JP5047887B2 - 短波長光源 - Google Patents

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Description

本発明は、波長変換素子を用いて、基本波を第2高調波に変換する短波長光源に関する。
非線形光学効果を利用した第2高調波の発生では、基本波光源からの基本波となるコヒーレント光を半分の波長の第2高調波に変換できる。この波長変換においては、ノンクリティカルな位相整合の場合、波長変換素子の素子長の増大、又は入射する基本波のパワーの増大によって、変換効率の向上が図れ、高出力の短波長光の発生が可能となる。
ここで、非線形光学結晶としてKTPを用いた波長変換において、基本波又は第2高調波のパワー密度の増大は、グレートラックと呼ばれるカラーセンター発生の原因となり、基本波及び第2高調波の吸収が生じる。グレートラックが発生すると、吸収による局所的な熱分布が発生し、非線形光学結晶が破壊的なダメージを受ける。これを解決する方法として、特許文献1には、結晶を分割して第2高調波を分割して取り出す方法が提案されている。
図29は、従来の短波長光源の構成図である。図29において、基本波光源301から出射された基本波の一部は、KTP結晶302により第2高調波H1に波長変換され、波長分離ミラー304により基本波F1と第2高調波H1とに分離される。基本波F1の一部は、次段のKTP結晶303により第2高調波H2に波長変換され、波長分離ミラー305により基本波F2と第2高調波H2とに分離される。このように、複数のKTP結晶を用い、発生する第2高調波のパワー密度が一定の値を超えない状態で、第2高調波を取り出すことにより、高効率化を図っている。
また、特許文献2には、複数の非線形光学結晶を基本波ビームの方向に並べ、各非線形光学結晶に集光光学系により基本波ビームを入射することで波長変換を行う方法が示されている。
また、特許文献3には、複数の非線形光学結晶を基本波ビームの方向に並べ、集光光学系を介して各非線形光学結晶に基本波ビームを入射することにより、第2高調波又は和周波の発生による波長変換を行う方法が示されている。
特開平11−271823号公報 特開2007−94424号公報 特開2002−350914号公報
しかしながら、上記の従来の構成は、複数の非線形光学結晶を必要とし、第2高調波が異なる部分から出射するため、これを合波して利用するには、複雑な光学系を必要とし、光源が大型化するという問題があった。また、一つの非線形光学結晶から取り出せる出力が限られるため、高出力化には多くの結晶を必要とし、小型化及び低コスト化が難しいという問題があった。さらに、各ビームの最大出射量が限られるため、高出力の単一ビームを実現するのが難しいという問題があった。
また、集光光学系により基本波ビームを集光しながら、複数の波長変換素子により波長変換を行う構成では、各波長変換素子で発生したビームの偏光を回転させることにより、波長変換素子で発生するビームの干渉を低減する方法が提案されているが、各波長変換素子で発生した第2高調波の偏光が異なるため、変換効率が低下するという問題があった。また、基本波レーザを異なる結晶に入射させ、第2高調波又は和周波の発生により短波長光を発生する構成が示されているが、複数の波長変換素子を用いた高出力の第2高調波の発生については考慮されていない。
本発明の目的は、基本波を高い効率で高出力な第2高調波に変換することができる短波長光源を提供することである。
本発明に係る短波長光源は、基本波を発生する基本波光源と、周期状の分極反転構造を有する非線形光学結晶からなり、前記基本波の一部を第2高調波に変換する複数の波長変換素子とを備え、前記複数の波長変換素子の非線形光学結晶は、異なる材料又は組成からなる。
この短波長光源では、基本波ビームを複数の非線形光学結晶で波長変換する構成において、非線形光学結晶に異なる材料又は組成からなる結晶を使用することで、高効率化及び高出力化を同時に実現できる。第2高調波パワーの低い領域では、高効率な非線形光学結晶を用い、第2高調波パワーが増大した領域では、変換効率は低いが高出力耐性に強い材料を用いることで、高い効率で高出力な高調波を取り出すことが可能となる。
上記短波長光源は、前記複数の波長変換素子のうち一の波長変換素子が発生する第2高調波と前記基本波との位相差を補償する位相補償部をさらに備えることが好ましい。
ここで、複数の非線形光学結晶で波長変換した第2高調波を足し合わせるには、各第2高長波の位相を合わせた状態で足し合わせないと、干渉により相殺されて出力が低下するが、一の波長変換素子が発生する第2高調波と基本波との位相差を補償しているので、高効率で基本波を第2高調波に変換することができる。
前記位相補償部は、前記基本波及び前記第2高調波に対して屈折率の異なる材料からなるウェッジ板であることが好ましい。
この場合、ウェッジ板により第2高調波と基本波との位相差を補償することができるので、簡略な構成で位相差を補償することができる。
前記位相補償部は、前記基本波及び前記第2高調波に対して屈折率の異なる材料からなる2つのウェッジ板を含み、上記短波長光源は、前記2つのウェッジ板の相対的な位置及び角度を調整する調整部をさらに備えることが好ましい。
この場合、2つのウェッジ板の相対的な位置及び角度を調整することができるので、基本波と第2高調波との伝搬方向の位相差を調整することができるとともに、波長変換素子で発生する第2高調波間の伝搬方向の位相ずれを補償できる。
前記ウェッジ板の頂角θ1は、前記基本波の波長λ、前記ウェッジ板を通過する前記基本波のビーム半径R1、及び前記ウェッジ板における前記基本波と前記第2高調波との屈折率差Δnに対して、θ1<λ/(2×R1×Δn)/10の関係を満足することが好ましい。
この場合、ビーム面内での基本波と第2高調波との位相差をλ/10以下に補償することができるので、基本波と第2高調波との位相差を低減し、高効率化を図ることができる。
なお、位相補償部としては、波長変換素子の端部に直接形成することも可能である。例えば、周期状の分極反転構造の端面と出射部の端面との間にわずかに角度を設け、波長変換素子の位置を調整することにより、位相差を調整することが可能になる。また、位相補償部は、基本波と高調波とに対して波長分散特性を有する材料からなるプリズムによっても実現可能である。この場合、非線形光学結晶の間にプリズムを配置し、ビーム透過距離を調整することにより、位相差を調整できる。
前記複数の波長変換素子は、前記基本波の経路に順次配置され、上記短波長光源は、前記基本波の経路の最終端に配置された波長変換素子に前記基本波を集光する集光光学系をさらに備え、前記集光光学系の前記第2高調波に対する焦点位置は、前記最終端に配置された波長変換素子の非線形光学結晶の入射端近傍に配置されることが好ましい。
この場合、基本波のビーム方向に複数の波長変換素子を並べて、基本波を第2高調波に波長変換する構成において、基本波ビームが波長変換素子により次々と第2高調波に波長変換され、高調波出力が大きくなるため、最終端の波長変換素子では、第2高調波の出力が最大となる。このとき、集光光学系の第2高調波に対する焦点位置が、最終端に配置された波長変換素子の非線形光学結晶の入射端近傍に配置されているので、最終端での非線形光学結晶における第2高調波のパワー密度を低減することができ、最終端での第2高調波に対する耐性が向上し、高出力化が図れる。
前記複数の波長変換素子は、周期状の分極反転構造を有する第1の非線形光学結晶からなり、前記基本波光源からの前記基本波の一部を前記第2高調波に変換する第1の波長変換素子と、周期状の分極反転構造を有する第2の非線形光学結晶からなり、前記第1の波長変換素子からの前記基本波の一部を前記第2高調波に変換する第2の波長変換素子とを含み、前記第2の非線形光学結晶における分極反転構造の光軸と入射部の端面の法線とが成す角度θ2は、前記基本波の波長λ、前記第2の非線形光学結晶の入射部の近傍における前記基本波のビーム半径R2、及び前記第2の非線形光学結晶における前記基本波と前記第2高調波との屈折率差Δnに対して、θ2<λ/(2×R2×Δn)/10の関係を満足することが好ましい。
この場合、ビーム面内での基本波と第2高調波との位相差をλ/10以下に補償することができるので、基本波と第2高調波との位相差を低減し、高効率化を図ることができる。
前記複数の波長変換素子は、前記基本波の経路に順次配置され、上記短波長光源は、前記波長変換素子を通過する前記基本波を集光する集光光学系をさらに備え、前記基本波の経路の最終端に配置された波長変換素子の非線形光学結晶の熱伝導度は、他の波長変換素子の非線形光学結晶の熱伝導度より大きいことが好ましい。
この場合、例えば、基本波のビーム方向に複数の波長変換素子を並べて、基本波を第2高調波に波長変換する構成において、基本波ビームが波長変換素子により次々と第2高調波に波長変換され、第2高調波の出力が大きくなるため、最終端の波長変換素子では、第2高調波出力が最大となる。このとき、最終端に配置した非線形光学結晶の熱伝導度を大きくしているので、高出力耐性に優れた特性を実現でき、複数の波長変換素子で波長変換された第2高調波が足し合わさって高出力の第2高調波を出力することができる。
前記集光光学系は、凹面ミラーであることが好ましい。
この場合、凹面ミラーにより基本波を集光しているので、波長変換素子の結晶内部のパワー密度を上げることができ、変換効率を向上することができる。また、反射光学系である凹面ミラーを用いることにより、基本波と第2高調波との色収差が発生しないので、結晶内部で発生した第2高調波の位相ずれを抑圧できる。
