JP5046238B2 - X線ct撮影画像の表示方法、x線ct画像表示装置、x線ct撮影装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、これらの表示方法は、術者が断層面画像あるいはスクリーン写真からのみ処置すべき部位の状態を把握しなければならず、患者などに患部の状態を説明する場合にも、患者にとっては理解しがたいものであった。
そのため、術者だけでなく、患者も患部の状態を直感的に把握でき、歯科用として見易く使い勝手のよい表示方法や表示装置が望まれている。
データから、顎部の口腔内から上方側を見た咬合平面画像と、顎部の口腔内から下方側を見た咬合平面画像とが、上下咬合平面画像として生成され、顎部が開いたように並べて表示される。
また、請求項2、3では、請求項1に記載の表示方法において、前記上下咬合平面画像を並べて表示する態様を異ならせており、請求項2では、上下に、請求項3では、左右に並べて表示している。
CT画像表示装置とを備えていることを特徴とする。
方側、下方側の各々を見た上下咬合平面画像を生成し、両者を対向させて表示させることができる。
また、対向配置表示とは、図1に示すように、咬合面を基準とした、顎部の口腔内から上方側を見たボリュームレンダリング画像10E(あるいは水平断面画像10C)と、顎部の口腔内から下方側を見たボリュームレンダリング画像10F(あるいは水平断面画像10D)とを、顎部が180度開いたように表示させる態様の他、図6に示すように、ボリュームレンダリング画像10E,10Fを、顎部を180度未満に開いたように表示させる態様が含まれる。顎部を180度未満に開いたように表示させることで対向配置表示させる場合は、ボリュームレンダリング画像10Eと10Fとが組み合わさって被写体頭部を模したボリュームレンダリング画像となるよう、顎関節の位置を基準として、下顎が上顎に対して開閉するように、ボリュームレンダリング画像10Eと10Fとを並べて表示させる(図6参照)。この場合、表示されるボリュームレンダリング画像10Eと10Fとの位置関係を、上下の顎関節の位置を視認しながら術者が任意に微調整できるよう、ボリュームレンダリング画像10E,10Fを移動調整できるよう構成してもよい。本発明において、顎部の開き方が180度であっても180度未満であっても、所望の上下の咬合平面画像を対向して表示することで、術者や患者が見易く直感的に把握しやすい画像を提供する、という本発明の効果を奏することができる。また、図1に示すように、上下の咬合平面画像を上下に並べて表示してもよいが、これに限られず、例えば、上顎の画像を、前歯部を左にし臼歯部を右にして表示し、また下顎の画像を、前歯部を右にし臼歯部を左にして表示する、というように左右に並べて表示してもよい。
ここに、水平断面画像10Cは、水平断面設定カーソルC1により特定された水平断面でスライスされた上顎の水平断面画像であり、水平断面画像10Dは、水平断面設定カーソルC1により特定された水平断面でスライスされた下顎の水平断面画像である。なお、図示したものでは、特定された水平断面が1つであるため、水平断面画像10C,10Dは、同一の断層像を上下反転した、いわゆる鏡像関係となっている。
更に、正断面画像10A上において、水平断面設定カーソルC1、横断面設定カーソルC3を移動操作して、それぞれ、水平断面、横断面を特定すれば、特定された水平断面、横断面に応じて、側断面画像10B、水平断面画像10C、10Dが切り換え表示される。
なお、咬合面特定ステップでは、側断面画像10B上だけでなく、正断面画像10A上においても、水平断面設定カーソルC1を移動操作させて、咬合面を特定させることができる。各カーソルC1,C2,C3が、図1に示すような点線には限られず、実線、矢印等であってもよいことは、いうまでもない。
本実施例における咬合面特定ステップは、X線吸収係数分布情報Vから、咬合面特定の基準となる基準画像を生成し、表示部10に表示させるステップ(100〜103)と、基準画像上における水平断面設定カーソルC1の移動操作により咬合面Sを特定させるステップ(104,105)とよりなる。ここに、基準画像は、少なくとも、正断面画像10Aと、側断面画像10Bと、後述する基準ボリュームレンダリング画像10G(図5参照)との少なくともいずれかである。
