JP2012200102A - ドア用配線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤーハーネスに外装された外装部材と、ワイヤーハーネスを案内する案内部との間での異音の発生を抑制することを目的とする。
【解決手段】車体とドアとの間に配設されるドア用配線装置であって、車体とドアとの間に配索されるワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスのうち前記車体と前記ドアとの間に架け渡される部分を囲うように配設された外装部材20と、前記外装部材20のうち前記ドア側の端部を含む一部分の、前記ドア内における変位経路を案内する案内部50と、前記ドア内において前記案内部50に連なって設けられ、前記外装部材20のうち前記ドア側の端部から延出する前記ワイヤーハーネスを余長吸収可能な状態で収容する収容部とを有するプロテクタPとを備える。案内部50は、外装部材20の外周部にスライド可能に接触しつつ、外装部材20を案内部50内に向けて押えるガイドバネ部60を少なくとも1つ有する。
【選択図】図8
【解決手段】車体とドアとの間に配設されるドア用配線装置であって、車体とドアとの間に配索されるワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスのうち前記車体と前記ドアとの間に架け渡される部分を囲うように配設された外装部材20と、前記外装部材20のうち前記ドア側の端部を含む一部分の、前記ドア内における変位経路を案内する案内部50と、前記ドア内において前記案内部50に連なって設けられ、前記外装部材20のうち前記ドア側の端部から延出する前記ワイヤーハーネスを余長吸収可能な状態で収容する収容部とを有するプロテクタPとを備える。案内部50は、外装部材20の外周部にスライド可能に接触しつつ、外装部材20を案内部50内に向けて押えるガイドバネ部60を少なくとも1つ有する。
【選択図】図8
Description
この発明は、車体とドア間に配索される配線を案内する技術に関する。
車体とドアとの間に配索されるワイヤーハーネスは、ドアの開閉に伴って曲げ変形する必要がある。特に、ドアを開いた場合には、ワイヤーハーネスに余長が生じる。かかる余長を吸収する技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1では、ドアに組込まれるスプールプロテクタ内に、ワイヤーハーネスの余長を吸収する空間が形成されると共に、電線引出用の電線引出部が形成されている。
その他、ワイヤーハーネスを、その余長を吸収しつつ案内する構成が、特許文献2に開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2に開示の技術では、ワイヤーハーネス或はワイヤーハーネスに外装されたチューブと、ドア側でワイヤーハーネス等を案内する経路との間に隙間が多く存在する。このため、車両走行時の振動及びドア開閉時の振動等によって、ワイヤーハーネス或はこれに外装されたチューブと、前記経路とが接触し、異音等が発生する。
そこで、本発明は、ワイヤーハーネスに外装された外装部材と、ワイヤーハーネスを案内する案内部との間での異音の発生を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様は、車体とドアとの間に配設されるドア用配線装置であって、前記車体と前記ドアとの間に配索されるワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスのうち前記車体と前記ドアとの間に架け渡される部分を囲うように配設された外装部材と、前記外装部材のうち前記ドア側の端部を含む一部分の、前記ドア内における変位経路を案内する案内部と、前記ドア内において前記案内部に連なって設けられ、前記外装部材のうち前記ドア側の端部から延出する前記ワイヤーハーネスを余長吸収可能な状態で収容する収容部とを有するプロテクタとを備え、前記案内部は、前記外装部材の外周部にスライド可能に接触しつつ、前記外装部材を前記案内部内に向けて押えるガイドバネ部を少なくとも1つ有する。
第2の態様は、第1の態様に係るドア用配線装置であって、前記少なくとも1つのガイドバネ部は、前記案内部における前記外装部材の挿入方向両端側からその中間部に向けて、前記案内部の内側への突出寸法が徐々に大きくなるガイド面を有している。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係るドア用配線装置であって、前記案内部は、前記ワイヤーハーネスの出入口となる案内口部を有し、前記少なくとも1つのガイドバネ部は、前記案内口部に設けられている。
第4の態様は、第1〜第3のいずれか1つの態様に係るドア用配線装置であって、前記少なくとも1つのガイドバネ部は、前記案内部の途中に設けられている。
第5の態様は、第1〜第4のいずれか1つの態様に係るドア用配線装置であって、前記少なくとも1つのガイドバネ部は、前記案内部を通る前記外装部材を挟むように設けられた一対のガイドバネ部を含む。
第1の態様に係るドア用配線装置によると、前記案内部は、前記外装部材の外周部にスライド可能に接触しつつ、前記外装部材を前記案内部内に向けて押えるガイドバネ部を有しているため、外装部材と案内部との間での異音の発生を抑制することができる。
第2の態様によると、ガイドバネ部のガイド面が、外装部材に引っかかり難くなる。このため、外装部材が案内部内を円滑に移動する。
