JP5038013B2 - 薬剤揮散用器具 - Google Patents

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Description

本発明は、バッグやカート等に吊り下げて使用する薬剤揮散用器具に関する。
ベルトに取り付けて使用する携帯用の薬剤揮散用器具が従来から知られており、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されたものがある。
これらの薬剤揮散用器具は、防虫成分を含浸させた基体を内部に収容している。器具本体には、乾電池で駆動されるモータが内蔵されていて、これによって基体を回転させ、防虫成分を揮散させる。
特開2001−197856号公報 特開2003−102361号公報
上記の薬剤揮散用器具は、いずれも、器具本体に設けたフック部を利用してベルトに固定される。これらの薬剤揮散用器具を、例えばカバンやカート等に吊り下げて使用する場合には、適宜の紐部材あるいはストラップを器具本体に固定することになるが、最初からそのような使用形態を意図したものは知られていない。
したがって、本発明は、バッグやカート等に吊り下げて使用するのに適した薬剤揮散用器具を提供することを目的とする。
本発明の薬剤揮散用器具は、防虫成分を含浸させた基体と、電源と、電動モータとが器具本体内に収容されていて、電動モータで基体を回転させて防虫成分を外部に揮散させるものである。そして、「回動自在のリング部材」と「当該リング部材に巻付け固定されるとともに、一部が器具本体外に露出するストラップ」とを備える。
外部に露出したストラップの一部を引っ張ると、巻きが解けて、ストラップの器具本体外への引出し長さが増加する。一方、リング部材に固定された回動操作部が器具本体外に露出していて、当該回動操作部を操作することで、引き出されたストラップをリング部材上に巻き取ることができる。
上記構成を有する本発明の薬剤揮散用器具は、吊下げ用のストラップを内蔵している。そして、当該薬剤揮散用器具をカバンやカート、あるいは家庭やキャンプ地における適宜の突起物等に吊り下げて使用する場合に、吊下げ用ストラップの長さを適宜調節できる。つまり、使用状況等に応じて、吊下げ長さをワンタッチで簡単に変更することができ、多様な状況下で汎用的に使用する上で極めて都合がよい。
本発明の薬剤揮散用器具においては、リング部材の回動軸と直交する回動側面が、器具本体の内壁面に圧接されており、回動側面には「当該リング部材とともに回動する回動突部」が、内壁面には「同リング部材に対して不動の静止突部」が、それぞれ、設けられていることが好ましい。
このように構成すると、リング部材が一定量回動する毎に、回動突部が静止突部を乗り越えることに起因したクリック感が与えられ、操作感を高めることができる。
本発明の実施形態を添付の図面を参照して、以下に詳細に説明する。図1は、一実施形態に係る薬剤揮散用器具1を示す正面図である。図2は、その前方分解斜視図である。
≪薬剤揮散用器具1の概要≫
薬剤揮散用器具1は、防虫成分を含浸させた基体(図示せず)を内部に収容している。乾電池26で駆動される電動モータ18が器具本体に内蔵されていて、これによって基体を回転させ、防虫成分を揮散させる。
操作スイッチ13をON位置にすると、電動モータ18が回転して防虫成分を揮散させる。また、ランプ14が点灯して、作動中であることを表示する。
なお、乾電池26以外にも、ソーラー電池等、適宜の電源を使用することができる。
薬剤揮散用器具1は、長さ調節可能なストラップ40を内蔵しており、このストラップを利用して、例えば、バックやカート等に吊り下げて携帯したり、家庭やキャンプ地等において、適当な突起物に吊り下げて使用することができる。
ストラップ40は、その一部40aが器具本体外に露出しているが、後に説明するように、この露出した部分40aを引き出して、長さを適宜調節することができる。また、露出した部分40aには円柱体45が固定されていて、使用者は、ストラップを引き出すときにこれを掴むと、操作がし易い。
≪内部構造の説明(分解斜視図)≫