前記複数の波長変換素子は、前記基本波のビーム断面より薄い板状の第1の非線形光学結晶からなる第1の波長変換素子と、前記基本波の光軸に対して垂直方向に前記第1の波長変換素子を挟み、第2及び第3の非線形光学結晶からなる第2及び第3の波長変換素子とを含み、前記基本波は、前記第1乃至第3の非線形光学結晶を同時に透過して前記第2高調波に変換され、前記基本波の光軸中心に配置された前記第1の非線形光学結晶の熱伝導度は、前記第2及び第3の非線形光学結晶の熱伝導度より大きいことが好ましい。
この場合、薄板の非線形光学結晶を複数貼り合わせて波長変換素子を構成し、基本波を波長変換素子内部の複数の非線形光学結晶を同時に透過するように伝搬させて、波長変換を行う構成において、第2高調波のパワー密度が高くなる透過ビームの中心部分に熱伝導度の大きい非線形光学結晶を用いているので、第2高調波のパワーが最大となるビーム中心部分での熱の拡散を促進し、高出力耐性を向上させることが可能となる。
上記短波長光源は、前記複数の波長変換素子のうち一部の波長変換素子の端部に設けられ、前記基本波及び前記第2高調波を反射する反射膜をさらに備えることが好ましい。
この場合、非線形光学結晶の端部に反射膜を形成しているので、基本波と第2高調波とを端部で反射させて非線形光学結晶内を複数回往復させることができ、変換効率を高めることが可能となる。
前記複数の波長変換素子は、周期状の分極反転構造を有する第1の非線形光学結晶からなる第1の波長変換素子と、周期状の分極反転構造を有する第2の非線形光学結晶からなる第2の波長変換素子とを含み、上記短波長光源は、第1及び第2の凹面ミラーをさらに備え、前記第1及び第2の波長変換素子は、前記第1及び第2の凹面ミラーの間に配置され、前記基本波は、前記第1及び第2の凹面ミラー間を複数回往復しながら、前記第1の非線形光学結晶により少なくとも一回以上波長変換された後、前記第2の非線形光学結晶により波長変換され、前記第2の非線形光学結晶の熱伝導度は、前記第1の非線形光学結晶の熱伝導度より大きいことが好ましい。
この場合、基本波が、第1及び第2の凹面ミラー間を複数回往復しながら、第1の非線形光学結晶により少なくとも一回以上波長変換された後、第2の非線形光学結晶により波長変換される構成において、基本波ビームが波長変換素子により次々と第2高調波に波長変換され、第2高調波の出力が大きくなるため、第2の非線形光学結晶では、第2高調波出力が最大となる。このとき、第2の非線形光学結晶の熱伝導度を第1の非線形光学結晶の熱伝導度より大きくしているので、高出力耐性に優れた特性を実現でき、複数の波長変換素子で波長変換された第2高調波が足し合わさって高出力の第2高調波を出力することができる。
前記複数の波長変換素子の非線形光学結晶は、光学的に接合又は接着されていることが好ましい。
この場合、光学的な損失を低減することができるとともに、光学的な距離が短くなるため、ビームの拡がりを抑圧でき、高効率化が図れ、さらに、温度変化に対しても、安定な出力が得られる。
前記複数の波長変換素子の非線形光学結晶は、MgドープLiNbOからなる非線形光学結晶と、MgドープLiTaOからなる非線形光学結晶とを含むことが好ましい。
この場合、非線形光学結晶として、MgドープLiNbOを用いることにより、高効率の波長変換が可能となり、また、MgドープLiTaOを用いることにより、高出力耐性を向上させることが可能となる。
前記複数の波長変換素子は、前記周期状の分極反転構造の光軸と前記基本波の伝搬方向との成す角が互いに異なる複数の非線形光学結晶からなることが好ましい。
この場合、周期状の分極反転構造の光軸とビームの伝搬方向とが複数の非線形光学結晶間で異なるように、複数の波長変換素子が配置されているので、非線形光学結晶間で発生する第2高調波のオーバラップを低減することが可能となり、これによって、第2高調波のパワー密度を低減し、高出力耐性を向上させることが可能となる。
前記複数の波長変換素子は、前記基本波の経路に順次配置され、上記短波長光源は、前記複数の波長変換素子の間に配置され、前記波長変換素子から出力する前記基本波と前記第2高調波とを分離する波長分離ミラーをさらに備えることが好ましい。
この場合、基本波のビーム方向に複数の波長変換素子を並べて、基本波を高調波に波長変換する構成において、基本波ビームが複数の非線形光学結晶により次々と第2高調波に波長変換される。この構成において、それぞれの非線形光学結晶の出射端で波長分離ミラーによって第2高調波と基本波を分離し、基本波のみを次の非線形光学結晶でさらに高調波に変換しているので、第2高調波成分が大きくなり過ぎることを防止し、高出力な第2高調波を取り出すことができる。
前記基本波光源に最も近い位置に配置された前記波長変換素子の非線形光学結晶の熱伝導度は、他の波長変換素子の非線形光学結晶の熱伝導度より大きいことが好ましい。
この場合、高出力耐性に強い材料を基本波ビームの初段に配置しているので、基本波ビームの初段は、基本波パワーが最大となり、比較的変換効率が低い材料でも、高効率に変換が可能となるとともに、基本波のビーム品質の劣化を防止できるため、後段における非線形光学結晶における変換効率の劣化を防止することができる。
本発明によれば、複数の波長変換素子の非線形光学結晶の材料又は組成が異なるので、基本波を高い効率で高出力な第2高調波に変換することができる。
本発明は、波長変換素子を用いて高出力の可視光光源を実現する。すなわち、本発明は、高出力時の出力の不安定性及び信頼性の問題を解決し、安定な出力特性を実現する。周期状の分極反転構造を備えた非線形光学結晶からなる波長変換素子は、高効率な波長変換が可能であり、従来難しかった1パス構成で高効率の波長変換が可能になる。しかしながら、結晶の耐性が十分ではなく、高出力の可視光の発生によって、出力が不安定になる現象が観測された。この問題を解決するには、高出力耐性に優れた非線形光学結晶を利用する必要があるが、耐性に優れた材料は、変換効率が低いため、基本波光源からの基本波を高効率で波長変換することが難しいという問題が発生した。この問題を解決する方法を以下に示す。
上記のように、本発明は、周期状の分極反転構造を利用した波長変換素子により、高出力の短波長光源を実現することを目的とする。周期状の分極反転構造を有する非線形光学結晶からなる波長変換素子は、高い非線形光学定数と、ノンクリティカルな位相整合条件による長い作用長とにより、高効率の波長変換が可能である。
周期状の分極反転構造を有する非線形光学結晶の中でも、Mg等をドーピングしたLiNbOは、可視領域で最大の非線形光学定数を有する透明材料であり、光損傷耐性にも優れるため、高効率変換が実現されている。しかしながら、この材料においても、KTPとは異なるメカニズムのレーザ損傷が発生し、高出力耐性に限界があることが、我々の実験結果で明らかになった。そこで、周期状の分極反転構造を利用した新しい構造を提案することにより、高出力化及び小型化が可能な短波長光源を実現した。
まず、周期状の分極反転構造を有するMgドープLiNbO(以下、「PPMgLN」という)において発見された現象について、説明する。波長1064nmの基本波をPPMgLNによって波長変換し、波長532nmの緑色光の第2高調波を発生した際に、緑色光が3Wを越えると、出力が不安定になり、結晶内にレーザダメージが生じることが見出された。その原因を調査した結果、以下の現象が明らかになった。
PPMgLNによって1064nmの基本波を532nmの第2高調波に変換する際に、基本波と第2高調波との和周波により、355nmの紫外光が発生する。355nmへの変換効率は非常に低いため、高出力の波長変換を行った際に、355nmの光が僅かに発生する。355nmの光が発生すると、緑色光の吸収が増大し、熱レンズ効果により第2高調波の出力が不安定になり、さらに高出力化すると、結晶にダメージが発生する。この現象は、KTPとは異なる高出力時の不安定要因であり、PPMgLNに特有の現象である。このような高出力特性劣化の問題を解決する新たな短波長光源の構造について、以下に具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による短波長光源の構成図である。図1に示す短波長光源は、コヒーレント光源であり、基本波光源1、多段構成の波長変換素子2、3及び2個の集光光学系4、5を備える。波長変換素子2、3は、周期状の分極反転構造2a、3aを有する非線形光学結晶からなり、波長変換素子2の非線形光学結晶の材料又は組成は、波長変換素子3の非線形光学結晶の材料又は組成と異なる。
基本波光源1から出射した基本波FWは、集光光学系4、5により集光された後、基本波FWの伝搬方向に配置された波長変換素子2、3により、第2高調波HWに波長変換される。このとき、前段の波長変換素子2で発生した第2高調波HWは、後段の波長変換素子3で発生した第2高調波HWと足し合わされ、第2高調波HWが増大する。従って、第2高調波HWのパワー密度は、波長変換素子3内部で最大となり、このパワー密度の限界により最大出力が限定される。
ここで、基本波FWの波長を1064nm、第2高調波HWの波長を532nmとし、PPMgLNを波長変換素子2、3両方に使用した場合、出力は3W程度が限界であった。これ以上出力を増加させると、出力が不安定になった。また、周期状の分極反転構造を有するMgドープのLiTaO(以下、「PPMgLT」という)を波長変換素子2、3両方に使用した場合、変換効率がPPMgLNの1/3に低下して、高効率化が難しくなった。
本実施の形態では、波長変換素子3内部での高出力特性の限界をさらに向上させて高出力化を図るため、波長変換素子2と波長変換素子3とを異なる材料で構成する。具体例として、基本波FWの波長を1064nm、第2高調波HWの波長を532nmとし、波長変換素子2として、周期状の分極反転構造2aを有するPPMgLN結晶を用い、波長変換素子3として、周期状の分極反転構造3aを有するPPMgLT結晶を用いた。すなわち、第2高調波の出力が低い1段目の波長変換素子2に、高効率変換が可能なPPMgLNを用い、第2高調波パワーが増大した段階で、2段目の波長変換素子3のPPMgLTで波長変換することにより、約6Wの高出力緑色光の発生が可能となり、変換効率もPPMgLTのみを利用した場合の2倍以上の高効率化が可能になった。
