JP5041580B2 - 仲介ポリヌクレオチド - Google Patents

仲介ポリヌクレオチド Download PDF

Info

Publication number
JP5041580B2
JP5041580B2 JP2006282975A JP2006282975A JP5041580B2 JP 5041580 B2 JP5041580 B2 JP 5041580B2 JP 2006282975 A JP2006282975 A JP 2006282975A JP 2006282975 A JP2006282975 A JP 2006282975A JP 5041580 B2 JP5041580 B2 JP 5041580B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probe
target
binding region
polynucleotide
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006282975A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008099570A (ja
Inventor
哲也 四方
一史 細田
友亮 松浦
敏博 中島
浩文 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
Original Assignee
Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken filed Critical Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
Priority to JP2006282975A priority Critical patent/JP5041580B2/ja
Publication of JP2008099570A publication Critical patent/JP2008099570A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5041580B2 publication Critical patent/JP5041580B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ターゲットとプローブとを仲介する仲介ポリヌクレオチドに関する。
mRNAのような一本鎖の核酸を検出・測定する方法として一般的には、例えば、逆転写PCR(RT−PCR)法、ノザンブロッティング法、モレキュラービーコン法(非特許文献1)、B−DNA法(非特許文献2)などが挙げられる。
RT−PCR法は、RNAを一端逆転写してDNAとしてからPCRで増幅する方法である。この方法は、検出感度に極めて優れており、また、近年さまざまなリアルタイムPCRシステムが市販されている。しかしながら、RNAを逆転写する点で、RNAの増減をリアルタイムで知ることはできない。
ノザンブロッティング法は、蛍光又は放射性同位体標識したプローブを用いてRNAを検出する方法であるが、電気泳動やメンブレインへのトランファーなど時間や手間がかかる方法である。またやはり、RNAの増減をリアルタイムで知ることはできない。
モレキュラービーコン法は、蛍光物質及びクエンチャーが結合されたステムループ構造の分子がターゲットとハイブリダイズすると蛍光物質とクエンチャーとの距離ができて、蛍光が発光するという仕組みである。この方法の場合、RNAの増減をリアルタイムでしることができるが、ターゲットと蛍光物質とが1対1となるため、検出感度が問題となる。
B−DNA(Branched DNA)法は、ターゲット分子を固相に固定した後、ターゲット分子に特異的な標識拡張子(Lavel Extender)をハイブリダイズさせ、さらに、前記標識拡張子に標識プローブが結合可能な配列が多数分岐したB−DNA増幅子をハイブリダイズさせ、最後に標識プローブをハイブリダイズさせる方法である。この方法では検出感度の増幅については申し分ない。しかし、固定作業が必要であり、また、RNAの増減をリアルタイムで測定できない。
Tyagi S, Kramer FR. 1996. Molecular beacons: probes that fluoresce upon hybridization. Nat Biotechnol 14:303-308. Urdea MS, Horn T, Fultz TJ, Anderson M, Running JA, Hamren S, Ahle D, Chang CA. 1991. Branched DNA amplification multimers for the sensitive, direct detection of human hepatitis viruses. Nucleic Acids Symp Ser:197-200.
本発明は、ターゲットである一本鎖ポリヌクレオチドをプローブにより検出及び/又は測定可能とするターゲットとプローブとを仲介する仲介ポリヌクレオチドであって、好ましくは、簡便で特異性が高く、さらに好ましくは、ターゲットである前記一本鎖ポリヌクレオチドの濃度が変化する場合であってもリアルタイムで検出及び/又は測定が可能となる仲介ポリヌクレオチドの提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の仲介ポリヌクレオチドは、ターゲットとプローブとを仲介するポリヌクレオチドであって、ターゲット結合領域と、プローブ結合領域と、ステムループ形成領域とを備え、前記ステムループ形成領域が、前記ターゲット結合領域の一部、及び、前記プローブ結合領域を含み、前記プローブ結合領域が、ニッキングエンドヌクレアーゼの認識配列の切断されない側の配列を含み、ターゲットが非存在の場合には、前記ステムループ形成領域においてステムループ構造が形成されてプローブと前記プローブ結合領域との結合が制限され、ターゲットが存在する場合には、前記ターゲットと前記ターゲット結合領域とが結合することで前記ステムループ構造が解除されて前記プローブと前記プローブ結合領域との結合が促進される仲介ポリヌクレオチドである。
本発明者らは、例えば、チューブからサンプルを取り出すことなく試薬を混ぜるだけで一本鎖の核酸を特異的に検出できる簡便な方法について研究を重ねた結果、ターゲットとなる検出対象の核酸と検出シグナルを発信するプローブとを仲介するポリヌクレオチドを使用する着想を得た。そして、鋭意研究を重ねた結果、この仲介ポリヌクレオチドにステムループ構造を導入すればターゲットの存在なしにはプローブと結合できず検出の特異性が向上することを見出した。さらに、プローブとして一端に蛍光物質が結合され他端にクエンチャーが結合されたプローブを用い、本発明の仲介ポリヌクレオチドと結合した前記プローブをニッキングエンドヌクレアーゼによって切断すれば連続的な蛍光シグナルが発信されて検出感度が高まるとともに、ターゲットの量の増減に応じて蛍光シグナルが発信されるため検出対象の検出・測定がリアルタイムで可能となることを見出し本発明に到達した。
