JP5043406B2 - 基板乾燥方法および基板乾燥装置 - Google Patents

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Description

この発明は、表面にリンス液が残留している基板を乾燥するための基板乾燥方法および基板乾燥装置に関する。乾燥処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
半導体装置の製造工程では、半導体ウエハの表面に微細なパターンが形成される。その結果、半導体ウエハの表面には、ホール(穴)、ライン(溝)、シリンダ(円筒形溝)などの様々な形状の微細な凹部が形成される。トランジスタやキャパシタ等のデバイスが作り込まれた半導体ウエハの表面に多層配線層を形成するバックエンドプロセス(BEOL:Back End of the Line)では、前述のような微細な凹部が表面に形成された半導体ウエハに対して、表面の異物を取り除くための基板洗浄処理が繰り返し実行される。より具体的にはたとえば、多孔質のLow−k(低誘電率)膜が形成された半導体ウエハを処理する工程を例に挙げれば、Low−k膜が形成された半導体ウエハをドライエッチングして半導体表面にパターンを形成した後、ポリマー除去液を用いてウエハ表面のポリマー残渣を除去するポリマー除去工程を行った後に、リンス液(一般的には脱イオン水)を用いてウエハ表面に残留するポリマー除去液を洗い流すリンス工程を行う。また、その後に、半導体ウエハを高速回転させて半導体ウエハ表面の水分を残らず振り切って排除するためのスピン乾燥工程が行われる。
このスピン乾燥工程では、半導体ウエハの表面の水分を十分に除去する必要がある。しかし、Low−k膜の微細な凹部に入り込んだ水分は容易には除去することができない。そこで、下記特許文献1の先行技術では、電熱線を内蔵した加熱プレートを収容器に収容し、この収容器内を減圧雰囲気とすることにより、減圧雰囲気中で加熱プレートによって基板を乾燥することが提案されている。特許文献1では、さらに、減圧雰囲気中で基板に有機溶剤蒸気を供給することによって、基板表面の水分を有機溶剤に置換し、これにより、半導体ウエハの微細構造内に入り込んでいる水分の排除を図ることも提案されている。
特開2004−207484号公報
しかし、特許文献1に記載された先行技術は、微細構造内に入り込んでいる水分を十分に排除するには、長時間を要し、そのため、生産性の点で問題があった。
そこで、この発明の目的は、基板表面に残留しているリンス液を短時間で排除することができ、これにより、基板処理の生産性の向上に寄与することができる基板乾燥方法および基板乾燥装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、凹部が形成された表面にリンス液が残留している基板(W)を前記表面を上向きにして基板保持手段(2)で水平に保持する工程と、前記基板保持手段に保持されている前記基板の前記表面に向けて、閃光を照射して前記基板の前記表面を加熱し、当該基板の前記表面近傍の液を沸騰させる光照射工程と、前記光照射工程と並行して、前記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転工程と、前記光照射工程の前に、前記リンス液よりも沸点が低く、前記リンス液よりも比重の大きな液体を前記基板の前記表面に供給する工程とを含み、前記閃光を発生する光照射手段に前記基板の前記表面を接近させて前記光照射工程を行う、基板乾燥方法である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この方法によれば、基板保持手段に保持された基板に向けて閃光が照射されることにより、基板の表面が加熱される。これにより、基板の表面に接している液が瞬間的に沸騰して、基板の表面から排除される。とくに、基板表面に微細な凹部が形成されている場合に、この凹部に入り込んだ液は、その底部部分が加熱されて沸騰し、その体積が爆発的に膨張する。すなわち、凹部の底面付近で気泡が発生して、この気泡の体積が爆発的に膨張する。この気泡の膨張とともに、凹部内のリンス液は、凹部外へと排出される。こうして、基板表面に微細な凹部が形成されている場合であっても、基板表面のリンス液を短時間で排除することができる。
また、この発明では、基板の表面にリンス液よりも沸点の低い液体が供給されることによって、閃光を照射したときに、基板表面で容易に沸騰を起こさせることができる。たとえば、リンス液として純水(脱イオン水)を用いている場合に、これよりも低沸点の有機溶剤(たとえばイソプロピルアルコールその他のアルコール類、ハイドロフルオロエーテル(フッ素系溶剤)その他のエーテル類)を基板に供給することにより、基板表面での沸騰を促進でき、より効率的にリンス液を排除することができる。有機溶剤として、リンス液と混和するものを用いれば、混和後のリンス液の沸点が低くなるため、閃光またはレーザ光照射時に、容易にリンス液を沸騰させることができる。
ただし、この発明では、低沸点の液体のうち、リンス液よりも比重の大きいものが用いられる。そのため、この低沸点の液体はリンス液よりも基板表面に近い位置(凹部の内部側)に配置されることになる。この状態で、閃光を基板に照射すると、基板表面の加熱に伴って、低沸点の液体が容易に沸騰し、その上のリンス液を基板外に排出することになる。こうして、基板上のリンス液を短時間で排除することができる。
たとえば、リンス液として、純水やイソプロピルアルコールと混和した純水を用いる場合に、ハイドロフルオロエーテル(フッ素系溶剤)をリンス液よりも比重の大きな低沸点の液体として用いることができる。ハイドロフルオロエーテルは水と混ざり合わず、水よりも比重が大きいので、基板表面に形成された部の底部へと沈む。そして、閃光が照射されて基板表面が瞬間的に加熱されると、その熱を受けて容易に沸騰する。これにより、いわば蒸気爆発が生じ、これによって、ハイドロフルオロエーテルの上に位置しているリンス液が基板外へと吹き飛ばされる。
