JP5039870B2 - 車両方向特定装置、車両方向特定方法、及びそのプログラム - Google Patents

車両方向特定装置、車両方向特定方法、及びそのプログラム Download PDF

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Description

本発明は、車両音によって車両が存在する方向を特定する車両方向特定装置等に関する。特に、複数台の車両が走行する場合、近い車両音によって他方の車両音が埋もれてしまう状況下においても、正確に車両方向を特定する車両方向特定装置等に関する。
従来技術として、車両音の到達時間差から車両の存在する方向を特定する手法がある(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
実開平5−92767号公報
星野 博之、「ドライバ支援のための走行音による接近車両検知システム」、日本音響学会誌、2006年、第62巻、第3号、p.265−274
しかしながら、車両音検知における従来技術の構成では、複数台車両が存在する場合、近い車両音の影響で他方の車両が埋もれてしまい、車両音を検出することが困難である(非特許文献1、p.271)。
特に、車両が複数(例えば、2台)存在する状況で車両方向を特定する場合において、一方の車両の方向のみ特定でき、他方の車両は、方向のみならずその存在自体を検知できなかった場合、一方の車両が通過した後に、ドライバは安心して交差点へ侵入しうる。その結果、検知できなかった他方の車両と自車両が衝突してしまう可能性が高い。よって、車両事故回避のためには、複数台を正確に検知し、その方向を特定する必要がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、特に、より近い車両の車両音の影響で他の車両音が埋もれてしまう状況下でも、すべての車両の存在する方向を特定することができる車両方向特定装置等を提供することを目的とする。
本発明のある局面に係る車両方向特定装置は、第1の車両及び第2の車両を含む複数の車両の各々が存在する方向を、複数のマイクで検知された前記複数の車両の車両音を含む周囲音から特定する車両方向特定装置であって、事前に定められた周波数帯及び時間区間で特定される複数の分析区間の各々について、前記周囲音の位相及び振幅のうち少なくとも1つを分析する周波数分析部と、前記周波数分析部から取得した分析結果に基づいて、前記複数の分析区間の各々について、前記周囲音に含まれる音源の方向を表す音源方向を特定する音源方向特定部と、前記第1の車両が存在する方向を特定するための第1の閾値を含む第1車両特定情報を蓄積している車両特定情報蓄積部と、複数の前記音源方向について、前記音源方向毎に、対応する前記分析区間の個数である頻度を算出し、前記頻度が、前記第1車両特定情報に含まれる第1の閾値以上となる前記音源方向を前記第1の車両が存在する方向として特定する第1車両特定部と、前記第2の車両が存在する方向を特定するための、前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値を含む第2車両特定情報を算出する第2車両特定情報算出部と、前記頻度が、前記第2車両特定情報に含まれる前記第2の閾値以上となる前記音源方向を、前記第2の車両が存在する方向として特定する第2車両特定部とを備え、前記第2車両特定情報算出部は、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の頻度の合計値が大きいほど、より小さくなるように、前記第2の閾値を算出する。
この構成によると、車両方向特定装置は、まず、特定された音源方向から第1車両の存在する方向を特定する。その後、特定された第1の車両の車両音をもとに、車両方向特定装置は、第2の車両を特定するための閾値、方向などの情報を算出する。ここで、特定された第1の車両の車両音の、周囲音に占める割合が相対的に大きい場合には、第2の車両の車両音は、相対的に小さくなると考えられる。逆に、第1の車両の車両音の、周囲音に占める割合が相対的に小さい場合には、第2の車両の車両音は、相対的に大きくなると考えられる。したがって、車両方向特定装置は、第1の車両の車両音に基づき、第2の車両を特定するための閾値を算出することで、適切な閾値を設定することができる。その結果、より近い車両の車両音の影響で他方の車両音が埋もれてしまう状況下でも、すべての車両の存在する方向を特定することができる。
なお、本発明は、このような特徴的な処理部を備える車両方向特定装置として実現することができるだけでなく、車両方向特定装置に含まれる特徴的な処理部をステップとする車両方向特定方法として実現したり、車両方向特定方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)等の記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは言うまでもない。
さらにまた、このような車両方向特定装置の一部又は全てを実現する半導体集積回路(LSI)として実現したり、このような車両方向特定装置を含む車両方向特定システムとして実現したりできる。
本発明によると、特に、より近い車両の車両音の影響で他方の車両音が埋もれてしまう状況下でも、すべての車両の存在する方向を特定することができる車両方向特定装置等を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1における車両方向特定装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態1における第2車両特定情報算出部の構成を示すブロック図である。 図3は、他車両音検知マイクで検知された実際の車両のエンジン音を周波数分析した結果を示す図である。 図4は、実施の形態1及び2に係る音源方向特定部が分析区間ごとに音源方向を特定する方法を示す図である。 図5は、実施の形態1及び2における所定分析区間での音源方向を示す第1の図である。 図6Aは、実施の形態1及び2における車両特定情報の一例を示す図である。 図6Bは、実施の形態1及び2における車両特定情報の他の一例を示す図である。 図7は、複数台の車両が存在する一例を示す図である。 図8は、実施の形態1及び2における所定分析区間での音源方向を説明するための第2の図である。 図9Aは、実施の形態1及び2における車両の特定における課題を説明するための第1の図である。 図9Bは、実施の形態1及び2における車両の特定における課題を説明するための第2の図である。 図10Aは、横軸を特定された音源方向、縦軸を頻度とし、特定された音源方向の頻度分布の一例を示す図である。 図10Bは、図10Aに示される頻度分布から求められる第2の閾値を説明する図である。 図10Cは、図10Aに示される頻度分布に追加された第2の閾値を示す図である。 図10Dは、特定された他車両A及び他車両Bを、車両表示部が表示した一例である。 図11は、実施の形態1における車両方向特定装置の処理の流れを説明するフローチャートである。 図12は、実施の形態1において第1車両特定部が第1車両を特定する処理の流れを説明するフローチャートである。 図13は、実施の形態1において第2車両特定情報算出部が第2車両特定情報を算出する処理の流れを説明するフローチャートである。 図14は、実施の形態1において第2車両特定部が第2車両を特定する処理の流れを説明するフローチャートである。 図15は、実施の形態1において第2車両特定情報算出部が第2車両特定情報を算出する他の処理の流れを説明するフローチャートである。 図16は、実施の形態2における車両方向特定装置の構成を示すブロック図である。 図17Aは、横軸を特定された音源方向、縦軸を頻度とし、特定された音源方向の頻度分布の他の一例を示す図である。 図17Bは、他車両Aの移動方向を示す図である。 図17Cは、図17Bに示される時刻から一定期間経過後の頻度分布を示す図である。 図17Dは、頻度分布において第2の閾値を超えた頻度を示す図である。 図17Eは、他車両Aと他車両Bとの位置関係を示す図である。 図18は、実施の形態2における車両方向特定装置の処理の流れを説明するフローチャートである。 図19は、実施の形態2において第1車両特定部が第1車両を特定する処理の流れを説明するフローチャートである。 図20は、実施の形態2において移動方向特定部が、車両移動方向を特定する処理の流れを説明するフローチャートである。 図21は、実施の形態2において第2車両特定情報算出部が第2車両特定情報を算出する処理の流れを説明するフローチャートである。 図22は、実施の形態2において第2車両特定部が、第2車両を特定する処理の流れを説明するフローチャートである。 図23は、本発明の実施の形態1〜2にかかる車両方向特定装置を実現するコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
本発明のある局面に係る車両方向特定装置は、第1の車両及び第2の車両を含む複数の車両の各々が存在する方向を、複数のマイクで検知された前記複数の車両の車両音を含む周囲音から特定する車両方向特定装置であって、事前に定められた周波数帯及び時間区間で特定される複数の分析区間の各々について、前記周囲音の位相及び振幅のうち少なくとも1つを分析する周波数分析部と、前記周波数分析部から取得した分析結果に基づいて、前記複数の分析区間の各々について、前記周囲音に含まれる音源の方向を表す音源方向を特定する音源方向特定部と、前記第1の車両が存在する方向を特定するための第1の閾値を含む第1車両特定情報を蓄積している車両特定情報蓄積部と、複数の前記音源方向について、前記音源方向毎に、対応する前記分析区間の個数である頻度を算出し、算出された前記頻度が、前記第1車両特定情報に含まれる第1の閾値以上となる前記音源方向を前記第1の車両が存在する方向として特定する第1車両特定部と、前記第2の車両が存在する方向を特定するための、前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値を含む第2車両特定情報を算出する第2車両特定情報算出部と、算出された前記頻度が、前記第2車両特定情報に含まれる前記第2の閾値以上となる前記音源方向を、前記第2の車両が存在する方向として特定する第2車両特定部とを備え、前記第2車両特定情報算出部は、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の頻度の合計値が大きいほど、より小さくなるように、前記第2の閾値を算出する。