本発明の仲介ポリヌクレオチドによれば、好ましくは、ニッキングエンドヌクレアーゼ及びプローブと共に本発明の仲介ポリヌクレオチドをサンプルチューブに添加するだけでターゲット(例えば、核酸など)の検出や測定が可能となる。また、好ましくは、特別な前処理や後処理が必要ない非常に簡便なターゲットの検出・測定方法が可能となる。さらに、使用するニッキングエンドヌクレアーゼは、様々なバッファーで活性を有し、また、廉価な酵素であるから、好ましくは、適用範囲が広くコストが低いターゲットの検出・測定方法が可能となる。上述したとおり、ニッキングエンドヌクレアーゼによる切断のため断続的に蛍光が発光されるため、好ましくは、時間の経過とともに検出感度も向上可能である。さらに、ターゲット結合領域とステムループ構造領域とがオーバーラップするため、本発明の仲介ポリヌクレオチドによれば、好ましくは、特異性が高いターゲットの検出・測定が可能となる。さらにまた、本発明の仲介ポリヌクレオチドは、ターゲットの濃度の増減を反映して蛍光発光を誘導できるから、好ましくは、ターゲットのリアルタイム検出が可能となる。
本発明の仲介ポリヌクレオチドは、その他の態様として、塩基配列x2、x3、y3、z2及びy2がこの順で連結された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、塩基配列x2とx3とがこの順で連結された塩基配列が、ターゲットとハイブリダイズ可能な塩基配列からなるターゲット結合領域を形成し、塩基配列y3の一部、z2、及び、y2の一部がこの順で連結された塩基配列が、プローブとハイブリダイズ可能な塩基配列からなるプローブ結合領域を形成し、塩基配列x3、y3、z2及びy2がこの順で連結された塩基配列が、ステムループ構造を形成するステムループ形成領域を形成し、前記ステムループ形成領域において、塩基配列x3及びy3がこの順で連結する塩基配列と塩基配列y2とが互いにステム構造を形成する逆方向反復配列であって、塩基配列z2がループ構造を形成する配列であり、前記ターゲットが非存在の場合には前記ステムループ構造が形成され、前記プローブと前記プローブ結合領域との結合が制限され、前記ターゲットが存在する場合には、前記ターゲットと前記ターゲット結合領域とが結合することで前記ステムループ構造が解除されて前記プローブと前記プローブ結合領域との結合が促進されるポリヌクレオチドであってもよい。前記プローブ及び前記プローブ結合領域が二本鎖を形成した場合にニッキングエンドヌクレアーゼに認識部位が形成されることが好ましい。この場合、前記プローブが切断される側の配列を含み、前記プローブ結合領域が切断されない側の配列を含むことが好ましい。また、前記z2の長さが、4塩基であることが好ましい。
本発明の仲介ポリヌクレオチドの全長は、30〜60塩基であることが好ましい。
本発明は、その他の態様において、試料中の一本鎖ポリヌクレオチドを検出及び/又は測定する方法であって、前記試料中に本発明の仲介ポリヌクレオチド、ニッキングエンドヌクレアーゼ、及び、一端に蛍光物質が結合され他端にクエンチャーが結合されたプローブを添加すること、並びに、前記試料の蛍光発光を測定することを含む検出及び/又は測定方法を提供する。
本発明の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法は、検出及び/又は測定対象の一本鎖ポリヌクレオチドのターゲット領域と仲介ポリヌクレオチドのターゲット結合領域とが二本鎖を形成することで、前記仲介ポリヌクレオチドのステムループ構造が解除される第1ステップ、ステムループ構造の解除によりアクセス可能となった前記仲介ポリヌクレオチドのプローブ結合領域とプローブとが二本鎖形成する第2ステップ、前記プローブ結合領域とプローブとの二本鎖形成領域にニッキングエンドヌクレアーゼが作用して前記プローブが切断され、切断されたプローブ断片が前記プローブ結合領域から解離するとともに蛍光を発光する第3ステップ、プローブ断片の解離によりアクセス可能となった前記プローブ結合領域へ新たなプローブが結合して二本鎖形成する第4ステップ、及び、前記第3ステップと前記第4ステップが繰り返される第5ステップ、を含むことが好ましい。
本発明の一本鎖ヌクレオチドの検出及び/又は測定方法は、さらに、前記蛍光発光を経時的に測定することを含み、前記試料中の一本鎖ポリヌクレオチドの濃度をリアルタイムで一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定することが好ましい。
本発明は、さらにその他の態様として、本発明の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法を行うための装置であって、前記蛍光の発光測定装置を含む一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定用装置を提供する。
本発明は、さらにその他の態様として、ニッキングエンドヌクレアーゼの使用方法であって、本発明の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法においてニッキングエンドヌクレアーゼを使用する方法を提供する。
本発明は、さらにその他の態様として、一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定キットであって、ニッキングエンドヌクレアーゼ及び取扱説明書を含む一本鎖核酸の検出及び/測定キットを提供する。本発明の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定キットは、さらに、一端に蛍光物質が結合され他端にクエンチャーが結合され、前記ニッキングエンドヌクレアーゼの認識配列の切断される側の配列を含むプローブを含むことが好ましい。
本発明は、さらにその他の態様として、プローブであって、一端に蛍光物質が結合され他端にクエンチャーが結合されたニッキングエンドヌクレアーゼの認識配列の切断される側の配列を含むプローブを提供する。
本発明において、「ポリヌクレオチド」とは、特に限定されず、DNA、RNA、核酸、遺伝子、オリゴヌクレオチド又は、従来公知のこれらの誘導体や類縁体等をいう。ポリヌクレオチドに含まれる塩基長は特に制限されず、例えば、2塩基以上であればポリヌクレオチドに含めてよい。また、特に制限しない限り、ポリヌクレオチドは、一本鎖でもよく、二本鎖でもよい。ポリヌクレオチドの製造方法としては、特に制限されず、例えば、従来公知の方法により化学合成により製造してもよく、酵素的にインビボ又はインビトロで製造してもよい。本発明において、「仲介ポリヌクレオチド」とは、ターゲットとプローブとの結合を仲介するポリヌクレオチドをいう。
