JP5033789B2 - 腎臓機能分析のための方法 - Google Patents

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Description

本開示は、一般的には、臓器診断のための方法及び装置に関し、より具体的には、腎臓診断のための方法及び装置に関する。
腎臓機能の測定は腎臓疾患の診断及び処置において重要な工程である。腎臓機能の1つのそのような尺度が糸球体濾過率(GFR)である。GFRは、所与の時間内に腎臓によって濾過された血液(血漿)の体積として定義され、典型的にはミリリットル/分(ml/分)の単位で測定される。GFRを測定するために使用される典型的な臨床方法が尿クレアチニンクリアランスの測定である。クレアチニンは身体の代謝産物である。しかしながら、尿中のクレアチニンレベルを測定することによって推定されるGFRは、実際のGFRの直接的な測定値ではなく、その推定値にすぎない。これは、クレアチニンが身体によって絶えず産生され、かつ、濾過に加えて、尿中に分泌されるからである。典型的なGFR測定は、完了するまでに少なくとも6時間〜24時間を要する。しかしながら、血清中のクレアチニンレベルが平衡状態でないとき、例えば、急性腎不全時などにおいては、GFRの測定は不可能である場合がある。典型的なGFR測定技術では、尿サンプルを採取すること、及び/又は、血液サンプルを採血することが要求される。
腎臓又は腎臓の機能に影響を及ぼす多くの疾患が存在する。タンパク尿は慢性疾患のマーカーである。タンパク尿を有する動物(例えば、ヒト患者)は腎不全を発症する恐れがあり、タンパク尿の早期検出は多くの根本的な疾患の処置において有益である。タンパク尿についての典型的な診断方法は、尿におけるアルブミンレベルの測定である。そのような測定は典型的には、尿ディップスティックを使用して半定量的に行われるか、又は、尿中のタンパク質対クレアチン比を化学的に測定することによって行われる。定量的な分析では、典型的には、24時間の尿採取が要求される。しかしながら、24時間の尿採取でさえ、タンパク質が近位尿細管細胞の再吸収によって尿から除かれるので、遅れた診断をもたらす場合がある。例えば、様々なタンパク質が糸球体(腎臓濾過バリア)を通り抜け、腎臓ろ液に入り、腎臓の尿細管細胞によって再吸収されることがあり、これにより、尿中にはタンパク質がほとんど残らないか、全く残らない。このことは、糖尿病性腎症においては、糸球体のタンパク質に対する透過性の変化をごく早期に検出することが治療の開始に非常に重要であることから、特に問題となる場合がある。
血中及び尿中のグルコースレベルもまた、診断測定値として使用される。異常な血中グルコースレベルが糖尿病及び他の疾患に直接に関連づけられる。血中及び尿中のグルコースレベルを求めるために使用される典型的な方法では、採血すること、及び/又は、尿におけるグルコース含有量を測定することが要求される。これらの方法は、比較的時間がかかり、また、血中グルコースレベルのリアルタイムでの監視ができない。
更に、多くの適用では、薬物の薬物動態学を知ることが望ましい。薬物の薬物動態学を測定するために使用される典型的な方法では、苦痛を伴い時間がかかり得る工程である、動物(例えば、ヒト患者)からの採血が要求される。薬物の薬物動態学を測定するために使用される他の方法では、例えばMRIのような、大がかりで高価な医療用造影装置の使用が含まれる。
本発明は、添付された請求項において示される特徴、及び/又は、特許可能な主題を単独もしくは任意の組合せで含み得る下記の特徴のうち、1つ又は複数を含む。
動物の生理学的診断を求めるための方法が提供される。本方法は、複数の第1の分子及び複数の第2の分子の混合物を動物に注入する工程を含むことができる(なお、請求項に係る方法は、当該混合物をヒト個体に注入する工程は含まない)。第2の分子の分子量を第1の分子よりも大きくてもよい。第1の分子及び第2の分子は、蛍光性プローブであってもよい。本方法はまた、第1の分子及び第2の分子の分子比を求める工程を含むことができる。分子比は第1の分子及び第2の分子の蛍光強度比であってもよい。本方法は更に、生理学的データを求める工程を含むことができる。生理学的データは、例えば、薬物又は化学化合物の血漿クリアランス速度定数、糸球体濾過率、濾過抵抗、グルコースのクリアランス速度、グルコースの濾過抵抗値、グルコース代謝速度及び/又は薬物代謝速度であってもよい。グルコース代謝速度又は薬物代謝速度は、グルコース又は薬物のクリアランス速度と、グルコース又は薬物の濾過抵抗値とに基づいてそれぞれ求めることができる。
動物の生理学的診断を求めるための装置もまた提供される。本装置は複数の指収容開口部を含むことができる。本装置はまた、複数の光源及び複数の関連受光部を含むことができる。複数の光源及び関連受光部のそれぞれを、複数の指収容開口部の1つと関連させることができる。光源は、波長選択光学系とつながれた発光ダイオード、レーザー、ダイオードレーザー、及び/又は白色光光源であってもよい。本装置は更に、複数の光源につながれた光発生回路と、複数の関連受光部につながれた光検出回路とを含むことができる。光発生回路はデジタル・アナログ変換器回路を含むことができる。光検出回路は、受光部からの複数の光シグナルを検出するように構成することができる。光検出回路はまた、複数の増幅器及び/又は複数のフィルターを含むことができる。本装置は更に、光子パルス計数回路を含むことができる。光子パルス計数回路では、TTLをデジタルシグナル検出のために使用することができる。パルス計数回路を光検出回路につなぐことができる。パルス計数回路は、生理学的診断値を複数の光シグナルに基づいて求めるように構成することができる。あるいは、いくつかの実施形態において、デジタル・アナログ変換器回路を用いてアナログシグナルを検出するように構成することができる。本装置はなお更に、パルス計数回路に電気的につながれたユーザーインターフェースを含むことができる。ユーザーインターフェースは、生理学的診断値を表示するためのディスプレースクリーンを含むことができる。パルス計数回路(又はアナログ・デジタル変換器回路)は光検出回路に無線通信によりつなぐことができる。更に、光発生回路、パルス計数回路又はアナログ・デジタル変換器回路、及び、ユーザーインターフェースは、パーソナルコンピューターの一部を形成することができる。
本開示の上記特徴及び他の特徴(これらは特許可能な主題を単独又は任意の組合せで含むことができる)が下記の説明及び添付された図面から明らかになる。
詳細な説明では、下記の図面が特に参照される。
本特許出願は米国仮特許出願第60/672,708号(発明の名称「腎臓機能分析のための方法及び装置」、2005年4月19日出願)(その全体を参照することにより本明細書中に特に組み込む)の優先権及び利益を主張する。
