JP5045579B2 - チップ部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チップ部品の製造方法に関し、より詳細にはチップ部品をバレル研磨する工程を含むチップ部品の製造方法に関する。
セラミック電子部品等のチップ部品の製造方法において、チップ部品の稜線部やコーナー部が尖っていると、当該稜線部等に欠けや割れが発生するいわゆるチッピングと呼ばれる現象や、外部電極がセラミック素子の稜線部で断線する現象が発生しやすくなるという問題がある。
上記のような問題を解決するための従来技術としては、例えば、セラミック焼成体を得た後に、セラミック焼成体をバレル研磨することによって、チップ部品の稜線部に丸みをつける製造方法が知られている(特許文献1等参照)。
しかしながら、従来技術に係る製造方法では、焼成後にバレル研磨を行っているため、チップ部品を焼成する前の工程においてチッピングが発生しやすいという問題を有している。また、従来技術に係る製造方法では、バレル研磨中にバレル容器内の温度が高くなりすぎ、バレル研磨中にチップ部品同士が付着したり、チップ部品が変形して歩留まりが低下するという問題が発生していた。
特開2000−228340号公報
本発明の目的は、チップ部品を歩留まり良く製造し得るチップ部品の製造方法を提供することである。
上記目的を解決するため、本発明に係るチップ部品の製造方法は、
複数の焼成前チップ部品を準備する工程と、
前記複数の焼成前チップ部品を、外周側壁部に凹凸が形成されたバレル容器に投入する工程と、
前記バレル容器の内部を密閉する工程と、
前記バレル容器を回転させて、前記焼成前チップ部品を乾式でバレル研磨する研磨工程と、
前記焼成前チップ部品を焼成する工程と、を有する。
本発明に係るチップ部品の製造方法では、外周側壁部に凹凸が形成されたバレル容器を用いてバレル研磨を行うため、バレル研磨中にバレル容器内で発生した熱を効率的に放熱することが可能であり、バレル研磨中にバレル容器内の温度が高くなりすぎ、バレル研磨中にチップ部品同士が付着したり、チップ部品が変形したりする現象を抑制できる。
また、乾式でバレル研磨を行うことによって、湿式でバレル研磨を行う場合に比べて、バレル研磨中に液体成分等がチップ部品の内部に浸入することが抑制されるため、良好な電気的特性を有するチップ部品を得ることができる。さらに、本発明に係るチップ部品の製造方法は、焼成前チップ部品をバレル研磨するため、焼成前チップ部品を製造した後、焼成する工程までにおけるチッピングを防止できる。
また、例えば、前記バレル容器の外周側壁部に形成された前記凹凸は、前記バレル容器の回転方向に対して略平行な方向に延在していてもよい。
また、例えば、前記バレル容器の外周側壁部に形成された前記凹凸は、前記バレル容器の公転方向に対して略平行な方向に延在しており、
前記研磨工程において、前記バレル容器は公転してもよい。
バレル容器の凹凸が、バレル容器の回転方向に対して平行な方向に延在していることによって、より効率的にバレル容器内で発生した熱を放熱することが可能となる。
また、例えば、本発明に係るチップ部品の製造方法では、前記研磨工程において、前記焼成前チップ部品は、メディアレスでバレル研磨されてもよい。
メディアを用いずにバレル研磨することによって、研磨後にメディアとチップ部品を分離する工程を省略することが可能であるため、チップ部品の製造が効率化できる。また、研磨中に、メディアを構成する物質が、チップ分の内部に浸入し、チップ部品の特性に悪影響を与えることを防止できる。さらに、メディアを用いずにバレル研磨を行うことによって、研磨中にメディア同士が衝突して発熱する現象を抑制または除去することができる。したがって、バレル研磨工程におけるバレル容器内の温度上昇をさらに効果的に防止することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るチップ部品の製造方法によって製造されたセラミックコンデンサの一例を表す概略断面図、
図2(A)は、本発明の一実施形態に係るチップ部品の製造方法に用いるバレル研磨工程前のグリーンチップの斜視図、
図2(B)は、図2(A)に示すバレル研磨工程前のグリーンチップを、IIB−IIB線に沿って切断した概略断面図、