本発明において、「ターゲット」とは、検出・測定対象となる一本鎖ポリヌクレオチド(遺伝子やmRNAを含む)及び/又は、前記一本鎖ポリヌクレオチドにおいて実際に本発明の仲介ポリヌクレオチドとハイブリダイゼーション可能な塩基配列やその領域を指す。本発明において、「プローブ」とは、本発明の仲介ポリヌクレオチドとハイブリダイゼーション可能な標識されたポリヌクレオチドをいう。本発明において「プローブ」は、一端に蛍光物質が結合して他端にクエンチャー(消光剤)を結合したプローブであって、プローブが切断されて両端が解離した場合に前記蛍光物質の蛍光が発光する蛍光プローブが好ましい。このような蛍光プローブにおける前記蛍光物質と前記クエンチャーの組み合わせとしては、特に制限されないが、例えば、FAMとTAMRA、FAMとBHQ1、Cy3とCy5、AlexaFluorとQSY(インビトロジェン)などが挙げられ、具体的には、商品名:TaqmanProbeなどが挙げられる。また、本発明において「プローブ」は、後述するように、ニッキングエンドヌクレアーゼにより切断される側の認識配列を含むことが好ましい。
本発明において、ニッキングエンドヌクレアーゼとは、特定配列の二本鎖ポリヌクレオチドを認識して一方の鎖のみを切断する酵素をいう。二本鎖DNAを認識するニッキングエンドヌクレアーゼとしては、例えば、Nb.BsmI、Nb.BsrDI、Nb.BbvCI、Nt.BbvCI、Nt.AlwI、Nt.BstNBI(いずれも、New England BioLabs社製)などが挙げられるが、これらに制限されない。下記表1に、上記ニッキングエンドヌクレアーゼの認識配列を示す。切断される側の「|」は切断箇所を示す。
Figure 0005041580
本発明において、ステムループ構造とは、ヘアピンループ構造ともいい、一本鎖ポリヌクレオチド上に存在する逆方向反復配列間で水素結合によって生じる二本鎖部分(ステム)とそれに挟まれたループの部分からなる構造をいう。
次に、本発明の仲介ポリヌクレオチドについて説明する。本発明の仲介ポリヌクレオチドは、上述のとおり、ターゲットとプローブとの結合を仲介するポリヌクレオチドであって、ターゲット結合領域と、プローブ結合領域と、ステムループ形成領域とを備え、前記ステムループ形成領域が、前記ターゲット結合領域の一部及び前記プローブ結合領域とオーバーラップし、前記プローブ結合領域が、ニッキングエンドヌクレアーゼの認識配列の切断されない側の配列を含み、ターゲットが非存在の場合には、ステムループ構造が形成されてプローブと前記プローブ結合領域との結合が制限され、ターゲットが存在する場合には、前記ターゲットと前記ターゲット結合領域とが結合することで前記ステムループ構造が解除されて前記プローブと前記プローブ結合領域との結合が促進されるものである。前記ニッキングエンドヌクレアーゼの認識配列の一部は、ステムループのループ構造に該当することが好ましい。このような本発明の仲介ポリヌクレオチドによれば、ターゲットの一本鎖ポリヌクレオチドを、好ましくは、簡便に低コストで特異性が高く検出及び測定できる。その検出/測定スキームを図1に示す。本発明の仲介ポリヌクレオチド1は、ターゲット2と接触する前はステム構造6を形成している(図1(1))。この状態では蛍光物質4及びクエンチャー5を備えたプローブ3は、仲介ポリヌクレオチド1に結合できない。仲介ポリヌクレオチド1のステム構造を形成していない部分がターゲット2と二本鎖を形成すると(図1(2))、より安定な構造をとるために仲介ポリヌクレオチド1及びターゲット2の二本鎖形成が進行してステム構造6が解除され(図1(3))、プローブ結合領域がアクセス可能となる。このプローブ結合領域にプローブ3が結合する(図1(4))。そして、プローブ結合領域に形成された二本鎖ポリヌクレオチド部分にニッキングエンドヌクレアーゼ7が作用し(図1(5))、蛍光物質4とクエンチャー5とが分離し、蛍光8が発光する(図1(6))。すると、プローブ結合領域が空席となり、再度プローブ3が結合し(図1(4))、ニッキングエンドヌクレアーゼ7が作用し(図1(5))、蛍光8が発光し(図1(6))、このサイクルが繰り返され、蛍光発光量が増加していく。
本発明の仲介ポリヌクレオチドは、図2のように説明することができる。図2(A)に示すとおり、本発明の仲介ポリヌクレオチドは、塩基配列x2、x3、y3、z2及びy2がこの順で連結された塩基配列で表すことができる。塩基配列x2とx3とがこの順で連結された塩基配列は、ターゲットとハイブリダイズ可能な塩基配列からなるターゲット結合領域Xを形成する。前記ターゲット結合領域Xは、よりストリンジェントな条件でターゲットとハイブリダイズ可能であることが好ましく、ターゲットの相補配列と1個又は数個(例えば、2、3、4、5個)の塩基が付加、欠失、又は置換された配列であることがより好ましく、ターゲットの相補配列であることがさらにより好ましい。図2(B)に示すとおり、前記ターゲット結合領域Xにおいて、領域x3は、ステムループ構造においてステム部分を形成する部分でもあり、領域x2は、本発明の仲介ポリヌクレオチドがステムループ構造を形成する場合でもフリーな一本鎖部分として存在し、ターゲットが存在する場合に、領域x3に先んじてターゲットと二本鎖構造を形成する部分である。領域x2の長さとしては、例えば、5〜30塩基であって、より好ましくは、8〜25塩基であって、さらにより好ましくは、10〜20塩基である。また、領域x3の長さとしては、例えば、5〜20塩基であって、7〜15塩基が好ましく、より好ましくは、8、9、10、11又は12塩基である。
塩基配列y3の一部、z2、及び、y2の一部がこの順で連結された塩基配列は、プローブとハイブリダイズ可能な塩基配列からなるプローブ結合領域Zを形成する(図2(A))。前記プローブ結合領域Zは、よりストリンジェントな条件でプローブとハイブリダイズ可能であることが好ましく、プローブの相補配列と1個又は数個(例えば、2、3、4、5個)の塩基が付加、欠失、又は置換された配列であることがより好ましく、プローブの相補配列であることがさらにより好ましい。後述するように、前記プローブ結合領域Zは、ステムループ構造形成領域Y内に含まれ、本発明の仲介ポリヌクレオチドがステムループ構造を形成する場合にはプローブとの結合が困難である。前記プローブ結合領域Z及びプローブは、ニッキングエンドヌクレアーゼの認識配列を含むことが好ましい。この場合、前記酵素により切断される(ニッキングされる)側の配列が、プローブに含まれることが好ましい。前記プローブ結合領域Zとプローブとは同じ長さであってよく、その長さとしては、ニッキングエンドヌクレアーゼの認識配列の前後、すなわち5'及び3'側に、それぞれ0、1、2、3、4、又は5塩基を付加した長さが挙げられる。付加する長さは、本発明の仲介ポリヌクレオチドとプローブとが結合した場合に、ニッキングエンドヌクレアーゼが実質的に作用できる長さであることが好ましく、当業者であれば適宜設定できる。
