以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラーレーザープリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する前に、本発明を理解する上で参考になる参考形態に係るプリンタについて説明する。
まず、参考形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、参考形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図である。このプリンタは、イエロー,マゼンダ,シアン,ブラック(以下、Y,M,C,Kと記す)の各色のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kを備えている。また、光書込ユニット50、レジストローラ対54、転写ユニット60等も備えている。各符号の末尾に付された添字Y,M,C,Kは、それぞれイエロー,マゼンダ,シアン,ブラック用の部材であることを示す。
潜像形成手段たる光書込ユニット50は、Y,M,C,Kの各色に対応する4つのレーザーダイオードからなる光源、正六面体のポリゴンミラー、これを回転駆動するためのポリゴンモータ、fθレンズ、レンズ、反射ミラー等を有している。レーザーダイオードから射出されたレーザー光Lは、ポリゴンミラーの何れか1つの面で反射してポリゴンミラーの回転に伴って偏向せしめられながら、後述する4つの感光体のうちの何れかに到達する。4つのレーザーダイオードからそれぞれ射出されるレーザー光Lにより、4つの感光体の表面がそれぞれ光走査される。
プロセスユニット1Y,M,C,Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体3Y,M,C,K、これらにそれぞれ個別に対応する現像手段たる現像装置40Y,M,C,K、帯電装置などを有している。感光体3Y,M,C,Kは、図示しない駆動手段によって所定の線速で図中時計回り方向に回転駆動せしめられる。そして、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいて変調されたレーザー光Lを発する光書込ユニット50により、暗中にて光走査されて、Y,M,C,K用の静電潜像を担持する。
図2は、4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kのうち、K用のプロセスユニット1Kを転写ユニット(図1の60)の中間転写ベルト61とともに示す拡大構成図である。同図において、K用のプロセスユニット1Kは、感光体3K、帯電装置、図示しない除電ランプ、現像手段たる現像装置40K等を、1つのユニットとして共通のユニットケーシング(保持体)に保持させて、プリンタ本体に対して着脱可能にしたものである。
被帯電体であり且つ潜像担持体であるK用の感光体3Kは、アルミニウム素管からなる導電性基体の表面に、負帯電性の有機光光導電物質(OPC)からなる感光層が被覆された直径24[mm]程度のドラムであり、図示しない駆動手段によって所定の線速で図中時計回り方向に回転駆動せしめられる。これにより、感光体3Kの表面は、後述する1次転写ニップ(中間転写ベルト61との当接位置)、補助帯電ニップ、帯電ニップ、光書込位置、現像領域を順次通過する。
K用の現像装置40Kは、ケーシング41Kに設けられた開口から周面の一部を露出させる現像ローラ42Kを有している。現像剤担持体たる現像ローラ42Kは、その長手方向の両端からそれぞれ突出している軸が図示しない軸受けによってそれぞれ回転自在に支持されている。ケーシング41Kには、Kトナーが内包されており、回転駆動されるアジテータ43Kによって図中右側から左側へと搬送される。アジテータ43Kの図中左側方には、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動されるトナー供給ローラ44Kが配設されている。このトナー供給ローラ44Kのローラ部はスポンジ等の弾性発泡体からなり、アジテータ43Kから送られてくるKトナーを良好に捕捉する。このようにして捕捉されたKトナーは、トナー供給ローラ44Kと現像ローラ42Kとの当接部で現像ローラ42Kに供給される。そして、現像剤担持体たる現像ローラ42K内の表面に担持されたKトナーは、現像ローラ42Kの図中反時計回り方向の回転駆動に伴って規制ブレード45Kとの接触位置を通過する際にその層厚が規制されたり、摩擦帯電が促されたりした後、感光体3Kと対向する現像領域に搬送される。
この現像領域では、図示しない電源から出力される負極性の現像バイアスが印加される現像ローラ42Kと、感光体3Kの静電潜像との間に、負極性のKトナーを現像ローラ42K側から潜像側に静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像ローラ42Kと感光体3Kの一様帯電箇所(地肌部)との間に、負極性のKトナーを地肌部側から現像ローラ42K側に静電移動させる非現像ポテンシャルが作用する。現像ローラ42K上のKトナーは、現像ポテンシャルの作用によって現像ローラ42K上から離脱して感光体3Kの静電潜像上に転移する。この転移により、感光体3K上の静電潜像がKトナー像に現像される。
なお、本プリンタでは、現像剤としてKトナーを主成分とする一成分現像剤を用いる一成分現像方式を現像装置40Kに採用しているが、Kトナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤を用いる二成分現像方式を採用してもよい。
現像領域で現像されたKトナー像は、感光体3Kの回転に伴って感光体3Kと中間転写ベルト61とが当接するK用の1次転写ニップまで搬送され、ここで中間転写ベルト61上に中間転写される。この1次転写ニップを通過した後の感光体3K表面には、中間転写ベルト61上に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーの処理については、後述する。
帯電装置は、図中反時計回り方向に回転駆動されながら感光体3Kに当接して帯電ニップを形成する帯電ローラ7K、感光体3Kに当接して補助帯電ニップを形成する補助帯電部材10Kなどを有している。帯電ローラ7Kは、金属製の回転軸部材の周面上に導電性ゴム等の導電性及び弾性を発揮する材料からなるローラ部が被覆されたものである。回転軸部材には、図示しない電源等からなる帯電バイアス供給手段により、帯電バイアスが印加される。この印加により、帯電ローラ7Kと感光体3Kとの間で放電が発生することで、感光体3Kの表面がトナーの帯電極性と同極性に一様帯電せしめられる。
補助帯電部材10Kは、スポンジ等の弾性材料からなる弾性部8Kの表面に、導電性材料からなる導電性シート9Kが被覆されたものである。そして、ホルダー部材によって感光体3Kに向けて押圧されながら、感光体3Kの周面のうち、後述する1次転写ニップを通過してから、上記帯電ニップに進入する前の箇所に対して、自らのシート被覆面を当接させている。導電性シート9Kには、図示しない電源等からなる補助帯電バイアス供給手段により、トナーの帯電極性と同極性の直流電圧、あるいはこの直流電圧が重畳された交流電圧からなる補助帯電バイアスが供給される。
1次転写ニップを通過した後の感光体3K表面に付着している転写残トナーの中には、正規の帯電極性に帯電しているトナーの他、正規の帯電極性ではあるもののその帯電量が不足している低帯電量トナーや、逆極性に帯電している逆帯電トナーなども含まれる。そして、このような転写残トナーは、感光体3Kの回転に伴って補助帯電ニップに進入する。すると、転写残トナー中の逆帯電トナーは、補助帯電部材10Kと感光体3Kとの間の放電、あるいは補助帯電部材10Kからの電荷注入により、正規極性であるマイナス極性に十分に帯電せしめられる。また、転写残トナー中の低帯電量トナーも、放電あるいは電荷注入によってマイナス極性に十分に帯電せしめられる。