図3(A)は、本発明の一実施形態に係るチップ部品の製造方法に用いるグリーンシートを表す断面図、
図3(B)は、本発明の一実施形態に係るチップ部品の製造方法に用いる内部電極パターン層を有するグリーンシートを表す断面図、
図4(A)は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造に用いるバレル研磨工程後のグリーンチップの斜視図、
図4(B)は、図3(A)に示すバレル研磨工程後のグリーンチップを、IVB−IVB線に沿って切断した概略断面図、
図5は、本発明の一実施形態に係るチップ部品の製造方法に用いたバレル研磨装置の概略模式図、
図6(a)は、図5に示すバレル装置に備えられるポットの側面図、
図6(b)は、図5に示すバレル装置に備えられるポットの上面図、
図6(c)は、図5に示すバレル装置に備えられるポットの底面図、
図7は、図6(a)に示すポットの部分断面図、
図8は、本発明の参考例2で用いたポットの側面図、
図9は、実施例および参考例に係るバレル研磨工程におけるポット内の温度変化を表すグラフである。
第1実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係るチップ部品の製造方法によって製造されたセラミックコンデンサ2の一例を表す概略断面図である。ただし、実施形態に係る方法によって製造されるチップ部品としては、セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品に限定されず、その他のチップ部品であってもよい。
図1に示すように、本実施形態に係る製造方法によって製造された積層セラミックコンデンサ2は、コンデンサ素体4と、第1外部電極6と第2外部電極8とを有する。コンデンサ素体4は、内側誘電体層10と、内部電極層12とを有し、内側誘電体層10の間に、これらの内部電極層12が交互に積層してある。コンデンサ素体4は、その積層方向の両端面に、外側誘電体層11を有する。交互に積層される一方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第1端部の外側に形成してある第1外部電極6の内側に対して電気的に接続してある。また、交互に積層される他方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第2端部の外側に形成してある第2外部電極8の内側に対して電気的に接続してある。
内側誘電体層10および外側誘電体層11の材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよび/またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料で構成される。各内側誘電体層10の厚みは、特に限定されないが、数μm〜数百μmのものが一般的である。また、外側誘電体層11からなる外層部の厚みは、特に限定されないが、10〜200μmの範囲とすることができる。
外部電極6および8の材質も特に限定されないが、通常、Ni,Pd,Ag,Au,Cu,Pt,Rh,Ru,Ir等の少なくとも1種、又はそれらの合金を用いることができる。通常は、Cu,Cu合金、Ni又はNi合金等や、Ag,Ag−Pd合金、In−Ga合金等が使用される。外部電極6および8の厚みも特に限定されないが、通常10〜50μm程度である。積層セラミックコンデンサ2の形状やサイズは、目的や用途に応じて適宜決定すればよい。
次に、本発明の一実施形態としての積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
本実施形態に係るセラミックコンデンサの製造方法では、まず、図2(A)および(B)に示すにように、グリーン積層体を所定の寸法に切断したグリーンチップ42を準備する。グリーンチップ42の製造方法としては特に限定されないが、例えば、以下のような方法によって製造することができる。
グリーンチップ42を準備する工程では、まず、 図3(A)に示すように、ドクターブレード法などにより、支持体としてのキャリアシート20上に、内側グリーンシート用ペーストを塗布し、内側グリーンシート10aを形成する。形成された内側グリーンシート10aには、適切な乾燥処理が施される。
