JP5037356B2 - 圧力流体の排出装置 - Google Patents
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Description
その従来技術は、油圧バルブのハウジングの外面にメネジ孔を開口させ、そのメネジ孔にエア抜きプラグを螺合させ、そのプラグに装着したOリングによって上記メネジ孔の開口部を開閉可能に封止したものである。
装置の組み立て完了後やメンテナンス終了後の初期運転時において、油圧バルブ内に溜まったエアを抜き取る作業は、一般には次の手順で行われる。
まず、油圧バルブへの圧油の供給を停止した状態で前記エア抜きプラグを緩める。次いで、油圧バルブへ圧油を供給し、その油圧バルブ内の圧油を上記エア抜きプラグを経て外部へ排出し、その排出される圧油によってエアを外部へ連れ出す。そして、エア抜きが終了した後、油圧バルブへの圧油の供給を停止し、上記エア抜きプラグを締め付ける。
このように、圧油の供給と停止を繰り返す必要があるので、エア抜き作業が煩雑であった。
本発明の目的は、油圧バルブや油圧シリンダ等の流体機器内の圧力流体の排出作業を容易にすることとガスケットの損傷を防止することとを、両立させることにある。
図3Aの圧力保持状態では、上記ガスケット41は、上記の直径(D2)に相当する断面積から上記の直径(D1)に相当する断面積を差し引いた環状断面積に作用する圧力により、環状溝42の底面42cに押圧されている。
まず、図1A・図1B・図2Aによって上記クランプの構造を説明する。図1Aは、上記クランプのリリース状態の立面図である。図1Bは、上記の図1A中の1B−1B線矢視の部分平面図である。図2Aは、上記クランプの回路図である。
前記ワークパレット4の上面に搬入したワーク(図示せず)をクランピングするときには、図1Aのリリース状態において、前記リリース室11の圧油を第1作業ポートA1と第1給排路21と第1圧力ポートP1と前記ワークパレット4内の油路17を介して外部へ排出すると共に、圧力源の圧油を上記ワークパレット4内の別の油路(図示せず)と第2圧力ポートP2と第2給排路22と第2作業ポートA2とを介して前記ロック室12へ供給して、前記ピストン10を下降させる。すると、前記クランプロッド14(及びアーム15)は、まず、前記の旋回機構(図示せず)を介して水平面内で旋回しながら下降され、引き続いて、下方へ直進駆動される。
上記の第1メネジ孔31の底壁31aに前記の第1給排路21の一端部(第1作業ポートA1側の端部)が偏心して開口される。また、上記の第1メネジ孔31の周壁31bに上記の第1給排路21の他端部(第1圧力ポートP1側の端部)が斜めに開口される。
流量制御弁35の筒状ケーシング(可動部材)40が上記の第1メネジ孔31に装着される。より詳しくいえば、上記ケーシング40の筒状の脚部40aのオネジ部が上記の第1メネジ孔31に螺合され、その脚部40aの左端部(先端部)が上記の底壁31aに接当される。その接当部分が、前記の第1作業ポートA1と前記の第1圧力ポートP1とを区画している。また、上記ケーシング40の右端の頭部40bがガスケット41を介して前記フランジ3aの外面に接当される。
また、上記の弁室44と前記ロッド室46とがほぼ同心状に配置され、ボルト状の前記の調節ロッド45が上記ロッド室46の周壁に進退可能に螺合されると共にパッキン56によって保密される。上記の調節ロッド45の右端部には、六角レンチ(図示せず)が挿入される調節孔57が形成されると共にロックナット58が螺合されている。
さらに、上記の調節ロッド45の左端(先端)の中央部に絞り弁座59が設けられる。その絞り弁座59の弁座孔が、上記の調節ロッド45の先端部内の連通路60を介して前記メータアウト出口47に連通されている。
リリース用の第1作業ポートA1の圧油を前記の第1圧力ポートP1へ排出するときには、その第1作業ポートA1の圧油は、前記メータアウト入口43と前記の保持具51の周溝62及び連通孔63と前記の絞り隙間Gと前記の調節ロッド45の連通路60と前記メータアウト出口47と前記ケーシング40の脚部40aの周溝64とを順に通って第1圧力ポートP1へ排出される。その排出される圧油は、上記の絞り隙間Gを通過する間に大きな流動抵抗が付与されるので、緩やかな速度で排出されていく。
参照しながら図3Aと図3Bによって説明する。図3Aは、上記の図2B中の矢印3A部分の拡大図である。図3Bは、上記の図3Aに類似する作動説明図である。