塩基配列x3、y3、z2及びy2がこの順で連結された塩基配列は、ステムループ構造を形成するステムループ形成領域Yを形成する(図2(B))。前記ステムループ形成領域Yにおいて、塩基配列x3及びy3がこの順で連結する塩基配列と塩基配列y2とは、両者間でステム構造を形成する逆方向反復配列である。本発明において、前記逆方向反復配列とは、塩基配列x3及びy3がこの順で連結する塩基配列と塩基配列y2とが完全に相補的であるものに限られず、ステムループ構造形成できれば、互いに1個又は数個(例えば、2、3、4、5個)の塩基が付加、欠失、又は置換された配列であってもよい。領域z2は、ステムループ構造のループ部分に該当し、その長さとしては、例えば、2〜8塩基であって、好ましくは、4塩基である。本発明の仲介ポリヌクレオチドがステムループ構造を形成する条件としては、例えば、ニッキングエンドヌクレアーゼの反応可能な温度及びバッファー条件であることが好ましい。領域y3には、ターゲット結合領域Xとプローブ結合領域Zとの間の領域が含まれる(図2(A)参照)。この領域の長さとしては、例えば、0〜5塩基であって、好ましくは、1、2、3、4塩基である。この領域の長さ及び配列は、後述するとおり、ステム構造を形成するy2領域のΔGy2を所定の値にすることを目的として適宜調節できる。
本発明の仲介ポリヌクレオチドの全長は、例えば、30〜60塩基であって、好ましくは、35〜55塩基であって、より好ましくは、40〜50塩基である。
本発明の仲介ポリヌクレオチドは、以下のようにして塩基配列を決定できる。すなわち、図3に示すような平衡反応図を計算機でシミュレーションしてそれぞれの状態の自由エネルギー差から平衡定数Kを算出し、図中のLPTをシグナル、LP及びLstemPをノイズとしてS/N比が高いものを選択することができる。同図において、文字L、P、Tはそれぞれ仲介DNA、プローブ、ターゲットRNAを指す。以下に図に使われている常態の説明をする。Lfree:ステム状態で無いL、LP:LとPが結合したもの、LT:LとTが結合したもの、LPT:LとPとTが結合したもの、Lstem:ステム状態のL、LstemP:Lがステム状態のままPと結合したもの、LstemT:Lがステム状態のままTと結合したもの、LstemPT:Lがステム状態のままP及びTと結合したもの、である。ただし、ΔGはそれぞれの平衡状態における自由エネルギーの差を示している。
より簡単には、以下のようにする。まず、プローブ結合領域Zを決定する(図2参照)。プローブ結合領域Zは、使用するニッキングエンドヌクレアーゼの認識配列の切断されない側の配列に基づき設計する(認識配列は、上記表1参照)。プローブ結合領域ZのΔGz及びプローブがニッキングエンドヌクレアーゼで切断された場合のΔGcutが、以下を満たすようにする。
ΔGz<−13
ΔGcut>−10
ここで、ΔGは、ギプスの自由エネルギーであって、二本鎖形成部位の安定性を示す(低いほど安定する;単位は、kcal/mol)。なお、ΔGは、従来公知のプログラム、又は、Webサイトで容易に計算できる。ΔGを計算する条件としては、例えば、温度が37℃、ポリヌクレオチド濃度が10nM、Naが0.04M、Mgが0.005M、などが挙げられる。なお、同じニッキングエンドヌクレアーゼを使用する場合には、あらたに本発明の仲介ポリヌクレオチドを設計する際にはここまでの工程を省くことができる。
次に、検出対象のターゲット配列に依存するx2及びx3の塩基配列を決定する。x2及びx3は、連続してターゲット配列の相補配列とする必要がある。これらはそれぞれ、
ΔGx2<−11、及び、
−20<ΔGy2<−15
を満たすように設計する。
これらを設定するだけで、本発明の仲介ポリヌクレオチドの塩基配列とすることができる。塩基配列が決定すれば、従来公知の方法により、本発明の仲介ポリヌクレオチドを製造することができる。
以下に、本発明の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法について説明する。本発明の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法は、測定対象試料中に、本発明の仲介ポリヌクレオチド、ニッキングエンドヌクレアーゼ、及び、一端に蛍光物質が結合され他端に蛍光クエンチャーが結合されたプローブを添加すること、並びに、前記試料の蛍光発光を測定することを含む。測定対象のポリヌクレオチドは、二本鎖ポリヌクレオチドでもよいが、一本鎖であることがより好ましい。
本発明の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法には、検出及び/又は測定対象の一本鎖ポリヌクレオチドのターゲット領域と仲介ポリヌクレオチドのターゲット結合領域とが二本鎖を形成することで、前記仲介ポリヌクレオチドのステムループ構造が解除される第1ステップ、ステムループ構造の解除によりアクセス可能となった前記仲介ポリヌクレオチドのプローブ結合領域とプローブとが二本鎖形成する第2ステップ、前記プローブ結合領域とプローブとの二本鎖形成領域にニッキングエンドヌクレアーゼが作用して前記プローブが切断され、切断されたプローブ断片が前記プローブ結合領域から解離するとともに蛍光発光が可能となる第3ステップ、プローブ断片の解離によりアクセス可能となった前記プローブ結合領域へ新たなプローブが結合して二本鎖形成する第4ステップ、及び、前記第3ステップと前記第4ステップが繰り返される第5ステップを含むことが好ましい。すなわち、いったん本発明の仲介ポリヌクレオチドがターゲットと結合すると、プローブの結合、プローブの切断・解離が連続して行われ、反応時間に比例して蛍光発光可能な蛍光物質が増加することが好ましい。
切断されたプローブに結合した蛍光物質の発光は、適切な波長の励起光の照射により行なわれる。例えば、前記蛍光物質がFAMの場合、励起光の波長は488nmであり、蛍光の波長は520nm付近測定することができる。なお、測定試料が複数ある場合には、別の蛍光物質を内部標準として添加しておくことが好ましい。この内部標準により試料間の蛍光測定の誤差を補正できる。前記内部標準の蛍光物質としては、特に制限されないが、プローブに結合された蛍光物質が検出される波長と異なる波長で検出可能な蛍光であることが好ましい。プローブの蛍光物質がFAMの場合、例えば、ROX(検出波長504nm)を使用できる。前記補正の方法としては、例えば、プローブのFAM蛍光シグナル強度を、内部標準のROX蛍光シグナル強度で割った値を測定データとする方法などが挙げられる。