本開示の概念は様々な改変及び代替形態をとり得るが、それらの具体的な例示的実施形態が図面に例として示されており、また、本明細書中に詳しく記載される。しかしながら、本開示の概念を開示された特定の形態に限定する意図は全くなく、それどころか、その意図は、本開示の精神及び範囲に含まれるすべての改変、均等物及び代替物を包含することであることを理解しなければならない。
図1を参照すると、生理学的データ(例えば、腎臓診断データなど)を求めるためのアルゴリズム10が示される。アルゴリズム10は、腎臓の糸球体濾過率、所定のサイズを有する分子、及び/又は粒子の分子濾過抵抗、ならびに、他の腎臓診断測定値を求めるために使用することができる。そのために、処理工程12において、2つ(又は2つ以上)の分子、即ちA及びB(又はそれ以上)の混合物が、生きている動物に注入される。本明細書中で使用される用語「動物」は、ヒトを含むことが意図される。これら2つ(又は2つ以上)の分子は異なるサイズ(即ち、異なる分子量)を有する。分子量(MW)が大きい分子は、比較的正常な腎臓機能を有する動物(例えば、ヒト患者)においては、典型的には、長期間(数時間から数日間)にわたって血流に保持される。これら2つ以上の分子のうちの一方が大きい分子量を有するならば(例えば、分子Aが70キロダルトンを超えるならば)、他方の分子(例えば、分子B)の濾過を監視することができ、分子Bのクリアランス速度をそれに基づいて計算することができる。
処理工程14において、これら分子の分子比が求められる。時間の関数として血流において測定された、B/Aの分子比(又は、一般化極性(generalized polarity)(GP))であるRB/Aが、これらの分子(A及びB(又はそれ以上))の相対的な濾過速度(クリアランス速度)に直接に関連づけられる。分子比RB/Aを表すシグナルは、A及びBから測定することができる任意の特性を含み、下記の式に基づいて求めることができる。
Figure 0005033789
上式において、Sは、Aから測定された複数のタイプのシグナルのいずれか1つであり、Sは、Bから測定された複数のタイプのシグナルのいずれか1つである。シグナル(S及びS)のタイプには、蛍光強度、入射光からの(1つ又は複数の波長における)任意の散乱シグナル(レイリー散乱、ラマン散乱、コヒーレント反ストークス散乱など)、蛍光寿命の割合(この場合、比シグナルRB/Aは、Bからの蛍光寿命の寄与割合と、Aからの蛍光寿命の寄与割合との間での比率である)、吸収、及び、偏光、が含まれ得るが、これらに限定されない。この比シグナル(Aと、Bと、又はそれ以上との間での)はまた、A及びBからの任意のタイプのシグナルの間での任意の組合せを含むことができ、例えば、Aからの蛍光シグナルと、Bからの散乱シグナルとの間での比率でもよい。加えて、RB/A=Sの比シグナルを、S=1(1に正規化されたAの定常シグナル)のときに使用することができる。
処理工程16において、目的とする腎臓診断が、分子の比率に基づいて求められる。例えば、A、B(又はそれ以上)の混合物の最初の注入の後でのRB/A(t)(又はGP(t))の減衰関数を、下記の数学的モデル(式)を用いて記載することができる。
Figure 0005033789
上式においてそれぞれ、RB/A(t)は、時間の関数として測定された分子B及び分子Aの分子比であり、Nは、任意の糸球体濾過プロセス、血流におけるプローブ分子の分布プロセス、体内におけるプローブ分子の非特異的な喪失などを含む、関与した指数関数的プロセスの総数であり、cは定数であり、aは非指数係数又は振幅であり、kは個々のプロセスの相対的減衰定数(又は速度定数)である。kの個々の値を、時系列RB/A(t)(又はGP(t))の線形(又は、所望するならば、非線形)最小二乗近似を行うことによって求めることができる。
糸球体濾過プロセスのみが存在する場合、減衰関数RB/A(t)は下記の単項指数関数である。
Figure 0005033789
上式において、RB/A(t)は、時間の関数として測定された分子B及び分子Aの分子比であり、cは定数であり、aは非指数係数又は振幅であり、kは相対的減衰定数(又は速度定数)である。上記で記載されたように、もし分子Aが大きい分子量(例えば、約70kDaを超える分子量)を有し、従って、腎臓に保持されるならば、血流における分子Aの濃度は一定であると見なすことができる。時系列RB/A(t)(又はGP(t))の線形(又は、所望するならば、非線形)最小二乗近似を行うことによって、kの値を求めることができる。速度定数k(糸球体濾過プロセスの速度定数)が、下記の式に従って、糸球体濾過率(GFR)及び総血漿体積Vplasma及び分子抵抗ξに直接に関係づけられる。
Figure 0005033789
分子濾過抵抗ξの値は、分子が腎臓を通り抜けることができるための困難さの尺度である。分子(又は物質)がξ=1を有するならば、その分子(又は物質)は、抵抗を受けることなく腎臓濾過バリアを自由に通り抜けることができる。分子(又は物質)がξ<1を有するならば、その分子(又は物質)は腎臓濾過バリアを自由に通り抜けることができない。分子(又は物質)がξ>1を有するならば、その分子(又は物質)は、(能動的な輸送機能が存在することにより)腎臓濾過バリアを能動的に通過している。
血漿体積Vplasmaは体重Wに比例しており、下記の関係を有する。
Figure 0005033789
上式において、ηは体重・総血液(血漿及び血液細胞の両方を含む)体積係数であり、ρは総血液体積からの血漿体積のパーセント係数である。ヒトのρ及びηの平均値は知られているか、又は、測定することができる。他の実施形態では、血漿体積Vplasmaを求めるために他の方法を使用することができる。例えば、図5に例示されるアルゴリズム50の処理工程60に関して下記において詳しく議論される、決定手順及び/又は式のいずれか1つ又は複数を使用して、Vplasmaを求めることができる。
従って、上記の式1によって求められるような分子比に基づいて、上記で記載されるような式2〜式5のうちの1つ又は複数を使用して、任意の分子(又は物質)について、腎臓のGFR及び分子濾過抵抗ξを求めることができる。
減衰定数kの下記の議論において、分子濾過速度、クリアランス速度、及び速度定数は、同じ意味で使用される。分子A及び分子Bの間における相対的な分子分離を、下記の式に基づく一般化極性を使用して定量化することができる。
Figure 0005033789
上式において、IA(large)は大きい方の分子からのシグナルであり、IB(small)は小さい方の分子からのシグナルである。大きい方の分子からのシグナルのみが存在するとき(分子Aのみが存在するとき)は、GP=1であり、小さい方の分子からのシグナルのみが存在するとき(分子Bのみが存在するとき)は、GP=−1である。
