JP5046398B2 - 高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

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本発明は、高硬度と高耐食性が要求される産業分野、CDやDVDなどの鏡面仕上げを要する分野に用いられる高級金型用鋼やノズル部材、湿潤環境で使用される刃物、ボルト、バルブなどの機械製品部材に適用が見込まれる高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼に関するものである。
従来、JIS SUS420やSUS440といったマルテンサイト系ステンレス鋼は、硬度や耐摩耗性に優れた鋼として耐食性を求められるような金型部材やノズル部材などの機械部品の素材に用いられている。これらのマルテンサイト系ステンレス鋼は、他のマルテンサイト組織を有する鋼とは異なり、硬度を有しつつCrを多く含有することである程度の耐食性を兼ね備えたものである。
しかし、上記のマルテンサイト系ステンレス鋼はCを多く含有して硬度を確保しているものの、JIS SUS304やSUS316のようなオーステナイト系ステンレス鋼と比較して耐食性に劣っており、室外暴露や水溶液による湿潤雰囲気で容易に腐食が進行する。また、CはCrと結合して炭化物を形成しやすく、母相中のCr含有量を減少させて、耐食性を損なうことが知られている。こういったことからCで硬度を確保した従来のマルテンサイト系ステンレス鋼では、今後さらに高品質化が求められるような高級金型部材や各種機械部品などの厳しい腐食環境に用いることが出来ず、市場のニーズに答えることが出来ない。
近年、マルテンサイト系ステンレス鋼の強度を増し、耐食性を改善する方策として、侵入型固溶元素である窒素を添加した特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4に示したような高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼が提案されており、一部ではオーステナイト系ステンレス鋼に匹敵する耐食性を有する鋼種も開発されている。
特開平02−263917号公報 特開平11−302799号公報 特開2005−248263号公報 特開2008−133499号公報
しかし、特許文献1、特許文献2で提案されている高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼は、窒素を含有してはいるものの、その含有量は大気圧下における最大添加量の上限以下であり、耐食性を大幅に向上させるには至らない濃度である。そのため、現行の製鋼プロセスを用いることができ、製造コストの面でのメリットはあるものの、上記のような過酷な腐食環境で用いることの出来る高硬度のマルテンサイト系ステンレス鋼を提供することはできない。
また、特許文献3で提案されている高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼は、加圧溶解などの製鋼プロセスを用いて大気圧下での最大添加量を上回る窒素を添加しているため、耐食性を大幅に向上させることが可能である。しかし、その製造設備には10気圧を超える耐圧能力が求められるため、設備コストが大きく且つ大型鋼塊を製造することが難しく、生産量が制限され製造コストが高くなる可能性がある。
さらに、特許文献4で提案されている高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼は、特許文献3と同様に加圧溶解などの製鋼プロセスを用いて多量の窒素添加を行うが、同時に炭素を多く含有するために大型鋼塊を製造した場合、深刻な成分偏析の生成が懸念される。このような深刻な成分偏析が鋼塊中に生成した場合、機械的特性や耐食性の不均質や熱間加工時の割れなど品質上の問題が発生する。そのため、特許文献4の高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼は設備的な制約に加えて、鋼塊の内部性状を確保することが難しいことから鋼塊の大型化は難しい。このことより、特許文献3と同様に生産量が制限される上に、大型部材への素材供給には不向きである。また、特許文献4では必須元素としてBを0.01%以下添加するが、0.01%以下であっても鋼中で窒素と結合してBNを生成させることがあり、熱間加工性を悪化させることから、高窒素鋼で大型鋼塊を作製した場合は熱間鍛造時に割れが生じる危険性が高まる。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、窒素含有量と炭素含有量を適切に定めることで、大型部材に使用できる高強度・高耐食性と製造性を有しつつ、過分な高圧環境を必要としない低製造コストの高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼を提供することを目的としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、腐食環境下に曝される高硬度ステンレス鋼として、固溶強化成分である窒素を0.200.35%添加して強度と耐食性を高めつつ、成分偏析の生成を軽微に抑えることで鋼塊の大型化を図り、大型部材への素材供給を実現するものである。
