JP5037979B2 - 建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生方法および装置 - Google Patents

建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生方法および装置 Download PDF

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本発明は、油圧ショベル等の建設機械における、特にブームや旋回台等、比較的大きな慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生方法および装置において使用される可変容量型油圧ポンプの馬力特性向上に関する。
油圧ショベル等の建設機械において、近年、排気ガスや騒音等の作業環境を改善する方策としてハイブリッド型の駆動制御方式が種々提案されている。ハイブリッド型の建設機械の駆動制御方式は大別すると、シリーズとパラレルの2方式があり、そのうちシリーズ方式では、原動機で一旦発電機を駆動し、この発電機で発生した電力によって電動機を駆動し、そしてこの電動機で油圧ポンプを駆動する建設機械であり、更に、発電機からの余剰電力をバッテリに蓄え、蓄電されたバッテリの電力で必要に応じて電動機を駆動するものである(特許文献1)。
なお、パラレル方式は、原動機で油圧ポンプと発電機を同時に機械的に駆動し、さらに、同発電機を電動機としてバッテリにより駆動するものである。
また、油圧ショベル等の建設機械における油圧制御装置において前述したハイブリッド型でなく、切換制御弁の構造により、特定のアクチュエータにおいて、その戻り油の圧力が供給圧油より高くなるような場合に、再生チェック弁の作用により高エネルギを有する戻り油を圧油供給通路側へ還流させて、省エネ性および作業効率を向上することができると共に、キャビテーションを防止して、比較的簡単かつコンパクトな構成からなる再生用油圧回路が開示されている(特許文献2)。
また、一般に、油圧アクチュエータを駆動する油圧駆動回路は、開回路方式と閉回路方式とがあり、前者はポンプがタンクより油を吸い込み、油圧アクチュエータの排出油はタンクへ戻るように構成される方式であり、後者はポンプと油圧アクチュエータを結ぶ管路が、途中にタンクを含むことなく、油が循環するように構成される方式である。閉回路方式では、ポンプと油圧モータの組み合わせが多く、その際HST(Hydrostatic Transmission)と称される静油圧式無段変速機の技術により、効率よく油圧駆動回路を構成できる。また、閉回路方式では、油圧モータの回転方向変更に方向制御弁が不要であり、さらに閉回路自身に慣性負荷による逸走防止機能があることが開示されている(非特許文献1)。
しかしながら、特許文献1においては、油圧装置に発電用電動機や蓄電装置、電力変換のためのインバータを備えねばならず、コストがかかるばかりでなく、特に小型の建設機械では、設置スペースが小さいためこの方式を採用することには難点がある。
また、特許文献2においては、ショベル等の建設機械、すなわち、開回路方式を対象にした切換制御弁の構造であり、運転操作の条件により、部分的、一時的に、閉回路方式を利用するものであるが、その切換制御弁の構造が比較的複雑である。
さらに、非特許文献1においては、閉回路方式であるがゆえに、油圧アクチュエータとしてシリンダを含めた油圧回路構成とすることに難点があり、さらに、閉回路内の油温の上昇を防止する設備が必要であり、ショベルなどの走行用、旋回用の油圧モータに適用する可能性はあるものの、ブーム、アーム、バケット用の各油圧シリンダに適用することはできない。
特開2001−11888号公報 特開平11−311205号公報 パワーデザイン Vol.29 No.1 第10〜17頁「HSTの開発現状/応用展開/その将来」
本発明者は、上述した点に鑑み、ショベルなどの建設機械におけるエネルギの回収およびコンパクトな油圧駆動装置の構成の有り様を種々検討した結果、前記建設機械の各油圧アクチュエータからの戻り油により駆動される回生専用の油圧モータを用いることにより上記問題点が解決できること、またその際、前記建設機械に搭載されている可変容量型油圧ポンプの斜板角度調整用に設けられた流量調整機構へ前記戻り油を供給し可変容量型油圧ポンプの馬力特性を増大させることによりエネルギの効果的な回収が可能であることを見出した。
従って、本発明の目的は、油圧ショベルのブームや旋回台等比較的大きな慣性体の運動エネルギや位置エネルギを効果的に回生し原動機の回転駆動をアシストすることのできる建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生方法および装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明による建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生方法は、運転操縦室を搭載する車体本体、同車体本体の下部に装着され同車体本体を搭載して移動せしめる走行手段、同走行手段に対し前記車体本体を旋回せしめる旋回手段、前記車体本体に一端側が俯仰可能に結合されたブームおよびブーム駆動用油圧アクチュエータからなる第1の慣性体ユニットを含み、同第1の慣性体ユニットに順次連結された慣性体および油圧アクチュエータの対からなる複数の慣性体ユニット、前記車体本体に配設された走行手段、旋回手段および前記複数の慣性体ユニットの各油圧アクチュエータへの圧油の給排を制御する複数の制御弁からなる制御弁ユニット、前記制御弁ユニットを介して前記各油圧アクチュエータに供給される圧油を発生するべく原動機と同原動機の回転駆動軸に結合された可変容量型油圧ポンプを備えた第1の油圧源、および前記各制御弁の操作圧信号用の圧油を発生する第2の油圧源を有し、さらに、前記第1の油圧源には回生専用の油圧モータを設け、同油圧モータの回転軸は前記原動機の回転駆動軸に結合部を介して連結されており、前記各油圧アクチュエータの少なくとも一つに対応する前記制御弁には対応する油圧アクチュエータからの戻り油を前記回生専用油圧モータに供給するポートが設けられている建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生方法であって、前記少なくとも一つの油圧アクチュエータから供給される前記制御弁への戻り油の圧力がタンク圧より高い状態で前記戻り油を前記ポートへ導く工程と、前記ポートを介して前記戻り油を前記油圧モータに供給し、同油圧モータの回転軸を前記原動機と同方向へ回転駆動させる工程と、前記油圧モータの回転軸の回転駆動を前記結合部を介して前記原動機の回転駆動軸に伝達する工程と、前記前記制御弁への戻り油の圧力がタンク圧より高い状態で前記戻り油を前記油圧ポンプの斜板角度を調整する流量調整機構に供給し前記戻り油の圧力に対応して前記油圧ポンプの定馬力特性を増大させる工程と、から構成されることを特徴とする。
その場合、前記油圧モータは可変容量型油圧モータで構成されており、前記伝達する工程中、前記ポートの圧力に応じて前記可変容量型油圧モータの斜板角度が制御されるよう構成することができる。
また、その場合、前記ポートを備えた制御弁は、前記旋回手段を構成する油圧モータまたは前記第1慣性体を駆動するブームシリンダに対応した制御弁とすることができる。
また、その場合、前記ポートを備えた制御弁は、前記旋回手段を構成する油圧モータおよび前記第1慣性体を駆動するブームシリンダに対応した制御弁であって、それぞれの制御弁のポート圧力が同時にタンク圧力より高い状態であることを検出した場合、検出圧力が高い方の制御弁のポートからの戻り油のみを前記油圧モータに供給し、検出圧力が低い方の制御弁のポートからの戻り油は別に形成されたバイパス路を介してタンクへ戻す工程を含むよう構成することができる。