測定対象のRNA試料1nmol/mlに対して、使用する仲介ポリヌクレオチドとしては、例えば、2〜20nmol/mlであって、好ましくは、3〜10nmol/ml、より好ましくは、4〜6nmol/mlである。また、蛍光−クエンチャープローブとしては、100〜1000mol/mlであって、好ましくは、150〜400mol/ml、より好ましくは、180〜200mol/mlである。さらに、ニッキングエンドヌクレアーゼとしては、0.1〜1KU/mlであって、好ましくは、0.25〜1KU/ml、より好ましくは、0.5〜1KU/mlである。前記プローブ及びニックエンドヌクレアーゼとしては、上述のものを使用できる。また、酵素単位Uは、ニッキングエンドヌクレアーゼの製造業者が提供するものを使用できる。
本発明の検出及び/又は測定方法によれば、好ましくは、ターゲットの量が一定であれば、蛍光量を経時的に測定して増加の傾きを算出することでターゲット量の測定が可能である。また、経時的に測定し、増加の傾きが上昇すれば、ターゲット量が上昇し、増加の傾きは減少すれば、ターゲット量が減少していると分かる。すなわち、本発明によれば、好ましくは、ターゲットのリアルタイムの検出及び/又は測定が可能である。
本発明の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定用装置は、前記蛍光を測定する手段を含むほかは特に制限されない。蛍光の測定を経時的に行うことができ、必要に応じてグラフ化する手段及び/又はデータ補正プログラムを含むことが好ましい。前記データ補正としては、例えば、リアルタイム測定に必要なデータ補正が挙げられる。具体的な補正方法としては、実施例3で示す方法が挙げられる。また、前記蛍光測定手段としては、例えば、蛍光プレートリーダーが挙げられる。
本発明のニッキングエンドヌクレアーゼの使用方法は、本発明の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法におけるニッキングエンドヌクレアーゼの使用方法である。具体的には、図1(5)におけるニッキングエンドヌクレアーゼ7の使用方法である。
本発明の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定キットは、ニッキングエンドヌクレアーゼ、及び、取扱説明書を含む。前記取扱説明書の説明としては、例えば、本発明の仲介ポリヌクレオチドの塩基配列の決定方法等の説明が挙げられる。本発明のキットにおいては、さらに、一端に蛍光物質が結合され他端にクエンチャーが結合され、前記ニッキングエンドヌクレアーゼの認識配列の切断される側の配列を含むプローブを含んでもよい。
以下、実施例を用いて本発明をさらに説明する。
(仲介DNAの作製)
下記RNA(バクテリオファージQβ由来;genbank:AY099114 / QbCDS, 3716-3749の相補鎖;配列番号1)を測定対象(ターゲット)とし、また、使用するニッキングエンドヌクレアーゼをNb.BbvCIA(NEB社製)として、本発明の仲介DNA(以下、L−DNAともいう)を作製した(配列番号2)。下記配列番号1で表されるRNA配列の下線部がターゲット配列であって、L−DNAのターゲット結合領域である下記配列番号2で表される配列における下線部配列と相補的である。L−DNAは、委託合成により製造した(北海道システムサイエンス社)。
測定対象:5'- gauugauuag gaccgauccg acgagggcac cauc -3' (配列番号1)
L−DNA:5'- tgccctcgtc ggatcggtcc ttgctcctca gcaaggaccg atcc -3' (配列番号2)
上記L−DNA配列(配列番号2)において、領域x2、x3、y3、z2及びy2、並びに、プローブのΔGz及びΔGcut、L−DNAのΔGx2及びΔGy2は、それぞれ、下記表2のようになる。なお、ΔGは、37℃、10nM、Na:0.04M、Mg:0.005Mで計算した(DNA folding server又はHybridizataion server)。
Figure 0005041580
(既知量RNAサンプルの測定)
既知量ターゲットRNA(配列番号1、0.5nM〜10nM)を含むサンプル試料5μlに対して、15μlの下記表3の組成の検出溶液を加えて37℃で蛍光を測定した。蛍光クエンチャープローブ(FQ−プローブ;配列番号3)は、委託合成により製造した(シグマジェノシス社)。なお、下記プローブ配列の下線部が、Nb.BbvCIAの認識配列である。
FQ−プローブ:FAM−cttgctgagg agc−BHQ1 (配列番号3)
また、内部標準として、ROXリファレンスダイ(インビトロジェン社製)を使用した。
Figure 0005041580
蛍光測定は、ABI PRISM 7700 Sequence Detection System(Applied Biosystems社製)で経時的に行った。測定のための励起光の波長は488nmであり、520nmでFAMの蛍光強度を測定し、504nmでROX蛍光強度を測定した。プローブのFAM蛍光シグナル強度を内部標準のROX蛍光シグナル強度で割った値を測定値とした。さらに、この測定値と予め作製した標準曲線とから切断されたプローブの量を算出した。
前記測定の結果を図4(A)及び(B)に示す。図4(A)に示すとおり、切断されたプローブの量は、経時的に略直線で上昇した。また、前記直線の傾きは、ターゲットの濃度に応じて上昇した。この直線の傾きとターゲット量との関係を示したのが図4(B)である。同図に示すとおり、直線の傾きとターゲット量はきれいな線形性を示し、リニアな相関関係があることが分かった(傾き=0.40×ターゲット濃度+1.28、R2=0.99)。すなわち、未知サンプルのある時点での傾きが分かれば、そのときのターゲット濃度が測定できる。このように、本発明の仲介DNAによれば、ターゲットの固定化、洗浄工程、前処理や後処理などをすることなく、簡便に一本鎖RNAを定性及び定量的に測定できた。なお、ターゲット1分子あたり1時間で50分子程度の蛍光プローブが切断されていた。
(RNAのリアルタイム測定)
バクテリアファージQβのQβレプリカーゼに+鎖RNA(配列番号4)を加えて−鎖RNAを合成させながら、本発明の方法で合成される−鎖RNAの測定を行った。前記Qβレプリカーゼは、RNAを+鎖から−鎖を合成し、−鎖から+鎖を合成する酵素である。この測定に用いたL−DNAは、以下のとおりである(配列番号5)。なお、蛍光クエンチャープローブは、実施例2と同様のFQ−プローブを使用した。
L−DNA:5'- tttttttttgttttttttagatctcgaggcttgctcctcagcaagcctcgagat -3' (配列番号5)
0、12.5、25及び50nMのQβレプリカーゼを含む反応系に下記表4に示すような濃度で、L−DNA、FQ−プローブ、内部標準ROX、ニッキングエンドヌクレアーゼ(Nb.BbvCIA(NEB社製))を加えて37℃で反応させながら蛍光強度を測定した。蛍光測定は、上述のとおり、ABI PRISM 7700 Sequence Detection System(Applied Biosystems社製)で経時的に行った。測定のための励起光の波長は488nmであり、520nmでFAMの蛍光強度を測定し、504nmでROX蛍光強度を測定した。プローブのFAM蛍光シグナル強度を内部標準のROX蛍光シグナル強度で割った値を測定値とした。また、後述するデータ補正に用いるためにQβレプリカーゼ及び+鎖RNAに換えて5、10及び20nMの標準RNA試料を前記反応溶液に添加して測定した。