帯電ニップで一様帯電せしめられたK用の感光体3Kの表面には、上述した光書込ユニット(50)による光走査でK用の静電潜像が形成され、この静電潜像はK用の現像装置40KによってKトナー像に現像される。
上述したように、補助帯電部材10Kは、転写残トナー中の低帯電量トナーや逆帯電トナーを正規のマイナス極性に十分に帯電せしめる役割を担っている。そして、それにより、帯電ローラ7Kのトナー汚れ、感光体3Kの帯電ムラ、地汚れ、残像などの発生を抑えている。
具体的には、帯電ローラ7Kに印加される帯電バイアスは、マイナス極性の直流電圧、あるいは、かかる直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧である。そして、帯電ローラ7Kは、かかる帯電バイアスの印加によって相対的にマイナスの極性になる。また、帯電ニップにおいては、感光体3Kがマイナス極性に帯電せしめられるが、そのマイナスの値は、帯電ローラ7Kのマイナスの値に比べて小さくなっている。このため、転写残トナー中に含まれる低帯電量トナーや逆帯電トナーは、そのままでは、帯電ニップで感光体3Kの表面から帯電ローラ7Kの表面に転移してローラ表面上に留まり易い状態になっている。そこで、帯電ニップよりも上流側で、低帯電量トナーや逆帯電トナーをマイナス極性に十分に帯電させるのである。このようにすることで、帯電ニップやその入口における感光体3Kから帯電ローラ7Kへのトナーの転移を軽減して、帯電ローラ7Kのトナー汚れを抑えることができる。また、帯電ローラ7Kのトナー汚れの箇所で放電や電荷注入が良好に行われなくなることによる感光体3Kの帯電ムラの発生や、その帯電ムラによるベタ部残像の発生を抑えることができる。また、補助帯電部材10Kの導電性シート9Kと感光体3Kとの間に放電を生じせしめる場合には、帯電ローラ7Kによる感光体3Kの主帯電処理に先立って、前記放電によって感光体3Kを補助帯電せしめることによっても、帯電ムラを抑えることができる。
帯電ローラ7Kに転移しなかった低帯電量トナーや逆帯電トナーを現像領域に搬送してしまうと、地汚れを引き起こし易くなる。感光体3Kの地肌部電位と現像ローラ42Kの電位(現像バイアス)との関係から、低帯電量トナーや逆帯電トナーを現像領域で現像ローラ42Kに転移させることができずに、感光体3Kの地肌部に留まらせ易くなるからである。よって、補助帯電部材10Kによって低帯電量トナーや逆帯電トナーをマイナス極性に十分に帯電させることで、地汚れの発生を抑えることもできる。更には、帯電ローラ7Kに低帯電量トナーや逆帯電トナーを転移させることによる帯電ローラ7Kのトナー汚れの発生、トナー汚れの箇所で放電が良好に行われなくなることによる帯電ムラの発生、及び、その帯電ムラによるベタ部残像の発生を抑えることもできる。
K用のプロセスユニット1Kについて説明してきたが、他色用のプロセスユニット1Y,M,CはK用のプロセスユニット1Kと同様の構成になっているので説明を省略する。
プロセスユニット1Y,M,C,Kとしては、いわゆるクリーナーレス方式のものが採用されている。クレーナーレス方式とは、感光体3Yなどの潜像担持体上に付着している転写残トナーをクリーニング回収するための専用の手段を用いることなく潜像担持体上での画像形成プロセスを実行する方式のことである。また、クリーニング回収するための専用の手段とは、具体的には、転写残トナーを潜像担持体から分離した後、再び潜像担持体に付着させることなく、廃トナー容器まで搬送して回収したり、現像装置内に搬送してリサイクル回収したりする手段である。転写残トナーを潜像担持体から掻き取るクリーニングブレードも、専用の手段に含まれる。
かかるクリーナーレス方式について詳述する。クリーナーレス方式は、大別すると、散らし通過型と、一時捕捉型と、併用型とがある。これらのうち、散らし通過型では、潜像担持体に摺擦するブラシ等の散らし部材を用いる。そして、転写工程を経由した後の潜像担持体の表面上に存在する転写残トナーが形成する残像を散らし部材で引っ掻くことで、残像中のトナーを散らしたり、トナーと潜像担持体との付着力を弱めて、次工程での回収(現像領域における転写残トナーの回収)を促したりする。そして、その後、現像スリーブや現像ローラ等の現像部材と潜像担持体とが対向する現像領域、あるいはその直前において、潜像担持体上の転写残トナーを現像ローラなどの現像部材に静電転移させることで、現像装置内に回収する。この回収に先立って、転写残トナーは、潜像書込のための光書込位置を通過するが、転写残トナー量が比較的少量であれば、潜像書込に悪影響を及ぼすことはない。但し、正規極性とは逆極性に帯電している逆帯電トナーが転写残トナー中に含まれていると、それは現像部材上に回収されないので、地汚れなどを引き起こしてしまう。かかる逆帯電トナーによる地汚れの発生を抑える目的で、潜像担持体上の転写残トナーを正規極性に帯電せしめるためのトナー帯電手段を、転写位置(例えば1次転写ニップ)と散らし部材による散らし位置との間、あるいは散らし位置と現像領域との間、に設けることが望ましい。散らし部材としては、板金やユニットケーシング等に貼り付けられた導電性繊維からなる複数の植毛繊維を有する固定ブラシ、金属製の回転軸部材に複数の植毛繊維を立設せしめたブラシローラ、導電性のスポンジ等からなるローラ部を有するローラ部材(例えば帯電ローラ)などを用いることができる。固定ブラシは植毛繊維の量が比較的少量で構成できるため安価であるという利点があるが、潜像担持体を一様帯電せしめるための帯電部材として兼用する場合には、十分な帯電均一性を得ることができなくなる。これに対し、ブラシローラでは、十分な帯電均一性を得ることができるので好適である。
クリーナーレス方式における一時捕捉型では、表面を潜像担持体に接触させながら無端移動させる回転ブラシ部材などの捕捉部材によって、潜像担持体上の転写残トナーを一時的に捕捉する。そして、プリントジョブ終了後やプリントジョブ間の紙間タイミングなどにおいて、捕捉部材上の転写残トナーを吐き出させて潜像担持体に再転移させた後、現像ローラなどの現像部材に静電転移させて、現像装置内に回収する。上述した散らし通過型では、ベタ画像形成時やジャム発生後などといった転写残トナーがかなり多くなってしまう場合に現像部材への回収能力を超えて異常画像を引き起こすおそれがあるのに対し、一時捕捉型では捕捉部材で捕捉した転写残トナーを現像部材に少しずつ回収してかかる異常画像の発生を抑えることができる。
クリーナーレス方式における併用型では、散らし通過型と一時捕捉型とを併用したもので、3つの型式の中で最も性能が良い。具体的には、潜像担持体に接触する回転ブラシ部材などを、散らし部材及び捕捉部材として併用する。回転ブラシ部材等に直流電圧だけを印加することで回転ブラシ部材等を散らし部材として機能させる一方で、必要に応じてバイアスを直流電圧から重畳電圧に切り換えることで、回転ブラシ部材等を捕捉部材として機能させる。
本プリンタでは、散らし透過型のクリーナーレス方式を採用している。具体的には、感光体3Yは、図中時計回り方向に所定の線速で回転駆動されながら中間転写ベルト61のおもて面に接触してY用の1次転写ニップを形成している。そして、散らし部材たる補助帯電部材10Yや帯電ローラ7Yにより、感光体3Y上の転写残トナーを引っ掻くことで、転写残トナーと感光体3Yとの付着力を弱める。そして、その後、現像領域において、感光体3Y上の転写残トナーを現像装置40Yの現像ローラ42Yに静電転移させて回収する。このとき、転写残トナー中に、低帯電量トナーや逆帯電トナーが多く含まれていると、それらが現像ローラ42Y上に回収されずに、地汚れを引き起こしてしまう。