内側グリーンシート用ペーストは、通常、セラミック粉末と有機ビヒクルとを混練して得られた有機溶剤系ペースト、または水系ペーストで構成される。セラミック粉末の原料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、混合して用いることができる。有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。
次いで、図3(B)に示すように、上記にて形成した内側グリーンシート10aの表面に、内部電極パターン層用ペーストを用いて、内部電極パターン層12aを形成し、内部電極パターン層12aを有する内側グリーンシート10aを得る。内部電極パターン層12aの形成方法としては、特に限定されないが、印刷法、転写法などが例示される。
内部電極パターン層用ペーストは、上記した各種導電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製する。なお、内部電極パターン層用ペーストには、必要に応じて、共材としてセラミック粉末が含まれていても良い。
次に、得られた内部電極パターン層12aを有する内側グリーンシート10aを交互に積層し、内部積層体30(図2(B))を得る。そして、得られた内部積層体30を、外側グリーンシート11aの上に積層し、さらに内部積層体30の上にも外側グリーンシート11aを積層して、グリーン積層体を得る。なお、外側グリーンシート11aに内部積層体30を積層するかわりに、外側グリーンシート11aに直接内側グリーンシート10aと内部電極パターン層12aとを交互に所定数積層してもよい。また、複数枚の内側グリーンシート10aと複数枚の内部電極パターン層12aとを交互に積層した積層体ユニットを予め作製しておき、それらを外側グリーンシート11aに所定数積層してもよい。
外側グリーンシート11aは、内側グリーンシート10aと同様に、キャリアシート20上に、外側グリーンシート用ペーストを塗布した後、適切な乾燥処理を行うことによって得られる。外側グリーンシート用ペーストは、内側グリーンシート用ペーストと同様に、セラミック粉末と有機ビヒクルとを混練して得られた有機溶剤系ペースト、または水系ペーストで構成される。
得られたグリーン積層体を、所定の寸法に切断し、図2に示すグリーンチップ42を得る。この段階において、グリーンチップ42は、図2(A)に示すように、稜線部42aおよびコーナー部42bが尖った略直方体形状を有している。なお、グリーンチップ42を準備する工程において、各グリーンシート10a,11a、内部積層体30およびグリーンチップ42は、必要に応じて乾燥処理される。
次に、本実施形態に係るセラミックコンデンサの製造方法では、上述のようにして得られた複数のグリーンチップ42を、図5に示すバレル装置50におけるポット52に投入する。
図5に示すように、バレル装置50は、公転軸58を回転中心として、公転軸の周りを回転できる公転板55を有している。公転板55には、自転軸51を回転中心として、自転軸51の周りを自転できるポット52が備えられている。図5には1つのポット52のみが示されているが、公転板55には、複数のポット52が備えられていてもよい。
また、本実施形態に係るバレル装置50では、自転軸51は、公転軸58に対して角度θだけ傾けられて取り付けられている。
なお、本実施形態では、図5に示す遠心バレル装置を用いて研磨工程を行うが、本発明に係る製造方法に使用されるバレル装置としては、遠心バレル装置に限定されず、回転バレル装置等のその他のバレル装置を使用してもよい。
ポット52の外形形状は、通常、円筒状や多角柱状とされ、研磨条件により適宜変更すればよいが、本実施形態では有底の六角柱状である。図6(a)に示すポット52の材質は特に限定されないが、たとえばウレタン等である。
図6(b)に示すように、ポット52の上部には、投入口52aが設けられており、投入口52aからポット52の内部にグリーンチップ42が投入される。また、ポット52の下部には底52cが設けられている。ポット52の容積は、特に限定されないが、例えば1.0〜5.0リットル程度のものを用いることができる。
