JP6442270B2 - 建設機械の油圧駆動システム - Google Patents

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Description

本発明は、建設機械の油圧駆動システムに関する。
油圧ショベルや油圧クレーンのような建設機械では、油圧駆動システムによって各部が駆動される。このような油圧駆動システムでは、アクチュエータからタンクに戻される作動油を利用してエネルギを回生することが行われている。
例えば、特許文献1には、油圧ショベルのブーム下げ時にエネルギを回生するように構成された油圧駆動システムが開示されている。この油圧駆動システムは、ブームシリンダへ作動油を供給するポンプと、ポンプを駆動するエンジンと、ブーム下げ時にブームシリンダから排出される作動油が導かれる回生モータを含む。これらのポンプ、エンジンおよび回生モータは、同軸上に配置されている。より詳しくは、エンジンの出力軸にポンプの回転軸が連結され、ポンプの回転軸に回生モータの回転軸が連結されている。
特開2008−128478号公報
建設機械の油圧駆動システムでは、アクチュエータへ作動油を供給するポンプとして、例えば同程度の容量の2つのポンプが用いられることが多い。この場合、2つのポンプを並列に並べると、エンジンに直結されたポンプから他方のポンプへ動力を伝達するために、複数の大きなギヤが必要となり、コスト、重量およびスペースが問題となる。このため、2つのポンプを同軸上に配置することが望まれる。
しかしながら、特許文献1に開示された油圧駆動システムのように、回生モータとポンプとが同軸上に配置されている構成において、さらに別のポンプを例えばポンプと回生モータの間に介在させると、エンジンから回生モータまでの長さが長くなる。このため、それらの組立体は、少なくとも一方向に大きなスペースでなければ設置することができず、組立体の建設機械への搭載が制約を受ける。
そこで、本発明は、複数のポンプを同軸上に配置しつつ、エンジン、複数のポンプおよび回生モータの組立体の全長を短くすることができる建設機械の油圧駆動システムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の建設機械の油圧駆動システムは、旋回モータへ作動油を供給する、第1回転軸を有する第1ポンプと、ブームシリンダへ作動油を供給する、前記第1回転軸と連結された第2回転軸を有する第2ポンプと、前記第1回転軸または前記第2回転軸と連結された出力軸を有するエンジンと、前記第1ポンプと前記第2ポンプの間で前記第1回転軸および/または前記第2回転軸に取り付けられた従動ギヤと、前記従動ギヤと噛み合う駆動ギヤと、前記駆動ギヤに動力を伝達する第3回転軸を有する回生モータと、旋回減速時に前記旋回モータから排出される作動油を前記回生モータへ導く旋回用回生切換弁およびブーム下げ時に前記ブームシリンダから排出される作動油を前記回生モータへ導くブーム用回生切換弁の少なくとも一方と、を備える、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、旋回減速時および/またはブーム下げ時に回生モータで生成されたトルクが駆動ギヤおよび従動ギヤを介して第1および第2ポンプの回転軸に伝達される。これにより、回生モータで回収されたエネルギで第1ポンプおよび第2ポンプの駆動をアシストすることができる(エネルギの回生)。しかも、回生モータが第1ポンプまたは第2ポンプの側方に配置されるので、エンジン、第1および第2ポンプならびに回生モータの組立体の全長を短くすることができる。
前記駆動ギヤの歯数は、前記従動ギヤの歯数よりも少なくてもよい。この構成によれば、駆動ギヤから従動ギヤへ向かって回転速度が減少する。それ故に、回生モータとしてその減速比に応じて小型の油圧モータを使用することができ、コストを低減することができる。
前記回生モータの前記第3回転軸と前記駆動ギヤの間には、前記第3回転軸から前記駆動ギヤへの一方向だけの動力伝達を可能とするワンウェイクラッチが配置されていてもよい。この構成によれば、エネルギを回生していないときには、エンジンの動力によって回生モータの第3回転軸が回転されることが防止される。これにより、エネルギの無駄な消費をいっそう抑制することができる。