すなわち、本発明の高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼のうち、第1の本発明は、質量%で、C:0.010.10%、Si:0.05〜2.0%、Mn:0.05〜3.0%、Ni:0.40〜3.0%、Cr:13.0〜15.0%、Mo:0.3〜2.0%、N:0.200.35%を含有し、残部がFeおよび不可避の不純物よりなり、前記不可避不純物中で、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Al:0.03%以下、O:0.02%以下に制限されていることを特徴とする。
第2の本発明の高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼は、前記第1の本発明の成分組成に、さらに、質量%で、Ti:0.01〜0.1%、V:0.01〜0.1%、Nb:0.01〜0.1%の1種又は2種以上を含有することを特徴とする。
第3の本発明の高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼は、前記第1または第2の本発明の成分組成に、さらに、質量%で、W:0.01〜1.0%を含有することを特徴とする。
第4の本発明の高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼は、前記第1〜第3のいずれかの本発明の成分組成に、さらに、質量%で、Co:0.1〜3.0%、Cu:0.01〜2.0%の1種又は2種を含有することを特徴とする。
以下、本発明の高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼における各成分の組成限定理由について説明する。
C:0.010.10
Cは、高硬度を確保する上で固溶強化成分として非常に有効であり、その効果を得るには0.01%以上の含有が必要である。しかし、0.10%を超えた含有は、溶鋼の窒素溶解度を減少させ、凝固中の成分偏析を助長させる。また、Cr炭化物の形成によりマトリックス中のCr量を減少させ粒界腐食を著しく促進させるなどの耐食性の劣化を招くので、上限を0.10%とする
Si:0.05〜2.0%
Siは、有効な脱酸剤として製鋼工程に不可欠であり、窒素化合物であるSiは主要な窒素添加源となる。また、Siよりも強力な脱酸剤であるAlを用いると高温強度や延靭性に悪影響を及ぼすAlNの生成を招く可能性があるため、Siを主要な脱酸剤として使用することが望ましく、その効果を得るには0.05%以上の含有が必要である。しかし、2.0%を超えて含有すると非金属介在物が鋼塊中に多量に生成して製造時に疵や割れを生じやすいので、上限を2.0%とする。なお、同様の理由により下限を0.1%、上限を1.0%とするのが望ましい。
Mn:0.05〜3.0%
Mnは、脱酸や脱硫剤として作用するとともに溶鋼の窒素溶解度を著しく高める。その効果を得るには0.05%以上の含有が必要であるが、3.0%を超えて含有すると耐食性の劣化を招くので、上限を3.0%とする。なお、同様の理由により下限を0.1%、上限を2.0%とするのが望ましい。
Ni:0.40〜3.0%
Niは、耐食性を得るのに重要な元素である。また、Niはオーステナイト相安定化元素であることから、δフェライトの生成抑制に有効であり、それらの効果を得るには0.40%以上の含有が必要である。しかし、必要以上の含有は窒素溶解度を減少させ、原材料コストの増加を招くので、上限を3.0%とする。なお、同様の理由により上限を2.0%とするのが望ましい。
Cr:13.0〜15.0%
Crは、溶鋼の窒素溶解度を著しく高め、マトリックスの耐食性や強度の向上に大きく寄与する。そのため、本発明の高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼においては、0.2%以上の窒素量を確保し耐食性を向上させるためには13.0%以上の含有が必要である。しかし、Crはフェライト相安定化元素であるためにδフェライトの生成を助長し、強度低下や延靭性の低下を招くため、上限を15.0%とする。なお、同様の理由により上限を14.5%とするのが望ましく、さらに上限を14.0%とするのが一層望ましい。
Mo:0.3〜2.0%
Moは、溶鋼の窒素溶解度を著しく高めるとともに固溶強化成分として非常に有効である。さらに、Crよりも少量で耐食性を向上させる効果があることから、その効果を得るために本発明では0.3%以上含有する。しかし、必要以上の含有は原材料コストの増加を招くとともに、凝固中の成分偏析を深刻化させることから、上限を2.0%とする。なお、同様の理由により下限を0.5%、上限を1.2%とするのが望ましい。
N:0.200.35
Nは、侵入型固溶元素であり極めて高い固溶強化能を有するとともに、オーステナイト相安定化元素であり耐食性の向上に有効な本発明の基本となる含有成分である。そのため、本発明の高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼においては、0.20%未満の窒素量ではδフェライト相が生成し、強度の低下を招く。ただし、0.35%を超えると、窒素ブローホールの生成を抑制するために10気圧以上の高圧環境下に格納された溶解設備が必要となることから製造コストの増大を招く。さらに、Cと同様に凝固中の成分偏析を助長するので、上限を0.35%とする
