JP5037315B2 - 炊飯器 - Google Patents

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Description

この発明は、炊飯器に関する。
一般に、炊飯器の蓋は、上蓋部材と下蓋部材を上下に結合して内部空間を形成し、その内部空間を各種の機器や部品の配置に利用したものとなっている。従来、蓋の変形を防止するため、内部空間を利用し、下蓋部材の上側に補強板を添え付けることが実施されている。この補強板は、一般に、両側のフランジの縦壁間を水平な平板部で繋いだ形状とされている。両側のフランジは、下蓋部材に固定されており、蓋の内部空間のうち、特に、両側のフランジの間に位置する領域が機器等の配置に利用されている。
具体的には、蓋の内部で蓋フックをフック回転軸回りに揺動自在に支持し、両側のフランジの間に位置する領域の上方に、フック解除ボタンを配置し、蓋フックに、フック解除ボタンの下方に位置する操作伝達部を形成し、フック解除ボタンのボタン押し操作により該ボタンが操作伝達部の上端を下側に押すことにより蓋フックがフック解除位置に変位するようにした蓋開閉構造が広く採用されている(例えば、特許文献1)。
金属板からなり揺動自在の蓋フックが、不要に押し下げられることは、蓋フックの変形や操作感に悪影響を与えることから、フック解除位置への変位後に該操作伝達部の回転停止位置が蓋内の回転規制部で決まるように構成されている。従来、回転規制部としては、フック解除ボタンと操作伝達部が補強板の両側のフランジの間の領域の上方にあることから、平板部の水平な上板面を利用している。
特開2001−137110号公報
しかしながら、操作伝達部の下面と平板部の水平な上板面との位置関係で操作伝達部の回転停止位置を決めると、前記補強板のフランジの上板面からの立ち上がり高さを大きくして補強板の剛性を高めたとき、上板面の位置を変更できず、補強板が高くなる分、上蓋部材も上方に位置させる必要があり、上蓋部材のコンパクト化を妨げてしまう。
上記の事情に鑑み、この発明の課題は、フック解除ボタンに押し下げられる蓋フックの操作伝達部の回転停止位置がフック解除位置への変位後に決まるようにしつつ、上蓋部材を大型化せずに補強板の剛性をフランジで高めることにある。
上記課題を解決するこの発明は、上蓋部材と下蓋部材を上下に結合して蓋の内部空間を形成し、前記下蓋部材の上側に補強板を添え付け、この補強板を両側のフランジの縦壁間を水平な平板部で繋いだ形状とし、前記蓋の内部で蓋フックをフック回転軸回りに揺動自在に支持し、前記両側のフランジの間に位置する領域の上方にフック解除ボタンを配置し、前記蓋フックに、前記フック解除ボタンの下方に位置する操作伝達部を形成し、前記フック解除ボタンが前記操作伝達部を下側に押すことにより前記蓋フックがフック解除位置に変位するようにし、かつフック解除位置への変位後に該操作伝達部の回転停止位置が蓋内の回転規制部で決まるようにした炊飯器において、前記回転規制部を、前記蓋フックがフック解除位置に変位した後に前記操作伝達部又は前記フック解除ボタンとの当りで該蓋フック又は該フック解除ボタンの押し下げを阻止するように設け、前記回転規制部と前記操作伝達部又は前記フック解除ボタンとが当る位置を、前記操作伝達部の下面又は前記フック解除ボタンより下方であって、かつ前記平板部の上板面より上方とした構成を特徴とする。
ここで、フック位置とは、蓋フックと器体肩部とが係合して蓋が閉じた状態に維持する蓋フックの位置をいう。フック解除位置とは、上記係合が解除される蓋フックの位置をいう。操作伝達部とは、蓋フックのうち、フック位置からフック解除位置に変位するまでの間、フック解除ボタンとの接触が維持される上面部分であり、この上面部分の上下方向反対側に位置する部分が操作伝達部の下面である。平板部の上板面とは、蓋フックがフック位置にある状態で、平板部の上側の板面のうち同一高さで水平な部分をいい、この部分の上下方向反対側に位置する板面部分が下蓋部材の上側に添え付けるときの基準面になる。
すなわち、前記回転規制部と前記操作伝達部又は前記フック解除ボタンとが当る位置を、前記操作伝達部の下面又は前記フック解除ボタンより下方であって、かつ前記平板部の上板面より上方とすれば、平板部の添え付け基準面で上下方向の固定位置が決まる上板面を基準に考えると、回転規制部と蓋フックの操作伝達部又はフック解除ボタンとの当り高さを上板面より上方にした分、平板部の上板面の固定位置を下げることができ、その分、フランジの上板面からの立ち上がり高さを大きくし、上蓋部材を大型化せずに補強板の剛性を高めることができる。