ここで、PPMgLTの高出力耐性がPPMgLNより優れている理由は、PPMgLT結晶の熱伝導度がPPMgLN結晶の熱伝導度より大きいことに起因する。したがって、吸収による熱の発生が抑えられるため、熱レンズ効果が抑えられ、高出力耐性が向上する。例えば、図1の構成では、波長変換素子2として長さ10mmのPPMgLN結晶を、波長変換素子3として長さ15mmのPPMgLT結晶を用い、基本波12Wの入力に対して変換効率50%で6Wの緑出力が得られた。同様の変換効率を素子単体で実現するには、PPMgLTの場合で、素子長が60〜70mm必要となり、温度許容度が非常に厳しく、作製も困難である。これに対して、本実施の形態の構成は、素子が短くても、高効率な変換が可能である。
なお、本実施の形態では、2個の波長変換素子2、3について説明したが、3個以上の波長変換素子を用いる場合にも、本発明を適用できる。この場合、波長変換素子を増やすことにより、変換効率をより高くすることが可能になる。
また、3個以上の波長変換素子を用いる場合、基本波の伝搬方向の最終端の波長変換素子の高出力耐性を向上させる構成が好ましい。この場合、最終端で最大になる高調波出力に対する耐性を向上させることにより、高出力化が図れる。
このような高出力耐性の高い素子としては、熱伝導度の大きい非線形光学結晶が好ましい。例えば、PPMgLTは、PPMgLNの2倍以上の熱伝導度を有するため、光吸収による熱レンズの発生を抑圧できる。また、高出力耐性の高い素子としては、紫外領域の吸収端がより短波長側にある非線形光学結晶が好ましい。この場合、紫外線の吸収を低減できるため、第2高調波と基本波とにより発生する3倍波の吸収を低減できる。この結果、紫外光発生により生じるカラーセンターで可視光を吸収する効果を低減でき、熱レンズ効果を抑圧できる。
また、本実施の形態では、最終端の波長変換素子3としてPPMgLT結晶を用いたが、その他、PPKTP、ストイキオメトリックLiTaO結晶に形成した周期状の分極反転構造(PPSLT)、MgドープのストイキオメトリックLiTaO結晶に形成した周期状の分極反転構造(PPMgSLT)からなるPPsLTでも良い。これらの材料は、高出力耐性に優れるため、高出力化に有効である。また、PPMgSLTは、反転電圧が低く、均一な分極反転構造が得られるという利点を有し、熱伝導度もPPMgLNの2倍程度と大きいため、高出力耐性に優れる。
一方、第2高調波の出力が弱い基本波光源1に近い段の波長変換素子2としては、本実施の形態に示したPPMgLNの他、Mg、Zn、Sc、Inなどのいずれかを少なくとも含んだLiNbO結晶に周期状の分極反転構造を形成した非線形光学結晶が好ましい。この場合、LiNbOをベースとする波長変換素子は、可視領域での変換効率が最も高いため、高効率変換が可能であり、短波長光源の高効率化に有効である。
また、非線形光学結晶の熱伝導度は、その組成によって大きく変わることが知られている。例えば、LiNbO、LiTaOの熱伝導度は、結晶組成のLiとNbとの比、又は、結晶組成のLiとTaとの比で異なり、一般的な結晶では、コングルエント組成の結晶に対して、理想的な結晶構造に近いストイキオメトリック組成の結晶の方が、熱伝導度が大きくなる。
より具体的には、コングルエント組成(Li:Nb=48.5:51.5)のMgO:LiNbOの熱伝導度は、4.63(W/mK)であり、ストイキオメトリック組成(Li:Nb=50:50)のMgO:LiNbOの熱伝導度は、5.62(W/mK)であり、コングルエント組成(Li:Ta=48.5:51.5)のLiTaOの熱伝導度は、4.62(W/mK)であり、ストイキオメトリック組成(Li:Ta=50:50)のLiTaOの熱伝導度は、8.78(W/mK)であり、ストイキオメトリック組成(Li:Ta=50:50)のMgO:LiTaOの熱伝導度は、8.43(W/mK)である。
例えば、基本波光源1に近い部分には、コングルエント組成のMgO:LiNbOからなる周期分極反転構造を備えた波長変換素子を、短波長光源の出射部近傍には、ストイキオメトリック組成のMgO:LiNbOからなる波長変換素子を配置することにより、高出力化が実現できる。また、基本波光源1に近い部分にコングルエント組成のMgO:LiNbOからなる周期分極反転構造を備えた波長変換素子を、短波長光源の出射部近傍には、ストイキオメトリック組成のMgO:LiTaOからなる波長変換素子を配置することにより、熱伝導度がより大きい素子を高出力側に配置できるため、高効率及び高出力化が実現できる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2による短波長光源の構成図である。図2に示す短波長光源は、基本波光源1、波長変換素子2、3、集光光学系4、5及び波長フィルタ6を備える。図2に示す短波長光源では、集光光学系5の光学設計により、さらに高出力化が図れる。
図2において、基本波光源1から出射した基本波FWは、基本波FWの伝搬方向に配置された波長変換素子2、3により高調波HWに波長変換される。このとき、前段の波長変換素子2で発生した第2高調波HWは、後段の波長変換素子3で発生した第2高調波と足し合わされ、第2高調波HWが増大する。
本実施の形態の特徴は、集光光学系5によって集光した基本波の焦点FPを波長変換素子3の入射端ITの近傍に設定した点にある。波長変換素子での変換効率が最大になる集光光学系の配置は、前段の波長変換素子2のように、波長変換素子の中心に焦点が位置する場合である。これに対して、本実施の形態では、波長変換素子3の入射端ITの近傍に設定した。この構成により、波長変換素子3内部で第2高調波HWが増大しても、ビーム径が大きくなるため、最適な集光状態よりも第2高調波HWのパワー密度を低減できる。これによって、基本波と第2高調波との和周波で発生する紫外光の強度を低減することが可能となり、第2高調波の吸収による熱レンズ効果を低減できる。この結果、本実施の形態では、10W程度まで高出力特性を向上させることが可能になった。
ここで、焦点FPの位置としては、波長変換素子の素子長Lに対して、入射端ITから±L/4程度に設定することが好ましい。焦点FPが入射端ITよりL/4以上中心に近づくと、高出力特性の向上が妨げられ、一方、焦点FPが入射端ITより手前にL/4以上離れると、変換効率が大幅に低下するためである。
また、波長変換素子の間に波長フィルタを挿入する構成も有効である。本実施の形態では、波長変換素子2の後段に位置する集光光学系5と波長変換素子3との間に、波長フィルタ6を配置している。波長フィルタ6は、基本波FW及び第2高調波HWを透過させるが、基本波と第2高調波との和周波である波長355nmの紫外光を反射又は吸収する特性を有し、波長変換素子2から発生した紫外光が波長変換素子3に到達しないようにする。これによって、波長変換素子3の高出力耐性の向上が可能になる。なお、波長フィルタの機能を集光光学系5が兼任することも可能である。例えば、集光光学系5へのコーティングで波長を分離することにより、フィルタ機能を集光光学系5に持たせることができる。
なお、本実施の形態では、2個の波長変換素子2、3について説明したが、3個以上の波長変換素子を用いる場合にも、本発明を適用できる。この場合、波長変換素子を増やすことで変換効率をより高くすることが可能になる。
また、3個以上の波長変換素子を用いる場合、基本波の伝搬方向の最終端の焦点を波長変換素子の入射部近傍に設定する構成が好ましい。この場合、最終端で最大になる高調波出力の耐性を向上させることにより、高出力化が図れる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3による短波長光源の構成図である。図3に示す短波長光源は、基本波光源1、波長変換素子21、31、集光光学系4、5及び波長フィルタ7を備える。本実施の形態の構成は、多段での波長変換素子を用いる構成において、高調波成分を分離する構成である。
図3において、基本波光源1から出射した基本波FWは、波長変換素子21の周期状の分極反転構造21aにより第2高調波H1に変換される。第2高調波H1は、波長分離ミラーとして機能する波長フィルタ7により基本波FWと分離される。その後、基本波FWは、さらに波長変換素子31の周期状の分極反転構造31aにより第2高調波H2に波長変換される。このように、本実施の形態の構成は、波長変換を個別に行うことにより、波長変換素子21、31内部での第2高調波のパワー密度の増大を抑圧し、高出力化を図る構成である。
この構成において、前段の波長変換素子21に変換効率の高いPPMgLNを用いた場合に新たな課題が見つかった。すなわち、第2高調波H1の出力が3W程度になるまで、前段の波長変換素子21で波長変換を行い、波長分離した基本波FWのビーム品質を測定したところ、ビームのM2が劣化しており、後段の波長変換素子31での変換効率が理論値より大きく低下することが明らかになった。
この問題を解決する構成として、基本波FWを最初に変換する波長変換素子21に高出力耐性に優れたPPMgLTを利用した。PPMgLTは変換効率が低いが、最初の段に使用することにより、基本波パワーが大きくとれるため、変換効率をある程度確保できた。また、波長変換素子21の素子長をPPMgLNの3倍ほどとれば、変換効率もほぼ同等となる。このように、1段目にPPMgLTを用いると、素子内で発生した熱レンズを低減でき、ビーム品質の劣化が抑圧できることを確認した。そこで、波長変換素子31としてPPMgLNを用いることで、高効率な変換が達成できた。
