JP5040644B2 - 樹脂成形体、及び樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂成形体、及び樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂成形体、及び樹脂成形体の製造方法に関する。
近年、地球温暖化、石油枯渇、廃棄物問題に代表される環境問題への取り組みや、持続型循環社会構築の考え方から、植物由来のバイオマス材料(植物由来高分子化合物)の開発が盛んに行われている。このバイオマス材料は、農業用シートや家庭用ゴミ袋などの用途に使用されている。また、家電製品や事務機器などの分野では、製品の部材構成において樹脂成形体の割合が増加していることから、樹脂成形体の材料としてバイオマス材料を利用することが期待されている。樹脂成形体の材料として用いられるバイオマス材料としては、例えば、石油を一切使用せずに穀物などから製造できるポリ乳酸などが注目されている(例えば、下記特許文献1を参照。)。
特開2005−336220号公報
本発明の目的は、耐熱性及び耐衝撃性に優れ、表面の凹凸やざらつきを抑制できる樹脂成形体、及び樹脂成形体の製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、ポリ乳酸である脂肪族ポリエステルと、ガラス繊維と、芳香族ポリカーボネート樹脂と、を含有し、
前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステルの質量比が、樹脂成形体全量を基準として25質量%以上80質量%以下であり、
前記芳香族ポリカーボネート樹脂を含む、前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル以外の高分子材料の質量比が、樹脂成形体全量を基準として10質量%以上70質量%以下であり、
前記ガラス繊維の質量比が、樹脂成形体全量を基準として5質量%以上30質量%以下であり、
前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル、前記芳香族ポリカーボネート樹脂を含む、前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル以外の高分子材料、及び、前記ガラス繊維の総量の質量比が、樹脂成形体全量を基準として73質量%以上98質量%以下であり、
表面の水に対する接触角が80度以上であること特徴とする樹脂成形体にある。
請求項2に記載の発明は、前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル、及び、前記芳香族ポリカーボネート樹脂を含む、前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル以外の高分子材料の総量の質量比が、樹脂成形体全量を基準として53質量%以上88質量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂成形体にある。
請求項3に記載の発明は、前記ガラス繊維のアスペクト比が3以上20以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂成形体にある。
請求項4に記載の発明は、前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル以外の高分子材料として、アクリル系樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂からなる群より選ばれる1種または2種以上を更に含有すること特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の樹脂成形体にある。
請求項5に記載の発明は、ポリリン酸メラミン、縮合リン酸エステル、ポリリン酸アルミニウム、ポリリン酸アンモニウムからなる群より選ばれる1種または2種以上を更に含有することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の樹脂成形体にある。
請求項6に記載の発明は、カルボジイミド、オキソサゾリン、ジカルボン酸化合物、ジオール化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上を更に含有することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の樹脂成形体にある。
請求項7に記載の発明は、ポリ乳酸である脂肪族ポリエステルとガラス繊維と芳香族ポリカーボネート樹脂とを含有する樹脂組成物を、シリンダ温度240℃以上270℃以下、且つ金型温度30℃以上60℃以下で射出成形する射出成形工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の樹脂成形体の製造方法にある。
請求項1に記載の発明は、本構成を有していない場合と比較して、耐熱性および耐衝撃性を高水準で達成できると共に、表面の凹凸やざらつきを抑制できるという効果を有する。
請求項4に記載の発明は、耐熱性および耐衝撃性を高水準で達成できると共に、表面の凹凸やざらつきを抑制できるという請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明による効果を有効に実現できるものである。
