JP7286534B2 - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents
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Description
従来から、パターンの倒壊を抑制しながら基板を乾燥する手法として、種々の手法が提案されている。
下記特許文献1の先行技術では、リンス液によるリンス処理の後、チャックピンによって水平に保持されている基板上のリンス液が有機溶剤に置換され、基板の上面の全域を覆う有機溶剤の液膜が形成される。そして、水平に保持されている基板の下方において高温状態にあるホットプレートを上昇させ、ホットプレートによって基板を持ち上げる。これにより、チャックピンからホットプレートに基板が受け渡され、ホットプレートによって基板が支持される。この状態において、ホットプレートが基板の下面に接しているので、基板は、ホットプレートの上で静止しながらホットプレートからの輻射熱または伝熱によって加熱される。
そのため、本願発明者らは、ホットプレートを用いることなく基板を加熱し、パターンの倒壊を抑制することを検討している。
また、光の照射開始により基板への加熱が開始されるため、光を照射する以外の期間において基板が加熱されない。そのため、基板の加熱を要しない処理における熱影響を排除または低減できる。
この方法によれば、第1の加熱領域および第2の加熱領域の少なくとも一方が基板の外周に向けて移動することにより、蒸気層形成部の外周が拡げられる。これにより、蒸気層形成部の外周を良好に拡げることができる。
この方法によれば、第1の加熱領域および第2の加熱領域の双方が基板の外周に向けて移動することにより、蒸気層形成部の外周が拡げられる。この場合、第1の加熱領域および第2の加熱領域の双方を加熱することによって蒸気層形成部を加熱しながら、その蒸気層形成部を基板の外周に向けて移動できる。これにより、蒸気層形成部の全域において液膜が浮上している状態を保ちながら、蒸気層形成部の外周を拡げることができる。
この方法によれば、蒸気層形成部の内周に対し内側に設定された吹き付け領域に気体が吹き付けられることにより、蒸気層形成部の内周が基板の外周に向けて押される。蒸気層形成部では、基板上の液膜に働く摩擦抵抗が零と見なせるほど小さいので、気体の流れによる小さな押し力によって、蒸気層形成部の内周、すなわち穴の外縁を、基板の外周に向けてスムーズに移動させることができる。これにより、穴をスムーズに拡げることができる。
この方法によれば、吹き付け領域が加熱領域に対し基板の回転方向の上流側に設定されているので、発生する気流の影響を最小限に抑制しながら、蒸気層形成部の内周に気体を吹き付けることができる。これにより、蒸気層形成部の内周を良好に拡大させることができる。
この方法によれば、吹き付け領域の全域が加熱領域の外縁の内側に配置されているので、加熱領域の加熱によって形成された蒸気層形成部に確実に気体を吹き付けることができる。
この方法によれば、吹き付け領域を移動させることにより、蒸気層形成部の内周が基板の外周に向けて押される。吹き付け領域への吹き付けを行いながら吹き付け領域を移動させるので、蒸気層形成部の内周位置、すなわち穴の外縁位置を高精度に制御できる。これにより、穴の外縁を高精度に制御しながら、穴を拡げることができる。
また、この発明の一実施形態では、前記基板処理方法が、前記基板回転工程に並行して、前記蒸気層形成部の前記液膜に気体を吹き付けて前記処理液を部分的に排除することによって前記蒸気層形成部の前記液膜に前記穴を形成する工程をさらに含む。
また、この発明の一実施形態では、前記加熱領域に照射される光が前記処理液を透過可能な波長を有している。この場合、光を、前記基板の上面に良好に届かせることができる。処理液が有機溶剤(たとえばIPA(isopropyl alcohol))である場合、このような波長として、200nm~1100nmを挙げることができる。
この発明の一実施形態では、前記制御装置が、前記蒸気層形成部移動工程において、前記蒸気層形成部の内周に対し内側に設定された吹き付け領域に向けて前記吹き付けユニットによって気体を吹き付ける吹き付け工程を実行する。
この発明の一実施形態では、前記吹き付け領域が、前記加熱領域よりも小さく、前記吹き付け領域の全域が、前記加熱領域の外縁の内側に配置されている。
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記吹き付け領域を、前記基板の上面内で移動させるための吹き付け領域移動ユニットをさらに含む。そして、前記制御装置が、前記吹き付け工程に並行して、前記吹き付け領域を、前記吹き付け領域移動ユニットによって移動させる吹き付け領域移動工程をさらに実行する。
また、この発明の一実施形態では、前記加熱領域に照射される光が前記処理液を透過可能な波長を有している。
この構成によれば、発光部および気体吐出口を、互いに一定の距離を保ちながら移動させることができる。そのため、発光部および気体吐出口をそれぞれ個別に移動させる場合と比較して、これらの個々の位置制御を良好に行うことができる。
また、この発明の一実施形態では、前記気体ノズルが、前記ランプヒータに取り付けられかつ当該ランプヒータに支持されており、前記気体吐出口が、下方から見て前記発光部に隣り合っている。
また、この発明の一実施形態では、前記気体ノズルが前記ランプヒータに一体化されており、前記発光部が、下方から見て前記気体吐出口の周囲を環状に取り囲んでいる。
また、この発明の一実施形態では、前記気体ノズルおよび前記ランプヒータが互いに異なるハウジングを有し、前記気体ノズルが、前記ランプヒータではなく、前記ランプヒータを支持するアームに支持されている。
図1Aは、この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置1を上から見た模式図である。図1Bは、基板処理装置1を側方から見た模式図である。
図1Aに示すように、基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、基板Wを収容するキャリアCAを保持するロードポートLPと、ロードポートLP上のキャリアCAから搬送された基板Wを処理液や処理ガスなどの処理流体で処理する複数の処理ユニット2と、ロードポートLP上のキャリアCAと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する搬送ロボット(IR,CR)と、基板処理装置1を制御する制御装置3と、を備えている。