本実施の形態では、図1の構成に比べて、変換効率が低いため、素子長が2倍以上長くなるが、安定した出力特性が得られた。例えば、波長変換素子21として素子長25mmのPPMgLTを用い、波長変換素子31として25mmのPPMgLNを用いた場合に、波長1064nmの基本波光源1から出射された12Wの基本波FWから、第2高調波H1として3Wの532nm緑色光と、第2高調波H2として3Wの緑色光とが得られ、変換効率50%で高出力のCW緑色光を取り出すことができた。
なお、波長変換素子21としてPPMgLNを用いた場合は、第2高調波H1の出力として3Wの緑色光が取り出せるが、第2高調波H2の出力が2W以下に低下した。これは、PPMgLNにおける基本波の波面の乱れが原因である。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4として、上記の実施の形態1の構成における位相補償による高出力化について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態4による短波長光源の構成図である。図4に示す短波長光源は、基本波光源1、波長変換素子2、3、集光光学系4、5、位相補償板8及び制御部9を備える。
上記の実施の形態1では、複数の波長変換素子を直列に並べて、基本波を第2高調波に変換する構成について説明したが、それぞれの波長変換素子で発生した第2高調波の位相差を補償する機構を設けない場合、2つの波長変換素子から発生した第2高調波が位相差によって打ち消し合う場合がある。このため、複数の波長変換素子を直列に並べた構成において、高効率変換を達成するには、素子間の位相差をビームの面内及びビームの伝搬方向において補償する補償機構が必要となる。
この補償機構について図4を用いて説明する。2つの波長変換素子で発生する第2高調波の位相差は、基本波の波面と、波長変換素子の入出射面及び分極反転構造とによって決定され、高効率化を実現するには、第2高調波ビームの断面全体で波面が一致する必要がある。このため、図4に示す短波長光源は、図1の構成に位相補償板8及び制御部9を付加している。位相補償板8は、基本波と第2高調波とに対する屈折率が異なる分散特性を有する材料からなる。また、制御部9が位相補償板8の位置を調整することにより、位相補償板8を基本波及び第2高調波が通過するときの光路長が変化し、基本波と第2高調波との位相関係を整合させることができる。
位相補償板8の形状としては、鋭角のプリズムが好ましい。具体的には、位相補償板8の頂角θ1は、位相補償板8を透過する基本波FWのビーム半径をR1、位相補償板8の基本波FWと第2高調波HWとの屈折率差をΔn、基本波FWの波長をλとしたとき、θ1<λ/(2×R1×Δn)/10(ラジアン)の関係を満たすことが好ましい。これは、位相補償板8を通過した基本波と第2高調波との位相差をビーム内でλ/10以下にすることにより、基本波と波長変換素子3で発生する第2高調波との位相差を低減し、高効率化が図れるからである。
また、制御部9は、位相補償板8の位置を変えることにより、ビームが通過する位相補償板8の厚みを調整でき、これによって基本波と第2高調波との位相差を補償する。例えば、溶融石英からプリズムを作製した場合は、R1=50μm、λ=1.064μmのとき、位相補償板8の頂角θ1<0.05ラジアンとなる。この場合、石英は、Δnが小さいため、設計尤度が高くなってプリズムの作製が容易になる。
また、図4に示すように、位相補償板8は、波長変換素子2の出射部近傍に設けることが好ましい。波長変換素子2から出力した基本波と第2高調波とで位相波面の傾きがあると、波長変換素子2から離れるに従い、ビームが分離するため、波長変換素子3内でビームを一致させて伝搬することが難しくなるからである。
さらに、位相補償板8としては、波長変換素子2で発生する第2高調波と波長変換素子3で発生する第2高調波との位相差を、第2高調波のビームの面内で補償する必要がある。そのための位相補償板8の構成例を図5乃至図7に示す。
まず、図5及び図6について説明する。図5は、図4に示す短波長光源に使用可能な位相補償板の側面図であり、図6は、図5に示す位相補償板の斜め正面図である。図5及び図6に示す位相補償板は、2枚のウェッジ板81、82からなる。ウェッジ板81、82としては、LiNbOを用いた。
図5に示すように、ウェッジ板81、82は、同じウェッジ角θ1のウェッジ板であり、ウェッジ角が逆転するように相対して設置される。この状態で、制御部9は、所定のアクチュエータ及び該アクチュエータを駆動する制御回路を備え、例えば、ウェッジ板81を矢印D1方向に移動させ、一方のウェッジ板81と他方のウェッジ板82との重なりを調整する。この結果、ウェッジ板81、82を通過する基本波と第2高調波との伝搬方向の位相差を調整することができるとともに、波長変換素子2で発生する第2高調波と波長変換素子3で発生する第2高調波との伝搬方向の位相ずれを補償できる。
さらに、図6に示すように、制御部9は、所定のアクチュエータ及び該アクチュエータを駆動する制御回路を備え、ウェッジ板81、82を一体に矢印R1方向に回転させることにより、ウェッジ板81、82の全体角度を調整し、また、ウェッジ板82を矢印R2方向に単独に回転させることにより、ウェッジ板81、82の相対的な角度を調整する。このように、ウェッジ板81、82の相対角度を調整することにより、ウェッジ板81、82を通過する基本波と第2高調波との波面の傾きを補償し、さらに、ウェッジ板81、82全体をビームに対して回転させることにより、波面の傾いた方向を補償することができる。
上記のように、2つのウェッジ板81、82の重なり、相対角度及び全体角度の調整により、ウェッジ板81、82を通過するビームの面内の位相を調整することができる。これによって、波長変換素子2で発生する第2高調波と波長変換素子3で発生する第2高調波との伝搬方向の位相及びビーム面内での位相を整合させることが可能となり、高効率の波長変換が実現する。
図7は、図4に示す短波長光源に使用可能な他の位相補償板の構造図である。図7に示す位相補償板は、光学基板84、85及び光学ゲル83を備え、2つの光学基板84、85の間に、透明な光学ゲル83が挟まれている。
位相補償板に利用できる透明な高分子ゲルとしては、例えば、特開平6−27305号公報に示されているように、高分子の透明ゲルを焦点可変のレンズに用いた構成がある。また、H.Ono他、「Characteristics of optically controllable focusing lens generated in guest-host liquid crystals」、Opti.Commun.211(2002)、309-318に記載されているように、高分子の液晶材料によって焦点可変のレンズに応用された例がある。この場合、高分子ゲルに電界を加えることにより、ゲルの厚みを変えることができるため、波面を電界で制御する位相補償板が構成できる。
制御部9は、上記のように構成された光学ゲル83の形状を3次元的に変化させ、例えば、一方の光学基板84を他方の光学基板85に対して傾けることにより、基本波に対する第2高調波の波面を制御することができる。このように、光学基板84を3次元的に動かすことで第2高調波の波面を制御して、2つの波長変換素子2、3で発生する第2高調波の位相を一致させることが可能になる。また、ゲルの代わりにマッチングオイル、プラスチックなど透明で形状の変化するものであれば、同様に利用できる。
なお、ビーム面内での基本波と第2高調波との位相差をλ/10以下に補償するためには、波長変換素子2の出射部及び波長変換素子3の入射部における、分極反転構造2a、3aの端面及び波長変換素子2、3の端面の精度を制御する必要がある。分極反転構造2a、3aの端面と基板(波長変換素子2、3)の端面との角度ずれΔθ1を、端面でのビーム半径R2に対して、Δθ1<λ/(2×R2×Δn)/10程度に制御する必要がある。
例えば、MgLNの場合、Δθ1<1/140ラジアン程度に抑える必要がある。位相補償板8の設置位置としては、Δθ1の関係式からも分かるように、角度精度及び面精度を緩くするために、ビーム径の小さな位置が好ましい。すなわち、位相補償板8を波長変換素子2の出射部直後か、又は波長変換素子3の入射部直前に設置し、位相補償板8の設置位置が基本波のビーム径がなるべく小さな位置になるようにすることにより、位相補償板8による位相補償が簡単になる。また、集光光学系5の焦点を結晶の中心から出射端近傍に移動させることで、出射端でのビーム径を小さくできる。
また、位相補償板8の材質としては、基本波と第2高調波との屈折率差Δnを小さくするために、波長分散の小さな石英などの材料が好ましい。例えば、LNで位相補償板8を作製した場合は、Δθ1=1/140ラジアン程度となるが、石英の場合、Δθ1=1/20ラジアン程度となって位相補償板8の作製が容易になる。これは、波長分散の小さな石英において、Δnが小さくなったためである。
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5による短波長光源の構成図である。図8に示す短波長光源は、基本波光源1、波長変換素子2、32及び集光光学系4、5を備える。図9は、図8に示す波長変換素子32の拡大図である。
本実施の形態では、位相補償板の代わりに、波長変換素子32の入射部における、波長変換素子32の入射端面IPと分極反転構造32aの端面TPとの成す角度により、位相差を補償する。すなわち、結晶端面で分極反転構造32aの光軸OAと基板端面(波長変換素子32の入射部の端面)の法線NLとが成す角度に角度差θ2を設け、波長変換素子32に対するビームの位置を調整することにより、位相差を補償できる。