先に示した図1において、各色のプロセスユニット1Y,M,C,Kの下方には、転写ユニット60が配設されている。この転写ユニット60は、無端状の中間転写ベルト61を、複数の張架ローラによって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。複数の張架ローラとは、具体的には、従動ローラ62、駆動ローラ63、4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,K等のことである。
従動ローラ62、1次転写バイアスローラ66Y〜K、駆動ローラ63は、何れも中間転写ベルト61の裏面(ループ内周面)に接触している。そして、4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kは、金属製の芯金にスポンジ等の弾性体が被覆されたローラであり、それぞれY,M,C,K用の感光体3Y,M,C,Kに向けて押圧されて、中間転写ベルト61を挟み込んでいる。これにより、4つの感光体3Y,M,C,Kと中間転写ベルト61のおもて面とがベルト移動方向において所定の長さで接触するY,M,C,K用の4つの1次転写ニップが形成されている。
4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kの芯金には、それぞれ図示しない転写バイアス電源によって定電流制御される1次転写バイアスが印加されている。これにより、4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kを介して中間転写ベルト61の裏面に転写電荷が付与され、各1次転写ニップにおいて中間転写ベルト61と感光体3Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。なお、本プリンタにおいては、1次転写手段として1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kを設けているが、ローラに代えて、ブラシやブレード等のものを用いてもよい。また、転写チャージャーなどを用いてもよい。
各色の感光体3Y,M,C,K上に形成されたY,M,C,Kトナー像は、各色の1次転写ニップで中間転写ベルト61上に重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト61上には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト61における駆動ローラ63に対する掛け回し箇所には、2次転写バイアスローラ67がベルトおもて面側から当接しており、これによって2次転写ニップが形成されている。この2次転写バイアスローラ67には、図示しない電源や配線からなる電圧印加手段によって2次転写バイアスが印加されている。これにより、2次転写バイアスローラ67と接地された2次転写ニップ裏側ローラ64との間に2次転写電界が形成されている。中間転写ベルト61上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って2次転写ニップに進入する。
本プリンタは、図示しない給紙カセットを備えており、その中に記録紙Pを複数枚重ねた記録紙束の状態で収容している。そして、一番上の記録紙Pを所定のタイミングで給紙路に送り出す。送り出された記録紙Pは、給紙路の末端に配設されたレジストローラ対54のレジストニップ内に挟み込まれる。
レジストローラ対54は、給紙カセットから送られてきた記録紙Pをレジストニップに挟み込むために両ローラを回転駆動させているが、記録紙Pの先端を挟み込むとすぐに両ローラの回転駆動を停止させる。そして、記録紙Pを中間転写ベルト61上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに向けて送り出す。2次転写ニップでは、中間転写ベルト61上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の作用によって記録紙P上に一括2次転写されて、記録紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
このようにしてフルカラー画像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップから排出された後、図示しない定着装置に送られてフルカラー画像が定着せしめられる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト61表面に付着している2次転写残トナーは、ベルトクリーニング装置68によってベルト表面から除去される。
なお、参考形態に係るプリンタは、Y,M,C,Kトナーとして、それぞれマイナス帯電性のものを用いている。そして、各色の感光体3Y,M,C,Kをそれぞれ帯電装置によってマイナス極性に一様帯電せしめた後、光走査による静電潜像のマイナス電位を地肌部よりも減衰せしめる。このように電位が減衰した静電潜像にマイナス極性のトナーを付着させるネガポジ現像方式を採用している。
本発明者らは、先に図1に示した参考形態に係るプリンタと同様の構成の試験機を用意した。そして、この試験機を用いて、次のようなテストプリントの実験を行った。即ち、テストプリントにおいては、K用のプロセスユニット1Kの帯電ローラ7Kに対して、−1100[V]の直流電圧からなる帯電バイアスを印加する。また、導電性シート9Kに対しては、マイナス極性の直流電圧からなる補助帯電バイアスを印加する。このような条件でテストプリントを行うと、導電性シート9Kでの補助帯電により、転写残トナー中の低帯電量トナーや逆帯電トナーを正規極性のマイナスに帯電せしめて、地汚れの発生を抑えることができる。また、帯電ローラ7Kによる主帯電に先立って、帯電バイアスよりも低い補助帯電バイアスで感光体3Kを補助帯電しておくことで、帯電ムラの発生を抑えることができる。
テストプリントとしては、まず、第1条件でプリントを行った後、第2条件でプリントを行うという2段階の条件を具備するものを行った。第1条件では、1[kN/m2]の当接圧力で感光体3Kに当接させた導電性シート9Kに−1500[V]の補助帯電バイアスを印加しながら、画像面積率100[%]のモノクロのベタテスト画像を500枚のA4記録紙に連続プリントした。この第1条件の連続プリントにより、K用のプロセスユニット1Kにおける導電性シート9Kと感光体3Kとの間に多量の転写残トナーが介在するのを確認した。第2条件では、導電性シート9Kと感光体3Kとの当接圧力を任意の値に設定した後、第1条件と同じ値の帯電バイアスを印加し、且つ補助帯電バイアスとして−700[V]の直流電圧を印加しながら、モノクロのハーフチャート(ツー・バイ・ツーのハーフトーン階調画像)を500枚のA4用紙に5[%]の画像面積率で連続プリントした。このような一連のテストプリントを、互いに引張破断強度の異なる複数種類の導電性シート9Kについて、それぞれ、第2条件におけるシートと感光体3Kとの当接圧力を変化させながら行った。
導電性シート9Kの引張破断強度については、JIS−K−6897に準拠して測定した。
導電性シート9Kと感光体3Kとの当接圧力について次のようにして測定した。即ち、擬似的な被検部材に加重変換機を取り付けた後、参考形態に係るプリンタの補助帯電部材10Kをその被検部材に参考形態と同じ条件で押し付けて、被検部材にかかる荷重を測定した。そして、その荷重と、シートと被検部材との当接面積とに基づいて、単位面積あたりの当接圧力を算出した。