複数のノズルは、基板Wの上面に向けて薬液を吐出する薬液ノズル31と、基板Wの上面に向けてリンス液を吐出するリンス液ノズル32と、基板Wの上面に向けて、有機溶剤を吐出する有機溶剤ノズル(処理液ノズル)33と、基板Wの上面に向けて気体を吐出する第1の気体ノズル34と、基板Wの上面に向けて気体を吐出する第2の気体ノズル35と、を含む。
図3に示すように、第1の移動装置39は、スピンチャック5の周囲で鉛直方向に延びる回動軸線A2回りに第1のアーム40を回動させることにより、平面視で基板Wの上面中央部を通る軌跡に沿って薬液ノズル31を水平に移動させる。第1の移動装置39は、薬液ノズル31から吐出された薬液が基板Wの上面に着液する処理位置と、薬液ノズル31が平面視でスピンチャック5の周囲に退避した退避位置(図3に示す位置)との間で、薬液ノズル31を移動させる。第1の移動装置39は、たとえば電動モータを含む。
図3に示すように、第2の移動装置44は、スピンチャック5の周囲で鉛直方向に延びる回動軸線A3回りに第2のアーム43を回動させることにより、平面視で基板Wの上面中央部を通る軌跡に沿ってリンス液ノズル32を移動させる。第2の移動装置44は、リンス液ノズル32から吐出されたリンス液が基板Wの上面に着液する処理位置と、リンス液ノズル32が平面視でスピンチャック5の周囲に退避した退避位置(図3に示す位置)との間で、リンス液ノズル32を移動させる。第2の移動装置44は、電動モータを含む。
第1の加熱ユニット51は、第1のランプヒータ52と、第1のランプヒータ52を移動させる第1のヒータ移動ユニット(63)と、を含む。
図4に示すように、第1のランプヒータ52は、近赤外線、可視光線、紫外線のうちの少なくとも一つを含む光を基板Wに向けて照射して、輻射によって基板Wを加熱する輻射加熱ヒータである。第1のランプヒータ52は、第1のランプ54と、第1のランプ54を収容する第1のランプハウジング55と、第1のランプハウジング55の内部を冷却するための第1のヒートシンク56と、を含む。
図4に示すように、第1のランプハウジング55は、円筒状の第1のハウジング本体59と、円板状の第1の底壁60と、を含む。第1のハウジング本体59は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の耐薬性を有する材料で形成されている。第1の底壁60は、石英などの光透過性および耐熱性を有する材料で形成されている。第1のランプハウジング55は、平面視で基板Wよりも小さい。
図4に示すように、第1のランプ54が発光すると、すなわち複数の第1の光源58が発光すると、第1のランプ54から発せられた光(近赤外線、可視光線、紫外線のうちの少なくとも一つを含む光)は、第1のランプハウジング55を透過し、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面内の第1の照射領域R1に照射される。前述のように有機溶剤としてIPAが採用されている。IPAは、200nm~1100nmの波長の光を略全て透過させる。第1のランプ54から発せられた光の波長が200nm~1100nm(より好ましくは、390nm~800nm)であるため、第1のランプ54から放出された光は、液膜LFに吸収されずに、液膜LFを透過する。そのため、第1のランプハウジング55の外表面から放射された光は、液膜LFを透過し、第1の照射領域R1に照射される。これにより、基板Wの上面(基板Wの表面Wa)において第1の照射領域R1およびその周囲の部分(以下、「第1の加熱領域RH1」という。)が輻射により加熱され、昇温する。基板Wの表面Wa(図9参照)にはパターンP1(図9参照)が形成されているので、昇温する基板Wの表面Waからの伝熱によりパターンP1が温められ、昇温する。第1の加熱領域RH1に形成されているパターンP1が有機溶剤の沸点以上の所定の加熱温度まで昇温することにより、第1の加熱領域RH1に接する有機溶剤が温められ、この有機溶剤が蒸発する。
図4に示すように、第1のランプヒータ52に有機溶剤ノズル33が一体化されている。すなわち、第1のランプヒータ52および有機溶剤ノズル33が、上面ヘッド30に含まれている。上面ヘッド30は、第1のランプヒータ52に、有機溶剤ノズル33が一体化された構成を有している。上面ヘッド30は、処理液としての有機溶剤を吐出する処理液ノズルとしての機能と、ランプヒータとしての機能と、の双方を備えている。また、上面ヘッド30には、第1の気体ノズル34が取り付けられている。
第1のヒートシンク56によって、有機溶剤ノズル33と第1のランプ54とが断熱されており、そのため、有機溶剤ノズル33を流れる有機溶剤は、第1のランプ54からの熱影響を最低限に抑えられている。
図3に二点鎖線で示すように、第1のランプヒータ52が基板Wの上面の外周部に対応して配置されている場合において、第1の気体ノズル34が、第1のランプヒータ52に対し基板Wの回転方向Rの上流側に配置されている。すなわち、基板Wの上面において、第1の気体ノズル34からの気体が吹き付けられる第1の吹き付け領域RB1(図11E等参照)が、第1のランプヒータ52から光の照射によって加熱される第1の加熱領域RH1に対し、基板Wの回転方向Rの上流側に設定されている。
図6に示すように、第2のランプヒータ72は、近赤外線、可視光線、紫外線のうちの少なくとも一つを含む光を基板Wに向けて照射して、輻射によって基板Wを加熱する輻射加熱ヒータである。第2のランプヒータ72は、第2のランプ74と、第2のランプ74を収容する第2のランプハウジング75と、第2のランプハウジング75の内部を冷却するための第2のヒートシンク76と、を含む。また、第2の気体ノズル35が、第2のランプハウジング75の外周75aに鉛直方向に沿う姿勢で取り付けられている。
図6に示すように、第2のランプハウジング75は、略角筒状の第2の側壁79と、略長方形状の第2の底壁80と、を含む。第2の側壁79は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の耐薬性を有する材料で形成されている。第2の底壁80は、石英などの光透過性および耐熱性を有する材料で形成されている。第2のランプハウジング75は、平面視で基板Wよりも小さい。