また、車体とドアとの間に配索されるワイヤーハーネスは、車体とドアとの間で振動し易い。そこで、第3の態様のように、前記ガイドバネ部を、案内部の案内口部に設けることで、車両走行による振動或はワイヤーハーネスの振動を効果的に抑制できる。また、振動を抑制できる結果、エンジン振動等による異音を抑制できる。
第4の態様によると、案内部の途中で、ワイヤーハーネスの振動を抑制できる。
第5の態様によると、一対のガイドバネ部が、案内部を通る前記外装部材を挟むように設けられているため、外装部材と案内部との間での異音の発生をより効果的に抑制することができる。
以下、実施形態に係るドア用配線装置について説明する。
図1はドア用配線装置10が車体2及びドア6に組付けられた状態を示す説明図であり、図2はドア用配線装置10の車体2への取付部分を示す概略分解斜視図であり、図3及び図4はドア6の開閉に伴うドア用配線装置10の動作を示す説明図である。なお、図3はドア6が開いた状態を示し、図4はドア6が閉じた状態を示している。
<ドア用配線装置の適用対象例>
まず、ドア用配線装置10の適用対象例について説明する。
まず、ドア用配線装置10の適用対象例について説明する。
このドア用配線装置10は、車体2とドア6との間に配設され、それらの間にワイヤーハーネスWHを配索するための装置として構成されている。
ここで、ワイヤーハーネスWHは、複数の電線を束ねることによって構成されており、車体2及びドア6に組付けられた状態で、車体側の電源、電子制御ユニット、スイッチ等の電気機器とドア6に搭載されるスイッチ、パワーウインドウモータ、ドアロックモータ、ミラーモータ及びスピーカー等の電気機器とを電気的に接続する。ワイヤーハーネスWHのうち車体2からドア6に架け渡される部分は、複数の電線が1本に束ねられている。また、ワイヤーハーネスWHの端部は、接続先となる電気機器の配置に合わせて適宜分岐されていてもよい。
ドア6は、車体2に形成されている乗降口を開閉可能なように、車体2に対してドアヒンジ5(一般的に一対のドアヒンジ5を有するが、図1では一方のみ表示)により連結されている。なお、車体2とは、金属部材で形成されたフレーム部分を言うものとする。ここでは、ドア6は、フロントサイドドアであり、説明の便宜上、鉛直方向に沿った軸(ドアヒンジ5の回転軸)周りに姿勢変更するように車体2に対して連結されているものとする。
なお、上記車体2及びドア6には、ドア6を所定の開度(全開姿勢、半開姿勢等)で維持するための開度規制部3(ドアチェックリンクとも言う)が設けられている。より具体的には、開度規制部3は、アーム部3aとケース部3bとを備えている。アーム部3aは、一端部(以下、車体側連結部)が車体2に対して相対回転可能に連結され、長手方向複数位置に他の部分より肉薄(車体の上下方向に薄肉)な部分が形成された棒状に形成されている。なお、図1では、アーム部3aの厚薄は省略して示している。ケース部3bは、アーム部3aを挿通可能な貫通孔を有する筐状に形成され、その内部にアーム部3aを挟むように押圧付勢される図示省略の挟持部を有している。すなわち、ケース部3bは、挿通されるアーム部3aに対して、挟持部が薄肉部を挟む位置に留まり易くなっている。このケース部3bは、ドア6に対して固定され、開度規制部3のドア側連結部を担っている。
そして、ドア6の開閉動作に連動して、アーム部3aがケース部3bに対して相対挿通移動される。ケース部3bの挟持部がアーム部3aの薄肉部を挟む位置にある状態では、厚肉部を乗り越えられるような外力が加えられない限り、ドア6の姿勢が維持される。一般的に、アーム部3aの薄肉部の位置は、ドア6の半開姿勢及び全開姿勢で姿勢維持可能なように設定されている。なお、アーム部3aは、ドア6の閉動作に伴ってドア6内に進入し、開動作に伴ってドア6内から退出する。
この開度規制部3は、一般的に、上下方向において一対のドアヒンジ5の間の位置、すなわち、ドア6の中間部分(ウインドウ部分を除く)に設けられる。
また、ドア6には、その周縁部に沿って防水用のウェザーストリップ6wが設けられている(図3、図4参照)。このウェザーストリップ6wは、ドア6を閉めた状態で、車体2の乗降口の開口縁部に密着して、車室内外において水密状態を保持可能なゴム等で形成された弾性部材である。そして、本配線装置10は、ウェザーストリップ6wより車室内側にワイヤーハーネスWHを配索できる構成となっている。
ドア6は、ドアインナーパネル7及びその外側に設けられる外装部材としてのドアアウターパネルと、ドアインナーパネル7の内側に取り付けられる内装部材としてのトリム8とを有している(図3、図4参照)。一般的には、ドアインナーパネル7及びドアアウターパネルは、金属材料で形成され、トリム8は、合成樹脂材料等で形成される。また、ドア6は、その前端部から内部にワイヤーハーネスWHを挿通可能に構成されている。ここでは、ドアインナーパネル7の凹部7hの前方側開口部を通じてドアインナーパネル7とトリム8との間にワイヤーハーネスWHを配索可能になっている(図1参照)。この凹部7hは、後述するプロテクタPを収容する凹状部分であり、ドアインナーパネル7の車室内側で開口すると共に、前記前方側開口部を有している。
また、車体2には、車体2内にワイヤーハーネスWHを挿通するための孔部2hが形成されている。この孔部2hは、乗降口の開口縁部のうち、凹部7hの前方側開口部に対してドア6の閉姿勢で車体2の前後方向に対向する部分に形成されている。なお、凹部7hの前方側開口部及び孔部2hは、ドア6を閉めた状態では、車体2の内装部材及びドア6のトリム8等により隠れるようになっている。
また、ここでは、ワイヤーハーネスWHが車体2とドア6との間でウェザーストリップ6wより車室内側に配索されるため、凹部7hの前方側開口部及び孔部2hは、当該ウェザーストリップ6wより車室内側に形成されている(図3、図4参照)。
