JP5043472B2 - Iii族窒化物半導体微細柱状結晶の製造方法およびiii族窒化物構造体 - Google Patents
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M.Yoshizawa,A.Kikuchi,M.Mori,N.Fujita,and K.Kishino,Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997),pp.L459−L462 H.Sekiguchi,T.Nakazato,A.Kikuchi,and K.Kishino,Journal of Crystal Growth H.Tang,S.Haffouz,and J.A.Bardwell,Applied Physics Letters 88.172110(2006) T.Martensson,P.Carlberg,M.Borgstrom,L.Montelius,W.Seifert,and L.Samuelson,Nano Letters 4,699(2004)
前述の非特許文献2の方法のように、バッファ層の成長条件や、GaN柱状結晶の成長条件によって柱状結晶の形成が可能であるという報告は多数ある。しかしながら、上記文献の方法を用いても、ばらつきの低減、および柱状結晶の形状や位置を任意に変化させるような高度な制御(例えば意図的に欠陥を導入したフォトニック結晶など)は困難であった。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、III族窒化物半導体の微細柱状結晶を選択的に成長させることにより、位置および形状を制御し、微細柱状結晶の均一な成長を達成しようとするものである。
まず、基板表面の所定領域に、金属窒化物からなる表面を有する膜を形成する。金属窒化物からなる表面を有する膜の形成工程は、例えば、基板上にフォトレジスト204をコーティングした後、電子ビーム露光技術(EBL)を用いて所定領域にパターンを形成する。
この時の基板温度は、上記の範囲内であれば特に限定されないが、好ましくは700℃以上、950℃以下であり、さらに好ましくは750℃以上、900℃以下である。
さらに、多数のドット形状の小パターンから構成される円形の大パターン等が例として挙げられる(例えば、図11(a))。大パターンの形状は特に限定されず、円形のほか、多角形、縞状等が挙げられる。
このように成長するのは、AlN膜102およびシリコン基板101表面の境界近傍において微細柱状結晶の成長が促進されるためである。成長が促進される理由としては、必ずしも明らかではないが、AlN膜の周縁部と基板表面とが接する部分において核成長レートが速くなる結果、AlN膜の周縁部に形成された核から、微細柱状結晶の成長が促進されると推測される。AlN膜以外の基板表面ではマイグレーションにより、AlN膜の縁へ材料が吸着することが確認されている。
膜厚が上記の範囲内であると、基板表面に対して略垂直方向に起立した微細柱状結晶が成長し、微細柱状結晶の形状および成長位置を高度に制御することができる。ただし、前記数値は例示であり、微細柱状結晶の形状は、Al膜厚のほか、基板または窒化方法等の条件も複雑に関連して変動し得る。
上記の温度範囲で、窒素リッチの条件下でMBEを行うことにより、窒化物半導体の微細柱状結晶を成長させることができる。
ここで、上記金属は、シリコンのみからなるものを含まないが、金属に基板のシリコンが拡散してシリサイドを形成しているものは含むものとする。
または、金属膜の代わりに金属酸化物を直接基板上にスパッタリング法等により形成してもよい。この場合、酸化工程を省略することができる。
n−Si(111)基板上に電子ビーム(EB)リソグラフィーを用いて薄膜のアルミニウム(Al)パターンを形成した。Al膜の厚さは20nm、Al膜のパターンは、300nm周期で三角格子状に直径85nmの円形ディスク状薄膜アルミニウムが並んだパターンとした。図11(a)は、EB露光により作製したAlパターンのSEM像を示す図である。これを超高真空チェンバーに搬送後、基板温度860℃にて、高周波プラズマ励起の活性窒素を15分間照射して窒化アルミニウム(AlN)を形成した。さらに基板温度966℃にて前述の高周波プラズマ励起の活性窒素とガリウムを同時に照射し、窒化ガリウム(GaN)の微細柱状結晶を1時間成長させた。この際の成長条件はガリウムに比べて活性窒素の実効的な供給量比を大きくし、柱状結晶が成長する条件とした。