具体的には、波長変換素子32における、分極反転構造32aの光軸OAと波長変換素子32の入射端面IPの法線NLとが成す角度θ2は、基本波FWの波長λ、波長変換素子32の入射部の近傍における基本波のビーム半径R2、及び波長変換素子32すなわち非線形光学結晶における基本波と第2高調波との屈折率差Δnに対して、θ2<λ/(2×R2×Δn)/10(ラジアン)の関係を満たすことが好ましい。これは、基本波と第2高調波との位相差をビーム内でλ/10以下にすることにより、基本波と波長変換素子32で発生する第2高調波との位相差を低減し、高効率化が図れるからである。
また、実施の形態4と同様に、ビーム面内での基本波と第2高調波との位相差をλ/10以下に補償するためには、θ2の角度ずれΔθ2を、端面でのビーム半径R4に対して、Δθ2<λ/(2×R4×Δn)/10程度に制御する必要がある。例えば、MgLNの場合、Δθ2<1/140ラジアン程度に抑える必要があり、角度θ2の設置場所としては、Δθ2の関係式からも分かるように、角度精度及び面精度を緩くするために、ビーム径の小さな位置が好ましい。したがって、波長変換素子に形成した位相補償部となる角度θ2の設置部分としては、波長変換素子2の出射部又は波長変換素子32の入射部の少なくともいずれかに必要である。このように、基本波ビームに対する波長変換素子の位置を調整することにより、第2高調波の位相を整合させることができる。
また、位相補償部となる角度θ2を設ける構成としては、図10及び図11に示すように、分極反転構造33aに対して、波長変換素子33の入射端面IPaを傾ける構成でも、同様の効果が得られる。図10は、本発明の実施の形態5による他の短波長光源の構成図である。図10に示す短波長光源は、基本波光源1、波長変換素子2、33及び集光光学系4、5を備える。図11は、図10に示す波長変換素子33の拡大図である。
図10及び図11に示すように、波長変換素子33の入射端面IPa及び出射端面EPaは、基本波FWの光軸OAaに対して傾けて形成され、分極反転構造33aの端面TPaは、基本波FWの光軸OAaに垂直に形成されている。このように、波長変換素子33の入射端面IPaを傾けることにより、波長変換素子33をなす非線形光学結晶における、分極反転構造33aの光軸OAaと波長変換素子33の入射端面IPaの法線NLaとが成す角度θ2は、基本波FWの波長λ、波長変換素子33の入射部の近傍における基本波のビーム半径R2、及び波長変換素子33すなわち非線形光学結晶における基本波と第2高調波との屈折率差Δnに対して、θ2<λ/(2×R2×Δn)/10(ラジアン)の関係を満たす。この結果、基本波と第2高調波との位相差をビーム内でλ/10以下にすることができ、基本波と波長変換素子33で発生する第2高調波との位相差を低減し、波長変換の高効率化を図ることができる。
上記のように、図8〜11に示す短波長光源では、波長変換素子32、33の端面に位相補償部となる傾斜部を設けているので、位相補償板を不必要にして部品点数を低減できる。また、素子端面では、集光光学系5の近傍に比べて、基本波ビームの断面積が小さいため、ビーム内部での基本波と第2高調波との位相差を抑圧するための端面の面精度が緩和され、波長変換素子の作製が容易になるという利点がある。
上記の位相補償部となる傾斜部を設けるその他の構成としては、図12及び図13に示す構成も有効である。図12及び図13は、本発明の実施の形態5に係るさらに他の短波長光源の構成図である。
図12の構成は、波長変換素子22、34間に集光光学系を有さない構成で、1パスの基本波FWが波長変換素子22、34で波長変換される。ここでは、波長変換素子22、34は異なる材料からなり、波長変換素子34は、高出力耐性が波長変換素子22より優れている。基本波光源1から出射された基本波FWは、波長変換素子22で波長変換され、その後、波長変換素子34で波長変換される。2つの素子で発生した第2高調波の位相が揃うように、位相補償部PCを設け、この部分で位相補償を行っている。位相補償部PCは、図8〜図11と同様に、波長変換素子22、34の端面と分極反転構造22a、34aの端面との角度をわずかにずらすことで構成されている。また、図13に示すように、波長変換素子2、3間に位相補償板8aを設けた構成でも、同様に位相差を補償できる。これらの例では、集光光学系をなくすことができるので、短波長光源の小型化及び安定化が図れる。
また、図12に示す構成では、波長変換素子22、34を直接接合(又は光学的に接着)する構成でもよい。この場合、接合することにより、光学的な損失がなくせる。また、光学的な距離が短くなるため、ビームの拡がりを抑圧でき、高効率化が図れる。さらに、温度変化に対しても、安定な出力が得られる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、複数の波長変換素子により第2高調波を発生する構成において、それぞれの波長変換素子で発生する第2高調波のビームが重ならない構成を採用することにより、高出力化を図る方法について説明する。図14は、本発明の実施の形態6による短波長光源の構成図である。図14に示す短波長光源は、基本波光源1、波長変換素子23、35及び集光光学系4、51〜53を備える。
図14において、基本波FWは、集光光学系4により集光された後、その一部が波長変換素子23で第2高調波H1に変換され、集光光学系51、52により集光された後、さらに他の一部が波長変換素子35でも第2高調波H2に変換され、変換された第2高調波H1、H2は、集光光学系53により集光される。波長変換素子23、35における分極反転構造23a、35aは、基本波FWの光軸に対して傾けて形成されている。具体的な説明のために、図15には、図14に示す波長変換素子23を拡大したものを示すが、波長変換素子35の構造も、傾き方向が右上がりから右下がりに変更される点及び材料が異なる点を除き、波長変換素子23と同様に構成されている。
図14に示す波長変換素子23において、周期状の分極反転構造23aに対する垂線を分極反転構造23aの光軸OAとし、光軸OAと基本波FWの光軸との成す角度を、分極反転角度θ3とする。θ3が0でない場合、基本波と第2高調波との分散特性よりウォークオフ角θwが発生し、第2高調波H1は、基本波FWと異なる伝搬方向に発生する。また、波長変換素子35も上記と同様に機能し、第2高調波H2は、基本波FWと異なる伝搬方向に発生する。
したがって、図14に示すように、波長変換素子23と波長変換素子35とにおいて、異なる分極反転角度、例えば、下向きの分極反転角度と上向きの分極反転角度とを形成すると、発生する第2高調波H1、H2は、互いに異なる光軸方向に発生するため、お互いにビームの重ならない第2高調波を複数発生することが可能となる。
この結果、第2高調波のパワー密度が低減され、高出力耐性が向上する。また、ウォークオフが発生することで、基本波と第2高調波の光軸がずれるため、基本波と第2高調波とのオーバラップが低減し、和周波の発生が抑えられる。さらに、和周波と基本波とのウォークオフ角も増大するため、さらなる和周波の発生も抑えられる。これら3つの効果により、高出力耐性は、大幅に向上する。
ここで重要なのは、波長変換素子23を通過した後の基本波FWのビーム品質である。波長変換素子23にPPMgLNを用いて、第2高調波を2W以上発生させると、安定な出力が得られる状態でも、和周波の発生による第2高調波の吸収によって発生した熱レンズの影響で、基本波のビーム品質が劣化しており、波長変換素子35における変換効率が低下する現象が観測された。
これを防止するには、波長変換素子23で発生する第2高調波を2W以下に低下させる必要があるが、全体の出力が大幅に低下してしまうという問題が発生した。そこで、波長変換素子23に、高出力耐性に強いPPMgLTを用いた。PPMgLTは、熱伝導度が高く、紫外線の吸収も少ないため、和周波により励起される可視光吸収の発生が生じにくく、可視光吸収が発生した場合にも、温度変化が小さく押さえられる。このため、高出力の緑色光が発生しても、波面の乱れを低減できるという特別な効果が得られる。
この結果を基に、本実施の形態では、波長変換素子23にPPMgLTを用い、波長変換素子35にPPMgLNを用い、異なる結晶によって波長変換を行うことにより、波長変換素子23を通過した後の基本波FWのビーム品質を確保することができ、高効率及び高出力な波長変換が可能となる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、複数の波長変換素子を重ねて、ジグザグパスで波長変換を行う短波長光源について説明する。図16は、本発明の実施の形態7による短波長光源の構成図である。図16に示す短波長光源は、基本波光源1、波長変換素子24、36及び集光光学系4を備える。波長変換素子24、36は、上下方向に2段に並列に配置されている。波長変換素子24、36の端面T1、T2には、基本波及び第2高調波を反射する反射膜24b、36bが基本波及び第2高調波の光軸に対して傾けて形成されている。
図16に示すように、基本波光源1から出射された基本波は、波長変換素子24で第2高調波に波長変換された後、波長変換素子24の端面T1で反射される。端面T1で反射された基本波は、波長変換素子36の端面T2で反射された後、波長変換素子36で第2高調波に波長変換される。この間に波長変換素子24、36で波長変換された第2高調波が足し合わさって、高出力の第2高調波HWを発生する。
このように、光の伝搬とともに高調波のパワーが増大するため、入射端に近い波長変換素子24に、非線形光学定数が大きいPPMgLNを用い、出射端に近い波長変換素子36に、非線形光学定数は低いが、高出力耐性に強いPPMgLTを用いた。このように、本実施の形態では、出射端に近い波長変換素子36に高出力耐性の強い材料を用いることにより、高効率及び高出力化が図れる。
また、それぞれの素子で発生する第2高調波の位相をあわせるため、波長変換素子24、36の端面T1、T2は、分極反転構造24a、36aに対してわずかに傾いている。この結果、本実施の形態では、波長変換素子24、36で発生する第2高調波の位相差を低減し、高効率化を図ることができる。