この図4では、前記の第1環状シール部71よりも半径方向の外方位置で前記ガスケット41の奥端面41cに、円周方向へ延びる溝76と半径方向へ延びる溝77が形成されると共に、外周面41bに別の溝78が形成される。
この場合、上記ガスケット41の環状の奥端面41cに、上記の環状溝42の底面42cを封止する第1環状シール部71が設けられる。その第1環状シール部71は弾性リップによって構成されている。また、上記ガスケット41の環状の外端面41dには、前記メネジ孔31の開口部の周囲壁68を封止する第2環状シール部72が設けられる。そして、上記の第1環状シール部71の直径(D1)を上記の第2環状シール部72の直径(D2)よりも小さい値に設定してある。
この図6では、前記の第1環状シール部71よりも半径方向の外方位置で前記ガスケット41の奥端面41cに、円周方向へ延びる溝76と半径方向へ延びる溝77が形成されると共に、外周面41bに別の溝78が形成される。
そして、前記の嵌合隙間Fの圧油が前記の第1環状シール部71の封止部分を通って半径方向の外方へ漏れ出した場合でも、その漏出油は、上記の3つの溝76・77・78と、前記の頭部40bと前記の周囲壁68との間の接当隙間Nとを順に通って外部へ排出される。即ち、上記3つの溝76・77・78が逃し路Rを構成している。
前記の第1環状シール部71は、上記ガスケット41の内周面41aと環状の奥端面41cとの一方だけに設けるとしたが、これに代えて、上記の両者41a・41cに設けてもよい。
また、前記の第1環状シール部71から前記の弾性リップを省略してもよい。この場合、前記の環状溝42に前記ガスケット41を接着や焼き付け等によって保密状に固定して、その保密部分によって前記の第1環状シール部71を構成すればよい。
前記ガスケット41の環状の外端面41dに、前記の第1メネジ孔31の開口部の周囲壁68を封止する第1環状シール部71が設けられる。また、上記ガスケット41の環状の奥端面41cに、前記の環状溝42の底面42cを封止する第2環状シール部72が設けられる。上記の第1環状シール部71の直径(D1)を上記の第2環状シール部72の直径(D2)よりも小さい値に設定してある。さらに、前記の第2環状シール部72よりも半径方向の外方位置で前記の環状溝42の隅部が、前記の筒状ケーシング40の前記の頭部40b内の連通孔85を介して外部へ連通される。即ち、その連通孔85が排出路Eの一部を構成している。
なお、前記の第1環状シール部71よりも半径方向の外方位置で前記ガスケット41の外端面41dに、円周方向へ延びる溝86と半径方向へ延びる溝87とが形成される。そして、前記の嵌合隙間Fの圧油が前記の第1環状シール部71の封止部分を通って半径方向の外方へ漏れ出した場合でも、その漏出油は、上記の2つの溝86・87と、前記の頭部40bと前記の周囲壁68との間の接当隙間Nとを順に通って外部へ排出される。即ち、上記2つの溝86・87が逃し路Rを構成している。
なお、前記の連通孔85のメネジ部85aにホース(図示せず)をネジ止めして、そのホースを油回収タンクへ接続することが好ましい。
この場合、図7A中の連通路85を設けることに代えて、ガスケット41の外周面41bに溝88を形成してある。そして、圧油の供給状態で第1メネジ孔31に対して前記の筒状ケーシング40を緩めていくと、前記の第2環状シール部72から環状溝42の底面42cが僅かに離間して、開き隙間(図7B中の符号Mを参照)が形成される。このため、上記の供給された圧油は、前記の嵌合隙間Fと、上記の開き隙間(図7B中の符号Mを参照)と、前記の溝88と、前記頭部40bのリフト隙間(図7B中の符号Lを参照)とを通って外部へ排出される。即ち、上記ガスケット41に形成した溝88によって前記の排出路Eの一部を構成してある。
この第2変形例は、図7Aと図7Bの参考例と比べると、次の構成が異なる。
即ち、環状溝42の外周面42bの開口部に係合突起91を設ける。そして、前記ガスケット41の外周面41bを上記の係合突起91に係合させてある。さらに、上記ガスケット41の外端面41dに形成した逃し路Rを、頭部40bの左面に形成した連通溝79を介して外部へ連通させてある。参考例と同様に、上記の環状溝42の隅部は、連通孔85(排出路E)を介して外部へ連通されている。