なお、このような各スライス画像の生成は、カーソルC1〜C3の操作に応じてリアルタイム処理によってその都度生成する以外に、予め複数生成し準備したスライス画像を、カーソルC1〜C3の操作に応じて、選択的に表示するようにしてもよい。以上の処理が、図2のフローチャートにおけるカーソルを表示するステップ104によって実行される。
このような基準ボリュームレンダリング画像は、XYZ座標系の任意の基準面を基準としたボリュームレンダリングを、X線吸収係数分布情報Vに対して行うことによって得ることができ、ここでは、被写体の前面に位置するZ軸に平行な基準面を基準とする被写体頭部の基準ボリュームレンダリング画像10Gを表示させている。
このような上下咬合平面画像は、水平断面画像10C,10Dや、ボリュームレンダリング画像10E,10Fがあるが、これらの生成方法については先述したので説明を省略する。その後、表示ステップ(図2における107参照)によって、上下咬合平面画像を相互に対向して表示させる。
このような被写体頭部全体のボリュームレンダリング画像10Hには、左右の回転ボタン(不図示)が重ねて表示されており、これらの操作により、XYZ座標系の任意の点を中心として、XYZ座標系のあらゆる方向に自在に回転させることができる。
このように、被写体頭部全体のボリュームレンダリング画像10Hは、顎部の口腔内から上方側、下方側の各々を見たボリュームレンダリング画像10E,10Fを、顎関節を180度未満に開いた態様で含んでおり、回転ボタン(不図示)の操作により、XYZ座標系の任意の点を中心として、XYZ座標系のあらゆる方向に回転できるように表示されているので、術者、患者ともに、実際に口を開けた患者の口腔内を観察するのに近い状態で画像を視認でき、より正確かつ直感的に口腔内の状態や歯牙の位置関係を把握することができる。
ここでは、基準画像として、正断面画像10A、側断面画像10Bを表示する点、咬合平面画像として、水平断面画像10C,10D、ボリュームレンダリング画像10E,10Fを表示する点、縦断面設定カーソルC2、横断面設定カーソルC3の移動操作により、各々、X線吸収係数分布情報Vの縦断面、横断面を設定する点は、図1と共通するが、咬合面特定ステップにおいて、正断面画像10A、側断面画像10Bには、上下に移動する第1の水平断面設定カーソルC1aと、上下に移動する第2の水平断面設定カーソルC1bとを表示させ、相互に異なる第1の咬合面、第2の咬合面を特定させる点と、画像生成ステップにおいて、咬合平面画像として、第1、第2の咬合面を基準とした咬合平面画像を生成する点とが相違している。
なお、この例においても、表示ステップにおいて、ボリュームレンダリング画像10E,10Fを含む被写体頭部のボリュームレンダリング画像10Hを画像処理によって生成し、XYZ座標系においてあらゆる方向に回転できるように表示させるようにしてもよい(図6参照)。
また、基準画像として、基準ボリュームレンダリング画像10G(図5参照)を表示させ、その画像10G上に第1、第2の水平断面設定カーソルC1a,C1bを表示させ、各々のカーソルC1a,C1bを移動操作させて、咬合面Sを特定できるようにしてもよい。
さらに、水平断面設定カーソルC1a、C1bによる咬合面の特定を、咬合平面画像の一部領域のみに適用させてもよい。つまり、咬合平面画像上で円形あるいは矩形の一部領域(不図示)を指定し、その指定した領域に対して水平断面設定カーソルC以外の第1、第2の水平断面設定カーソルC1a、C1bの移動操作を有効とすれば、指定した円あるいは矩形の一部領域については、図7のように第1、第2の水平断面設定カーソルC1a、C1bによって特定された咬合面の画像を表示し、指定された一部領域以外の領域については、図1のように始めに特定された咬合面Sに基づく表示を維持することとなり、2種類の画像が重畳的に表示されることとなる。この構成によれば、例えば基準となる咬合平面画像を維持したまま、特定の歯や特定の領域についてのみ、歯冠部から歯根まで観察する咬合面の位置を上下に移動させて観察する、という診断を行うことができる。
このように、第1、第2の水平断面設定カーソルC1a,C1bを移動操作させて、各々異なる2つの咬合面を特定すれば、各々の咬合面を基準とした双方の咬合平面画像が表示されるので、術者が上顎と下顎の歯根部の咬合平面画像を見たい場合などに、利便にでき、より正確な診断ができる。