あるいは、GPはまた、GP=(IB(small)−IA(large))/(IA(small)+IB(large))として定義することができる。慣例及び議論の目的のために、式6でのGPの定義が使用されるが、GPの他の定義も他の実施形態において使用することができる。GP値は、分子A及び分子Bのそれぞれからの2つの個々のシグナルの相対的な強度(即ち、分子A及び分子Bの相対的な占有の極性)を定量化するために使用することができる。
アルゴリズム10は、数多くの腎臓診断のうちのいずれか1つを求めるために使用してもよいことを理解しなければならない。例えば、次に図2を参照すると、腎臓の糸球体濾過率を求めるためのアルゴリズム20が示される。アルゴリズム20に含まれる処理工程22では、生理的食塩水又は他の水溶液に溶解された2つの蛍光性プローブ(A及びB)の混合物が、動物の血流の中に注入される。これらの蛍光性プローブは異なるサイズを有する。例えば、蛍光性プローブの一方(例えば、プローブA)が、70kDを超える分子量(MW)を有することができる(例えば、70kD又は500kDの蛍光標識されたデキストランなど)。プローブAからの蛍光シグナルが基準シグナルとして使用される。他方の蛍光性プローブ(プローブB)はより小さい分子量を有し、体内で代謝されない。例えば、蛍光性プローブBは、小さい蛍光性分子(例えば、フルオレセイン、カスケードブルー、蛍光標識されたイヌリン、又は、他の非毒性化合物など)であってもよい。
処理工程24において、注入されたプローブについての蛍光強度比が求められる。蛍光強度比は、式:RB/A(t)=I(t)/I(t)(式中、I(t)及びI(t)はそれぞれ、時間の関数として測定された分子B及び分子Aの蛍光強度である)に従って求めてもよい。蛍光強度比は、最初の色素混合物注入からの時間の関数として、血流(1つ又は複数の血管)から測定される。処理工程26において、小さい方のプローブ分子についてのξが1に近いこと(ξ=1)を仮定して、GFRが、上記の式1〜式5及び最小二乗近似を使用して計算される。
加えて、アルゴリズム10をタンパク尿についての診断手段として使用することができる。例えば、図3を参照すると、タンパク尿についての診断測定値として、タンパク質濾過抵抗を求めるためのアルゴリズム30が示される。アルゴリズム30は、生理的食塩水又は他の水溶液に溶解された3つの蛍光性プローブ(A、B及びC)の混合物が、血流の中に注入される処理工程32を含む。プローブA及びプローブBは、アルゴリズム20に関して上記で記載されたA及びBに類似する。プローブCは、任意の種類(球状タンパク質又は非球状タンパク質)の蛍光標識されたタンパク質(マーカータンパク質)であり、例えば、テキサスレッド又はFITC(フルオレセインイソチオシアナート)の結合したアルブミンなどが挙げられる。
処理工程34において、血管内のプローブA、プローブB及びプローブCに由来する蛍光シグナルが、時間の関数として記録される。蛍光強度比であるRB/A(t)=I(t)/I(t)の最小二乗近似を、上記の式2又は式3を使用して行うことによって、プローブBの速度定数kを求めてもよい。同様に、強度比RC/A(t)=I(t)/IA(t)を近似することによって、C(タンパク質)の速度定数kを求めてもよい。処理工程36において、濾過抵抗が求められる。相対的濾過抵抗ξC/Bを下記の式に従って直接に計算することができる。
Figure 0005033789
もしξ=1ならば、相対的濾過抵抗であるξC/Bはξ(マーカータンパク質の濾過抵抗)と同じである。
濾過抵抗は、マーカータンパク質が腎臓濾過バリアを通り抜けるための困難さレベルの指標として使用することができる。ξの値がより小さいことは、そのタンパク質が腎臓濾過バリアを通り抜ける困難さレベルがより大きいことを示す。タンパク質濾過抵抗ξのこの特性は、タンパク尿を診断するために使用することができる。動物(例えば、ヒト患者)が健康な個体からの平均タンパク質濾過抵抗値よりも大きい(マーカータンパク質の)濾過抵抗値を有するならば(ξpatient>ξaverageであるならば)、その動物はタンパク尿を発症している可能性がある。
代わりの実施形態においては、タンパク質濾過抵抗を、2回の別々の、注入及び関連した測定を使用して求めてもよい。最初の注入及び測定の工程において、プローブのうちA及びBのみを含む混合物が注入され、速度定数kがその後に求められる。続いて、プローブのうちA及びCのみを含む混合物が注入され、速度定数kがその後に求められる。
加えて、アルゴリズム10は血中グルコースについての診断手段として使用してもよい。例えば、図4を参照すると、血中グルコースのクリアランス速度及び代謝速度を求めるためのアルゴリズム40が示される。アルゴリズム40は、生理的食塩水又は他の水溶液に溶解された3つの蛍光性プローブ(A、B及びC1)の混合物が、血流の中に注入される処理工程42を含む。プローブA及びプローブBは、アルゴリズム20に関して上記で記載されたA及びBに類似する。プローブC1は、グルコースが左手キラリティーを有する(ラテン語でLevo−グルコース)、蛍光性のグルコースアナログ(L−グルコース)である。L−グルコースは甘味がなく、身体によって代謝されない。処理工程44において、(L−グルコースから得られる)グルコースのクリアランス速度k及び濾過抵抗ξが求められる。グルコースのクリアランス速度k及び濾過抵抗ξは、図3に関して上記で記載されたアルゴリズム30を使用することによって求めることができる。
処理工程44において、グルコース代謝速度が求められる。D−グルコース(Dextro−グルコース、これは右手のキラリティーを有する)については、身体はこのグルコースを代謝すると共に血液から除去(濾過)する。3つの蛍光性プローブ(A、B及びC2)の混合物において、C2が、グルコースが右手のキラリティーを有する、蛍光性のグルコースアナログ(例えば、2−NBDG[2−(N−(7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)アミノ)−2−デオキシグルコース]又は6−NBDGなどである)であるならば、時間の関数として測定される蛍光強度比であるRC2/A(t)=IC2(t)/I(t)を、下記の式に基づいて求めることできる。
Figure 0005033789
上式において、kは、濾過によるだけであるグルコース濾過速度であり、M(k,t)は、グルコース代謝の速度論を記述する関数であり、kはグルコース代謝速度である。kは、L−グルコースの蛍光性アナログを使用して処理工程42(上記)から知られる。グルコース代謝速度kは、グルコース代謝関数M(k,t)を近似することによって、処理工程44において求めてもよい。
あるいは、グルコース代謝速度を、蛍光性プローブの混合物(A、C1及びC2)の1回の注入を使用することによって求めることができる(ここで、Aは大きい方の蛍光性分子(70kDを超えるデキストラン)であり、C1はL−グルコースの蛍光性アナログであり、C2はD−グルコースの蛍光性アナログである)。その場合、グルコース代謝関数を下記の式に基づいて求めてもよい。
Figure 0005033789
