JP5035660B2 - 蛍光材料およびそれを用いた放射線検出器 - Google Patents

蛍光材料およびそれを用いた放射線検出器 Download PDF

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Description

本発明は、X線等の放射線を吸収し発光する蛍光材料、それを用いた放射線検出器に関するものである。
X線診断装置の一つにX線CT(Computed Tomography)がある。このCTは扇状のファンビームX線を照射するX線管と、多数のX線検出素子を併設したX線検出器とで構成される。該装置は、X線検出器に向けてX線管からファンビームX線を照射し、1回照射を行うごとに断層面に対して例えば角度を1度ずつ変えていくことによってX線吸収データを収集する。その後、このデ−タをコンピュータで解析することによって断層面個々の位置のX線吸収率を算出し、その吸収率に応じた画像を形成するものである。
従来からこのX線検出器としてはキセノン(Xe)ガス検出器が用いられてきている。このキセノンガス検出器はガスチャンバにキセノンガスを封入し、多数配列した電極間に電圧を印加すると共にX線を照射すると、X線がキセノンガスを電離し、X線の強度に応じた電流信号を取り出すことができ、それにより画像が構成される。しかし、このキセノンガス検出器では高圧のキセノンガスをガスチャンバに封入するため厚い窓が必要であり、そのためX線の利用効率が悪く感度が低いという問題があった。また、高解像度のCTを得るためには電極板の厚みを極力薄くする必要があり、そのように電極板を薄くすると外部からの振動によって電極板が振動しノイズが発生するという問題があった。
一方、CdWO単結晶、(Y,Gd):Eu、Pr及びGdS:Pr、Ce、F組成のセラミックス(以下GOS:Prと称する)、或いは酸化ガドリニウム、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化セリウムを主成分としたガーネット構造を有する酸化物(以下GAGG:Ceと称する)の多結晶セラミックスなどの蛍光材料を用いたシンチレータと、シリコンフォトダイオードを組み合わせた検出器が開発され、既に実用化されている。この検出器においては、シンチレータがX線を吸収すると発光し、この光をシリコンフォトダイオードが検出することによってX線を検出する。この際、シンチレータとなる蛍光材料は、母材中に添加された発光元素が作り出すエネルギー準位に応じた波長の光を発光する。この波長が500nm以上の可視光である場合に、シリコンフォトダイオードの検出効率が良いため、特に感度の高いX線検出器となる。なお、蛍光材料の記載方法として、組成式中、:をはさんで左側に母材を、右側に発光イオンを記載した。これらの材料を用いた検出器では、検出素子を小型化し、チャンネル数を増やすことが容易であることから、キセノンガス検出器よりも解像度の高い画像を得ることが可能となる。こうした蛍光材料に要求される一般的な点としては、材料の均一性が高く、X線特性のばらつきが小さいこと、放射線劣化が小さいこと、温度など環境の変化に対して発光特性の変化が少ないこと、加工性が良く、加工劣化が小さいこと、吸湿性・潮解性がなく、化学的に安定であることなどが挙げられる。
こうしたX線検出器においては、X線の吸収に応じてシンチレータが発する光の強度(発光強度)が高いほど高感度となる。発光強度を大きくするためにはX線を充分に吸収する必要がある。また、この吸収が小さいと、シンチレータを透過するX線量が増加し、シリコンフォトダイオードのノイズ源となり、感度の低下の一因となる。シンチレータを透過するX線量を減らすためにはシンチレータを厚くする必要があるが、そうすると、検出素子の小型化ができないとともにコストが増加する。従って、薄い蛍光材料で充分なX線吸収をするためには、X線吸収係数が大きいことが必要である。また、発光波長における蛍光材料の透過率が低いと、発生した光のうちフォトダイオードまで届かなくなるものが増えるため、実質的に発光強度は低下する。従って、発光強度を高くするためには、シンチレータ材料となる蛍光材料には、(1)X線の吸収係数が大きいこと、(2)発光する光の透過率が高いことが要求される。
また、X線CTには、解像度の向上、すなわち検出素子の小型化と、体動の影響を少なくするため走査時間の短縮が必要とされている。この場合、一つの検出素子における積分時間は短くなり、積分時間中に吸収するX線総量は低下することになるため、特に発光効率が高い(発光強度が大きい)ことが必要である。さらに、検出素子の時間分解能を上げるためには、X線照射停止後の発光(残光)が瞬時に小さくなることが必要となる。このためには、発光の減衰時定数及び残光強度が小さいことが必要である。ここで、発光の減衰時定数とは、X線照射を停止し、発光強度がX線照射中の発光強度の1/eになるまでの時間であり、残光強度とは、X線照射を停止し一定時間経過後の発光強度の、X線照射中の発光強度に対する比率を表す。減衰が完全に指数関数的であれば、減衰時定数が小さければ必然的に残光強度も低くなるが、実際には残光の減衰は指数関数的ではない。そのため、残光を小さくして高性能のX線CT装置を得るためには、減衰時定数および残光強度が共に小さい蛍光材料を用いることが必要となる。従来使用されている各種蛍光材料における、発光強度と減衰時定数、及び30ms後の残光強度について表1に示す。
Figure 0005035660
上記の材料のうち、GdAlGa12:Ce(GAGG:Ce)は、発光元素のCeが、Ce3+の5d準位から4f準位の許容遷移により発光する。これにより、例えば、特許文献1、特許文献2において、高い発光強度と小さな残光を兼ね備えたシンチレータ材料として、GGAG:Ceの多結晶材料が開示されている。
特開2001−4753号公報 特開2003−119070号公報