前記回生モータは、傾転角が変更可能な可変容量型のモータであり、上記の油圧駆動システムは、前記回生モータの傾転角を調整する回生モータレギュレータと、前記旋回用回生切換弁によって前記回生モータへ作動油が導かれるときに、旋回体の旋回速度が速くなるほど前記回生モータの傾転角が大きくなるように、前記回生レギュレータを制御する制御装置と、を備えてもよい。この構成によれば、旋回速度に応じた適切なエネルギ回収を行うことができる。
前記回生モータは、傾転角が変更可能な可変容量型のモータであり、上記の油圧駆動システムは、前記回生モータの傾転角を調整する回生モータレギュレータと、前記ブーム用回生切換弁によって前記回生モータへ作動油が導かれるときに、ブーム操作弁から出力されるパイロット圧が大きくなるほど前記回生モータの傾転角が大きくなるように、前記回生モータレギュレータを制御する制御装置と、を備えてもよい。この構成によれば、ブーム下げの速度に応じた適切なエネルギ回収を行うことができる。
前記従動ギヤは、前記第1回転軸と前記第2回転軸とを連結する役割を果たしてもよい。この構成によれば、第1回転軸と第2回転軸を連結するだけの連結器が不要となり、部品点数を削減することができる。
本発明によれば、複数のポンプを同軸上に配置しつつ、エンジン、複数のポンプおよび回生モータの組立体の全長を短くすることができる。
本発明の一実施形態に係る油圧駆動システムの概略構成図である。 建設機械の一例である油圧ショベルの側面図である。 エンジン、第1および第2ポンプならびに回生モータの組立体の一部の断面図である。
図1に、本発明の一実施形態に係る建設機械の油圧駆動システム1を示し、図2に、その油圧駆動システム1が搭載された建設機械10を示す。図2に示す建設機械10は油圧ショベルであるが、本発明は、油圧クレーンなどの他の建設機械にも適用可能である。
油圧駆動システム1は、油圧アクチュエータとして、図2に示すブームシリンダ11、アームシリンダ12およびバケットシリンダ13を含むとともに、図1に示す旋回モータ14および図示しない左右一対の走行モータを含む。また、油圧駆動システム1は、旋回モータ14を含む複数のアクチュエータへ作動油を供給する第1ポンプ21と、ブームシリンダ11を含む複数のアクチュエータへ作動油を供給する第2ポンプ24を含む。なお、図1では、図面の簡略化のために、旋回モータ14およびブームシリンダ11以外のアクチュエータを省略している。
本実施形態では、建設機械10が自走式の油圧ショベルであるが、建設機械10が船舶に搭載される油圧ショベルである場合には、運転室を含む旋回体が船体に旋回可能に支持される。
第1ポンプ21および第2ポンプ24は、エンジン15と同軸上に配置されており、エンジン15により駆動される。より詳しくは、第1ポンプ21は第1回転軸22を有し、第2ポンプ24は第2回転軸25を有し、エンジン15は出力軸16を有する。本実施形態では、第1ポンプ21の第1回転軸22と第2ポンプ24の第2回転軸25とが、後述する従動ギヤ35によって連結されている。また、本実施形態では、第1ポンプ21の第1回転軸22がエンジン15の出力軸16と図略の連結器によって連結されているが、第2ポンプ24の第2回転軸25がエンジン15の出力軸16と連結されていてもよい(換言すれば、エンジン15、第2ポンプ24、第1ポンプ21の順に並んでいてもよい)。
第1ポンプ21および第2ポンプ24のそれぞれは、傾転角が変更可能な可変容量型のポンプ(斜板ポンプまたは斜軸ポンプ)である。第1ポンプ21の傾転角は第1ポンプレギュレータ23により調整され、第2ポンプ24の傾転角は第2ポンプレギュレータ26により調整される。第1ポンプ21および第2ポンプ24の吐出流量は、ネガティブコントロール方式で制御されてもよいし、ポジティブコントロール方式で制御されてもよい。すなわち、第1ポンプレギュレータ23および第2ポンプレギュレータ26は、油圧により作動してもよいし、電気信号により作動してもよい。
第1ポンプ21からは第1流路41がタンクまで延びており、第2ポンプ24からは第2流路61がタンクまで延びている。なお、図1では、流路41,61の上流側部分のみを描いている。
第1流路41上には、旋回制御弁44を含む複数の制御弁(第1制御弁群)が配置されている。第1流路41からは第1パラレルライン42が分岐しており、この第1パラレルライン42を通じて第1流路41上の全ての制御弁へ作動油が導かれる。同様に、第2流路61上には、ブーム制御弁64を含む複数の制御弁(第2制御弁群)が配置されている。第2流路61からは第2パラレルライン62が分岐しており、この第2パラレルライン62を通じて第2流路61上の全ての制御弁へ作動油が導かれる。