また、この発明においては、前記光照射工程と並行して、前記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転工程が含まれているので、基板の表面に閃光を均一に照射できる。これにより、基板表面の全域に対して均一な乾燥処理を行える。
請求項記載の発明は、前記リンス液よりも沸点く、前記リンス液よりも比重の大きな液体が、揮発性の液体(水よりも蒸気圧の高い液体)である、請求項記載の基板乾燥方法である。この方法により、閃光の照射後に基板表面に低沸点の液体が残留しても、この液体は、容易に揮発して基板上から除去できる。これにより、より効率的に、かつ、確実に、基板を乾燥することができる。
請求項3記載の発明は、前記光照射工程前および/または前記光照射工程中に、基板を回転させて当該基板表面の液成分を振り切る振り切り乾燥工程をさらに含む、請求項1または2記載の基板乾燥方法である。この方法によれば、振り切り乾燥を併用するので、より短時間に基板表面からリンス液を排除できる。また、閃光の照射によって基板表面の微細な凹部から排出された液体を速やかに基板外に導くことができる
請求項記載の発明は、凹部が形成された表面にリンス液が残留している基板(W)を前記表面を上向きにして水平に保持する基板保持手段(2)と、前記基板保持手段に対向配置され、前記基板の前記表面に向けて閃光を照射して前記基板の前記表面を加熱し、当該基板の前記表面近傍の液を沸騰させる光照射手段(7,81)と、前記基板保持手段に保持されている基板の前記表面に、前記リンス液よりも沸点が低く、前記リンス液よりも比重の大きな液体を供給する低沸点液体供給手段(3,18,19,23)と、前記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転手段(13)と、前記光照射手段から前記基板の前記表面に閃光を照射させるときに、前記基板保持手段を前記光照射手段に近づけて、前記光照射手段に前記基板の前記表面を接近させる手段とを含む、基板乾燥装置である。
この構成により、基板保持手段に保持された基板に向けて閃光が照射されることにより、基板の表面が加熱され、基板の表面に接している液が瞬間的に沸騰して、基板の表面から排除される。これにより、たとえ基板表面に微細な凹部が形成されている場合であっても、基板表面のリンス液を短時間で排除することができる。
また、この発明では、基板の表面にリンス液よりも沸点の低い液体が供給されることによって、閃光を照射したときに、基板表面で容易に沸騰を起こさせることができる。
さらにこの発明では、低沸点の液体がリンス液よりも比重の大きいものであるため、この低沸点の液体はリンス液よりも基板表面に近い位置に配置される。したがって、閃光を基板に照射すると、基板表面の加熱に伴って、低沸点の液体が容易に沸騰し、その上のリンス液を基板外に排出することになる。こうして、基板上のリンス液を短時間で排除することができる。
請求項記載の発明は、前記低沸点液体供給手段は、揮発性の液体を前記基板保持手段に保持されている基板に供給するものである、請求項記載の基板乾燥装置である。この構成により、閃光の照射後に基板表面に低沸点の液体が残留しても、この液体は、容易に揮発して基板上から除去できる。これにより、より効率的に、かつ、確実に、基板を乾燥することができる。
請求項記載の発明は、前記基板保持手段に保持された基板に対して前記光照射手段から閃光を照射させているときに、前記基板回転手段によって基板を回転させる制御手段(33)をさらに含む、請求項または記載の基板乾燥装置である。
この構成により、基板の表面に閃光を均一に照射できるので、基板表面の全域に対して均一な乾燥処理を行える。
請求項記載の発明は、前記基板保持手段に保持された基板の前記表面に対して前記光照射手段から閃光を照射させる前および/またはその照射中に、前記基板回転手段によって、基板表面の液成分を振り切ることができる回転速度で基板を回転させる制御手段(11)をさらに含む、請求項または記載の基板乾燥装置である。この構成により、振り切り乾燥を併用するので、より短時間に基板表面からリンス液を排除できる。また、閃光の照射によって基板表面の微細な凹部から排出された液体を速やかに基板外に導くことができる
請求項記載の発明は、第1処理室(61)と、この第1処理室に配置され、基板を保持して回転させることにより基板表面の液成分を振り切る基板保持回転手段(66)と、前記基板保持手段が配置された第2処理室(62)と、前記第1処理室内の前記基板保持回転手段から前記第2処理室内の前記基板保持手段へと基板を搬送する基板搬送手段(63)とをさらに含む、請求項のいずれかに記載の基板乾燥装置である。この構成により、基板の回転によって液成分を振り切る振り切り乾燥と、閃光の照射による基板乾燥とを別の処理室で行える。これにより、それぞれの乾燥処理に対して個別に適切な処理条件を設定できる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解図である。この基板処理装置は、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板等の基板Wを処理するための装置である。この実施形態では、処理対象の基板Wは、トランジスタやキャパシタ等のデバイスが作り込まれた半導体ウエハ等の基板である。より具体的には、キャパシタ形成のためのシリンダ作製後の基板に対して薬液およびリンス液(一般的には脱イオン水)を用いたシリンダ作製後洗浄工程を行ったり、Low−k膜のパターンが形成された基板に対してポリマー除去液およびリンス液を用いたポリマー除去工程を行うとともに、その後に、基板Wの表面のリンス液の水分を残らず排除するための乾燥工程を行うために、この基板処理装置が適用される。