また、その場合、前記ポートを備えた制御弁は、前記旋回手段を構成する油圧モータおよび前記第1慣性体を駆動するブームシリンダに対応した制御弁であって、それぞれの制御弁のポート圧力が同時にタンク圧力より高い状態であることを検出した場合、検出圧力が高い方の制御弁のポートからの戻り油の圧力を減圧して検出圧力が低い方の制御弁のポートからの戻り油の圧力と等しくし、前記減圧された戻り油と検出圧力が低い方の制御弁のポートからの戻り油とを合流して前記油圧モータに供給する工程をさらに含むよう構成することができる。
また、上記の目的を達成するため、本発明による建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生装置は、運転操縦室を搭載する車体本体、同車体本体の下部に装着され同車体本体を搭載して移動せしめる走行手段、同走行手段に対し前記車体本体を旋回せしめる旋回手段、前記車体本体に一端側が俯仰可能に結合されたブームおよびブーム駆動用油圧アクチュエータからなる第1の慣性体ユニットを含み、同第1の慣性体ユニットに順次連結された慣性体および油圧アクチュエータの対からなる複数の慣性体ユニット、前記車体本体に配設された走行手段、旋回手段および前記複数の慣性体ユニットの各油圧アクチュエータへの圧油の給排を制御する複数の制御弁からなる制御弁ユニット、前記制御弁ユニットを介して前記各油圧アクチュエータに供給される圧油を発生するべく原動機と同原動機の回転駆動軸に結合された可変容量型油圧ポンプを備えた第1の油圧源、および前記各制御弁の操作圧信号用の圧油を発生する第2の油圧源を有する建設機械であって、前記第1の油圧源には回生専用の油圧モータが設けられ、同油圧モータの回転軸が前記原動機の回転駆動軸に結合部を介して連結されており、前記各油圧アクチュエータの少なくとも一つに対応する前記制御弁には対応する油圧アクチュエータからの戻り油を前記回生専用油圧モータに供給するポートが設けられており、さらに、前記前記制御弁への戻り油は前記油圧ポンプの斜板角度を調整する流量調整機構に供給されており、前記戻り油の圧力がタンク圧より高い状態で前記戻り油の圧力に対応して前記油圧ポンプの定馬力特性を増大させるよう構成することを特徴とする。
その場合、前記ポートを備えた制御弁は、前記旋回手段を構成する油圧モータまたは前記第1慣性体を駆動するブームシリンダに対応した制御弁とすることができる。
さらにその場合、前記油圧モータは可変容量型油圧モータで構成されており、前記ポートの圧力に応じて前記可変容量型油圧モータの斜板角度が制御されるよう構成することができる。
また、その場合、前記油圧ポンプは前記可変容量型油圧モータの回転駆動軸と並列に配置された可変容量型ポンプであり、前記結合部は、前記可変容量型油圧ポンプおよび可変容量型油圧モータそれぞれのシリンダブロック外周に形成された歯車により回転を伝達する機構を有するよう構成することができる。
また、その場合、前記油圧ポンプは前記可変容量型油圧モータの回転駆動軸と直列に配置された可変容量型ポンプであり、前記結合部は、前記可変容量型ポンプの回転軸と可変容量型油圧モータの回転駆動軸とがスプラインにより係合するよう構成されることができる。
さらに、その場合、前記結合部は、前記制御弁のポート圧力がタンク圧より高いときのみ前記原動機の回転駆動軸との連結を可能とする結合手段を備えて構成することができる。
さらに、その場合、前記結合部は、前記制御弁のポート圧力がタンク圧より高いときのみ前記原動機の回転駆動軸と前記可変容量型油圧モータの回転駆動軸との連結を可能とする結合手段を備えて構成することができる。
また、その場合、前記ポートの圧力に応じて前記可変容量型油圧モータの斜板角度を制御する手段として、前記可変容量型油圧モータには、前記ポートの圧力により斜板の一側を押圧してその傾転角を減少するよう移動する第1ピストンと、同第1ピストンの位置に対応して前記ポート圧力より低い制御圧力を発生するモータサーボ部と、前記第1ピストンより径大に形成され、前記モータサーボ部からの制御圧力によって前記斜板の他側を押圧しその傾転角を増大するよう移動する第2ピストンを備えて構成することができる。
さらにまた、その場合、前記可変容量型油圧ポンプの流量調整機構には、前記供給された戻り油の圧力が前記油圧ポンプの馬力特性を定義する1つまたは複数のバネの弾発力と同じ方向に作用するよう構成したことを特徴とする
請求項1に記載された本発明によれば、第1の油圧源には回生専用の油圧モータを設け、同油圧モータの回転軸は前記原動機の回転駆動軸に結合部を介して連結されており、各油圧アクチュエータの少なくとも一つに対応する制御弁には対応する油圧アクチュエータからの戻り油を前記回生専用油圧モータに供給するポートが設けられている建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生方法であって、前記少なくとも一つの油圧アクチュエータから供給される前記制御弁への戻り油の圧力がタンク圧より高い状態で前記戻り油を前記ポートへ導く工程と、前記ポートを介して前記戻り油を前記油圧モータに供給し、同油圧モータの回転軸を前記原動機と同方向へ回転駆動させる工程と、前記油圧モータの回転軸の回転駆動を前記結合部を介して前記原動機の回転駆動軸に伝達する工程と、前記前記制御弁への戻り油の圧力がタンク圧より高い状態で前記戻り油を前記油圧ポンプの斜板角度を調整する流量調整機構に供給し前記戻り油の圧力に対応して前記油圧ポンプの定馬力特性を増大させる工程と、から構成されているので、前記油圧モータの回転駆動力を前記結合部を介して原動機をアシストして原動機の消費エネルギの節約を可能にすると共に、さらに、前記戻り油を前記油圧ポンプの斜板角度を調整する流量調整機構に供給しているので、前記戻り油の圧力に対応して前記油圧ポンプの定馬力特性を増大させることができる。
請求項2に記載された本発明によれば、油圧モータは可変容量型油圧モータで構成されており、前記伝達する工程中、前記ポートの圧力に応じて前記可変容量型油圧モータの斜板角度が制御されるので、前記ポートの圧力が変化しても効率よく回転駆動力を原動機の駆動軸へ伝達することができる。
請求項3に記載された本発明によれば、前記ポートを備えた制御弁は、建設機械の要素の中でも比較的大きな慣性体である前記旋回手段を構成する油圧モータまたはブームシリンダに対応した制御弁としたので、回生される運動エネルギおよび/または位置エネルギを最も効果的に利用することができる。
請求項4に記載された本発明によれば、前記ポートを備えた制御弁は、前記旋回手段を構成する油圧モータおよび前記第1慣性体を駆動するブームシリンダに対応した制御弁であって、それぞれの制御弁のポート圧力が同時にタンク圧力より高い状態であることを検出した場合、検出圧力が高い方の制御弁のポートからの戻り油のみを前記油圧モータに供給し、検出圧力が低い方の制御弁のポートからの戻り油は別に形成されたバイパス路を介してタンクへ戻す工程を含むようにしたので、圧力の高いほうの戻り油が自動的に選択されるので、回生エネルギを効果的に利用することができる。
請求項5に記載された本発明によれば、前記ポートを備えた制御弁は、前記旋回手段を構成する油圧モータおよび前記第1慣性体を駆動するブームシリンダに対応した制御弁であって、それぞれの制御弁のポート圧力が同時にタンク圧力より高い状態であることを検出した場合、検出圧力が高い方の制御弁のポートからの戻り油の圧力を減圧して検出圧力が低い方の制御弁のポートからの戻り油の圧力と等しくし、前記減圧された戻り油と検出圧力が低い方の制御弁のポートからの戻り油とを合流して前記油圧モータに供給する工程をさらに含むようにしたので、両方の戻り油の圧力の差が小さいときは減圧によりタンクへ戻される非回収エネルギが比較的少ないので効果的なエネルギの回収を遂行することが可能となる。