更に、アルゴリズム10は、薬物のクリアランス速度及び/又は代謝速度を求めるために使用することができる。例えば、代謝性薬物及び非代謝性薬物の薬物動態学を、図3に関して上記で記載されたアルゴリズム30を使用して監視及び測定することができる。非代謝性の薬物(この場合には、薬物のクリアランス速度のみが考慮される)については、そのクリアランス速度k及び濾過抵抗ξを測定するために、アルゴリズム30に関して上記で記載された蛍光性プローブの混合物(A、B及びC1)のうちのC1が、この薬物化合物で置き換えられる。代謝性の薬物については、そのクリアランス速度及び代謝速度を求めるために、図4に関して上記で記載されたアルゴリズム40を、グルコースをそれぞれの薬物化合物で置き換えることによって使用してもよい。
腎臓の糸球体濾過率(GFR)、及び、所望されるならば、分子の分子濾過抵抗を決定することは、腎臓以外のクリアランス機構を明らかにすること(即ち、上記の式3のkの非腎臓クリアランス部分を明らかにすること)によって向上させてもよいことを理解しなければならない。加えて、そのような決定は、式5に関して上記で議論されたように、分布体積を平均値に基づくことによってではなく、むしろ、処置されている動物(例えば、ヒト患者)の分布体積Vを計算することによって向上されてもよい。そのために、腎臓の糸球体濾過率を求めるためのアルゴリズム50を、図5に例示されるように使用してもよい。
アルゴリズム50は、処理工程52において、生理的食塩水又は他の水溶液に溶解された2つの蛍光性プローブ(A及びB)の混合物が動物の血流の中に注入されることにより開始される。これらの蛍光性プローブは異なるサイズを有する。例えば、蛍光性プローブの一方(例えば、プローブA)は、70kDを超える分子量(MW)を有することができる(例えば、70kD又は500kDの蛍光標識されたデキストランなど)。プローブAからの蛍光シグナルが基準シグナルとして使用される。他方の蛍光性プローブ(プローブB)は、より小さい分子量を有し、体内で代謝されない。例えば、蛍光性プローブBは小さい蛍光性分子(例えば、フルオレセイン、カスケードブルー、蛍光標識されたイヌリン、又は、他の非毒性化合物など)であってもよい。
処理工程54において、注入されたプローブについての蛍光強度比が求められる。蛍光強度比は下記の式に従って求めることができる。
Figure 0005033789
上式において、I(t)及びI(t)はそれぞれ、時間の関数として測定された分子B及び分子Aの蛍光強度である。蛍光強度比は、最初の色素混合物注入からの時間の関数として、血流(1つ又は複数の血管)から測定される。蛍光強度比は、任意の好適な画像化分析装置を使用して求めることができる。例えば、1つの具体的な実施形態において、図6〜図9に例示され、また、図6〜図9に関して下記で記載される、装置100を使用してもよい。
あるいは、別の実施形態において、強度比は以下のようにして求めてもよい。まず最初に、2光子レーザー走査蛍光顕微鏡システム(例えば、Nikon Diaphot倒立顕微鏡(これはFryer Company Incorporated(Huntley, Illinois)から市販されている)及び外部検出器(例えば、440〜470nm、500〜550nm及び560〜650nmの検出器など)を備えるMRC-1024P顕微鏡(これはBio-Rad Laboratories(Heracules, CA)から市販されている)など)を使用して、腎臓の微小血管画像を作製する。続いて、任意の好適な画像化分析システムを使用して画像を分析し、蛍光強度比を求める。例えば、1つの具体的な実施形態において、Meta Imaging Series(Version 6)ソフトウエア(これはUniversal Imaging Corporation(West Chester、Pennsylvania)から市販されている)を使用して画像を分析し、蛍光強度比を求めてもよい。そのために、それぞれの検出チャンネル(即ち、それぞれの検出器)の閾値レベルを、色素注入の前に取られた画像からの、著しい自己蛍光を有しない画像の区域の平均ピクセル値に応じて、設定してもよい。その場合、目的とする領域からの強度比Rの平均ピクセル値を、分析のために、データ分析及びプロットのためのプログラム(例えば、PSI-PLOT(Version 6)(これはPoly Software International(Pearl River, New York)から市販されている)など)に転送してもよい。
蛍光強度比が求められると、総血漿クリアランス速度が処理工程56において求められる。式3に関して上記で議論されたように、糸球体濾過プロセスのみが存在するときには、減衰関数RB/A(t)は単項指数関数の時系列である。総血漿クリアランス速度は、この単項指数関数時系列の線形(又は非線形)最小二乗近似を行うことによって求めてもよい。例えば、下記の減衰関数Rvessel(t)を使用してもよい。
Figure 0005033789
上式において、Rvessel(t)は、異なる時点で取り出された所与の区域(即ち、所与の血管内腔領域)からの強度比の、平均ピクセル値であり、aは振幅又は指数関数項の係数であり、cは定数であり、tは時間であり、kは総血漿クリアランス速度である。上記で議論されたように、kの値を、非線形最小二乗近似を式11に対して行うことによって求めてもよい。
総血漿クリアランス速度kは、腎臓のクリアランス速度kと腎臓以外の(例えば、肝臓によって取り込まれる)クリアランス速度kの両方を含むことを理解しなければならない。そのため、クリアランス速度に基づいた計算(例えば、糸球体濾過率及び/又は分子濾過抵抗を求めることなど)の正確度を向上させるために、非腎臓クリアランス速度を、総血漿クリアランス速度から差し引いてもよいし、あるいはまた計算に入れてもよい。そのために、下記の式を使用することができる。
Figure 0005033789
Figure 0005033789
上式において、kは総血漿クリアランス速度であり、kは固有血漿クリアランス(即ち、腎臓クリアランス)の速度定数であり、kは、自由に濾過された分子の非特異的な組織分布(即ち、非腎臓クリアランス)の速度定数である。上記で議論されたように、kの値を、式11を使用して求めてもよいし、また、腎臓分析手法が行われている動物が非ヒト動物である実施形態では、非特異的な組織分布速度定数kの値を、二重の全腎摘出法によって求めてもよい。総血漿クリアランス速度kの値及び非特異的組織分布速度定数(即ち、非腎臓クリアランス速度)kの値は知られているので、固有血漿クリランスの速度定数(即ち、腎臓クリアランス速度)kの値を式13によって求めることができる。
あるいは、腎臓分析手法が行われている動物がヒト患者である実施形態では、腎臓クリアランス速度及び非腎臓クリアランス速度の両方を、個々の速度論的プロセスを計算に入れる多成分モデルを使用して求めてもよい。例えば、下記の式を使用することができる。
