JP5038709B2 - Ｄｖｏｒ装置 - Google Patents

Description

本発明は、例えば無線航法施設に用いられるＤＶＯＲ（Doppler VHF Omnidirectional Radio Range）装置に関する。

航空機に基準点磁北からの方位情報を与える装置として、ＤＶＯＲ装置が使用されている。このＤＶＯＲ装置のアンテナは、キャリアアンテナと、キャリアアンテナを中心に円形に配列した４８個のサイドバンドアンテナとにより構成されており、キャリアアンテナからは、方位に関係ない一定位相のＲＦ（Radio Frequency）信号が輻射され、サイドバンドアンテナからは、方位により位相が変化するＲＦ信号が輻射される。航空機に設置された受信器は、これら２つの信号を受信し比較することにより、受信地点で基準点、すなわち、ＤＶＯＲ装置からの方位を知ることができる（例えば、特許文献１参照。）。このとき、ＤＶＯＲ装置は、サイドバンド送信機から出力されたＲＦ信号を、ディストリビュータ部で出力のタイミングを切り換え、アンテナコネクタを介してサイドバンドアンテナへ出力することにより、ＲＦ信号をサイドバンドアンテナから輻射する。

従来のＤＶＯＲ装置におけるディストリビュータ部は、大型の円盤形状をしており、その上面には全てのアンテナコネクタが円形に配置され、サイドバンド送信機を具備する筐体から独立して設置されていた。しかしながら、ディストリビュータ部の大型化や、ディストリビュータ部の上記筐体からの独立設置は、ＤＶＯＲ装置を設置する際の制約となっていた。また、全てのアンテナコネクタが１つのディストリビュータ部に配置されているため、ディストリビュータ部が故障した場合には、ディストリビュータ部全てを交換しなければならず、修理に時間とコストがかかるという欠点もあった。
特開平２−２４５８６号公報

以上述べたように、従来のＤＶＯＲ装置では、ディストリビュータ部が大型であり、サイドバンド送信機を具備する筐体から独立して設置されているため、ＤＶＯＲ装置自体が大型化し、その設置にも制約が生じていた。また、全てのアンテナコネクタが１つのディストリビュータ部に設置されているため、ディストリビュータ部の故障時の部品交換が困難であった。

本発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、小型で、設置が容易であり、また、ディストリビュータ部故障時の部品交換が容易であるＤＶＯＲ装置を提供することにある。

上記目的を達成するため、本発明は、ＲＦ信号出力器から出力されるＲＦ信号を、ディストリビュータ部により複数系統に選択的に出力し、当該複数系統毎に設置された複数のサイドバンドアンテナから輻射するＤＶＯＲ装置において、前記ディストリビュータ部は、予め設定された規格に従った大きさの複数の基盤に構築され、前記ＲＦ信号出力器及び前記ディストリビュータ部は、前記規格に対応する同一筐体に組み込まれ、前記筐体に、当該筐体内部の前記ディストリビュータ部と外部の前記複数のサイドバンドアンテナとを接続するための複数のアンテナコネクタが設置され、前記複数のアンテナコネクタを通じて前記ディストリビュータ部と前記複数のサイドバンドアンテナとがケーブル接続される。

このような手段を講じることにより、ＲＦ信号出力器からのＲＦ信号を、このＲＦ信号出力器と同一の筐体に組み込まれたディストリビュータ部から選択的に出力し、この筐体に設置された複数のアンテナコネクタを介して複数のサイドバンドアンテナから輻射している。

特に、前記複数のアンテナコネクタは、前記複数の基盤それぞれに均等に分配されるべく設置される。

これにより、分割されたディストリビュータ部それぞれから、そのディストリビュータ部に対応したアンテナコネクタへＲＦ信号が選択的に出力される。

本発明によれば、ＲＦ信号出力器とディストリビュータ部とが同一の筐体に組み込まれているため、ＤＶＯＲ装置は小型化し、その設置も容易になる。また、ディストリビュータ部を複数に分割することにより、ディストリビュータ部故障時の部品交換が容易となり、ＭＴＴＲ（Mean Time To Repair：平均復旧時間）を低下させることが可能となる。

以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。

図１は、本発明の一実施形態に係るＤＶＯＲ装置の構成を示す模式図である。図１において、サイン波サイドバンド送信機１１から出力されたＲＦ信号は、ディストリビュータ部２で出力のタイミングを時分割で切り換えられてアンテナケーブル３へ出力され、奇数番号のアンテナコネクタ４を介して同じく奇数番号のサイドバンドアンテナ５から輻射される。同様に、コサイン波サイドバンド送信機１２から出力されたＲＦ信号は、ディストリビュータ部２を経て偶数番号のアンテナコネクタ４を介し、偶数番号のサイドバンドアンテナ５から輻射される。