請求項5に記載の発明は、耐熱性および耐衝撃性を高水準で達成できると共に、表面の凹凸やざらつきを抑制できるという請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明による効果を有効に実現できるものである。
請求項6に記載の発明は、耐熱性および耐衝撃性を高水準で達成できると共に、表面の凹凸やざらつきを抑制できるという請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明による効果に加えて、本構成を有していない場合と比較して、難燃性を高水準で達成できるという効果を有する。
請求項7に記載の発明は、耐熱性および耐衝撃性を高水準で達成できると共に、表面の凹凸やざらつきを抑制できるという請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明による効果に加えて、本構成を有していない場合と比較して、耐加水分解性を高水準で達成できるという効果を有する。
請求項8に記載の発明は、上記本発明の樹脂成形体を製造するための製造方法を提供するものである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<樹脂成形体>
本実施形態の樹脂成形体は、ポリ乳酸である脂肪族ポリエステルと、ガラス繊維と、芳香族ポリカーボネート樹脂と、を含有する。また、樹脂成形体表面の水に対する接触角が80度以上である。なお、樹脂成形体表面の水に対する接触角は、接触角計(協和界面科学製:CA−X)を用いて、次のようにして求められる。すなわち、25℃50%RHの環境下で、純水を樹脂成形体の表面に3.0μl滴下し、15秒後の水滴の左端、右端、頂角の座標を画像処理によって求め、これらから計算された水滴の直径2r、高さhを用いて、以下の式(1)により、樹脂成形体表面の水に対する接触角ωが算出される。
ω=2tan−1(h/r)・・・式(1)
脂成形体に含有される脂肪族ポリエステルとしては、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートなどが挙げられるが、本実施形態では、脂肪族ポリエステルはポリ乳酸であることを要する。
脂肪族ポリエステルとしてポリ乳酸を用いた場合、ガラス繊維との組み合わせにおいて、特に高い耐熱性及び耐衝撃強度を獲得することができる。この原因については必ずしも定かではないが、密度の高いポリ乳酸のカルボニル基がガラス繊維表面と相互作用することにより、ポリ乳酸とガラス繊維とが強固に接着されるためであると推測している。
脂肪族ポリエステルとしてポリ乳酸を使用する場合、ポリ乳酸の重量平均分子量は5000以上500000以下であることが好ましく、10000以上200000以下であることがより好ましい。重量平均分子量が5000未満であると、樹脂成形体の耐衝撃強度が低下する傾向があり、500000を超えると、成形性が損なわれる傾向がある。
本実施形態では、ポリ乳酸である脂肪族ポリエステルの質量比は、樹脂成形体全量を基準として、20質量%以上95質量%以下であることが好ましいが、25質量%以上80質量%以下であることを要する。脂肪族ポリエステルの質量比が20質量%未満であると、樹脂成形体の柔軟性が低下する傾向があり、特殊な用途に使用できない場合や、溶剤による割れを起こし易くなる場合がある。また、95質量%を超えると、耐衝撃強度が低下する傾向があり、特に高い耐衝撃強度を必要とする用途に使用できない場合がある。
本実施形態においてガラス繊維とは、珪酸塩を主成分とするガラスからなり、その形状が繊維状であるものを意味する。ガラス繊維としては、例えば、Eガラス、Sガラス、Cガラス、又はDガラス等からなるガラス繊維が挙げられる。また、ガラス繊維として、日東紡製の商品名「CS−3PE−941S」、日本板硝子製の商品名「マイクロウールCMCF」等の市販品を使用することができる。ガラス繊維に対しては、親水性又は疎水性を付与するための表面処理を施してもよい。ガラス繊維の親水性は、水酸基などの極性基を持つ化合物によるガラス繊維の表面修飾等で達成でき、ガラス繊維の疎水性は、アルキル基などの非極性基を持つ化合物によるガラス繊維の表面修飾等で達成できる。
本実施形態では、ガラス繊維の質量比は、樹脂成形体全量を基準として、5質量%以上30質量%以下であることを要し、10質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。ガラス繊維の質量比が5質量%未満であると、樹脂成形体の耐熱性や耐衝撃強度が低下する傾向があり、30質量%を超えると、樹脂成形体の耐衝撃強度が低下する傾向がある。
ガラス繊維のアスペクト比は、3以上20以下であることが好ましく、5以上20以下であることがより好ましく、7以上15以下であることが特に好ましい。アスペクト比が3未満であると、樹脂成形体の耐衝撃強度が低下する傾向があり20を超えると、樹脂成形体の成形時の流動性が低下し、成形性が悪化する傾向がある。ガラス繊維の繊維長は10μm以上50mm以下であることが好ましく、50μm以上30mm以下であることがより好ましく、0.1mm以上10mm以下であることが特に好ましい。また、ガラス繊維の繊維径は0.05μm以上2mm以下であることが好ましく、0.1μm以上1mm以下であることがより好ましい。