図5に示すように、ポット52には、投入口52aを封止するための蓋60が備えられており、研磨中においてポット52内部を密閉状態にしておくことができる。さらに、図5および図6に示すように、ポット52の外周側壁部52bには、凹凸54が形成されている。
ポット52の外周側壁部52bに凹凸54が形成されていることによって、ポット52と外気との接触面積が増加するため、ポット52を効率的に放熱させることができる。図6(a)に示すように、凹凸54はポット52の外周側壁部52全体に形成されてもよく、外周側壁部52の一部のみに形成されていてもよい。
凹凸54の形状は、ポット52と外気との接触面積を増加させるために様々な形状とすることができるが、例えば、図7に示すように、深さDを5.0mm程度、幅Wを5.0mm程度、ピッチLを5.0〜10.0mm程度とすることができる。また、図5に示すように、ポット52に形成された凹凸54は、ポット52の公転方向に対して略平行な方向(公転軸58に直交する面に沿う方向)に延在している。
ポット52は、公転方向に対して略平行な方向に形成された凹凸54を有するため、ポット52が公転した際に、凹凸54の間を外気が通過しやすくなり、より効率的に放熱することができる。また、凹凸54を公転または自転方向に対して略平行な方向に形成することによって、外気がより高速でポット52の表面を通過するため、外気によってポット52が効率的に冷却される。したがって、ポット52内部の温度上昇が抑制することができ、研磨中にグリーンチップ42同士が付着したり、グリーンチップ42が意図しない変形を起こすことを防止できる。
本実施形態のように、ポット52の外周側壁部52bに形成される凹凸は、バレル研磨時に凹凸の隙間を外気が通過しやすい形状とすることが好ましい。例えば、他の実施形態に係る製造方法で用いるポットとしては、凹凸54が、ポットの自転方向に対して略平行な方向(自転軸51に直交する面に沿う方向)に延在するように形成されていてもよい。また、ポットの外周側壁部52に、ポットの公転方向に略平行な方向に延在する凹凸54と、ポットの自転方向に略平行な方向に延在する凹凸とが、組み合わされて形成されていてもよい。
ポット52の公転回転数(公転軸58を中心に回転する回転数)と、ポット52の自転回転数(自転軸51を中心に回転する回転数)とは、バレル装置50に備えられた不図示の制御部によって、それぞれ独立に制御される。したがって、バレル装置50の制御部は、各回転数を制御することによって、ポット52に投入されたグリーンチップ42に対して適切な遠心力を加え、バレル研磨を行うことができる。なお本願明細書および特許請求の範囲において、ポット52の回転は、自転軸51を中心とするポット52の自転と、公転軸58を中心とするポット52の公転とを含む。
本実施形態では、ポット52に水等の液体を投入せず、乾式にてバレル研磨を行う。乾式でバレル研磨を行うことによって、研磨中に水分等の液体成分がグリーンチップ42に浸入し、焼成後の電気的特性を悪化させることを防止できる。なお、乾式でバレル研磨を行う場合、グリーンチップ42の温度が上昇しやすい傾向にある。しかし、ポット52の外周側壁部52bに凹凸54が形成されているため、ポット52の内部で発生した熱を効率的に放熱してグリーンチップ42の温度上昇を抑制し、グリーンチップ42同士の付着等を防止できる。
また、本実施形態に係るバレル研磨では、グリーンチップ42とともに、メディア(研磨媒体)を投入してもよい。メディアとしては、アルミナボール、シリカボールまたはジルコニアボール等を用いることができる。しかし、本実施形態に係るバレル研磨では、メディアをポット52に投入せず、メディアレスで研磨を行ってもよい。
メディアレスで研磨を行うことによって、メディアを構成する物質が、グリーンチップ42内に浸入し、焼成後の電気的特性を悪化させることを防止できる。また、研磨後にグリーンチップ42とメディアとを分離させる工程を省略できるため、製造工程を簡略化し、生産性を向上させることができる。さらに、メディアを用いずに研磨を行うことによって、研磨中にメディア同士が衝突して発熱する現象を抑制もしくは除去することができる。したがって、バレル研磨工程におけるバレル容器内の温度上昇をさらに効果的に防止することができる。
