JP5040837B2 - クランプ - Google Patents
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特開2003−32853号公報に提案されているグロメット1は、柔軟性を有するゴムまたはエラストマーから形成されていると共に、グロメット1の外周には開口周縁のパネル2と嵌合する嵌合溝1aをパネル2の板厚と同幅で設けており、グロメット1の嵌合溝1aに開口周縁のパネル2を通すことにより、グロメット1を前記開口3に取り付けている。
下端中央をヒンジ部で連続させた左右一対の分割部からなる一体成形品からなり、
前記一対の各分割部は、前記パネルの開口底部に嵌合する底面部と、前記ワイヤハーネスを上面開口から挿入後に互いにロック結合する上面部と、前記底面部と上面部の間の側部を備え、これら底面部、側部および上面部の内面側に前記ワイヤハーネス貫通用の円弧部を備え、
前記底面部から側部の角部にかけて外面に前記パネルの板厚に相当する幅の円弧状の下端嵌合溝を備え、該下端嵌合溝の上方の前記側部の外面に前記パネル挟持用の空隙をあけて幅方向に一対の突出部を設けると共に、該突出部の下端には前記パネル挟持用の空隙に連続してハ字状に広がる誘い込み部を備え、かつ、前記側部の上端に前記下端嵌合溝と同一幅の上端嵌合溝を設け、これら下端嵌合溝、突出部間の空隙および上端嵌合溝に前記パネルを通して取り付けることを特徴とするクランプを提供している。
また、前記パネル挟持用の空隙はクランプ側部に設けた一対の突出部によって形成されているため、所定深さを有する前記一対の突出部によって開口周縁の左右のパネルを安定状態で挟持することができる。
なお、前記上端嵌合溝は、前記パネル挟持用の空隙に連続して、空隙の幅をパネルの板厚相当幅まで狭めた前記一対の突出部の上端部分によって形成される。
前記クランプを形成する樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレンなどが好ましく用いられる。
また、前記突出部の間の空隙の幅方向寸法L2をパネルの板厚に対して1.3〜1.5倍とすることにより、引っかかり等が発生することなくスムーズにパネルを空隙に通すことができると共に、安定してパネルを挟持することができる。
さらに、前記誘い込み部の幅方向の最大寸法L3、即ち、ハ字状に開いた誘い込み部の下端部間の長さをパネルの板厚に対して11〜12倍とすることで、差し込み時にクランプのパネル挟持用の空隙とパネルとの間に板厚の5.5〜6倍のズレが生じていたとしても、前記誘い込み部によってパネルを前記空隙にスムーズに誘導することができ、かつ前記範囲内であればクランプが肥大化することも抑えられる。
また、前記下端嵌合溝の円弧状の溝長さや溝深さも、開口下端の屈曲部分周縁のパネルを安定保持できるようにパネルの板厚や開口の寸法、形状などに応じて適宜設定すればよい。例えば、クランプの底面部と側部が交わる角部頂点から前記下端嵌合溝の底面までの溝深さは、前記突出部の突出量と同程度とすることが好ましい。
また、前記のように、少なくとも1個の円形穴の内周面に前記ワイヤハーネスに外装するコルゲートチューブの谷部に嵌合する突起部を設けておくことにより、ワイヤハーネスを前記円形穴にしっかりと固定することができる。
前記円形穴は上下2段とし、一方の円形穴に前記外部から挿入するワイヤハーネスにコルゲートチューブを外装して貫通している一方、他方の円形穴には前記突起部を設けず、前記パネル内部からワイヤハーネスに絶縁シートを巻き付けて貫通していることが好ましい。
このように、前記構成によれば、目視しにくい場所であってもクランプをパネルのU字状の開口に容易に差し込んでいくことができるため、クランプの取付性を向上させることができる。
図1乃至図5に本発明の実施形態を示す。
図2および図4に示すように、本実施形態のクランプ10は、ワイヤハーネスW/H−1、W/H−2を貫通させて、車体搭載機器であるパワーコントロールモジュール20を搭載する断面閉形状のパネル21に設けたU字状の開口22に装着するものである。
また、前記2段の円形穴14、15のうち、大径の円形穴14には、貫通させるワイヤハーネスW/H−1のコルゲートチューブ30の谷部に嵌合する突起部16を設けている。
なお、本実施形態では、上端嵌合溝11k、12kの長さは、パネル挟持用の空隙11h、12hの長さの12%程度とし、突出部11i、12iの突出量(上端嵌合溝11k、12kおよびパネル挟持用の空隙の深さ)は、パネル21の板厚の2.4倍程度としている。さらに、底面部11a、12aと側部11b、12bが交わる角部11a−b、12a−bの頂点から下端嵌合溝11g、12gの底面までの溝深さは、突出部11i、12iの突出量と同程度としている。
