JP2006258967A - 導電性ゴム組成物及びそれを用いた導電性ゴムローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】低硬度かつ耐汚染性の導電性ゴム組成物及びそれを用いた導電性ゴムローラを提供することである。
【解決手段】導電性芯金上に少なくとも弾性体層を形成する。前記弾性体層は、導電性ゴムに、軟化点が90℃〜180℃であるロジン樹脂、クマロン樹脂、テルペン樹脂のうち少なくとも1種を添加してなる導電性ゴム組成物を用いて形成する。前記導電性ゴム組成物の体積固有抵抗率が103Ω・cm〜109Ω・cmの範囲である。次に、前記弾性体層の上に表面層を形成し、導電性ゴムローラを製作する。
【選択図】図1
【解決手段】導電性芯金上に少なくとも弾性体層を形成する。前記弾性体層は、導電性ゴムに、軟化点が90℃〜180℃であるロジン樹脂、クマロン樹脂、テルペン樹脂のうち少なくとも1種を添加してなる導電性ゴム組成物を用いて形成する。前記導電性ゴム組成物の体積固有抵抗率が103Ω・cm〜109Ω・cmの範囲である。次に、前記弾性体層の上に表面層を形成し、導電性ゴムローラを製作する。
【選択図】図1
Description
本発明は、導電性粒子を原料ゴム中に分散してなる導電性ゴム組成物および前記導電性ゴム組成物を利用して作製される導電性ゴムローラに関する。より具体的には、複写機、ページプリンター、ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置において、画像形成プロセス、特には、帯電、現像、転写などのプロセスに使用する導電部材、すなわち導電性ゴムローラと、これら導電性ゴムローラの作製に用いる導電性ゴム組成物に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置において、感光体を帯電する手段として、様々な帯電手段が用いられている。従来の帯電手段としては、コロナ放電を利用したものがあり、ここ近年では感光体に帯電部材を接触させて帯電する接触帯電方式が多く利用されている。接触帯電方式としては、帯電部材に直流電圧と交流電圧を重畳したものや、直流電圧のみを印加した方式がある。
これらの接触帯電方式に用いられる帯電部材としては、様々な形態の部材が用いられており、ローラ形状、ブレード形状、ブラシ形状、ベルト形状のものがあり、一般的な形状としては、ローラ形状が多く採用されている。
例えば、帯電ローラにおいては、感光体を均一に帯電させるために、ローラ軸方向での感光体表面との均一な接触を確保する必要性があるため、導電性の弾性体層の低硬度化が望まれている。
また、画像形成後、クリーニング装置で残留トナーの除去を行うものの、感光体表面上には極微量のトナーが残留していることも少なくない。感光体表面に圧接して使用される間に、帯電ローラにもその残留トナーの移行・付着が起こる。ローラの硬度が高いと、蓄積される付着トナー量も増し、場合によっては、感光体の帯電不均一を招くこともある。この要因による画像不良を回避するため、帯電ローラには、硬度が小さいことが求められている。
しかしながら、低硬度の弾性ローラを用いる場合、長期間感光体と弾性ローラを圧接した状態に保つと、ローラ層が永久変形をおこすことが指摘されている。ローラ層の永久変形は、ニップ部からの過剰電流の要因となり、それに伴い、異常画像を引き起こすこともある。また、変形部分がローラ回転時に感光体表面と不均一にしか当接できないため、帯電電位にムラを生じ、結果として、画像不良を引き起こすなどの問題も指摘されている。
従来、低硬度な帯電ローラを作製する上では、可塑材等の柔軟化物質を添加したゴム組成物を弾性層に用いることにより、低硬度化する例が挙げられている。原料ゴムに、多量にパラフィンオイルを添加したゴム組成物が利用されている(例えば特許文献1)。しかしながら、前記オイル等の可塑材を多量に用いると、弾性層を低硬度化する一方、感光体等に当接して用いた場合、ローラ表面にパラフィンオイルが移行してしまうため、1層または複数の層を表面層として設けないと、感光ドラム等の当接物表面を汚染もしくは破壊してしまう。ただし、表面層は弾性層の柔軟性を保持するために薄層にすることが好ましいが、表面層を薄層とした場合、汚染を十分に抑制することができないといった制約があり、弾性層を低硬度化しても効果が得られにくい。
また、液状不飽和ゴムを添加して柔軟化したゴム組成物を用いた弾性層を用いることにより低硬度化する例が挙げられている(例えば特許文献2)。液状不飽和ゴムを添加することにより、低硬度化し、また、不飽和ゴムであることから架橋することで移行性を抑制し、感光体汚染を防止するものである。しかしながら、不飽和ゴムを用いた場合、移行性を抑えるためには架橋が十分に行われている必要があり、架橋が不十分であると、移行してしまうこと、また、残った架橋点が経時により架橋することによって、硬度が変動してしまうため、安定した特性を有するローラを作製することは容易ではない。