しかしながら、近年の高性能X線CTにおいては、より解像度の高い断層面の画像を得るためと、人体の被爆線量を極力小さくするために、単一のX線検出素子がX線を検出するための積分時間はさらに短くなる傾向にある。このため、X線検出素子のシンチレータにおいては、残光が小さいことに対してさらに厳しい水準が要求されている。上記のGGAG:Ceの多結晶の特性も、この要求を満たすものではなかった。従って、こうした高性能X線CTを実現できるだけの高い発光強度と小さな残光を兼ね備えた蛍光材料はなく、高性能X線CTを得ることは困難であった。
本発明は、斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく、種々の希土類元素を添加し、その残光特性と発光特性とに与える影響を詳細に検討した。その結果、GGAG:Ceに対し、Pr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmが残光を低減する効果があることを見いだし、本発明を完成させた。
本発明の蛍光材料は、Ceを発光元素とし、少なくともGd、Al、Ga及びOを含んだガーネット構造の蛍光材料であって、
LをLuおよび/またはYとして、下記一般式で表され、
Pr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含み、その含有量が0.0005mol%以上1mol%以下であることを特徴とする蛍光材料。
(Gd 1−x−z Ce 3+a (Al 1−u Ga 5−a 12
( I )
ここで、0<a≦0.15、0<x<1.0、0.0003≦z≦0.0167(ただしx+z<1.0)、0.2≦u≦0.6。
これらの元素を添加することにより、新たな準位がこの蛍光材料の禁制帯中に形成され、残光の原因となる準位を介した電子の遷移を抑制することができる。添加量が0.0005mol%未満だとX線停止から300ms後の残光強度が30ppmより大きくなり十分な効果が得られない。従って、添加量の下限は0.0005mol%とした。一方、添加量が多くなりすぎると、新たに形成された準位が電子やホールのトラップ源となり、残光が増加する。また、この蛍光材料本来の発光であるCe3+の5d準位から4f準位の許容遷移による発光も影響を受けるため、発光強度も変化する。また添加量が1mol%よりも多くなると、Ceの発光よりも添加したPrやSmなどの発光が主となり、これらの元素の発光効率はCeよりも小さいため、添加量の増加により発光強度が著しく低下する。添加量が1mol%より大きくなると残光強度が30ppmより大きくなり、また発光強度も無添加の場合と比して80%未満に低下するため、添加量の上限を1mol%とした。
上記Pr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmの添加量を規定した理由を、以下図1〜3を参照しつつ詳述する。図1〜3では、Ceを発光元素とし、少なくともGd、Al、Ga及びOを含んだガーネット構造の蛍光材料として、(Gd0.90140.096Ce0.00263.05(Al0.6Ga0.44.9512を用いた。図1はPr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmの添加量(mol%)と残光強度との関係を示したものであり、図2は、図1の添加量0.0001〜1mol%の範囲を示したものである(横軸は対数表示)。また、図3はPr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmの添加量(mol%)と発光強度との関係を示したものである。ここで、図1および図2における残光強度は、X線照射停止から300ms経過後の発光強度のX線照射中の発光強度に対する比率であり、図3における発光強度は、無添加のものを100とした場合の相対発光強度である(以下同様)。
図1〜3から明らかなように、Pr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmとも添加量に対する発光強度と残光強度の変化は、ほぼ同様な変化を示している。添加量が0.05mol%以下の範囲では、添加量の増加に伴って新たな準位が形成され、発光元素であるCeにエネルギー伝達が可能になるため残光強度が低減されて発光強度が増加する。添加量が0.05mol%よりも多くなると、新たに形成された準位が電子やホールのトラップ源となるため残光強度が増大し、発光強度が低下する。添加量が1mol%よりも多い範囲では、添加量の増加に伴って残光の増大量と発光強度の低下量に元素毎の差が出ているが、これはCeによる発光よりも添加元素による発光が主となるためであり、各元素の時定数が残光強度の増大量に、発光効率が発光強度の低下量に影響している。ここで、走査時間が1秒以下の高速走査のX線CTに組み込まれるシンチレータの残光特性は、実用的には、X線停止後300ms後において30ppm以下である必要があり、10ppm以下になることがより好ましい。したがって、図1および図2の結果より、X線停止後300ms後の残光強度を30ppm以下に抑えるためには、Pr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmの添加量は0.0005mol%以上1mol%以下である必要があり、残光強度が10ppm以下となる0.005mol%以上0.5mol%以下の添加量がより好ましい。また発光強度の観点から、相対発光強度80%未満では放射線検出装置の感度が低下するため、相対発光強度80%以上が得られる範囲として、添加量の上限は1mol%以下、より好ましくは相対発光強度95%以上が得られる0.5mol%以下である。図1〜3にはそれぞれの元素を単独で添加した場合についての結果を示したが、これらの元素を複数同時に添加した場合には、それぞれの添加量の総和が0.0005mol%以上1mol%以下のときに同様の効果が得られた。