Figure 0005041580
上記測定の結果を図5(A)に示す。この測定データを補正して図5(B)に示すとおり、Qβレプリカーゼの添加量(0、12.5、25、50nM)に応じて合成される−鎖RNA(ターゲット)が経時的に増加する様子を示した解析データを得た。すなわち、本発明の仲介DNAにより、リアルタイムでRNA量が測定できることが示された。
前記測定データの補正は、例えば、下記通常補正と最高補正の2通りの補正方法で行うことができる。いずれの場合も、まず、蛍光測定値F、その変化速度(微分)をVとして、ある時間tでのFとそのτ時間後のFとの差V=(F(t+τ)−F(t))/τを求める。通常補正の場合、標準RNA試料について、ターゲット濃度に対して前記Vをプロットして標準曲線を描く(図5(C))。この標準曲線に基づき、未知サンプルのある時間tのVから時間tでのターゲット濃度を得る:RNA=a×V−b。最高補正は、蛍光退色やプローブの切断による減少を考慮した補正である。すなわち、蛍光退色の補正を行い、F2を求める;F2=F×exp(kdec×t)。また、FQ−プローブが切断により減少していくことの速度に対する影響を補正し、Vcorを求める;Vcor=V/(α×F2+1)。その後、前記標準曲線からRNA濃度を得る;RNA=a×Vcor−b。さらに定常状態になるまでの緩和を補正する:RNAcor=(RNA−RNA0)/(1−exp(−k2t))+RNA0。ここで、kdecは退色速度定数、k2は緩和速度定数、RNA0は時間0に外装したときの緩和補正前RNAである。
(L−DNAの特異性の確認)
実施例2と同様のL−DNA及びFQ−プローブを使用した上記表3に示す反応溶液に、ターゲットRNA(10nM)及び非ターゲットRNAである酵母トータルRNA(25μg、250μg)を加えて蛍光強度を測定し、L−DNAに対する非ターゲットRNAの影響を調べた。その測定結果を図6(A)に示す。同図において、実線がターゲットRNAが存在する場合(+)、破線がターゲットRNAが存在しない場合(−)を示す。同図に示すとおり、非ターゲットRNAである酵母トータルRNAが25ng(ターゲットの約100倍)存在してもターゲットへの特異性は失われず、しかも、反応速度もほとんど影響されなかった。また、非ターゲットRNAである酵母トータルRNAが250ng(ターゲットの約1000倍)存在する場合にも、反応速度は落ちるものの、ターゲットRNAの有無で明確な差異がありターゲットへの特異性が失われないことが示された。
次に、実施例2と同様のL−DNA及びFQ−プローブを使用した上記表3に示す反応溶液に、ターゲットRNA(10nM)及びターゲットのアンチセンスRNA(10nM、100nM)を加えて蛍光強度を測定し、L−DNAに対するアンチセンスRNAによる競合の影響を調べた。その測定結果を図6(B)に示す。同図において、実線がターゲットRNAが存在する場合(+)、破線がターゲットRNAが存在しない場合(−)を示す。同図に示すとおり、アンチセンスRNAが10nMの場合、反応速度が減少した。一方、アンチセンスRNAが100nMの場合、ターゲットRNAの有無で差がなく、L−DNAがターゲットと結合できなくなったことを示す。これらの結果は、L−DNAがターゲットRNAに対して高い特異性があることを示す。
以上説明したとおり、本発明の仲介ポリヌクレオチドは、例えば、ウイルス感染病態の臨床診断やトランスクリプトーム解析などに有用である。また、本発明の仲介ポリヌクレオチドを用いた一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法は、例えば、現在あまり利用用途がないニッキングエンドヌクレアーゼに有用な使用用途を提供できる。
図1は、本発明の仲介ポリヌクレオチドを用いた一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法を説明する図である。 図2は、本発明の仲介ポリヌクレオチドの構成を説明する図である。(A)は、本発明の仲介ポリヌクレオチドの一次元構造の模式図であって、(B)は、本発明の仲介ポリヌクレオチドがステムループを形成した場合の模式図である。 図3は、本発明の仲介ポリヌクレオチドの平衡反応のシミュレーションの一例を示す図である。LPT及びLstemPTがターゲット依存シグナルで、LP及びLstemPがターゲット非依存のノイズと評価できる定常状態解析モデルである。 図4(A)は、本発明の仲介ポリヌクレオチドを使用して既知量のターゲットRNAに対するプローブの蛍光発光量を測定した結果の一例を示すグラフであり、図4(B)は、ターゲットRNAの量と図4(A)における傾きとの関係を示すグラフである。 図5(A)は、本発明の仲介ポリヌクレオチドを使用してターゲットRNAに対するプローブの蛍光発光量の測定データの一例を示すグラフであり、図5(B)は、図5(A)の測定データを補正して測定時間におけるターゲットRNA量を算出した解析データの一例を示すグラフであり、図5(C)は、前記補正に使用した標準RNA試料の標準曲線の一例を示すグラフである。 図6(A)は、ターゲットRNA以外のRNAが存在する場合の影響を調べた結果の一例を示すグラフであり、図6(B)は、ターゲットRNAのアンチセンスRNAが存在する場合の影響を調べた結果の一例を示すグラフである。
符号の説明
1・・本発明の仲介ポリヌクレオチド
2・・ターゲット
3・・プローブ
4・・蛍光物質
5・・クエンチャー
6・・ステム構造
7・・ニッキングエンドヌクレアーゼ
8・・蛍光発光
X・・ターゲット結合領域
Y・・ステムループ形成部
Z・・プローブ結合領域
x2・・ステム形成時ターゲット結合領域
x3・・ステム解離後ターゲット結合領域
y2・・ステム形成領域
y3・・ターゲット非結合ステム形成領域
z2・・ループ領域
配列番号2:仲介DNA
配列番号3:プローブ
配列番号5:仲介DNA

Claims (9)

  1. 試料中のターゲットである一本鎖ポリヌクレオチドを検出及び/又は測定する方法であって、
    前記試料中に、ターゲットとプローブとを仲介する仲介ポリヌクレオチド、ニッキングエンドヌクレアーゼ、及び、一端に蛍光物質が結合され他端にクエンチャーが結合されたプローブを添加すること、並びに、
    前記試料の蛍光発光を測定することを含み、
    前記仲介ポリヌクレオチドが、
    ターゲット結合領域と、プローブ結合領域と、ステムループ形成領域とを備え、
    前記ステムループ形成領域が、前記ターゲット結合領域の一部、及び、前記プローブ結合領域を含み、
    前記プローブ結合領域が、ニッキングエンドヌクレアーゼの認識配列の切断されない側の配列を含み、