特開平7−329214号公報
特開平9−146345号公報
本発明の目的は、感光体汚染がなく、かつ、低硬度の導電性ゴム組成物を提供することにある。より具体的には、本発明の目的は、感光体上の静電潜像を現像剤により可視像に転換する画像形成装置において、感光体と接触して配置される現像ローラや帯電ローラ、転写ローラなどとして好適に使用できる導電性ゴム組成物及びそれを用いた導電性ゴムローラを提供することにある。
本発明者らは、これらの目的を解決するため種々検討した結果、画像形成装置に用いられる導電性ゴムローラに好適な、低硬度かつブリードアウトの小さい導電性ゴム組成物を検討するにあたり、軟化点が90℃〜180℃であるロジン樹脂、クマロン樹脂、テルペン樹脂のうち少なくとも1種を添加した導電性ゴム組成物とすることにより前記特性が両立することを見出した。このように前記樹脂を配合したゴム組成物により弾性体層が形成されているため、低硬度でありながら、帯電ローラ等として用いる場合に感光体などの被帯電部材の汚染が防止される。
即ち、本発明は、導電性ゴムに、軟化点が90℃〜180℃であるロジン樹脂、クマロン樹脂、テルペン樹脂のうち少なくとも1種を添加してなることを特徴とする導電性ゴム組成物である。
また、本発明は、導電性芯金上に少なくとも弾性体層を有し、前記弾性体層が、導電性ゴムに、軟化点が90℃〜180℃であるロジン樹脂、クマロン樹脂、テルペン樹脂のうち少なくとも1種を添加してなる導電性ゴム組成物を用いて形成されていることを特徴とする導電性ゴムローラである。
さらに、上記のような効果が得られる理由については以下のように推察される。
すなわち本発明においては、前記樹脂自体が柔軟性を有していることに加え、ゴム中に単独で分散し、原料ゴムのポリマー同士の絡み合いを抑制することにより粘度を低下させ、ゴム組成物を低硬度化することが可能になると考えられる。また、樹脂の軟化点を前記範囲とすることにより、樹脂の流動性が低くブリードアウトが発生しないと考えられる。
本発明は、導電性ゴムに、軟化点が90℃〜180℃であるロジン樹脂、クマロン樹脂、テルペン樹脂のうち少なくとも1種を添加してなる導電性ゴム組成物である。本発明により、前記樹脂を配合したゴム組成物により弾性体層が形成されているため、低硬度でありながら、帯電ローラ等として用いる場合に感光体などの被帯電部材の汚染が抑制された導電性ゴム組成物およびそれを用いた導電性ゴムローラを提供することが可能となった。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1には、本発明における導電性ゴム組成物を用いた導電性ゴムローラの例として、帯電ローラの構成を示しており、金属製の芯金1の外周に、導電性ゴム組成物からなる弾性体層1a及び表面層1bが積層されている。
弾性体層の体積固有抵抗率は、帯電バイアス電圧を感光体に印加することができるように、1×103〜1×109Ω・cm程度とされる。
弾性体層に使用される原料ゴムとしては、特に限定される物ではなく、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、エピクロルヒドリンゴム(CHR・CHC)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
これらの原料ゴムには、必要に応じて電気抵抗を調整する目的で、導電性付与剤が配合される。導電性付与剤としては特に限定される物ではないが、電子導電系の導電剤である。カーボンブラック、グラファイト、導電性酸化チタン、導電性酸化スズなどの金酸化物、Cu、Agなどの金属粉、導電性の繊維、等イオン導電剤である、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム等の無機イオン物質;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルプロピルアンモニウムブロミド、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート等の陽イオン性界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルべタイン、ジメチルアルキルラウリルベタイン等の両性イオン界面活性剤;過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸トリメチルオクタデシルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩;トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等の有機酸リチウム塩などが挙げられ、添加量は原料ゴム100質量部に対して0.1〜5質量部である。このようにして原料ゴムと導電性付与剤を混合することにより導電性ゴムが得られる。