上記蛍光材料を、LをLu又は/及びYとして一般式(Gd1−x−zCe3+a(Al1−uGa5−a12と表した場合、その組成を、
(1)0<a≦0.15、
(2)0<x<1.0、
(3)0.0003≦z≦0.0167(ただしx+z<1.0)、
(4)0.2≦u≦0.6
と構成することが望ましい。かかる蛍光材料は、Luまたは/およびYを含み、ガーネット構造における組成を化学量論組成(a=0)からずらし、0<aとして、ガーネット構造におけるCサイト(8配位)元素(Gd、L、Ce)を過剰とし、Aサイト(6配位)およびDサイト(4配位)元素(Al、Ga)をその分減らしたことに特徴がある。
ここで、残光の原因としては、Ce3+が形成する本来の発光をもたらす準位以外にも電子遷移が可能な準位が禁制帯中に形成され、この準位を介した電子遷移が生ずるということがある。Cサイト(8配位)に空孔が生じると、こうした準位が形成されるが、0<aとすることにより、これを抑制している。従って、これにより高い発光強度を得ながら、残光強度を低くすることができる。一方、aが大きくなると、この蛍光材料中に、ガーネット構造とは異なるペロブスカイト相(異相)のGdAlO3等が形成されやすくなる。この層は発光にほとんど寄与せず、かつ母材であるガーネット相と屈折率が異なるためペロブスカイト相で光散乱が生じ、発光波長の光に対する透過率が低くなるため、この蛍光材料の発光強度を小さくする原因となる。またペロブスカイト相が生成すると、母材であるガーネット相と熱膨張率などが異なるため、クラックが発生しやすくなる。図3は、LとしてLu、x=0.096、Z=0.0026、u=0.41、Pr添加量0.05mol%について、発光強度と残光強度のaに対する依存性を調べた結果である。ここで、相対発光強度は、最大値(この場合はa=0の場合の発光強度)を100%としたときの発光強度である。a=0の場合は発光強度は高いが、残光強度も高い。a>0となると、上記の理由により、急激に残光強度が低くなる。一方、aの増加に伴って発光強度は徐々に低下し、a=0.15の場合に相対発光強度はa=0の場合の80%となる。また、aが0.15よりも大きくなるとペロブスカイト相が生成されるため、相対発光強度がさらに低下し、クラックも発生しやすくなる。従って、相対発光強度の下限を80%とすると、残光強度が低く、かつ発光強度が高い蛍光材料をもたらすaの上限は0.15となり、aがこれよりも大きくなると残光強度は低いものの、相対発光強度が80%よりも小さくなり、かつクラックも発生しやすくなる。
zは発光元素であるCeの組成を決定し、0.0003≦z≦0.0167の範囲で特に発光強度が大きくなる。zが0.003未満の場合には、発光元素であるCe原子の数が少なすぎる為に、吸収したX線のエネルギーを効率よく光エネルギーに変換することができない。0.0167よりも大きな場合は、Ce原子間の距離が小さくなりすぎるために、発光を伴わない、所謂濃度消光という現象が起きるために発光強度が低下する。
uはAlとGaの組成比を決定し、0.2≦u≦0.6の範囲で特に発光強度が大きくなる。uが0.2未満の場合には上記のペロブスカイト相が出て、発光強度が低くなる。uが0.6よりも大きな場合は発光強度が低下し、残光が大幅に増加する。
また、xを0<x<1.0(ただしx+z<1.0)としており、この蛍光材料はLとして、Luまたは/およびYを必ず含む。これらの元素を添加することによって、ガーネット構造におけるCサイト(8配位)の平均イオン半径を小さくすることができ、結果として格子定数を小さくすることができるので、イオン半径の小さいAlがAサイト(6配位)で安定に存在できるようになる。これにより、a、u、およびzが上記の範囲でペロブスカイト相が出ることを抑制している。また、特にLとしてLuを含む場合は、その原子量が大きいため、この蛍光材料の密度を高くし、X線の吸収係数を大きくすることもできる。
aの上限は上記の通り0.15であるが、下限としては、0.032とすることがより好ましい。aがこの値以下になると、蛍光材料にクラックが入りやすくなるために製造歩留まりが低下する。Aサイト(6配位)に入っているAlはイオン半径が小さいため、格子歪みを大きくしている。Cサイト(8配位)の原子比を3より大きくすることで、過剰の希土類イオンがAサイト(6配位)に入り、Aサイト(6配位)の平均イオン半径を大きくして格子歪みを緩和するが、aの値が0.032以下ではこの効果が十分ではなく、格子歪みによりクラックが入りやすくなる。図4は、LがLu、x=0.096、z=0.0027、u=0.41、Pr添加量0.05mol%としたときの、相対発光強度と単結晶成長における歩留まりの、aについての依存性を調べた結果である。ここで、相対発光強度は、最大値(この場合はa=0の場合の発光強度)を100%としたときの発光強度である。結晶歩留まりは、CZ法によって結晶成長後に得られた結晶にクラックが入っていた割合を示す。相対発光強度はaが大きくなるに従って、徐々に低下していくが、結晶歩留まりはほぼ0.032<a≦0.15の間で高くなっている。すなわち、aを0.032<a≦0.15の範囲内とすることによって、高い発光強度と、低い残光強度と、高い歩留まりとを兼ね備えることができる。aが0.032以下では結晶歩留まりが悪くなり、aが0.15より大きいと、上記の通り、発光強度が低くなると同時に、結晶歩留まりが悪くなる。