(K)トナーとしては、平均粒径が8.5[μm]に調整された粉砕法によるトナーであって、外添剤を添加したものを用いた。
ハーフチャートのプリント時には、各色の感光体を120[mm/sec]の線速で回転駆動した。
各色の帯電ブラシローラ(例えば7K)としては、直径6[mm]の金属製の回転軸部材上に導電性ゴム層の被覆によるローラ部を形成した(φ)10[mm]のものを使用した。
補助帯電部材10Kの導電性シート9Kとしては、上述のように、引張破断強度が互いに異なる複数種類のものを用いたが、それらの表面抵抗、厚みは何れも105[Ω/□]、0.1[mm]である。また、それらの材料は何れもPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)である。
補助帯電部材10Kの弾性部8Kとしては、スポンジからなる厚み5[mm]のものを用い、これをある程度の厚みまで圧縮させるように、補助帯電部材10Kを感光体3Kに当接させた。この圧縮量の調整により、導電性シート9Kと感光体3Kとの当接圧力を調整した。
導電性シート9Kの材料や当接圧力が互いに異なる複数回のプリントテストにおいて、それぞれ第2条件のプリント後に、導電性シート9Kをプロセスユニット1Kから取り外して、その表面に対するトナー固着の有無を観察した。そして、シートに対するトナー固着性を、×(シートの感光体表面移動方向の中央部にトナー固着が認められる)、○(トナー固着が認められない)の2段階で評価した。また、導電性シート9Kの摩耗量については、キーエンス社製のレーザー顕微鏡(VK−9500)を用い、表面形状のプロファイルに基づいて測定した。
表1に示すように、導電性シート9Kとして、引張破断強度が10[MPa]以上、40[MPa]以下であるものを用い、且つ、これを4[kN/m2]以上、15[kN/m2]の当接圧力で感光体3Kに当接させれば、トナー固着性を○という許容範囲の結果を得ることができる。なお、本発明者らは、他の実験により、このトナー固着性の評価結果が○である場合には、上述のハーフチャートの連続プリントを1万枚以上行っても、画質劣化を生ずるほどのトナー固着の成長が生じないことを確認している。つまり、導電性シート9Kに対するトナー固着を長期間に渡って抑えることができるのである。
導電性シート9Kの引張破断強度が10[MPa]を下回ると、たとえ当接圧力が適切であっても(4〜15kN/m2)、シートにおける感光体表面移動方向の下流側端部付近にトナー固着が認められた。これは、シートの下流側端部付近が良好な可撓性によって波打ったためと考えられる。また、導電性シート9Kの引張破断強度が40[MPa]を下回ると、トナー固着性の評価結果が×になるのは、摩耗量の測定結果からわかるように、シートが感光体3Kとの摺擦に伴って適度に摩耗していかないためである。換言すると、シートの引張破断強度が10〜40[MPa]であれば、シートは感光体3Kとの摺擦に伴って適度に摩耗することにより、たとえ僅かなトナー固着が起きたとしても、その固着部分がすぐに摩耗していくので、許容範囲を超えるトナー固着が発生しないのである。
当接圧力が4[kN/m2]を下回ると、たとえシートの引張破断強度が適切であっても(10〜40MPa)、当接圧不足に起因してシートの適度な摩耗が得られなくため、許容範囲を超えるトナー固着が発生している。また、当接圧力が15[kN/m2]を超えると、たとえシートの引張破断強度が適切であっても(10〜40MPa)、トナーをシートに向けて過剰に押圧してしまうことで、トナーの融着を促して、許容範囲を超えるトナー固着が発生してしまう。
以上の実験結果に鑑みて、参考形態に係るプリンタにおいては、各色のプロセスユニット1Y,M,C,Kの補助帯電部材の導電性シートとして、引張破断強度が10[MPa]以上、40[MPa]以下であるものを用い、且つ、これを4[kN/m2]以上の当接圧力で感光体に当接させている。
なお、上述したテストプリントでは、補助帯電部材として、導電性シートを弾性部によって感光体に押し当てる方式のものを用いたが、本発明者らが行った他の実験によれば、導電性シートと同じ性状の導電性ブレードを片持ち支持して感光体に当接させても、表1と同様の結果が得られた。
また、帯電バイアスとして、直流電圧を採用した例について説明したが、直流電圧に交流電圧を重畳したものを採用してもよい。更には、補助帯電バイアスとして、直流電圧を採用した例について説明したが、直流電圧に交流電圧を重畳したものを採用してもよい。
補助帯電部材の導電性シートと感光体との当接部における感光体表面移動方向の長さ(以下、補助帯電ニップ幅という)については、2[mm]以上にすることが望ましい。これは次に説明する理由による。即ち、補助帯電ニップ幅を徐々に小さくしていった場合、2[mm]を下回り始めると、表2に示すように、導電性シートとの当接部を通過した直後の感光体の帯電量が急激に下がり始めて帯電不良を引き起こすからである。また、当接部を通過した直後の感光体表面に付着しているトナーの帯電量も急激に低下し始めるからである。なお、表2の実験においては、導電性シートに−700[V]の補助帯電バイアスを印加している。導電性シートとの当接部に進入する直前の感光体表面電位を表面電位計(トーレック社製 Trek MODEL344)で測定したところ、0〜−50[V]であった。また、当接部に進入する直前の感光体表面に付着している転写残トナーの帯電量を吸引式小型帯電量測定装置(トーレック社製 q/mMeter Model210HS)で測定したところ0〜0.5[−μC/g]であった。
なお、先に表1に結果を示したテストプリントでは、補助帯電ニップを5[mm]に設定していたが、次の表3に示すように、2[mm]、8[mm]でも、表1と同等の結果を得ることができる。
なお、感光体の補助帯電を必要とせず、転写残トナーの帯電のみを必要とする場合には、次に説明する理由により、導電性シートに絶対値で300〜500[V]の補助帯電バイアスを印加することが望ましい。即ち、本発明者らは、導電性シートに印加する補助帯電バイアスとして様々な値のものを採用し、それぞれのバイアス値でテストチャートを2万枚の記録紙に出力して感光体に対するトナーフィルミング(トナー固着)の発生状況を調べてみた。このときの実験条件は次に列記する通りである。
・補助帯電ニップの感光体の表面移動方向の長さ:2[mm]。
・補助帯電ニップ圧:4[kN/m
2]。
・導電性シートの破断強度:40[MPa]。
・テストチャート:A4サイズの記録紙上における画像面積率が50[%]であるもの。
・出力時の環境:室温23[℃]:湿度50[%]。
・チャート出力枚数:2万枚。
かかる条件で実験を行ったところ、次の表4に示すように、補助帯電バイアスを300〜500[V]の範囲に設定すれば、2万枚のテストチャートを出力しても、感光体上でのトナーフィルミングを発生させないことがわかった。
表4から、補助帯電バイアスが300〜500[−V]の範囲では、感光体を十分な値にまで帯電せしめることができていないが、転写残トナーについては、正規の帯電極性であるマイナス極性側に十分に帯電させていることがわかる(10[−μC/g]であれば、地汚れや帯電ローラ汚れを回避するのに十分な値である)。よって、感光体の補助帯電を必要としないのであれば、補助帯電バイアスを絶対値で300〜500[V]の範囲に設定することで、感光体上のトナーフィルミングの発生を抑えることが可能である。これに対し、補助帯電バイアスを絶対値で500[V]よりも大きくした場合には、補助帯電ニップで感光体を十分に帯電させることができる代わりに、導電性シートと感光体との間で放電を活発に生じせしめることで、トナーの固着によるフィルミングを感光体表面に発生させてしまう。