ロジン樹脂としては、主成分がアビエチン酸、ピマール酸及びこれらに類似した構造のカルボン酸の混合物で各種のロジン系エステル、重合ロジン、水素添加ロジン、硬化ロジン、樹脂酸亜鉛、変性ロジン等が挙げられる。
クマロン樹脂としては、クマロン−インデン樹脂が挙げられ、クマロン、インデンの他にスチレンやフェノール等のモノマー成分を含んでいてもよい。
テルペン樹脂としてはテルペン重合体、βピネン重合体、芳香族変性テルペン重合体、水素添加したテルペン樹脂、テルペン−フェノール共重合体等が挙げられる。
また、前記樹脂の好ましい軟化点の範囲としては90℃〜180℃である。90℃未満であると粘度が低く、流動性が大きいため、導電性ゴムローラを帯電ローラ等の用途で感光体に圧接した場合、感光体を汚染してしまう。一方、180℃を超える場合には、かかる樹脂自身の通常の混練温度での分散が困難となる傾向がある。なお、軟化点は、JIS K 6220−1995に規定された方法により測定でき、環球式軟化点測定装置で球が降下した時の温度を軟化点とする。
また、前記樹脂の配合量としては、原料ゴム100質量部に対して、全体で1〜50質量部が好ましい範囲である。1質量部より少ないと、ゴムの低硬度化がほとんど得られず、50質量部より多いと、原料ゴムの比率が小さくなるため、圧縮永久歪みが増加してしまうため好ましくない。
弾性体層を発泡体とする為の発泡剤としては、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、パラトルエンスルフォニルヒドラジン(TSH)、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジン(OBSH)等の有機発泡剤、または重炭酸ソーダ等の無機発泡剤が挙げられる。高発泡倍率で良好なスキン表面層を得る為には、アゾジカルボンアミドと4,4’−オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジンを併用することが好ましい。
この他に弾性体用ゴム組成物には、必要に応じてゴムの配合剤として一般に用いられている架橋助剤、架橋促進剤、架橋遅延剤、補強剤、充填剤、増量剤、可塑材等を添加することが出来る。
架橋助剤としては、酸化亜鉛が挙げられる。
架橋促進剤としては、チアゾール系、スフェンアミド系、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩系等が挙げられる。
架橋遅延剤としては、無水フタル酸やN−シクロヘキシルチオフタルイミド化合物が挙げられる。
補強剤としては、カーボンブラックやシリカ等が挙げられる。
増量剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の無機粒子が挙げられる。
可塑材としては、パラフィン系オイル、エステル系オイル等が挙げられる。
弾性体層の形成方法としては、未加硫のゴム組成物を押出機により、芯金の外径よりも小さい内径を持つチューブ状に押出成形し、加硫したチューブを芯金に圧入接着し、研磨等によりローラ形状を得る方法や、未加硫のゴム組成物を、クロスヘッドを装着した押出機により、芯金を中心に円筒形に共押出し、ローラ形状を得る方法等を挙げることができる。
加熱は、熱風炉、加硫缶、熱盤、遠・近赤外線、誘導加熱などいずれの手法でもよく、加熱温度は130℃〜250℃で時間5分〜120分、好ましくは140℃〜200℃で時間10〜40分で行われる。この後、必要に応じて2次加硫することもできる。
表面層は、感光体上にピンホール等の欠陥が生じた場合に、ここに帯電電流が集中して、帯電部材、感光体が破損することを防止するためのものであり、電気抵抗値としては1×106〜1×1010Ω程度が要求され、一般的には、アクリル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、シリコーン等のバインダー高分子に、カーボンブラック、グラファイト、酸化チタン、酸化錫等の酸化物;Cu、Ag等の金属、酸化物や金属を粒子表面に被覆して導電化した導電粒子等を適宜量分散させることにより、所望の電気抵抗値としたものが用いられる。
表面層の形成方法としては、上記の様なバインダー高分子を溶剤に溶解または分散し、これに導電フィラーを分散させた液を、ディッピング、ビーム塗工、ロールコーター等の塗工法によって、弾性体層表面にコーティングする方法;、バインダー高分子中に導電フィラーを練り込み、それを押出機などによって円筒形状に成形したものを弾性体層に被覆する方法等を挙げることができる。
なお、本発明における弾性体ローラには、必要に応じて、弾性体層、表面層や表面被覆薄膜層以外に、接着層、拡散防止層、下地層、プライマー層等の機能層を設けることもできる。