LがLuである場合、xとして上記の範囲のうち、xを0.033≦x≦0.5とすることによって、特に発光強度を高くすることができる。図5は、LがLu、a=0.05、z=0.0026、u=0.41、Pr添加量0.05mol%としたときの、相対発光強度のx依存性である。ここで、相対発光強度は、最大値(この場合はx=0.10の場合の発光強度)を100%としたときの発光強度である。xが0.1未満の場合にはペロブスカイト相(異相)が生成されるために相対発光強度が低くなり、また異相生成によりクラックも発生しやすくなる。相対発光強度の観点から、0.033≦xであることがより好ましく、異相生成によるクラック発生を防止する観点からは0.0925<xであることがさらに好ましい。一方、xが大きくなると発光強度は徐々に減少する。xが0.5より大きいと、この蛍光材料における発光波長が短くなるため、フォトダイオードの受光感度が低下するため、実質的に相対発光強度が低くなる。
LがYである場合、xとして上記の範囲のうち、xを0.066≦x≦0.67とすることによって、特に発光強度を高くすることができる。図6は、LがY、a=0.12、z=0.0026、u=0.41、Pr添加量0.05mol%としたときの、相対発光強度のx依存性である。ここで、相対発光強度は、最大値(この場合はx=0.20の場合の発光強度)を100%としたときの発光強度である。xが0.20未満の場合にはLuの場合と同様に、異相が生成されるために相対発光強度が低くなる。また、異相の発生によって蛍光材料にクラックも生じやすくなる。相対発光強度の観点から、0.066≦xであることがより好ましく、異相生成によるクラック発生を防止する観点からは0.2≦xであることがさらに好ましい。一方、YはGdと比べて軽い元素である(原子量がGdの157に対してYは89)ために、xが0.67より大きいと、蛍光材料全体の密度が小さくなり、X線の吸収が不充分となる。
LとしてLuとYを両方含むこともできる。その場合、LuとYの比率をv:(1−v)(ただし0<v<1)として、0.0925v+0.2(1−v)<x≦0.5v+0.67(1−v)の範囲とすることによって、発光強度を高くすることができる。
以上に述べた蛍光材料において、これが単結晶である場合には、特に材料における可視光の透過率を高めることができ、結晶の厚さを大きくしても蛍光出力を取り出すことができるので好ましい。一方、多結晶である場合には、同じ組成の単結晶と比べると、この透過率が劣るために性能ではこれに比べて劣るが、低コストで蛍光材料を得ることができるので、この蛍光材料をシンチレータとして用いた場合、安価な放射線検出器を得ることができる。
本発明の放射線検出器は、放射線を吸収して発光するシンチレータと該シンチレータの発光を検出する受光素子とを有する放射線検出器であって、前記シンチレータとして上記蛍光材料を用いることを特徴とする。
すなわち、上記蛍光材料をシンチレータとして用いた場合、X線感度の低下や、X線漏れといった問題を解決することができ、高性能の放射線検出器を得ることができる。
この放射線検出器は、シンチレータと、この蛍光材料の発光を検知するための光検出器とを備えたものであり、シンチレータとして上記の蛍光材料を用いる。光検出器としては、高感度・高速応答で、かつ波長感度域が可視光から近赤外領域にあって本発明の蛍光材料とのマッチングが良いことから、PIN型フォトダイオードを用いるのが望ましい。この検出器に使用する蛍光材料の厚さは、0.5〜10mmであることが望ましい。0.5mmよりも薄くなると蛍光出力の低下・漏洩X線の増加を招く一方、10mmよりも厚くなると素子自体の重量が重くなりすぎるため、X線CTのような素子を高速で回転させて使用するような用途においては好ましくない。高い蛍光出力を得て、発光した光の減衰を回避して高感度の放射線検出器を構成する観点からはシンチレータの厚さは、1.5〜3mmとすることが好ましい。
本発明の蛍光材料によれば、従来のGGAG:Ce系蛍光材料よりも残光の小さなシンチレータを提供することができる。またかかる蛍光材料をシンチレータとして用いる本発明の放射線検出器は、走査時間の短縮を通じて解像度の向上に寄与するほか、安定した検出性能も発揮しうる。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。なお、本発明の蛍光材料および放射線検出器は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Pr(NO・6HOを0.0065g計量した。次に、これらの素原料を湿式ボールミル混合後、B5サイズのアルミナルツボに入れ、1400℃で2h焼成し、冷却後、原料粉を十分にほぐした。得られた原料粉をゴムチューブに詰めて、加圧力98MPaで冷間静水圧プレスを行い、棒状の成形体とした。この成形体をイリジウムルツボ中で高周波溶解後、種結晶を浸漬し、引上げ速度1mm/h、回転速度10rpmとして、CZ法により2インチサイズの単結晶育成を行った。育成雰囲気は2vol%の酸素を含む窒素ガス中で、育成方向は〈111〉方向とした。得られた結晶は、内周スライサーを用いて厚さ3mmの板に機械加工後、100vol%の酸素雰囲気中で1500℃×2hの熱処理を行った。熱処理の昇温速度は300℃/hとした。熱処理後、表面に光学研磨を施し、単結晶の蛍光材料を試料として作製した。作製した試料は、底面以外の面に酸化チタンを主成分とする白色塗料を塗り、図7に示すような配置でX線管球1、試料(蛍光材料)3、フォトダイオード5を配置し、管電圧140kV、管電流5mAの条件で発生したX線を照射したときの発光強度と残光強度を測定した。