補助帯電部材の導電性シートとしては、厚みが50[μm]〜2[mm]のものを用いることが望ましい。厚みが50[μm]未満になると、普及機に求められる耐久性が得られなくなるからである。また、厚みが2[mm]を超えると、シートの可撓性が不足することにより、シートと感光体との密着不良が起こるからである。
補助帯電部材の導電性部材たる導電性シートとしては、表面抵抗が102[Ω/cm2]以上、108[Ω/cm2]以下であるもの、を用いることが望ましい。102[Ω/cm2]未満になると、シートと感光体との間で電流が良好に流れて両者間での放電が得られなくなることにより、帯電ムラや地汚れを良好に抑えることが困難になるからである。また、表面抵抗が108[Ω/cm2]を超えると、両者間での放電均一性が著しく悪化し始めて、帯電ムラを良好に抑えることが困難になるからである。
補助帯電部材の導電性シートとしては、体積固有抵抗率が102[Ω・cm]以上、106[Ω・cm]以下であるもの、を用いることが望ましい。体積固有抵抗率は放電均一性の観点から、表面抵抗よりもやや低い方が有利だからである。また、体積固有抵抗率が102[Ω・cm]未満であると、シートと感光体との間で電流が良好に流れて両者間での放電が得られなくなるからである。
補助帯電部材の導電性シートの表面粗さRaについては、0.1[μm]以上、0.6[μm]以下とすることが望ましい。表面粗さRaが0.6[μm]よりも大きくなり始めると、表面の微妙な凹凸における凹部に対してトナーが急激に滞留、付着及び固着し易くなるからである。また、表面粗さRaが0.1よりも小さくなり始めると、感光体との密着不良による画像汚れが急激に発生し易くなり始めるからである。
導電性シートとしては、表面の純水接触角が105[°]以上であるものを用いることが望ましい。純水接触角が105[°]を超え始めると、トナー固着が急激に起こり易くなり始めるからである。なお、純水接触角については、協和界面科学社製の接触角計CA−DT・A型を用いた液滴法(同接触角計の取り扱い説明書に準拠)によって測定することが可能である。
感光体としては、純水接触角が90[°]以上であるものを用いることが望ましい。純水接触角が90[°]を下回り始めると、感光体に対するトナー固着が急激に起こり易くなり始めるからである。
トナーとしては、トナー粒子に対してトナー粒子の1〜4重量部の外添剤が添加されたもの、を用いることが望ましい。かかるトナーでは、補助帯電部材の導電性シートと感光体との当接部に進入しても、トナー粒子と導電性シートとの間に外添剤を介在させることで、導電性シートに対する固着を抑えることができるからである。なお、外添剤の添加量が4重量部を上回ると、外添剤の各種部材への転移による悪影響が急激に出始める。
また、トナーとしては、粒径が5[μm]以下のトナー粒子の全トナー粒子に対する割合が15[%]以下であるもの、を用いることが望ましい。割合が15[%]を超え始めると、導電性シートに対するトナー固着が急激に起こり易くなり始めるからである。
感光体としては、表面粗さRaが0.05〜6であるものを用いることが望ましい。表面粗さRaが0.05を下回り始めると、凝集トナー塊のこぼれによる画像汚れが急激に発生し易くなり始める。この凝集トナー塊とは、導電性シート9Kと感光体3Kとの当接部で堰き止められたKトナーが当接部入口で滞留して塊になったものである。この塊がある程度成長すると、当接部入口から重力落下してK用の1次転写ニップに進入する。そして、中間転写ベルト61を介して、あるいは直接的に記録紙Pに付着して画像汚れとなるのである。表面粗さRaが6を超え始めると、感光体表面の微細な凹部に対するトナーの外添剤の固着による画質劣化が急激に発生し始めるからである。
図3は、参考形態に係るプリンタの変形例装置を示す概略構成図である。この変形例装置においては、帯電部材として、帯電ローラの代わりに、帯電ブラシローラ4Kを有している。この帯電ブラシローラ4Kは、図示しない軸受けによって回転可能に受けられる金属製の回転軸部材5Kと、これの表面に立設せしめられた複数の導電性の植毛繊維6Kとを有している。そして、回転軸部材5Kを中心にして図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動されながら、それぞれの植毛繊維6Kの先端側を感光体3Kに摺擦させる。金属製の回転軸部材5Kには、図示しない電源や配線等からなる帯電バイアス供給手段が接続されており、これによって重畳電圧(交流電圧に直流電圧を重畳)からなる帯電バイアスが印加される。帯電ブラシローラ4Kの複数の植毛繊維6Kからなるブラシと、感光体3Kとが当接する帯電ニップやその近傍では、各植毛繊維6Kと感光体3Kとの間に放電が発生して、感光体3Kの表面を例えば負極性に一様帯電せしめる。
この変形例装置では、一時捕捉型のクリーナーレス方式を採用している。具体的には、上述の帯電ニップでは、植毛繊維6Kと感光体3Kとの間に放電を生じせしめて、感光体3K表面をマイナス極性に一様帯電せしめる。同時に、感光体3K上に付着している転写残トナーを前述の帯電バイアスの作用によって複数の植毛繊維6Kに転移させて一時的に捕捉する。そして、プリントジョブ終了後や紙間タイミングなどに、帯電バイアスを重畳電圧から直流電圧に切り換えて、植毛繊維6K上に捕捉しておいた転写残トナーを感光体3K上に再転移させた後、感光体3K上から現像ローラ42Kを経て現像装置40K内に回収する。
次に、参考形態に係るプリンタに、特徴的な構成を付加した各実施形態のプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、各実施形態に係るプリンタの構成は参考形態と同様である。
[第1実施形態]
図4は、第1実施形態に係るプリンタのK用のプロセスユニットにおける補助帯電部材10Kと感光体3Kとを示す拡大構成図である。このプリンタでは、補助帯電部材10Kの導電性シート9Kを、弾性部8Kに固定していない。その代わりに、支持部材11Kに片持ち支持させており、その固定端側よりも自由端側を感光体表面移動方向の下流側に向ける姿勢で導電性シート9Kを感光体3Kに当接させながら、弾性部8Kによって感光体3Kに向けて押圧している。
かかる構成では、導電性シート9Kが感光体3Kとの摺擦に伴って引っ張られることで、感光体3Kとの当接部でピンと張った姿勢になる。これにより、当接部におけるシートの皺の発生が回避されることで、皺による帯電ムラの発生が解消される。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るプリンタにおいては、上述した参考形態と同様に、潜像担持体たる感光体(3Y,M,C,K)として、円柱状のものを用いている。但し、参考形態とは異なり、導電性シートを感光体に向けて押圧する弾性部(例えば図2の8K)として、感光体との対向面が感光体の移動方向における両端側から中央側に向けて窪む凹湾曲形状になっているもの、を用いている。
図5は、第2実施形態に係るプリンタにおけるK用の導電性シート9Kと、これの周囲構成とを示す拡大構成図である。同図において、補助帯電部材を支持する支持部材11Kには、スポンジ等の弾性部材からなる弾性部8Kが固定されている。この弾性部8Kにおける感光体3Kとの対向側の面は、感光体3Kと同じ曲率で湾曲する凹湾曲面となっており、感光体3Kの円柱状の凸湾曲面にピッタリと密着する。そして、この弾性部8Kの凹湾曲面に、導電性シート9Kが貼り付けられている。