以下、本発明を、実施例を用いて、更に詳細に説明する。
下記の要領で本発明の導電性ゴムローラを作製した。
<弾性抵抗層の作製>
エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG102、ダイソー(株)製)100質量部、充填剤としての炭酸カルシウム(商品名:シルバーW、白石化学工業(株)製)30質量部、カーボンブラック(商品名:シーストSO、東海カーボン(株)製)5質量部、酸化亜鉛5質量部、ステアリン酸亜鉛1質量部、ロジン樹脂(商品名:ペンセルD−125、荒川化学工業(株)製、軟化点130〜140℃)20質量部、第4級アンモニウム塩(過塩素酸テトラブチルアンモニウム)2重量部を、80℃に調節した密閉型ミキサーにて、10分間混練し、原料コンパウンドを調製した。このコンパウンドに加硫促進剤としてのDM1質量部、加硫促進剤としてのTS1質量部、加硫剤としての硫黄1.5質量部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。
エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG102、ダイソー(株)製)100質量部、充填剤としての炭酸カルシウム(商品名:シルバーW、白石化学工業(株)製)30質量部、カーボンブラック(商品名:シーストSO、東海カーボン(株)製)5質量部、酸化亜鉛5質量部、ステアリン酸亜鉛1質量部、ロジン樹脂(商品名:ペンセルD−125、荒川化学工業(株)製、軟化点130〜140℃)20質量部、第4級アンモニウム塩(過塩素酸テトラブチルアンモニウム)2重量部を、80℃に調節した密閉型ミキサーにて、10分間混練し、原料コンパウンドを調製した。このコンパウンドに加硫促進剤としてのDM1質量部、加硫促進剤としてのTS1質量部、加硫剤としての硫黄1.5質量部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。
得られたコンパウンドを、ゴム押し出し機を使用して、熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20)を塗布した直径6mm、長さ250mmの円柱形の導電性支持体(鋼製、表面はニッケルメッキ)の周囲にローラ状になるように成形し、電気オーブンの中で、160℃で2時間、加硫および接着剤の硬化を行った後、ゴム部分の両端部を突っ切り、ゴム部分を回転砥石で研磨し、端部直径12.00mm、中央部直径12.10mmのクラウン形状の弾性抵抗層を有する帯電ローラを得た。また、この帯電ローラの弾性抵抗層のJIS−A硬度は41度であった。また、弾性抵抗層の体積抵抗値は3.0×107Ω・cmであった。弾性抵抗層の体積抵抗値は、別途厚さ1mmのシートに成型した後、両面に金属を蒸着して電極とガード電極とを作製した。微小電流計(ADVANTEST R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER (株)アドバンテスト社製)を用いて200Vの直流電圧を印加し、30秒後の電流を測定し、膜厚と電極面積とから計算して求めたものである。表1に材料物性を示す。
<表面層の作製>
ラクトン変性アクリルポリオール(商品名:プラクセルDC2009、ダイセル化学工業(株)製)200質量部を、500重量部のMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解し、固形分20重量%の溶液とした。このアクリルポリオール溶液200質量部に対してカーボンブラックを(商品名:MA100、三菱化学(株)製)12質量部を加え、これに直径0.8mmのガラスビーズ200質量部を加えて、450mlのビンに入れてペイントシェーカを使い12時間分散した。
ラクトン変性アクリルポリオール(商品名:プラクセルDC2009、ダイセル化学工業(株)製)200質量部を、500重量部のMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解し、固形分20重量%の溶液とした。このアクリルポリオール溶液200質量部に対してカーボンブラックを(商品名:MA100、三菱化学(株)製)12質量部を加え、これに直径0.8mmのガラスビーズ200質量部を加えて、450mlのビンに入れてペイントシェーカを使い12時間分散した。
この分散液370質量部にヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体(商品名:デュラネートTPA−B80E、旭化成工業製)を30質量部混合し、ボールミルで1時間攪拌して表面層塗料を得た。