本発明の排出装置は、例示した流量制御弁35に適用することに代えて、別の構造のバルブに適用してもよい。さらには、本発明の排出装置は、前記の図1B中のプラグ36に適用可能であり、また、前記の従来技術(特開平4−203509号公報)に記載されたエア抜きプラグ等にも適用可能である。
本発明が使用される流体機器は、クランプ用のシリンダ装置やバルブ装置とは異なる種類の機器であっても良い。
また、作動流体は圧油等の液体に代えて圧縮空気等の気体であってもよい。
Claims (3)
- 流体機器(1)のハウジング(3)内の圧力流体を上記ハウジング(3)の外部へ排出する装置であって、
上記ハウジング(3)の外面に開口させたメネジ孔(31)に装着される可動部材(40)を備え、
上記の可動部材(40)を、上記メネジ孔(31)に螺合されて軸心方向へ進退する脚部(40a)と、上記メネジ孔(31)の開口部の周囲壁(68)に対して上記の軸心方向へ対面する環状溝(42)を有する頭部(40b)とによって構成し、その環状溝(42)に環状のガスケット(41)を装着し、
上記ガスケット(41)の内周面(41a)と環状の奥端面(41c)との少なくとも一方に、上記の環状溝(42)の溝面を封止する第1環状シール部(71)を設け、
上記ガスケット(41)の環状の外端面(41d)に、上記メネジ孔(31)の前記の周囲壁(68)を封止する第2環状シール部(72)を設け、
上記の第1環状シール部(71)の直径(D1)を上記の第2環状シール部(72)の直径(D2)よりも小さい値に設定し、
前記ガスケット(41)の前記の内周面(41a)に、前記の環状溝(42)の内周面(42a)を封止するように前記の第1環状シール部(71)を設け、
前記の第1環状シール部(71)を弾性のリップによって構成した、
ことを特徴とする圧力流体の排出装置。 - 流体機器(1)のハウジング(3)内の圧力流体を上記ハウジング(3)の外部へ排出する装置であって、
上記ハウジング(3)の外面に開口させたメネジ孔(31)に装着される可動部材(40)を備え、
上記の可動部材(40)を、上記メネジ孔(31)に螺合されて軸心方向へ進退する脚部(40a)と、上記メネジ孔(31)の開口部の周囲壁(68)に対して上記の軸心方向へ対面する環状溝(42)を有する頭部(40b)とによって構成し、その環状溝(42)に環状のガスケット(41)を装着し、
上記ガスケット(41)の内周面(41a)と環状の奥端面(41c)との少なくとも一方に、上記の環状溝(42)の溝面を封止する第1環状シール部(71)を設け、
上記ガスケット(41)の環状の外端面(41d)に、上記メネジ孔(31)の前記の周囲壁(68)を封止する第2環状シール部(72)を設け、
上記の第1環状シール部(71)の直径(D1)を上記の第2環状シール部(72)の直径(D2)よりも小さい値に設定し、
前記ガスケット(41)の前記の環状の奥端面(41c)に、前記の環状溝(42)の底面(42c)を封止するように前記の第1環状シール部(71)を設け、
前記の第1環状シール部(71)を弾性のリップによって構成した、
ことを特徴とする圧力流体の排出装置。 - 流体機器(1)のハウジング(3)内の圧力流体を上記ハウジング(3)の外部へ排出する装置であって、
上記ハウジング(3)の外面に開口させたメネジ孔(31)に装着される可動部材(40)を備え、
上記の可動部材(40)を、上記メネジ孔(31)に螺合されて軸心方向へ進退する脚部(40a)と、上記メネジ孔(31)の開口部の周囲壁(68)に対して上記の軸心方向へ対面する環状溝(42)を有する頭部(40b)とによって構成し、その環状溝(42)に環状のガスケット(41)を装着し、
上記ガスケット(41)の内周面(41a)と環状の奥端面(41c)との少なくとも一方に、上記の環状溝(42)の溝面を封止する第1環状シール部(71)を設け、
上記ガスケット(41)の環状の外端面(41d)に、上記メネジ孔(31)の前記の周囲壁(68)を封止する第2環状シール部(72)を設け、
上記の第1環状シール部(71)の直径(D1)を上記の第2環状シール部(72)の直径(D2)よりも小さい値に設定し、
前記の第1環状シール部(71)よりも半径方向の外方位置で前記の環状溝(42)を逃し路(R)を介して外部へ連通させた、
ことを特徴とする圧力流体の排出装置。
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