図6は、参考形態に係るプリンタにおける感光体と導電性シートとの当接圧力と、導電性シートの位置との関係を示すグラフである。また、図7は、第2実施形態に係るプリンタにおける感光体と導電性シートとの当接圧力と、導電性シートの位置との関係を示すグラフである。参考形態に係るプリンタの場合、図6に示すように、導電性シートの感光体表面移動方向上流側の端部や下流側の端部における感光体との当接圧力が、中央部よりも低くなる。これは、弾性部の平面が感光体の凸湾曲面に押し付けられることで、弾性部の中央部に対する感光体の食い込み量が、両端部に比べて大きくなるからである。
一方、第2実施形態に係るプリンタの場合、図7に示すように、導電性シートの上流側の端部から下流側の端部に渡って、感光体との当接圧力が均一になっている。これは、上流側から下流側に向けての全域に渡って、弾性部に対する感光体の食い込み量が均一になるからである。よって、第2実施形態に係るプリンタにおいては、感光体と導電性シートとの当接部の全域に渡って、両者の当接圧力を均一にすることができる。
図8は、第2実施形態に係るプリンタの変形例装置におけるK用の補助帯電部材を示す拡大構成図である。この変形例装置においては、弾性部8Kとして、それ単独では直方体状のものであって、凹湾曲面を有さないものを用いている。但し、支持部材11Kとして、図示のように凹湾曲面を有するものを用い、弾性部8Kをこの支持部材11Kの凹湾曲面に固定してその湾曲面にならって湾曲させることで、結果として、弾性部8Kの感光体との対向面を凹湾曲面にしている。かかる構成では、弾性部8Kとして、それ自体は凹湾曲面を有さない汎用のものを用いて低コスト化を図りつつ、支持部材11Kとの組合せによって弾性部8Kにおける感光体との対向面を凹状に変形させて、当接圧力の均一化を図ることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係るプリンタにおいては、Y,M,C,Kの各色のプロセスユニットとして、導電性シート、弾性部及びこれらの支持部材からなる補助帯電部材を有していないものを用いている。そして、補助帯電部材については、プロセスユニットとは別にプリンタ本体に対して着脱可能に構成した補助帯電ユニットとして構成している。Y,M,C,K用の補助帯電ユニットは、K用のものを例にすると、図8に示した第2実施形態に係るプリンタと同様の弾性部8K、導電性シート9K、支持部材11Kを保持体たる図示しないケーシングに補助している。
かかる構成では、導電性シート9Kを感光体とは別に交換することが可能になるので、感光体と一緒に交換する構成に比べてランニングコストを低減することができる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係るプリンタにおいては、Y,M,C,Kの各色のプロセスユニットとして、補助帯電シートを固定したものであって、且つ感光体とは別にプリンタ本体に対して着脱可能にしたものを用いている。かかる構成では、現像装置内のトナーが無くなったプロセスユニットを交換する際に、同時に導電性シートも交換することで、導電性シートを適切なタイミングで定期的に交換することができる。なお、現像装置に補給するためのトナーを収容しているトナー収容器を現像装置とは別にプリンタ本体に対して着脱可能に構成した場合には、トナー収容器に補助帯電部材を固定することが望ましい。
図9は、第4実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、Y、M、C、Kのトナー像を形成するための4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kを備えている。これらは互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するためのプロセスユニット1Kを例にすると、図10に示すように、現像装置40K、導電性シート9K、これを感光体3Kに向けて押圧する弾性部8K、帯電部材としての帯電ブラシローラ12Kなどを有しており、これらを共通の保持体たるユニットケーシングに保持しながらプリンタ本体に対して一体的に着脱される。
同図に示される感光体3Kは、プロセスユニット1Kとは別の図示しない支持体に支持されており、プロセスユニット1Kがプリンタ本体から取り外されても、プリンタ本体内に残るようになっている。
帯電ブラシローラ7Kは、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転しながら感光体3Kに当接して、感光体3Kの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体3Kの表面は、レーザー光によって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、Kトナーを用いる現像装置40KによってKトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルトに中間転写される。
先に示した図9において、他色のプロセスユニット(1Y,M,C)も、同様にして感光体(3Y,M,C)上に(Y,M,C)トナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト61上に中間転写される。
現像装置40Kは、図示しないKトナーを収容する縦長のホッパ部と、現像部とを有している。ホッパ部内には、図示しない駆動手段によって回転駆動されるアジテータ43K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動される撹拌パドル46K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動されるトナー供給ローラ44Kなどが配設されている。ホッパ部内のKトナーは、アジテータ43Kや撹拌パドル46Kの回転駆動によって撹拌されながら、自重によってトナー供給ローラ44Kに向けて移動する。トナー供給ローラ44Kは、金属製の芯金と、これの表面に被覆された発泡樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部内のKトナーをローラ部の表面に付着させながら回転する。
現像装置40Kの現像部内には、感光体3K及びトナー供給ローラ44Kに当接しながら回転する現像ローラ42Kや、これの表面に先端を当接させる薄層化ブレード45Kなどが配設されている。ホッパ部内のトナー供給ローラ44Kに付着したKトナーは、現像ローラ42Kとトナー供給ローラ44Kとの当接部で現像ローラ42Kの表面に供給される。供給されたKトナーは、現像ローラ42Kの回転に伴ってローラと薄層化ブレード45Kとの当接位置を通過する際に、ローラ表面上での層厚が規制される。そして、層厚規制後のKトナーは、現像ローラ42Kと感光体3Kとの当接部である現像領域において、感光体3K表面のK用の静電潜像に付着する。この付着により、K用の静電潜像がKトナー像に現像される。
図10を用いてK用のプロセスユニットについて説明したが、図9におけるY,M,C用のプロセスユニット1Y,M,Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体3Y,M,C表面にY,M,Cトナー像が形成される。