旋回制御弁44は、旋回モータ14に対する作動油の供給および排出を制御する。具体的に、旋回制御弁44は、左旋回供給ライン51および右旋回供給ライン52により旋回モータ14と接続されている。また、旋回制御弁44には、タンクライン43が接続されている。
左旋回供給ライン51および右旋回供給ライン52同士は、橋架路53によって接続されている。橋架路53には、互いに逆向きに一対のリリーフ弁54が設けられている。左旋回供給ライン51と右旋回供給ライン52の間には、各リリーフ弁54をパイパスするようにバイパス路55が設けられており、各バイパス路55には逆止弁56が設けられている。橋架路53におけるリリーフ弁54の間の部分には、タンクライン57が接続されている。
旋回制御弁44のパイロットポートは、左旋回パイロットライン46および右旋回パイロットライン47により旋回操作弁45と接続されている。旋回操作弁45は、操作レバーを含み、操作レバーの操作量に応じた大きさのパイロット圧を旋回制御弁44へ出力する。
ブーム制御弁64は、ブームシリンダ11に対する作動油の供給および排出を制御する。具体的に、ブーム制御弁64は、ブーム上げ供給ライン68およびブーム下げ供給ライン69によりブームシリンダ11と接続されている。また、ブーム制御弁64には、タンクライン63が接続されている。
ブーム制御弁64のパイロットポートは、ブーム上げパイロットライン66およびブーム下げパイロットライン67によりブーム操作弁65と接続されている。ブーム操作弁65は、操作レバーを含み、操作レバーの操作量に応じた大きさのパイロット圧をブーム制御弁64へ出力する。
さらに、本実施形態では、油圧駆動システム1が、旋回減速時およびブーム下げ時のエネルギを回生することができるように構成されている。そのための構成として、油圧駆動システム1は、回生モータ27、旋回用回生切換弁73およびブーム用回生切換弁74を含む。ただし、旋回用回生切換弁73とブーム用回生切換弁74のうちのどちらか一方のみが設けられていて、旋回減速時またはブーム下げ時のエネルギのみが回生されてもよい。
旋回側の構成に関し、左旋回供給ライン51と右旋回供給ライン52の間には、それらのどちらかを選択するための切換弁71が設けられている。切換弁71は、本実施形態では電磁弁(ソレノイドバルブ)であるが、単なる高圧選択弁であってもよい。切換弁71は、旋回回生ライン72により回生モータ27と接続されている。そして、旋回回生ライン72の途中に、旋回用回生切換弁73が設けられている。
旋回用回生切換弁73は、旋回回生ライン72をブロックする非回収位置と、旋回回生ライン72を開放する(換言すれば、旋回回生ライン72の上流側部分を下流側部分と連通する)回収位置との間で切り換えられる。切換弁71および旋回用回生切換弁73は、制御装置8により制御される。なお、図1では、図面の簡略化のために、一部の制御線のみを描いている。
左旋回パイロットライン46には、左旋回操作時に旋回操作弁45から出力されるパイロット圧を検出するための第1圧力計83が設けられており、右旋回パイロットライン47には、右旋回操作時に旋回操作弁45から出力されるパイロット圧を検出するための第2圧力計84が設けられている。なお、切換弁71が単なる高圧選択弁である場合は、旋回用圧力計として、旋回パイロットライン46,47のうちで高い方のパイロット圧を選択的に検出できるように構成された1つの圧力計が採用されてもよい。
制御装置8は、左旋回操作が行われたとき(すなわち、第1圧力計83で検出されるパイロット圧がゼロよりも大きいとき)には、切換弁71を排出側の右旋回供給ライン52と回生ライン72とを連通する第1位置に切り換え、右旋回操作が行われたとき(すなわち、第2圧力計84で検出されるパイロット圧がゼロよりも大きいとき)には、切換弁71を排出側の左旋回供給ライン51と回生ライン72とを連通する第2位置に切り換える。
また、制御装置8は、左旋回減速時(すなわち、第1圧力計83で検出されるパイロット圧が減少するとき)および右旋回減速時(すなわち、第2圧力計84で検出されるパイロット圧が減少するとき)には、旋回用回生切換弁73を回収位置に切り換え、左旋回減速時および右旋回減速時以外は、旋回用回生切換弁73を非回収位置に維持する。すなわち、左旋回減速時および右旋回減速時には、旋回用回生切換弁73が旋回モータ14から排出される作動油を回生モータ27へ導く。