請求項6に記載された本発明によれば、第1の油圧源には回生専用の油圧モータを設け、同油圧モータの回転軸が原動機の回転駆動軸に結合部を介して連結されており、各油圧アクチュエータの少なくとも一つに対応する前記制御弁には対応する油圧アクチュエータからの戻り油を回生専用油圧モータに供給するポートが設けられているので、既存の建設機械における要素の配置や構造をほとんど変更せずに、油圧モータを1つ追加するだけで、慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギを効率よく回生することができると共に、前記前記制御弁への戻り油は前記油圧ポンプの斜板角度を調整する流量調整機構に供給されており、前記戻り油の圧力がタンク圧より高い状態で前記戻り油の圧力に対応して前記油圧ポンプの定馬力特性を増大させることが可能である。
請求項7に記載された本発明によれば、前記ポートを備えた制御弁は、旋回手段を構成する油圧モータまたは第1慣性体を駆動するブームシリンダに対応した制御弁であるので、建設機械における最も大きい位置エネルギまたは慣性体の運動エネルギを回生することが可能となる。
請求項8に記載された本発明によれば、前記油圧モータは可変容量型油圧モータで構成されており、前記ポートの圧力に応じて前記可変容量型油圧モータの斜板角度が制御されるようになっているので、該油圧モータの発生する馬力は供給される戻り油の圧力が変化しても効果的にエネルギを回生することが可能となる。
請求項9に記載された本発明によれば、前記油圧ポンプは可変容量型油圧モータの回転駆動軸と並列に配置された可変容量型ポンプであり、前記結合部は、前記可変容量型油圧モータおよび可変容量型油圧モータそれぞれのシリンダブロック外周に形成された歯車により回転を伝達する機構を有するので、比較的占有面積を小さくすることが可能となり、小型の建設機械への取付けに有利である。
請求項10に記載された本発明によれば、前記油圧ポンプは前記可変容量型油圧モータの回転駆動軸と直列に配置された可変容量型ポンプであり、前記結合部は、前記可変容量型ポンプの回転軸と可変容量型油圧モータの回転駆動軸とがスプラインにより係合するよう構成したので、該油圧モータの取り付けが簡単であり、結合部は一般的に利用されるスプライン結合としたので、コストも低く抑えることができる。
請求項11に記載された本発明によれば、結合部は、制御弁のポート圧力がタンク圧より高いときのみ原動機の回転駆動軸との連結を可能とする結合手段を備えているので、制御弁のポート圧力がタンク圧と同程度で回生エネルギがない状態では回生専用の油圧モータを原動機が回転駆動しないので、原動機の駆動力をそれだけ節約できる。
請求項12に記載された本発明によれば、結合部は、制御弁のポート圧力がタンク圧より高いときのみ前記原動機の回転駆動軸と前記可変容量型油圧モータの回転駆動軸との連結を可能とする結合手段を備えているので、請求項11と同様な効果を得ることができる。
請求項13に記載された本発明によれば、制御弁のポートの圧力に応じて可変容量型油圧モータの斜板角度を制御する手段として、前記可変容量型油圧モータには、前記ポートの圧力により斜板の一側を押圧してその傾転角を減少するよう移動する第1ピストンと、同第1ピストンの位置に対応して前記ポート圧力より低い制御圧力を発生するモータサーボ部と、前記第1ピストンより径大に形成され、前記モータサーボ部からの制御圧力によって前記斜板の他側を押圧しその傾転角を増大するよう移動する第2ピストンを備えて構成されるので、前記可変容量型油圧モータは、外部からの制御信号を必要とせず、前記制御弁からの戻り油の圧力自体で斜板の傾転角を自律的に制御が可能となる。
請求項14に記載された本発明によれば、前記戻り油を前記油圧ポンプの斜板角度を調整する流量調整機構には、供給された前記戻り油の圧力が前記油圧ポンプの馬力特性を定義する既設の1つまたは複数のバネの弾発力と同じ方向に作用するので、戻り油を流量調整機構に導くという簡単な構成で前記油圧ポンプの馬力特性を前記戻り油の圧力に応じて増大させることができる。
以下、本発明の実施の形態に基づく実施例について添付図面の図1乃至図12を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明が適用される建設機械として代表的な油圧ショベルの概略構成を示す。同図1において、油圧ショベルSHVは、油圧モータにより駆動される下部走行体DRVの上に旋回機構RMを介して上部旋回体12が旋回自在に載置されている。上部旋回体12には、その前方一側部にキャブ14が設けられ、且つ、前方中央部にブーム16が俯仰可能に取り付けられている。又、ブーム16の先端にアーム20が上下回動自在に取り付けられ、更にアーム20の先端にバケット24が取り付けられている。なお、参照符号BCYはブーム用の油圧シリンダ、18はアーム用の油圧シリンダ、22はバケット用の油圧シリンダである。
図2は、本発明の第1実施形態に基づく実施例の主要部を示す図である。同図において、参照符号12Aは、図1に示した上部旋回体12を搭載している車体本体であり、同車体本体12Aには固定フレーム12Bが取付けられている。固定フレーム12Bの頂部にはブーム16の下端部が回動可能に取付けられている。また、ブームシリンダBCYの下端部は固定フレーム12Bに回動可能に取付けられ、そのロッドRDの先端部はブーム16の中央部よりやや上方部位にて回動可能に取付けられている。
図1で説明したように、ブーム16先端部にはアーム20、同アーム20の先端部にはバケット24が連結されており、それぞれアーム用シリンダ18、バケット用シリンダ22が図示のように回動可能に取付けられている。参照符号Wは、ロッドRDを介してブームシリンダBCYに作用するブーム荷重を示す。このブーム荷重Wはブーム16の俯仰状態やアーム20の角度に対応して変化する。なお、図示しないが、前記ブーム16の背面側にもう1つのブームシリンダBCYが取付けられている。
ブームシリンダBCYのヘッド側油室RM1およびロッド側油室RM2はそれぞれラインL1、L2を介してブームシリンダ用の制御弁VL1のポートBP、APに接続されている。一方、制御弁VL1の下方に示されるように、原動機30の回転軸30aにより駆動される可変容量型油圧ポンプ32が設けられており、同ポンプ32の斜板32aは流量調整機構34により調整される。可変容量型油圧ポンプ32の左側には可変容量型油圧モータ38が回転軸30aと同軸上に設けられ、その斜板38aは斜板調整部36によって制御されるようになっている。なお、可変容量型油圧ポンプ32と可変容量型油圧モータ38との間の破線で示す部分はクラッチCLである。後述されるように、このクラッチCLは必ずしも必要ではない。参照符号Tはタンクを示す。
可変容量型油圧ポンプ32から与えられる圧油は供給ラインSLを介して制御弁VL1中央部の圧油供給路FLPに接続されている。また、油圧モータ38の供給口38bには戻り油ラインBLを介して制御弁VL1に設けられたポートTP1から戻り油が供給されるようになっている。参照符号P1はポートTP1の圧力を示す。
さらに、前記流量調整機構34には、ライン34Lを介してポートTP1の圧力P1および、破線で示す供給ラインSLの圧力すなわち、ポンプ32の自己圧が与えられている。
参照符号SPrは制御弁VL1の中央部を左右に貫通する穴に摺動可能に収納されたスプールである。参照符号FL1、FL2は、制御弁VL1の左右にそれぞれ配設された固定リリーフ弁RF1、RF2の排出口Z1、Z2に連通する流路であって、共にタンクポートTP2に接続されている。参照符号FL4、FL5は、それぞれポートBP、APに連通する流路であり、各流路FL4、FL5は固定リリーフ弁RF1、RF2の入り口Y1、Y2に接続されている。参照符号FL3は、圧油供給路FLPに連通する分配路であってスプールSPrの位置に対応して圧油供給路FLPからの圧油をポートAPまたはBPへ導くようになっている。
図示の例では、スプールSPrは操作圧信号Paにより左方に移動しており、したがって、圧油は矢印付ラインで示されるように分配路FL3の右側からポートAPへ供給され、ラインL2を介してブームシリンダBCYのロッド側室RM2へ与えられる。この状態ではヘッド側室RM1からの油はラインL1を介してポートBPに到り、さらに流路FL4からスプールSPrの径小部r1、流路FLを経てポートTP1へ戻り、さらに戻りラインBLを介して油圧モータ38の供給口38bに与えられる。