この基板処理装置は、処理室1と、この処理室1内に配置され、表面に凹部が形成された基板Wを当該表面を上向きとしてほぼ水平に保持してそのほぼ中心を通る鉛直軸線回りに回転させる基板保持回転機構2と、この基板保持回転機構2に保持された基板Wの表面に対して処理液を供給する処理液供給機構3と、基板保持回転機構2に保持された基板Wの表面に対して薬液を供給する薬液供給機構4とを備えている。この基板処理装置は、さらに、処理室1の上部に配置され、基板保持回転機構2に保持された基板Wの表面に向けて閃光を照射する光照射部7を備えている。
処理室1には、処理室1内の雰囲気を排気するための排気配管46が接続されている。そして、処理室1内に基板Wを搬入/搬出するために、処理室1の側壁の所定部には開口49が形成されており、この開口49を開閉するためのシャッタ50が備えられている。
基板保持回転機構2は、円板形状の回転ベース11と、この回転ベース11をほぼ水平な姿勢に支持する回転軸12と、この回転軸12に回転力を与える回転駆動機構13とを備えている。さらに、回転軸12を上下動させることによって回転ベース11を上下させる昇降機構14が設けられている。回転ベース11には、基板Wの周縁部に当接して当該基板Wを把持する複数個の基板保持部材15が備えられている。この基板保持部材15によって基板Wを保持させた状態で、回転駆動機構13により回転軸12を鉛直軸線回りに回転させることにより、水平姿勢の基板Wを鉛直軸線回りに回転させることができる。また、昇降機構14によって回転軸12を上下動させることによって、基板Wを上下動させることができる。
処理液供給機構3は、処理液を吐出する処理液ノズル18と、この処理液ノズル18に処理液を供給する処理液供給管19と、この処理液供給管19にリンス液としての純水(脱イオン水)を供給する純水供給管21と、処理液供給管19に低沸点液体としてのイソプロピルアルコール(IPA)を供給するIPA供給管22と、処理液供給管19に低沸点液体としてのハイドロフルオロエーテル(HFE)を供給するHFE供給管23と、純水供給管21に介装された純水バルブ24と、IPA供給管22に介装されたIPAバルブ25と、HFE供給管23に介装されたHFEバルブ26とを備えている。
この構成により、純水バルブ24を開き、他のバルブ25,26を閉じることによって、処理液ノズル18から基板Wに純水を供給できる。また、IPAバルブ25を開き、他のバルブ24,26を閉じることによって、処理液ノズル18から基板WにIPAを供給できる。さらに、HFEバルブ26を開き、他のバルブ24,25を閉じることによって、処理液ノズル18から基板WにHFEを供給することができる。
IPAは、純水よりも沸点が低く、かつ、室温での蒸気圧が純水よりも高い揮発性の有機溶剤であり、その比重は純水よりも小さく、純水と混和する(任意の混合比で自由に混ざり合う)性質を有する。HFEは、純水よりも沸点が低く、かつ、室温での蒸気圧が純水よりも高い揮発性の有機溶剤であり、その比重は純水よりも大きく、純水とは混和しない。
リンス液としては、純水の他に、炭酸水、電解イオン水、水素水、磁気水などの機能水、または希薄濃度(たとえば1ppm程度)のアンモニア水等を用いることができる。
また、薬液供給機構4は、薬液を吐出する薬液ノズル42と、この薬液ノズル42に薬液を供給する薬液供給管43と、薬液供給管43に介装された薬液バルブ44とを備えている。この構成により、薬液バルブ44を開くことによって、薬液ノズル42から基板Wに薬液を供給できる。たとえば、薬液ノズル42から供給される薬液としては、シリンダ作製後洗浄工程を行う場合においては、弗酸、フッ化アンモニウム、またはフッ素イオンを含む溶液等が用いられ、上述のポリマー除去工程を行う場合においては、フッ化アンモニウムまたはヒドロキシルアミンを含む溶液等が用いられる。
薬液ノズル42からの薬液や処理液ノズル18からの処理液は、基板保持回転機構2に保持されて回転されている基板Wの表面に向けて吐出される。基板Wの表面に達した処理液は、遠心力を受けて基板W表面の全域に広がる。薬液ノズル42や処理液ノズル18は、図示しないノズル移動機構によって、基板保持回転機構2の上方の処理位置と、基板保持回転機構2の上方から退避した退避位置との間で移動可能とされている。
光照射部7は、処理室1の上方に配置された複数本の棒状のキセノンフラッシュランプ35(以下単に「フラッシュランプ35」という。)を備えている。この複数本のフラッシュランプ35は、水平面に沿って互いに平行に配置されており、これらには、駆動回路36を介して、閃光発光のための電力が供給されるようになっている。隣り合うフラッシュランプ35の間には、発生した閃光の向きを基板保持回転機構2に保持された基板Wの表面に垂直な向きに調整するためのルーバー38が配置されている。フラッシュランプ35の上方には、フラッシュランプ35から上方へと向かう光を下方へと反射するためのリフレクタ37が備えられている。一方、処理室1の天面は、フラッシュランプ35との間に配置された透光板40で構成されている。この透光板40は、たとえば、石英等の可視光および赤外線透過性を有する材料で構成されている。そして、フラッシュランプ35と透光板40との間には、光拡散板41が配設されている。この光拡散板41は、可視光および赤外線透過材料としての石英ガラスの表面に光拡散加工を施したものである。
キセノンフラッシュランプ35は、内部にキセノンガスが封入された直管状のガラス管と、このガラス管の両端部に配置された陽極および陰極と、ガラス管の外周部に巻回されたトリガ電極とを備えている。陽極および陰極は、駆動回路36に備えられたコンデンサに接続されている。駆動回路36から、トリガ電極に高電圧を加え、ガラス管内の絶縁を破壊すると、コンデンサに蓄えられた電気が陰極および陽極管で流れ、このときのジュール熱によりキセノンガスが加熱されることによって、光が放出される。コンデンサに蓄えられていた静電気エネルギーは、1ミリセカンド〜10ミリセカンドという極めて短い時間に放出され、これにより、極めて強い光がパルス状に発生され、これが閃光となる。