Figure 0005033789
上式において、RB/A(t)は強度比であり、a及びcは定数であり、tは時間であり、krenalは腎臓の血漿クリアランス速度定数であり、fは、腎臓クリアランスに含まれないすべての速度論的プロセス(例えば、プローブの分布、非特異的な組織吸収など)を含む関数であり、knon−renalは腎臓以外の血漿クリアランス速度定数である。これらのクリアランス速度(krenal及びknon−renal)を、多成分最小二乗近似法を式14に対して行うことによって求めることができる。数多くの異なる関数のうちのいずれか1つを、腎臓以外の血漿クリアランス速度論をモデル化するために使用してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、単項指数関数式を下記のように使用することができる。
Figure 0005033789
上式において、bは定数である。
腎臓及び腎臓以外のクリアランス速度を求めることの正確度を、複数の試験をヒト患者について行い、複数の総血漿クリアランスの軌跡または値を求め、続いて、複数の総血漿クリアランス軌跡の最小二乗近似を行うこと(即ち、全体的近似法を式14に対して行うこと)によって、向上させることができる。例えば、複数のクリアランス値又はクリアランス軌跡を、マーカー分子(例えば、分子A及び分子B)の様々な濃度比を使用して、複数の試験を行うことによって得ることができる。その場合、平均した非腎臓クリアランスであるknon−renalを、平均的なヒト患者について、複数の試験に基づいて統計学的に求めることができる。続いて、腎臓の血漿クリアランス速度定数であるkrenalを、下記の式に基づいて、マーカー分子(例えば、分子A及び分子B)の1回の注入を使用して直接に求めることができる。
Figure 0005033789
上式において、krenalは腎臓の血漿クリアランス速度定数であり、koverallは、複数のクリアランス軌跡を単項指数関数により近似することによって得られる、平均血漿クリアランス速度であり、kaverage non−renalは平均非腎臓クリアランス速度である。
処理工程60において、分布体積であるVが求められる。マーカープローブ又はマーカー分子の少なくとも1つ(例えば、プローブ/分子A)は比較的大きい(例えば、500kDの蛍光標識されたデキストランである)ので、この分子又はプローブは腎臓によって濾過されない。そのため、分布体積Vは、保存原理に従って下記のように表すことができる。
Figure 0005033789
上式において、Vは分布体積(即ち、血漿体積)であり、Vbeforeは、患者の体内に注入する前の大きいプローブ又は分子(例えば、大きいデキストランプローブ)の容量であり、[Clargebeforeは、患者の体内に注入する前の大きいプローブ又は分子の濃度であり、[Clargeplasmaは、平衡が得られた後での大きいプローブ又は分子の血漿中濃度である。大きい方のプローブ又は分子(例えば、プローブA)の蛍光強度Iはその濃度[Clarge]に比例しているので、分布体積(即ち、血漿体積)Vは下記のように求めることができる。
Figure 0005033789
上式において、Vは分布体積(即ち、血漿体積)であり、Vbeforeは、患者の体内に注入する前の大きいプローブ又は分子(例えば、大きいデキストランプローブ)の容量であり、[Ibeforeは、注入前に測定された大きいプローブ又は分子の総強度値であり、[Iplasmaは、注入後に測定された大きいプローブ又は分子の総強度値である。大きいプローブ又は分子の容量の値Vbeforeは知られており、また、[Iplasmaの値は、獲得された時系列画像から求めてもよいし、又は、血漿中濃度を安定化させるために所定の時間(例えば、10分)が経ってから採取された採血サンプルの、蛍光分光法測定を使用して求めてもよい。例えば、[Iplasmaの値を、3回〜5回又はそれ以上の時点での測定の平均値に基づいて求めてもよい。[Ibeforeの値を、[Iplasmaを求めるために使用されたのと同じ装置設定を使用して求めてもよい。
いくつかの実施形態において、分布体積(即ち、血漿の体積)Vを、上記の式18を使用するのではなく、むしろ、動物(例えば、ヒト患者)の体重に基づいて求めてもよい。即ち、動物の総血液体積を総体重の5.5%として推定してもよい。そして、総血漿体積Vを総血液体積の50%として推定してもよい。
図5には、処理工程56〜60が順に例示されているが、腎臓クリアランス速度及び分布体積は、互いに対して任意の順序で決定されてもよいし、共に同時に決定されてもよいことを理解しなければならない。例えば、いくつかの実施形態では、腎臓クリアランス速度の決定に先立って分布体積を求めることができる。他の実施形態では、腎臓クリアランス速度の決定と同時に分布体積を求めることができる。
腎臓クリアランス速度k(又はkRenal)及び分布体積Vが処理工程58及び処理工程60においてそれぞれ求められると、それらに基づいて、糸球体濾過率(GFR)を処理工程62において求めてもよい。そのために、下記の式を使用することができる。
Figure 0005033789
上式において、GFRは糸球体濾過率であり、kは固有血漿クリアランスの速度定数(即ち、腎臓クリアランス速度)であり、Vは分布体積である。上記で議論されたように、kの値は、式12〜式13、又は式14〜式16を使用して求めてもよいし、Vの値は、式17〜式18を使用して求めてもよいし、あるいは、上記で詳しく議論されたように推定してもよい。
糸球体濾過率に加えて、いくつかの実施形態では、分子濾過抵抗もまた、処理工程64において求めることができる。そのために、下記の式を使用することができる。
Figure 0005033789
上式において、ξは分子濾過抵抗であり、kPfは、固有血漿クリアランス速度(即ち、腎臓の固有血漿クリアランス速度)であり、kは、大きい分子又はプローブ(例えば、プローブA)の血漿クリアランス速度である。サイズが大きい分子は典型的には、糸球体濾過バリアを自由に通り抜けられないので、サイズが大きい分子の血液からのクリアランスには、自由に濾過される分子のクリアランスよりも長い時間がかかる。そのため、様々なサイズの大きい分子を使用することによって、分子濾過速度を使用して糸球体傷害の程度を求めることができる。より小さい分子(例えば、糸球体濾過バリアを通って自由に濾過され得る小ささのサイズを有する分子)の分子濾過抵抗は、軽微な糸球体損傷を有する腎臓と重篤な糸球体損傷を有する腎臓においては実質的に類似し得るので、そのようなより小さい分子は典型的には、分子濾過抵抗を求めるために使用されない。
他の実施形態において、大きい分子(例えば、20kDを超える分子)の分子濾過抵抗ξPLaregeを、下記の式を使用して求めることができる。
Figure 0005033789