この構成によると、車両方向特定装置は、まず、特定された音源方向から第1車両の存在する方向を特定する。その後、特定された第1の車両の車両音をもとに、車両方向特定装置は、第2の車両を特定するための閾値、方向などの情報を算出する。ここで、特定された第1の車両の車両音の、周囲音に占める割合が相対的に大きい場合には、第2の車両の車両音は、相対的に小さくなると考えられる。逆に、第1の車両の車両音の、周囲音に占める割合が相対的に小さい場合には、第2の車両の車両音は、相対的に大きくなると考えられる。したがって、車両方向特定装置は、第1の車両の車両音に基づき、第2の車両を特定するための閾値を算出することで、適切な閾値を設定することができる。その結果、より近い車両の車両音の影響で他方の車両音が埋もれてしまう状況下でも、すべての車両の存在する方向を特定することができる。
具体的には、前記音源方向特定部は、前記分析区間ごとに、前記複数のマイクへの前記周囲音の到達時間の差に対応する角度を、前記音源方向として特定してもよい。
また、さらに、前記第1車両特定部により特定される前記第1の車両が存在する方向の時間変化から、前記第1の車両の移動方向を特定する移動方向特定部を備え、前記第2車両特定情報算出部は、前記音源方向特定部により特定された複数の前記音源方向のうち、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する前記音源方向よりも、前記第1の車両の移動方向と反対の方向に含まれる複数の前記音源方向を、第2車両探索範囲として算出し、前記第2車両探索範囲を含む前記第2車両特定情報を算出してもよい。
これによると、車両の移動方向を用いることで、第1の車両に後続する第2の車両の存在を探索すべき角度を限定することができる。よって、第2の車両の存在方向を特定する精度を、より向上させることができる。
具体的には、前記第1車両特定部は、事前に定められた期間ごとに、前記期間内に検知された周囲音を対象として前記第1の車両が存在する方向を特定し、前記移動方向特定部は、前回特定された第1の車両が存在する方向から、今回特定された第1の車両が存在する方向へ向かう方向を、前記第1の車両の移動方向として特定してもよい。
また、前記第2車両特定部は、前記第2車両探索範囲に含まれる音源方向の中から、前記第2の車両が存在する方向を特定してもよい。
また、前記第1の閾値及び前記第2の閾値のうち少なくとも一方は、前記事前に定められた周波数ごとに異なってもよい。
一般に、周波数の高いほど(例えばタイヤ音)、周波数のより低い音(例えばエンジン音)よりも頻度が大きくなる傾向にある。よって、周波数が高いほど閾値を大きく設定することで、車両を特定する際の精度をより向上させることができる。
具体的には、前記第1の閾値は、複数の周波数帯と、前記複数の周波数帯の各々に対応付けられた周波数別閾値とを含み、前記周波数別閾値は、対応づけられる前記周波数帯の周波数が高いほど、より大きくなるように定められており、前記第1車両特定部は、前記複数の分析区間のうち前記複数の周波数帯の各々に含まれる分析区間をまとめた領域である分析領域ごとに、前記音源方向ごとの頻度を算出し、前記頻度が、前記第1の閾値のうち前記分析領域が含まれる前記周波数帯に対応付けられた前記周波数別閾値以上となる前記音源方向を前記第1の車両が存在する方向として特定してもよい。
また、前記第2車両特定情報算出部は、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向に対しては、前記第1の閾値と同じ値を前記第2の閾値とし、それ以外の音源方向に対しては、前記頻度を複数の前記音源方向について合計した合計値に対する、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の頻度の合計値の割合が大きいほど、より小さくなるように算出される値を前記第2の閾値としてもよい。
また、前記第2車両特定部は、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向以外の音源方向の中から、前記第2の車両が存在する方向を特定してもよい。
また、前記第2車両特定情報算出部は、事前に定められた複数の周波数帯の各々に含まれる複数の前記分析区間をまとめた領域である分析領域ごとに、(A)すべての前記音源方向について前記頻度を合計した合計値に対する、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する前記音源方向の前記頻度の合計値の割合が大きいほど、かつ、(B)前記分析領域に対応する周波数が低いほど、小さくなるように前記第2の閾値を算出してもよい。
これにより、周波数による頻度の違いを考慮した閾値を設定することができ、より音源方向の特定精度が向上する。
また、第1車両特定部及び第2車両特定情報算出部の少なくとも一方は、隣接する前記分析区間に対応する前記音源方向がより類似するほど、より大きな重みを前記分析区間に付与し、前記音源方向ごとの、重み付けされた前記分析区間の個数として、前記頻度を算出してもよい。
これによると、瞬間的にランダムに発生する風雑音などの影響を低く抑え、音源方向のばらつきにより車両方向の特定精度が低下することを防ぐことができる。
また、前記第1車両特定情報は、複数の周波数帯の各々に含まれる複数の前記分析区間を1つにまとめた領域である分析領域に対応付けられた閾値である音圧別閾値を含み、前記第1車両特定部は、前記複数の分析領域の各々に含まれる複数の前記分析区間の振幅の平均値が、前記平均値が算出された前記分析領域に対応する前記周波数帯に対応付けられた前記音圧別閾値未満である場合には、前記分析領域を前記第1の車両が存在する方向の特定に使用しないとしてもよい。
一般に、雑音の振幅は小さい傾向にあり、事前に振幅の大きさにより分析対象とする音をスクリーニングすることで、より車両方向の特定精度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る車両方向特定装置について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における車両方向特定装置の構成を示す。
車両方向特定装置110は、自車両の周辺に存在する複数の他車両の車両音から、他車両が存在する方向を検出する。より具体的には、車両方向特定装置110は、第1の車両及び第2の車両を含む複数の車両の各々が存在する方向を、複数のマイクで検知された複数の車両の車両音を含む周囲音から特定する。
図1に示されるように、車両方向特定装置110は、他車両音検知マイク101及び102と、周波数分析部103と、音源方向特定部104と、車両特定情報蓄積部105と、第1車両特定部106と、第2車両特定情報算出部107と、第2車両特定部108と、車両表示部109とを備える。
また、図2を参照して、第2車両特定情報算出部107は、占有度算出部201と、第2閾値算出部202と、探索方向算出部203とを具備する。
他車両音検知マイク101及び102の各々は、他車両のエンジン音、モーター音、走行音等を含む、複数の他車両の車両音を含む周囲音を検知する。
他車両音検知マイク101及び102は、例えば、車両の左右のバンパーにそれぞれ設置されている。なお、他車両音検知マイク101及び102は、サイドミラーや天井、ボンネット内など、車両音が検知できる他の場所に設置されてもよい。好ましくは、例えば車の進行方向に対して直交する向きに、なるべく距離を離して設置する方が、後述する音源方向特定部による音源方向の特定精度を向上させることが期待できる。
周波数分析部103は、事前に定められた周波数帯及び時間区間で特定される複数の分析区間の各々について、前記周囲音の位相及び振幅のうち少なくとも1つを分析する。すなわち、他車両音検知マイク101及び102で取得された音の情報を周波数分析する。より具体的には、周波数分析部103は、例えば、音情報に対してフーリエ変換処理を施し、その音の周波数信号、振幅及び位相などを求める。なお、周波数分析部103は、フーリエ変換処理に代えて、高速フーリエ変換、離散コサイン変換、又はウェーブレット変換などの別の周波数変換方法による周波数変換処理を使用してもよい。
音源方向特定部104は、周波数分析部から取得した分析結果に基づいて、分析区間ごとに、周囲音に含まれる音源の方向を表す音源方向を特定する。
以下、音源方向特定部104が音源方向を特定するための原理について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は、他車両音検知マイク101及び102で検知された実際の車両のエンジン音を周波数分析した結果を示すスペクトログラムを示す。縦軸を周波数、横軸を時間とする。色の濃度は周波数信号のパワーの大きさを示しており、色の濃い部分はパワーが大きい部分を示す。車両音はエンジンが周期的に振動することにより発せられる音である。したがって、正弦波等と同様に、特定の周波数成分を有していることが分かる。また、周波数が倍や半倍音など、それぞれの車両に応じた周波数特性を有していることが分かる。
なお、他車両音検知マイク101及び102には、風切り音などの雑音も検知される。したがって、音源方向特定部104は、例えば、振幅に閾値を設け、周囲音のうち、閾値以上の振幅を有する音のみを、音源方向を特定する対象となる車両音として抽出することとしてもよい。あるいは、音源方向特定部104は、スペクトルサブトラクション法などで周囲音から雑音を除去し、残った部分を、音源方向を特定する対象となる車両音として利用することとしてもよい。
図4は、音源方向特定部104が分析区間ごとに音源方向を特定する方法を示す。
図4に示されるように、自車両710のバンパーに他車両音検知マイク101及び102が設置されている。当該マイクに車両音が到達したとき、自車両710の進行方向に対する他車両712の存在する方向によって、音の到達する時間に差が生じる。
ここで、他車両音検知マイク101及び102の設置間隔をd(m)とする。また、他車両712が自車両710の進行方向に対して方向θ(ラジアン)から検出されるとする。また、他車両音検知マイク101と102に同一の車両音が到達した時刻の差である到達時間差をΔt(s)とし、音速をc(m/s)とすると、方向θ(ラジアン)は以下の数式1で求めることができる。
Figure 0005039870