コルゲートチューブ30で外装され、パネル21のU字状の開口22からパネル21の内部に挿通されてパワーコントロールモジュール20の下面側のコネクタ(図示せず)に接続されるワイヤハーネスW/H−1をクランプ10の大径の円形穴14に貫通させる一方、貫通した前記ワイヤハーネスW/H−1から分岐されUターン状に開口22からパネル21の外部に挿通されるワイヤハーネスW/H−2をクランプ10の小径の円形穴15に貫通させる。前記小径の円形穴15を貫通させるワイヤハーネスW/H−2には絶縁シート(PVCシート)31を巻き付けている。
具体的には、図2(A)のように、クランプ10を誘い込み部11j、12jからU字状の開口22周縁の左右のパネル21に差し込んで、クランプ10のパネル挟持用の空隙11h、12hに前記左右のパネル21を通し、該パネル21の上部をクランプ10の上端嵌合溝11k、12kに固定すると共に、パネル21の左右下端部をクランプ10の下端嵌合溝11g、12gに固定することで、U字状の開口22へのクランプ10の取付けが完了する[図2(B)]。
このように、前記構成によれば、目視しにくい場所であってもクランプ10をパネル21のU字状の開口22に容易に差し込んでいくことができるため、クランプ10の取付性を向上させることができる。
11、12 分割部
11a、12a 底面部
11b、12b 側部
11c、12c 上面部
11c−1 被ロック枠
12c−1 ロック爪
11d、12d、11e、12e 円弧部
11g、12g 下端嵌合溝
11h、12h パネル挟持用の空隙
11i、12i 突出部
11j、12j 誘い込み部
11k、12k 上端嵌合溝
11m ガタつき防止用の弾性片
13 ヒンジ部
14、15 円形穴
16 突起部
20 パワーコントールモジュール
21 パネル
22 U字状の開口
23 ボルト穴
24 ボルト
30 コルゲートチューブ
31 絶縁シート
Claims (4)
- ワイヤハーネスを貫通させて、車体または車体搭載機器のパネルに設けられたU字状の開口に差し込んで装着する樹脂製のクランプであって、
下端中央をヒンジ部で連続させた左右一対の分割部からなる一体成形品からなり、
前記一対の各分割部は、前記パネルの開口底部に嵌合する底面部と、前記ワイヤハーネスを上面開口から挿入後に互いにロック結合する上面部と、前記底面部と上面部の間の側部を備え、これら底面部、側部および上面部の内面側に前記ワイヤハーネス貫通用の円弧部を備え、
前記底面部から側部の角部にかけて外面に前記パネルの板厚に相当する幅の円弧状の下端嵌合溝を備え、該下端嵌合溝の上方の前記側部の外面に前記パネル挟持用の空隙をあけて幅方向に一対の突出部を設けると共に、該突出部の下端には前記パネル挟持用の空隙に連続してハ字状に広がる誘い込み部を備え、かつ、前記側部の上端に前記下端嵌合溝と同一幅の上端嵌合溝を設け、これら下端嵌合溝、突出部間の空隙および上端嵌合溝に前記パネルを通して取り付けることを特徴とするクランプ。 - 前記下端嵌合溝および上端嵌合溝の幅方向寸法L1はパネルの板厚に対して、1.0〜1.1倍とし、前記突出部の間の空隙の幅方向寸法L2はパネルの板厚に対して1.3〜1.5倍とし、前記誘い込み部の幅方向の最大寸法L3はパネルの板厚に対して11〜12倍としている請求項1に記載のクランプ。
- 前記一対の分割部の内面側に設ける前記ワイヤハーネス貫通用の円弧部は、分割部の上面のロック結合時に上下複数段の円形穴とし、少なくとも1個の円形穴の内周面に前記ワイヤハーネスに外装するコルゲートチューブの谷部に嵌合する突起部を設けている請求項1または請求項2に記載のクランプ。
- 前記車体搭載機器の断面閉形状のパネルに設けた前記U字状の開口を通して、ワイヤハーネスを外部からパネル内部に挿入すると共に、前記パネル内部からワイヤハーネスを引き出してUターン状に挿通し、これらワイヤハーネスを前記パネルに挿通後にパネルの上端に前記開口上面を閉鎖する状態で機器本体をパネルにボルト固定しており、
前記円形穴は上下2段とし、一方の円形穴に前記外部から挿入するワイヤハーネスにコルゲートチューブを外装して貫通している一方、他方の円形穴には前記突起部を設けず、前記パネル内部からワイヤハーネスに絶縁シートを巻き付けて貫通している請求項3に記載のクランプ。
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