図12は、本発明のX線CT画像表示装置を含むX線CT撮影装置Mの基本構成を説明するブロック図で、X線撮影装置本体M1と、X線CT画像表示装置M2とを備える。図12では、X線撮影装置本体M1とX線CT画像表示装置M2とは、通信ケーブルによってデータを送受信する構成になっているが、データの送受信は、無線によって、あるいは記憶媒体を介して行ってもよいし、X線撮影装置本体M1にX線CT画像表示装置M2を備え付けてもよい。これらの実施態様は、装置の設置場所や環境を考慮して適宜設計することができる。
以上、X線CT画像表示装置M2を備えたX線CT撮影装置M1(請求項13)を用いて説明したが、本発明の効果は、X線CT撮影によって得られた被写体のX線画像データさえ取得できれば、X線CT画像表示装置M2のみ(請求項7〜12)でも奏することができる。
M1 X線CT撮影装置本体
M2 X線CT画像表示装置
10 表示部
10A 正断層画像
10B 側断面画像
10C 顎部の口腔内から上方側を見た水平断面画像
10D 顎部の口腔内から下方側を見た水平断面画像
10E 顎部の口腔内から上方側を見たボリュームレンダリング画像
10F 顎部の口腔内から下方側を見たボリュームレンダリング画像
10G 基準ボリュームレンダリング画像
10H 被写体頭部全体のボリュームレンダリング画像
13 X線発生部
20 X線検出部
51 被撮影領域
82 X線吸収係数分布情報生成手段
84 咬合面特定手段
85 画像生成手段
B X線コーンビーム
C1 水平断面設定カーソル
C1a 第1の水平断面設定カーソル
C1b 第2の水平断面設定カーソル
S 咬合面
V X線吸収係数分布情報
Claims (15)
- X線CT撮影による被写体頭部のX線CT撮影画像を表示させる方法において、
X線CT撮影によって得られた被写体頭部のX線画像データにおいて咬合面の特定を受け付ける咬合面特定ステップと、
前記咬合面特定ステップで特定された咬合面を基準にして、前記X線画像データから、顎部の口腔内から上方側を見た咬合平面画像と、顎部の口腔内から下方側を見た咬合平面画像とを上下咬合平面画像として生成する画像生成ステップと、
前記画像生成ステップで生成された前記上下咬合平面画像を、顎部が開いたように並べて表示させる表示ステップと、よりなることを特徴とする、X線CT撮影画像の表示方法。 - 請求項1に記載の表示方法において、前記上下咬合平面画像が上下に並べて表示されることを特徴とするX線CT撮影画像の表示方法。
- 請求項1に記載の表示方法において、前記上下咬合平面画像が左右に並べて表示されることを特徴とするX線CT撮影画像の表示方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の表示方法において、
前記咬合面特定ステップは、少なくとも、相互に異なる第1咬合面及び第2咬合面の特定を受け付けるようにしており、
前記画像生成ステップは、少なくとも第1咬合面及び第2咬合面の2つの面を基準にして、前記X線画像データから、顎部の口腔内から上方側を見た咬合平面画像と、顎部の口腔内から下方側を見た咬合平面画像とを生成することを特徴とする、X線CT撮影画像の表示方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の表示方法において、
前記咬合面特定ステップは、被写体をX線CT撮影して生成した頭部のX線吸収係数分布情報から、基準画像として、被写体の正断面画像、側断面画像及び基準ボリュームレンダリング画像の少なくともいずれかを生成して、表示部に表示させるステップと、
カーソルの操作を受け付けて、前記咬合面を、前記正断面画像、側断面画像及び基準ボリュームレンダリング画像の少なくともいずれかの上で特定させるステップと、よりなることを特徴とするX線CT撮影画像の表示方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の表示方法において、
前記X線画像データは、被写体にバイトブロックを噛ませて撮影して得たX線画像データであり、
前記咬合面の特定を受け付ける前処理として、前記X線画像データを再構成して頭部のX線吸収係数分布情報を生成するステップをさらに備え、