(実施例2)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Pr(NO・6HOを0.0653gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例3)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Pr(NO・6HOを0.6525gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例4)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Pr(NO・6HOを6.5252gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例5)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Pr(NO・6HOを13.0504gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例6)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Sm(NO・6HOを0.0133gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例7)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Sm(NO・6HOを0.6667gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例8)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Pr(NO・6HOを0.3915g、Sm(NO・6HOを0.2667gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例9)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Pr(NO・6HOを3.9151g、Sm(NO・6HOを2.6668gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例10)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Nd(NO・6HOを0.6575gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例11)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Nd(NO・6HOを3.9451gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例12)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Dy(NO・5HOを0.0658gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例13)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Dy(NO・5HOを0.6579gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例14)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Er(NO・5HOを0.6650gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例15)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Er(NO・5HOを6.6503gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例16)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Ho(NO・5HOを0.6615gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例17)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Ho(NO・5HOを10.5845gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例18)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Tm(NO・4HOを0.0128gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例19)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Tm(NO・4HOを0.6405gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例20)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Sm(NO・6HOを0.6667g、Dy(NO・5HOを0.6579g、Tm(NO・4HOを0.6405gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例21)
Gdを1463.71g、Luを179.07g、Ce(NO・6HOを10.552g、Alを458.83g、Gaを562.33g、Pr(NO・6HOを0.6525gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例22)
Gdを1463.71g、Luを179.07g、Ce(NO・6HOを10.552g、Alを458.83g、Gaを562.33g、Pr(NO・6HOを6.5252gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例23)