ポット52の内部に、複数のグリーンチップ42を投入したのち、図5に示すように、ポット52に蓋60を取り付け、ポット52の内部を密閉する。その後、ポット52を回転させてバレル研磨を行い、図2(A)に示す稜線部42aやコーナー部42bに丸みをつける。図5に示すバレル装置50では、ポット52を自転または公転させてバレル研磨をおこなってもよく、また、ポット52を公転させながら自転させてバレル研磨をおこなってもよい。
バレル研磨におけるポット52の回転数や、ポット52を回転させる時間等の条件は、ポット52に投入されるグリーンチップ42の種類や、その他の条件に応じて適宜調整される。例えば、ポット52の回転数を60〜300回転として、回転時間を1分〜350分程度としてバレル研磨を行うことができる。
図4は、図2に示すグリーンチップ42を、上述の研磨工程によって研磨することによって得られる研磨後のグリーンチップ43を表す斜視図である。グリーンチップ43の稜線部43aおよびコーナー部43bは、バレル研磨によって丸みを付けられている。
このように、本実施形態に係る製造方法では、グリーンチップ43の稜線部43aおよびコーナー部43b等が丸みを付けられているため、グリーンチップ42を焼成等するその後の工程において、グリーンチップ43に割れ、欠け、クラック等が発生することを防止できる。なお、グリーンチップ43の稜線部43aおよびコーナー部43bに形成された丸みRの半径寸法を、20μm〜40μm程度とすることで、その後の工程においてチッピング等が発生することを効果的に防止できる。
研磨工程の後に、本実施形態に係るセラミックコンデンサの製造方法では、グリーンチップ43に対して、脱バインダ工程、焼成工程、必要に応じて行われるアニール工程等を行うことにより、図1に示すコンデンサ素体4を得る。本実施形態に係る製造方法では、焼成前のグリーンチップ42をバレル研磨するため、グリーンチップ42を作製した後、焼成する工程までにおけるチッピングを防止できる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
本発明の実施例1に係る製造方法では、図2(A)に示すようなグリーンチップ42を準備した。グリーンチップ42は、実施形態において説明したように、表面に内部電極パターン層12aを有する内側グリーンシート10aを、外側グリーンシート11aの上に積層した後、さらに外側グリーンシート11aを積層することによってグリーン積層体を形成し、得られたグリーン積層体を切断することによって作製した。
図2(B)に示す内側グリーンシート10aに用いた内側グリーンシート用ペーストとしては、セラミック粉末であるBaTiO系粉末と有機ビヒクルとを混練して得られた有機溶剤系ペーストを用いた。有機ビヒクルに用いるバインダとしては、ポリビニルブチラール樹脂、溶剤としてはターピネオールを使用した。
また、内部電極パターン層を形成するための内部電極用ペーストは、導電剤であるNi粒子と有機ビヒクルとを混練して調整したものを用いた。さらに、外側グリーンシート11aに用いた外側グリーンシート用ペーストとしては、内側グリーンシートペーストと同様に、セラミック粉末であるBaTiO系粉末と有機ビヒクルとを混練して得られた有機溶剤系ペーストを用いた。
なお、グリーン積層体を切断して得られたグリーンチップ42は、グリーンチップ42を焼成した後に外部電極6,8を形成した状態(図1)において、横1.0mm、縦0.5mm、高さ0.5mmのセラミックコンデンサを得られる寸法とした。
本発明の実施例1に係る製造方法では、上述のようにして得られた複数のグリーンチップ42を、図5に示すバレル装置50のポット52に投入した。
実施例1の研磨工程では、自転軸51の公転軸58に対する傾きθが30°のバレル装置を用いた。また、図6(a)に示すように、公転方向に対して略平行な方向に形成された凹凸54が形成されているポット52を用いた。さらに、図7に示す深さDが5.0mm、幅Wが5.0mm、ピッチLが10.0mmの凹凸54を有するポット52を使用した。また、容積が2リットルのポット52を用い、グリーンチップ42のポット52への投入量は1000gとした。
さらに、本発明の実施例1に係る製造方法では、ポット52に、水、溶剤、分散材などの液体を投入することなく、ポット52の中にこれらの液体が実質的に存在しない条件、すなわち乾式でバレル研磨を行った。また、ポット52にメディアを投入せず、メディアレスでバレル研磨を行った。