前記表面層塗料をディッピンク法により前記導電性弾性体基層の表面に塗工し、30分間風乾した後、160℃で120分間乾燥した。表面層の膜厚は15μmであった。こうして完成したローラを実施例1の導電性ゴムローラとした。なお、表面層のマイクロ硬度(JIS−A)は46度であった。また、得られた導電性ゴムローラの23℃、湿度50%下における電気抵抗は2.5×106Ωであった。導電性ゴムローラの電気抵抗は図2に示すような方法で行った。図中、11は導電性ゴムローラ、15はステンレス製の円筒電極、16は抵抗、17はレコーダーを示す。これらの間の押圧力は用いられる画像形成装置と同様にし、外部電源S1から−200Vを印加した際の抵抗値を測定したものである。
以上のようにして作製した導電性ゴムローラを帯電ローラとして、以下の通りに感光体の耐汚染性を評価した。
ローラをヒューレットパッカード製のレーザープリンターレーザージェット4000Nに使用される感光体に接触させ、両端に9.8Nの荷重を加え、40℃で95%RHの環境下に1週間放置した。放置後、荷重を外し、顕微鏡により感光体の付着物を調べた後、使用した感光体を該カートリッジに組み込み、ベタ黒で5枚印字し、得られた画像を目視にて評価した。感光体に付着物が無く、得られた画像が良好なものを○、感光体に付着物があり、得られた画像に当接跡による横スジ不良が発生したものを×とした。
実施例1の導電性ゴムローラは低硬度なローラであり、かつ表面層が15μmといった薄層でも、感光体の汚染は発生せず、画像不良も見られなかった。表1にローラ物性及び耐汚染性の評価結果を示す。
<弾性抵抗層の作製>
EPDMゴム(商品名:EPT4045、三井化学(株)製)100質量部、充填剤としての炭酸カルシウム(商品名:シルバーW、白石化学工業(株)製)10質量部、カーボンブラック(商品名:旭HS500、旭カーボン(株)製)50質量部、酸化亜鉛5質量部、ステアリン酸亜鉛1質量部、テルペン樹脂(商品名:クリアロンK100、ヤスハラケミカル(株)製、軟化点100±5℃)20質量部、可塑材(商品名:ダイアナプロセスオイルPW−90、出光石油(株)製)30質量部を80℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練し、原料コンパウンドを調製した。このコンパウンドに加硫促進剤としてのDM2質量部、加硫促進剤としてのTS1質量部、加硫剤としての硫黄2質量部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。
EPDMゴム(商品名:EPT4045、三井化学(株)製)100質量部、充填剤としての炭酸カルシウム(商品名:シルバーW、白石化学工業(株)製)10質量部、カーボンブラック(商品名:旭HS500、旭カーボン(株)製)50質量部、酸化亜鉛5質量部、ステアリン酸亜鉛1質量部、テルペン樹脂(商品名:クリアロンK100、ヤスハラケミカル(株)製、軟化点100±5℃)20質量部、可塑材(商品名:ダイアナプロセスオイルPW−90、出光石油(株)製)30質量部を80℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練し、原料コンパウンドを調製した。このコンパウンドに加硫促進剤としてのDM2質量部、加硫促進剤としてのTS1質量部、加硫剤としての硫黄2質量部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。
得られたコンパウンドを実施例1と同じ方法により導電性ゴムローラを得た。この導電性ゴムローラの弾性抵抗層のJIS−A硬度は31度であった。また、弾性抵抗層の体積抵抗値は4.5×105Ω・cmであった。表1に材料物性を示す。
表面層は、実施例1と同様にして作製した。なお、表面層のマイクロ硬度(JIS−A)は35度であった。また、得られた導電性ゴムローラの23℃、湿度50%下における電気抵抗は3.4×105Ωであった。
実施例2の導電性ゴムローラは実施例1と同じく低硬度でかつ耐汚染性(汚染評価)も良好な結果であった。評価結果を表1に示す。
実施例2のテルペン樹脂を軟化点の高いテルペン樹脂(商品名:マイティエースG150、ヤスハラケミカル(株)製、軟化点150±5℃)、可塑材の配合部数を20質量部に変更し、実施例1と同様にして導電性ゴムローラを作製した。
実施例3の導電性ゴムローラは実施例1と同じく低硬度でかつ耐汚染性も良好な結果であった。材料物性及び評価結果を表1に示す。
実施例3にロジン樹脂(商品名:ペンセルD−125、荒川化学工業(株)製 軟化点130〜140℃)を加えたことを除き、実施例1と同様にして導電性ゴムローラを作製した。
実施例4の導電性ゴムローラは実施例1と同じく低硬度でかつ耐汚染性も良好な結果であった。材料物性及び評価結果を表1に示す。
実施例2のテルペン樹脂をクマロン樹脂(商品名:エスクロンG−90、(株)製 軟化点90℃)に替えて、可塑材の配合部数を10質量部に変更したことを除き、実施例1と同様にして導電性ゴムローラを作製した。