図3に示すように、第2の気体ノズル35は、第2のランプヒータ72に対し、第3のアーム64の先端側に配置されている。図3に二点鎖線で示すように、第2のランプヒータ72が基板Wの上面の外周部に対応して配置されている場合において、第2の気体ノズル35が、第2のランプヒータ72に対し基板Wの回転方向Rの上流側に配置されている。すなわち、基板Wの上面において、第2の気体ノズル35からの気体が吹き付けられる第2の吹き付け領域RB2(図14B等参照)が、第2のランプヒータ72から光の照射によって加熱される第2の加熱領域RH2に対し、基板Wの回転方向Rの上流側に設定されている。
制御装置3は、コンピュータ本体3aと、コンピュータ本体3aに接続された周辺装置3dと、を含む、コンピュータである。コンピュータ本体3aは、各種の命令を実行するCPU3b(central processing unit:中央処理装置)と、情報を記憶する主記憶装置3cと、を含む。周辺装置3dは、プログラムP等の情報を記憶する補助記憶装置3eと、リムーバブルメディアRMから情報を読み取る読取装置3fと、ホストコンピュータHC等の他の装置と通信する通信装置3gと、を含む。
以下では、表面WaにパターンP1が形成された基板Wを処理する場合について説明する。
図10は、基板処理装置1によって実行される第1の基板処理例について説明するための工程図である。図11A~図11Fは、第1の基板処理例が行われているときの基板Wの状態を示す模式図である。図12A~12Dは、各状態の基板Wを上から見た模式図である。以下では、図1~図10を参照しながら、第1の基板処理例について説明する。図11A~図11Fおよび図12A~図12Dについては適宜参照する。
具体的には、全てのガード84が下位置に位置しており、全てのスキャンノズルが待機位置に位置している状態で、センターロボットCR(図1A参照)が、基板WをハンドH1で支持しながら、ハンドH1をチャンバー4内に進入させる。そして、センターロボットCRは、基板Wの表面Waが上に向けられた状態でハンドH1上の基板Wを複数のチャックピン17の上に置く。その後、複数のチャックピン17が基板Wの外周面に押し付けられ、基板Wが把持される。センターロボットCRは、基板Wをスピンチャック5の上に置いた後、ハンドH1をチャンバー4の内部から退避させる。
次に、薬液を基板Wの上面に供給し、基板Wの上面全域を覆う薬液の液膜を形成する薬液供給工程(図10のS3)が実行される。具体的には、制御装置3は、第1の移動装置39を制御して、薬液ノズル31を待機位置から処理位置に移動させる。その後、制御装置3は、薬液バルブ37が開いて、薬液ノズル31からの薬液の吐出を開始する。薬液バルブ37が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、薬液バルブ37を閉じる。これにより、薬液ノズル31からの薬液の吐出が停止される。その後、制御装置3は、第1の移動装置39を制御して、薬液ノズル31を待機位置に移動させる。
具体的には、少なくとも一つのガード84が上位置に位置している状態で、制御装置3は、第2の移動装置44を制御して、リンス液ノズル32を待機位置から処理位置に移動させる。その後、制御装置3がリンス液バルブ42を開いて、リンス液ノズル32からのリンス液の吐出を開始する。リンス液の吐出が開始される前に、基板Wから排除された処理液を受け止めるガード84を切り換えるために、制御装置3はガード昇降ユニット87を制御して少なくとも一つのガード84を鉛直に移動させてもよい。リンス液バルブ42が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3はリンス液バルブ42を閉じ、リンス液ノズル32からのリンス液の吐出を停止する。その後、制御装置3は、第2の移動装置44を制御して、リンス液ノズル32を待機位置に移動させる。
具体的には、少なくとも一つのガード84が上位置に位置している状態で、制御装置3は、スピンチャック5を制御して、基板Wを置換速度で回転させる(基板回転工程)。置換速度は、リンス液供給速度と等しくてもよいし、異なっていてもよい。また、制御装置3は、第3の移動装置63を制御して、有機溶剤ノズル33を含む上面ヘッド30を、待機位置から処理位置に移動させる。有機溶剤ノズル33が処理位置に配置されている状態で、制御装置3は、有機溶剤バルブ46を開いて、有機溶剤ノズル33からの有機溶剤の吐出を開始する。有機溶剤の吐出が開始される前に、制御装置3は、基板Wから排除された処理液を受け止めるガード84を切り換えるために、ガード昇降ユニット87を制御して、少なくとも一つのガード84を鉛直に移動させてもよい。
蒸気層形成部移動工程(図10のS9)の開始に先立って、制御装置3は第1の気体バルブ48を開いて、第1の気体ノズル34の第1の気体吐出口34aからの気体の吐出を開始する(第1の吹き付け工程)。第1の気体ノズル34に供給される気体の温度は、室温であってもよいし、室温より高くてもよい。第1の気体ノズル34から吐出された気体は、基板Wの上面の中央部に設定された第1の吹き付け領域RB1において液膜LFに衝突した後、液膜LFの表面に沿ってあらゆる方向に外方に流れる。これにより、基板Wの上面の中央部から外方に流れる気流が形成される。第1の気体ノズル34に供給される気体の流量は、たとえば5L/minである。蒸気層形成部VFの内周に対し内側に設定された第1の吹き付け領域RB1に気体が吹き付けられることにより、蒸気層形成部VFの内周が基板Wの外周に向けて押される。
また、第1の気体吐出口34aが、下方から見て第1の発光部54Aに隣り合っているので、第1の発光部54Aによって加熱される第1の加熱領域RH1によって形成される円環状の蒸気層形成部VFの内周に、気体を吹き付けることができる。
第1の基板処理例では、蒸気層形成部移動工程(図10のS9)の途中から、第1のランプヒータ52からの光の照射のみによらず、第2のランプヒータ72からの光の照射によっても基板Wを加熱する(図10のS9)。この第2のランプヒータ72を用いた基板Wの加熱は、第1のランプヒータ52からの光の照射による基板Wの加熱を補助(アシスト)している(補助加熱工程)。