<ドア用配線装置の全体構成>
ドア用配線装置10の全体構成について説明する。ドア用配線装置10は、上記ワイヤーハーネスWHと、外装部材20と、プロテクタPとを備えている。
ドア用配線装置10の全体構成について説明する。ドア用配線装置10は、上記ワイヤーハーネスWHと、外装部材20と、プロテクタPとを備えている。
外装部材20は、ワイヤーハーネスWHのうち車体2からドア6に架け渡される部分を囲うように配設されている。この外装部材20は、ワイヤーハーネスWHを、外部から保護すると共に、車体2とドア6との間での垂れ下がり等を抑制する機能を果す。
ここでは、外装部材20は、環状凸部22と環状凹部24とが軸方向に沿って交互に連続的に形成された構成されている。そして、外装部材20に対して外力が加えられると、主として環状凸部22と環状凹部24との境界部分が容易に弾性変形することで、外装部材20が全体として容易に曲るようになっている。そして、外装部材20内に、ワイヤーハーネスWHが挿通されることで、当該ワイヤーハーネスWHを保護する。かかる形状を有する外装部材20は、コルゲートチューブとも呼ばれる。このような外装部材20は、合成樹脂又は合成ゴム等のエラストマーを、押出成型すると共にブロー成型或いはバキューム成型することにより、製造される。
また、外装部材20は、扁平な筒状に形成されている。外装部材20を扁平な筒状に形成するためには、外装部材20の断面視形状を、楕円形或は角を丸められた長方形等に形成するとよい。ここでは、外装部材20の断面視形状を、一対の半円弧状形状の両端部を直線部分で連結した形状に形成している。このように外装部材20を扁平な筒状に形成すると、外装部材20は、その短径方向では比較的容易に曲げ変形できる一方、その長径方向では比較的曲げ変形し難くなる。そこで、外装部材20の短径方向を水平面に沿わせると共に、外装部材20の長径方向を、鉛直方向に沿った軸(ドアヒンジ5の回転軸)に沿わせるようにして、外装部材20を車体2とドア6との間に配設する。これにより、外装部材20は、水平面内において、ドア6の開閉動作に追随して車体2とドア6との間で曲がることができ、また、車体2とドア6との間で垂れ下がりを抑制してワイヤーハーネスWHを支持できる。
また、外装部材20の一端部は、ワイヤーハーネスWHのうち車体2内に配索される部分に対してテープT巻き等されて固定されている。また、外装部材20の一端部には、車体2に取り付けられる取付部材30が固定されている。また、外装部材20の他端部は、ワイヤーハーネスWHのうちドア6内(ここでは後述する案内部50内)に配索される部分にテープT巻き等されて固定され、当該ワイヤーハーネスWHと共にドア6内に進退移動可能とされている。
取付部材30(エッジプロテクタとも言う)は、外装部材20の一方の端部寄りの一部分を車体2に対して固定可能に構成されている(図2参照)。この取付部材30は、外装部材20のうち一方の端部寄りの一部分に固定され、車体2のうち一対のドアヒンジ5間の部位に取り付けられている(図1、図3、図4参照)。より具体的には、取付部材30は、車体2に形成されている孔部2hに対して押し付けることにより取り付け可能に構成されている。この取付部材30は、挿入部34と、押え部36と、凹凸嵌合部38とを有している。
挿入部34は、車体2の孔部2h内に挿入可能、且つ、内側に外装部材20を配設可能な筒状に形成されている。ここでは、挿入部34は、孔部2hに対して車体2の前方(以下、挿入方向S)に向けて挿入される。挿入部34の先端側部分には、挿入部34を孔部2h内に挿入した状態で孔部2hの周縁部に対して係止可能な係止部35が設けられている。この係止部35は、挿入部34の周方向複数位置(ここでは等間隔に4箇所)から外周側に突出するように形成され、それぞれ、孔部2hの周縁部に対して挿入方向S前方側から接触可能な係止面を有している。より具体的には、係止部35は、挿入部34の先端側から基端側に向けて徐々に突出寸法が大きくなるように形成されている。そして、各係止部35は、挿入部34が孔部2hに挿入される際に、挿入部34又は係止部35自身が挿入部34の内周側に弾性変形し、孔部2hを乗り越えた位置で外周側に弾性復帰して孔部2hの周縁部に係止する。
押え部36は、挿入部34の基端部に連続して設けられ、その外周側に張り出す鍔状に形成されている。この押え部36は、孔部2hの周縁部に対して、挿入方向S後方側から面接触可能である。すなわち、押え部36の外周形状は、孔部2hより大きく形成されている。
そして、挿入部34が孔部2hに挿入されると、係止部35が孔部2hの周縁部に対して挿入方向S前方側から係止すると共に、押え部36が孔部2hの周縁部に対して挿入方向S後方側から面接触する。これにより、孔部2hの周縁部が係止部35と押え部36とで挟まれて、取付部材30は車体2に対して固定される。
凹凸嵌合部38は、挿入部34(及び押え部36)内に配設される外装部材20に対して、その延在方向に相対移動不能に位置決めする部分である。ここでは、凹凸嵌合部38は、外装部材20の外周の凹凸形状に応じた凹凸形状に形成されている。より具体的には、凹凸嵌合部38は、挿入部34の内周部に、その周方向に沿った凸条が形成された構成とされている。各凸条は、外装部材20の環状凸部22間の環状凹部24間に嵌め込み可能な幅寸法及び高さ寸法に形成されている。また、凸条は、挿入方向Sにおいて、外装部材20の環状凹部24に対応する間隔で複数設けられている。