一方、操作圧信号Pbが与えられ、スプールSPrが右方へ移動すると、前記径小部r1も右方へ移動し、流路FLとFL4との連通が遮断され、代わって流路FL4は分配路FL3の左側と連通し、圧油供給路FLPからの圧油はFL4からポートBP、ラインL1を介してヘッド側室RM1へ供給される。このときロッド側室RM2からの戻り油はラインL2、ポートAP、流路FL5を経て右方の径小部r2から流路FL2に至りタンクへ戻される。
上述のように、ポートTP1は操作圧信号Paが与えられたときのみ径小部r1を介してブームシリンダBCYのヘッド側油室RM1からの戻り油を油圧モータ38へ供給するようになっている。すなわち、この状態ではポートTP1の圧力P1はブーム荷重Wによってタンク圧より高くなっているのでその戻り油の圧力により油圧モータ38を回転駆動するようになっている。
前記斜板調整部36では戻りラインBLの圧力により可変容量型油圧モータ38の斜板38aの角度を調整する。すなわち、ポートTP1の圧力がタンク圧より大きくなればなるほど斜板38aの傾転角度が大きくなり、可変容量型油圧モータ38の発生する回転トルクが増加し、原動機30の回転軸30aに伝達されることにより原動機30の燃料消費を節約することとなる。なお、ブーム16を上昇させる場合は、前述のように、流路FLはFL4と遮断されるのでポートTP1はタンク圧となり、したがって、油圧モータ38の斜板38aはゼロになる。この状態では、可変容量型油圧モータ38の回転要素部分、例えば回転軸、同回転軸と一体に回転する複数のピストン等は原動機30の回転軸30aにより駆動されその分だけ燃料消費が上昇するが、これを避けるため、クラッチCLを設けて油圧モータの回転軸と原動機30の回転軸とを機械的に遮断することができる。
参照符号50は、操作圧信号Pa、Pbを発生するパイロット操作弁であって、同パイロット操作弁50には図示しないパイロットポンプからの圧油が与えられるようになっている。
また、参照符号SL1は供給ラインSLから分岐した圧油の供給ラインであって、アーム用の油圧シリンダ18、バケット用の油圧シリンダ22への圧油の給排ならびに、走行用の油圧モータ、旋回用の油圧モータへの圧油の給排を行う各制御弁(図示しない)と接続されている。
なお、これら制御弁は本発明における制御弁ユニットを構成している。また、前記ブーム16およびブームシリンダBCYは本発明における第1の慣性体ユニットを構成し、アーム20および油圧シリンダ18、ならびにバケット24および油圧シリンダ22はそれぞれ慣性体ユニットであり、前記第1の慣性体ユニットと併せて本発明における複数の慣性体ユニットを構成している。
前記制御弁ユニットのアーム用の油圧シリンダ18と接続される制御弁(制御弁VL2とする)およびバケット用の油圧シリンダ22と接続される制御弁(制御弁VL3とする)は、前記ブーム用シリンダBCYと接続される制御弁VL1と同様な構成とすることができるが、ブーム16に比べアーム20、バケット24は重量が小さいため、回生エネルギの回収効果は比較的小さい。
前記走行用の油圧モータへの圧油の給排を行う制御弁(制御弁VL4とする)、旋回用の油圧モータへの圧油の給排を行う制御弁(制御弁5とする)では、制動時にそれぞれの油圧モータはポンプ機能を行うので、その戻り油の圧力はタンク圧より高くなる。さらに、これらの場合は、位置エネルギが大きいブームシリンダBCYと異なり、慣性体である車体本体あるいは旋回体の運動エネルギを回生することとなるが、各制動の方向は、走行のときは前進・後退、旋回のときは左右回転の如く2種類あるので、前記制御弁VL4、VL5では、VL1におけるポートTP1をそれぞれの戻り油に対し左右2箇所設けることが好ましい。その際、制動状態でないときには戻り油の圧力P1はほぼタンク圧であり、前述したように、可変容量型油圧モータ38の斜板38aの角度はゼロであるため、戻り油がタンクへ流れなくなる。この不具合を解消するために、2箇所の各ポートTP1、TP1のそれぞれとタンクポートTP2との間に弁を設け、同弁は、ポートTP1の圧力P1がほぼタンク圧のときは連通させ、タンク圧より高いときは遮断するよう機能するものである。
図3は、図2の原動機30、可変容量型油圧ポンプ32、可変容量型油圧モータ38の配置を拡大して示す。同図3において、参照符号32aは可変容量型油圧ポンプ32の斜板、32bは吸い込み口、32cは吐出口、32dは可変容量型ポンプ32の回転軸32fと可変容量型油圧モータ38の回転軸38cとの結合部44を形成しているスプライン結合部である。参照符号32eは、斜板32aの角度(傾転角)を制御するため用いられる圧油のポートであって、吐出口32cから導かれている。
参照符号40は、原動機30の回転駆動軸30aと可変容量型油圧ポンプ32の回転軸32fとの結合部である。なお、結合部40、44は本発明における結合部を構成している。
参照符号42は、可変容量型油圧モータ38の端部プレートであって、同モータ38への圧油の供給口38bと背面側に設けられた排出口とを備えている。前記結合部44としては、スプライン結合32dの代りに、例えば市販の一方向クラッチを用いることができる。
図3に示される配置では原動機30、可変容量型ポンプ32、可変容量型油圧モータ38は同一軸上に設けられているが、比較的小型のショベルSHVではそれらの設置スペースに制約があり、そうした制約を解消するための配置を図4に示す。
図4は、可変容量型油圧モータ38の回転軸102と可変容量型油圧ポンプ32の回転軸110とが並列配置となるように、前後1対のケーシング100a、100bの中に前記モータ38とポンプ32を収納配置した構成を両軸方向断面図として示す。同図から明らかなように、可変容量型油圧モータ38の回転軸102と可変容量型油圧ポンプ32の回転軸110とが並列配置された場合は、図3の直列配置に比べ軸方向の長さ全体を短くすることができる。
図4において、可変容量型油圧モータ38は、両端部をケーシング100a、100bで軸支された回転軸102と、同回転軸102と一体に回転されるシリンダブロック104と、同シリンダブロック104内に設けられた複数のピストン104aと、同各ピストン104aの右端部に配置された斜板108aと、を有する。また、前記シリンダブロック104の外周には歯車106が形成されている。一方、可変容量型油圧ポンプ32は、同様な構成として、両端部をケーシング100a、100bで軸支された回転軸110と、同回転軸110と一体に回転されるシリンダブロック112と、同シリンダブロック112内に設けられた複数のピストン104bと、同各ピストン104bの右端部に配置された斜板108bを有する。また、前記シリンダブロック112の外周には歯車114が形成されている。
なお、参照符号ENGは前記歯車106と歯車114とが互いにかみ合っている状態を示す。
図5は、図4の線A−Aに沿う断面図である。同図5において、参照符号36は斜板調整部、参照符号130は、ロッド130aの一端部を介して斜板108aの上部を図の右方へ傾転させるピストンであって、ロッド130aの他端を摺動可能に収納している。なお、ピストン130の外径はd2である。参照符号134は油室であって、同油室134には前記モータサーボ部36から与えられる制御圧がケーシング100bに形成された通路132を介して与えられる。参照符号134aは油室134に設けられたバネ134bのガイド用部材である。参照符号136、138はそれぞれ油圧モータ38の圧油供給口、タンク排出口である。圧油供給口136は入り口136aと連通されており、同入り口136aの圧油は通路146により斜板調整部36に供給される。