次に、上記構成におけるＤＶＯＲ装置の概観図を示す。

図２は、図１に示すＤＶＯＲ装置の構造を示す概観図である。図２において、筐体２０に設置されたサイン波サイドバンド送信機１１は、ＲＦ信号をディストリビュータ部２−１，２−３に出力し、コサイン波サイドバンド送信機１２は、ＲＦ信号をディストリビュータ部２−２，２−４に出力する。ディストリビュータ部２−１〜２−４は、４枚のＶＭＥ（VERSAmodule Eurocard）規格の基盤であり、筐体２０に組み込まれている。また、ディストリビュータ部２−１〜２−４はそれぞれが、アンテナケーブル３で１２個のアンテナコネクタ４と接続している。ＲＦ信号は、ディストリビュータ部２−１〜２−４で出力のタイミングを時分割で切り換えられ、アンテナコネクタ４へ出力される。このとき、アンテナコネクタ４は、筐体２０の天井部に図２上面図に示すように設置される。

以上のように、上記一実施形態では、ディストリビュータ部２−１〜２−４は、サイン波サイドバンド送信機１１およびコサイン波サイドバンド送信機１２を具備する筐体２０に４枚のＶＭＥ規格の基盤として組み込まれ、それぞれと対応したアンテナコネクタ４と接続されている。また、アンテナコネクタ４は、筐体２０の天井部に設置される。

したがって、サイドバンド送信機とディストリビュータ部とを同一の筐体に組み込むことにより、ディストリビュータ部自体の設置場所を確保する必要がなくなり、ＤＶＯＲ装置の小型化が可能となる。同時に、サイドバンド送信機を具備する筐体とディストリビュータ部との間に従来存在していた配線を大幅に省略できるため、ＤＶＯＲ装置の低コスト化も可能となる。これらの要因により、ＤＶＯＲ装置の設置が容易となる。さらに、ディストリビュータ部を４枚のＶＭＥ規格の基盤としたため、ディストリビュータ部が故障した場合には、故障した基盤のみをバックボードから取り外し、交換すればよいため、その交換は容易であり、ＭＴＴＲの低下が可能である。

なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、ディストリビュータ部を４枚のＶＭＥ規格の基盤とする例について説明したが、４枚以外の場合にも同様に実施可能であり、また、そのサイズもＶＭＥ規格以外の場合でも同様に実施可能である。

さらに、この発明は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。

本発明に係るＤＶＯＲ装置の一実施形態の構成を示すブロック図 上記一実施形態のＤＶＯＲ装置の構造を示す概観図。

符号の説明

１１…サイン波サイドバンド送信機、１２…コサイン波サイドバンド送信機、２，２−１〜２−４…ディストリビュータ部、３…アンテナケーブル、４…アンテナコネクタ、５…サイドバンドアンテナ、２０…筐体。

Claims (4)

1. ＲＦ信号出力器から出力されるＲＦ（Radio Frequency）信号を、ディストリビュータ部により複数系統に選択的に出力し、当該複数系統毎に設置された複数のサイドバンドアンテナから輻射するＤＶＯＲ（Doppler VHF Omnidirectional Radio Range）装置において、
   前記ディストリビュータ部は、予め設定された規格に従った大きさの複数の基盤に構築され、
   前記ＲＦ信号出力器及び前記ディストリビュータ部は、前記規格に対応する同一筐体に組み込まれ、
   前記筐体に、当該筐体内部の前記ディストリビュータ部と外部の前記複数のサイドバンドアンテナとを接続するための複数のアンテナコネクタが設置され、
   前記複数のアンテナコネクタを通じて前記ディストリビュータ部と前記複数のサイドバンドアンテナとがケーブル接続されることを特徴とするＤＶＯＲ装置。
2. 前記複数のアンテナコネクタは、前記筐体の天井部に設置されることを特徴とする請求項１に記載のＤＶＯＲ装置。
3. 前記複数のアンテナコネクタは、前記複数の基盤それぞれに均等に分配されるべく設置されることを特徴とする請求項１に記載のＤＶＯＲ装置。
4. 前記予め設定された規格は、ＶＭＥ（VERSAmodule Eurocard）規格であることを特徴とする請求項１に記載のＤＶＯＲ装置。

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