来技術のコポリカーボネートは、比較実施例Aに従って調製し、13C NMRによって決定して6.3%(理論比率6.25%から0.8%多い)のBHPD-BHPD結合を有していた。
均一な加水分解を、アニソール/メチルエチルケトン(MEK)/水の混合物中、60℃にて実施した。2.00 gのポリマー試料を4オンスのバイアルに秤り入れ、アニソール/メチルエチルケトンの3:2(体積)の混合物50 mlに室温にて溶解した。蒸留水(0.15 ml、3400 ppm)を試料に添加し、バイアルを密封し、60℃のオーブン中に置いた。アリコート(約8 ml)を試料から定期的に採取し、樹脂を、周囲温度にて150 mlの攪拌されているメタノール中に沈殿させた。固体のポリマーを濾過により単離し、メタノールで洗浄し、室温にて減圧下で乾燥させた。各試料の分子量をGPCによって決定した。
図1は、本発明によるコポリカーボネート(上の曲線)が、従来技術のコポリカーボネート(下の曲線)と比較して、加水分解に対して増強された抵抗性を有することを示す。
単数形は、文脈がそうではないことを明瞭に指示しない限りは、示されたものの複数をも含む。同じ特徴または成分のことを繰り返し述べるすべての範囲の終点は、独立に、組合せ可能であり、かつ繰り返された終点を包含する。化学式において、ダッシュ「-」は、2つの原子の間の結合を表示し、ただ1つの原子に付いたものは示されていない原子によって充たされる原子価を有する。「任意の」または「任意に」は、その後記述される事象または事情が起こるかまたは起こらないことを表し、その記述がその事象が起こる場合も起こらない場合も含むことを表す。
典型的な実施態様を例示の目的で提示してきたが、これまでの記述が本明細書の範囲を限定するものであるとされるべきではない。したがって、当業者であれば、本明細書における精神および範囲から逸脱することなくさまざまな変形、適応、および変法に想到することが可能である。
図1は、本発明の高いTgのコポリカーボネート(●)の改良された加水分解安定性を、非ビスクロロホルメート法の界面法によって製造した従来技術の高いTgのコポリカーボネート(◆)に対して、実証するグラフである。

Claims (9)

  1. 下記式:
    Figure 0005047981
    〔式中、R1基の合計数の5〜75モル%が式(2):
    Figure 0005047981
    (式中、R2およびR3は、それぞれ独立にハロゲンまたはC1〜6アルキル基であり、R4は、メチルまたはフェニルであり、cは0〜4である)
    の高いTgのモノマーから誘導され;かつ、
    R1基の25〜95モル%が式(3):
    Figure 0005047981
    (式中、R5の少なくとも60%は芳香族であり、式(3)のジヒドロキシ化合物は式(2)の高いTgのモノマーと同じではない)
    のジヒドロキシ化合物から誘導される〕
    のコポリカーボネートであって、
    式(4):
    Figure 0005047981
    のカーボネート結合を、同じ比の式(2)の高いTgのモノマーと式(3)のジヒドロキシ化合物とから製造されたランダムコポリマーにおいて理論的に得られる式(4) のカーボネート結合より少なくとも10%少なく含む、コポリカーボネート。
  2. 各cが0であり、R4がフェニルである、請求項1に記載のコポリカーボネート。
  3. 前記HO-R5-OHが、下記式:
    Figure 0005047981
    〔式中、RaおよびRbは、それぞれ独立に、ハロゲン原子または一価のC1〜6アルキル基であり;pおよびqは、それぞれ独立に0〜4の整数であり;Xaは、下記の基:
    Figure 0005047981
    (式中、RcおよびRdは、それぞれ独立に水素原子またはC1〜29アルキル基であるか、あるいはRc、C、およびRdが一緒になって、置換されていない、または1個以上のC1〜10アルキル基で置換されてい二価のC3〜10シクロアルキル基であり、Reは、二価の炭化水素基である)
    の1つである〕
    のジヒドロキシ化合物である、請求項1または2に記載のコポリカーボネート。
  4. pおよびqがそれぞれ0であり、Xaが2,2-プロピレンである、請求項3に記載のコポリカーボネート。
  5. 前記コポリカーボネートのR1基の10〜70モル%が式(2)の高いTgのモノマーから誘導され、前記R1単位の30〜90モル%が別の式(3)のジヒドロキシ化合物から誘導される、請求項1に記載のコポリカーボネート。
  6. 請求項1に記載のコポリカーボネートを含む物品。
  7. 式(2):
    Figure 0005047981
    (式中、R2およびR3は、それぞれ独立にハロゲンまたはC1〜6アルキル基であり、R4は、メチルまたはフェニルであり、cは0〜4である)
    の高いTgのモノマーから誘導された単位を1〜75モル%含むコポリカーボネートの製造方法であって、
    式(3):
    Figure 0005047981
    (式中、R5基の少なくとも60%は芳香族であり、式(3)のジヒドロキシ化合物は式(2)の高いTgのモノマーと同じではない)
    のジヒドロキシ化合物からビスクロロホルメート(前記ビスクロロホルメート中の前記高いTgのモノマーから誘導された単位の平均数は19未満である)を形成させる工程と、
    式(2)の高いTgのモノマーを、水、不活性であり水不溶性の有機液体、塩基、および相間移動剤を含む反応系で、前記ビスクロロホルメートと反応させる工程と
    を含む、方法。
  8. 式(2)の高いTgのモノマーを前記ビスクロロホルメートと反応させる工程により縮合物が得られ、かつ、前記縮合物を有機塩基と接触させて、前記縮合物中の残余のビスクロロホルメートを加水分解および縮合させる工程をさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ビスクロロホルメート中の前記高いTgのモノマーから誘導された単位の平均数が1〜10である、請求項7に記載の方法。
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