上式において、ξPLaregeは大きい分子(例えば、プローブA)の分子濾過抵抗であり、ξFITC−inulinは、コントロール動物群から測定されたFITC−イヌリンの濾過抵抗値であり、[kAP(FITC−inulin)−kTP(FITC−inulin)]は、PAN処置後の所与の日においてネフローゼ動物から測定された、FITC−イヌリンの血漿クリアランス速度であり、[kAPLarge−kTPLarge]は、目的とする大きい分子(例えば、プローブA)のクリアランス速度定数である。分子濾過抵抗ξPLaregeの値は、測定された尿中タンパク質対クレアチニン比の対応する値と比較されてもよく、それによって、ξPLaregeと尿タンパク質分泌との間での相関、及び、ξPLarege値をタンパク尿の早期検出のために使用することの感度を求めることができることを理解しなければならない。上記の実施形態では、FITC−イヌリンがGFRマーカー(例えば、分子/プローブB)として使用されることを理解しなければならない。しかし他の実施形態では、他のタイプのGFRマーカー分子/プローブ(例えば、他の蛍光性マーカー分子又は非蛍光性マーカー分子など)を使用してもよい。そのような実施形態においては、上記で記載された式20を、分子濾過抵抗を求めるために使用することができる。
蛍光性プローブの混合物を、上記で記載された実施形態のいずれかに従って注入した後、多光子レーザー散乱蛍光顕微鏡を使用して測定を行ってもよい。顕微鏡観察による測定のための位置決めは、体表面の任意の部位で行ってもよく、例えば、血管の容易な観察が可能な、皮膚が比較的薄い唇の表面で行ってもよい。続いて、注入された蛍光性プローブのそれぞれの蛍光画像が取得される。血管領域からの平均強度値が計算され、時間の関数としてプロットされる。これらの蛍光性プローブの強度時系列が、対応するk、ξ及びGFRを近似して得るために使用される。
しかしながら、他のタイプの装置を、蛍光強度を動物の血流から測定するために使用してもよい。例えば、光干渉断層撮影法又は光子移動(拡散)原理を使用する装置などのような既存の装置を、そのような測定を行うために適合化してもよい。
次に図6を参照すると、動物に関連した生理学的データを求めるための装置100の1つの実施形態が示される。生理学的データは、診断目的(例えば、腎臓診断など)、試験、薬物研究及び薬物開発などを含めて、数多くの分析目的のために使用することができる。装置100は、光シグナルを使用して、腎臓機能ならびに他の生理学的機能の非浸襲的測定を可能にする。装置100は測定ヘッド102及び制御部ユニット120を含む。制御部ユニット120は、下記の図9に関して例示され、記載される。測定ヘッド102は例示的には、ヒトの手の指先端からのシグナルを測定するために設計される。しかしながら、他の実施形態においては、ヒト患者及び/又は動物の他の身体部分からのシグナル(例えば、足指、耳、手首などからのシグナルを含む)を測定できるように測定ヘッド102を構成してもよい。
測定ヘッド102は、H1〜H4として示される複数の指収容部104を含む。指収容部は、ヒトの手に由来する指の解剖学的構造と一致するように構成され、円筒状の開口部として具体化してもよい。例えば、図7において例示されるように、指収容部104のそれぞれが、ヒトの手の指がわずかに離れるときの指の角度と一致するように、垂直軸に関して所定の角度で広がる。測定ヘッド102は、周囲の光がヘッド102を通り抜けることを制限する材料から作製される。測定ヘッド102は、制御部ユニットの複数の光源(L1〜L4)のそれぞれにつながれた、複数の光源用光ファイバー(E1a〜E4a)を含む(図9を参照のこと)。光源用光ファイバー(E1a〜E4a)により、照射光が指先端の手の平側に送達される。測定ヘッド102は、光源用光ファイバー(E1a〜E4a)により生じた光シグナルを集める複数の受光部光ファイバー(E1〜E4)を含む。受光部光ファイバー(E1〜E4)により、指先端の反対側(即ち、指爪のある側)からの光シグナルが集められる。光ファイバー(E1a〜E4a及びE1〜E4)と指先端との間での接触を、照射及び光シグナル検出を良好な接触によって保証できるように調節することができる。このことは、指の位置を直接に調節することによって達成してもよい。加えて、光ファイバーと指の爪との間での接触を、非蛍光性のカップリング潤滑剤(例えば、スクロースゲルなど)を使用することによって向上させてもよい。
次に図8を参照すると、代わりの実施形態において、装置100は、複数のLED(発光ダイオード)114(L1a〜L4a)を光源として有する測定ヘッド110を含む。光源(L1a〜L4a)は、動物(例えば、ヒト患者)の指が指収容部112の中に入れられると、指先端の手の平側と接触するか、又は、ほぼ接触する。測定ヘッド102と同様に、測定ヘッド110は、光源(L1a〜L4a)からの照射(励起)によって指先端から生じた光シグナルをそれぞれ集めるための、複数の受光部光ファイバー(E1〜E4)を含む。受光部光ファイバーは、光源から指先端の反対側(即ち、指爪のある側)に配置される。LEDの強度を、デジタル・アナログ変換器(D/A変換器)を介して、制御部120によって制御してもよい。光源(L1a〜L4a)が測定ヘッド110内に位置するので、照射光の損失が減少する。
装置100はまた制御部ユニット120を含む。制御部ユニット120により、生理学的診断が光子計数によって求められる。光子計数は、典型的には、高感度なシグナル検出を要求する適用において使用される。この例示的な実施形態では、図9において例示されるように、制御部ユニット120は光学部122及び制御部124を含む。いくつかの実施形態において、光学部122及び制御部124は1つの持ち運び可能なユニットに一体化される。他の実施形態において、光学部122が持ち運び可能なユニットに一体化され、制御部124がパーソナルコンピューターに含められる。制御部124は、別個のハードウエアデバイスとして、別個のソフトウエアアルゴリズムとして、又は、ハードウエアデバイス及びソフトウエアアルゴリズムの組合せとして、パーソナルコンピューターに含められてもよいことを理解しなければならない。
測定ヘッド102を含む実施形態において、制御部ユニット120の光学部122は、複数の光源125(L1〜L4)(例えば、LEDなど)を含む。これらの光源125は、同じ波長又は異なる波長で光を放つ。光ファイバーが、LEDにつながれて、光を測定ヘッド102に送達する。光学部122はまた、複数の検出器126(D1〜D4)を含む。これらの検出器は、蛍光及び他の光シグナルの検出のために、光電子増倍管、フォトダイオード、CCD、又は、蛍光及び他の光シグナルを検出することができる他のデバイスとして具体化することができる。光シグナルは、測定ヘッド102を制御部ユニット120につなぐ光ファイバーを介して、検出器に送達される。加えて、光学部122は複数の光学フィルター128(F1〜F4)を含む。光学フィルター128は、ノイズ及び望まれないシグナルを拒絶又は濾波することによって光シグナルを濾波する。制御部ユニット120はまた、検出器126から受け取ったアナログシグナルを増幅する複数の増幅器130(A1〜A4)を含む。制御部ユニット120は、単光子パルスを識別し、単光子パルスからの出力シグナルを生じさせる、複数の弁別器132(B1〜B4)を含む。例示的には、出力シグナルはTTL(トランジスター・トランジスタロジック)シグナル(いわゆるデジタルシグナル)である。しかしながら、他の実施形態においては、弁別器132は他のタイプの出力シグナルを生じさせてもよいことを理解しなければならない。