また、取付部材30は、環状部材が2分割された部材を合体させることにより構成される。ここでは、取付部材30は、対向片の長さが異なるJ字部材(U字状部材であってもよい)を合体させることにより構成される。また、一対の略J字部材の各突き合わせ部分に、互いに嵌合可能な凹凸部分が形成され、これらの凹凸部分が互いに嵌合することにより一対の略J字部材が合体される。すなわち、一対の略J字部材により外装部材20を挟み込むことにより、凹凸嵌合部38が外装部材20の外周部に対して嵌合し、取付部材30は、外装部材20に対して延在方向に相対移動不能に取り付けられる。なお、取付部材30は、一対の略J字部材が、合体された状態において、分離不能に係合する形状を有していることが好ましいが、孔部2hに嵌合されることにより合体状態を維持されるものでもよい。また、取付部材30は、一対の略J字部材が、開閉可能なようにヒンジにより一端部で連結されていてもよい。
もっとも、取付部材30は、上記形状に限られるものではない。例えば、ワイヤーハーネスWHを位置決めする部分が、押え部36の基端部から挿入方向S後方に向けて突出する扁平な細長矩形状に形成されていてもよい。すなわち、挿入部34(及び押え部36)内に配設した外装部材20を、当該位置決め部に対して、テープ巻き又はタイバンドで締め付ける等して固定することにより、取付部材30に対して挿入方向Sに位置決めすることができる。なお、タイバンドとは、環状体の周方向寸法を調節し保持可能な部材をいう。このような位置決め部を採用する場合、取付部材は、全体として射出成型により一体に形成されてもよい。
また、取付部材30は、車体2に取り付け可能で且つ外装部材20を固定可能であればよく、上記のような樹脂成形品に限られず、合成ゴム等のエラストマーで成形されたグロメットであってもよい。また、この取付部材30は、必ずしも必須ではなく、省略されてもよい。
プロテクタPは、ドア6内で、ワイヤーハーネスWHの経路規制を行いつつ、当該ワイヤーハーネスWHの余長を吸収するための部材であり、案内部50と収容部40とを有している(図1参照)。
案内部50は、ドア6のうち一対のドアヒンジ5の間の部位からドア6の内部に亘る領域に配置され、外装部材20のうち他方の端部を含む一部分のドア6内における変位経路を案内する筒状又は溝状に形成されている。また、収容部40は、ドア6内において案内部50に連なって設けられている。ここでは、収容部40と案内部50とは、樹脂による一体形成部品として構成されているが、必ずしもその必要はなく、別々の部材として形成された後、合体される構成であってもよい。そして、この収容部40は、外装部材20の他方の端部から延び出たワイヤーハーネスWHを、該ワイヤーハーネスWHが迂回可能な余裕空間を有する状態、即ち、余長吸収可能な状態で収容する。
案内部50の一端部には外装部材20の他端側部分を挿入可能な案内口部52が設けられ、案内部50の他端部は収容部40の一端部と連続している。また、収容部40は、連通する案内部50内に挿入される外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHを余長吸収可能に収容可能な収容空間を有している。すなわち、収容空間は、ワイヤーハーネスWHを迂回させるための余裕空間を含む空間である。この収容部40は、案内部50を通じて収容空間内に進退可能に挿入されるワイヤーハーネスWHを、ドア6内に引き出し可能な引出口44を有している。つまり、プロテクタPは、案内口部52を通じて案内部50内に挿入される外装部材20を収容部40に向けて案内し、その外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHを、収容部40の収容空間内で余長吸収可能に収容して引出口44を通じてその外方すなわちドア6内に延出させる部材である。そして、ワイヤーハーネスWHは、ドア6内において、プロテクタPにより周辺部材から保護される。図1では、案内口部52と引出口44とが略直交する方向に開口し、全体として正面視略L字形状に形成されているプロテクタPを示している。ここで、プロテクタP(ドア用配線装置10)の正面とは、案内口部52の開口方向(案内部50の案内方向)と引出口44の開口方向とに平行な面である。また、プロテクタPをドア6に取り付けた状態で説明すると、車室内外を結ぶ方向に直交する面が正面である。
案内部50及び収容部40の各構成について着目してより詳細に説明する。
案内部50は、外装部材20をその延在方向に進退移動可能に配設可能な内部空間を有する筒状に形成されている(図1、図3,図4参照)。より具体的には、案内部50は、外装部材20の断面形状よりも大きな断面形状の内周面を有する筒状部材である。そして、外装部材20が案内部50内に挿入されることによって、その案内部50の軸方向に沿って案内される。換言すれば、外装部材20の他方の端部を含む部分は、案内部50の一端側開口である案内口部52と収容部40とを結ぶ経路に沿って移動可能に案内される。ここでは、案内部50は、D字状断面を有する筒状部材であるが(図7参照)、案内部50は、外装部材20を挿通案内可能であればよく、溝状、断面視略楕円形、円形或いは長方形以外の多角形等の筒状に形成されていてもよい。
ここで、案内部50と外装部材20との関係について説明しておく。外装部材20は、一端側部分が取付部材30を介して車体2に固定された状態で、ドア6の開状態において、少なくとも他端部を含む一部分が案内部50内に挿入される程度に長い延在寸法に設定されている。一方、案内部50は、ドア6が開閉動作される際に、ドア6内で進退される外装部材20の他端側部分を主として車室内外方向に位置規制できればよく、ここでは、ドア6の閉状態において、外装部材20の他端部を収容部40内に突出させる程度の延在寸法に設定されている。もっとも、案内部50は、上記寸法より長く、ドア6の閉状態で外装部材20の他端部まで収容可能に設定されていてもよい。