また、入り口136aの圧油は油室140と連通しており、同油室140内にはピストン142が移動可能に収納されている。このピストン142は、前記ピストン130と同様に、ロッド142aの一端部を介して斜板108aの下部を図の右方へ傾転させるようになっている。なお、ピストン142の外径はd1で、d1>d2とされている。参照符号144は、レバーであって、その中央部に支点用のピン148が設けられている。レバー144の上端部はピストン142に結合され、その下端部は斜板調整部36に設けられたスリーブの外周部に結合されている。
図6は、前記図5の斜板調整部36の拡大図である。同図6において、参照符号150は中央部に左右方向に貫通孔Hを形成したサーボ部本体であって、その上面150aは、図5のケーシング100a下部に気密的に取付けられている。このサーボ部本体150の右端部にはバネ170の一端側を収納する蓋150bが取付けられている。参照符号150d、150eはバネ170の左右端部を支持する部材である。バネ170の弾発力は部材150eをボルト150cを移動することにより調整できるようになっている。参照符号152は前記貫通孔Hの左端に設けられたストッパ部材であり、それに隣接して軸160がスリーブ168内周面と摺動可能に挿入されている。
スリーブ168外周には所定間隔を有する2つの環状溝168a、168bが形成されておりその各環状溝168a、168bには、破線で示すように、斜板調整部本体150に形成された制御圧用の通路132と入り口圧用の通路146の端部がそれぞれ臨んでいる。さらに、スリーブ168には環状溝168a、168bと一端側が連通する横穴162、166が形成されており、同各横穴162、166の他端側は軸160の外周面に臨んでいる。
同図においては横穴166は軸160の径小部164の外周溝に臨み、横穴162は径小部164の外周溝右端部とほぼ接しており微小なスリットを形成している。参照符号158は軸160の軸中心部に形成された孔であって、その左端は開口している。参照符号154は前記孔158の左端部へ摺動可能に挿入配置されたピンであって、同ピン154の左端面は前記ストッパ部材152の右端面に接している。前述したようにレバー144は、斜板調整部本体150に設けられたピン148を支点として揺動可能に配置され、その上端部には図5のピストン142外周部に固定されたピン172と係合されている。また、レバー144の下端部はスリーブ168の外周部に固定されたピン156と係合されている。参照符号174はドレン用通路である。
次に、上記の構成になる斜板調整部36の機能について説明する。
制御弁VL1(図2参照)のポートTP1から戻りラインBLを介して、図5の油圧モータ38の圧油供給口136へタンク圧より高い圧力P1の戻り油が供給されると、入り口136aに達した圧油(戻り油)は、通路146を介して斜板調整部本体150側に供給される。すなわち、図示のように、スリーブ168の環状溝168bに供給される。
したがって、その圧油は横穴166から径小部164の外周溝を介して孔158に与えられるのでピン154を左方へ押圧し、その結果、軸160は微少量ΔLだけバネ170の弾発力に抗して右方へ移動し、横穴162と径小部164の外周溝右端部との間のスリット部SLTが広がり連通することとなる。したがって、圧油は環状溝168aに達し、通路132を経て図5の油室134に達する。油室134に達した圧油によりピストン130が右方へ移動しロッド130aを介して斜板108aの上端部を右方へ傾転させよう作動する。
同時に、この間、圧油は通路146から油室140にも与えられるのでピストン142はロッド142aを介して斜板108aの下部を右方へ傾転させるよう作動する。圧油は、横穴162と径小部164の外周溝右端部との間隔が小さいときオリフィスとして作用し圧力降下が生じるので、上方の油室134に達している圧油の圧力は、下方の油室140に達している圧油の圧力P1より小さくなるがピストン130の外径d2がピストン142の外径d1より大きいので、斜板108a上部側でのロッド130aによる傾転の力は、斜板108a下部側でのロッド142aによる傾転の力よりも優勢となり、その結果、ピストン142はロッド142aを介して左方へ押し戻され、同時にピン172も矢視(イ)の方へ移動する。
このためレバー144はピン148を支点として右方へ移動しそれと共に、スリーブ168もΔLだけ右方へ移動する。その結果、スリーブ168は軸160が移動した位置に追いつき、図6に示された当初の相対的な関係位置となる。こうした圧油伝達の一巡動作は瞬時に遂行されるので、マクロ的にみると、圧力P1の戻り油である圧油に基づいて軸160が、バネ170の弾発力に抗して右方へ移動しバランスする位置で停止するまで行われる。そしてそのバランス位置までの軸160の移動量に対応して斜板108aが傾転されることとなる。
なお、軸160が前記バランス位置まで移動し、それに追従してスリーブ168も移動した状態では、両者は静止状態とみなせるが、細かく見ると、通路132、油室134、通路146、油室140等からの圧油の漏れがあり、また戻り油の圧力P1にも細かな圧力変動がある。主として油室134、140からの漏れにより斜板108aの上側部、下側部に対するロッド130a、142aの押圧力のバランスが少しでも崩れるとそれを修正するように、軸160、スリーブ168が微小量移動する。こうした修正動作は、横穴162と径小部164の外周溝右端部との間に形成されるスリット部SLTの間隙を間断なく変化させる、すなわち、軸160とスリーブ168とが相対的に微小振幅で振動しながら全体としてその位置でバランスを保持している。
なお、バネ170の弾発力は軸160のストローク(移動量)に対し直線的に増加、または減少するが、例えば、複数のバネ定数の異なるバネを配置することにより、そのストロークに対する弾発力の関係を異なる勾配の直線部分の組み合わせとして形成することもできる。
図7は、図4の線B−Bの断面図を示す。同図7に示される可変容量型油圧ポンプ32は、図5に示した可変容量型油圧モータ38と基本的には同様な構成であるのでその詳細な説明は省略するが、主な相違部分としては、斜板調整部36に対応する流量調整機構34のロッド180にバネの弾発力を伝える押圧部材182に対し、さらに可変容量型油圧モータ38へ供給される戻り油の圧油をポンプ32の本体カバー32g内に設けられた供給ポート32iを介して流量調整機構34へ導き作用させるようにした点である。なお、参照符号32hは本体カバー32gに形成されたポンプ32の吐出ポートであって、この吐出ポート32hの圧力すなわち、負荷圧力は自己圧力として流量調整機構34へ導かれている。参照符号184a、184bは斜板32aの傾転角度を制御するパワーピストンユニットである。前記流量調整機構34の詳細構成を図8に示す。
図8は、流量調整機構34の拡大詳細図であって、前記パワーピストンユニット184aは、本体カバー32g内に形成された孔に摺動可能に挿入されているピストン184cと、内側にピストン室185を形成する蓋184dおよび、外周部にバネ184fを備えた固定ロッド184eとから形成されている。ピストン184cの外周部にはピン185aが設けられ、上端部を支点とするフィードバック用のレバー186の下端部フォークがピン185aに係合している。一方、流量調整機構34の左端側および右端側に配設された本体34a、34bにより形成された孔の右端側にはストッパ195が設けられ、左端側には戻り油を受け入れる通路194bを有する固定部材194が設けられている。
本体34bの孔部分には、横穴188a、188bを形成したスリーブ188が摺動可能に挿入され、またそのスリーブ188内にはロッド180が摺動可能に挿入されている。このロッド180には所定長さの径小部180aが形成されており、さらにその径小部180aに通じる中心孔180bが形成されている。参照符号192は中心孔180bに摺動可能に挿入されているピストンである。さらに前記スリーブ188の外周部にはフィードバック用のレバー186と係合するピン186aが設けられている。参照符号182は前述した押圧部材であって、その球状右端部はロッド180の左端部に当接している。押圧部材182左端部側の各段部はそれぞれバネ196、198により右方へ付勢される。但し、図示の状態ではバネ198の右端は押圧部材182と所定の間隔が設けられ、当接はしていない。