この基板処理装置には、マイクロコンピュータ等を有するコントローラ33が備えられている。コントローラ33は、回転駆動機構13、昇降機構14、純水バルブ24、IPAバルブ25、HFEバルブ26、駆動回路36、シャッタ50などの動作を制御することにより、基板Wに対する一連の処理を実現する。
図2は、前記基板処理装置による基板処理の流れを説明するための図である。処理対象の基板Wは、基板搬送ロボット(図示せず)によって、開口49を通して処理室1内に搬入され、基板保持回転機構2に渡される(ステップS1)。基板保持回転機構2は、その基板を基板保持部材15により保持する。このとき、昇降機構14は、回転ベース11を開口49よりも低い位置(図1において実線で示す位置)に保持している。また、回転駆動機構13は、回転ベース11を回転停止状態に保持しており、バルブ24,25,26,44はいずれも閉じられている。
次に、コントローラ33は、シャッタ50により開口49を閉じ、回転駆動機構13を制御することにより、回転ベース11を所定の回転速度で回転させる(ステップS2)。さらに、コントローラ33は、ノズル42を基板W上に位置させ、薬液バルブ44を開く(ステップS3)。これにより、基板Wの表面に薬液が供給され、この薬液は遠心力によって基板W全域に行き渡る。所定時間に渡って薬液を供給した後、コントローラ33は、薬液バルブ44を閉じて薬液の供給を停止させる(ステップS4)。
このステップS4とほぼ同時またはその直後に、コントローラ33は、ノズル18を基板W上に位置させ、純水バルブ24を開く(ステップS5)。これにより、基板Wの表面に純水が供給され、この純水は遠心力によって基板W全域に行き渡る。所定時間に渡って純水を供給した後、コントローラ33は、純水バルブ24を閉じて純水の供給を停止させる(ステップS6)。
次いで、コントローラ33は、IPAバルブ25を開く(ステップS7)。これにより、基板W上にIPAが供給され、このIPAは遠心力によって基板Wの全域に行き渡る。これにより、基板W上のリンス液はIPA液に置換される。さらに、基板W表面の凹部に純水が残留する場合には、この純水は供給されたIPAと混和する。こうして、基板Wの表面は、IPAまたは純水とIPAとの混合液からなるリンス液で覆われた状態となる。この混合液からなるリンス液は、純水よりも沸点が低い液体となっている。所定時間に渡ってIPAが供給された後、コントローラ33は、IPAバルブ25を閉じる(ステップS8)。
次に、コントローラ33は、HFEバルブ26を開く(ステップS9)。これにより、基板W上にHFEが供給され、このHFEは遠心力によって基板Wの全域に行き渡る。こうして、基板Wの表面において、IPAがHFEへと置換されていく。また、HFEは、純水およびIPAのいずれよりも比重が大きく、また、純水と混和しないので、基板W表面の凹部内においては、リンス液(純水およびIPAの混合液)よりも下側、すなわち、基板W表面に近い側に沈む。すなわち、凹部内においては、その凹部の底部にHFEが配置され、そのHFEの上にリンス液が位置することになる。基板W表面の全域にHFEを行き渡らせることができる所定時間の経過後には、コントローラ33は、HFEバルブ26を閉じて、処理液ノズル18からのHFEの吐出を停止させる(ステップS10)。
続いて、コントローラ33は、回転駆動機構13を制御することにより、回転ベース11の回転速度を所定の乾燥回転速度(たとえば2500rpm)まで加速する(ステップS11)。これにより、基板W表面のHFEは、その大部分が遠心力によって振り切られる。ただし、この時点では、基板W表面の微細な凹部内の液成分までは振り切ることができない。特にLow−k膜などの多孔質膜やシリンダが形成されている基板Wにおいては、その微細凹部において液が残留しやすい。また、上述の乾燥回転速度を高くしすぎると、シリンダやラインの倒壊が発生しやすくなる。
次に、コントローラ33は、回転駆動機構13を制御することにより、回転ベース11の回転速度を所定の光照射処理速度(たとえば、1000rpm)まで減速する(ステップS12)。ただし、この光照射処理速度は、基板W上の液体を遠心力によって基板W外に振り切ることができる速度であればよく、乾燥回転速度に等しくてもよい(この場合には減速は不要である)。さらに、コントローラ33は、昇降機構14を制御して、回転ベース11を上昇させ、基板Wを透光板40の下面に接近した閃光照射位置(図1において二点鎖線で示す位置)へと導く(ステップS13)。この状態で、コントローラ33は、駆動回路36を制御することにより、フラッシュランプ35から閃光を発生させる(ステップS14)。
これにより、基板Wは、閃光照射位置において、鉛直軸線回りに回転された状態でフラッシュランプ35からの閃光照射を受ける。基板Wに対するフラッシュランプ35からの閃光の照射は、1回だけ行われてもよいし、複数回に分けて行われてもよい。この閃光の照射によって、基板Wの表面部分が瞬間的に加熱され、この表面に接している液成分の沸騰が起こる。その結果、基板Wの表面の微細な凹部内では、底部に配置されているHFEが沸騰して蒸気爆発を起こし、その上のリンス液(純水およびIPAの混合液)を凹部外へと吹き飛ばす。この吹き飛ばされたリンス液は、遠心力によって速やかに基板W外へと排除される。こうして基板Wの表面の全域の液成分が速やかに排除され、基板Wの乾燥が達成される。
その後、コントローラ33は、昇降機構14を制御して、回転ベース11を基板受け渡し位置(図1において実線で示す位置)へと下降させる(ステップS15)。さらに、コントローラ33は、回転駆動機構13を制御することにより、回転ベース11の回転を停止させる(ステップS16)。その後、シャッタ50が開かれ、搬送ロボットによって処理済の基板Wが処理室1から搬出される(ステップS17)。