    ターゲットが非存在の場合には、前記ステムループ形成領域においてステムループ構造が形成されてプローブと前記プローブ結合領域との結合が制限され、
    ターゲットが存在する場合には、前記ターゲットと前記ターゲット結合領域とが結合することで前記ステムループ構造が解除されて前記プローブと前記プローブ結合領域との結合が促進されるポリヌクレオチドである、
    一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法。
  2. 前記仲介ポリヌクレオチドが、
    塩基配列x2、x3、y3、z2及びy2がこの順で連結された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、
    塩基配列x2とx3とがこの順で連結された塩基配列が、前記ターゲットとハイブリダイズ可能な塩基配列からなる前記ターゲット結合領域を形成し、
    塩基配列y3の一部、z2、及び、y2の一部がこの順で連結された塩基配列が、前記プローブとハイブリダイズ可能な塩基配列からなる前記プローブ結合領域を形成し、
    塩基配列x3、y3、z2及びy2がこの順で連結された塩基配列が、前記ステムループ構造を形成する前記ステムループ形成領域を形成し、
    前記ステムループ形成領域において、塩基配列x3及びy3がこの順で連結する塩基配列と塩基配列y2とが互いにステム構造を形成する逆方向反復配列であって、塩基配列z2がループ構造を形成する配列であり、
    前記ターゲットが非存在の場合には前記ステムループ構造が形成され、前記プローブと前記プローブ結合領域との結合が制限され、
    前記ターゲットが存在する場合には、前記ターゲットと前記ターゲット結合領域とが結合することで前記ステムループ構造が解除されて前記プローブと前記プローブ結合領域との結合が促進されるポリヌクレオチドであり、
    前記ターゲット領域と前記ターゲット結合領域とが二本鎖を形成することで、前記仲介ポリヌクレオチドのステムループ構造が解除される第1ステップ、
    ステムループ構造の解除によりアクセス可能となった前記プローブ結合領域と前記プローブとが二本鎖形成する第2ステップ、
    前記プローブ結合領域と前記プローブとの二本鎖形成領域にニッキングエンドヌクレアーゼが作用して前記プローブが切断され、切断されたプローブ断片が前記プローブ結合領域から解離するとともに蛍光を発光する第3ステップ、
    プローブ断片の解離によりアクセス可能となった前記プローブ結合領域へ新たなプローブが結合して二本鎖形成する第4ステップ、及び、
    前記第3ステップと前記第4ステップが繰り返される第5ステップ、を含む請求項1記載の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法。
  3. 前記プローブ及び前記プローブ結合領域が二本鎖を形成した場合にニッキングエンドヌクレアーゼに認識部位が形成され、前記プローブが切断される側の配列を含み、前記プローブ結合領域が切断されない側の配列を含む、請求項2記載の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法。
  4. 前記z2の長さが、4塩基である請求項2又は3に記載の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法。
  5. 前記仲介ポリヌクレオチドの長さが、30〜60塩基である、請求項1から4のいずれか一項に記載の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法。
  6. さらに、前記蛍光発光を経時的に測定することを含み、前記試料中の一本鎖ポリヌクレオチドの濃度をリアルタイムで検出及び/又は測定する請求項1から5のいずれか一項に記載の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法。
  7. ニッキングエンドヌクレアーゼの使用方法であって、請求項1から6のいずれか一項に記載の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法においてニッキングエンドヌクレアーゼを使用する方法。
  8. 請求項1から6のいずれか一項に記載の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定方法を行うためのキットであって、
    前記仲介ポリヌクレオチド、前記ニッキングエンドヌクレアーゼ、及び、前記一端に蛍光物質が結合され他端にクエンチャーが結合されたプローブを含む、
    一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定用キット。
  9. さらに、取扱説明書を含む、請求項記載の一本鎖ポリヌクレオチドの検出及び/又は測定用キット。
JP2006282975A 2006-10-17 2006-10-17 仲介ポリヌクレオチド Expired - Fee Related JP5041580B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006282975A JP5041580B2 (ja) 2006-10-17 2006-10-17 仲介ポリヌクレオチド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006282975A JP5041580B2 (ja) 2006-10-17 2006-10-17 仲介ポリヌクレオチド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008099570A JP2008099570A (ja) 2008-05-01
JP5041580B2 true JP5041580B2 (ja) 2012-10-03

Family

ID=39434410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006282975A Expired - Fee Related JP5041580B2 (ja) 2006-10-17 2006-10-17 仲介ポリヌクレオチド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5041580B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003325200A (ja) * 2002-03-08 2003-11-18 Kazuko Matsumoto 新規高感度核酸解析法
EP2258872B1 (en) * 2002-03-13 2013-08-14 Genomic Health, Inc. Gene expression profiling in biopsied tumor tissues