よって、音源方向特定部104は、分析区間ごとに、他車両音検知マイク101と、他車両音検知マイク102とで検知した周囲音に含まれる同一の音の、到達時間差に対応する位相差を取得し、上記数式1から、音源方向を特定することができる。
なお、音源方向特定部104は、同一の音の到達時間差(すなわち、位相差)に代わり、同一の音の振幅の差を用いることで音源方向を特定してもよく、又は、位相差と振幅の双方を利用して音源方向を特定してもよい。
例えば、空気中を音が距離x進むことによる振幅の減衰値ΔLが、ΔL=f(x)で求められる場合、図3に示されるθは、θ=sin−1(f−1(ΔL)/d)として求められる。ここで、他車両音検知マイク101と他車両音検知マイク102との振幅の差をΔLとすると、音源方向特定部104は音源方向を特定することができる。
図5は、本実施の形態における音源方向を示す。
より詳細には、図5の(a)は、音源方向特定部104が他車両712の存在する方向を分析区間ごとに特定した結果を示す。
図5の(a)の縦軸は周波数を、横軸は時間を表す。この周波数、及び、時間は、領域720の拡大図に示されるように、事前に定められた周波数帯ごと及び事前に定められた時間区間ごとに区切られており、これらの組合せとして、複数の分析区間が定義される。ここで、図5の(a)に示される塗りつぶされた分析区間は、音源方向特定部104によって音の方向が特定された分析区間を示している。
分析区間の定め方としては、例えば周波数帯を5Hz間隔等と定め、時間区間を100ms等と定めること等が考えられる。
例えば、分析区間1071の音源方向は自車両に対して右80度(ここで、自車両の正面を0度とし、正面より右をプラス、正面より左をマイナスとする)と特定されている。また、分析区間1072の音源方向は自車両に対して右85度と特定されている。このように、音源方向特定部104は、分析区間それぞれについて、音源方向を特定する。なお、黒く塗りつぶされていない分析区間は、音源方向特定部104により、音源方向の特定ができなかった分析区間である。
車両特定情報蓄積部105は、検出された音源が他車両か否かを特定するための情報である(すなわち、他車両が存在する方向を特定するための閾値を含む)車両特定情報(第1車両特定情報)を蓄積する。
図6A及び図6Bは、本実施の形態における車両特定情報の一例を示す。
図6Aは車両特定情報を示す図である。車両特定情報には、例えば車両か否かを特定するための情報として頻度の閾値が蓄積されている。音源として方向が特定されたとしても、雑音や別の音の可能性もある。しかし閾値を設け、閾値以上を車両音と特定することで精度よく車両を特定することが可能となる。
さらに、車両特定情報蓄積部105は、利用する周波数帯に応じて異なる閾値を有することとしてもよい。
図6Bは車両特定情報の別例である。特に車両音の場合、例えば50Hz〜350Hzなどの低い周波数帯にはエンジン音が主に現れる。またエンジン音は倍音構造となる。一方、700Hz〜1000Hzなどの比較的高い周波数帯にはタイヤ音などが現れる。そしてタイヤ音は周波数全体に現れるのが一般的である。そこでそれぞれの周波数帯で閾値を変更することで、より精度よく車両音を特定することが可能となる。さらに、エンジン音とタイヤ音では音圧が異なり、また検知できる距離も異なるため、それぞれに応じた音圧閾値を設けることとしてもよい。なぜなら、タイヤ音はエンジン音よりも頻度が大きくなる傾向にあるため、閾値を大きく設定する必要があるためである。
すなわち、閾値は、複数の周波数帯と、複数の周波数帯の各々に対応付けられた周波数別閾値とを含む。また、周波数別閾値は、対応づけられる周波数帯の周波数が高いほど、より大きくなるように定めることが考えられる。また、閾値は、さらに複数の周波数帯の各々に対応付けられた音圧別閾値を含んでもよい。
再度図1を参照して、第1車両特定部106は、複数の音源方向について、音源方向毎に、対応する分析区間の個数である頻度を算出する。また、第1車両特定部106は、頻度が第1車両特定情報に含まれる閾値以上となる音源方向を第1の車両が存在する方向として特定する。
具体的には、第1車両特定部106は、所定時間(例えば500ms)ごとに、所定時間内に他車両音検知マイク101及び102により取得された周囲音に含まれる音源方向の頻度を算出する。
例えば、図5の(b)は0秒から500msの間に、他車両音検知マイク101及び102に検知された他車両音に含まれる音源方向の頻度の分布である頻度分布1081を示す。ここで横軸を方向、縦軸を頻度とする。図5の(b)の場合、右80度の頻度が最も高く、よってこの時間幅では右80度方向に音源(第1車両)が存在すると考えられる。また、70度から85度までの頻度が比較的高く、この辺りにも音源が存在する可能性がある。なお、音の到達時間差で音源方向を特定する場合、必ずしも正確な方向が算出されるとは限らず、このように方向に幅をもった分布形状となるのが一般的である。したがって、最も高い頻度を車両の存在する方向と特定することしてもよいし、所定の幅をもって車両の存在する方向を特定することとしてもよい。
同様に、図5の(c)は500msから1000msの間に、他車両音検知マイク101及び102に検知された他車両音に含まれる音源方向の頻度分布1082を示す図である。頻度は左5度が最も高く、よってこの時間幅では左5度方向に音源(第1車両)が存在すると考えられる。
また、図5の(d)は1000msから1500msの間に、他車両音検知マイク101及び102に検知された他車両音に含まれる音源方向の頻度分布1083を示す図である。頻度は左80度が最も高く、よって第1車両特定部106は、この時間幅では左80度方向に第1車両が存在すると特定することとなる。
なお、図5の(b)から(c)そして(d)に示される第1車両が存在する方向の時間推移をみると、右から左へ音源(第1車両)が移動したことが分かる。
なお、周波数帯及び時間区間として他の値を使用してもよい。一般的には、周波数帯及び時間区間を細かく設定するほど、音源方向の特定精度は向上することが期待できるが、過剰に細かく設定すると、ノイズや誤差の影響を受けやすくなるため、およそ、上記値を目安に設定すればよい。
ここで、図5の(b)から(d)において、所定の頻度を示す点線は、第1車両特定情報に含まれる頻度の閾値を示す。頻度が閾値以上の場合、車両音の可能性が高く、第1車両特定部106は、当該閾値以上の音源方向を第1車両が存在する方向として特定する。一方、第1車両特定部106は、頻度が閾値未満の方向は、風切り音や雑音と判断する。
なお、第1車両特定情報が周波数帯の各々に対応付けられた閾値を含んでいる場合には、第1車両特定部106は、これらの情報を用いて、第1の車両の方向を特定してもよい。
例えば、前述のように、第1の閾値が、複数の周波数帯と、複数の周波数帯の各々に対応付けられた周波数別閾値とを含む場合を考える。この場合、第1車両特定部106は、複数の周波数帯の各々に含まれる複数の分析区間をまとめた領域である分析領域ごとに、音源方向ごとの頻度を算出する。その後、頻度が、その頻度が算出された分析領域が含まれる周波数帯に対応付けられた周波数別閾値以上となる音源方向を、第1の車両が存在する方向として特定することが考えられる。
また、前述のように、第1車両特定情報が、複数の周波数帯の各々に対応付けられた閾値(これを、音圧別閾値とよぶ)を含む場合を考える。この場合、第1車両特定部106は、複数の分析領域の各々に含まれる複数の分析区間の振幅の平均値が、その平均値が算出された分析領域に対応する周波数帯に対応付けられた音圧別閾値未満である場合には、当該分析領域を前記第1の車両が存在する方向の特定に使用しない、としてもよい。また、振幅の平均値に代わり、振幅の最大値、中央値等、他の任意の代表値となる統計量を使用してもよい。
第2車両特定情報算出部107は、第1車両特定部106で特定された車両の方向等から、第2車両を特定するための、第1の閾値よりも小さい第2の閾値を含む車両特定情報(第2車両特定情報)を算出する。
以後、図7〜図9Bを参照して、複数台の車両が存在する場合における、車両位置を特定する場合の課題について説明する。
図7は、複数台の他車両が存在する場合の一例を示す。他車両Aの後ろに他車両Bが存在している。
図8は、所定分析区間における音源方向を説明する。より詳細には、図8の(a)は、図7に示す複数台の車両が存在する状況時の周波数スペクトルを示す。図3と同様、縦軸を周波数、横軸を時間として示している。また、図8の(b)においては、図5の(a)と同様、音の方向が特定された部分を黒く塗りつぶして示している。さらに、後に示す第2車両特定部108によって他車両Bの車両音であると特定された車両音の方向については説明のため、ここでは黒い斜線で示している。
図8の(b)に示されるように、1000msから2000msの間は他車両Aから発せられる車両音が検知されている。時間が経過し、2000msから3000msの間は他車両Aとさらに他車両Bから発せられる車両音が検知されていることが示されている。
図9A及び図9Bは、本発明が解決する、車両の特定における課題を説明する。
より詳細には、図9Aの(a)は、図8の(b)と同様に、周波数と時間軸で音源の方向が特定された分析区間を示す。車両ごとの方向の移動などを説明するため、方向の分布図を用いて説明する。
また、図9Aの(b)は、1000msから2000msの間における音源方向の頻度分布について横軸を方向、縦軸を頻度として示す。図9Aの(b)に示されるように、頻度は右65度が最も高く、右65度を中心として周辺に分布していることが分かる。また、頻度が閾値を超えていることが分かる。したがって前述の第1車両特定部106は、第1車両の位置を、右65度周辺であると特定する。
次に、図9Aの(c)は、時間が経過し、2000msから3000msの間における音源方向の頻度分布について、横軸を方向、縦軸を頻度として表した分布図である。図9Aの(c)に示されるように、第1車両(図7に示される他車両A)によって発せられた車両音が左20度(−20度)を中心として分布していることが分かる。また、頻度が閾値を超えているため、第1車両特定部106は、第1車両の位置を、左20度周辺であると特定する。また、図9Aの(b)から図9Aの(c)への推移をみると、他車両Aが右から左へ移動していることが分かる。
さらに、図9Aの(a)に示されるように、2000msから3000msの区間では、右70度、右75度などの方向に、他車両Bが存在する(斜線部分)。頻度分布では、図9Aの(c)に示されるように、右70度周辺に頻度の山があることが分かる。これは他車両Bの車両音によるものである。しかしながら、車両特定情報に含まれる閾値と比較すると、右70度を中心とした分布の山は閾値よりも低く、このままでは車両音としては特定されないこととなる。
車両音で車両を検知する技術分野において、このように複数台の車両が存在する場合、複数台の車両の検出が非常に困難となる。自車両に近い車両(本実施の形態でいえば他車両A)の車両音の影響で、遠い車両(本実施の形態でいえば他車両B)の車両音が埋もれてしまうためである。また、所定の周波数と時間の区間をもとに算出する頻度などで特定する場合、たとえ遠い車両として検知され、車両方向が算出されていても、頻度に差があり埋もれてしまうからでもある。
図9Aの(a)における2000msから3000msの区間において、点線で囲まれた部分は、本来車両Bによる車両音が検出されるはずの部分である。もし、車両Bのみの1台しか存在しない場合、この部分には車両音が検出され、方向が算出される。しかし、車両Aが存在するため、車両Bの車両音が車両Aの車両音に埋もれてしまい、車両Bの車両音が検出ができない。また、車両音として検出されても、頻度が少ないため車両と特定されない。図9Aの(c)には左20度から右70度までにも多くの方向が検出されいる。これらの方向のなかには、車両Bの音がひきずられて当該方向に検出されているものもあると考えられる。
このように、車両音で車両を検知する技術分野では、複数台の車両が存在する場合、複数台の車両の各々が存在する方向を特定することが非常に困難となる。
もし仮に、このままの状態で車両の存在をユーザに通知した場合、衝突の危険性が生じる場合がある。図9Bは仮にこのままの状態で車両の存在を、視覚的にユーザへ通知した場合のイメージ図である。交差点にさしかかった自車両に対し、他車両Aが検知できている。他車両Aは自車両に近いため、車両音が比較的よく検出でき、存在する方向も検知できている。一方、他車両Aの後方には他車両Bも存在している。しかし他車両Bは、前述の通り他車両Aの車両音の影響で、車両音が埋もれ、検知できない。あるいは位相が混ざるため、検知方向が他車両Aにひきずられてしまい、やはり検知できない。ここでは車両Bを点線で示しているが、実際は検知できないためユーザには見えないことになる。
このような状況下、ユーザは他車両Aのみが接近していると勘違いしてしまい、他車両Aの通過後、安心して交差点へ侵入してしまうことがある。その場合、後方の他車両Bと衝突する危険性が生じてしまう。したがって、このような複数台の車両が存在する場合でも他車両Bの存在を検知する技術が不可欠である。
第2車両特定情報算出部107は、第1車両特定部106において特定された車両に関する情報を用いて、第2車両を特定するための情報(第2車両特定情報)を算出する。具体的には、第2車両特定情報算出部107は、頻度を複数の音源方向について合計した合計値に対する、第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の頻度の割合が大きいほど、より小さくなるように算出される第2の閾値を含む、第2車両特定情報を算出する。すなわち、第2車両特定情報算出部は、第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の頻度の合計値が大きいほど、より小さくなるように、第2の閾値を算出する。
以下、より詳細に述べる。
図2に示されるように、本実施の形態に係る第2車両特定情報算出部107は、占有度算出部201、第2閾値算出部202、及び探索方向算出部203から構成される。
占有度算出部201は、特定された車両(第1車両とする)による占有度を算出する。なお、占有度についての詳細は後述する。
第2閾値算出部202は、第2車両を検知するための頻度の閾値である第2の閾値を算出する。探索方向算出部203は、第1車両の存在する方向をもとに、第2車両を探索する方向を算出する。以下、図10A〜図10Dを参照して、第2車両特定情報算出部107による、第2車両特定情報の算出処理を説明する。
図10Aは横軸を特定された音源方向、縦軸を頻度とし、特定された音源方向の頻度分布を示す。
まず、第1車両特定部106は、第1の閾値(車両特定情報に含まれる閾値)を用いて、左20度の方向に第1車両が存在すると特定する。
次に、占有度算出部201は、特定された第1車両による占有度を算出する。ここで占有度とは、頻度を複数の音源方向すべてについて合計した合計値に対する、第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の頻度の合計値の割合を意味する。
例えば、車両が存在する方向の特定に用いる全周波数帯を50Hzから350Hzとする。また、分析区間の周波数帯を5Hz間隔とし、説明のため、時間区間を1つとする。このとき、分析区間の数は、60区間(60=(350−50)/5)となる。
対して他車両Aは左20度と特定されている。したがって、占有度算出部201は、例えば、左20度を中心として左右15度の幅に含まれる頻度を、算出する。つまり、占有度算出部201は、他車両A(第1の車両)が存在する音源方向として特定された方向である左20度に対応する、右5度から左35度の範囲の音源方向の頻度(縦軸)の合計値を算出する。車両音による音源方向特定は、必ずしも車両の存在する方向が正確に算出できるとは限らず前後に誤差を含むことが多い。実験の結果、現状の技術では前後15度程度の誤差を生じることが多かった。したがって、本実施の形態ではこの誤差を考慮して左右15度の幅に含まれる頻度の合計値を、第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の頻度の合計値として算出することとしている。
図10Bは、図10Aに示される頻度分布から求められる第2の閾値を説明する。図10Bにおいて、黒い斜線で示された分布は、「第1の車両(他車両A)が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向」として特定された範囲(以下、「第1の車両に占有された分析区間」とも呼ぶ)を示している。例えば、合計15区間が第1の車両(他車両A)が存在する方向に対応する音源方向として検出された(すなわち、特定された音源方向に対応する分析区間が15個)とすると、占有度算出部201は、占有度を、25%(=15/60×100)と算出する。
次に第2閾値算出部202は、占有度をもとに第2車両特定情報を算出する。本実施の形態では、第2車両特定情報として頻度の閾値(第2の閾値)を算出する。例えば第1の車両に占有された分析区間の残り(つまり占有されていない分析区間)のうち、所定の割合(例えば25%)を乗じた値を第2の閾値とする。本実施の形態の場合、第1車両に占有された分析区間が15区間であるため、占有されていない分析区間は45(=60―15)である。よって、占有されていない分析区間に所定の割合(例えば25%)を乗じ、第2の閾値として11.25(=45×25%)が得られる。
また、探索方向算出部203は、第1の車両に占有された分析区間に含まれない音源方向(これを、第2車両の探索領域とよぶ)を算出する。本実施の形態では、左20度に第1車両が存在すると特定されている。そこで当該方向を中心として所定の幅(例えば左右15度の幅)より外側(すなわち、第1の車両に占有された分析区間の外側)を第2車両の探索領域とする。図10Bにおいて、探索領域として、左90度から左35度までと、右5度から右90度が第2車両を探索する領域として算出されている。
以上の処理により、第2車両特定情報算出部107は、第2の閾値と、第2車両の探索領域とを含む、第2車両特定情報を算出する。
なお、第2車両特定情報算出部107は、第2の閾値と、第2車両の探索領域とを別々に第2車両特定情報に含める代わりに、音源方向ごとに異なる第2の閾値を算出してもよい。具体的には、第1の車両に占有された分析区間に含まれる音源方向に対しては、第1の閾値と同じ値を第2の閾値とする。一方、それ以外の音源方向(すなわち、第2車両の探索領域に含まれる音源方向)に対しては、第2閾値算出部202が算出した閾値を第2の閾値とする。これにより、第2車両特定部108は、第2の閾値を用いて、すでに第1の車両の方向として特定された方向を除いた範囲から、第2の車両が存在する方向を特定することができる。図10Bに示される実線(閾値2)は、このようにして算出された第2の閾値を示す。
なお、第2車両特定情報算出部107は、事前に定められた複数の周波数帯の各々に含まれる分析区間を1つにまとめた領域である分析領域ごとに、(A)すべての音源方向について頻度を合計した合計値に対する、第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の頻度の合計値の割合が大きいほど、かつ、(B)分析領域に対応する周波数が低いほど、小さくなるように第2の閾値を算出してもよい。
これにより、第2車両特定情報算出部107は、周波数が高いほど頻度が大きくなるという一般的な傾向による影響を考慮して、より適切な閾値を算出することができる。
第2車両特定部108は、算出された第2車両特定情報を用いて、第2の車両を特定する。具体的には、第2車両特定部108は、頻度が、第2車両特定情報に含まれる第2の閾値以上となる音源方向を、第2の車両が存在する方向として特定する。
例えば、図10Bに示されるように、第2車両特定情報算出部107は、第2車両の探索領域(左90度から左35度までと、右5度から右90度まで)、及び、頻度の第2の閾値(11.25)を含む第2車両特定情報を算出したとする。
ここで、図10Aに示される頻度分布に第2の閾値を追加した図である図10Cに示されるように、右70度を中心とする音源方向の頻度(黒い斜線で示す部分)は、第2の閾値を超えている。そこで、第2車両特定部108は、当該方向を第2の車両が存在する方向として特定する。ここで、第2の車両は、図7でいう、他車両Aの後ろに存在する他車両Bである。よって、本実施の形態に係る車両方向特定装置110により、他車両Aの車両音の影響で埋もれてしまっていた他車両Bの方向を特定することが可能となる。
なお、本実施の形態では、第2車両特定情報を算出という形態で説明を行ってきたが、車両を特定する車両特定情報(例えば第1車両特定情報)を第2車両用に値等を修正するという形態でも、同様の効果を得られる。
また、占有度算出部201は、複数の時間区間を含む所定の時間幅を用いて占有度を算出してもよい。例えば、上記具体例において、さらに、分析区間を定める時間区間を100msとし、頻度を算出するために使用する時間を500ms(=100ms×5)とする。このとき、分析区間の数は、300区間(300=(500/100)×(350−50)/5)となる。
また、合計15区間が第1の車両(他車両A)が存在する方向に対応する音源方向として特定された(すなわち、特定された音源方向に対応する分析区間が15個ということになる)とすると、占有度算出部201は、占有度を5%(=15/300×100)と算出する。
このとき、第1車両に占有された分析区間は15区間であるため、占有されていない分析区間は285(=300―15)である。よって、占有されていない分析区間に所定の割合(例えば25%)を乗じ、頻度の閾値として71.25(=285×25%)が得られる。
音で車両を検知する技術において、音は必ずしも常に一定区間現れるとは限らず、消えたりすることもある。かかる場合、分析区間を長くすることでより精度よく検出することが可能となる。
車両表示部109は、特定された他車両を表示する表示部である。車両表示部109としては、例えば、液晶ディスプレイや、警告ランプ等が考えられる。
図10Dは、特定された他車両A及び他車両Bを、車両表示部109が表示した一例である。車両方向特定装置110を用いることで、他車両Aのみならず、後方の車両Bの方向も特定することが可能となり、ユーザに通知することでより効果的に衝突回避を図ることができる。
なお、車両表示部109は、聴覚的手段(例えば、警告音又は音声の再生等)により、他車両の方向をユーザに通知してもよく、さらに、上記視覚的手段と聴覚的手段を併用してもよい。
次に、本実施の形態における車両方向特定装置110の動作フローを図11、図12、図13、図14、図15を用いて説明する。
まず、図11を参照して、他車両音検知マイク101及び102において車両音を検知する(ステップS101)。次に周波数分析部103において周波数分析を行う(ステップS102)。そして音源方向特定部104において、音の到達時間差をもとに分析区間ごと(すなわち、所定の周波数及び時間区間ごと)に音源方向を特定する(ステップS103)。
次に、第1車両特定部106は、車両特定情報蓄積部105に蓄積された車両特定情報を参照する(ステップS104)。そしてステップS103で特定された音源方向の情報を用い、第1車両特定部106は、第1の車両が存在する方向を特定する(ステップS105)。
図12はステップS105の詳細を示す。第1車両特定部106は、探索する音源方向である探索方向についてループ処理をすることで、探索方向ごとにステップS202〜ステップS209の処理を行う(ステップS201)。
まず、第1車両特定部106は、ある探索方向の頻度が第1の閾値(Yとする)以上か否かの判断をする(ステップS202)。頻度が第1の閾値Y以上の場合(ステップS202でYes)、車両の範囲(すなわち、車両が存在する可能性がある範囲)を特定するために、第1車両特定部106は、まず車両フラグがONか否かを判断する(ステップS203)。ここで、車両フラグがONでなければ(ステップS203でNo)、第1車両特定部106は、車両フラグをONにする(ステップS204)。そして、第1車両特定部106は、当該方向を車両の範囲の初期値として保存する(ステップS205)。第1車両特定部106は、以後、探索方向ごとにループを繰り返す(ステップS209)。
一方、既に車両フラグがONの場合も(ステップS203でYes)、第1車両特定部106は、ステップS209からループ処理へと進む。
一方、ステップS202において頻度が第1の閾値Y未満の場合(ステップS202でNo)、第1車両特定部106は、車両フラグがONか否かを判断する(ステップS207)。ここで、車両フラグがONの場合は(ステップS207でYes)、第1車両特定部106は、一つ前の探索方向を車両の範囲の末端位置として保存し(ステップS208)、車両フラグをOFFに設定し、ステップS209からループ処理へと進む。
一方、車両フラグが既にOFFの場合(ステップS407でNo)も、第1車両特定部106は、ステップS209からループ処理へと進む。当該フローにより、頻度が第1の閾値以上である車両の存在する方向の範囲が特定されることとなる。
次に、特定された第1の車両の情報を用い、第2車両特定情報算出部107は、第2車両特定情報の算出を行う(図11のステップS106)。
図13はステップS106の詳細を示す。第2車両特定情報算出部107は、まず、第1の車両の存在する方向として特定された方向に所定の幅a(本実施の形態では左右15度)をもたせた範囲内でループ処理を行う(ステップS301)。第2車両特定情報算出部107は、ループ処理として、範囲内に含まれる全ての音源方向を対象として、頻度の総和を算出し(ステップS302)、ループを終了する(ステップS303)。
その後、占有度算出部201は、特定された第1車両による占有度を算出する(ステップS304)。
次に、第2閾値算出部202は、第2車両を検知するための頻度の閾値(第2の閾値)を算出する(ステップS305)。また、探索方向算出部203は、第1車両の存在する方向をもとに、第2車両を探索する方向(第2車両の探索領域)を算出する(ステップS306)。こうして第2車両特定情報算出部107は、第2の閾値及び第2車両の探索領域を含んだ第2車両特定情報を算出する。
なお、前述の通り、本実施の形態では、第1の車両が存在する方向から左右15度の幅をもたせた範囲を第1の車両として特定された方向に対応する音源方向として定め、それ以外の方向(第2車両の探索領域)の中から、第2の車両の存在する方向が特定されることとなる。
次に、第2車両特定部108は、算出された第2車両特定情報を用いて第2車両の特定を行う(図11のステップS107)。
図14は、ステップS107の詳細を示す。第2車両特定部108は、探索方向Xごとにループ処理をすることで探索方向ごとの処理を行う(ステップS401)。ここでは、第2車両特定情報に含まれる第2車両の探索領域に対応する音源方向の範囲内で探索することとなる。
第2車両特定部108は、当該探索方向の頻度(Yとする)が第2の閾値N以上か否かの判断をする(ステップS402)。
頻度が第2の閾値N以上の場合(ステップS402でYes)、第2車両特定部108は、車両の範囲を特定するために、まず車両フラグがONか否かを判断する(ステップS403)。ここで、車両フラグがONでなければ(ステップS403でNo)、第2車両特定部108は、車両フラグをONにする(ステップS404)。次に、第2車両特定部108は、当該方向を車両の範囲の初期値として保存する(ステップS405)。その後、第2車両特定部108は、すべての探索方向について、探索方向ごとにループを繰り返す(ステップS406)。
一方、既に車両フラグがONの場合も(ステップS403でYes)、第2車両特定部108は、探索方向ごとにステップS401から始まるループ処理を行う(ステップS406)。
また、頻度が第2の閾値N未満の場合(ステップS402でNo)、第2車両特定部108は、車両フラグがONか否かを判定する(ステップS407)。
ここで、車両フラグがONの場合(ステップS407でYes)には、第2車両特定部108は、一つ前の探索方向を車両の範囲の末端位置として保存する(ステップS408)。その後、ステップS401から始まるループ処理を再開する(ステップS406)。
一方、車両フラグがONでない場合(ステップS407でNo)には、第2車両特定部108は、ステップS401から始まるループ処理を再開する(ステップS406)。
探索領域に含まれるすべての探索方向Xについて、ループ処理を終了した後、第2車両特定部108は、車両の範囲の、初期値から末端位置までを、第2の車両が存在する方向と特定する(ステップS409)。
最後に、車両表示部109は、特定された方向に車両を表示する(図11のステップS108)。
なお、本実施の形態では、所定の周波数及び所定の時間を一つの区分とし、音源方向ごとの頻度をもとに車両を特定したが、これに限ったものではない。
例えば、第1車両特定部106及び第2車両特定情報算出部107の少なくとも一方は、前述の分析区間の時間軸方向に前後あるいは周波数軸方向の上下を参照し、隣接する分析区間に対応する音源方向が同じ、あるいは±5度以内等、類似する(例えば、隣接する分析区間との音源方向の差が事前に定められた閾値よりも小さい)場合には、より類似するほど(例えば、隣接する分析区間との音源方向の差が小さいほど)、より大きな重みを当該分析区間に付与し、音源方向ごとの、重み付けされた分析区間の個数として、頻度を算出することとしてもよい。具体的には、音源方向が+30度と特定された分析区間が分析区間A、分析区間B、分析区間Cとあり、それぞれの重みが、1.2、1.0、1.1であった場合には、+30度の音源方向に対応する頻度は、1×1.2+1×1.0+1×1.1=3.3となる。
また、本実施の形態において、図13のステップS301に示される様に、第2車両特定情報算出部が第2車両特定情報を算出する際には、第1の車両の存在する方向として特定された方向に所定の幅aをもたせている。しかし、例えば図15のステップS501に示される様に、第2車両特定情報算出部は必ずしも幅を持たせなくてもよい。
車両音の場合、所定の誤差は含むものの、実際に車両が存在する方向により多くの音源方向が分布する傾向がある。しかし風雑音などは、瞬間的にランダムに発生する音であり、音源方向が区分ごとにばらつくのが一般的である。したがって、第1車両特定部106及び第2車両特定情報算出部107の少なくとも一方は、頻度を算出する際に、単に区分の総和をとるのではなく、このように重みを付与することでより精度よく車両音の特定が可能となる。
また、本実施の形態に係る車両方向特定装置110は、区分を頻度として扱うのではなく、分析する区分をもとに密度として扱い、車両を特定することとしてもよい。また、頻度や密度をもとにガウス分布等の分布形状を算出し、分布形状の値、すなわち平均値や分散値を閾値と比較することで車両が存在する方向を特定することとしてもよい。この場合、複数車両により分布形状が多峰性を有する場合には、例えば、混合ガウス分布等のパラメトリックな確率モデルにより、頻度分布を近似し、モデルが有するパラメタを閾値と比較することで車両が存在する方向を特定することが考えられる。
いずれにせよ、車両によって発せられる音の方向であって、所定の分布を有する一つの塊を、車両特定情報を用いて第1車両として特定するという、本発明の思想に属する手法であれば含む。
なお、本実施の形態において、車両の探索方向Xは−90度から開始し、90度まで探索している(例えば、図12に示されるステップS201〜ステップS209のループ)がこれに限ったものではない。例えば、本実施の形態のようにマイクをバンパーに設置し、交差点において最も車両が接近した場合、正面方向が0度となる。また、最も接近した場合に頻度が高くなるのが一般的である。それに伴い、後方の第2車両が埋もれてしまう状況も第1車両が正面の場合が多い。そこで、第1車両特定部106は、第1車両の探索を、正面を優先的に行うこととしてもよい。例えばまず、正面(0度)から右(90度)に向けて探索し、その後、正面から左(―90度)に向けて探索してもよい。あるいはこれらを並列処理で行うなどの応用も可能である。これにより、第1車両特定部106は、より短時間で第1車両を特定し、さらに続けて第2車両の特定を行うことが可能となる。
(実施の形態2)
図16は実施の形態2における車両方向特定装置110Aの構成を示すブロック図である。実施の形態1における車両方向特定装置110Aの構成要素に加え、移動方向特定部111が加わる。実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付与し、説明を省略する。
移動方向特定部111は、第1車両特定部106により特定される第1の車両が存在する方向の時間変化から、第1の車両の移動方向を特定する。以下、詳細に説明する。
図17A〜図17Eは、実施の形態2における車両方向特定装置110Aによる車両方向の特定処理の概要を示す。
図17Aは、図10Aと同様、横軸を音源方向、縦軸を頻度とし、検出された音源方向の頻度分布を示す図である。
まず、第1車両特定部106は、第1の閾値(車両特定情報)を用いて、左20度の方向に第1の車両(図17Aにおける他車両A)が存在すると特定する。
次に、第1車両特定部106は、事前に定められた期間が経過した後、期間内に他車両音検知マイク101及び102により検知された周囲音を対象として、再度、第1の車両が存在する方向を特定する。
次に、移動方向特定部111は、前回特定された第1の車両が存在する方向から、今回特定された第1の車両が存在する方向へ向かう方向を、第1の車両の移動方向として特定する。
例えば、他車両Aが、図17Bに示される頻度分布をもつ位置から、事前に定められた期間、左方向へ移動した結果、図17Cに示される頻度分布をもつ位置へと移動したとする。このとき、第1車両特定部106は、図17Cに示される頻度分布から、他車両Aの存在する方向を左25度と特定したとする。
このとき移動方向特定部111は、自車両の正面からみて左20度から左25度へ向かう方向、すなわち、左方向を、他車両Aの移動方向として特定する。
以後、同様にして、第1車両特定部106は、事前に定められた期間ごとに、当該期間内に検知された周囲音を対象として第1の車両が存在する方向を特定し、移動方向特定部111は、前回特定された第1の車両が存在する方向から、今回特定された第1の車両が存在する方向へ向かう方向を、第1の車両の移動方向として特定することで、継続的に第1の車両の移動方向を特定することができる。
次に、第2車両特定情報算出部107Aは、特定された移動方向を用いて、第2車両の探索領域を特定する。以下、詳細に説明する。
第2車両特定情報算出部107Aが備える占有度算出部は、特定された他車両Aによる占有度を算出する。実施の形態1と同様、他車両Aは左20度と特定されており、例えば、左20度を中心として左右15度の幅に含まれる頻度を、他車両Aによって占有されている占有度として算出する。
具体的には、図17Aにおいて、黒い斜線で示された分布は、第1の車両に占有された分析区間を示している。例えば、合計15区間(頻度が15個ということになる)が第1の車両に占有された分析区間として特定されていたとすると、占有度算出部が算出する占有度は、25%(=15/60×100)となる。
次に、第2閾値算出部において、占有度をもとに第2車両特定情報を算出する。実施の形態1と同様、第1の車両に占有された分析区間が15区間であるため、占有されていない区間は45(=60―15)区間である。そして所定の割合(例えば25%)を乗じ、頻度の閾値(第2の閾値)として11.25(=45×25%)が得られる。
次に、本実施の形態に係る探索方向算出部は、音源方向特定部104により特定された複数の音源方向のうち、第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向よりも、第1の車両の移動方向と反対の方向に含まれる複数の音源方向を、第2車両探索範囲として算出する。その後、第2車両特定情報算出部107Aは、第2車両探索範囲を含む第2車両特定情報を算出する。さらに、第2車両特定部108は、第2車両探索範囲に含まれる音源方向の中から、第2の車両が存在する方向を特定する。
例えば、第1車両特定部106は、左20度に第1の車両が存在すると特定したとする。また、移動方向特定部111は、第1の車両が右から左へと移動していると移動方向を特定したとする。ここで、探索方向算出部は、現在、第1の車両が存在する当該方向を中心として所定の幅(例えば左右15度の幅)より外側かつ、車両Aの移動方向とは反対の右5度から右90度を探索する領域とする。その結果、第2車両特定情報算出部107Aは、右5度から右90度という、第2車両探索範囲と、第2の閾値を含む第2車両特定情報を算出する。
なお、実施の形態1に係る第2車両特定情報算出部107と同様に、本実施の形態に係る第2車両特定情報算出部107Aは、第2の閾値と、第2車両の探索領域とを別々に第2車両特定情報に含める代わりに、音源方向ごとに異なる第2の閾値を算出してもよい。図17Cに示される実線(閾値2)は、このようにして算出された第2の閾値を示す。17Cに示されるように、右5度から右90度の範囲において、第2の閾値は11.25に設定される。
次に、第2車両特定部108は、算出された第2車両特定情報を用いて、第2車両を特定する。図17Dに示されるように、右70度の音源方向は、第2の閾値を超えた頻度を有している(黒い斜線で示す部分)。そこで当該方向の音源を第2の車両として特定する。これは、図7及び図17Eに示される、他車両Aの後ろに存在する他車両Bに相当する。すなわち、本実施の形態に係る車両方向特定装置110Aが備える第2車両特定情報算出部107Aによって車両特定情報を算出することにより、他車両Aの車両音の影響で埋もれてしまっていた他車両Bを検知することができる。
図17Eは、車両方向特定装置110Aによって方向が特定された車両を車両表示部109に表示した表示画面の一例である。他車両Aの後方の他車両Bが検知されていることを示している。
第2の閾値は、第1の閾値より低く(小さく)なるため、雑音などを誤検知する可能性も高くなる。一方、検知した車両の移動方向を特定し、移動方向とは逆の領域、つまり後方を探索領域とすることで、雑音の誤検知を抑制し、必要な情報のみ提供することが可能となる。
特に衝突の危険性があるのは、後方にいる車両や死角にいる車両となる。一方、既に通過した車両やユーザに既に見えている車両は通知する必要がない場合も多い。本実施の形態に係る車両方向特定装置110Aを用いることで、検知した車両の後方の車両を効率的に検出することができる。
本実施の形態に係る車両方向特定装置110Aの動作フローを図18、図19、図20、図21、図22を用いて説明する。なお、実施の形態1と同様のステップには同様の符号を付与する。
図18を参照して、まず他車両音検知マイク101及び102において車両音を検知する(ステップS101)。
次に周波数分析部103において周波数分析を行う(ステップS102)。
そして音源方向特定部104において、音の到達時間差をもとに所定の周波数及び時間区間ごとに音源方向を特定する(ステップS103)。
次に車両特定情報蓄積部105に蓄積された車両特定情報を参照する(ステップS104)。そしてステップS103で特定された音源方向の情報を用い、第1車両特定部106において第1の車両を特定する(ステップS105)。
図19は第1車両特定部106が行うステップS105の詳細を示す。第1車両特定部106は、まず、探索方向についてループ処理をすることで探索方向ごとの処理を行う(ステップS201)。ループ内においては、第1車両特定部106は、ある探索方向の頻度が第1の閾値(Yとする)以上か否かの判断をする(ステップS202)。頻度が第1の閾値Y以上の場合(ステップS202でYes)、車両の範囲をサーチするために、第1車両特定部106は、まず車両フラグがONか否かを判断する(ステップS203)。第1車両特定部106は、車両フラグがONでなければ(ステップS203でNo)、車両フラグをONにする(ステップS204)。そして当該方向を車両の初期値として保存する(ステップS205)。第1車両特定部106は、以上のループ処理を探索方向ごとに繰り返す(ステップS209)。
一方、既に車両フラグがONの場合も(ステップS203でYes)、第1車両特定部106は、ステップS209からステップS201へ戻りループ処理を行う。
一方、ステップS202において頻度が第1の閾値Y未満の場合(ステップS202でNo)、第1車両特定部106は、車両フラグがONか否かを判断(ステップS207)する。車両フラグがONの場合は(ステップS207のYes)、第1車両特定部106は、一つ前の方向を車両の末端位置として保存し(ステップS208)、ステップS209からステップS201へ戻りループ処理を行う。
一方、車両フラグが既にOFFの場合も、第1車両特定部106はステップS209からステップS201へ戻りループ処理を行う。
当該フローにより、頻度が第1の閾値以上である車両の存在する方向の範囲が特定されることとなる。さらに本実施の形態では移動方向特定部が移動を特定するために、例えば車両の範囲の初期値から末端位置の中心を車両位置として特定する(ステップS209)。
次に、移動方向特定部111は、車両移動方向を特定する(ステップS109)。
図20はステップS109の詳細を示す。移動方向特定部111は、所定時間ごとに、車両が存在する方向(角度)で表される車両位置を参照し(ステップS601)、現在の車両位値が直前の車両位値と比較して増加(右へ移動)しているか否かの判断をする(ステップS602)。増加している場合(ステップS602でYes)、移動方向特定部111は、車両が右へ移動していると特定する(ステップS603)。一方、増加していない場合(ステップS602でNo)、移動方向特定部111は、車両が左へ移動していると特定する(ステップS604)。
次に、第2車両特定情報算出部107Aは、特定された第1の車両の情報を用いて第2車両特定情報の算出を行う(図18のステップS106)。
図21は、図18のステップS106の詳細を示す。第2車両特定情報算出部107Aは、まず、第1車両として特定された方向に所定の幅a(本実施の形態では左右15度)をもたせた範囲を、第1の車両として特定された方向に対応する音源方向として定め、この範囲内でループ処理を行う(ステップS301)。ループ処理として、第2車両特定情報算出部107Aは、範囲内に含まれる全ての音源方向を対象として、頻度の総和を算出し(ステップS302)、ループを終了する(ステップS303)。
そして占有度算出部は、特定された第1車両による占有度を算出する(ステップS304)。
次に、第2閾値算出部は、第2車両を特定するための頻度の閾値(第2の閾値)を算出する(ステップS305)。また、探索方向算出部は、第1車両の移動方向をもとに、第1車両が右から左へ移動しているか否かを参照する(ステップS307)。ここで、右から左へ移動している場合(ステップS307でYes)、探索方向算出部は、第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向よりも右側を、第2車両の探索領域として算出する(ステップS308)。
一方、右から左へ移動していない場合(ステップS307でNo)、探索方向算出部は、第2車両の探索領域を、第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向よりも左として算出する(ステップS309)。その結果、第2車両特定部108は、第1の車両の後方を探索することとなる。
次に、算出された第2車両特定情報を用い、第2車両特定部108は、第2車両の特定を行う(図18のステップS107)。
図22は、図18のステップS107の詳細を示す。第2車両特定部108は、まず、探索領域に含まれる音源方向(探索方向)についてループ処理をすることで探索領域に含まれる音源方向ごとの処理を行う。具体的には、第2車両特定部108は、探索領域が、第1車両特定部106により特定された、第1の車両が存在する方向よりも右側か否かを参照する(ステップS410)。ここで、探索領域が右側なら(ステップS410でYes)、第1車両の末端(すなわち、第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の右端)から右90度までを探索領域とする(ステップS411)。
一方、探索領域が、第1車両特定部106により特定された、第1の車両が存在する方向よりも左側なら(ステップS410でNo)、第2車両特定部108は、左90度から第1車両の初期値(すなわち、第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の左端)までを探索領域とする(ステップS412)。
そして、第2車両特定部108は、第2車両特定情報として算出された方向及び移動方向をもとに探索範囲を変えてループする。すなわち、第2車両特定部108は、探索領域に含まれる音源方向である探索方向Xごとに、その頻度が第2の閾値N以上か否かの判断をする(ステップS402)。頻度が第2の閾値N以上の場合(ステップS402でYes)、第2車両特定部108は、車両の範囲をサーチするために、まず車両フラグがONか否かを判断する(ステップS403)。車両フラグがONでなければ(ステップS403でNo)、第2車両特定部108は、車両フラグをONにする(ステップS404)。そして、第2車両特定部108は、当該方向を車両の範囲の初期値として保存する(ステップS405)。第1車両特定部106は、以上のループ処理を、探索方向Xごとに繰り返す(ステップS406)。
一方、既に車両フラグがONの場合も(ステップS403でYes)、ステップS409からステップS401に戻りループ処理を行う。
また、頻度が第2の閾値N未満の場合(ステップS402でNo)、第2車両特定部108は、車両フラグがONか否かを判定する(ステップS407)。
ここで、車両フラグがONの場合(ステップS407でYes)には、第2車両特定部108は、一つ前の探索方向を車両の範囲の末端位置として保存する(ステップS408)。その後、ステップS401から始まるループ処理を再開する(ステップS406)。
一方、車両フラグがONでない場合(ステップS407でNo)には、第2車両特定部108は、ステップS401から始まるループ処理を再開する(ステップS406)。
探索領域に含まれるすべての探索方向Xについて、ループ処理を終了した後、第2車両特定部108は、車両の範囲の、初期値から末端位置までを、第2の車両が存在する方向と特定する(ステップS409)。当該フローにより、頻度が第2の閾値以上である車両の存在する方向の範囲が特定されることとなる。
最後に、車両表示部109は、特定された方向に車両を表示する(図18のステップS108)。
なお、車両方向特定装置110Aは、実施の形態1と同様、第1車両の特定と第2車両の特定とを状況に応じた方向から探索することとしてもよい。さらに、第1車両の移動方向に応じて、第2車両の探索を行うこととしてもよい。以下、具体的に説明する。
交差点における衝突の危険性が生じる状況としては、1台のみと勘違いし、当該1台が通過したのちに安心して交差点に侵入してしまい、別の1台の車両と衝突してしまう状況がある。そこで、例えば第1車両を特定し、当該第1車両が正面に移動してきた場合に、本発明に示す手法で算出された探索方向をもとに第2車両を特定することとしてもよい。
あるいは、本発明の変形例として、例えば第1車両を特定し、当該第1車両が正面に移動してきた場合に、特定された第2車両を表示して、注意をドライバに促すこととしてもよい。1台が正面を通過し安心してしまうドライバの注意を促すことで、第2車両との衝突の危険性を回避することが可能となる。
なお、実施の形態1及び2に係る車両方向特定装置は、他車両音検知マイク101及び102及び車両表示部109を備えなくても、同様の発明の効果を奏することができる。
具体的には、車両方向特定装置が他車両音検知マイク101及び102を備えなくても、車両方向特定装置の外部に設置されたマイクで周囲音を取得すればよい。取得された周囲音を表す信号を、有線通信又は無線通信により、車両方向特定装置へ入力しても、他車両音検知マイク101及び102を備える場合と同様の効果を奏する。
また、車両方向特定装置が車両表示部109を備えなくても、外部の表示装置へ他車両の存在する方向を表示するために必要な情報(例えば、特定された車両位値、台数など)を出力しても、車両表示部109を備える場合と同様の効果を奏する。
なお、実施の形態1及び2で説明した車両方向特定装置は、コンピュータにより実現することも可能である。図23は、車両方向特定装置を実現するコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
車両方向特定装置は、コンピュータ34と、コンピュータ34に指示を与えるためのキーボード36及びマウス38と、コンピュータ34の演算結果等の情報を提示するためのディスプレイ32と、コンピュータ34で実行されるプログラムを読み取るためのCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)装置40及び通信モデム(図示せず)とを含む。
車両方向特定装置が行う処理であるプログラムは、コンピュータで読取可能な媒体であるCD−ROM42に記憶され、CD−ROM装置40で読み取られる。又は、コンピュータネットワークを通じて通信モデム52で読み取られる。
コンピュータ34は、CPU(Central Processing Unit)44と、ROM(Read Only Memory)46と、RAM(Random Access Memory)48と、ハードディスク50と、通信モデム52と、バス54とを含む。
CPU44は、CD−ROM装置40又は通信モデム52を介して読み取られたプログラムを実行する。ROM46は、コンピュータ34の動作に必要なプログラムやデータを記憶する。RAM48は、プログラム実行時のパラメタなどのデータを記憶する。ハードディスク50は、プログラムやデータなどを記憶する。通信モデム52は、コンピュータネットワークを介して他のコンピュータとの通信を行う。バス54は、CPU44、ROM46、RAM48、ハードディスク50、通信モデム52、ディスプレイ32、キーボード36、マウス38及びCD−ROM装置40を相互に接続する。
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integrated Circuit:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
さらにまた、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
また、本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc(登録商標))、USBメモリ、SDカードなどのメモリカード、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
また、上記プログラム又は上記デジタル信号を上記記録媒体に記録して移送することにより、又は上記プログラム又は上記デジタル信号を、上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
さらに、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、車両方向特定装置に適用でき、特に、第1の車両及び第2の車両を含む車両が存在する方向を検出する、車両方向特定装置に適用できる。
32 ディスプレイ
34 コンピュータ
36 キーボード
38 マウス
40 CD−ROM装置
42 CD−ROM
44 CPU
46 ROM
48 RAM
50 ハードディスク
52 通信モデム
54 バス
101、102 他車両音検知マイク
103 周波数分析部
104 音源方向特定部
105 車両特定情報蓄積部
106 第1車両特定部
107、107A 第2車両特定情報算出部
108 第2車両特定部
109 車両表示部
110、110A 車両方向特定装置
111 移動方向特定部
201 占有度算出部
202 第2閾値算出部
203 探索方向算出部
710 自車両
712 他車両
720 領域
1071、1072 分析区間
1081、1082、1083 頻度分布

Claims (16)

  1. 第1の車両及び第2の車両を含む複数の車両の各々が存在する方向を、複数のマイクで検知された前記複数の車両の車両音を含む周囲音から特定する車両方向特定装置であって、
    事前に定められた周波数帯及び時間区間で特定される、複数の分析区間の各々について、前記周囲音の位相及び振幅のうち少なくとも1つを分析する周波数分析部と、
    前記周波数分析部から取得した分析結果に基づいて、前記複数の分析区間の各々について、前記周囲音に含まれる音源の方向を表す音源方向を特定する音源方向特定部と、
    前記第1の車両が存在する方向を特定するための第1の閾値を含む第1車両特定情報を蓄積している車両特定情報蓄積部と、
    複数の前記音源方向について、前記音源方向毎に、対応する前記分析区間の個数である頻度を算出し、算出された前記頻度が前記第1車両特定情報に含まれる第1の閾値以上となる前記音源方向を、前記第1の車両が存在する方向として特定する第1車両特定部と、
    前記第2の車両が存在する方向を特定するための、前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値を含む第2車両特定情報を算出する第2車両特定情報算出部と、
    算出された前記頻度が前記第2車両特定情報に含まれる前記第2の閾値以上となる前記音源方向を、前記第2の車両が存在する方向として特定する第2車両特定部とを備え、
    前記第2車両特定情報算出部は、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の頻度の合計値が大きいほど、より小さくなるように、前記第2の閾値を算出する
    車両方向特定装置。
  2. 前記音源方向特定部は、前記分析区間ごとに、前記複数のマイクへの前記周囲音の到達時間の差に対応する角度を、前記音源方向として特定する
    請求項1記載の車両方向特定装置。
  3. さらに、前記第1車両特定部により特定される前記第1の車両が存在する方向の時間変化から、前記第1の車両の移動方向を特定する移動方向特定部を備え、
    前記第2車両特定情報算出部は、前記音源方向特定部により特定された複数の前記音源方向のうち、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する前記音源方向よりも、前記第1の車両の移動方向と反対の方向に含まれる複数の前記音源方向を、第2車両探索範囲として算出し、前記第2車両探索範囲を含む前記第2車両特定情報を算出する
    請求項1又は2に記載の車両方向特定装置。
  4. 前記第1車両特定部は、事前に定められた期間ごとに、前記期間内に検知された周囲音を対象として前記第1の車両が存在する方向を特定し、
    前記移動方向特定部は、前回特定された第1の車両が存在する方向から、今回特定された第1の車両が存在する方向へ向かう方向を、前記第1の車両の移動方向として特定する
    請求項3に記載の車両方向特定装置。
  5. 前記第2車両特定部は、前記第2車両探索範囲に含まれる音源方向の中から、前記第2の車両が存在する方向を特定する
    請求項4に記載の車両方向特定装置。
  6. 前記第1の閾値及び前記第2の閾値のうち少なくとも一方は、前記事前に定められた周波数ごとに異なる
    請求項1又は2に記載の車両方向特定装置。
  7. 前記第1の閾値は、複数の周波数帯と、前記複数の周波数帯の各々に対応付けられた周波数別閾値とを含み、前記周波数別閾値は、対応づけられる前記周波数帯の周波数が高いほど、より大きくなるように定められており、
    前記第1車両特定部は、前記複数の分析区間のうち前記複数の周波数帯の各々に含まれる分析区間をまとめた領域である分析領域ごとに、前記音源方向ごとの頻度を算出し、前記頻度が、前記第1の閾値のうち前記分析領域が含まれる前記周波数帯に対応付けられた前記周波数別閾値以上となる前記音源方向を前記第1の車両が存在する方向として特定する
    請求項1又は2に記載の車両方向特定装置。
  8. 前記第2車両特定情報算出部は、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向に対しては、前記第1の閾値と同じ値を前記第2の閾値とし、それ以外の音源方向に対しては、前記頻度を複数の前記音源方向について合計した合計値に対する、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の頻度の合計値の割合が大きいほど、より小さくなるように算出される値を前記第2の閾値とする
    請求項1又は2に記載の車両方向特定装置。
  9. 前記第2車両特定部は、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向以外の音源方向の中から、前記第2の車両が存在する方向を特定する
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両方向特定装置。
  10. 前記第2車両特定情報算出部は、事前に定められた複数の周波数帯の各々に含まれる複数の前記分析区間をまとめた領域である分析領域ごとに、(A)すべての前記音源方向について前記頻度を合計した合計値に対する、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する前記音源方向の前記頻度の合計値の割合が大きいほど、かつ、(B)前記分析領域に対応する周波数が低いほど、小さくなるように前記第2の閾値を算出する
    請求項1又は2に記載の車両方向特定装置。
  11. 第1車両特定部及び第2車両特定情報算出部の少なくとも一方は、隣接する前記分析区間に対応する前記音源方向がより類似するほど、より大きな重みを前記分析区間に付与し、前記音源方向ごとの、重み付けされた前記分析区間の個数として、前記頻度を算出する
    請求項1又は2に記載の車両方向特定装置。
  12. 前記第1車両特定情報は、複数の周波数帯の各々に含まれる複数の前記分析区間を1つにまとめた領域である分析領域に対応付けられた閾値である音圧別閾値を含み、
    前記第1車両特定部は、前記複数の分析領域の各々に含まれる複数の前記分析区間の振幅の平均値が、前記平均値が算出された前記分析領域に対応する前記周波数帯に対応付けられた前記音圧別閾値未満である場合には、前記分析領域を前記第1の車両が存在する方向の特定に使用しない
    請求項1又は2に記載の車両方向特定装置。
  13. 第1の車両及び第2の車両を含む複数の車両の各々が存在する方向を、複数のマイクで検知された前記複数の車両の車両音を含む周囲音から特定する車両方向特定方法であって、
    事前に定められた周波数帯及び時間区間で特定される複数の分析区間の各々について、前記周囲音の位相及び振幅のうち少なくとも1つを分析する周波数分析ステップと、
    前記周波数分析ステップにおいて取得した分析結果に基づいて、前記複数の分析区間の各々について、前記周囲音に含まれる音源の方向を表す音源方向を特定する音源方向特定ステップと、
    複数の前記音源方向について、前記音源方向毎に、対応する前記分析区間の個数である頻度を算出し、算出された前記頻度が第1車両特定情報に含まれる第1の閾値以上となる前記音源方向を、前記第1の車両が存在する方向として特定する第1車両特定ステップと、
    前記第2の車両が存在する方向を特定するための、前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値を含む第2車両特定情報を算出する第2車両特定情報算出ステップと、
    算出された前記頻度が前記第2車両特定情報に含まれる前記第2の閾値以上となる前記音源方向を、前記第2の車両が存在する方向として特定する第2車両特定ステップとを含み、
    前記第2車両特定情報算出ステップにおいては、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の頻度の合計値が大きいほど、より小さくなるように、前記第2の閾値を算出する
    車両方向特定方法。
  14. 請求項13に記載の車両方向特定方法をコンピュータに実行させる
    プログラム。
  15. 請求項14に記載のプログラムを記録した
    コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  16. 第1の車両及び第2の車両を含む複数の車両の各々が存在する方向を、複数のマイクで検知された前記複数の車両の車両音を含む周囲音から特定する集積回路であって、
    事前に定められた周波数帯及び時間区間で特定される複数の分析区間の各々について、前記周囲音の位相及び振幅のうち少なくとも1つを分析する周波数分析部と、
    前記周波数分析部から取得した分析結果に基づいて、前記複数の分析区間の各々について、前記周囲音に含まれる音源の方向を表す音源方向を特定する音源方向特定部と、
    前記第1の車両が存在する方向を特定するための第1の閾値を含む第1車両特定情報を蓄積している車両特定情報蓄積部と、
    複数の前記音源方向について、前記音源方向毎に、対応する前記分析区間の個数である頻度を算出し、算出された前記頻度が、前記第1車両特定情報に含まれる第1の閾値以上となる前記音源方向を前記第1の車両が存在する方向として特定する第1車両特定部と、
    前記第2の車両が存在する方向を特定するための、前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値を含む第2車両特定情報を算出する第2車両特定情報算出部と、
    算出された前記頻度が、前記第2車両特定情報に含まれる前記第2の閾値以上となる前記音源方向を、前記第2の車両が存在する方向として特定する第2車両特定部とを備え、
    前記第2車両特定情報算出部は、前記第1の車両が存在する方向として特定された方向に対応する音源方向の頻度の合計値が大きいほど、より小さくなるように、前記第2の閾値を算出する
    集積回路。
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