図2の分解斜視図を参照して、薬剤揮散用器具1の内部構造を説明する。ベースプレート10の前方側には、ヒンジ固定部11aを介して、前方カバー11が固定される。ベースプレート10と前方カバー11との間に、防虫成分を含浸させた基体(図示せず)が配置される。この基体は、電動モータ18の出力軸18aに連結されて回転し、防虫成分を外部へと揮散させる。
前方カバー11は、ヒンジ固定部11aを中心として回動させて開けることができ、そのようにして、防虫成分を含浸させた基体を交換することができる。
前方カバー11の下方位置には円形の開口12aが設けられていて、前カバー11を閉じたとき、ベースプレート10の下方位置に形成したドーム状の隆起部12が、この開口12a内に納まる。
ドーム状の隆起部12には、操作スイッチ13およびランプ14が配置される。
ベースプレート10の後方側には、電池収容部20が配置される。電池収容部20は、図3の後方斜視図に示したように、乾電池26を収容する凹部26aを有する。なお、図3は、図2中の電池収容部20よりも右側の部分のみを取り出して図示する部分斜視図である。
凹部26aに乾電池26を入れた後、電池蓋50で封止する。
電池収容部20と一体的に構成されて上方に張り出した円板状部分21は、その中央位置に円筒部分25を備えている。円筒部分25は、電動モータ18を収容する収容部であるとともに、リング部材30を回動可能に支持する回動台として機能する。
電動モータ18は、円筒部分25の裏側に存在する凹状の収容空間25a内に保持される(図2)。
また、リング部材30は、その裏側の凹状空間30a(図2)内に円筒部分25を受け入れるようにして、当該円筒部分25上に回動可能に支持される。このとき、円筒部分25とリング部材30との間には、板バネ23を備えた円板22が挟み込まれるが、その機能については後述する。
リング部材30の周囲には、ストラップ40が巻き付けられている。ストラップ40は、一本のストラップを中間点である折返部41において2つ折りにするとともに、ストラップ両端に固定した円柱体45a、45bを連結してなる。
ストラップ40は、折返部41を突起31に固定した上で、リング部材30の周囲に巻き付けられ、裏カバー60に設けたスリット65を通して、外部に引き出される。なお、図3中にはスリット65は1つしか現れないが、図2に示したように、スリット65は裏カバー65の両側に存在する。図1中、参照数字40aは、器具外部に露出したストラップ40の一部分を示している。
≪ストラップの長さ調節機構≫
ストラップ40は、円柱体45を掴んで引っ張る(すなわち、露出したストラップの一部40aを引っ張る)ことで、器具本体内から引き出すことができる。また、回動操作部32(図3)を摘んでリング部材30を、引出しとは逆方向に回動させることで、ストラップ40を器具本体内に収容することができる。
回動操作部32は、リング部材30の片方の側面を塞ぐようにして固定された円板状の部材に立設された湾曲板状の突出部で構成されており、図3から分かるように、組立後においては、裏カバー60の中央開口61を通して外部に露出する。
なお、回動操作部32の具体的な形態は、図示のものに限定されず、適宜のものを採用できる。
≪クリック感を与える機構≫
薬剤揮散用器具1は、ストラップ40を引き出すとき、および回動操作部32を操作してストラップ40を巻き取るときに、リング部材30が一定量回動する毎に、カチッ、カチッというクリック感を与えて操作性を高める機構を備えている。これについて、次に説明する。
図3において、軸線“A”は、リング部材30の回動軸を示している。すなわち、リング部材30は、軸線“A”を中心として回動する。回動操作部32の周囲には、フランジの如き環状領域(回動側面)33がリング部材30とともに一体的に形成されている。環状領域(回動側面)33の表面は、回動軸“A”と直交する平面内に位置している。
この環状領域(回動側面)33の表面には複数の突部34が形成されている。これらの突部34は、リング部材30とともに一体となって回動するので「回動突部34」と呼ぶ。一方、裏カバー60の内壁面63に形成した突部64(図2)は、リング部材30が回動するとき、当該リング部材30に対して不動であるため「静止突部64」と呼ぶ。