本実施形態において、樹脂成形体は、脂肪族ポリエステル以外に高分子材料として、芳香族ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、芳香族ポリエステル、ポリアミド樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)からなる群より選ばれる1種または2種以上を更に含有することが好ましいが、これらの中でも芳香族ポリカーボネート樹脂を含有することを要する。樹脂成形体が脂肪族ポリエステル以外に上記高分子材料を更に含有することにより、樹脂成形体の成形温度が上がり、樹脂成形体においてガラス繊維がより均一に分散し易くなるため、樹脂成形体の耐熱性および耐衝撃強度をより向上させることができる。特に樹脂成形体が芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する場合、これらの効果を得やすくなる。
脂肪族ポリエステル以外の高分子材料の質量比は、樹脂成形体全量を基準として、5質量%以上80質量%以下であることが好ましが、本実施形態では、10質量%以上70質量%以下であることを要する。脂肪族ポリエステル以外の高分子材料の質量比が5質量%未満であると、樹脂成形体の耐熱性が低下する傾向があり、80質量%を超えると、樹脂成形体の環境負荷低減効果が損なわれる傾向がある。
本実施形態の樹脂成形体は、難燃剤を更に含有することが好ましい。難燃剤としては、臭素系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機粒子系難燃剤などが挙げられる。これらの難燃剤のうち、臭素系難燃剤は優れた難燃効果を有するが、燃焼時に有毒ガスを発生する可能性がある。したがって、環境負荷低減の点からは、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤及び無機粒子系難燃剤が好ましく、リン系難燃剤がより好ましい。
リン系難燃剤としては、ポリリン酸メラミン、縮合リン酸エステル、ポリリン酸アルミニウム、ポリリン酸アンモニウムからなる群より選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。
本実施形態の樹脂成形体において、難燃剤の含有量は、樹脂成形体全量を基準として3質量%以上40質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。難燃剤の含有量が3質量%未満であると、難燃性が不十分になる傾向があり、40質量%を超えると、耐衝撃強度が不十分になる傾向がある。
難燃剤の平均粒径は0.1μm以上100μm以下であることが好ましい。
本実施形態の樹脂成形体は、加水分解防止剤を更に含有することが好ましい。加水分解防止剤としては、カルボジイミド、オキソサゾリン、ジカルボン酸化合物、ジオール化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。
本実施形態の樹脂成形体は、上述した各成分以外に更に他の添加剤を含有していてもよい。かかる添加剤としては、例えば、熱安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、顔料、着色剤、相溶化剤、強化剤、耐加水分解防止剤等が挙げられる。これらの添加剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されないが、樹脂成形体全量を基準としてそれぞれ10質量%以下であることが好ましい。
<樹脂成形体の製造方法>
次に、上述の本実施形態の樹脂成形体を製造する方法の好適な実施形態を説明する。
本実施形態の樹脂成形体の製造方法は、上述のポリ乳酸である脂肪族ポリエステルとガラス繊維と芳香族ポリカーボネートとを含有する樹脂組成物を、シリンダ温度(最高温度)240以上℃270℃以下、且つ金型温度30以上℃60℃以下で、射出成形用金型内に射出成形する射出成形工程を有する。
樹脂組成物は、ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル、ガラス繊維、及び芳香族ポリカーボネートに対して、必要に応じて難燃剤、加水分解防止剤、及び酸化防止剤等の添加物を加えたものを混合することによって得られる。また、上述の射出成形に用いる射出成形機は通常のものが使用できる。
本実施形態における射出成形は、シリンダ温度240℃以上265℃以下、金型温度30℃以上60℃以下、射出時間10秒以上120秒以下、冷却時間10秒以上140秒以下で行われることが好ましく、シリンダ温度245℃以上260℃以下、金型温度40℃以上50℃以下、射出時間30秒以上60秒以下、冷却時間20秒以上40秒以下で行われることがより好ましい。
シリンダ温度が240℃未満になると、樹脂成形体中のガラス繊維の分散が不十分になり、樹脂成形体の外観にざらつきを生じ、また樹脂成形体の耐衝撃強度及び耐熱性が不十分になる傾向がある。一方、シリンダ温度が265℃を超えると、ポリ乳酸の熱分解が生じて樹脂成形体に着色が起こり、また樹脂成形体の耐衝撃強度、耐熱性が不十分になる傾向がある。
金型温度が30℃未満になると、樹脂成形体中のガラス繊維の分散が不十分になり、樹脂成形体の表面にざらつきを生じ、また耐衝撃強度及び耐熱性が不十分になる傾向がある。一方、金型温度が60℃を超えると、ポリ乳酸のガラス転移温度以上になることから、樹脂成形体が変形したり着色したりする傾向がある。