ブーム側の構成に関し、ブーム用回生切換弁74は、ブーム上げ供給ライン68の途中に設けられている。ブーム用回生切換弁74は、ブーム回生ライン75により回生モータ27と接続されている。本実施形態では、旋回回生ライン72とブーム回生ライン75の下流側部分同士が合流して一本の合流路を構成している。
ブーム用回生切換弁74は、ブーム回生ライン75をブロックする非回収位置と、ブーム回生ライン75を開放する(換言すれば、ブーム上げ供給ライン68のブームシリンダ11側の部分をブーム回生ライン75と連通する)回収位置との間で切り換えられる。ブーム用回生切換弁74は、制御装置8により制御される。
ブーム下げパイロットライン67には、ブーム下げ操作時にブーム操作弁65から出力されるパイロット圧を検出するための第3圧力計85が設けられている。一方、ブーム上げ供給ライン68には、ブームシリンダ11とブーム用回生切換弁74の間に、ブーム下げ時にブームシリンダ11から排出される作動油の圧力を検出するための第4圧力計86が設けられている。
制御装置8は、ブーム下げ時(すなわち、第3圧力計85で検出されるパイロット圧がゼロより大きいとき)には、ブーム用回生切換弁74を回収位置に切り換え、ブーム下げ時以外は、ブーム用回生切換弁74を非回収位置に維持する。すなわち、ブーム下げ時には、ブーム用回生切換弁74がブームシリンダ11から排出される作動油を回生モータ27へ導く。
回生モータ27は、本実施形態では、傾転角が変更可能な可変容量型のモータ(斜板モータまたは斜軸モータ)である。回生モータ27の傾転角は、回生モータレギュレータ29により調整される。本実施形態では、回生モータレギュレータ29は、電気信号により作動する。すなわち、回生モータレギュレータ29は、制御装置8により制御される。例えば、回生モータ27が斜板モータである場合、回生モータレギュレータ29は、モータの斜板と連結されたスプールに作用する油圧を電気的に変更するものであってもよいし、モータの斜板と連結された電動アクチュエータであってもよい。
制御装置8は、エンジン15の回転数を計測する第1回転数計81と接続されている。例えば、制御装置8は、旋回用回生切換弁73によって回生モータ27へ作動油が導かれる旋回減速時に、あるエンジン回転数における旋回モータ14の定常回転数から求まる流量を吸収するだけの傾転角となるように、回生モータレギュレータ29を制御する。
あるいは、制御装置8は、運転室を含む旋回体の旋回速度を検出する旋回速度検出器(図示せず)と接続されていてもよい。旋回速度検出器としては、旋回モータ14の回転数を計測する回転数計を用いてもよいし、運転室に設けられる加速度計を用いてもよい。そして、制御装置8は、旋回用回生切換弁73によって回生モータ27へ作動油が導かれる旋回減速時に、旋回体の旋回速度が速くなるほど回生モータ27の傾転角が大きくなるように、回生モータレギュレータ29を制御する。これにより、旋回速度に応じた適切なエネルギ回収を行うことができる。
一方、制御装置8は、ブーム用回生切換弁74によって回生モータ27へ作動油が導かれるブーム下げ時に、ブーム操作弁65から出力されるパイロット圧(すなわち、ブーム下げパイロットライン67の圧力)が大きくなるほど回生モータ27の傾転角が大きくなるように、回生モータレギュレータ29を制御する。これにより、ブーム下げの速度に応じた適切なエネルギ回収を行うことができる。
回生モータ27は、第3回転軸28を有する。本実施形態では、旋回減速時およびブーム下げ時に回生モータ27で生成されたトルクが、第3回転軸28から、ワンウェイクラッチ31、中継軸32、駆動ギヤ33、アイドラギヤ34および従動ギヤ35を介して、第1ポンプ21の第1回転軸22および第2ポンプ24の第2回転軸25に伝達される。これにより、回生モータ27で回収されたエネルギで第1ポンプ21および第2ポンプ24の駆動をアシストすることができる(エネルギの回生)。以下、図3を参照して、その動力伝達構造を詳細に説明する。
本実施形態では、回生モータ27が第1ポンプ21の側方に、双方の回転軸22,28が互いに平行となるように配置されている。ただし、回生モータ27は、第2ポンプ24の側方に、双方の回転軸25,28が互いに平行となるように配置されていてもよい。