フラッシュランプ35から基板W表面に閃光を照射する際、基板Wを回転停止状態としてもよいが、前述のように回転状態としておくことにより、より均一に基板W表面に閃光を照射でき、乾燥処理の均一性を向上できる。さらにまた、基板W上の液成分を遠心力によって振り切ることができる回転速度で基板Wを回転させておくことにより、より速やかに基板Wを乾燥させることができる。
図3は、フラッシュランプ35が発生する閃光による乾燥処理を説明するための図解図である。基板Wの表面には薄膜55(たとえば酸化膜)の微細パターンが形成されている。この薄膜55には、円柱状の凹部であるホール、溝状の凹部であるライン、円筒状の凹部であるシリンダなどの微細な凹部56が多数形成されている。凹部56内では、その底部にHFE57が位置し、その上にリンス液(純水およびIPAの混合液)58が位置している。
フラッシュランプ35からの閃光の主成分は可視光であるため、凹部56内のHFE57またはリンス液58によってはほとんど吸収されず、基板Wによって吸収される。そして、フラッシュランプ35の発光は短時間であるため、基板Wの表面のみが昇温することになる。とくに、閃光が垂直に入射することになる凹部56の底面の温度が相対的に高くなる。この昇温した基板W表面からの熱によって凹部56内のHFE57が瞬間的に加熱されて沸騰し、気泡となって、その体積が爆発的に増加する。すなわち、いわゆる蒸気爆発が生じる。これにより、凹部56内の液成分(HFE57およびリンス液58)が瞬間的に押し出されて、凹部56外へと排出される。とくに、HFE57は、沸点が低く、かつ、凹部56の底部(基板Wの表面に近い位置)に配置されているので、閃光の照射によって確実に沸騰させることができ、その結果、凹部56内の液成分を確実に排出できる。
さらに、HFE57の上に位置しているリンス液58は、IPAと純水との混合液となっていて、その沸点が純水よりも低い。そのため、これらも同時に沸騰させて蒸気化することができるので、より一層確実に基板W表面の液成分を除去することができる。
ホットプレート、ヒータ、ハロゲンランプ、赤外線ランプ、RTP(ラピッド・サーマル・プロセッサ)等による熱処理を適用する場合には、効果を上げようとして大きなエネルギーを投入すると、それに伴って基板Wの温度上昇が生じ、基板W(シリコン基板やその表面に形成された酸化膜その他の機能膜)にダメージを与えたりすることがある。それだけでなく、加熱に時間を要する。
これに対して、フラッシュランプ35による閃光照射を用いれば、基板Wや薄膜55にダメージを与えることなく、短時間で、効果的に基板W表面の液成分を除去することができる。
フラッシュランプ35の照射パワーとしては、照射する閃光が強すぎると薄膜55等の機能膜に影響を及ぼしたりするおそれがある。その一方で、照射する閃光が弱すぎれば、乾燥不良になるおそれがある。したがって、適切な強度で閃光を照射する必要がある。その照射強度は、たとえば、0.1〜30J/cm2、好ましくは0.5〜20J/cm2、さらに好ましくは1〜15J/cm2とすればよい。
閃光の照射時間は長すぎないことが好ましく、照射時間を短くすることにより、基板Wをあまり加熱せずにHFE57やリンス液58のみを蒸気化することができる。特に、閃光の照射時間を0.1秒以下、好ましくは0.01秒以下(通常は1ミリ秒)とすることにより、基板Wや薄膜55に対するダメージを抑制できる。前述のとおり、フラッシュランプ35からの閃光の照射は、1回だけ行ってもよいし、複数回行ってもよい。
図4は、この発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解図である。この図4において、前述の図1に示された各部に対応する部分には、同一の参照符号を付して示す。この第2の実施形態では、基板Wに対して薬液、純水、IPAおよびHFEを供給する処理(液処理)を行うための第1処理室61と、フラッシュランプ35によって基板Wに閃光を照射するための第2処理室62と、第1処理室61から第2処理室62へと基板Wを搬送する基板搬送機構63とが備えられている。
第2処理室62の天面壁は透光板40で構成されており、この透光板40上に光拡散板41が配置されている。そして、この光拡散板41の上方にフラッシュランプ35が配置され、さらにその上方にリフレクタ37が配置されている。
一方、第2処理室62の内部には、基板保持回転機構2が配置されており、この基板保持回転機構2は、前述の第1の実施形態の場合と同様に、回転駆動機構13および昇降機構14によって回転および昇降される回転ベース11を備えている。
第2処理室62内の雰囲気は排気配管46を介して排気されるようになっている。また、第2処理室62は、基板搬送機構63に対向する位置に開口49が形成されており、この開口49に関して、シャッタ50が設けられている。
第1処理室61には、別の基板保持回転機構65が備えられている。この基板保持回転機構65は、基板Wをほぼ水平に保持して鉛直軸線回りに回転させるためのものである。基板保持回転機構65は、水平面に沿って配置された円板状の回転ベース66と、鉛直方向に沿って配置され、その上端に回転ベース66が固定された回転軸67と、回転ベース66の外周縁に沿って配置された複数の基板保持部材68とを備えている。回転軸67には、この回転軸67に回転力を与える回転駆動機構69が結合されている。
さらに、第1処理室61には、基板保持回転機構65に保持された基板Wに対して処理液を供給する処理液供給機構3、および基板保持回転機構65に保持された基板Wに対して薬液を供給する薬液供給機構4が備えられている。これらの構成は、第1の実施形態の場合と同様であるので説明を省略する。