実施例5の導電性ゴムローラは実施例1と同じく低硬度でかつ耐汚染性も良好な結果であった。
材料物性及び評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例2のテルペン樹脂を配合せず、可塑材の配合部数を50質量部に変更したことを除き、実施例1と同様にして導電性ゴムローラを作製した。材料物性及び評価結果を表1に示す。
材料物性及び評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例2のテルペン樹脂を配合せず、可塑材の配合部数を50質量部に変更したことを除き、実施例1と同様にして導電性ゴムローラを作製した。材料物性及び評価結果を表1に示す。
比較例1の導電性ゴムローラは低硬度ではあるが、感光体を汚染し、実機画像においても画像不良が発生してしまった。
[比較例2]
実施例1のロジン樹脂を配合せず、可塑材(商品名:ポリサイザーW305ELS、大日本インキ化学工業(株)製)を15質量部配合したことを除き、実施例1と同様にして導電性ゴムローラを作製した。材料物性及び評価結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1のロジン樹脂を配合せず、可塑材(商品名:ポリサイザーW305ELS、大日本インキ化学工業(株)製)を15質量部配合したことを除き、実施例1と同様にして導電性ゴムローラを作製した。材料物性及び評価結果を表1に示す。
比較例2の導電性ゴムローラは低硬度ではあるが、感光体を汚染し、実機画像においても画像不良が発生してしまった。
低硬度でありながら、帯電ローラ等として用いる場合に感光体などの被帯電部材の汚染が抑制された導電性ゴムローラが提供され、画像形成装置の分野での利用が期待できる。
1 芯金
1a 弾性体層
1b 表面層
11 導電性ゴムローラ
15 ステンレス製の円筒電極
16 抵抗
17 レコーダー
1a 弾性体層
1b 表面層
11 導電性ゴムローラ
15 ステンレス製の円筒電極
16 抵抗
17 レコーダー
Claims (5)
- 導電性ゴムに、軟化点が90℃〜180℃であるロジン樹脂、クマロン樹脂、テルペン樹脂のうち少なくとも1種を添加してなることを特徴とする導電性ゴム組成物。
- 前記導電性ゴム組成物の体積固有抵抗率が103Ω・cm〜109Ω・cmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ゴム組成物。
- 前記導電性ゴム組成物の硬度(JIS−A)が30〜70の範囲であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の導電性ゴム組成物。
- 導電性芯金上に少なくとも弾性体層を有し、前記弾性体層が、導電性ゴムに、軟化点が90℃〜180℃であるロジン樹脂、クマロン樹脂、テルペン樹脂のうち少なくとも1種を添加してなる導電性ゴム組成物を用いて形成されていることを特徴とする導電性ゴムローラ。
- 前記弾性体層上に、さらに表面層を設ける構成をとることを特徴とする請求項4に記載の導電性ゴムローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005073705A JP2006258967A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 導電性ゴム組成物及びそれを用いた導電性ゴムローラ |
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JP2008176273A (ja) * | 2006-12-22 | 2008-07-31 | Ricoh Co Ltd | プロセスユニット及び画像形成装置 |
JP2008249860A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Tokai Rubber Ind Ltd | Oa機器用導電性ロール用ゴム組成物およびそれを用いたoa機器用導電性ロール |
JP2011099032A (ja) * | 2009-11-05 | 2011-05-19 | Kitagawa Ind Co Ltd | 制振用樹脂組成物 |
-
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- 2005-03-15 JP JP2005073705A patent/JP2006258967A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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