また、基本波及び第2高調波を反射する構成としては、図17に示すように、凹面ミラー11を用いて光を集光する構成を採用してもよい。図17は、本発明の実施の形態7による他の短波長光源の構成図である。図17に示す短波長光源は、基本波光源1、波長変換素子25、37、集光光学系4及び凹面ミラー11を備える。波長変換素子25、37は、上下方向に2段に並列に配置され、波長変換素子37の基本波光源1側の端面には、基本波及び第2高調波を反射する多層膜Maが形成され、波長変換素子25、37の凹面ミラー11側の端面には基本波及び第2高調波を透過する多層膜Mbが形成されている。
図17に示す構成においても、出射端に近い波長変換素子37には、波長変換素子25より高出力耐性に強い材料を用いている。本例では、反射ミラーとして凹面ミラー11を用い、凹面ミラー11によって基本波を集光することで、波長変換素子37の結晶内部のパワー密度を上げることができるので、変換効率が向上する。また、反射光学系である凹面ミラー11を用いることにより、基本波と第2高調波との色収差が発生しないので、結晶内部で発生した第2高調波の位相ずれを抑圧できる。
また、基本波及び第2高調波を反射する構成としては、図18に示すように、凹面ミラー11a、11bを用いて光を集光するとともに、位相補償板12a、12bによって第2高調波の位相を調整する構成を採用してもよい。図18は、本発明の実施の形態7によるさらに他の短波長光源の構成図である。図18に示す短波長光源は、基本波光源1、波長変換素子26、38、集光光学系4、凹面ミラー11a、11b及び位相補償板12a、12bを備える。波長変換素子26、38は、上下方向に2段に並列に配置され、波長変換素子26の、基本波光源1と反対側には、位相補償板12a及び凹面ミラー11aが配置され、波長変換素子38の基本波光源1側には、位相補償板12b及び凹面ミラー11bが配置されている。図18に示す構成においても、出射端に近い波長変換素子38には、波長変換素子26より高出力耐性に強い材料を用いている。
また、図18に示すように、凹面ミラー11a、11bで反射させながら、波長変換素子26、38で波長変換する構成においては、位相補償板12a、12bによって第2高調波の位相を調整して、各ビームパスで発生する第2高調波の位相を整合させることができるので、高効率化が可能となる。すなわち、このような折り返しの構成では、波長変換素子26、38に再入射する場合に、第2高調波の位相を調整する必要があり、位相補償板12a、12bを設けることで調整が可能となり、高効率化が図れる。
また、上記の各例のような反射型にすることにより、短い光路で高効率の波長変換が可能になり、小型化が図れる。また、波長変換素子に異なる材料を用いることで、高出力耐性を向上させることが可能になる。なお、反射型の構成において、2枚の波長変換素子を用いる場合について説明したが、3枚以上の波長変換素子を厚さ方向に並列に重ねるようにしてもよい。また、一の波長変換素子内部で、複数回の波長変換を行うようにしてもよい。
(実施の形態8)
本実施の形態では、複数の波長変換素子を厚み方向に接合(又は光学的に接着)した構成について図19を用いて説明する。図19は、本発明の実施の形態8による短波長光源の構成図である。図19に示す短波長光源は、基本波光源1、波長変換素子101〜103及び集光光学系4を備える。本実施の形態の波長変換素子は、波長変換素子102、103が波長変換素子101をサンドイッチする形になっている。
基本波光源1から出射した基本波FWは、集光光学系4により波長変換素子101〜103内部に焦点を持つように集光されているが、ビームが複数の波長変換素子101〜103を横切るように、波長変換素子101の厚みは、ビーム径に対して薄くなるように設計している。
ここで、第2高調波の吸収による熱レンズの発生は、ビームのパワー密度が大きくなるビーム中心で発生する。これを抑圧するために、本実施の形態では、ビーム中心に位置する波長変換素子101の結晶として、他の波長変換素子102、103の結晶よりも熱伝導度の大きな結晶を用いている。
例えば、波長変換素子101として、PPMgLT又はストイキオメトリックなMgドープLiTaOからなるPPMgLTを用い、波長変換素子102、103としては、変換効率の高いPPMgLNとした。この場合、中央部に熱伝導度の大きな結晶を用いているので、熱レンズの発生を抑え、高出力耐性に強い光源が実現できる。また、波長変換素子101〜103を構成する各結晶は、互いに直接接合されているので、接合面の空気層を無くし、ビーム波面の乱れを抑えることができる。
また、波長変換素子を貼り合わせる場合に、図20に示すように、分極反転構造101a〜103aに垂直な面で貼り合わせる構成以外に、図21に示すように、両側に設置した波長変換素子102、103の分極反転構造102a、103aをビームの進行方向に対して傾ける構造も有効である。この場合、分極反転構造102a、103aを傾けることで、両側から発生する第2高調波の発散を抑え、第2高調波ビームが中心に集まるので、変換効率の向上を図ることができる。
なお、複数の波長変換素子をビームの断面方向に貼り合わせる構成において、3枚の構成について説明したが、さらに複数の結晶を貼り合わせる構成でもよい。また、波長変換素子以外の材料をビームの中央部に挟み込む構成も可能である。この場合の材料としては、基本波及び第2高調波の光に対して透明で、かつ熱伝導度の大きい材料が好ましい。また、複数の波長変換素子を積層するのではなく、一の波長変換素子の周囲を複数の波長変換素子で囲むようにしてもよい。
(実施の形態9)
図22は、本発明の実施の形態9による短波長光源の構成図である。図22に示す短波長光源は、基本波光源1、波長変換素子220、230及び集光光学系4、51〜53を備える。高出力耐性を向上させる他の方法として、図22に示した構成が有効である。
図22に示すように、波長変換素子220、230の分極反転構造220a、230aは、基本波FWの光軸に対して斜めに形成され、さらに、波長変換素子220の出射面E1の角度を斜めに形成し、波長変換素子230の入射面I1の角度を斜めに形成している。
このように、入出射面I1、E1を斜めに形成すると、プリズム効果により基本波と第2高調波との角度差を大きくとれる。これによって波長変換素子230内での2つの第2高調波H1、H2の光軸をずらすことができるので、オーバラップを低減することができ、高出力耐性を向上できる。
また、第2高調波H1、H2の光軸をずらす構成として、図23に示すように、波長変換素子の入出射面を斜めに形成することなく、偏光板13を用いる構成を採用してもよい。図23は、本発明の実施の形態9による他の短波長光源の構成図である。図23に示す偏光板13の特性としては、基本波は偏光回転せず、第2高調波のみ偏光を回転させる構成が望ましい。この場合、偏光板13を集光光学系51、52との間に挿入することにより、波長変換素子221で発生した第2高調波H1は、波長変換素子231内では基本波FWと異なる偏光を持つことになる。
この結果、本例では、基本波FWと第2高調波H1との偏光方向が異なることにより、波長変換素子231内での和周波の発生を抑えることができ、高出力耐性を大幅に向上できる。なお、和周波の発生は、高調波と第2基本波との偏光が直交する場合が最も小さくなるので、偏光板13の特性としては、基本波と第2高調波との偏光が直交するように設定することがより好ましい。
ここで重要なのは、波長変換素子220(又は波長変換素子221)を通過した後の基本波FWのビーム品質である。波長変換素子220(又は波長変換素子221)にPPMgLNを用いて、第2高調波を2W以上発生させると、安定な出力が得られる状態でも、和周波の発生による第2高調波の吸収によって発生した熱レンズの影響で、基本波のビーム品質が劣化しており、波長変換素子230(又は波長変換素子231)における変換効率が低下する現象が観測された。
これを防止するには、波長変換素子220(又は波長変換素子221)で発生する高調波を2W以下に低下させる必要があるが、全体の出力が大幅に低下してしまうという問題が発生した。そこで、波長変換素子220(又は波長変換素子221)に、高出力耐性に強いPPMgLTを用いた。PPMgLTは熱伝導度が高く、紫外線の吸収も少ないため、和周波により励起される可視光吸収の発生が生じにくく、可視光吸収が発生した場合にも温度変化が小さく押さえられる。このため、高出力の緑色光が発生しても、波面の乱れを低減できるという特別な効果が得られる。
この結果を基に、本実施の形態では、波長変換素子220(又は波長変換素子221)にPPMgLTを用い、波長変換素子230(又は波長変換素子231)にPPMgLNを用い、異なる結晶によって波長変換を行うことにより、波長変換素子220(又は波長変換素子221)を通過した後の基本波FWのビーム品質を確保することができ、高効率及び高出力な波長変換が可能となる。
なお、本実施の形態では、高出力耐性に優れた素子として熱伝導度の大きいPPMgLTを用いたが、その他ストイキオメトリック結晶のMgドープLiTaOに分極反転構造を形成したもの、KTP、LBOなどの結晶も利用できる。
また、第2高調波H1、H2の光軸をずらす構成として、図24に示す小型化を目的とした構成を採用してもよい。図24は、本発明の実施の形態9によるさらに他の短波長光源の構成図である。図24に示す短波長光源は、基本波光源1、波長変換素子222、232及び集光光学系4を備える。