具体的には、炊飯鍋内と外部間の蒸気路に組み込まれた調圧弁と、ソレノイドコイルの駆動軸に連結されたスライダとを備え、このスライダは、前記駆動軸の進退により、前記操作伝達部又は前記フック解除ボタンとの当りにより前記蓋フックのフック解除位置への変位を阻止し、かつ前記調圧弁の閉弁を許すロック位置と、該操作伝達部又は該フック解除ボタンとの当りが外れて該蓋フックのフック解除位置への変位を許し、かつ該調圧弁を強制開弁するロック解除位置とを往復移動させられるようにし、前記スライダに、前記回転規制部を前記補強板の上板面を摺動するように設け、前記ロック解除位置で前記回転規制部が前記蓋フックの前記操作伝達部の下面又は前記フック解除ボタンの回転半径上に位置し、かつ前記フック解除位置への変位後に該操作伝達部又は該フック解除ボタンに当るようにした構成を採用することができる。
この構成によれば、加圧炊飯状態で蓋が開放されないようにする安全開放装置を蓋内に構成しながら、そのスライダを利用して回転規制部を設けることができる。
ここで、前記回転規制部を、前記ロック位置で前記操作伝達部又は前記フック解除ボタンの回転半径上に位置する前記スライダのロック部より低く、かつ蓋フック側に突き出して設けることによりフック解除位置への変位後に該操作伝達部又は該フック解除ボタンに当るように構成すれば、ロック部を、回転規制部に当てるのと同じ操作伝達部又はフック解除ボタンに当てることができるので、別途、ロック部を当てる係合部を設ける必要がない。
別の具体的構成として、前記回転規制部を、前記操作伝達部に繋がる突片を下向きに折り曲げて該操作伝達部の下面より下方に突き出すように形成した構成を採用すれば、蓋フックに上記間詰めをする回転規制部を形成することができ、部品数が増えない。
また、他の具体的構成として、前記回転規制部を、前記平板部を上方に切り起こして前記上板面より上方に突き出すように形成した構成を採用すれば、補強板の平板部に上記間詰めをする回転規制部を形成することができ、部品数が増えない。
上述のように、この発明に係る炊飯器は、回転規制部と蓋フックの操作伝達部又はフック解除ボタンとの当り高さを上板面より上方にしたことにより、その分、フランジの上板面からの立ち上がり高さを大きくすることができるので、フック解除ボタンに押し下げられる蓋フックの操作伝達部の回転停止位置がフック解除位置への変位後に決まるようにしつつ、上蓋部材を大型化せずに補強板の剛性をフランジで高めることができる。
以下、この発明の第1実施形態に係る炊飯器を添付図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係る炊飯器の蓋内の底面のみを斜め上方から示している。他の構成については、炊飯器として周知の構成を適宜に採用することができるため、図示及び説明を省略する。
図2(a)は、安全開放装置がロック位置にある状態を上方から示している。図2(b)は、安全開放装置がロック解除位置にある状態を上方から示している。
図3は、図2(a)のIII−III線の切断面を示している。
図1〜図3に示すように、第1実施形態に係る炊飯器は、上蓋部材10と下蓋部材11が上下に結合されて蓋の内部空間が形成されている。下蓋部材11の上側に補強板12が添え付けられている。
補強板12は、一枚のステンレス鋼板から形成され、下蓋部材11の幅方向両側に形成されたリブ構造部にねじ止めされるフランジ12a、12aの縦壁間を水平な平板部12b(蓋が閉じた状態における)で繋いだ形状になっている。フランジ12a、12aの縦壁の長さ方向一端部に、蓋フック13のフック回転軸13aを通す軸支持部12c、12cが形成されている。フランジ12a、12aの縦壁の長さ方向他端部に、蓋ヒンジ軸を通す軸支持部12d、12dが形成されている。補強板12の平板部12bに、下蓋部材11の上面を部分的に露出させる空所が形成されている。補強板12の空所からは、調圧弁20が内部に組込まれる調圧弁設置室21、安全開放装置の組み立て用のねじ孔部等が上側に突き出している。