第1のランプヒータ52の照射開始から所定の期間が経過して、図11Dに示すように第1の加熱領域RH1が所定の基準位置RPに達すると、制御装置3は、第2のランプヒータ72への電力の供給を開始して、第2のランプヒータ72に含まれる複数の第2の光源78の発光を開始する(図10のS10)。これにより、第2のランプヒータ72による基板Wの加熱が開始される。複数の第2の光源78が発光すると、第2のランプヒータ72から光が放出され、第2のランプヒータ72の下方の領域に光が照射される。第2のランプヒータ72から放出された光は、液膜LFに吸収されずに、液膜LFを透過し、第2の照射領域R2に照射される。これにより、第2の加熱領域RH2が輻射により加熱される。そして、第2の加熱領域RH2のパターンP1が第2の加熱領域RH2によって温められ、このパターンP1が有機溶剤の沸点以上の所定の加熱温度まで昇温させられる。これにより、第2の加熱領域RH2のパターンP1に接する有機溶剤が温められる。
そして、制御装置3は、第2のランプヒータ72によって基板Wを加熱しながら、第1の移動装置39を制御して、第2のランプヒータ72を、基板Wの外周に向けて水平に移動させる。これにより、第2の照射領域R2が基板Wの上面内を所定の円弧状の軌跡に沿って基板Wの外周に向けて移動する。
蒸気層形成部VFの外周および穴Hの外縁がさらに拡大することにより、図11Eおよび図12Dに示すように、蒸気層形成部VFの外側の液膜LFが基板Wから排除され、円環状の蒸気層形成部VFのみが基板Wの上面上に残留する。そして、図11Fに示すように、第1の吹き付け領域RB1が基板Wの外周部に達することにより、穴Hの外縁(すなわち蒸気層形成部VFの内周)が基板Wの上面の外周まで広がり、蒸気層形成部VFの液膜LFが基板Wから排出される。
円環状の蒸気層形成部VFの移動によって、蒸気層形成部VFの内周に形成される気液界面GLをパターンP1に接触させることなく、液膜LFを基板Wから排除できる。これにより、有機溶剤が基板W上のパターンP1に及ぼす表面張力を抑制できるので、パターンP1の倒壊を抑制または防止できる。
また、制御装置3は、スピンモータ19を制御して、基板Wの回転を停止させる(図10のS11)。
具体的には、制御装置3は、ガード昇降ユニット87を制御して、全てのガード84を下位置まで下降させる。また、制御装置3は、第1の気体バルブ48を閉じて第1の気体ノズル34からの気体の吐出を停止する。また、制御装置3は、第3の移動装置63を制御して、上面ヘッド30を、待機位置まで退避させる。また、制御装置3は、第1の移動装置39を制御して、第2のランプヒータ72を、待機位置まで退避させる。
第2の基板処理例が第1の基板処理例(図10参照)と相違する第1の相違点は、蒸気層形成部VFの液膜LFに気体を吹き付けて有機溶剤を部分的に排除することによって、液膜LFに穴Hを開ける(穴Hを形成する)ようにした点である。第2の基板処理例では、第1の基板処理例(図10参照)のS8の工程に代えて、図13のS18の工程が実行される。
そして、蒸気層形成部移動工程(図10のS9)において、制御装置3は、第1の気体ノズル34からの気体を吐出しながらかつ第1のランプヒータ52からの光を照射しながら、第3の移動装置63を制御して、第1のランプヒータ52を含む上面ヘッド30を、基板Wの外周に向けて水平に移動させる。
第2のランプヒータ72の照射開始から所定の期間が経過して、図14Bに示すように、第1の加熱領域RH1が所定の基準位置RPに達すると、制御装置3は、第2のランプヒータ72への電力の供給を開始して、第2のランプヒータ72に含まれる複数の第2の光源78の発光を開始する(図13のS20)。これにより、第2のランプヒータ72による基板Wの加熱が開始される。複数の第2の光源78が発光すると、第2のランプヒータ72から光が放出され、第2のランプヒータ72の下方の領域に光が照射される。第2のランプヒータ72から放出された光は、液膜LFに吸収されずに、液膜LFを透過し、第2の照射領域R2に照射される。これにより、第2の加熱領域RH2が輻射により加熱される。そして、第2の加熱領域RH2のパターンP1が第2の加熱領域RH2によって温められ、このパターンP1が有機溶剤の沸点以上の所定の加熱温度まで昇温させられる。これにより、第2の加熱領域RH2のパターンP1に接する有機溶剤が温められる。
蒸気層形成部VFの外周および穴Hの外縁がさらに拡大することにより、図14Cに示すように、蒸気層形成部VFの外側の液膜LFが基板Wから排除され、円環状の蒸気層形成部VFのみが基板Wの上面上に残留する。そして、図14Dに示すように、第1の吹き付け領域RB1および第2の吹き付け領域RB2が基板Wの外周部に達することにより、穴Hの外縁(すなわち蒸気層形成部VFの内周)が基板Wの上面の外周まで広がり、蒸気層形成部VFの液膜LFが基板Wから排出される。
第2の基板処理例によれば、蒸気層形成部VFの液膜LFに気体を吹き付けることより、液膜LFに穴Hが形成される。蒸気層形成部VFの液膜LFには遠心力が加わり、また、基板Wの上面に熱対流が発生しているのであるが、基板Wのパドル速度の大きさや、第1の加熱領域RH1の加熱温度の大きさによっては、これらの力だけでは、蒸気層形成部VFの液膜LFに上手く穴Hを形成できないこともある。蒸気層形成部VFの液膜LFへの気体の吹き付けにより、蒸気層形成部VFの液膜LFに穴Hを確実に形成することができる。
第3の基板処理例では、蒸気層形成部移動工程において、第2のランプヒータ72を用いずに、第1のランプヒータ52からの光の照射のみによって基板Wを加熱している。すなわち、図15には、図10のS10に相当する工程が存在しない。
以上により第1~第3の基板処理例によれば、基板Wの上面の中央部に液膜LFの上方から光が照射されることにより、基板Wの上面の中央部に設定されかつ基板Wの上面の外周部に設定されていない第1の加熱領域RH1が加熱される。これにより、第1の加熱領域RH1に接する有機溶剤が蒸発して蒸気層VLが形成され、その蒸気層VLの上に液膜LFが保持される。すなわち、有機溶剤と基板Wの上面との間に蒸気層VLが形成されかつ蒸気層VL上に液膜LFが保持された蒸気層形成部VFが、基板Wの上面の中央部に形成される。蒸気層形成部VFにおいて、液膜LFは、基板Wの中央部において基板Wの上面から浮上している。
また、光の照射開始により基板Wへの加熱が開始されるため、光を照射する以外の期間において基板Wが加熱されない。そのため、特許文献1のようにホットプレートを用いて基板Wを加熱する場合と比較して、薬液供給工程(S1)における熱影響(処理レートの変化等)を排除または低減できる。