図24に示す短波長光源では、波長変換素子として、一つの基板の中に、分極反転角度θ3(図14参照)の異なる第1領域及び第2領域を形成し、第1領域を波長変換素子222とし、第2領域を波長変換素子232とした。第1領域すなわち波長変換素子222は、熱伝導度の大きい結晶で構成され、第2領域すなわち波長変換素子232は、変換効率の高い結晶で構成され、波長変換素子222の分極反転構造222aの光軸と波長変換素子232の分極反転構造232aの光軸とは、異なる角度で基本波FWの光軸と交わっている。したがって、第2高調波H1と第2高調波H2とは、それぞれの領域で異なるウォークオフ角を持って発生する。
この結果、本例では、第2高調波のパワー密度の低減、及び第2高調波と基本波とのオーバラップ低減により、和周波の発生を抑圧することができ、高出力耐性を大幅に向上できる。また、一つの結晶内に2つの波長変換素子222、232を形成しているため、小型化に有効である。さらに、分極反転角度θ3の異なる複数の領域を並列につなげた構成も可能であり、この場合、相互作用長の増大が可能であり、高出力化が図れる。
また、第2高調波H1、H2の光軸をずらす構成として、図25に示すように、2つの波長変換素子223、233の間すなわち分極反転構造223a、233aの間に、プリズム14を挿入することも有効である。図25は、本発明の実施の形態9によるさらに他の短波長光源の構成図である。
図25に示す短波長光源では、プリズム14の分散特性により、基本波と第2高調波との屈折角を変えることができるので、波長変換素子223から出力された第2高調波H1と、波長変換素子223から出力された基本波FWを、波長変換素子233中で分離することができる。この結果、波長変換素子223から出力された第2高調波H1と、波長変換素子233で発生される第2高調波H2とを分離することができるので、高出力耐性の向上が可能となる。
また、第2高調波H1、H2の光軸をずらす構成として、図26に示すように、2つのプリズム15a、15bの間に偏光板16を挿入することも有効である。図26は、本発明の実施の形態9によるさらに他の短波長光源の構成図である。
図26に示す短波長光源では、2つのプリズム15a、15bが図25に示すプリズム14と同様に機能し、2つのプリズム15a、15bの間にさらに偏光板16が備えられる。偏光板16の特性としては、図23に示す偏光板13と同様に、基本波は偏光回転せず、第2高調波のみ偏光を回転させる構成が望ましい。
本例では、偏光板16により第2高調波H1の偏光を回転させることにより、第2高調波H1と基本波FWとの偏光を異なる偏光にすることができるので、波長変換素子233中で、第2高調波H1と基本波FWとによる和周波の発生を抑えることができ、高出力耐性をさらに強化することが可能になる。
上記の図25及び図26に示すように、平行プリズム14やプリズムペア(プリズム15a、15b)を用いて、波長変換素子233中で発生した第2高調波と基本波とを別光路に分離することが有効である。また、基本波の波長と第2高調波の波長との違いを利用して、波長分散の大きなプリズムを用いれば、屈折角の違いにより基本波と第2高調波とを分離することができる。
また、平行プリズムやプリズムペアを用いれば、光路が異なる平行光にすることも可能である。この場合、平行光にすることにより、第2高調波H1、H2をほぼ並行な光として取り出すことができるので、2つの光を合波する光学系が簡単になるという利点もある。
また、プリズムペアの代わりに、屈折率分散の大きな光学系を用いてもよく、この場合も、波長変換素子223で発生した第2高調波と基本波とを波長変換素子233で分離することができるので、高出力耐性を向上できる。この場合のポイントは、波長変換素子223で発生した第2高調波と基本波とを、波長変換素子233で分離することにより、波長変換素子233での和周波の発生を抑圧する点にある。
例えば、屈折率分散の大きな光学素子としては、図25に示したプリズム14以外に、屈折率分散の大きな光学ガラスによるレンズも有効である。ここで、波長変換素子223から出射される基本波を波長変換素子233で集光する場合に、基本波FWと第2高調波H1との集光スポットをずらすことにより、パワー密度の高い集光点で高効率に発生する和周波を大幅に低減できる。
この集光スポットのずれは、基本波と第2高調波との波長の違いによってレンズの屈折率が異なることに起因するものであり、集光スポットのずれは、集光点での焦点深度より大きいことが望ましい。その他、グレーティング素子によって、基本波と第2高調波とを分離することも有効である。また、レンズの表面にグレーティングを施したグレーティングレンズなども、波長分散の大きなレンズを形成できるため、有効である。
さらに、第2高調波H1、H2の光軸をずらす構成として、図27に示すように、基本波と第2高調波とを分離する分離プリズム17も有効である。図27は、本発明の実施の形態9によるさらに他の短波長光源の構成図である。
図27に示す短波長光源では、分離プリズム17は、波長分離膜17a及び反射膜17bを備え、波長分離膜17aは、基本波FWと第2高調波H1とを分離し、反射膜17bは、第2高調波H1を反射させる。このように、分離プリズム17が基本波FWと第2高調波H1との光路を分離するので、本例においても、基本波FWと第2高調波H1とを波長変換素子233内部で分離することができ、和周波の発生を抑えて、高出力耐性を大幅に向上できる。
また、第2高調波H1、H2の光軸をずらす構成として、図28に示すように、波長変換素子224の出射面EPを基本波FWのビームに対して傾けることも有効である。図28は、本発明の実施の形態9によるさらに他の短波長光源の構成図である。
図28に示す短波長光源では、波長変換素子224の出射面EPが傾けて形成されている。この結果、基本波FWと第2高調波H1との波長差による屈折率の違いにより、基本波FWと第2高調波H1との出射角度が異なり、これを利用して基本波FWと第2高調波H1とを分離できるので、波長変換素子224の端部をプリズムとして利用できる。
例えば、波長変換素子224内部での基本波FWと、出射面EPの垂線との成す角をθ4とすると、θ4が65°であり、波長変換素子224と波長変換素子234との距離が1mmであるとき、基本波FWと第2高調波H1との光路は、波長変換素子234内で約100μm離れる。これによって、和周波の発生を抑圧して、高出力耐性を大幅に向上できた。
ここで、θ4の値としては、出射面EPから出力する基本波FWと第2高調波H1との角度の差をつけるため、10°以上が好ましい。また、角度が大きいと、全反射してしまうので、θ4は30°以下が好ましい。また、θ4をブリュースター角に設定すると、無反射コートを施すことなく、端面での反射損失がなくなるのでより好ましい。
また、波長変換素子234の入射面IPは、出射面EPと同じ角度に設定することが好ましい。同じ角度に設定することにより、波長変換素子234内で、第2高調波H1と、波長変換素子234内で発生した第2高調波H2とが平行になるので、出射した光を合波する光学系が簡単になるという利点を有する。また、2つの波長変換素子224、234間にレンズ光学系を挿入して波長変換素子234内で基本波を再び集光することにより、変換効率をさらに向上させることも可能である。
また、図25〜図28の構成において、波長変換素子223(又は波長変換素子224)に、熱伝導度の大きい、高出力耐性に優れた素子を設定することにより、波長変換素子223(又は波長変換素子224)を通過した基本波FWのビーム品質の劣化を抑圧することができ、波長変換素子233(又は波長変換素子234)においても、高い変換効率を得ることが可能になった。
なお、上記の各実施の形態では、周期状の分極反転構造を有する非線形光学結晶の材料として、MgドープのLiNbO等を用いて説明したが、その他、ノンドープのLiNbO、又は、Zn、In、ScをドープしたLiNbO等を用いてもよく、これらも高出力化に有効である。LiNbO又はドープしたLiNbOは、高い非線形光学定数を有するため、高効率変換が可能となり、高出力化に有効である。その他、LiTaO、KTP、KNbO等の強誘電体の周期状の分極反転構造も、高出力化に有効である。また、高出力耐性の向上には、第2高調波のパワー密度の低減が有効なため、本発明の構成は有効である。
また、本発明は、1200nm以下の基本波の波長変換に対して、特に有効である。本発明で説明した紫外光による可視光の吸収発生は、紫外光の波長として400nm以下で顕著に発生する。このため、和周波として400nm以下の波長が発生する1200nm以下の基本波に対しては、本発明の構成が特に有効である。また出力としては、第2高調波の出力で1〜2W程度以上の場合に有効である。
また、1200nmを越える波長に対しては、10W以上の第2高調波を発生する場合に、本発明は有効である。1200nmを越える波長に対しては、基本波の4倍波である、基本波の波長λの1/4の波長を有する光の発生によって、同様の高出力耐性の劣化が生じる。しかしながら、4倍波の効率は低いため、第2高調波の出力が10W以上の高出力になった場合、又は、基本波の出力がピークパワーの高いパルス列の光となった場合に、本発明は、特に有効である。例えば、基本波のピークパワーが100mW/cm以上になると、4倍波の発生による高出力耐性の劣化が問題となるため、本発明の構成が有効となる。
また、基本波光源としては、Qスイッチパルス光源を用いてもよい。この場合、基本波の平均パワーが低くても、高いピークパワーが利用できるため、高効率変換が可能となる。また、繰り返し周波数としては、1kHz以上が好ましい。これ未満の場合、ピークパワーが高くなり、100mW/cm程度のパワー密度になると、レーザダメージによる結晶破壊が生じる。また、光のビームスポットを大きくとり、かつ平均パワーを下げる必要がある。このように、Qスイッチパルス光源を高出力の光源として利用するためには、繰り返しの周波数が1kHz以上、より好ましくは10kHz以上が望ましい。