Gdを334.89g、Luを1489.86g、Ce(NO・6HOを10.567g、Alを440.35g、Gaを562.56g、Pr(NO・6HOを0.6525gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例24)
Gdを334.89g、Luを1489.86g、Ce(NO・6HOを10.567g、Alを440.35g、Gaを562.56g、Pr(NO・6HOを6.5252gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例25)
Gdを334.89g、Luを1489.86g、Ce(NO・6HOを10.567g、Alを440.35g、Gaを562.56g、Pr(NO・6HOを13.0504gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例26)
Gdを1322.43g、Yを206.62g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Pr(NO・6HOを0.0653gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例27)
Gdを1322.43g、Yを206.62g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Pr(NO・6HOを0.6525gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例28)
Gdを1322.43g、Yを206.62g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Pr(NO・6HOを6.5252gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例29)
Gdを334.89g、Yを845.43g、Ce(NO・6HOを10.567g、Alを440.35g、Gaを562.56g、Pr(NO・6HOを0.6525gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例30)
Gdを334.89g、Yを845.43g、Ce(NO・6HOを10.567g、Alを440.35g、Gaを562.56g、Pr(NO・6HOを13.0504gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例31)
Gdを1020.27g、Luを178.78g、Yを317.04g、Ce(NO・6HOを10.567g、Alを440.35g、Gaを562.56g、Pr(NO・6HOを0.0065gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(実施例32)
Gdを1020.27g、Luを178.78g、Yを317.04g、Ce(NO・6HOを10.567g、Alを440.35g、Gaを562.56g、Pr(NO・6HOを0.6525gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(比較例1)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(比較例2)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Pr(NO・6HOを0.0013gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(比較例3)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Pr(NO・6HOを26.1008gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(比較例4)
Gdを1494.91g、Luを174.77g、Ce(NO・6HOを10.330g、Alを446.67g、Gaを570.63g、Pr(NO・6HOを10.4403g、Sm(NO・6HOを10.6672gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(比較例5)
Gdを1463.71g、Luを179.07g、Ce(NO・6HOを10.552g、Alを458.83g、Gaを562.33gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(比較例6)
Gdを334.89g、Luを1489.86g、Ce(NO・6HOを10.567g、Alを440.35g、Gaを562.56gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(比較例7)
Gdを334.89g、Luを1489.86g、Ce(NO・6HOを10.567g、Alを440.35g、Gaを562.56g、Pr(NO・6HOを26.1008gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
(比較例8)
Gdを1020.27g、Luを178.78g、Yを317.04g、Ce(NO・6HOを10.567g、Alを440.35g、Gaを562.56g、Pr(NO・6HOを26.1008gとした以外は実施例1と同様の方法で、単結晶の蛍光材料を試料として作製し、評価した。