参照符号182aは前記孔194bに摺動可能に挿入されているピストンであってその右端部は押圧部材182の左端部に当接している。破線で示すように、ポンプの吐出ポート32hの圧力は自己圧力として通路192aを介して横穴188bから中心孔180bへ与えられる。一方、横穴188aと接続される通路192はカバー本体32gの横穴および通路192cを介してピストン室185に導かれておりピストン184cを左方へ移動させるようになっている。また、破線の通路194aは、可変容量型油圧モータ38の油圧モータ入り口と連通している供給ポート32iからの戻り油の圧力を固定部材194の通路194bを介してピストン182aに与える。
上記の構成よりなる流量調整機構34の作用について以下説明する。今、ショベルが重力または慣性エネルギを生成しない動作をしている場合、ポート32iの戻り油圧力はタンク圧であり、したがって、ピストン182aは押圧部材182を押圧していないものとする。図示の状態において、負荷圧の増加により吐出ポート32hでの微小な圧力増加分Δpがあると、通路192a、横穴188b、径小部180a、中心孔180bを介してピストン192が右方へ押される。するとストッパ部材195の反力を受けロッド180はバネ196の弾発力に抗して左方へ微少量Δx移動する。このロッド180の左方への移動により前記径小部180aが横穴188aと連通すると通路192aと192bも連通し、圧力増加分Δpが192cを介してピストン室185に与えられ、ピストン184cを左方へ駆動する。それに伴いフィードバック用のレバー186の下端部は、ピストン184cに固定されたピン185により左方へ移動されるので、同時にスリーブ188はピン186aを介して左方へ移動し、それにより横穴188aと径小部180aとの連通が遮断される。負荷圧が連続的に増加するときこのようなプロセスが連続し、所定の負荷圧Pに達するよう前記ロッド180、スリーブ188が左方の所定位置までバネ196、198の弾発力に抗して移動しその位置でバランスして停止する。
一方、ショベルが重力または慣性エネルギを生成する動作をしているときポート32iの戻り油圧力はタンク圧より高くなり、したがって、ピストン182aは押圧部材182を押圧しているものとする。この場合には、図示の状態において、ピストン182aによる押圧部材182への押圧力に相当するバネ力が与えられていることとなり、可変容量型油圧ポンプの馬力特性が増加したことになる。すなわち、バネ196、198と別の第3の仮想的バネが設けられていることに相当し、しかもそのバネ力が戻り油の圧力に対応して変化するような仮想的バネということになる。
図9は、横軸に負荷圧P、縦軸に吐出流量Qをとり、前記可変容量型油圧ポンプ32の馬力特性を示すグラフである。同図9において、実線Laで示される可変容量型油圧ポンプ32の馬力特性は、前記の仮想的バネの作用がなくバネ196、198のみで形成される。線分L1の特性は負荷圧Pが0からP1までは流量Qがフラット値Q1であり、バネ196の初期荷重に達するまでの状態を示す。負荷圧PがP1からP2までの線分L2はバネ196のみにより定義される特性を示し、負荷圧PがP2からP3までの線分L3はバネ196とバネ198の加算により定義される特性をそれぞれ示す。なお、負荷圧P3で流量Qが一定となるのは、図7において、ピストンREがストッパSTPに接するためである。線分L2とL3の部分は馬力(HP)一定すなわち、HP=kP・Q(kは定数)の関係となる双曲線部分を各線分L2、L3で近似したものである。
破線で示される馬力特性LbLcなどは前述の仮想的バネの作用が加わった場合を例示するものであり、特性Lcの方がLbよりも戻り油の圧力が大きいことを示す。今、ショベルの運転状態が戻り油の圧力の発生がない点Zaすなわち、図示された特性Laの負荷圧Piに対応する流量Qiであるとし、その状態でショベルの運転状態が変化し戻り油の圧力が発生すると特性Lbとなり、前記Zaに対応する点Zbとなる。したがって、その差に対応する流量増加分ΔQiが生成され可変容量型油圧ポンプ32の吸収トルクを増大させ、馬力特性が増大したこととなり、特性Laを有するポンプが特性Lbを有するポンプに一時的に変化したことになる。
このことは、タンク圧より高い戻り油の圧力が発生している状態では、前記油圧ポンプ32の吐出流量Qが増加できることを意味している。また、戻り油の圧力がさらに大きい特性Lcの場合は吐出流量Qの増加分がさらに大きくなり、したがって、他のアクチュエータを同時に操作した場合に要求される流量を確保することができ、操作スピードの低下がなく効率の良い運転操作が可能となる。
(第2の実施の形態)
図10乃至12は、本発明の、第2の実施の形態に係るそれぞれの実施例を説明するための簡略化した油圧回路図である。
前述した図2乃至図9の場合には、回生専用の可変容量型油圧モータ38には、制御弁ユニットの中の1つの制御弁、例えばブームシリンダ用の制御弁VL1からタンク圧より高い戻り油が供給されるものとして説明したが、以下の第2の実施形態例では、複数の制御弁から同時にタンク圧より高い戻り油が供給される場合の可変容量型油圧モータ38への戻り油の供給について扱う。
ショベルSHVにおいては、その作業中、旋回台とブームとの駆動操作を同時に行うことが一般的であり、その中で、旋回台の回転を制動することとブームの下降とが同時に行われることも行われる。その場合、作業の状態は様々であり、それぞれの戻り油の圧力は必ずしも同一ではなく、且つ作業中にそれぞれの圧力は変化する。
したがって、両方の戻り油を単に合流させて可変容量型モータ38へ供給すると、圧力の高い方、例えば旋回用油圧モータからの戻り油のみが油圧モータ38に供給されるが、圧力の低い方、例えばブームシリンダからの戻り油は阻止されるため、その戻り油は流路を失い、ブームの下降動作がスムースに遂行されず、悪影響を与える。
図10は、運動エネルギが最も大きい旋回台用の油圧モータおよび位置エネルギが最も大きいブーム用のシリンダという2つの油圧アクチュエータからの戻り油を回生専用の可変容量型油圧モータ38へ供給する場合を対象とする。図10において、参照符号VL1はブームシリンダ用の制御弁、VL5は旋回台油圧モータ用の制御弁であって、それぞれ簡略化して示されている。参照符号210、214は、制御弁VL1のポートTP1からの戻り油、制御弁VL5の、左ポートTP(L)または右ポートTP(R)からの戻り油をそれぞれ油圧モータVMTへ接続する流路である。各流路210、214は合流点SPで合流し、流路216を介して油圧モータへ供給される。参照符号202はシャトル弁で前記左ポートTP(L)または右ポートTP(R)のいずれかを選択する。
参照符号200、206は開閉弁であって、それぞれ分岐流路212、218を介して流路210、214に接続されている。破線で示される流路204、208は、流路214、210の圧力P2A(P2B)、P1によりそれぞれ開閉弁200、206を開き戻り油をそれぞれ分岐流路212、218を介してバイパスさせるようになっている。
ここで、実際に、例えば開閉弁200が開かれる条件としては、例えば判別部204aにおいて圧力P2A(P2B)とP1の大小が比較され、P2A(P2B)>P1のときのみである。同様に、開閉弁206が開かれる条件としては、判別部208aにおいて圧力P2A(P2B)とP1の大小が比較され、P2A(P2B)<P1のときのみである。
このように構成すると、圧力が高い方の戻り油が選択され可変容量型油圧モータ38へ供給される。
図11は、制御弁VL1のポートTP1の圧力P1と、制御弁VL5のポートからの圧力P2A(P2B)のうち高い方の戻り油圧力を、低い方の戻り圧力に等しくなるよう減圧するものである。参照符号234A、234Bは例えば可変リリーフ弁とされる。また、参照符号230A、230Bはそれぞれ判別部である。同判別部230A、230Bでは圧力P1とP2A(P2B)との大小が比較され、低い方の圧力がそれぞれ破線の流路232A、232Bを介して各可変リリーフ弁234B、234Aに与えられる。