第1ポンプ21は、図略のポンプ機構を収容するハウジング21aを有する。第1回転軸22の第2ポンプ24側の端部は、ハウジング21aに軸受21bを介して支持されている。同様に、第2ポンプ24は、図略のポンプ機構を収容するハウジング24aを有する。第2回転軸25の第1ポンプ21側の端部は、ハウジング24aに軸受24bを介して支持されている。ハウジング21aとハウジング24aの間には、側方に開口するギヤ空間が形成されている。
従動ギヤ35は、第1ポンプ21と第2ポンプ24の間に配置されている。本実施形態では、従動ギヤ35が第1ポンプ21の第1回転軸22および第2ポンプ24の第2回転軸25に取り付けられている。すなわち、従動ギヤ35は、第1回転軸22と第2回転軸25に跨って延びる筒状の中心部を有し、第1回転軸22と第2回転軸25を連結する役割を果たしている。
回生モータ27は、図略のモータ機構を収容するハウジング27aを有する。このハウジング27aには、駆動ギヤ33を収容するケース91が一体的に形成されている。駆動ギヤ33は、軸受36を介してケース91に支持されている。
駆動ギヤ33には、回生モータ27の第3回転軸28から動力が伝達される。本実施形態では、駆動ギヤ33に中継軸32が一体的に形成されており、この中継軸32と第3回転軸28の間に、ワンウェイクラッチ31が配置されている。ワンウェイクラッチ31は、第3回転軸28から駆動ギヤ33への一方向だけの動力伝達を可能とする。
駆動ギヤ33は、アイドラギヤ34を介して従動ギヤ35と噛み合っている。駆動ギヤ33を収容するケース91には、上述したハウジング21a,24a間のギヤ空間内に入り込む一対の突出片92が設けられている。これらの突出片92には回転軸93が架け渡されており、この回転軸93に、アイドラギヤ34が軸受37を介して取り付けられている。
本実施形態では、駆動ギヤ33の歯数が従動ギヤ35の歯数よりも少ない。ただし、駆動ギヤ33の歯数は、従動ギヤ35の歯数と等しくてもよいし、従動ギヤ35の歯数よりも多くてもよい。
以上説明したように、本実施形態の油圧駆動システム1では、回生モータ27が第1ポンプ21の側方に配置されるので、エンジン15、第1および第2ポンプ21,24ならびに回生モータ27の組立体の全長を短くすることができる。
また、本実施形態では、駆動ギヤ33の歯数が従動ギヤ35の歯数よりも少ないため、駆動ギヤ33から従動ギヤ35へ向かって回転速度が減少する。それ故に、回生モータ27としてその減速比に応じて小型の油圧モータを使用することができ、コストを低減することができる。
さらに、本実施形態では、回生モータ27の回転軸28と駆動ギヤ33の間にワンウェイクラッチ31が配置されているので、エネルギを回生していないときには、エンジン15の動力によって回生モータ27の第3回転軸28が回転されることが防止される。これにより、エネルギの無駄な消費をいっそう抑制することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、前記実施形態では、第1ポンプ21の第1回転軸22と第2ポンプ24の第2回転軸25とが従動ギヤ35によって連結されていた。しかしながら、従動ギヤ35が第1回転軸22と第2回転軸25のどちらか一方に取り付けられていて、第1ポンプ21の第1回転軸22と第2ポンプ24の第2回転軸25とが従動ギヤ35とは別の連結器によって連結されていてもよい。ただし、前記実施形態のように従動ギヤ35が第1回転軸22と第2回転軸25を連結する役割を果たしていれば、第1回転軸22と第2回転軸25を連結するだけの連結器が不要となり、部品点数を削減することができる。
また、ワンウェイクラッチ31は必ずしも設けられている必要はなく、回生モータ27の第3回転軸28に駆動ギヤ33が直接的に取り付けられていてもよい。この場合、旋回減速時およびブーム下げ時以外は、回生モータ27の傾転角がゼロとされることが望ましい。さらに、回生モータ27は、必ずしも可変容量型のモータである必要はなく、固定容量型のモータであってもよい。
また、前記実施形態では、駆動ギヤ33がアイドラギヤ34を介して従動ギヤ35と噛み合っていたが、アイドラギヤ34が省略されて、駆動ギヤ33が従動ギヤ35と直接的に噛み合っていてもよい。
1 油圧駆動システム
10 建設機械
11 ブームシリンダ
14 旋回モータ
15 エンジン
16 出力軸
21 第1ポンプ
22 第1回転軸
24 第2ポンプ
25 第2回転軸
27 回生モータ
28 第3回転軸