弁別器132によって生じたTTLシグナルは複数の通信リンク134によって制御部124に伝送される。通信リンク134は、個別配線又はPCBトレースなどのような、任意のタイプの通信リンクとして具体化することができる。加えて、他の実施形態では、通信リンク134は、任意の好適な無線通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)など)を使用する無線通信リンクとして具体化することができる。出力シグナルが制御部124によって受け取られると、出力シグナルはパルス計数回路136によって処理され、ユーザーインターフェース138(例えば、コンピュータースクリーン又は制御部ユニットにおけるディスプレーパネル)による表示のために更に処理される。制御部124はまた、デジタル・アナログ変換器(DAC)140を含む。DAC140は、LEDの電圧レベルを調節することにより、照射強度を制御するために使用してもよい。測定ヘッド110が使用される実施形態では、光源(L1a〜L4a)が、光学部122ではなく、むしろ、測定ヘッド110の内部に位置することに注目しなければならない。そのため、光源(L1a〜L4a)は、複数の電気的な相互接続(例えば、個別配線など)によってDACブロック140に直接につながれる。この例示的な実施形態では、4つの光源又は光源用光ファイバー及び関連した受光部光ファイバーが含まれるだけであるが、他の実施形態では、任意の数の光源/光源用光ファイバー及び関連した受光部光ファイバーが含まれてもよいこともまた理解しなければならない。
代わりの実施形態において、デジタルシグナル取得及び処理デバイスは、アナログシグナル取得デバイス及びアナログシグナル処理デバイスで置き換えることができる。例えば、弁別器132を除くか、又はアナログ増幅器で置き換えてもよいし、また、パルス計数電子回路136をアナログ・デジタル変換回路で置き換えてもよい。この例示的な実施形態では、4つの光源又は光源用光ファイバー及び関連した受光部光ファイバーが含まれるだけであるが、他の実施形態では、任意の数の光源/光源用光ファイバー及び関連した受光部光ファイバーが含まれてもよいこともまた理解しなければならない。
光源(L1a〜L4a及びL1〜L4)は、LED、ダイオードレーザー、キセノンランプ、適切なフィルターを備えたアーク灯、又は、診断測定において使用可能な他のタイプ光源として具体化することができる。使用される照射波長は、利用可能な蛍光性プローブに従って選択される。FITCタグ化分子については、488nm前後の照射が分子の励起のために使用される。500nm〜550nmの光を透過させることを可能にする、遮断フィルター(488nmの励起光を遮断する)及び帯域透過フィルターの組合せを、FITCの蛍光を検出するために使用される、対応する検出器の前方に設置することができる。散乱シグナルを使用する実施形態においては、検出器の前方にあるフィルターは、照射光を透過させてもよい。光源、フィルター、蛍光性プローブ及び検出器についての構成の例が下記において表1に示される。
〔表1〕
Figure 0005033789
従って、装置100は、生理学的診断を求めるための数多くの適用において使用されてもよいことを理解しなければならない。例えば、装置100は、腎臓機能の診断のために糸球体濾過率(GFR)を求めるために、タンパク尿及び/又は他の疾患の診断のためにタンパク質濾過抵抗を求めるために、血中グルコースクリアランス速度及び/又はグルコース代謝速度を求めるために、かつ/あるいは、薬物クリアランス速度及び/又は薬物代謝速度を求めるために、使用することができる。いくつかの実施形態において、装置100は、1つだけ又は限られた数の照射チャンネル及びそれぞれの検出チャンネルを、特定の適用(例えば、1つの蛍光性プローブを使用するGFR測定)のために有してもよいことを理解しなければならない。
本開示は図面及び前記の記述において例示され、また、詳しく記載されているが、そのような例示及び記述は、特徴において限定的ではなく、例示的であるとして見なされるものとし、従って、例示的な実施形態のみが示され、また、記載されていること、また、本開示の精神に含まれるすべての変化及び改変が保護されることが望まれることが理解される。
本開示の複数の利点が、本明細書中に記載された方法及び装置の様々な特徴から生じる。本開示の方法及び装置の代替的な実施形態では、記載された特徴のすべてを含んでいなくてもよく、それでも依然として、そのような特徴の利点の少なくともいくつかから利益を受け得ることは注目される。当業者は、本発明の特徴の1つ又は複数を取り込み、かつ、添付された請求項によって規定されるような、本開示の精神及び範囲に含まれる方法及び装置について、当業者自身による実施を容易に考案することができる。
腎臓診断を求めるためのアルゴリズムの処理フロー図である。 腎臓の糸球体濾過率を求めるための、図1のアルゴリズムの1つの実施形態の処理フロー図である。 タンパク質濾過抵抗を求めるための、図1のアルゴリズムの1つの実施形態の処理フロー図である。 血中グルコースのクリアランス速度及び代謝速度を求めるための、図1のアルゴリズムの1つの実施形態の処理フロー図である。 計算された分布体積を使用して腎臓の糸球体濾過率を求めるための、アルゴリズムの1つの実施形態の処理フロー図である。 生理学的診断を求めるための装置の測定ヘッドの透視図である。 図6の測定ヘッドの平面図である。 図6の測定ヘッドの代替実施形態の透視図である。 図6又は図8の測定ヘッドとともに使用される、生理学的診断を求めるための装置の制御ユニットの概略図である。

Claims (18)

  1. 動物中の臓器による第1の分子の身体区画クリアランスの速度定数(k)を求める方法であって、
    身体区画において、前記第1の分子が前記臓器によって前記身体区画から除去される速度よりも低い速度で、前記臓器によって前記身体区画から除去される第2の分子に対する、前記第1の分子の分子比(R/R)の時系列((R/R(t))を得るために、前記分子比(R/R)をある長さの時間にわたって求める工程であって、前記分子比(R/R)は、下記の式:
    RB/RA = IB/IA
    (式中、Iは身体区画中の第1の分子のレベルであり、Iは身体区画中の第2の分子のレベルである)