Al薄膜エッジからの微細柱状結晶の成長が確認できる。微細柱状結晶は、AlN膜および基板表面の境界近傍を成長促進領域として、AlN膜および基板表面の両方にまたがるようにしてAlN膜周縁に成長した。大部分のAlN膜の中心部分では微細柱状結晶が成長しておらず、チューブ状の柱状結晶が確認された。柱状結晶の断面形状は中空形状の六角形、O型、またはC型形状であった。形成された微細柱状結晶の高さは平均約1400nmであった。
基板温度957℃にて前述の高周波プラズマ励起の活性窒素とガリウムを同時に照射し、窒化ガリウム(GaN)の微細柱状結晶を形成した以外は、実施例1と同様の方法によりGaNの微細柱状結晶を形成した。微細柱状結晶はAlN膜のエッジ部から成長し、断面形状は中空形状の六角形、O型、またはC型形状であった。図12(a)および(b)は、本実施例で得られたGaN微細柱状結晶の基板表面のSEM像を示す図である。
実施例1と異なり、本実施例では、成長促進領域以外の基板表面上にも微細柱状結晶が成長した。基板表面のうち、AlN膜と基板表面との境界近傍を除く領域上には、AlN膜を含む成長促進領域上に成長した微細柱状結晶と比較して、高さの低い微細柱状結晶が成長した。成長促進領域上に成長した微細柱状結晶の高さは平均約1500nmであり、成長促進領域以外の、基板表面に成長した微細柱状結晶の高さは平均約1000nm以下であった。また、成長促進領域を除く基板表面に成長した微細柱状結晶は、直径が小さく、成長密度も成長促進領域上と比較して低かった。さらに、成長促進領域を除く基板表面に成長した微細柱状結晶は、形状および位置が不均一であった。
Al膜のパターンを、300nm周期で三角格子状に直径79nmの円形ディスク状薄膜アルミニウムが並んだパターンとした以外は、実施例1と同様の方法によりGaNの微細柱状結晶を形成した。図13は、本実施例で得られたGaN微細柱状結晶の基板表面のSEM像を示す図である。実施例1と同様に、基板表面のうち、AlN膜と基板表面との境界近傍を除く領域上には、微細柱状結晶は形成されなかった。微細柱状結晶はAlN膜のエッジ部から成長し、断面形状は中空形状の六角形、O型、またはC型形状であった。形成された微細柱状結晶の高さは平均約1400nmであった。
本実施例では、AlNパターンを形成した領域のみに選択的に微細柱状結晶を成長させることができ、微細柱状結晶の位置および形状の高度な制御が達成された。
2 金属窒化物からなる表面を有する膜
100 III族窒化物構造体
101 シリコン基板
102 金属窒化物膜
103 III族窒化物半導体微細柱状結晶
202 シリコン基板
204 フォトレジスト膜
206 溝
208 金属膜
210 AlN膜
212 GaN微細柱状結晶
214 AlN膜と基板表面との境界
601 サファイア基板
602 AlN膜
603 GaN微細柱状結晶
Claims (23)
- 基板表面の所定領域に、金属窒化物または金属酸化物からなる表面を有する膜を形成する工程と、
前記基板表面に成長原料を導き、III族窒化物半導体からなる微細柱状結晶を成長させる工程と、
を含み、
III族窒化物半導体からなる微細柱状結晶を成長させる前記工程は、前記膜および前記基板表面の境界において生成した成長核が、前記膜側面に沿うように成長した後、基板表面と前記膜の周縁部とにまたがって成長し、前記膜の周縁部よりも内側の領域が中空となる工程を含んで前記微細柱状結晶が形成される微細柱状結晶の製造方法。 - 膜を形成する前記工程では、前記膜の厚みを50nm以下とし、
III族窒化物半導体からなる微細柱状結晶を成長させる前記工程では、高さ0.2μm以上の前記微細柱状結晶を形成する請求項1に記載の微細柱状結晶の製造方法。 - 微細柱状結晶を成長させる前記工程において、前記膜の周縁部および前記基板表面の両方にまたがる前記微細柱状結晶以外の他の微細柱状結晶を形成しない請求項1または2に記載の微細柱状結晶の製造方法。
- 微細柱状結晶を成長させる前記工程において、前記膜の周縁部および前記基板表面の両方にまたがる前記微細柱状結晶である第一の微細柱状結晶を成長させるとともに、III族窒化物半導体からなる前記第一の微細柱状結晶よりも高さの低い第二の微細柱状結晶を成長させる工程を含む、請求項1または2に記載の微細柱状結晶の製造方法。