これに対し、この実施形態では第1の加熱領域RH1を基板Wの一部のみに設けるので、他の周囲部材の不必要な加熱や消費電力の増大を抑制または防止できる。
第2の実施形態に係る基板処理装置201が、第1の実施形態に係る基板処理装置1と相違する主たる点は、第1のランプヒータ52において第1の気体ノズル234が第1のランプヒータ52に一体化されており、第1の発光部54Aが、下方から見て第1の気体吐出口234aの周囲を環状に取り囲んでいる点である。以下、具体的に説明する。
チャンバー4の内部に基板Wが搬入され(図19のS21)、複数のチャックピン17によって基板Wが把持される。その後、基板Wの回転を開始させられ(図19のS22)、基板Wが薬液供給速度(100rpm以上、1000rpm未満)で回転する。その後、薬液供給工程(図19のS23)、リンス液供給工程(図19のS24)および有機溶剤供給工程(図19のS25)がこの順で実行される。図19のS21~S25の工程は、それぞれ、第1の基板処理例(図10参照)のS1~S5の工程と同等の工程である。
具体的には、上面ヘッド230が中央処理位置で静止している状態で、制御装置3は、パドル速度での基板Wの回転を維持しながら第1のランプヒータ52への電力の供給を開始して、第1のランプヒータ52に含まれる複数の第1の光源58の発光を開始させる。複数の第1の光源58が発光すると、図20Bに示すように、第1のランプヒータ52から光が放出される。第1のランプヒータ52から放出された光は、液膜LFに吸収されずに、液膜LFを透過し、第1の照射領域R1に照射される。これにより、第1の加熱領域RH1に形成されているパターンP1が輻射により加熱され、このパターンP1が有機溶剤の沸点以上の所定の加熱温度まで昇温させられる。これにより、第1の加熱領域RH1に接する有機溶剤が温められる。第1の加熱領域RH1は、基板Wの上面の中央部に設定され、かつ基板Wの上面の外周部に設定されていない。
穴Hの形成によって液膜LFが部分的に除去されることにより、蒸気層形成部VFが円環状を呈する。そして、蒸気層形成部VFの液膜LFと穴Hとの間、すなわち蒸気層形成部VFの液膜LFの内周に気液界面GLが形成される。
第4の基板処理例においても、第1の基板処理例(図10参照)と同様に、蒸気層形成部移動工程の途中から、第1のランプヒータ52からの光の照射のみによらず、第2のランプヒータ72からの光の照射によっても基板Wが加熱される(図19のS30。補助加熱工程)。第2のランプヒータ72からの光の照射の態様については、第1の基板処理例(図10参照)の場合と同等であるので、説明を省略する。
円環状の蒸気層形成部VFの移動によって、蒸気層形成部VFの内周に形成される気液界面GLをパターンP1に接触させることなく、液膜LFを基板Wから排除できる。これにより、有機溶剤が基板W上のパターンP1に及ぼす表面張力を抑制できるので、パターンP1の倒壊を抑制または防止できる。
また、制御装置3は、スピンモータ19を制御して、基板Wの回転を停止させる(図19のS31)。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態に関連して述べた作用効果に加えて、次のような作用効果を奏する。
また、第4の基板処理例において、第1の実施形態の第3の基板処理例のように、蒸気層形成部VFの移動において、第2のランプヒータ72からの第2の加熱領域RH2を行わず、第1のランプヒータ52からの第1の加熱領域RH1の加熱のみによって基板Wを加熱してもよい。
第5の基板処理例では、第2のランプヒータ72からの光の照射開始後に、蒸気層形成部移動工程(図21のS40)が開始される。また、蒸気層形成部移動工程(図21のS40)において、上面ヘッド230は水平方向に移動しない。すなわち、上面ヘッド230を中央処理位置で静止させた状態で、蒸気層形成部VFが基板Wの外周に向けて移動させられる。
次いで、蒸気層形成部移動工程(図21のS40)が行われる。この蒸気層形成部移動工程(図21のS40)は、蒸気層形成部VFの外周を拡げる外周拡大工程と、穴Hの外縁(すなわち蒸気層形成部VFの内周)を拡げる穴拡大工程と、を含む。穴拡大工程は、外周拡大工程に並行して実行される。
蒸気層形成部移動工程(図21のS40)において、制御装置3は、第2の気体ノズル35からの気体を吐出しながらかつ第2のランプヒータ72から光を照射しながら、第1の移動装置39(図3参照)を制御して、第2のランプヒータ72および第2の気体ノズル35を、基板Wの外周に向けて水平に移動させる。これにより、第2の加熱領域RH2が基板Wの上面内を基板Wの外周に向けて移動する。第2の加熱領域RH2の移動に伴って、円環状の蒸気層形成部VFの外周が拡大する(外周拡大工程)。
蒸気層形成部VFの外周および穴Hの外縁がさらに拡大することにより、図22Bに示すように、蒸気層形成部VFの外側の液膜LFが基板Wから排除され、円環状の蒸気層形成部VFのみが基板Wの上面上に残留する。そして、図22Cに示すように、第2の吹き付け領域RB2が基板Wの外周部に達することにより、穴Hの外縁(すなわち蒸気層形成部VFの内周)が基板Wの上面の外周まで広がり、蒸気層形成部VFの液膜LFが基板Wから排出される。
図23A~図23Cは、第5の基板処理例の変形例が行われているときの基板Wの状態を示す模式図である。
この変形例では、図23Aに示すように、蒸気層形成部移動工程(図21のS40)において、制御装置3は、第2のランプヒータ72から光を照射しながら、第1の移動装置39を制御して、第2のランプヒータ72を、基板Wの外周に向けて水平に移動させる。これにより、第2の加熱領域RH2が基板Wの上面内を基板Wの外周に向けて移動する。第2の加熱領域RH2の移動に伴って、円環状の蒸気層形成部VFの外周が拡大する(外周拡大工程)。
図21~図23Cに示す第5の基板処理例およびその変形例では、蒸気層形成部VFの移動開始後に、制御装置3が第1の気体バルブ48を閉じて第1の気体ノズル234からの気体の吐出を停止している。しかし、蒸気層形成部VFの移動開始後にも第1の気体ノズル234からの気体吐出を続行し、基板W上から液膜LFが除去されるまでその吐出が行われてもよい。