また、案内部50の一端部に形成されている案内口部52は、外周側に拡開するように形成されていてもよい(図1、図3、図4参照)。ここでは、案内部50は、その延在方向に略直交する全方向に拡がる形状を採用している。この案内口部52は、一端部に向けて徐々に拡がるように形成されている。
また、この案内部50には、外装部材20の外周部にスライド可能に接触しつつ、外装部材20を案内部50内に向けて押えるガイドバネ部60を少なくとも1つ有している。このガイドバネ部60については、後でさらに説明する。
収容部40は、外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHを、第1経路R1と、当該第1経路R1に対して中間部が離間するように膨らんだ第2経路R2との間で曲げて余長吸収可能に収容可能に形成されている(図1参照)。
この収容部40は、正面視において、収容空間を挟んで対向する第1壁部41と第2壁部42とを有している。収容空間内に収容されるワイヤーハーネスWHは、第1経路R1を通る際に第1壁部41に近接し、第2経路R2を通る際に第2壁部42に近接して配設される。すなわち、ワイヤーハーネスWHが第1経路R1を通る状態で、該ワイヤーハーネスWHの第2壁部42側に余裕空間が存在する。この第1壁部41及び第2壁部42は、各一端部が案内部50の他端部に連続し、各他端部が引出口44の対向する壁部を形成している。より具体的には、第1壁部41は、正面視略L字形状のプロテクタPの内周側で、案内部50の他端部と収容部40の引出口44とを結ぶように延在している。また、第2壁部42は、第1壁部41に対してワイヤーハーネスWHを曲げ変形可能な間隔をあけて、正面視略L字形状のプロテクタPの外周側で、案内部50の他端部と引出口44とを結ぶように延在している。
ドア6の開閉時におけるワイヤーハーネスWH及び外装部材20の動作について説明する。
ドア6の開状態では、外装部材20の他端部が案内部50のうち一端側の部分に退避して位置し、当該外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHは、第1経路R1を通って収容空間内に収容されている(図1、図3参照)。
また、ドア6が開姿勢から閉動作されると、外装部材20が案内部50内に前進移動し、その他端部から延出されるワイヤーハーネスWHは、収容空間内に押し込まれて第2壁部42に近接するように曲げられる。そして、ドア6が閉姿勢になると、ワイヤーハーネスWHは、第2経路R2を通って収容空間内に収容された状態となる(図1、図4参照)。すなわち、ドア6の開状態に比べ、ワイヤーハーネスWHのうち収容空間内に収容される部分は長くなって余長吸収される。
ドアの開動作時には、閉動作時とは逆に、ワイヤーハーネスWHは、収容空間内から案内部50側に引き出されて、その中の部分が第2経路R2から第1経路R1側に経路変更される(図1、図3参照)。
収容部40の説明に戻って、収容部40は、引出口44でワイヤーハーネスWHを固定可能なドア内位置決め部46を有している。ドア内位置決め部46は、引出口44の開口縁部が部分的に延出した形状に形成されている(図1参照)。そして、引出口44を通じて引き出されるワイヤーハーネスWHを、ドア内位置決め部46の内側に当接させた状態で、一緒にテープT巻き又はタイバンドで締付けして固定(ここではテープT巻きして固定)することにより、当該ワイヤーハーネスWHの一部分をドア6内において位置決め固定することができる。これにより、ドア6の開閉動作時に収容部40内に車体2側のワイヤーハーネスWHが進退しても、ドア6内に配索されるワイヤーハーネスWHに対して引張り又は弛みが発生することを抑制して、収容空間内で余長吸収させることができる。
ワイヤーハーネスWHを収容部40に対して固定する構成は、上記ドア内位置決め部46に限られず、引出口44から壁状に延出するドア内位置決め部にタイバンド挿通用の孔部が複数形成され、タイバンドを孔部に挿通してワイヤーハーネスWHを締付け固定するものであってもよい。
なお、ワイヤーハーネスWHに加わる負荷を軽減する観点では、収容部40の好ましい形状は以下の通りである。以下、正面視における第1壁部41及び第2壁部42の形状を説明する。すなわち、第1壁部41は、ドア6の開状態において、ワイヤーハーネスWHのうち外装部材20の他端部とドア内位置決め部46との中間部分を、当該外装部材20の他端部とドア内位置決め部46とを結ぶ方向に平行な経路で収容するように経路規制可能に形成されている。また、第2壁部42は、ワイヤーハーネスWHが、案内部50の案内方向に沿ったライン及びドア内位置決め部46を通って案内方向に直交するライン上を通る経路より大きく曲げられることを規制可能に形成されている。ここでは、第2壁部42は、案内方向に沿った壁部と引出口44の貫通方向に沿った壁部とを湾曲部が接続する形状に形成されている。当該湾曲部は、部分的に案内部50から離間する向きにワイヤーハーネスWHの直径分より小さい寸法だけ膨らむように形成されている。
もっとも、収容部40は、ワイヤーハーネスWHを余長吸収可能に収容するものであればよく、上記形状に限られるものではない。例えば、収容空間内に巻軸部を有し、当該巻軸部周りにワイヤーハーネスWHを巻いて収容可能な形状であってもよい。すなわち、収容部内でワイヤーハーネスWHの巻き径が変化することにより、余長吸収する構成である。なお、このようにワイヤーハーネスWHを巻いて余長吸収する構成でもよいが、本実施形態に係る上述した構成を採用すると、ワイヤーハーネスWHを交差させずに余長吸収できるため、収容部40の厚さ寸法を小さくすることができる。