静止突部64は、裏カバー60の内壁面63上において、中央開口61の周辺に配置されている。
一方、円筒部分25とリング部材30との間には、板バネ23を備えた円板22が挟み込まれている。この板バネ23により、リング部材30は、裏カバー60側へ向けて付勢されている。
その結果、回動操作部32が裏カバー60の中央開口61を通して外部に露出するとともに、回動操作部32の周囲に位置する環状領域(回動側面)33は、中央開口61周辺の内壁面63に圧接することとなる。すなわち、裏カバー60の内壁面63上において中央開口61の周辺に配置された静止突部64は、環状領域(回動側面)33と圧接する領域に位置している。
したがって、リング部材30が回動するとき、環状領域(回動側面)33は、静止突部64を含む中央開口61の周辺領域と圧接しながら回動することとなる。そのため、リング部材(30)が一定量回動する毎に、回動突部34が静止突部64を乗り越えることとなり、これに起因して、カチッ、カチッ、というクリック感が得られる。
図示の例では、回動突部34は、環状領域(回動側面)33上に、一定間隔を置いて離散的に複数形成されており、静止突部64は、裏カバー60の内壁面63上、中央開口61の周辺領域に180°対向して2つ形成されている。
本発明において、回動突部34および静止突部64の個数は特に限定されることなく、適宜設定することができる。両者の数の組み合わせにより、カチッ、カチッ、というクリック感のサイクルを適宜設定することができる。
また、リング部材30を裏カバー60側へ向けて付勢する手段として、板バネ23を備えた円板22以外にも、コイルスプリング等の適宜の手段を採用することが可能である。
本発明の一実施形態に係る薬剤揮散用器具を示す正面図。 図1の薬剤揮散用器具の前方分解斜視図。 図1の薬剤揮散用器具の後方分解斜視図。
符号の説明
1 薬剤揮散用器具
10 ベースプレート
11 前カバー
11a ヒンジ固定部
12 隆起部
12a 開口
13 操作スイッチ
14 ランプ
18 電動モータ
18a 出力軸
20 電池収容部
21 円板状部分
22 円板
23 板バネ
25 円筒部分
26 乾電池
26a 凹部
30 リング部材
31 突起
32 回動操作部
33 環状領域(回動側面)
34 回動突部
40 ストラップ
40a 露出したストラップ部分
41 折返部
45、45a、45b 円筒体
50 電池蓋
60 裏カバー
61 中央開口
63 内壁面
64 静止突部
65 スロット

Claims (2)

  1. 防虫成分を含浸させた基体と、電源(26)と、電動モータ(18)とが器具本体内に収容されていて、電動モータで基体を回転させて防虫成分を外部に揮散させる薬剤揮散用器具であって、
    回動自在のリング部材(30)と、当該リング部材に巻付け固定されるとともに、一部(40a)が器具本体外に露出するストラップ(40)とを備え、
    外部に露出したストラップの一部(40a)を引っ張ると、巻きが解けて、ストラップ(40)の器具本体外への引出し長さが増加し、
    リング部材(30)に固定された回動操作部(32)が器具本体外に露出していて、当該回動操作部(32)を操作することで、引き出されたストラップをリング部材(30)上に巻き取るよう構成したことを特徴とする、薬剤揮散用器具。
  2. 上記リング部材(30)の回動軸(A)と直交する回動側面(33)が、器具本体の内壁面(63)に圧接されており、
    上記回動側面(33)には当該リング部材(30)とともに回動する回動突部(34)が、上記内壁面(63)には同リング部材(30)に対して不動の静止突部(64)が、それぞれ、設けられていて、
    リング部材(30)が一定量回動する毎に、回動突部(34)が静止突部(64)を乗り越えることに起因したクリック感を与えることを特徴とする、請求項1記載の薬剤揮散用器具。
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