次に、本発明の実施例1に係る製造方法では、グリーンチップ42が投入されたポット52に蓋60を取り付け、ポット52の内部を密閉した。さらに、ポット52を回転させてバレル研磨を行い、図2(A)に示す稜線部42aやコーナー部42bに丸みをつけた。
実施例1における研磨工程では、公転軸58を中心としてポット52を回転させる公転回転数を200rpm、自転軸51を中心としてポット52を回転させる自転回転数を1rpm、研磨時間を60分とした。
研磨工程の後、研磨工程で得られたグリーンチップ43(図4)に対して、脱バインダ工程、焼成工程を行うことにより、図1に示すコンデンサ素体4を得た。
さらに、実施例1では、研磨工程において、研磨開始から30分ごとにポット52内部の温度を測定し、ポット52の放熱状態を調査した。結果を図9に示す。また、研磨工程において、グリーンチップ43同士の付着が発生した数を調査するため、研磨工程直後のグリーンチップ43のうち500サンプルについて抜き取り検査を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005045579
参考例2
参考例2では、研磨工程において用いるポットが異なる以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ素体4を製造した。参考例2で用いたポット72は、図8に示すように、実施例1で用いたポット52と同様に有底の六角柱形状であるが、ポット72の外周側壁部72bには、自転方向に対して略平行な方向に延在する凹凸74が形成されている。
なお、ポット72の容積は、実施例1で用いたポット52と同様であり、凹凸74の深さD、幅W、間隔L等も、ポット52の凹凸54と同様である。
参考例2いても、実施例1と同様に、研磨工程において、研磨開始から30分ごとにポット72内部の温度を測定し、ポット72の放熱状態を調査した。結果を図9に示す。また、実施例1と同様に、研磨工程においてグリーンチップ43同士の付着が発生した数を調査するため、研磨工程直後のグリーンチップ43のうち500サンプルについて抜き取り検査を行った。結果を表1に示す。
参考例1
参考例1では、研磨工程において用いるポットが異なる以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ素体4を製造した。参考例1で用いたポットは、外周側壁部に凹凸が形成されていないが、その他の特徴については、実施例1で用いたポット52と同様である。
参考例1にいても、実施例1と同様に、研磨工程において、研磨開始から30分ごとにポット内部の温度を測定し、ポットの放熱状態を調査した。結果を図9に示す。また、実施例1と同様に、研磨工程においてグリーンチップ43同士の付着が発生した数を調査するため、研磨工程直後のグリーンチップ43のうち500サンプルについて抜き取り検査を行った。結果を表1に示す。
総合評価
図9に示すように、研磨工程におけるポットの内部の温度変化を比較すると、実施例1および参考例2では、参考例1に比べて、ポット52,72の内部の温度上昇が抑制されている。実施例1および参考例2では、ポット52の外周側壁部52b,72bに凹凸が形成されているため、研磨時に発生した熱が効率的に外部に放熱され、ポット52,72の内部の温度上昇が抑制されたものと考えられる。
また、実施例1では、ポット52の外周側壁部52bに形成されている凹凸54が、 ポット52の公転方向に対して略平行な方向に延在しているため、研磨時に発生した熱がより効率的に外部に放熱され、ポット52の内部の温度上昇が、参考例2より抑制されたものと考えられる。すなわち、実施例1および参考例2における研磨工程において、ポット52,72の外周側壁部52b,72b表面の移動速度を考えた場合、自転方向の速度成分よりも、公転方向の速度成分のほうが大きい傾向にある。
したがって、実施例1で用いたポット52は、外気との接触面積が広いうえに、外周側壁部52bを高速で外気が通過するため、外気によって効率的に冷却されたものと考えられる。