また、図23A~図23Cに示す第5の基板処理例の変形例において、第1の気体ノズル234から吐出される気体の流量を増大させることにより、穴Hの外縁(すなわち、蒸気層形成部VFの内周)を拡大させてもよい。具体的には、制御装置3は、第1の流量調整バルブ49の開度を大きくして、第1の気体ノズル234から吐出される気体の流量を漸次的に(段階的にまたは連続的に)増大させる。これにより、穴Hの外縁(すなわち、蒸気層形成部VFの内周)が、漸次的に広がる。
第3の実施形態に係る基板処理装置301が、第1の実施形態に係る基板処理装置1と相違する主たる点は、第1の気体ノズル334および第1のランプヒータ352が互いに異なるハウジングを有している点である。第1の気体ノズル334は、第1のランプヒータ352に支持されているのではなく、第1のランプヒータ352を支持する第3のアーム64に支持されている。以下、具体的に説明する。
第1の気体ノズル334には、第1の気体配管47が接続されている。第1の気体バルブ48が開かれると、気体の流量を変更する第1の流量調整バルブ49の開度に対応する流量で、第1の気体ノズル334の第1の気体吐出口334aから下方に気体が連続的に吐出される。
図25に二点鎖線で示すように、第1のランプヒータ352が基板Wの上面の外周部に対応して配置されている場合において、第1の気体ノズル334が、第1のランプヒータ352に対し基板Wの回転方向Rの上流側に配置されている。
処理ユニット302では、前述の各基板処理例と同等の処理が実行される。
たとえば、前述の各基板処理例において、蒸気層形成部VFの液膜LFが基板Wから排出された後に、振り切り乾燥処理が行われていてもよい。具体的には、制御装置3は、スピンモータ19を制御して、薬液供給速度、リンス液供給速度および置換速度よりも大きい高回転速度(たとえば数千rpm)で基板Wを回転させる。仮に、基板Wの上面上に、有機溶剤の液滴が残っている場合であっても、これらの液滴が基板Wの上面から除去され、基板Wが乾燥する。基板Wの高速回転が開始されてから所定時間が経過すると、制御装置3は、スピンモータ19を制御して、基板Wの回転を停止させる。
蒸気層形成部形成工程(図10のS7)および蒸気層形成部形成工程(図19のS27)の後穴Hが形成される(図10のS8、図19のS28)として説明したが、蒸気層形成部VFの形成の際から穴Hが形成されていてもよい。すなわち、蒸気層形成部形成工程(図10のS7)および蒸気層形成部形成工程(図19のS27)においてリング状の蒸気層形成部VFが形成されてもよい。
また、第1~第3の実施形態において、第2の気体ノズル35を、第2のランプヒータ72を支持する第1のアーム40によって支持する構成を例に挙げたが、第2の気体ノズル35が第2のランプヒータ72を支持するアームとは別のアームによって支持されていてもよい。すなわち、第2の気体ノズル35が、第2のランプヒータ72と同伴移動可能に設けられていなくてもよい。
また、第1~第3の実施形態において、第2のランプヒータ72を、薬液ノズル31を支持する第1のアーム40によって支持する構成を例に挙げたが、第2のランプヒータ72が薬液ノズル31を支持するアームとは別のアームによって支持されていてもよい。
また、第1~第3の実施形態において、第1の気体ノズル34,234,334が、第1のランプヒータ52,352を支持する第3のアーム64とは別のアームに支持されていてもよい。すなわち、第1の気体ノズル34,234,334が、第1のランプヒータ52,352と同伴移動可能に設けられていなくてもよい。
また、第1~第3の実施形態において、第1のランプヒータ52,352や第2のランプヒータ72に用いられる光源(第1の光源58や第2の光源78)が高出力のLEDであってもよい。この場合、高出力のLEDとして大型のLEDを例示できる。高出力のLEDを採用することにより、蒸気層形成部VFにおいて液膜LFを良好に浮上させることができる。ゆえに、パターンP1の倒壊を効果的に抑制または防止できる。
また、ランプヒータの態様として、前述の第1のランプヒータ52,352および第2のランプヒータ72とは異なる態様を採用することもできる。たとえば、図27および図28に示すランプヒータ401,501では、ランプヒータ401,501の底部に、2つの発光部401A,501Aが移動方向D1に沿って並べられており、底面視で、2つの発光部401A,501Aの間に気体吐出口403,503が形成されている。
図28に示すランプヒータ501では、各発光部501Aに含まれる光源502は、底面視で移動方向D1に直交する配列方向D2に沿って配列されている。気体吐出口503は、配列方向D2に沿って長尺状に延びている。
前述の各実施形態において、第1のランプヒータ52,352の第1の光源58および第2のランプヒータ72の第2の光源78は、LED光源以外であってもよい。第1の光源58および第2の光源78の例としては、蛍光灯、水銀灯、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、クセノンランプ、Naランプ、UVランプ等を例示できる。また、第1の光源58および第2の光源78が、点発光体ではなく面状発光体によって構成されていてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 :処理ユニット
3 :制御装置
5 :スピンチャック(基板保持ユニット)
19 :スピンモータ(基板回転ユニット)
33 :有機溶剤ノズル(処理液ノズル)
34 :第1の気体ノズル
34a :第1の気体吐出口
35 :第2の気体ノズル
35a :第2の気体吐出口
39 :第1の移動装置(第2の加熱領域移動ユニット、第2の吹き付け領域移動ユニット)
52 :第1のランプヒータ
54A :第1の発光部
63 :第3の移動装置(第1の加熱領域移動ユニット、第1の吹き付け領域移動ユニット)
64 :第3のアーム
72 :第2のランプヒータ
74A :第2の発光部
201 :基板処理装置
202 :処理ユニット
234 :第1の気体ノズル
234a:第1の気体吐出口
301 :基板処理装置
302 :処理ユニット
333 :有機溶剤ノズル(処理液ノズル)
334 :第1の気体ノズル
334a:第1の気体吐出口
352 :第1のランプヒータ
401A:発光部
501A:発光部
RH1 :第1の加熱領域
RH2 :第2の加熱領域
RH3 :第1の加熱領域
W :基板