29 回生モータレギュレータ
31 ワンウェイクラッチ
33 駆動ギヤ
35 従動ギヤ
65 ブーム操作弁
73 旋回用回生切換弁
74 ブーム用回生切換弁
8 制御装置

Claims (6)

  1. 旋回モータへ作動油を供給する、第1回転軸を有する第1ポンプと、
    ブームシリンダへ作動油を供給する、前記第1回転軸と連結された第2回転軸を有する第2ポンプと、
    前記第1回転軸または前記第2回転軸と連結された出力軸を有するエンジンと、
    前記第1ポンプと前記第2ポンプの間で前記第1回転軸および/または前記第2回転軸に取り付けられた従動ギヤと、
    前記従動ギヤと噛み合う駆動ギヤと、
    前記駆動ギヤに動力を伝達する第3回転軸を有する油圧モータである回生モータと、
    旋回減速時に前記旋回モータから排出される作動油を前記回生モータへ導く旋回用回生切換弁およびブーム下げ時に前記ブームシリンダから排出される作動油を前記回生モータへ導くブーム用回生切換弁の少なくとも一方と、
    を備える、建設機械の油圧駆動システム。
  2. 旋回モータへ作動油を供給する、第1回転軸を有する第1ポンプと、
    ブームシリンダへ作動油を供給する、前記第1回転軸と連結された第2回転軸を有する第2ポンプと、
    前記第1回転軸または前記第2回転軸と連結された出力軸を有するエンジンと、
    前記第1ポンプと前記第2ポンプの間で前記第1回転軸および/または前記第2回転軸に取り付けられた従動ギヤと、
    前記従動ギヤと噛み合う駆動ギヤと、
    前記駆動ギヤに動力を伝達する第3回転軸を有する回生モータと、
    旋回減速時に前記旋回モータから排出される作動油を前記回生モータへ導く旋回用回生切換弁およびブーム下げ時に前記ブームシリンダから排出される作動油を前記回生モータへ導くブーム用回生切換弁の少なくとも一方と、を備え、
    前記駆動ギヤの歯数は、前記従動ギヤの歯数よりも少ない、建設機械の油圧駆動システム。
  3. 前記回生モータの前記第3回転軸と前記駆動ギヤの間には、前記第3回転軸から前記駆動ギヤへの一方向だけの動力伝達を可能とするワンウェイクラッチが配置されている、請求項1または2に記載の建設機械の油圧駆動システム。
  4. 前記回生モータは、傾転角が変更可能な可変容量型のモータであり、
    前記回生モータの傾転角を調整する回生モータレギュレータと、
    前記旋回用回生切換弁によって前記回生モータへ作動油が導かれるときに、旋回体の旋回速度が速くなるほど前記回生モータの傾転角が大きくなるように、前記回生モータレギュレータを制御する制御装置と、を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の建設機械の油圧駆動システム。

  5. 前記回生モータは、傾転角が変更可能な可変容量型のモータであり、
    前記回生モータの傾転角を調整する回生モータレギュレータと、
    前記ブーム用回生切換弁によって前記回生モータへ作動油が導かれるときに、ブーム操作弁から出力されるパイロット圧が大きくなるほど前記回生モータの傾転角が大きくなるように、前記回生モータレギュレータを制御する制御装置と、を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建設機械の油圧駆動システム。
  6. 旋回モータへ作動油を供給する、第1回転軸を有する第1ポンプと、
    ブームシリンダへ作動油を供給する、前記第1回転軸と連結された第2回転軸を有する第2ポンプと、
    前記第1回転軸または前記第2回転軸と連結された出力軸を有するエンジンと、
    前記第1ポンプと前記第2ポンプの間で前記第1回転軸および/または前記第2回転軸に取り付けられた従動ギヤと、
    前記従動ギヤと噛み合う駆動ギヤと、
    前記駆動ギヤに動力を伝達する第3回転軸を有する回生モータと、
    旋回減速時に前記旋回モータから排出される作動油を前記回生モータへ導く旋回用回生切換弁およびブーム下げ時に前記ブームシリンダから排出される作動油を前記回生モータへ導くブーム用回生切換弁の少なくとも一方と、を備え、
    前記従動ギヤは、前記第1回転軸と前記第2回転軸とを連結する役割を果たす、建設機械の油圧駆動システム。
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