第1処理室61には、基板搬送機構63に対向する位置に基板Wを搬入/搬出するための開口71が形成されている。この開口71に関連して、開口71を開閉するシャッタ72が設けられている。第1処理室61の上部には、当該基板処理装置が配置されるクリーンルーム内の清浄空気をさらに清浄化して取り込むためのファンフィルタユニット(FFU)74が備えられている。そして、第1処理室61の底部には、当該第1処理室61内の雰囲気を排気するための排気配管75が結合されている。この構成により、基板保持回転機構65の周囲、すなわち処理中の基板Wの周囲には、第1処理室61の上方から取り入れられて排気配管75に向かって下降するダウンフローが形成されている。
このような構成により、処理対象の基板Wは、基板搬送機構63またはその他の搬送機構によって、まず第1処理室61に搬入され、基板保持回転機構65に保持される。コントローラ33は、次に、回転駆動機構69を制御して、回転ベース66の回転を開始させる。
さらに、コントローラ33は、薬液バルブ44を開き、他のバルブ24,25,26は閉成状に保つ。これにより、回転状態の基板Wの表面に向けて薬液ノズル42から薬液が吐出される。この薬液は、基板W上で遠心力を受けてその全域に広がる。
所定時間にわたって薬液ノズル42から薬液を供給した後に、コントローラ33は、薬液バルブ44を閉成状態とするとともに純水バルブ24を開き、他のバルブ25,26は閉成状に保つ。これにより、回転状態の基板Wの表面に向けて処理液ノズル18から純水が吐出される。この純水は、基板W上で遠心力を受けてその全域に広がる。
所定時間にわたって処理液ノズル18から純水を供給した後に、コントローラ33は、純水バルブ24を閉じ、IPAバルブ25を開き、HFEバルブ26および薬液バルブ42は閉成状態に保持する。これにより、基板W表面の全域にIPAが供給される。
さらに、所定時間の経過後には、コントローラ33は、IPAバルブ25を閉じ、純水バルブ24および薬液バルブ42を閉成状態に保持し、HFEバルブ26を開く。これにより、基板W表面の全域にHFEが供給される。
次に、コントローラ33は、所定時間にわたって処理液ノズル18からHFEを供給した後に、コントローラ33は、HFEバルブ24を閉じてHFEの供給を停止させるとともに、回転駆動機構69を制御し、回転ベース66の回転速度、すなわち基板Wの回転速度を所定の乾燥回転速度まで加速する。これによって、基板Wの表面の液成分が、遠心力によって振り切られる。ただし、この時点では、基板W表面の微細な凹部内に入り込んだ液成分までは排除されていない。そして、基板W表面の凹部内では、その底部にHFEが配置され、その上にリンス液(純水およびIPAの混合液)が配置された状態となっている。
次に、コントローラ33は、シャッタ72を開き、基板搬送機構63を制御して、第1処理室61から基板Wを搬出させる。そして、基板搬送機構63は、第2処理室62の基板保持回転機構2へと当該基板Wを受け渡す。
このとき、コントローラ33は、昇降機構14を制御することにより、回転ベース11を開口49よりも下方の基板受け渡し位置(図4に実線で示す位置)に制御している。基板Wが基板保持回転機構2に受け渡されると、コントローラ33は、昇降機構14を制御して回転ベース11を上昇させる。これにより、基板保持部材15によって保持された基板Wは、透光板40の下面に接近した閃光照射位置(図4に二点鎖線で示す位置)に導かれる。この状態で、コントローラ33は、駆動回路36を制御し、フラッシュランプ35から閃光を発生させる。こうして、基板Wの表面(とくに凹部内)では、HFEおよびリンス液が沸騰して蒸気化し、液成分が排除される。
次に、コントローラ33は、昇降機構14を制御して、回転ベース11を基板受け渡し位置(図4に実線で示す位置)へと下降させる。フラッシュランプ35によって基板Wを閃光照射する際、コントローラ33は、回転駆動機構13を制御して回転ベース11を回転させていてもよい。特に、フラッシュランプ35から、複数回にわたって閃光を発生させる場合には、基板Wを回転させておくことにより、基板Wの表面の各部に対して均一に閃光を照射させることができる。その結果、基板Wの表面の乾燥処理を均一に行うことができる。さらにまた、基板W表面の液成分を振り切ることができる速度で基板Wを回転させておけば、微細な凹部から排出された液体を遠心力によって速やかに基板W外へと排除でき、より効率的な乾燥処理が可能になる。
乾燥処理の後には、コントローラ33はシャッタ50を開き、基板搬送機構63その他の搬送機構によって、処理済みの基板Wを搬出させる。
図5は、参考形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解図である。この図5において、前述の図1に示された構成に対応する部分には同一の参照符号を付して示す。
この基板処理装置は、処理室80内に基板保持回転機構2を備え、さらに、基板保持回転機構2に保持された基板Wに対して処理液を供給する処理液供給機構3と、基板保持回転機構2に保持された基板Wに対して薬液を供給する薬液供給機構4と、基板保持回転機構2に保持された基板Wの表面に対してレーザ光を照射する光照射部81とを備えている。処理室80の側壁には、基板Wを搬入/搬出するための開口82が形成されており、さらにこの開口82を開閉するシャッタ83が設けられている。処理室80の上部には、当該基板処理装置が配置されるクリーンルーム内の清浄空気をさらに清浄化して内部に取り込むためのファンフィルタユニット(FFU)84が配置されている。また、処理室80の底部には、処理室80内の雰囲気を排気するための排気配管85が結合されている。
光照射部81は、レーザ光源86と、このレーザ光源86によって発生された光を集光する集光光学系87と、この集光光学系87に結合された光伝送路88と、この光伝送路88の他端に結合された照射ヘッド89とを備えている。