Claims (26)
- 水平に保持された基板の上面であってパターンが形成された上面に処理液を供給して、前記処理液を含む液膜を、前記基板の上面に形成する液膜形成工程と、
前記基板の上面の中央部に前記液膜の上方から光を照射して前記基板の上面の中央部に設定されかつ前記基板の上面の外周部に設定されていない加熱領域を加熱して、前記加熱領域に接する前記処理液を蒸発させることによって、前記基板の上面の中央部に、前記処理液と前記基板の上面との間に蒸気層が形成されかつ前記蒸気層上に前記液膜が保持された蒸気層形成部を形成する蒸気層形成部形成工程と、
前記蒸気層形成部が上面の中央部に形成されている前記基板を、前記基板の中央部を通る鉛直な回転軸線回りに回転させることにより、前記蒸気層形成部を、前記液膜に形成された穴を内側に有する円環状にする基板回転工程と、
前記基板回転工程に並行して、前記基板の外周に向けて前記加熱領域を移動させて前記蒸気層形成部の外周を拡げ、かつ前記穴を拡げることにより、円環状の前記蒸気層形成部を前記基板の外周に向けて移動させる蒸気層形成部移動工程と、を含む、基板処理方法。 - 前記蒸気層形成部形成工程が、前記基板の上面の中央部に光を照射して、前記基板の上面の中央部に設定されかつ前記基板の上面の外周部に設定されていない第1の加熱領域を加熱して前記蒸気層形成部を形成する工程を含み、
前記蒸気層形成部移動工程に並行して、前記基板の上面に光を照射して、前記基板の上面において前記基板の回転方向に関して前記第1の加熱領域と少なくとも一部が重複しない第2の加熱領域を加熱して、前記蒸気層形成部への加熱を補助する補助加熱工程をさらに含む、請求項1に記載の基板処理方法。 - 前記蒸気層形成部移動工程が、前記第1の加熱領域および前記第2の加熱領域の少なくとも一方を前記基板の外周に向けて移動させる工程を含む、請求項2に記載の基板処理方法。
- 前記蒸気層形成部移動工程が、前記第1の加熱領域および前記第2の加熱領域の双方を前記基板の外周に向けて移動させる工程を含む、請求項3に記載の基板処理方法。
- 前記蒸気層形成部移動工程が、前記蒸気層形成部の内周に対し内側に設定された吹き付け領域に向けて気体を吹き付ける吹き付け工程を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記吹き付け領域が、前記加熱領域に対し、前記基板の回転方向の上流側に設定されている、請求項5に記載の基板処理方法。
- 前記吹き付け領域が、前記加熱領域よりも小さく、
前記吹き付け領域の全域が、前記加熱領域の外縁の内側に配置されている、請求項5または6に記載の基板処理方法。 - 前記吹き付け工程に並行して、前記吹き付け領域を、前記基板の外周に向けて移動させる吹き付け領域移動工程をさらに含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記吹き付け工程が、前記蒸気層形成部の内周に対し内側に設定された第1の吹き付け領域に向けて気体を吹き付ける第1の吹き付け工程と、前記第1の吹き付け工程に並行して、前記蒸気層形成部の内周に対し内側に設定され、前記基板の回転方向に関して前記第1の吹き付け領域と離隔する第2の吹き付け領域に向けて気体を吹き付ける第2の吹き付け工程と、を含み、
前記吹き付け領域移動工程が、前記第1の吹き付け工程に並行して前記第1の吹き付け領域を前記基板の外周に向けて移動させる第1の吹き付け領域移動工程と、前記第2の吹き付け工程に並行して前記第2の吹き付け領域を前記基板の外周に向けて移動させる第2の吹き付け領域移動工程と、を含む、請求項8に記載の基板処理方法。 - 前記基板回転工程に並行して、前記蒸気層形成部の前記液膜に気体を吹き付けて前記処理液を部分的に排除することによって前記蒸気層形成部の前記液膜に前記穴を形成する工程をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記加熱領域に照射される光が前記処理液を透過可能な波長を有している、請求項1~10のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 表面にパターンが形成された基板を水平に保持する基板保持ユニットと、
前記基板保持ユニットに保持されている前記基板を、当該基板の中央部を通る鉛直な回転軸線回りに回転させるための基板回転ユニットと、
処理液ノズルを有し、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面に、前記処理液ノズルから処理液を供給するための処理液供給ユニットと、
発光部を有し、上方から見て前記基板保持ユニットに保持されている基板よりも小さく設けられ、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面に向けて前記発光部から光を照射するためのランプヒータと、
前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面において前記ランプヒータによる光の照射により加熱される加熱領域を、前記基板の上面内で移動させるための加熱領域移動ユニットと、
気体吐出口を有する気体ノズルを有し、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面に、前記気体ノズルから気体を吹き付けるための吹き付けユニットと、
前記基板回転ユニット、前記処理液供給ユニット、前記ランプヒータ、前記加熱領域移動ユニットおよび前記吹き付けユニットを制御する制御装置と、を含み、
前記制御装置が、前記処理液供給ユニットによって前記表面である前記基板の上面に前記処理液を供給して、前記処理液を含む液膜を、前記基板の上面に形成する液膜形成工程と、前記基板の上面の中央部に前記ランプヒータによって前記液膜の上方から光を照射して前記基板の上面の中央部に設定されかつ前記基板の上面の外周部に設定されていない加熱領域を加熱して、前記加熱領域に接する前記処理液を蒸発させることによって、前記基板の上面の中央部に、前記処理液と前記基板の上面との間に蒸気層が形成されかつ前記蒸気層上に前記液膜が保持された蒸気層形成部を形成する蒸気層形成部形成工程と、前記蒸気層形成部が上面の中央部に形成されている前記基板を、前記基板回転ユニットによって、前記回転軸線回りに回転させることにより、前記蒸気層形成部を、前記液膜に形成された穴を内側に有する円環状にする基板回転工程と、前記基板回転工程に並行して、前記加熱領域移動ユニットによって前記基板の外周に向けて前記加熱領域を移動させて前記蒸気層形成部の外周を拡げ、かつ前記吹き付けユニットおよび前記基板回転ユニットの少なくとも一方によって前記穴を拡げることにより、円環状の前記蒸気層形成部を前記基板の外周に向けて移動させる蒸気層形成部移動工程と、を実行する、基板処理装置。 - 前記ランプヒータが、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面に向けて光を照射するための第1のランプヒータと、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面に向けて光を照射するための第2のランプヒータと、を含み、