P:0.03%以下
Pは、0.03%を超えて含有すると粒界に偏析したPが熱間加工性と耐食性を著しく劣化させるので、0.03%以下に制限する必要がある。
S:0.01%以下
Sは、0.01%を超えて含有すると熱間加工性が低下するとともに、MnSなどの硫化物の形成により耐食性が著しく損なわれるので、0.01%以下に制限する必要がある。
Al:0.03%以下
Alは、脱酸剤として有効な元素であるが、高窒素鋼ではAlを過剰に添加するとAlNが形成され、熱間加工性の劣化や耐食性の著しい低下を招くので、脱酸剤として用いる場合は0.03%以下に制限する必要がある。
O:0.02%以下
Oは、含有量が過剰になると鋼塊の清浄度を低下させ、延靭性の低下や耐食性の劣化を招くので、0.02%以下に制限する必要がある。
以下、本発明の高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼にさらに所望により含有可能な成分について説明する。
Ti:0.01〜0.1%、V:0.01〜0.1%、Nb:0.01〜0.1%
Ti、V、Nbは、溶鋼の窒素溶解度を高め、炭窒化物を形成して強度の向上に寄与するとともに結晶粒成長を抑制する効果があるので、所望により1種以上を含有させる。この効果を得るには各成分で0.01%以上の含有が必要となるが、上限値を超えて含有すると炭窒化物が高温で安定となるために溶体化が困難になり、熱間加工性の劣化や耐食性の低下を招く。
W:0.01〜1.0%
Wは、Moと同様に耐食性の向上や固溶強化成分として有効であり、所望により含有させることができる。ただし、0.01%未満では効果が乏しい。しかし、必要以上の含有は延靭性の低下をまねき、熱間加工性を損なうとともに、凝固中の成分偏析を深刻化させることから、上限を1.0%とする。なお、同様の理由により上限を0.5%以下とするのが望ましい。
Co:0.1〜3.0%
Coは、Niと同様にオーステナイト相安定化元素であることからδフェライトの生成抑制に有効であり、耐食性に寄与する成分である。0.1%未満では効果が乏しいが、必要以上の含有は原材料コストの増加を招くため、上限を3.0%とする。なお、同様の理由により上限を2.0%とするのが望ましい。
Cu:0.01〜2.0%
Cuは、オーステナイト相安定化元素でありNiやCoと同様にδフェライトの生成抑制に寄与する。また、適度な添加では焼戻し時にCuが整合析出して強度向上に寄与する上、冷間加工時の靭性を改善する。0.01%未満では効果が乏しいが、2.0%を超える添加は熱間加工性を損なうことから、上限を2.0%とする。
以上説明したように、本発明の高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼によれば、質量%で、C:0.010.10%、Si:0.05〜2.0%、Mn:0.05〜3.0%、Ni:0.40〜3.0%、Cr:13.0〜15.0%、Mo:0.3〜2.0%、N:0.200.35%を含有し、残部がFeおよび不可避の不純物よりなり、前記不可避不純物中で、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Al:0.03%以下、O:0.02%以下に制限されており、さらに、所望により、Ti:0.01〜0.1%、V:0.01〜0.1%、Nb:0.01〜0.1%、W:0.01〜1.0%、Co:0.1〜3.0%、Cu:0.01〜2.0%の1種又は2種以上を含有するので、Cr含有量が同様の公知のマルテンサイト系ステンレス鋼よりも、窒素を多量に含有することから強度と耐食性はそれ以上の特性を有することができる。さらに、成分偏析を助長し深刻化させる炭素やMo、Wの含有量が少なく、高価なNiやCoなどの使用量を極力低減して原材料コストの増大を抑え、適度な窒素添加量を採用したことから10気圧を超える高圧設備を必要としないため、本発明の高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼は大型鋼塊を製造することができ、市場に大型素材を安価に供給することができる。この結果、本発明の高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼は、今後さらに高品質化が求められるような高級金型部材や各種機械部品などの厳しい腐食環境にも使用することができる。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
本発明の組成範囲に調整した高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼は、常法により溶製することができ、本発明としては特に製造方法は特定されるものではない。高窒素の添加は、例えば加圧窒素雰囲気下とした加圧溶解炉において材料を溶解、鋳造することにより行うことができる。