本実施形態では、好ましくは240℃以上265℃以下、より好ましくは245℃以上260℃以下のシリンダ温度で2軸混練した樹脂組成物を射出成形する。また、射出成形前の樹脂組成物はペレット化され、乾燥されていることが好ましい。
本実施形態では、射出成形工程において、シリンダ温度を240℃以上270℃以下とすることによって、ガラス繊維の分散均一性が向上し、樹脂成形体表面へのガラス繊維の露出が抑制されるため、樹脂成形体表面の水に対する接触角を80度以上とすることができる。その結果、得られる樹脂成形体の耐熱性及び耐衝撃強度を向上させることができると共に、樹脂成形体表面の凹凸やざらつきを抑制できる。
従来、脂肪族ポリエステルの一種であるポリ乳酸は230℃程度で熱劣化して、耐熱性及び耐衝撃強度が著しく低下する傾向があることから、ポリ乳酸を含有する樹脂組成物を230℃程度のシリンダ温度で射出成形する例はあまりなかった。また、ポリ乳酸とガラス繊維とを混合した樹脂組成物も230℃程度で熱劣化して、ガラス繊維が樹脂成形体表面へ露出しまい、樹脂成形体中に十分に分散しない傾向があることから、ポリ乳酸及びガラス繊維を含有する樹脂組成物を230℃程度のシリンダ温度で射出成形する例もあまりなかった。
また、ガラス繊維は樹脂成形体中における分散性が悪く、射出後に金型内で沈降するため、ガラス繊維が樹脂成形体表面に浮き上がり易く、樹脂成形体の耐熱耐衝撃強度が十分に得られない傾向があった。ガラス繊維が樹脂成形体表面に浮き上がって露出すると、表面にざらつきが発生して、表面の光沢がなくなり、外観が悪くなる傾向があった。一方、本実施形態の樹脂成形体の製造方法によれば、これらの問題の発生を抑制できる。
また、従来、樹脂成形体の耐熱性及び耐衝撃強度をより向上させるために、樹脂組成物にポリ乳酸に加えてポリカーボネートを更に混合した場合、ポリ乳酸とポリカーボネートとで融点が異なるため、射出成形のためにはシリンダ温度を高温にしなければならなかった。しかし、シリンダ温度を高温にしてしまうとポリ乳酸が熱劣化してしまい、十分な耐熱性及び耐衝撃強度が得られない傾向があった。一方、本実施形態では、ポリ乳酸、ポリカーボネートのみならず、ガラス繊維、及び難燃剤を混合して、シリンダ温度240℃以上で射出成形することによって、ガラス繊維を樹脂成形体中に均一に分散させることができ、樹脂成形体の耐熱性及び耐衝撃強度を向上させることが可能となる。
図1は、本発明の樹脂成形体の一実施形態に係る筐体及び事務機器部品を備える画像形成装置を、前側から見た外観斜視図である。図1の画像形成装置100は、本体装置110の前面にフロントカバー120a,120bを備えている。これらのフロントカバー120a,120bは、ユーザーが装置内にアクセスできるよう開閉可能となっている。これにより、ユーザーは、トナーが消耗したときにトナーを補充したり、消耗したプロセスカートリッジを交換したり、装置内でジャムが発生したときに詰まった用紙を取り除いたりすることができる。図1には、フロントカバー120a,120bが開かれた状態の装置が示されている。
本体装置110の上面には、用紙サイズや部数等の画像形成に関わる諸条件がユーザーからの操作によって入力される操作パネル130、及び、読み取られる原稿が配置されるコピーガラス132が設けられている。また、本体装置110は、その上部に、コピーガラス132上に原稿を自動的に搬送することができる自動原稿搬送装置134を備えている。更に、本体装置110は、コピーガラス132上に配置された原稿画像を走査して、その原稿画像を表わす画像データを得る画像読取装置を備えている。この画像読取装置によって得られた画像データは、制御部を介して画像形成ユニットに送られる。なお、画像読取装置及び制御部は、本体装置110の一部を構成する筐体150の内部に収容されている。また、画像形成ユニットは、着脱可能なプロセスカートリッジ142として筐体150に備えられている。プロセスカートリッジ142の着脱は、操作レバー144を回すことによって可能となる。
本体装置110の筐体150には、トナー収容部146が取り付けられており、トナー供給口148からトナーを補充することができる。トナー収容部146に収容されたトナーは現像装置に供給されるようになっている。
一方、本体装置110の下部には、用紙収納カセット140a,140b,140cが備えられている。また、本体装置110には、一対のローラで構成される搬送ローラが装置内に複数個配列されることによって、用紙収納カセットの用紙が上部にある画像形成ユニットまで搬送される搬送経路が形成されている。なお、各用紙収納カセットの用紙は、搬送経路の端部近傍に配置された用紙取出し機構によって1枚ずつ取り出されて、搬送経路へと送り出される。また、本体装置110の側面には、手差しの用紙トレイ136が備えられており、ここからも用紙を供給することができる。
画像形成ユニットによって画像が形成された用紙は、本体装置110の一部を構成する筐体152によって支持された相互に当接する2個の定着ロールの間に順次移送された後、本体装置110の外部に排紙される。本体装置110には、用紙トレイ136が設けられている側と反対側に排出トレイ138が複数備えられており、これらのトレイに画像形成後の用紙が排出される。