このプロテクタPは、ドア6内すなわちドアインナーパネル7とトリム8との間において、ドアインナーパネル7に形成されている凹部7h内に収容配設される。より具体的には、プロテクタPは、下記の姿勢及び位置でドア6内に配置可能なように、ドアインナーパネル7に対して固定可能に形成されている。
プロテクタPは、案内部50が収容部40に対して前方側に位置すると共にドア6の前後方向に沿って延在し、引出口44がドア6の上方を向く姿勢でドア6内に配置されている。また、インナーパネル7の凹部7hは、プロテクタPを、上記姿勢且つ上記位置で、全体的又は部分的に収容可能な収容空間を有する凹形状に形成されている。そして、案内部50の案内口部52は、凹部7hのうちドア6の前方の開口部を通じてドア6から外に露出される。
上述したように、凹部7hの前側の開口部と車体2に形成されている孔部2hとは、ドア6の閉状態において、車体2の前後方向に対向するように形成されている。そして、取付部材30及びプロテクタPは、ドア6の閉状態において、当該取付部材30と案内部50の案内口部52とが車体2の前後方向に対向する位置で車体2に取り付け又はドア6内に配置されている。より具体的には、ドア6の閉状態では、取付部材30の貫通方向(挿入方向S)と案内部50の延在方向とが略直線上に位置する。これにより、取付部材30及び案内部50に挿通される外装部材20及びその内部のワイヤーハーネスWHは、ドア6の閉状態において、略直線状に延在する。
ここでは、プロテクタPは、ドアインナーパネル7の凹部7hの底部に形成される孔部に対して嵌合可能な固定部58を有している。この固定部58は、プロテクタPを凹部7h内に収容する方向に押し付けることにより、孔部に嵌合可能に形成されている。例えば、固定部58としては、プロテクタPの外面から突出する基軸部と、その先端部からその外周側に拡がるように形成され、内周側に弾性変形可能な係止部とを有する構成を採用できる。ここでは、固定部58は、プロテクタPの一方側の外面のうち、案内部50及び収容部40からそれぞれ突出するように2箇所に設けられている。より具体的には、固定部58は、案内部50が収容部40の前方側に位置すると共に引出口44がドア6の上方を向く姿勢のプロテクタPのうち、車室外側の面から当該車室外側に向けて突出している。
そして、この固定部58を凹部7hに形成された孔部に挿入することにより、係止部が、孔部に当接して内周側に弾性変形し、孔部を越えると外周側に弾性復帰して孔部の周縁部に対して裏側から係止する。このように、上記固定部58によりドアインナーパネル7に対して固定可能なプロテクタPによると、プロテクタPを凹部7h内に配設する方向に近接させることにより、固定部58が凹部7hに形成された孔部に係止するため、容易に固定することが可能である。
もっとも、プロテクタPをドアインナーパネル7に対して固定するための構成は、上記の姿勢及び位置でドア6内に配設可能であればよく、その他の固定構造が採用されてもよい。例えば、プロテクタPは、ねじ止めによりドアインナーパネル7に対して固定可能な形状であってもよい。
上記姿勢及び位置でドア6内に配設されるプロテクタPの引出口44は、ドア6内のうち上側部分に位置する。一般的に、ドア内に搭載されるスイッチ、パワーウインドウモータ、ドアロック及びミラーモータ等の電気機器は、ドア6内の上側部分に設置されることが多い。このため、ドア6内に配索されるワイヤーハーネスWHは、より短い経路で電気機器に対して接続される。
なお、収容部は、ドア6内におけるワイヤーハーネスWHの経路の短縮化の観点から、引出口(及び収容部全体)を各種電気機器の設置位置(通常後方)に向けて傾斜させて形成されてもよい。
上記収容部40及び案内部50を有するプロテクタPは、例えば、凹状部材と蓋状部材とを合体させた構成(図示省略)を採用することができる。そして、プロテクタPは、凹状部材と蓋状部材とを、それぞれ射出成型等により製造して合体させることにより構成することができる。もっとも、プロテクタPは、全体として凹状に形成され、トリム8により開口を塞がれるように構成されていてもよい。
もっとも、収容部40と案内部50とは、一部品のプロテクタPとして形成される場合に限られず、案内部50の他端側に当該案内部50とは別体の収容部40が設けられ、当該案内部50により収容部40に向けて外装部材20が案内されるものでもよい。
上記ドア用配線装置10は、車体2からドア6内に配索されるワイヤーハーネスWH、外装部材20及びプロテクタPをモジュール化して、車両組付け前に組み立てておくとよい。すなわち、ワイヤーハーネスWHを外装部材20内に配設し、外装部材20の他端部をワイヤーハーネスWHにテープT巻きして固定する。また、外装部材20の一端側部分には必要に応じて取付部材30を装着すると共にその一端部をワイヤーハーネスWHに対してテープT巻きして固定し、且つ、外装部材20の他端部をワイヤーハーネスWHにテープT巻きして固定する。そして、外装部材20の他端側部分をプロテクタPの案内部50内に配設し、外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHを収容部40内に配設して引出口44から引き出される部分をドア内位置決め部46にテープT巻き固定しておけばよい。
これまで、ドア用配線装置10を、車体2とフロントサイドドアとしてのドア6との間に適用する例で説明したが、リアサイドドアにも適用可能である。この場合、センターピラー(フロントサイドドアとリアサイドドアとの間のピラー)とリアサイドドアとの間にワイヤーハーネスWHが架け渡される。すなわち、センターピラーに孔部が形成され、ここに取付部材30が取り付けられる。