前記制御装置が、前記蒸気層形成部形成工程において、前記第1のランプヒータによって前記基板の上面の中央部に光を照射して、前記基板の上面の中央部に設定されかつ前記基板の上面の外周部に設定されていない第1の加熱領域を加熱して前記蒸気層形成部を形成する工程を実行し、
前記制御装置が、前記蒸気層形成部移動工程に並行して、前記第2のランプヒータによって前記基板の上面に光を照射して、前記基板の上面において前記基板の回転方向に関して前記第1の加熱領域と少なくとも一部が重複しない第2の加熱領域を加熱して、前記蒸気層形成部への加熱を補助する補助加熱工程をさらに実行する、請求項12に記載の基板処理装置。 - 前記加熱領域移動ユニットが、
前記第1の加熱領域を、前記基板の上面内で移動させるための第1の加熱領域移動ユニットと、
前記第2の加熱領域を、前記基板の上面内で移動させるための第2の加熱領域移動ユニットと、を含み、
前記制御装置が、前記蒸気層形成部移動工程において、前記第1の加熱領域移動ユニットによって前記第1の加熱領域を前記基板の外周に向けて移動させる工程および前記第2の加熱領域移動ユニットによって前記第2の加熱領域を前記基板の外周に向けて移動させる工程の少なくとも一方を実行する、請求項13に記載の基板処理装置。 - 前記制御装置が、前記蒸気層形成部移動工程において、前記第1の加熱領域移動ユニットによって前記第1の加熱領域を前記基板の外周に向けて移動させる工程および前記第2の加熱領域移動ユニットによって前記第2の加熱領域を前記基板の外周に向けて移動させる工程の双方を実行する、請求項14に記載の基板処理装置。
- 前記制御装置が、前記蒸気層形成部移動工程において、前記蒸気層形成部の内周に対し内側に設定された吹き付け領域に向けて前記吹き付けユニットによって気体を吹き付ける吹き付け工程を実行する、請求項12~15のいずれか一項に記載の基板処理装置。
- 前記吹き付け領域が、前記加熱領域に対し、前記基板の回転方向の上流側に設定されている、請求項16に記載の基板処理装置。
- 前記吹き付け領域が、前記加熱領域よりも小さく、
前記吹き付け領域の全域が、前記加熱領域の外縁の内側に配置されている、請求項16または17に記載の基板処理装置。 - 前記吹き付け領域を、前記基板の上面内で移動させるための吹き付け領域移動ユニットをさらに含み、
前記制御装置が、前記吹き付け工程に並行して、前記吹き付け領域を、前記吹き付け領域移動ユニットによって移動させる吹き付け領域移動工程をさらに実行する、請求項16~18のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 前記吹き付けユニットが、前記基板の上面に設定された第1の吹き付け領域に気体を吹き付ける第1の吹き付けユニットと、前記第1の吹き付けユニットとは別の第2の吹き付けユニットであって、前記基板の上面に設定された第2の吹き付け領域に気体を吹き付ける第2の吹き付けユニットと、を含み、
前記吹き付け領域移動ユニットが、前記第1の吹き付け領域を前記基板の上面内で移動させるための第1の吹き付け領域移動ユニットと、前記第2の吹き付け領域を前記基板の上面内で移動させるための第2の吹き付け領域移動ユニットと、を含み、
前記制御装置が、前記吹き付け工程において、前記蒸気層形成部の内周に対し内側に設定された前記第1の吹き付け領域に向けて、前記第1の吹き付けユニットによって気体を吹き付ける第1の吹き付け工程と、前記第1の吹き付け工程に並行して、前記蒸気層形成部の内周に対し内側に設定され、前記基板の回転方向に関して前記第1の吹き付け領域と離隔する前記第2の吹き付け領域に向けて、前記第2の吹き付けユニットによって気体を吹き付ける第2の吹き付け工程と、を実行し、
前記制御装置が、前記吹き付け領域移動工程において、前記第1の吹き付け工程に並行して、前記第1の吹き付け領域移動ユニットによって前記第1の吹き付け領域を前記基板の外周に向けて移動させる第1の吹き付け領域移動工程と、前記第2の吹き付け工程に並行して、前記第2の吹き付け領域移動ユニットによって前記第2の吹き付け領域を前記基板の外周に向けて移動させる第2の吹き付け領域移動工程と、を実行する、請求項19に記載の基板処理装置。 - 前記制御装置が、前記基板回転工程に並行して、前記吹き付けユニットによって前記蒸気層形成部の前記液膜に気体を吹き付けて前記処理液を部分的に排除することによって前記蒸気層形成部の前記液膜に前記穴を形成する工程をさらに実行する、請求項12~20のいずれか一項に記載の基板処理装置。
- 前記ランプヒータから前記基板に照射される光が、前記処理液を透過可能な波長を有している、請求項12~21のいずれか一項に記載の基板処理装置。
- 前記発光部および前記気体吐出口が水平方向に同伴移動可能に設けられている、請求項12~22のいずれか一項に記載の基板処理装置。
- 前記気体ノズルが、前記ランプヒータに取り付けられかつ当該ランプヒータに支持されており、
前記気体吐出口が、下方から見て前記発光部に隣り合っている、請求項23に記載の基板処理装置。 - 前記気体ノズルが前記ランプヒータに一体化されており、
前記発光部が、下方から見て前記気体吐出口の周囲を環状に取り囲んでいる、請求項23に記載の基板処理装置。 - 前記気体ノズルおよび前記ランプヒータが互いに異なるハウジングを有し、前記気体ノズルが、前記ランプヒータではなく、前記ランプヒータを支持するアームに支持されている、請求項23に記載の基板処理装置。
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