レーザ光源86は、たとえば、レーザ媒体90と、このレーザ媒体90を光励起させるための光源としてのフラッシュランプ91と、レーザ媒体90の一端側に配置された全反射ミラー92と、レーザ媒体90の集光光学系87側に配置された一部透過ミラー93とを備えている。この一部透過ミラー93から取り出されたレーザ光が集光光学系87によって集光されて光伝送路88に結合されるようになっている。光伝送路88は、光ファイバ等を含むものであり、集光光学系87からのレーザ光を照射ヘッド89へと導くライトガイドとしての機能を有している。94は、フラッシュランプ91が発生した光をレーザ媒体90に効率的に入射させるための反射部材である。また、78は、フラッシュランプ91に電力を供給する駆動回路である。
照射ヘッド89は、処理室80内に配置され、光伝送路88から伝搬されてくるレーザ光を集光して、基板Wの上面に照射する。この照射ヘッド89は、スキャン機構95に結合されている。スキャン機構95は、先端に照射ヘッド89を保持し、水平姿勢で配置された揺動アーム96と、この揺動アーム96の他端に結合され、鉛直方向に沿って設けられた回転軸97と、この回転軸97を回動させることによって揺動アーム96を水平面に沿って揺動させる揺動駆動機構98とを備えている。揺動駆動機構98により揺動アーム96を揺動させることにより、照射ヘッド89から照射されるレーザ光の集光スポットを基板Wの回転中心と基板Wの周縁部との間で移動させることができる。このような集光スポットの移動と共に、回転駆動機構13により基板Wを回転させることによって、基板Wの上面の全域に対して、レーザ光による走査を行うことができる。
レーザ光源としては、図5の例ではYAGレーザが用いられているが、他にも、CO2レーザや半導体レーザ、エキシマレーザ等の他の種類のレーザ光源を用いることができる。
照射ヘッド89に関連して、この照射ヘッド89の先端部にガスを供給するガスノズル99が設けられている。このガスノズル99には、ガス供給源からのガスがガスバルブ100を介して供給されるようになっている。ガス供給源から供給されるガスの種類としては、窒素ガス、アルゴンガスおよびヘリウムガス等の不活性ガスを挙げることができる。ガスノズル99から照射ヘッド89の先端部に対して上記のようなガスを供給することにより、照射ヘッド89の先端部の雰囲気をパージすることができ、雰囲気から照射ヘッド89を保護することができ、かつ、レーザ光により基板W表面を加熱する効率を向上することができる。
前記駆動回路78および揺動駆動機構98の動作およびシャッタ83の開閉は、コントローラ33によって制御されるようになっている。
の基板処理装置では、上述の実施形態と同様に、基板保持回転機構2によって基板Wを保持して回転させる一方で、薬液供給機構4から基板Wに薬液を供給させた後、処理液供給機構3から純水、IPAおよびリンス液を順に供給させる。その後、処理液供給機構3および薬液供給機構4から基板Wに薬液および処理液が供給されていない状態とし、基板保持回転機構2で基板Wをより高速な回転速度(たとえば2500rpm)で回転させた状態で、レーザ光源86からのレーザ光を照射ヘッド89に導いて基板Wに照射させ、かつ、スキャン機構95により照射ヘッド89を基板Wの上面に沿ってスキャンさせる。これにより、基板Wの表面に対して、レーザ光照射処理を施すことができる。その結果、基板W表面の温度が瞬間的に上昇し、これに接しているHFEおよびリンス液が沸騰する。こうして、前述の第1および第2の実施形態の場合と同様に、基板W表面の液成分を短時間で排除することができる。
レーザ光照射処理の際の基板Wの回転速度は、基板W上の液体を遠心力によって基板W外に振り切ることができる速度とすることが好ましく、またさらに、基板Wに薬液や処理液を供給している際の基板Wの回転速度よりも高いことがより好ましい。これにより、より効率的な乾燥処理が可能になる。
以上、この発明のつの実施形態および参考形態について説明したが、さらに他の形態も考えられる。たとえば、前述の参考形態では、1つの処理室80内で基板Wに対する薬液および処理液供給処理およびレーザ照射処理を行うようにしているが、前述の第2の実施形態の例に倣って、薬液および処理液供給処理とレーザ照射処理とを別の処理室で行うようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、薬液、純水、IPAおよびHFEを基板W表面に順に供給するようにしているが、フラッシュランプ35からの閃光の照射によって基板W表面のリンス液を沸騰させて蒸気化することができるので、HFEの供給は必ずしも必要ではない。HFEを供給しない場合には、閃光の照射により、凹部56の底部付近からリンス液が沸騰して気泡が発生し、これにより、凹部56内のリンス液が外部に排出される。
この場合に、リンス液が、IPAのみ、純水とIPA液との混合液、またはIPAとHFEとの混合液であれば、これらの液は純水よりも沸点が低いので、効率的に沸騰を起こさせることができるから、凹部56内のリンス液を確実に蒸気化して排除できる。ただし、閃光の照射によって基板W表面の純水を沸騰させて蒸気化することも可能であるので、基板WへのIPAその他の低沸点液の供給は省かれて、純水のみをリンス液としてもよい。さらにまた、純水を基板Wの表面に供給した後に、IPAを供給せずにHFEを供給しても差し支えない。また、純水の供給を省き、IPAをリンス液として基板Wの表面に供給し、その後にHFEを基板Wに供給してもよい。さらにまた、純水およびHFEの供給を省いて、IPAを基板Wの表面に供給した後に、閃光またはレーザ光の照射による乾燥処理を行ってもよい。
また、前述の実施形態では、フラッシュランプ35からの閃光の照射または照射ヘッド89からのレーザ光の照射を、基板Wの上方から行うようにしているが、基板Wのパターン形成面を下方に向けて保持することとし、フラッシュランプ35からの閃光照射または照射ヘッド89からのレーザ光の照射を基板Wの下方から行うようにしてもよい。このようにすれば、基板Wの表面の凹部内の液成分の排出を重力によって促進することができる。