このように構成されたドア用配線装置10によると、案内部50によりワイヤーハーネスWHを囲う外装部材20のうち他方の端部を含む一部分のドア6内における変位経路を案内可能であると共に、収容部40により当該外装部材20の他方の端部から延び出たワイヤーハーネスWHを、該ワイヤーハーネスWHの余長を吸収可能な状態で収容するように形成されているため、ワイヤーハーネスWHをドア6の開閉動作に伴ってドア6内にスムーズに進退させて余長吸収することができる。
また、外装部材20が、扁平な形状に形成され、車体2の上下方向に沿って扁平な姿勢で設けられるため、ドア6の内外方向において狭いスペースに配索できると共に、ドア6内に配設される案内部50及び収容部40も扁平な形状にすることができ、ドアインナーパネル7とトリム8との間のスペースが狭いドア6の場合でも適用することができる。また、外装部材20は、車体2の上下方向沿って扁平な姿勢で設けられるため、当該上下方向において比較的曲がり難く、ワイヤーハーネスWHの垂れ下がりを抑制できる。
また、ドア用配線装置10は、ワイヤーハーネスWHをウェザーストリップ6wより車室内側に配索しているため、グロメット等の止水用の部材を省略して、部品点数及び組立工数の削減、これに伴うコストダウン及び作業の効率化を図ることができる。なお、グロメットを用いない構成によれば、輸送時、梱包時のグロメットの変形を防止するためのカバーを用意することを省略することができる。さらに、盗難防止にも寄与する。また、ドア6側にグロメットで取付する場合と比較して、ワイヤーハーネスWHを通す際のグロメットの拡げ作業も省略することができる。
また、ドア用配線装置10は、ワイヤーハーネスWHをドアインナーパネル7とトリム8との間に配索しているため、ワイヤーハーネスWHを貫通孔に挿通して配索する手間を省けると共に露出した作業スペースで組み付け作業ができ、組付性の向上及び作業の効率化が図れる。
<ガイドバネ部について>
上記案内部50に設けられたガイドバネ部60についてより詳細に説明する。図5は案内部50の一端部の概略正面図、図6は案内部50の一端部の概略平面図、図7は案内部50の一端部の案内口部52側からの概略図、図8は図5のVIII−VIII線断面における概略説明図である。
上記案内部50に設けられたガイドバネ部60についてより詳細に説明する。図5は案内部50の一端部の概略正面図、図6は案内部50の一端部の概略平面図、図7は案内部50の一端部の案内口部52側からの概略図、図8は図5のVIII−VIII線断面における概略説明図である。
すなわち、本実施形態では、案内部50の案内口部52に、ガイドバネ部60が設けられている。ここでは、案内部50(特に案内口部52)を通る外装部材20を上下から挟む位置に一対のガイドバネ部60が設けられると共に、当該外装部材20を両側方から挟込む位置に一対のガイドバネ部60が設けられている。もっとも、一対のガイドバネ部60が外装部材20を上下から挟む位置或は両側から挟む位置のいずれかに設けられた構成であってもよい。また、ガイドバネ部60が1つだけ、或は、奇数個設けられた構成であってもよい。また、ガイドバネ部60は、上下或は左右以外の位置に設けられていてもよい。
ガイドバネ部60は、案内部50を通る外装部材20の外周面にスライド可能に当接可能なガイド面62を有しており、このガイド面62を、案内部50を通る外装部材20の外周部に押付けることができるようになっている(図8参照)。ガイド面62は、案内部50における外装部材20の挿入方向(案内部50の中心軸方向でもある)の両端側からのその中間部に向けて、案内部50の内側への突出寸法が徐々に大きくなる形状に形成されており、案内部50を通る外装部材20の外周部に円滑にスライド可能に当接できるようになっている。
より具体的には、案内部50の案内口部52の周縁部に、案内部50の中心軸方向に沿ったスリット68が一対形成されることで、ガイドバネ部60が形成される。このガイドバネ部60は、その基端部で案内部50に一体連結され、両側部では一対のスリット68を介して分離されている。このため、ガイドバネ部60は、その基端部を支持中心として、案内部50の内外方向に弾性変形できるようになっている。
また、ガイドバネ部60は、その基端部から先端部に向けて、弧状を描きつつ案内部50の内側に膨出する湾曲板状に形成されている。これにより、案内部50の内側に弧状に膨出するガイド面62が形成され、当該ガイド面62が案内部50を通る外装部材20の外周部に円滑にスライド可能に当接できるようになっている。なお、外装部材20としてコルゲートチューブを用いた場合、ガイド面62が外装部材20の外周面に形成される環状凹部に引っかからないように、当該ガイド面62の曲率半径を環状凹部の幅に対して十分に大きくすることが好ましい。
また、ここでは、ガイドバネ部60の先端部は、その基端部よりも大きく湾曲している。換言すれば、ガイドバネ部60の先端部は、その基端部よりも大きく外方に反っている。これにより、外装部材20が案内口部52内に挿入される際、外装部材20の外周部とガイドバネ部60の先端部との引っかかりが抑制されている。
上記ガイドバネ部60が形成されたドア用配線装置10によると、案内部50の案内口部52で、ガイドバネ部60が外装部材20の外周部に押付けられている。このため、車両走行時に走行振動又はエンジン振動等で車体2が振動し、或は、ドア6の開閉によって車体2とドア6との間で外装部材20が揺れてしまっても、案内口部52では外装部材20は振動し難い。このため、外装部材20と案内口部52との間での異音が抑制される。
しかも、ガイドバネ部60は、案内部50における外装部材20の挿入方向両端側からその中間部に向けて、案内部50の内側への突出寸法が徐々に大きくなるガイド面62を有しているため、ガイド面62が外装部材20に引っかかり難くなる。このため、外装部材20が案内部50(特に、案内口部52)部分を円滑に移動できる。