蓋フック13は、金属板からなる。蓋フック13は、フック回転軸13a回りに上下に揺動自在に支持されている。幅方向両側のフランジ12a、12aの間に位置する領域の上方に、フック解除ボタン14が配置されている。フック解除ボタン14は、上蓋部材10の下端に上下に揺動自在に支持されている。蓋フック13に、器体肩部に係合するフック部13bが蓋外側に形成され、蓋内側に、フック解除ボタン14の下方に位置する操作伝達部13cが形成されている。
蓋は、蓋フック13のフック部13bが器体肩部から外れるフック解除位置になると、蓄積された蓋ヒンジばねの付勢力により自然と開き切るようになっている。蓋フック13は、上蓋部材10にボタン回転軸回りに上下に揺動自在に設けられたフック解除ボタン14が押し下げられると、調圧弁20側に突き出た操作伝達部13cがフック解除ボタン14により押し下げられる解除操作の伝達により、フック解除位置に移動する。フック解除ボタン14による押し下げがなくなると、フック回転軸回りに蓄積されたばね付勢力により自然とフック部13bが器体肩部に係合し、蓋を閉じた状態に維持するフック位置に戻る。
ここで、操作伝達部13cとは、蓋フック13のうち、フック位置からフック解除位置に変位するまでの間、フック解除ボタン14との接触が維持される上側の板面部分であり、この上側の板面部分の上下方向反対側に位置する板面部分が操作伝達部13cの下面である。すなわち、蓋フック13から突片状に形成された部分の全部に限られない。平板部12bの上板面とは、蓋フック13がフック位置にある状態で、平板部12bの上側の板面のうち同一高さで水平な部分をいい、この部分の上下方向反対側の下板面部分が下蓋部材11の上側に添え付けるときの基準面になる。
この第1実施形態では、調圧弁20の他に、別の調圧弁が設けられている。その別の調圧弁により、通常の炊飯圧力の制御が行なわれる。調圧弁20は、別の調圧弁の最大開弁圧力より高い圧力で開弁する安全弁として機能するようになっている。炊飯工程の途中で、両調圧弁が閉弁し、炊飯鍋内が大気圧より高い加圧炊飯状態になる。別の調圧弁の方を安全開放装置に使用することもできる。
調圧弁設置室21は、下蓋部材11に設けられており、炊飯鍋内と外部間の蒸気路の一部となっている。調圧弁設置室21内に収まる調圧弁20は、ボール弁体22の自重で弁孔23を塞ぐボール弁からなる。ボール弁体22は、弁座24と弁室部材25とで弁座24上から外れないように位置決めされている。調圧弁20が開弁すると、炊飯鍋内で発生した蒸気が蒸気路を経ておねば分離室に流入し、やがて蒸気口カバーに空いた蒸気孔を経て大気に開放される。なお、調圧弁20は、室外から弁体の開閉動作を制御することが可能であれば弁形式を問わない。
蓋内に組み込まれる安全開放装置は、調圧弁20と、ソレノイドコイル30の駆動軸31に連結されたスライダ40と、このスライダ40の移動を駆動軸31の進退方向に規制するガイド51、52と、蓋フック13の操作伝達部13cとからなる。
スライダ40は、図1、図2(a)、(b)、図4(a)、(b)、(c)に示すように、枠状を成し、補強板12の平板部12bより上に突き出たガイド51、52と摺動する両側枠部41、42と、両側枠部41、42を進退方向の同側で繋ぐ両接続枠部43、44と、進退方向と直交する方向の一方側に突き出たロック部45とを有している。スライダ40は、一体射出成形されている。部品数の増大を防止するためである。
側枠部41は、スライダ40の進退方向と直交する方向の一方側においてガイド51との摺動面が進退方向に一連で形成されたフレーム部分である。側枠部42は、スライダ40の他方側においてガイド52との摺動面が進退方向に一連で形成されたフレーム部分である。両側枠部41、42は、補強板12の平板部12bの水平(蓋が閉じた状態で)な板面上を摺動するようになっている。
ソレノイドコイル30は両側枠部41、42の間に配置されている。
両接続枠部43、44は、それぞれ両側枠部41、42を繋ぐフレーム部分である。調圧弁20側の接続枠部43は、弁操作用軸43aを一体に設けられると共に駆動軸31に連結されている。弁操作用軸43aは、調圧弁設置室21の室壁の一部を構成する弾性シール部材21aに突き当たっている。図3に示すように、弁孔23を塞ぐボール弁体22と弁操作用軸43aは、弾性シール部材21aを間において軸方向に対向する。駆動軸31を弁操作用軸43aとしてもよい。