    を用いて求められる工程、及び、
    下記の式:
    (RB/RA)(t) = c + a * exp(-kt)
    (式中、cは定数であり、aは前指数係数であり、tは時間である)
    を用いて身体区画クリアランスの速度定数(k)を求めるために、分子比の時系列((R/R(t))の最小二乗近似を行う工程
    を含む方法。
  2. 前記身体区画が前記動物の血管系であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記臓器が、腎臓,肝臓,肺,脾臓,膵臓,脳,心臓,筋,及び腸から成るグループから選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記臓器の身体区画クリアランスが、濾過,再吸収,浸透,代謝,及び能動的分泌の少なくとも一つによることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1の分子のレベルが、前記第1の分子によって生じたシグナルの強度に基づいて求められ、前記第2の分子のレベルが、前記第2の分子によって生じたシグナルの強度に基づいて求められることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第1の分子によって生じたシグナルが、前記第2の分子によって生じたシグナルとは異なるタイプのシグナルであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第1の分子によって生じたシグナルと前記第2の分子によって生じたシグナルが、蛍光,入射光からの散乱シグナル,蛍光寿命の割合,吸収,及び偏光から成るグループから選ばれることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  8. 前記第1の分子の前記第2の分子に対する分子比(R/R)が、前記第1の分子と前記第2の分子の一般化極性(GP)によって置き換えられ、前記一般化極性(GP)は、下記の式:
    GP = (IA - IB)/(IA + IB)
    および
    GP = (IB - IA)/(IA + IB)
    (式中、Iは血液中の第2の分子のレベルであり、Iは血液中の第1の分子のレベルである)
    から成るグループから選ばれる式によって求められることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 前記臓器の糸球体濾過率(GFR)を、下記の式:
    GFR = (k * Vplasma) / ξ
    (式中、Vplasmaは前記動物の総血漿体積であり、ξは前記第1の分子の分子濾過抵抗である)
    を用いて求める工程をさらに含み、前記臓器は腎臓であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  10. 前記第1の分子の分子濾過抵抗が、約1の値を有することを特徴とする、請求項に記載の方法。
  11. 前記第2の分子が、70kDを越える分子量を有する蛍光標識分子であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第2の分子が、前記第1の分子よりも大きい分子量を有することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  13. 動物中の分子の分子濾過抵抗(ξ)を求める方法であって、
    請求項10に記載の方法によって、前記動物の糸球体濾過率(GFR)を求める工程、
    請求項1に記載の方法によって、前記動物の身体区画クリアランス(k)の速度定数を求める工程であって、前記分子は前記第1の分子である工程、及び、
    下記の式:
    ξ = (k2 * Vplasma)/GFR
    (式中、Vplasmaは動物の総血漿体積である)
    を用いて、前記分子の分子濾過抵抗(ξ)を求める工程、
    を含む方法。
  14. 前記分子がタンパク質であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  15. 動物中の試験分子の代謝速度を求める方法であって、
    請求項1に記載の方法によって、前記動物の血管に投与された、臓器によって代謝されない第1の分子の身体区画クリアランスの速度定数(k)を求める工程、
    前記動物の血管に投与された試験分子の前記動物の血管に投与された第2の分子に対する分子比(RC/A)の時系列((RC/A(t))を得るために、ある長さの時間にわたって前記試験分子の前記第2の分子に対する分子比を求める工程、及び、
    下記の式:
    (RC/A)(t) = c + a * exp(-k1t) + M(km,t)
    (式中、cは定数であり、kは第1の分子のクリアランスの速度定数であり、aは前指数係数であり、tは時間である)
    に従って試験分子の代謝関数(M(km,t))を求めるために、前記試験分子の前記第2の分子に対する分子比の時系列((RC/A(t))の最小二乗近似を行う工程、
    を含む方法。
  16. 代謝関数(M(km,t))が、下記の式:
    M(km,t) = (RC/A)(t) - (RB/A)(t) = (IC(t) - IB(t))/IA(t)
    (式中、(RC/A(t)前記試験分子の前記第2の分子に対する分子比の時系列であり、(RB/A(t)前記第1の分子の前記第2の分子に対する分子比の時系列であり、IC(t)は血液中の前記試験分子のレベルの時系列であり、IB(t)は血液中の前記第1の分子のレベルの時系列であり、IA(t)は血液中の前記第2の分子のレベルの時系列である)
    に従って求められることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 前記試験分子が、D−グルコースの代謝性アナログであって、且つ、前記代謝速度が、D−グルコースの代謝速度であることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  18. 前記D−グルコースの代謝性アナログが、[2−(N−(7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)アミノ)−2−デオキシグルコース](2−NBDG)、または[6−(N−(7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)アミノ)−2−デオキシグルコース](6−NBDG)であることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
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