また、ワイヤーハーネスWH及び外装部材20は、車体2とドア6との間に掛渡される部分で揺れて振動し易いと考えられる。そこで、ガイドバネ部60を案内口部52に設けることで、ワイヤーハーネスWH及び外装部材20の振動を効果的に抑制でき、異音を有効に抑制できる。
また、一対のガイドバネ部60が、案内口部52を通る外装部材20を挟むように設けられているため、外装部材20と案内口部52との間での異音をより効果的に抑制することができる。
また、案内口部52と外装部材20との間での振動を抑制することで、両者の磨耗を抑制し、もって、耐久性を向上させることもできる。
さらに、ガイドバネ部60が設けられた部分では、案内口部52と外装部材20との間の隙間が塞がれる。このため、案内口部52と外装部材20との間を通ろうとする砂、埃、ゴミ等の進入を抑制することができる。
{変形例}
なお、上記実施形態では、ガイドバネ部60が案内口部52に設けられている例で説明したが、必ずしもその必要はない。図9及び図10に示す変形例のように、案内部50に対応する案内部150の途中の周壁部分に、横向きU字状のスリット168を形成し、そのU字状のスリット168内にガイドバネ部160を形成してもよい。
なお、上記実施形態では、ガイドバネ部60が案内口部52に設けられている例で説明したが、必ずしもその必要はない。図9及び図10に示す変形例のように、案内部50に対応する案内部150の途中の周壁部分に、横向きU字状のスリット168を形成し、そのU字状のスリット168内にガイドバネ部160を形成してもよい。
ガイドバネ部160は、案内口部52に対応する案内口部152側或はそれの反対側のいずれの側で、案内部150と連結されていてもよい。ここでは、スリット168は、案内口部152の反対側に開口するように横向きになっており、従って、ガイドバネ部160は案内口部152側で案内部150と一体連結されている。そして、ガイドバネ部160は、案内部150との一体連結部分を支持中心として、案内部150の内外に弾性変形できるようになっている。
また、ガイドバネ部160は、その基端部から先端部に向けて、弧状を描きつつ案内部150の内側に膨出する湾曲板状に形成されている。これにより、案内部150の内側に弧状に膨出するガイド面162が形成され、当該ガイド面162が案内部150を通る外装部材20の外周部に円滑にスライド可能に当接できるようになっている。なお、上記ガイド面62と同様に、ガイド面162の曲率半径を、外装部材20の環状凹部の幅に対して十分に大きくすることが好ましい。
この変形例によっても、案内部150内で、ガイドバネ部160が外装部材20の外周部に押付けられている。このため、車両走行時に車体2が振動し、或は、ドア6の開閉によって車体2とドア6との間で外装部材20が揺れてしまっても、案内部150では外装部材20は振動し難い。このため、外装部材20と案内部150との間での異音が抑制される。
なお、上記ガイドバネ部60とガイドバネ部160とを併用してもよい。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
2 車体
6 ドア
10 ドア用配線装置
20 外装部材
40 収容部
50,150 案内部
52,152 案内口部
60,160 ガイドバネ部
62,162 ガイド面
P プロテクタ
WH ワイヤーハーネス
6 ドア
10 ドア用配線装置
20 外装部材
40 収容部
50,150 案内部
52,152 案内口部
60,160 ガイドバネ部
62,162 ガイド面
P プロテクタ
WH ワイヤーハーネス
Claims (5)
- 車体とドアとの間に配設されるドア用配線装置であって、
前記車体と前記ドアとの間に配索されるワイヤーハーネスと、
前記ワイヤーハーネスのうち前記車体と前記ドアとの間に架け渡される部分を囲うように配設された外装部材と、
前記外装部材のうち前記ドア側の端部を含む一部分の、前記ドア内における変位経路を案内する案内部と、前記ドア内において前記案内部に連なって設けられ、前記外装部材のうち前記ドア側の端部から延出する前記ワイヤーハーネスを余長吸収可能な状態で収容する収容部とを有するプロテクタと、
を備え、
前記案内部は、前記外装部材の外周部にスライド可能に接触しつつ、前記外装部材を前記案内部内に向けて押えるガイドバネ部を少なくとも1つ有する、ドア用配線装置。 - 請求項1記載のドア用配線装置であって、
前記少なくとも1つのガイドバネ部は、前記案内部における前記外装部材の挿入方向両端側からその中間部に向けて、前記案内部の内側への突出寸法が徐々に大きくなるガイド面を有している、ドア用配線装置。 - 請求項1又は請求項2記載のドア用配線装置であって、
前記案内部は、前記ワイヤーハーネスの出入口となる案内口部を有し、
前記少なくとも1つのガイドバネ部は、前記案内口部に設けられている、ドア用配線装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のドア用配線装置であって、
前記少なくとも1つのガイドバネ部は、前記案内部の途中に設けられている、ドア用配線装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のドア用配線装置であって、
前記少なくとも1つのガイドバネ部は、前記案内部を通る前記外装部材を挟むように設けられた一対のガイドバネ部を含む、ドア用配線装置。
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