- 微細柱状結晶を成長させる前記工程において、前記膜周縁部を覆うようにして一本の中空形状を有する前記微細柱状結晶を成長させる、請求項1乃至4のいずれかに記載の微細柱状結晶の製造方法。
- 膜を形成する前記工程において、ドット形状の前記金属窒化物または金属酸化物からなる表面を有する膜を所定のパターンで形成する、請求項1乃至5のいずれかに記載の微細柱状結晶の製造方法。
- 前記ドット形状の金属窒化物または金属酸化物からなる表面を有する膜の平均直径が100nm以下である、請求項6に記載の微細柱状結晶の製造方法。
- 膜を形成する前記工程は、
基板表面の所定領域に金属膜を形成する工程と、
前記金属膜の少なくとも表面を窒化または酸化する工程と
を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の微細柱状結晶の製造方法。 - 前記微細柱状結晶が単結晶である、請求項1乃至8のいずれかに記載の微細柱状結晶の製造方法。
- 微細柱状結晶を成長させる前記工程において、分子線エピタキシー法(MBE)によりIII族窒化物半導体からなる微細柱状結晶を形成する、請求項1乃至9のいずれかに記載の微細柱状結晶の製造方法。
- 微細柱状結晶を成長させる前記工程において、分子線エピタキシー法による微細柱状結晶の成長温度を350℃以上、1100℃以下とする、請求項10に記載の微細柱状結晶の製造方法。
- 微細柱状結晶を成長させる前記工程において、窒素源として高周波プラズマ励起した活性窒素を用いる、請求項1乃至11のいずれかに記載の微細柱状結晶の製造方法。
- 膜を形成する前記工程は、
基板表面の所定領域に金属膜を形成する工程と、
前記金属膜の少なくとも表面を窒化する窒化工程と
を含み、
金属膜の少なくとも表面を窒化する前記工程において、窒素源として高周波プラズマ励起した活性窒素を用いる、請求項1乃至12のいずれかに記載の微細柱状結晶の製造方法。 - 前記膜の前記金属がアルミニウム、ガリウム、インジウム、および亜鉛からなる群より選択されるいずれかである、請求項1に記載の微細柱状結晶の製造方法。
- 前記金属がアルミニウムである、請求項1乃至14のいずれかに記載の微細柱状結晶の製造方法。
- 前記III族窒化物半導体がAlxGayIn1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、かつ0≦x+y≦1)の一般式で表される、請求項1乃至15のいずれかに記載の微細柱状結晶の製造方法。
- 前記III族窒化物半導体が窒化ガリウムである、請求項16に記載の微細柱状結晶の製造方法。
- 基板表面の所定領域に形成された金属窒化物または金属酸化物からなる表面を有する膜と、
前記膜の周縁部および前記基板表面にまたがって形成されたIII族窒化物半導体からなる微細柱状結晶とを含み、
前記微細柱状結晶は、前記膜の前記周縁部よりも内側の領域上が中空となった形状であるIII族窒化物構造体。 - 前記膜の厚みが50nm以下であり、
前記微細柱状結晶の高さが0.2μm以上である請求項18に記載のIII族窒化物構造体。 - 請求項18または19に記載のIII族窒化物構造体において、
前記膜の周縁部および前記基板表面にまたがって形成された前記微細柱状結晶以外の他の微細柱状結晶が形成されていないIII族窒化物構造体。 - 請求項18または19に記載のIII族窒化物構造体において、
第一の微細柱状結晶としての前記微細柱状結晶と、
前記第一の微細柱状結晶よりも高さの低い第二の微細柱状結晶と、
を含むIII族窒化物構造体。 - 前記膜の前記金属がアルミニウム、ガリウム、インジウム、および亜鉛からなる群より選択されるいずれかである請求項18に記載のIII族窒化物構造体。
- 前記III族窒化物半導体がAlxGayIn1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、かつ0≦x+y≦1)の一般式で表される、請求項18乃至22のいずれかに記載のIII族窒化物構造体。
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