例えば、今、ブームシリンダからの戻り油の圧力P1が旋回油圧モータからの戻り油の圧力P2A(P2B)より低い場合、判別部230Aから可変リリーフ弁234Bへは流路232Aを介して圧力P1が与えられるので、可変リリーフ弁234Bの下流側にはP2A(P2B)からP1に減圧された戻り油が合流点SPへ与えられる。一方、同時に、判別部230Bから可変リリーフ弁234Aへは流路232Bを介して低い方の圧力P1が与えられるので、可変リリーフ弁234Aの下流側には減圧されずP1のままの戻り油が合流点SPへ与えられる。したがって、両方からの戻り油の圧力(P1)が等しい状態で可変容量型油圧モータ38に合流された戻り油が供給される。
図11の例では、圧力P1とP2A(P2B)との差が小さい場合にエネルギの回生はより効果的となる。
図12は、図10、図11に示した弁200、206、234A、234Bをそれぞれ含む弁ユニット250、250Aを備えた例である。弁ユニット250、250Aの各弁への操作指令信号は、一定時間間隔でプログラムによって演算処理して生成される。参照符号300は、その演算処理装置であって、CPU(中央演算処理装置)と各弁の切換信号生成プログラムおよび各種パラメータデータ記憶メモリから構成される。
参照符号400は、前記各弁の切換信号生成プログラムの主要処理内容を示すフローである。同フロー400において、工程ST1では、現在の時刻t1におけるポート圧等のデータを検出する。工程ST2では、直前の時刻t0からの所定経過時間ΔT(t1−t0)において得られた回生エネルギE(ΔT)を演算して算出する。工程ST3では、次の時刻t2までの経過時間ΔT中に発生すると想定される最大の回生エネルギN(ΔT)をST1の検出データおよびパラメータを用いて演算し算出する。工程ST4では、前記N(ΔT)とE(ΔT)とを対比し、N(ΔT)に近づけるように各弁に対する操作指令信号、各弁の切換信号を新たに定義する。工程ST5では、新たに定義された操作指令信号、切換信号を出力する。各弁の切換時間は長くても数十ミリ秒であり、前記所定時間間隔ΔTとしては、これらの時間が無視できる程度の時間間隔、例えば0.1〜0.5秒とすることができる。
図10の例では、非常に短時間ごとに、回生エネルギとして得られた値と、得られる可能性のある最大の値とを逐次比較して、全体として、回収エネルギが最大となるように制御するものである。
以上、本発明の好適な実施形態に基づく各実施例について図面を参照して説明したが、当業者であれば、これらの開示例に基づき種々変形することができる。例えば、第1の実施形態では、原動機は化石燃料を燃焼させて回転駆動力を発生するものとして説明したが、電動機を用いてもよい。また、図4に示される並列方式はケーシング内に油圧モータとポンプを収納してシリンダブロック外周の歯車を噛み合わせる構成としたが、ポンプおよび油圧の回転軸に歯車を噛み合わせるよう取り付けることも可能である。
また、第2の実施形態では、ブームシリンダと旋回油圧モータとの2つを対象としたが、任意の他の2つ以上の油圧アクチュエータからの戻り油を対象とすることもできる。さらにまた、回生専用の可変容量型油圧モータは1つとして説明したが、2個以上を適宜結合部を介して結合することも可能である。また、図12では弁ユニット内に図10、11に対応する弁を個別に配置されているものとして説明したが、これらの弁を複合化して単一の弁として構成することも可能である。また、図10、11では制御弁VL1、VL5の外部に各弁を配置しているように例示したが、これらを制御弁VL1、VL5内部に組み込むよう構成することも可能である。
本発明が適用される建設機械として代表的な油圧ショベルの概略構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に基づく実施例の主要部を示す図である。 図2の原動機、可変容量型油圧ポンプ、可変容量型油圧モータの配置を拡大して示す図である。 可変容量型油圧モータの回転軸と可変容量型油圧ポンプの回転軸が並列配置とされた軸方向断面図である。 図4の線A−Aに沿う断面図である。 図5のモータサーボ部拡大図である。 図4の線B−Bに沿う断面図である。 図7の流量調整機構の拡大詳細図である。 図7の流量調整機構を備えた可変容量型油圧ポンプの馬力特性を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に基づく第1の実施例を説明する油圧回路である。 本発明の第2実施形態に基づく第2の実施例を説明する油圧回路である。 本発明の第2実施形態に基づく第3の実施例を説明する油圧回路である。
符号の説明
12 上部旋回体
12A 車体本体
12B 固定フレーム
14 キャブ
16 ブーム
18 アーム用の油圧シリンダ
20 アーム
22 バケット用の油圧シリンダ
24 バケット
30 原動機
30a 回転軸
32 可変容量型油圧ポンプ
32a 斜板
32b 吸い込み口
32c 吐出口
32d スプライン結合部
32e 圧油のポート
32f 回転軸
32g 吐出ポート
32h 吐出ポート
32i ポート
34 流量調整機構
34a、34b 本体
36 斜板調整部
38 可変容量型油圧モータ
38a 斜板
38b 供給口
38c 回転軸
40、44 結合部
42 端部プレート
50 パイロット操作弁
100a、100b ケーシング
102、110 回転軸
104、112 シリンダブロック
104a、104b ピストン
106、114 歯車
108a、108b 斜板
130、 ピストン
130a ロッド
132、132a 通路
134、140 油室
136、138 圧油供給口
136a 入り口
142 ピストン
144、144A レバー
146、146A 通路
148、148A ピン
150 斜板調整部本体
150a 取付け面
150b 蓋
150c ボルト
150d、150e 部材
152 ストッパ部材
154 ピン
156 ピン
158 孔
160 軸
162、166 横穴
164 径小部
168 スリーブ
168a、168b 環状溝
170 バネ
172 ピン
174 ドレン用通路
180 ロッド
180a 径小部
180b 中心孔
182 押圧部材
182a ピストン
184a、184b パワーピストンユニット
184c ピストン
184d 蓋
184e 固定ロッド
184f バネ
185 ピストン室
185a ピン
186 フィードバック用レバー
186a ピン
188 スリーブ
188a、188b 横穴
192 ピストン
192a 通路
192b、192c 通路
194 固定部材
194a、194b 通路
195 ストッパ部材
196、198 バネ
200、206 開閉弁
202 シャトル弁
204、208 流路
204a、208a 判別部
210、214、216 流路
212、218 分岐流路
230A、230B 判別部
232A、232B 流路
234A、234B 可変リリーフ弁
250、250A 弁ユニット
300 演算処理装置
400 フロー

Claims (12)

  1. 運転操縦室を搭載する車体本体、同車体本体の下部に装着され同車体本体を搭載して移動せしめる走行手段、同走行手段に対し前記車体本体を旋回せしめる旋回手段、前記車体本体に一端側が俯仰可能に結合されたブームおよびブーム駆動用油圧アクチュエータからなる第1の慣性体ユニットを含み、同第1の慣性体ユニットに順次連結された慣性体および油圧アクチュエータの対からなる複数の慣性体ユニット、前記車体本体に配設された走行手段、旋回手段および前記複数の慣性体ユニットの各油圧アクチュエータへの圧油の給排を制御する複数の制御弁からなる制御弁ユニット、前記制御弁ユニットを介して前記各油圧アクチュエータに供給される圧油を発生するべく原動機と同原動機の回転駆動軸に結合された可変容量型油圧ポンプを備えた第1の油圧源、および前記各制御弁の操作圧信号用の圧油を発生する第2の油圧源を有し、さらに、前記第1の油圧源には回生専用の油圧モータを設け、同油圧モータの回転軸は前記原動機の回転駆動軸に結合部を介して連結されており、前記各油圧アクチュエータの少なくとも一つに対応する前記制御弁には対応する油圧アクチュエータからの戻り油を前記回生専用油圧モータに供給するポートが設けられている建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生方法であって、