また、基本波光源としては、Nd:YVO、Nd:YAG、Nd:ガラス等のNd材料、又は、Yb:YAG、Yb:ガラス等のYbドープ材料の適用が可能である。また、Ybドープのファイバーレーザを利用することも可能である。ファイバーレーザは、高出力化が容易であり、ビーム品質も高いため、集光特性に優れ、高効率変換が可能である。
また、本発明では、例えば、PPMgLNとしては、Mg5mol%ドープのPPMgLNを用いている。Mgのドープ量としては、4.9mol%〜6mol%が望ましく、5.6±0.2mol%がさらに望ましい。耐光損傷強度に優れるからである。
上記以外に、Zn、In、ScドープのPPMgLNでも同様に利用できる。ストイキオメトリック組成のPPMgLNも、耐光損傷強度に優れた高非線形材料であるため、利用できる。この場合のMgのドープ量は、1.5mol%以上が好ましい。その他、MgドープのLiTaO、MgドープのストイキオメトリックLiTaO、KTP等においても、本発明の構成は有効である。
以上述べたように、本発明の短波長光源は、波長変換素子の高出力耐性を向上させるため、異なる結晶からなる波長変換素子を複数用い、高出力耐性の優れた結晶を光パワー密度の高い領域で使用することができるので、光の吸収により発生する熱レンズの発生を抑圧して、高出力耐性を大幅に向上させ、安定で、信頼性の高い短波長光源を実現できるため、その実用効果は大きい。
本発明の実施の形態1に係る短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る短波長光源の構成の一例を示す図である。 図4に示す短波長光源に使用可能な位相補償板の側面図である。 図5に示す位相補償板の斜め正面図である。 図4に示す短波長光源に使用可能な他の位相補償板の構成を示す図である。 本発明の実施の形態5に係る短波長光源の構成の一例を示す図である。 図8に示す波長変換素子の拡大図である。 本発明の実施の形態5に係る他の短波長光源の構成の一例を示す図である。 図10に示す波長変換素子の拡大図である。 本発明の実施の形態5に係るさらに他の短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態5に係るさらに他の短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態6に係る短波長光源の構成の一例を示す図である。 図14に示す波長変換素子の拡大図である。 本発明の実施の形態7に係る短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態7に係る他の短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態7に係るさらに他の短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態8に係る短波長光源の構成の一例を示す図である。 図19に示す波長変換素子の一例の拡大図である。 図19に示す波長変換素子の他の例の拡大図である。 本発明の実施の形態9に係る短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態9に係る他の短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態9に係るさらに他の短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態9に係るさらに他の短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態9に係るさらに他の短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態9に係るさらに他の短波長光源の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態9に係るさらに他の短波長光源の構成の一例を示す図である。 従来の短波長光源の構成の一例を示す図である。
符号の説明
1 基本波光源
2、3、21〜26、31〜38、101、102、220〜224、230〜234 波長変換素子
2a、3a、21a〜26a、31a〜38a、101a、102a、220a〜224a、230a〜234a 分極反転構造
4、5、51〜53 集光光学系
6、7 波長フィルタ
8、8a、8b、12a、12b 位相補償板
9 制御部
11、11a、11b 凹面ミラー
13、16 偏光版
14、15a、15b プリズム
17 分離プリズム
81、82 ウェッジ板
83 光学ゲル
84、85 光学基板

Claims (14)

  1. 基本波を発生する基本波光源と、
    周期状の分極反転構造を有する非線形光学結晶からなり、前記基本波の一部を第2高調波に変換する複数の波長変換素子とを備え、
    前記複数の波長変換素子は、
    周期状の分極反転構造を有する第1の非線形光学結晶からなり、前記基本波光源からの前記基本波の一部を前記第2高調波に変換する第1の波長変換素子と、
    周期状の分極反転構造を有する第2の非線形光学結晶からなり、前記第1の波長変換素子を通過した前記基本波の一部を前記第2高調波に変換する第2の波長変換素子とを含み、
    前記複数の波長変換素子の非線形光学結晶は、異なる材料又は組成からなり、
    前記複数の波長変換素子のうち一の波長変換素子が発生する第2高調波と前記基本波との位相差を補償する位相補償部をさらに備え、
    前記位相補償部は、前記基本波及び前記第2高調波に対して屈折率の異なる材料からなるウェッジ板である
    ことを特徴とする短波長光源。
  2. 前記位相補償部は、前記基本波及び前記第2高調波に対して屈折率の異なる材料からなる2つのウェッジ板を含み、
    前記2つのウェッジ板の相対的な位置及び角度を調整する調整部をさらに備えることを特徴とする請求項記載の短波長光源。
  3. 前記ウェッジ板の頂角θ1は、前記基本波の波長λ、前記ウェッジ板を通過する前記基本波のビーム半径R1、及び前記ウェッジ板における前記基本波と前記第2高調波との屈折率差Δnに対して、θ1<λ/(2×R1×Δn)/10の関係を満足することを特徴とする請求項記載の短波長光源。
  4. 前記複数の波長変換素子は、前記基本波の経路に順次配置され、
    前記基本波の経路の最終端に配置された波長変換素子に前記基本波を集光する集光光学系をさらに備え、
    前記集光光学系の前記第2高調波に対する焦点位置は、前記最終端に配置された波長変換素子の非線形光学結晶の入射端近傍に配置されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の短波長光源。
  5. 前記第2の非線形光学結晶における分極反転構造の光軸と入射部の端面の法線とが成す角度θ2は、前記基本波の波長λ、前記第2の非線形光学結晶の入射部の近傍における前記基本波のビーム半径R2、及び前記第2の非線形光学結晶における前記基本波と前記第2高調波との屈折率差Δnに対して、θ2<λ/(2×R2×Δn)/10の関係を満足することを特徴とする請求項1記載の短波長光源。
  6. 前記複数の波長変換素子は、前記基本波の経路に順次配置され、
    前記波長変換素子を通過する前記基本波を集光する集光光学系をさらに備え、
    前記基本波の経路の最終端に配置された波長変換素子の非線形光学結晶の熱伝導度は、他の波長変換素子の非線形光学結晶の熱伝導度より大きいことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の短波長光源。
  7. 前記集光光学系は、凹面ミラーであることを特徴とする請求項記載の短波長光源。
  8. 前記複数の波長変換素子のうち一部の波長変換素子の端部に設けられ、前記基本波及び前記第2高調波を反射する反射膜をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の短波長光源。
  9. 第1及び第2の凹面ミラーをさらに備え、
    前記第1及び第2の波長変換素子は、前記第1及び第2の凹面ミラーの間に配置され、
    前記基本波は、前記第1及び第2の凹面ミラー間を複数回往復しながら、前記第1の非線形光学結晶により少なくとも一回以上波長変換された後、前記第2の非線形光学結晶により波長変換され、
    前記第2の非線形光学結晶の熱伝導度は、前記第1の非線形光学結晶の熱伝導度より大きいことを特徴とする請求項1記載の短波長光源。
  10. 前記複数の波長変換素子の非線形光学結晶は、光学的に接合又は接着されていることを特徴とする請求項1又は5に記載の短波長光源。
  11. 前記複数の波長変換素子の非線形光学結晶は、
    MgドープLiNbOからなる非線形光学結晶と、
    MgドープLiTaOからなる非線形光学結晶とを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の短波長光源。
  12. 前記複数の波長変換素子は、前記周期状の分極反転構造の光軸と前記基本波の伝搬方向との成す角が互いに異なる複数の非線形光学結晶からなることを特徴とする請求項1記載の短波長光源。
  13. 前記複数の波長変換素子は、前記基本波の経路に順次配置され、
    前記複数の波長変換素子の間に配置され、前記波長変換素子から出力する前記基本波と前記第2高調波とを分離する波長分離ミラーをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の短波長光源。
  14. 前記基本波光源に最も近い位置に配置された前記波長変換素子の非線形光学結晶の熱伝導度は、他の波長変換素子の非線形光学結晶の熱伝導度より大きいことを特徴とする請求項13記載の短波長光源。
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