先に示した図9において、プロセスユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向上方には、光書込ユニット50が配設されている。潜像書込装置たる光書込ユニット50は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザ光Lにより、プロセスユニット1Y,M,C,Kにおける感光体3Y,M,C,Kを光走査する。この光走査により、感光体3Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット50は、光源から発したレーザ光(L)を、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
プロセスユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト61を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写ユニット60が配設されている。転写手段たる転写ユニット60は、中間転写ベルト61の他に、駆動ローラ63、従動ローラ62、4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,K、2次転写バイアスローラ67、ベルトクリーニング装置68、クリーニングバックアップローラ69などを備えている。
中間転写ベルト61は、そのループ内側に配設された駆動ローラ63、従動ローラ62、クリーニングバックアップローラ69及び4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ63の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
4つの1次転写ローラ66Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト61を感光体3Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト61のおもて面と、感光体3Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
転写ユニット60の鉛直方向下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット30がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット30は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ30aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙Pを給紙路31に向けて送り出す。
給紙路31の末端付近には、レジストローラ対54が配設されている。このレジストローラ対54は、給紙カセット30から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを上述の2次転写ニップ内で中間転写ベルト61上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。
2次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト61上の4色トナー像は、2次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙P上に一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ67や中間転写ベルト61から曲率分離する。そして、転写後搬送路33を経由して、後述する定着装置34に送り込まれる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト61には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト61のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置68によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト61のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ69は、ベルトクリーニング装置68によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
定着装置34は、図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ34bとによって定着ニップを形成している。定着装置34内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ34aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
定着装置34内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路35を経由した後、排紙路36と反転前搬送路71との分岐点にさしかかる。定着後搬送路35の側方には、回動軸72aを中心にして回動駆動される切替爪72が配設されており、その回動によって定着後搬送路35の末端付近を閉鎖したり開放したりする。定着装置34から記録紙Pが送り出されるタイミングでは、切替爪72が図中実線で示す回動位置で停止して、定着後搬送路35の末端付近を開放している。よって、記録紙Pが定着後搬送路35から排紙路36内に進入して、排紙ローラ対37のローラ間に挟み込まれる。
図示しないテンキー等からなる操作部に対する入力操作や、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対37に挟み込まれた記録紙Pがそのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバー80の上面であるスタック部にスタックされる。
一方、両面プリントモードに設定されている場合には、先端側を排紙ローラ対37に挟み込まれながら排紙路36内を搬送される記録紙Pの後端側が定着後搬送路35を通り抜けると、切替爪72が図中一点鎖線の位置まで回動して、定着後搬送路35の末端付近が閉鎖される。これとほぼ同時に、排紙ローラ対37が逆回転を開始する。すると、記録紙Pは、今度は後端側を先頭に向けながら搬送されて、反転前搬送路71内に進入する。
プリンタの側部は、回動軸70aを中心に回動することで筐体本体に対して開閉可能な反転ユニット70になっている。排紙ローラ対37が逆回転すると記録紙Pがこの反転ユニット70の反転前搬送路71内に進入して、鉛直方向上側から下側に向けて搬送される。そして、反転搬送ローラ対73のローラ間を経由した後、半円状に湾曲している反転搬送路74内に進入する。更に、その湾曲形状に沿って搬送されるのに伴って上下面が反転せしめられながら、鉛直方向上側から下側に向けての進行方向も反転して、鉛直方向下側から上側に向けて搬送される。その後、上述した給紙路31内を経て、2次転写ニップに再進入する。そして、もう一方の面にもフルカラー画像が一括2次転写された後、転写後搬送路33、定着装置34、定着後搬送路35、排紙路36、排紙ローラ対37を順次経由して、機外へと排出される。
上述の反転ユニット70は、外部カバー75と揺動体76とを有している。具体的には、反転ユニット70の外部カバー75は、プリンタ本体の筺体に設けられた回動軸70aを中心にして回動するように支持されている。この回動により、外部カバー75は、その内部に保持している揺動体76とともに筺体に対して開閉する。図中点線で示すように、外部カバー75がその内部の揺動体76とともに開かれると、反転ユニット70とプリンタ本体側との間に形成されていた給紙路31、2次転写ニップ、転写後搬送路33、定着ニップ、定着後搬送路35、排紙路36が縦に2分されて、外部に露出する。これにより、給紙路31、2次転写ニップ、転写後搬送路33、定着ニップ、定着後搬送路35、排紙路36内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