該高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼は、熱間圧延、熱間鍛造などの熱間加工を経て、必要に応じて冷間加工を行う。また、高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼には焼きならし処理を行っても良い。好適には、1000〜1200℃の焼きならし処理が挙げられる。
所定の製造工程を経た本発明の高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼は、高硬度と高耐食性が要求される各種分野の材料として使用することができ、本発明としては特定の用途に使用目的が限定されるものではない。
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明をしたが、本発明は、上記説明の内容に限定をされるものではなく、本発明を逸脱しない範囲で適宜の変更が可能である。
以下に、本発明の実施例について説明する。
窒素以外の成分が表1の成分組成になるように、原料を配合し真空誘導溶解炉で溶解して合金鋼を作製した。次いで、得られた合金鋼から溶解母材を分割し、耐圧容器内に雰囲気加熱炉を設置した加圧溶解炉にて再溶解し、鋳造して表1に示す成分(残部Feおよびその他の不純物)の鋼塊を得た。
その際、加圧溶解炉の雰囲気圧力は8〜10気圧とし、その内の窒素分圧を0〜5気圧の範囲で所定の圧力に調整して、表1の窒素含有量を得た。
使用した加圧溶解炉で得られる鋼塊は、20ton以上の鋼塊中心部と同程度の凝固速度(1mm/min前後)となるため、大型鋼塊の凝固組織と成分偏析を再現することが出来る。
そして、得られた鋼塊より65mm径×120mm長の円柱素材を採取し、熱間鍛造で25mm厚の板材として870℃×4時間で加熱後徐冷する焼鈍し処理を実施した。
次に、1000〜1150℃×1時間の加熱後油冷する焼入れ処理を行って、続いて液体窒素に浸漬して−196℃×1時間のサブゼロ処理を行った。その後、400〜600℃×1時間の加熱後に空冷する焼戻し処理を行った。
Figure 0005046398
上記板材より試験片を切り出して焼戻し硬さの測定と孔食電位の測定を実施した。
焼戻し硬さの測定は、JIS−Z2245に規定のあるロックウェル硬さ試験を実施した。その際、ロックウェルCスケールを用いた。
また、耐食性の評価試験として実施した孔食電位の測定は、JIS−G0577に規定のあるステンレス鋼の孔食電位測定方法に準じた。上記板材から機械加工により切り出した幅20mm、長さ25mm、厚さ3mmの試験片を用い、10mm角の試験面以外は被覆して腐食されないようにした。試験は、30℃における3.5%塩化ナトリウム溶液中の孔食電位を測定し、孔食電位は100μA/cmに達する電位を測定した。
表2に焼戻し硬さと孔食電位を示す。表2に示したように、発明鋼は、いずれも50以上のロックウェル硬さを有しつつ、孔食電位は0.1Vよりも大きな値となり、組成によってはオーステナイト系ステンレス鋼の耐食性に近い性質を有することがわかった。一方、窒素をほとんど含有していない比較鋼No.13〜No.16では、孔食電位が負の値となり発明鋼よりも耐食性に劣っていた。また、窒素を多く含有している比較鋼No.17〜No.22は、発明鋼と同程度以上の硬さは有していたものの、成分偏析を助長する成分が多いために成分の不均質が生じ、全面腐食が進行した。その結果、比較鋼No.17〜No.22の孔食電位は−0.2V以下という低い値となった。
以上のように、本発明は窒素を多量に含有しつつ炭素などの成分偏析を助長する成分を低減したことにより、従来鋼と同等の硬度を有しつつ、耐食性が高くなるという優れた性能を有している。
Figure 0005046398

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.010.10%、Si:0.05〜2.0%、Mn:0.05〜3.0%、Ni:0.40〜3.0%、Cr:13.0〜15.0%、Mo:0.3〜2.0%、N:0.200.35%を含有し、残部がFeおよび不可避の不純物よりなり、前記不可避不純物中で、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Al:0.03%以下、O:0.02%以下に制限されていることを特徴とする高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼。
  2. 請求項1記載の成分組成に、さらに、質量%で、Ti:0.01〜0.1%、V:0.01〜0.1%、Nb:0.01〜0.1%の1種又は2種以上を含有することを特徴とする高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼。
  3. 請求項1または2に記載の成分組成に、さらに、質量%で、W:0.01〜1.0%を含有することを特徴とする高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の成分組成に、さらに、質量%で、Co:0.1〜3.0%、Cu:0.01〜2.0%の1種又は2種を含有することを特徴とする高窒素マルテンサイト系ステンレス鋼。
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