    前記各油圧アクチュエータの少なくとも一つから供給される前記制御弁への戻り油の圧力がタンク圧より高い状態で前記戻り油を前記ポートへ導く工程と、
    前記ポートを介して前記戻り油を前記油圧モータに供給し、同油圧モータの回転軸を前記原動機と同方向へ回転駆動させる工程と、
    前記油圧モータの回転軸の回転駆動を前記結合部を介して前記原動機の回転駆動軸に伝達する工程と、
    前記制御弁への戻り油の圧力がタンク圧より高い状態で前記戻り油を前記油圧ポンプの斜板角度を調整する流量調整機構に供給し前記戻り油の圧力に対応して前記油圧ポンプの定馬力特性を増大させる工程と、
    からなる建設機械における慣性体の運動および/または位置エネルギの回生方法。
  2. 前記油圧モータは可変容量型油圧モータで構成されており、前記伝達する工程中、前記ポートの圧力に応じて前記可変容量型油圧モータの斜板角度が制御されることを特徴とする請求項1に記載された建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生方法。
  3. 前記ポートを備えた制御弁は、前記旋回手段を構成する油圧モータまたは前記第1慣性体を駆動するブームシリンダに対応した制御弁であることを特徴とする請求項1または2に記載された建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生方法。
  4. 前記ポートを備えた制御弁は、前記旋回手段を構成する油圧モータおよび前記第1慣性体を駆動するブームシリンダに対応した制御弁であって、それぞれの制御弁のポート圧力が同時にタンク圧力より高い状態であることを検出した場合、検出圧力が高い方の制御弁のポートからの戻り油のみを前記油圧モータに供給し、検出圧力が低い方の制御弁のポートからの戻り油は別に形成されたバイパス路を介してタンクへ戻す工程を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載された建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生方法。
  5. 前記ポートを備えた制御弁は、前記旋回手段を構成する油圧モータおよび前記第1慣性体を駆動するブームシリンダに対応した制御弁であって、それぞれの制御弁のポート圧力が同時にタンク圧力より高い状態であることを検出した場合、検出圧力が高い方の制御弁のポートからの戻り油の圧力を減圧して検出圧力が低い方の制御弁のポートからの戻り油の圧力と等しくし、前記減圧された戻り油と検出圧力が低い方の制御弁のポートからの戻り油とを合流して前記油圧モータに供給する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載された建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生方法。
  6. 運転操縦室を搭載する車体本体、同車体本体の下部に装着され同車体本体を搭載して移動せしめる走行手段、同走行手段に対し前記車体本体を旋回せしめる旋回手段、前記車体本体に一端側が俯仰可能に結合されたブームおよびブーム駆動用油圧アクチュエータからなる第1の慣性体ユニットを含み、同第1の慣性体ユニットに順次連結された慣性体および油圧アクチュエータの対からなる複数の慣性体ユニット、前記車体本体に配設された走行手段、旋回手段および前記複数の慣性体ユニットの各油圧アクチュエータへの圧油の給排を制御する複数の制御弁からなる制御弁ユニット、前記制御弁ユニットを介して前記各油圧アクチュエータに供給される圧油を発生するべく原動機と同原動機の回転駆動軸に結合された可変容量型油圧ポンプを備えた第1の油圧源、および前記各制御弁の操作圧信号用の圧油を発生する第2の油圧源を有する建設機械であって、
    前記第1の油圧源には回生専用の油圧モータが設けられ、同油圧モータの回転軸が前記原動機の回転駆動軸に結合部を介して連結されており、前記各油圧アクチュエータの少なくとも一つに対応する前記制御弁には対応する油圧アクチュエータからの戻り油を前記回生専用油圧モータに供給するポートが設けられており、さらに、前記制御弁への戻り油は前記油圧ポンプの斜板角度を調整する流量調整機構に供給されており、前記戻り油の圧力がタンク圧より高い状態で前記戻り油の圧力に対応して前記油圧ポンプの定馬力特性を増大させるようにした建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生装置。
  7. 前記ポートを備えた制御弁は、前記旋回手段を構成する油圧モータまたは前記第1慣性体を駆動するブームシリンダに対応した制御弁であることを特徴とする請求項6に記載された建設機械における慣性体の運動および/または位置エネルギの回生装置。
  8. 前記油圧モータは可変容量型油圧モータで構成されており、前記ポートの圧力に応じて前記可変容量型油圧モータの斜板角度が制御されることを特徴とする請求項6または7に記載された建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生装置。
  9. 前記油圧ポンプは前記可変容量型油圧モータの回転駆動軸と並列に配置された可変容量型ポンプであり、前記結合部は、前記可変容量型油圧ポンプおよび可変容量型油圧モータそれぞれのシリンダブロック外周に形成された歯車により回転を伝達する機構を有する請求項8に記載された建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生装置。
  10. 前記油圧ポンプは前記可変容量型油圧モータの回転駆動軸と直列に配置された可変容量型ポンプであり、前記結合部は、前記可変容量型ポンプの回転軸と可変容量型油圧モータの回転駆動軸とがスプラインにより係合するよう構成される請求項8に記載された建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生装置。
  11. 前記ポートの圧力に応じて前記可変容量型油圧モータの斜板角度を制御する手段として、前記可変容量型油圧モータには、前記ポートの圧力により斜板の一側を押圧してその傾転角を減少するよう移動する第1ピストンと、同第1ピストンの位置に対応して前記ポート圧力より低い制御圧力を発生するモータサーボ部と、前記第1ピストンより径大に形成され、前記モータサーボ部からの制御圧力によって前記斜板の他側を押圧しその傾転角を増大するよう移動する第2ピストンを備えたことを特徴とする請求項8に記載された建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生装置。
  12. 前記可変容量型油圧ポンプの流量調整機構には、供給された前記戻り油の圧力が前記油圧ポンプの馬力特性を定義する1つまたは複数のバネの弾発力と同じ方向に作用するよう構成したことを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに1つに記載された建設機械における慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生装置。
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