また、揺動体76は、外部カバー75が開かれた状態で、外部カバー75に設けられた図示しない揺動軸を中心にして回動するように外部カバー75に支持されている。この回動により、揺動体76が外部カバー75に対して開かれると、反転前搬送路71や反転搬送路74が縦に2分されて外部に露出する。これにより、反転前搬送路71内や反転搬送路74内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
プリンタの筺体の上カバー80は、図中矢印で示すように、軸部材81を中心にして回動自在に支持されており、図中反時計回り方向に回転することで、筺体に対して開いた状態になる。そして、筺体の上部開口を大きく露出させる。
本プリンタでは、図示のように、各プロセスユニットを中間転写ベルト61の上方に配設し、更にその上に光書込ユニット50を配設しているので、各プロセスユニットをプリンタ本体に着脱する際には、光書込ユニット50を各プロセスユニットの真上から待避させる必要がある。そこで、本プリンタでは、図11に示すように、光書込ユニット50を上カバー80の下面で支持し、上カバー80の開放動作に伴って光書込ユニット50を各プロセスユニットの上方から待避させるようになっている。かかる構成では、図12に示すように、上カバー80を開くことで、各色のプロセスユニットをプリンタ本体上端で鉛直方向上方を向いている保守点検開口から露出させることができる。この状態で、プリンタ本体内のプロセスユニット(図示の例では1K)を把持して鉛直方向上方に引っ張ることで、図示のようにプロセスユニットをプリンタ本体内から引き抜くことが可能である。
図13は、プリンタ本体内から引き抜いた状態のK用のプロセスユニット1Kを示す拡大構成図である。同図において、プロセスユニット1Kは、現像装置40Kのケーシングに揺動自在に保持される揺動ブラケット15Kを有しており、帯電ブラシローラ12K、導電性シート9K、及び弾性部8Kをこの揺動ブラケット15Kを支持している。
先に図10に示したように、プロセスユニット1Kがプリンタ本体内に装着されている状態では、それぞれ感光体3Kに当接している帯電ブラシローラ12Kと現像ローラ42Kとの間に感光体3Kが位置している。プロセスユニット1Kがプリンタ本体内から取り外されると、この感光体3Kが帯電ブラシローラ12Kと現像ローラ42Kとの間から待避する。すると、図示しないバネによって現像ローラ42Kに向けて付勢されている揺動ブラケット15Kが、揺動軸を中心にして図中反時計回り方向に少し回転する。そして、図13に示したように、ほぼ感光体の大きさの分だけ揺動ブラケット15Kが図中右方向に移動して、プロセスユニット1Kのサイズが小さくなる。
プロセスユニット1Kをプリンタ本体内に装着する際には、揺動ブラケット15Kの自由端と、現像ローラ42Kとの間に感光体が入り込むのに伴って、揺動ブラケット15Kが開く。これにより、図10に示したように、感光体3Kが揺動ブラケット15K上の帯電ブラシローラ12Kと、現像ローラ42Kとの間に位置する。
図14は、第4実施形態に係るプリンタの変形例装置におけるK用のプロセスユニット1Kを示す拡大構成図である。この変形例装置においては、感光体だけでなく、帯電ブラシローラも、プロセスユニット1Kとは別にプリンタ本体に対して着脱するようになっており、プロセスユニット1Kがプリンタ本体から取り外されると、帯電ブラシローラ及び感光体がユニット内から待避する。
これまで、クリーナーレス方式のプロセスユニットを採用したプリンタについて説明したが、1次転写ニップを通過した後、帯電ニップに進入する前の感光体表面から転写残トナーを除去するクリーニング手段を設けた構成にも、本発明の適用が可能である。
以上、参考形態に係るプリンタにおいては、潜像担持体と導電性部材との当接部である補助帯電ニップにおける感光体表面移動方向の長さを、2[mm]以上にしているので、上述した理由により、補助帯電ニップを通過した直後の感光体の帯電不良の発生を抑えるとともに、補助帯電ニップ通過後の転写残トナーの帯電不良による地汚れの発生を抑えることができる。
また、参考形態に係るプリンタにおいては、導電性部材たる導電性シートとして、表面抵抗が102[Ω/cm2]以上、108[Ω/cm2]以下であるもの、を用いているので、上述した理由により、導電性シートと感光体との間で電流を良好に流してしまうことによる帯電ムラや地汚れの発生を抑えることができる。更には、導電性シートと感光体との間の放電の均一性不良による感光体の帯電ムラの発生を抑えることもできる。
また、参考形態に係るプリンタにおいては、導電性シートとして、体積固有抵抗率が102[Ω・cm]以上、106[Ω・cm]以下であるもの、を用いているので、上述した理由により、導電性シートからの放電均一性を良好に保つことができる。
また、参考形態に係るプリンタにおいては、導電性シートとして、表面の純水接触角が105[°]以上であるもの、を用いているので、導電性シートに対するトナー固着によるシートの低寿命化を抑えることができる。
また、参考形態に係るプリンタにおいて、導電性シートに絶対値で300[V]以上、500[V]以下の補助帯電バイアスを供給するように、バイアス供給手段たる補助帯電バイアス供給手段を構成すれば、補助帯電ニップで感光体を帯電せしめる必要がない装置にて、補助帯電ニップで転写残トナー中の低停電量トナーや逆帯電トナーを適切に正規極性に帯電せしめつつ、補助帯電バイアスを高くし過ぎることによる感光体表面上でのトナーフィルミングの発生を回避することができる。
また、第1実施形態に係るプリンタにおいては、支持部材に片持ち支持させた導電性シートの固定端側よりも自由端側を感光体の表面移動方向下流側に向ける姿勢で、導電性シートを感光体に当接させているので、上述した理由により、導電性シートに皺を発生させることによる感光体の帯電ムラの発生を抑えることができる。
また、第2実施形態に係るプリンタにおいては、感光体として、円柱状のものを用いるとともに、感光体との対向面が感光体の周面の移動方向における両端側から中央側に向けて窪む凹湾曲形状になっている弾性部材からなる弾性部により、導電性シートを感光体に向けて押圧しているので、上述した理由により、感光体と導電性シートとの当接部の全域に渡って、両者の当接圧力を均一にすることができる。
また、第2実施形態に係るプリンタの変形例装置においては、弾性部を、凹湾曲面を有する支持部材の凹湾曲面に固定しているので、上述した理由により、弾性部として、それ自体は凹湾曲面を有さない汎用のものを用いて低コスト化を図りつつ、支持部材との組合せによって弾性部における感光体との対向面を凹状に変形させて、当接圧力の均一化を図ることができる。
また、第3実施形態に係るプリンタにおいては、導電性シート及びこれを支持する支持部材を1つのユニットとして共通の保持体(ケーシング)に保持させて、感光体とは別にプリンタ本体に着脱可能にしているので、導電性シートを感光体と一緒に交換する構成に比べてランニングコストを低減することができる。
また、第4実施形態に係るプリンタにおいては、導電性シートを、現像手段たる現像装置に固定して感光体とは別にプリンタ本体に着脱可能にしているので、現像装置のトナーが無くなる毎という適切なタイミングで導電性シートを定期的に交換することができる。