さらにまた、前述の実施形態では、表面に微細な凹部が形成された基板Wを乾燥する場合について説明したが、表面に微細な凹部が形成された基板のみならず、基板の表面に残留している液成分を精密に除去したい場合(とくに分子レベルでの液成分の残留をも防ぎたい場合)にも同様の構成を好適に適用することができる。
この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解図である。 前記基板処理装置による基板処理の流れを説明するための図である。 フラッシュランプからの閃光照射による乾燥処理を説明するための図解図である。 この発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解図である。 参考形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解図である。
符号の説明
1 処理室
2 基板保持回転機構
3 処理液供給機構
4 薬液供給機構
7 光照射部
11 回転ベース
12 回転軸
13 回転駆動機構
14 昇降機構
15 基板保持部材
18 処理液ノズル
19 処理液供給管
21 純水供給管
22 IPA供給管
23 HFE供給管
24 純水バルブ
25 IPAバルブ
26 HFEバルブ
35 フラッシュランプ
36 駆動回路
37 リフレクタ
38 ルーバー
40 透光板
41 光拡散板
42 薬液ノズル
43 薬液供給管
44 薬液バルブ
46 排気配管
49 開口
50 シャッタ
55 薄膜
56 凹部
57 HFE
58 リンス液
61 第1処理室
62 第2処理室
63 基板搬送機構
65 基板保持回転機構
66 回転ベース
67 回転軸
68 基板保持部材
69 回転駆動機構
71 開口
72 シャッタ
74 ファンフィルタユニット
75 排気配管
78 駆動回路
80 処理室
81 光照射部
82 開口
83 シャッタ
84 ファンフィルタユニット
85 排気配管
86 レーザ光源
87 集光光学系
88 光伝送路
89 照射ヘッド
90 レーザ媒体
91 フラッシュランプ
92 全反射ミラー
93 一部透過ミラー
94 反射部材
95 スキャン機構
96 揺動アーム
97 回転軸
98 揺動駆動機構
99 ガスノズル
100 ガスバルブ
W 基板

Claims (8)

  1. 凹部が形成された表面にリンス液が残留している基板を前記表面を上向きにして基板保持手段で水平に保持する工程と、
    前記基板保持手段に保持されている前記基板の前記表面に向けて、閃光を照射して前記基板の前記表面を加熱し、当該基板の前記表面近傍の液を沸騰させる光照射工程と、
    前記光照射工程と並行して、前記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転工程と、
    前記光照射工程の前に、前記リンス液よりも沸点が低く、前記リンス液よりも比重の大きな液体を前記基板の前記表面に供給する工程と
    を含み、
    前記閃光を発生する光照射手段に前記基板の前記表面を接近させて前記光照射工程を行う、基板乾燥方法。
  2. 前記リンス液よりも沸点が低く、前記リンス液よりも比重の大きな液体が、揮発性の液体である、請求項1記載の基板乾燥方法。
  3. 前記光照射工程前および/または前記光照射工程中に、基板を回転させて当該基板表面の液成分を振り切る振り切り乾燥工程をさらに含む、請求項1または2記載の基板乾燥方法。
  4. 凹部が形成された表面にリンス液が残留している基板を前記表面を上向きにして水平に保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に対向配置され、前記基板の前記表面に向けて閃光を照射して前記基板の前記表面を加熱し、当該基板の前記表面近傍の液を沸騰させる光照射手段と、
    前記基板保持手段に保持されている基板の前記表面に、前記リンス液よりも沸点が低く、前記リンス液よりも比重の大きな液体を供給する低沸点液体供給手段と、
    前記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転手段と
    前記光照射手段から前記基板の前記表面に閃光を照射させるときに、前記基板保持手段を前記光照射手段に近づけて、前記光照射手段に前記基板の前記表面を接近させる手段と
    を含む、基板乾燥装置。
  5. 前記低沸点液体供給手段は、揮発性の液体を前記基板保持手段に保持されている基板に供給するものである、請求項記載の基板乾燥装置。
  6. 前記基板保持手段に保持された基板の前記表面に対して前記光照射手段から閃光を照射させているときに、前記基板回転手段によって基板を回転させる制御手段をさらに含む、請求項または記載の基板乾燥装置。
  7. 前記基板保持手段に保持された基板の前記表面に対して前記光照射手段から閃光を照射させる前および/またはその照射中に、前記基板回転手段によって、基板表面の液成分を振り切ることができる回転速度で基板を回転させる制御手段をさらに含む、請求項4または記載の基板乾燥装置。
  8. 第1処理室と、
    この第1処理室に配置され、基板を保持して回転させることにより基板表面の液成分を振り切る基板保持回転手段と、
    前記基板保持手段が配置された第2処理室と、
    前記第1処理室内の前記基板保持回転手段から前記第2処理室内の前記基板保持手段へと基板を搬送する基板搬送手段とをさらに含む、請求項のいずれかに記載の基板乾燥装置。
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