前記咬合面特定ステップが、前記X線吸収係数分布情報から前記バイトブロックを画像解析によって抽出して、前記咬合面を特定し、特定した咬合面に相当する断層面を前記X線吸収係数分布情報より割り出すことを特徴とする、X線CT撮影画像の表示方法。 - 前記咬合面の特定を受け付ける前処理として、被写体の頭部X線投影画像を再構成してX線吸収係数分布情報を生成するステップをさらに備え、
前記咬合面特定ステップが、前記X線吸収係数分布情報から画像解析によって咬合面を特定し、特定した咬合面に相当する断層面を前記X線吸収係数分布情報より割り出すことを特徴とする、X線CT撮影画像の表示方法。 - 請求項1〜7のいずれかのいずれかに記載の表示方法において、
前記被写体の顎部の口腔内から上方側を見た咬合平面画像と、顎部の口腔内から下方側を見た咬合平面画像とを生成した後、X線吸収係数に応じて、色分けして表示する色分け表示ステップを含むことを特徴とするX線CT撮影画像の表示方法。 - X線CT撮影による被写体頭部のX線CT撮影画像を表示させるX線CT画像表示装置において、
X線CT撮影によって得られた被写体頭部のX線画像データにおいて咬合面を特定させる咬合面特定手段と、
前記咬合面特定手段で特定された咬合面を基準にして、前記X線画像データから、顎部の口腔内から上方側を見た咬合平面画像と、顎部の口腔内から下方側を見た咬合平面画像とを上下咬合平面画像として生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段で生成された前記上下咬合平面画像を、顎部が開いたように並べて表示させる表示手段と、よりなることを特徴とする、X線CT画像表示装置。 - 請求項9に記載のX線CT画像表示装置において、
前記咬合面特定手段は、少なくとも、相互に異なる第1咬合面及び第2咬合面を特定するようにしており、
前記画像生成手段は、少なくとも第1咬合面及び第2咬合面の2つの面を基準にして、前記X線画像データから、顎部の口腔内から上方側を見た咬合平面画像と、顎部の口腔内から下方側を見た咬合平面画像とを生成することを特徴とする、X線CT画像表示装置。 - 請求項9又は10に記載のX線CT画像表示装置において、
前記咬合面特定手段は、被写体をX線CT撮影して生成した頭部のX線吸収係数分布情報から、正断面画像、側断面画像及び基準ボリュームレンダリング画像の少なくともいずれかを生成して、前記咬合面を特定するための基準となる基準画像として、表示部に表示させ、前記正断面画像、側断面画像及び基準ボリュームレンダリング画像の少なくともいずれかの上におけるカーソルの操作によって、前記咬合面を特定させることを特徴とするX線CT画像表示装置。 - 請求項9又は10に記載のX線CT画像表示装置において、
前記X線画像データが、被写体にバイトブロックを噛ませて撮影して得たX線画像データであって、
前記X線画像データを再構成して頭部のX線吸収係数分布情報を生成するX線吸収係数分布情報生成手段をさらに備えており、
前記咬合面特定手段は、前記X線吸収係数分布情報から前記バイトブロックを画像解析によって抽出して、前記咬合面を特定し、特定した咬合面に相当する断層面を前記X線吸収係数分布情報より割り出すことを特徴とする、X線CT画像表示装置。 - 請求項9又は10に記載のX線CT画像表示装置において、
被写体の頭部X線投影画像を再構成してX線吸収係数分布情報を生成するX線吸収係数分布情報生成手段をさらに備えており、
前記咬合面特定手段は、前記X線吸収係数分布情報から画像解析によって咬合面を特定し、特定した咬合面に相当する断層面を前記X線吸収係数分布情報より割り出すことを特徴とする、X線CT画像表示装置。 - 請求項9〜13のいずれかに記載のX線CT画像表示装置において、
前記表示手段は、前記画像生成手段が、前記被写体の顎部の口腔内から上方側を見た咬合平面画像と、顎部の口腔内から下方側を見た咬合平面画像とを生成した後、X線吸収係数に応じて、色分けして表示することを特徴とするX線CT画像表示装置。 - X線コーンビームを発生するX線発生部と、X線検出部とを少なくとも備え、前記X線発生部と前記X線検出部とで、被写体の被撮影領域を挟んで周回させて、被写体頭部のX線CT撮影画像を撮影するX線CT撮影装置本体と、
請求項9〜14のいずれかに記載のX線CT画像表示装置とを備えていることを特徴とするX線CT撮影装置。
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