本発明の樹脂成形体は、十分に高い耐衝撃強度及び耐熱性と、凹凸やざらつきのない表面とを有しているため、上述したような電子写真装置の外装筐体(ハウジング)、筐体を構成する部材(フロントカバー(図1におけるフロントカバー120a,120b)、リアカバーなど)及び部品(給紙トレイ(図1における用紙トレイ136)、排紙トレイ(図1における排出トレイ138)、プラテンなど)として好適である。
実施例1〜10、13および比較例1〜5、11、12においては、それぞれ表1に示す原材料を2軸混練機(東洋精機製、「ラボプラストミル」)に投入し、シリンダ温度230℃で混練して樹脂組成物(コンパウンド)を得た。次に、得られた樹脂組成物を用いて射出成形装置(日精樹脂社製、「NEX150E」)にて、表1に示すシリンダ温度及び金型温度にて射出成形を実施し、ISO多目的試験片(ISO527引張試験に対応)を得た。
次に、ISO多目的ダンベル試験片を用いて、試験片表面の外観を目視で観察し、ざらつきの有無を調べた。また、試験片表面の水に対する接触角を動的接触角測定装置(FTA社製、「FTA125」)にて測定した。また、ISO多目的ダンベル試験片を加工して、ノッチ付シャルピー耐衝撃強度を耐衝撃強度測定装置(東洋精機製、「DG−C」)にて測定した。さらに、引張破断伸びをインストロン(東洋精機、「ストログラフV50」)にて測定した。また、1.8MPa荷重熱変形温度(ISO−360)をHDT測定装置(東洋精機製、標準モデル)にて測定した。得られた結果を表2に示す。
本発明の樹脂成形体の一実施形態に係る筐体及び事務機器部品を備える画像形成装置の外観斜視図である。
符号の説明
100・・・画像形成装置、110・・・本体装置、120a,b・・・フロントカバー、136・・・用紙トレイ、138・・・排出トレイ、142・・・プロセスカートリッジ、150,152・・・筐体。

Claims (7)

  1. ポリ乳酸である脂肪族ポリエステルと、ガラス繊維と、芳香族ポリカーボネート樹脂と、を含有し、
    前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステルの質量比が、樹脂成形体全量を基準として25質量%以上80質量%以下であり、
    前記芳香族ポリカーボネート樹脂を含む、前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル以外の高分子材料の質量比が、樹脂成形体全量を基準として10質量%以上70質量%以下であり、
    前記ガラス繊維の質量比が、樹脂成形体全量を基準として5質量%以上30質量%以下であり、
    前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル、前記芳香族ポリカーボネート樹脂を含む、前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル以外の高分子材料、及び、前記ガラス繊維の総量の質量比が、樹脂成形体全量を基準として73質量%以上98質量%以下であり、
    表面の水に対する接触角が80度以上である樹脂成形体。
  2. 前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル、及び、前記芳香族ポリカーボネート樹脂を含む、前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル以外の高分子材料の総量の質量比が、樹脂成形体全量を基準として53質量%以上88質量%以下である請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 前記ガラス繊維のアスペクト比が3以上20以下である請求項1又は請求項2に記載の樹脂成形体。
  4. 前記ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル以外の高分子材料として、アクリル系樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂からなる群より選ばれる1種または2種以上を更に含有する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の樹脂成形体。
  5. ポリリン酸メラミン、縮合リン酸エステル、ポリリン酸アルミニウム、ポリリン酸アンモニウムからなる群より選ばれる1種または2種以上を更に含有する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の樹脂成形体。
  6. カルボジイミド、オキソサゾリン、ジカルボン酸化合物、ジオール化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上を更に含有する請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の樹脂成形体。
  7. ポリ乳酸である脂肪族ポリエステルとガラス繊維と芳香族ポリカーボネート樹脂とを含有する樹脂組成物を、シリンダ温度240℃以上270℃以下、且つ金型温度30℃以上60℃以下で射出成形する射出成形工程を有する、請求項1に記載の樹脂成形体の製造方法。
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