図2(a)、(b)、図3に示すように、駆動軸31は、ソレノイドコイル30の励磁により、ソレノイドコイル30に引き込まれるが、ソレノイドコイル30から蓋フック13側に突き出ることがない。ソレノイドコイル30と調圧弁20側の接続枠部43の間に組み込まれたコイルばね32は、駆動軸31の引き込みに伴い圧縮される。ソレノイドの励磁がなくなると、コイルばね32に蓄積されたばね力により、駆動軸31が調圧弁20側に突き出される。これにより、駆動軸31がソレノイドコイル30の制御により進退させられる結果、スライダ40が往復移動するようになっている。
なお、駆動軸31と弁操作用軸43aは、調圧弁20を全体として蓋中央側に寄せるため、図4(b)、(c)に明示したように、弁操作用軸43aを進退方向と直交する方向の一端側に偏心量δを与えて連結されている。これは、炊飯器に付与した保温機能の性能を高めるためである。すなわち、図3、図5に示すように、調圧弁20の弁孔23は、下蓋部材11の下側に取り付けられたヒータカバー15に空いた孔15aに連通している。ヒータカバー15の上側には、電熱ヒータとなるリード線15bが外周に沿って添え付けられている。リード線15bは、外周に近い程、ヒータカバー15に長く配置することができ、ひいては発熱効率を高めて保温性能を向上させることができる。このため、孔15aをヒータカバー15の外周から中央側に寄せるべく、調圧弁20を全体として蓋中央側に寄せている。このような目的がなければ、図2(a)、(b)に示す駆動軸31と弁操作用軸43aは、同心に連結してもよい。
蓋フック13側の接続枠部44は、図1、図2(a)、(b)に示すように、ソレノイドコイル30の上方を跨ぐブリッジ状に設けられている。
図2(a)、(b)、図6(a)、(b)に示すように、操作伝達部13cは、フック解除位置及びフック位置において補強板12の平板部12bの上方まで突き出ている。ロック部45は、一方側の側枠部41の摺動面よりも一方側に突き出るように設けることで操作伝達部13cと直線配置されている。
駆動軸31の進退により、ロック部45及び弁操作用軸43aは、図2(a)、図3に示すように、ロック部45が操作伝達部13cの回転半径上でフック解除位置への変位を阻止し、かつ弁操作用軸43aがボール弁体22を押さず、調圧弁20の閉弁を許すロック位置と、図2(b)、図6(b)に示すように、ロック部45が操作伝達部13cの回転半径上から調圧弁20側に外れて操作伝達部13cのフック解除位置への変位を許し、かつ弁操作用軸43aがボール弁体22を弾性シール部材21aを介して押して弁孔23から浮かせ、調圧弁20を強制開弁させるロック解除位置とを往復移動させられる。
したがって、図2(a)、図3に示すロック位置においては、蓋フック13の係合が外れず、加圧炊飯状態を行なうことができると共に、その間の蓋開放を確実に防ぐことができる。図2(b)、図6(b)に示すロック解除位置においては、蓋の開放が可能になると共に、炊飯鍋内の減圧が行われた条件下での蓋開放を確実にすることができる。なお、ソレノイドコイル30の励磁によりロック位置に移動するようにしたのは、ソレノイドコイル30が故障しても、コイルばね32によりロック解除位置への移動を確保することができ、逆の関係のときより安全性に優れるためである。
蓋フック13側の接続枠部44は、図2(a)、(b)から明らかなように、上記往復移動のときにソレノイドコイル30の上方に形成された蓋内部空間を通る。また、スライダ40の全体は、ロック位置にあるき、ソレノイドコイル30の両側にある。
この第1実施形態では、図4、図6(a)、(b)に示すように、スライダ40に、ロック部45及び接続枠部44から蓋フック13側に突き出した回転規制部46が設けられている。回転規制部46は、ロック位置とロック解除位置とを往復移動するとき、平板部12bの水平な上板面を摺動する。
回転規制部46は、図6(b)に示すように、ロック解除位置で、平板部12bの上板面上に載った状態で停止している。このとき、操作伝達部13cの回転半径上に位置し、ロック部45より低く、かつ蓋フック13側に突き出しているため、回転規制部46とロック部45との高低差で得られた空間により、蓋フック13がフック解除位置へ変位することを可能とし、かつ蓋フック13がフック解除位置に達した後に回転規制部46が操作伝達部13cの下板面に当るようになっている。
上記構成を有する第1実施形態に係る炊飯器は、ロック解除位置で操作伝達部13cの下面を平板部12bの上板面に当てて回転停止位置を決める構成と比して、両面を基準に考えたとき、平板部12bの上板面に対する回転規制部46高さが両面間を上下方向に間詰めする分、回転規制部46と蓋フック13の操作伝達部13cとの当り高さが平板部12bの上板面より上方になり、操作伝達部13cの回転停止位置を回転規制部46で同じ位置に決めながら、平板部12bの上板面の固定位置を下げることができる。
したがって、第1実施形態に係る炊飯器は、平板部12bの上板面の固定位置を下げた分、上蓋部材10を大型化せずに、フランジ12a、12aの平板部12bの上板面からの立ち上がり高さを大きくすることができ、これにより、補強板12の剛性を高めることができる。
また、第1実施形態に係る炊飯器は、ロック部45と回転規制部46を同じ操作伝達部13cに当てることができるので、別途、ロック部45を当てる係合部を設ける必要がない。
また、第1実施形態に係る炊飯器は、スライダ40を利用して回転規制部46を一体に設けることができ、部品数が増えない。
また、第1実施形態に係る炊飯器は、図2(a)、図3に示すように、ロック位置にあるスライダ40の全体が、ソレノイドコイル30の両側にあり、ソレノイドコイル30から駆動軸31が蓋フック13側に突き出ないため、ソレノイドコイル30を蓋フック13側により近づけて配置することができる。このため、図示から明らかなように、ソレノイドコイル30を蓋フック13の操作伝達部13cの脇に位置するまで蓋フック13側に近づけることができる。その分、調圧弁20側で部品や構造部の配置スペースを得られるので、蓋長さ方向のコンパクト化を図ることが可能になる。
なお、この第1実施形態では、スライダ40を利用して回転規制部46を設けたが、蓋内の他の部材を利用して同じ機能部を設けることもできる。
スライダに回転規制部を設けることを止めた変更例として、図7(a)、(b)に第2実施形態に示す。図示のように、第2実施形態の回転規制部71は、操作伝達部13cに繋がる突片を下向きに折り曲げて操作伝達部13cの下面より下方に突き出すように形成されている。このため、回転規制部71により部品数は増えない。なお、他の構成は、上記第1実施形態と同じになっている。
別の変更例として、図8に第3実施形態に示す。図示のように、第3実施形態の回転規制部81は、平板部12bを上方に切り起こして前記上板面より上方に突き出すように形成されている。このため、回転規制部81により部品数は増えない。なお、他の構成は、上記第1実施形態と同じになっている。
上記第1実施形態では、蓋フック13の操作伝達部13cとスライダ40の回転規制部46との当りで回転停止位置を決めたが、フック解除ボタンと回転規制部との当りで回転停止位置を決めることもできる。操作伝達部又はフック解除ボタンのいずれかの押し下げ動を止めれば、結果的にこれらの回転停止位置を決めることになるからである。
フック解除ボタンを用いた一例として、第4実施形態を図9に基づいて説明する。図示のように、第4実施形態では、フック解除ボタン14’の下端に、蓋フック13の操作伝達部13c’に解除操作を伝達する伝達用脚部14aと、ロック部45’と係合するロック用脚部14bとが形成されている。スライダ40’がロック位置にある状態で、フック解除ボタン14’のロック用脚部14bの回転半径上にロック部45’が位置し、これにより、フック解除ボタン14’の押し下げがロック部45’で阻止され、その結果、伝達用脚部14aが蓋フック13の操作伝達部13c’を押し下げることができず、操作伝達部13c’のフック解除位置への変位が阻止される。スライダ40’がロック解除位置にある状態で、回転規制部46’とロック部45’との高低差により、蓋フック13’の回転規制がフック解除ボタン14’と回転規制部46’においてなされる。
この第4実施形態においても、回転規制部46’の平板部12bの上板面に対する高さ分、回転規制部46’とフック解除ボタン14’のロック用脚部14bとの当り高さが平板部12bの上板面より上方になり、操作伝達部13c’の回転停止位置を回転規制部46’で同じ位置に決めながら、平板部12bの上板面の固定位置を下げることができ、ひいては、上蓋部材10を大型化せずに、補強板12の剛性を高めることができる。
なお、特に図示しないが、フック解除ボタン14’のロック用脚部14bをロック部45’に当てることに代えて、上記第3実施形態のように平板部12bを切り起こした回転規制部とロック用脚部14bとを当るように構成することも勿論可能である。
第1実施形態に係る炊飯器の蓋内の下面を斜め上方から示す要部斜視図 aは図1のスライダがロック位置にある状態を上方から示す部分拡大平面図、bは図1のスライダがロック解除位置にある状態を上方から示す部分拡大平面図 図2(a)のIII−III線の切断面を示す部分拡大断面図 aは図1のスライダの全体斜視図、bは図1のスライダの平面図、cは図1のスライダの後面図 図1の下蓋部材を下方から示す下面図 aは図2(a)のVI−VI線の切断面を示す部分拡大断面図、bは図2(b)のVI−VI線と同じ切断面を示す部分拡大断面図 aは第2実施形態の回転規制部を示す要部拡大断面図、bは前記aの部分拡大斜視図 第3実施形態の回転規制部を示す要部拡大断面図 aは第4実施形態のスライダがロック位置にある状態の前記VI−VI線と同じ切断面を示す部分拡大断面図、bは第4実施形態のスライダがロック解除位置にある状態の前記VI−VI線と同じ切断面を示す部分拡大断面図
符号の説明
10 上蓋部材
11 下蓋部材
12 補強板
12a フランジ
12b 平板部
12c、12d 軸支持部
13 蓋フック
13a フック回転軸
13b フック部
13c、13c’ 操作伝達部
14、14’ フック解除ボタン
14a 伝達用脚部
14b ロック用脚部
15 ヒータカバー
15a 孔
15b リード線
20 調圧弁
21 調圧弁設置室
21a 弾性シール部材
22 ボール弁体
23 弁孔
24 弁座
25 弁室部材
30 ソレノイドコイル
31 駆動軸
32 コイルばね
40、40’ スライダ
41、42 側枠部
43、44 接続枠部
43a 弁操作用軸
45、45’ ロック部
46、46’71、81 回転規制部
51、52 ガイド

Claims (2)

  1. 上蓋部材と下蓋部材を上下に結合して蓋の内部空間を形成し、前記下蓋部材の上側に補強板を添え付け、この補強板を両側のフランジの縦壁間を水平な平板部で繋いだ形状とし、前記蓋の内部で蓋フックをフック回転軸回りに揺動自在に支持し、前記両側のフランジの間に位置する領域の上方にフック解除ボタンを配置し、前記蓋フックに、前記フック解除ボタンの下方に位置する操作伝達部を形成し、前記フック解除ボタンが前記操作伝達部を下側に押すことにより前記蓋フックがフック解除位置に変位するようにし、かつフック解除位置への変位後に該操作伝達部の回転停止位置が蓋内の回転規制部で決まるようにした炊飯器において、前記回転規制部を、前記蓋フックがフック解除位置に変位した後に前記操作伝達部又は前記フック解除ボタンとの当りで該蓋フック又は該フック解除ボタンの押し下げを阻止するように設け、前記回転規制部と前記操作伝達部又は前記フック解除ボタンとが当る位置を、前記操作伝達部の下面又は前記フック解除ボタンより下方であって、かつ前記平板部の上板面より上方とし
    炊飯鍋内と外部間の蒸気路に組み込まれた調圧弁と、ソレノイドコイルの駆動軸に連結されたスライダとを備え、このスライダは、前記駆動軸の進退により、前記操作伝達部又は前記フック解除ボタンとの当りにより前記蓋フックのフック解除位置への変位を阻止し、かつ前記調圧弁の閉弁を許すロック位置と、該操作伝達部又は該フック解除ボタンとの当りが外れて該蓋フックのフック解除位置への変位を許し、かつ該調圧弁を強制開弁するロック解除位置とを往復移動させられるようにし、前記スライダに、前記回転規制部を前記補強板の上板面を摺動するように設け、前記ロック解除位置で前記回転規制部が前記蓋フックの前記操作伝達部の下面又は前記フック解除ボタンの回転半径上に位置し、かつ前記フック解除位置への変位後に該操作伝達部又は該フック解除ボタンに当るようにしたことを特徴とする炊飯器。
  2. 前記回転規制部を、前記ロック位置で前記操作伝達部又は該フック解除ボタンの回転半径上に位置する前記スライダのロック部より低く、かつ蓋フック側に突き出して設けることによりフック解除位置への変位後に該操作伝達部又は該フック解除ボタンに当るようにした請求項に記載の炊飯器。
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