上記、実施例1〜32および比較例1〜8の発光強度と残光強度の測定結果を表2に示す。なお、発光強度はCdWO単結晶の発光強度を100とした相対値で示し、残光強度はX線照射停止後300ms後の発光強度とX線照射中の発光強度の比で示した。Pr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmの添加量(複数の元素を添加する場合は添加量の和)が0.0005〜1mol%の実施例1〜32では、300ms後の残光強度を30ppm以下の蛍光材料が得られており、Lu添加量の多い実施例23〜25を除いて発光強度も大きい。実施例23〜25は発光強度ではやや劣るが、Lu添加量が多いため蛍光材料の密度が高いので放射線の吸収係数が大きく、また残光強度も小さいので、高エネルギーの放射線検出器に有用である。しかし、Pr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmの添加量が0.0005mol%未満または1mol%より大きい比較例1〜8では残光強度が大きくなっている。また、添加量が1mol%より大きい比較例3、4、7および8では、発光強度も大幅に低下している。
(実施例33)
図8に本発明の蛍光材料をシンチレータとして用いた放射線検出器の一例を示す。蛍光材料3はフォトダイオード5を固定したシリコンフォトダイオード固定治具4に接着し、蛍光材料の発光を外部に逃がさないための白色塗料2で覆う。蛍光材料3の厚さは3mmとし、白色塗料2にはX線を透過し、発光した光をよく反射する酸化チタンを主成分とする塗料を用いる。本発明の蛍光材料3がX線を吸収すると、従来の蛍光材料と比較して高い発光強度を有し、高い効率でフォトダイオードによって光電変換された。また、残光も従来の蛍光材料と比較して極めて小さく、放射線検出器として優れた特性を示した。
Figure 0005035660
Figure 0005035660
本発明の一実施形態に係る蛍光材料におけるPr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmの添加量と残光強度との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る蛍光材料におけるPr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmの添加量と残光強度との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る蛍光材料におけるPr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmの添加量と発光強度との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る蛍光材料におけるaと発光強度および残光強度との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る蛍光材料における、aと相対発光強度および単結晶育成における歩留まりとの関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る蛍光材料における、Luを含む場合のxと発光強度との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る蛍光材料における、Yを含む場合のxと発光強度との関係を示す図である。 X線を照射して発光強度測定を行なった装置の構成の模式図である。 本発明の放出線検出器の一実施例の構成を示す図である。
符号の説明
1:X線管球
2:白色塗料
3:蛍光材料
4:フォトダイオード固定治具
5:フォトダイオード

Claims (7)

  1. Ceを発光元素とし、少なくともGd、Al、Ga及びOを含んだガーネット構造の蛍光材料であって、
    LをLuおよび/またはYとして、下記一般式で表され、
    Pr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含み、その含有量が0.0005mol%以上1mol%以下であることを特徴とする蛍光材料。
    (Gd 1−x−z Ce 3+a (Al 1−u Ga 5−a 12
    ( I )
    ここで、
    0<a≦0.15、
    0<x<1.0、
    0.0003≦z≦0.0167(ただしx+z<1.0)、
    0.2≦u≦0.6
  2. 請求項1に記載の蛍光材料であって、前記Pr、Sm、Nd、Dy、Er、HoおよびTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素の含有量が0.005mol%以上0.5mol%以下であることを特徴とする蛍光材料。
  3. 請求項2に記載の蛍光材料であって、X線停止から300ms後の残光強度が10ppm以下であることを特徴とする蛍光材料。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の蛍光材料であって、上記一般式において、
    0.032<a≦0.15
    であることを特徴とする蛍光材料。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の蛍光材料であって、上記一般式において、
    LがLuの場合に、0.0925<x≦0.5、
    LがYの場合に、0.2≦x≦0.67、
    LがLuおよびYの場合には、LuとYの比率をv:(1−v)(0<v<1)として、
    0.0925v+0.2(1−v)<x≦0.5v+0.67(1−v)
    であることを特徴とする蛍光材料。
  6. 単結晶であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の蛍光材料。
  7. 放射線を吸収して発光するシンチレータと該シンチレータの発光を検出する受光素子とを有する放射線検出器であって、前記シンチレータとして請求項1乃至6のいずれかに記載の蛍光材料を用いることを特徴とする放射線検出器。
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