表1に示すように、グリーンチップ43同士の付着の発生数を比較すると、実施例1および参考例2では、参考例1に比べて発生数が抑制されている。実施例1および参考例2は、図9に示すように、研磨中におけるポット52,72の内部の温度上昇が抑制されており、研磨中のグリーンチップ72に過剰な熱負荷が加えられることが防止されている。したがって、実施例1および参考例2では、高温高圧でグリーンチップ同士を押しつけ合わせられることによって発生するグリーンチップ同士の付着が、防止されたものと考えられる。
また、研磨中におけるポット52の発熱が最も抑制されていた実施例1では、グリーンチップ43同士の付着の発生数も最も少なかった。すなわち、実施例1では、研磨中におけるポット52の内部の温度上昇を最も効果的に抑制したことによって、グリーンチップ43同士の付着の発生数も最も効果的に抑制できたものと考えられる。
以上のように、実施例1および参考例2に係るチップ部品の製造方法は、ポット52,72の回転方向に対して略平行な方向に延在する凹凸54,74が形成されたポットを用いてバレル研磨を行うため、研磨工程でグリーンチップ42に付着、変形等が発生することを防止できる。また、実施例1および参考例2に係るチップ部品の製造方法では、グリーンチップ42を確実に研磨、面取りして稜線部42aに丸みをつけることができ、研磨工程中に不良品が発生することを防止できる。その結果、外部電極がセラミック素子の稜線部で断線したり、製造工程中でチッピングが発生することを防止し、チップ部品を歩留まりよく製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るチップ部品の製造方法によって製造されたセラミックコンデンサの一例を表す概略断面図である。 図2(A)は、本発明の一実施形態に係るチップ部品の製造方法に用いるバレル研磨工程前のグリーンチップの斜視図、研磨工程前のグリーンチップの斜視図、図2(B)は、図2(A)に示すバレル研磨工程前のグリーンチップを、IIB−IIB線に沿って切断した概略断面図である。 図3(A)は、本発明の一実施形態に係るチップ部品の製造方法に用いるグリーンシートを表す断面図、図3(B)は、本発明の一実施形態に係るチップ部品の製造方法に用いる内部電極パターン層を有するグリーンシートを表す断面図である。 図4(A)は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造に用いるバレル研磨工程後のグリーンチップの斜視図、図4(B)は、図3(A)に示すバレル研磨工程後のグリーンチップを、IVB−IVB線に沿って切断した概略断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係るチップ部品の製造方法に用いたバレル研磨装置の概略模式図である。 図6は、図5に示すバレル装置に備えられるポットの側面図、上面図および底面図である。 図7は、図6(a)に示すポットの部分断面図ある。 図8は、本発明の参考例2で用いたポットの側面図である。 図9は、実施例および参考例に係るバレル研磨工程におけるポット内の温度変化を表すグラフである。
符号の説明
2… セラミックコンデンサ
4… コンデンサ素体
42… グリーンチップ
50… バレル装置
51… 自転軸
52,72… ポット
52b,72b… 外周側壁部
凹凸… 54,74
58… 公転軸

Claims (2)

  1. 複数の焼成前チップ部品を準備する工程と、
    前記複数の焼成前チップ部品を、外周側壁部に凹凸が形成されたバレル容器に投入する工程と、
    前記バレル容器の内部を密閉する工程と、
    前記バレル容器を回転させて、前記焼成前チップ部品を乾式でバレル研磨する研磨工程と、
    前記焼成前チップ部品を焼成する工程と、を有し、
    前記バレル容器の外周側壁部に形成された前記凹凸は、前記バレル容器の自転方向に対して傾けられた前記バレル容器の公転方向に対して略平行な方向に延在しており、
    前記研磨工程において、前記バレル容器は自転及び公転することを特徴とするチップ部品の製造方法。
  2. 前記研磨工程において、前記焼成前チップ部品は、メディアレスでバレル研磨されることを特徴とする請求項1に記載のチップ部品の製造方法。
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