WO2003100095A1 (fr) * 2002-05-08 2003-12-04 Arkray, Inc. Procede de detection d'un acide nucleique cible
JP2004329209A (ja) * 2003-04-18 2004-11-25 Hitachi Ltd 遺伝子検出法及び遺伝子検出用プローブキット
CA2552949C (en) * 2004-01-07 2012-10-02 Third Wave Technologies, Inc. Determination of hepatitis c virus genotype
JP2005253427A (ja) * 2004-03-15 2005-09-22 Aisin Seiki Co Ltd 核酸検出方法及び核酸単離方法
JP5078358B2 (ja) * 2004-10-28 2012-11-21 大塚製薬株式会社 腎細胞癌に対するインターフェロン治療反応性識別マーカー
US9012142B2 (en) * 2005-02-15 2015-04-21 Georgetown University Sequence-specific detection of nucleotide sequences
JP2006223167A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Institute Of Physical & Chemical Research 椎間板変性関連疾患感受性遺伝子およびその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008099570A (ja) 2008-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3943614A1 (en) Novel probe set for isothermal one-pot reaction, and uses thereof
JP6126381B2 (ja) 標的核酸の検出方法及びキット
JP2008259496A (ja) Dnaアプタマーを用いて標的タンパク質を検出する方法及びキット
CN109536577B (zh) 一种末端脱氧核酸酶活力的测定方法与应用
US20050208495A1 (en) Real-time detection of nucleic acid reactions
CN116590387B (zh) 一种基于CRISPR系统的ssDNA检测方法及应用
CN109706224A (zh) 一种核酸外切酶iii辅助的多重循环扩增用于灵敏地检测dna的方法
US20110294125A1 (en) Colorimetric biosensor with allosteric dnazyme activation and rolling circle signal amplification
Liu et al. Systematically investigating the fluorescent signal readout of CRISPR-Cas12a for highly sensitive SARS-CoV-2 detection
Xue et al. Highly sensitive protein detection based on aptamer probe and isothermal nicking enzyme assisted fluorescence signal amplification
JPWO2003100095A1 (ja) 標的核酸の検出法
El‐Deeb et al. Toward a Home Test for COVID‐19 Diagnosis: DNA Machine for Amplification‐Free SARS‐CoV‐2 Detection in Clinical Samples
CN112903641A (zh) 一种检测组蛋白修饰酶的生物传感器及其检测方法和应用
CN104726548A (zh) 一种基于杂交链式反应的dna、rna或蛋白质检测探针、检测方法及试剂盒
JP5041580B2 (ja) 仲介ポリヌクレオチド
KR20230063086A (ko) 분할된 t7 프로모터를 이용한 중증 급성 호흡기 증후군 코로나바이러스 2 검출 및/또는 이의 돌연변이 검출용 등온 단일 반응 프로브 세트 및 이의 용도
Li et al. Ultrasensitive detection of microRNAs based on click chemistry-terminal deoxynucleotidyl transferase combined with CRISPR/Cas12a
JP2008220191A (ja) 機能性核酸を用いた分子センサー
US20220213547A1 (en) Multivalent nucleic acid nanostructure for nucleic acid detection, and highly sensitive nucleic acid probe using same
Li et al. One-pot, ultrasensitive, and multiplex detection of SARS-CoV-2 genes utilizing self-priming hairpin-mediated isothermal amplification
CN112980844A (zh) 针对有转录活性的SARS-CoV-2的检测试剂盒和使用方法
JP7477183B2 (ja) 新規な等温単一反応用プローブセット及びその用途
CN114410793B (zh) 一种无标记荧光检测fen1活性的方法
CN113322308B (zh) 一种检测hbv的荧光传感器及其制备与应用
KR20230063085A (ko) 분할된 t7 프로모터를 이용한 등온 단일 반응용 프로브 세트 및 이의 용도

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091009

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20110318

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120709

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5041580

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150720

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees