JP4463404B2 - 光測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を用いた生体の測定方法及び測定装置に関し、生体の成分の経時的変化よって被検査臓器を診断する装置に医療分野に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
光を用いて無侵襲的に酸化状態の異なるヘモグロビン(オキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビン)を分離測定し、生体注の血液中にあるヘモグロビンのオキシ状態とデオキシ状態の程度を評価するヘモグロビン系の測定方法や測定装置が知れている。
【0003】
また、生体内臓器を検査する方法として、インドシアニングリーン(ICG)等の光造影剤を用いた測定方法が知られている。インドシアニングリーン(以下ICGという)は、肝臓の機能を測定するために、静脈注射剤として古くから承認されている安全な色素である。このICGを静脈注射で体内に注入すると、血液中のICG濃度は瞬間的に上昇した後、肝臓に取り込まれることによって漸減していく。そこで、経時的に血液を採取してICG濃度を測定していくことで、ICG濃度が減少する速さから肝機能を評価することができる。
また、ICG濃度の測定を血液の採取に代えて、光を送受光するプローブを指などに取付け、血液中のICGの減少率を非侵襲的に測定することも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
肝臓等の生体内の臓器を非侵襲的に測定するとして、前記したように生体にICG等の光造影剤を注入し、光を用いて血液中の光造影剤の濃度変化を測定する方法が知れているが、測定データは例えば肝臓に取り込まれることで血液中から取り除かれたICGの濃度であって肝機能の一側面を示す間接的なデータに過ぎず、血液中の挙動だけでは知ることができない胆管閉塞等の臓器自体の状態を直接に測定することができないという問題がある。
強いて言えば、臓器自体の状態を測定する方法として放射性同位元素を用いるシンチグラムが知られているが、この方法は非常に大掛かりな装置を要し、また生体に対する影響も考慮する必要があるなど、容易にかつ複数回実施できるものとは言えない。
【0005】
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、生体中の臓器を非侵襲的に直接測定することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、生体内の臓器に光を直接照射し、臓器内及び臓器外に存在するICG等の光造影剤を非侵襲的に定量することによって、生体中の臓器を非侵襲で直接に測定することができ、ヘモグロビン等の血液中成分の挙動では知ることができない臓器自体の挙動を検出し、評価することができる。
【0007】
本発明の第1の態様は生体内の光造影剤に基づく信号を光を用いて取出すものである。
第1の態様による光測定方法は、照射光によって生体から放出される光を測定する光測定方法において、生体外部から体組織を通して被検査臓器に対して光を送受光し、受光した光測定信号から生体内の光造影剤に基づく信号を取り出し、取出した信号によって被検査臓器の光造影剤に対する応答を測定する。また、第1の態様による光測定装置は、照射光によって生体から放出される光を測定する測定装置において、生体に光を照射する送光プローブ及び生体から放出される光を受光する受光プローブと、受光プローブで受光した光測定信号から生体内の光造影剤による信号を抽出する信号抽出手段と、抽出した信号によって被検査臓器の光造影剤に対する応答を測定する信号処理手段とを備える構成とする。
【0008】
光造影剤は、例えばインドシアニングリーン(ICG)等の生体に対して安全な色素を用いることができる。生体内に注入された光造影剤は、臓器内において、通過、蓄積、排泄あるいは分解等の種々の経過を経る。この光造影剤の応答は、臓器の種類、臓器の個体差等で異なり、また臓器内の部位において異なる応答を示しているため、臓器診断に好適な判断資料となる。
生体内の被検査臓器に光を送るには、生体に送光プローブを接して生体外部から生体組織を通して被検査臓器に光を送る。被検査臓器から放出される光は、被検査臓器にある光造影剤によって吸収されて光量は減少する。この光の吸収の程度は光造影剤の濃度を反映しており、生体に接して設けた受光プローブで受光した光測定信号からの被検査臓器内の光造影剤の濃度を用いことができる。
【0009】
信号抽出手段は、光測定信号から生体内の光造影剤による信号を抽出する。この信号抽出は、光造影剤に特有の波長の信号を抽出することによって行うことができる。信号処理手段は、信号抽出手段で抽出した信号を用いて、光造影剤に基づく波長成分信号の経時変化や減少率を被検査臓器の内外で比較し、数値又はグラフ表示、あるいは画像表示する。測定値の経時変化を観察することによって、例えば、肝臓による取り込みの時間的経過等の臓器機能の経過を知ることができる。なお、画像表示する場合には、複数の送光プローブ及び受光プローブによって複数の測定点での測定データを用いる。
【0010】
光造影剤の吸収スペクトルと血液中のヘモグロビン等の成分の吸収スペクトルと重なる場合には、一波長による測定では光造影剤に基づく信号を抽出することが困難である。そこで、本発明の第2の態様は、複数の波長を用いることによって、生体内の光造影剤に基づく波長成分信号と血液中成分に基づく波長成分信号とを分離し、光造影剤に基づく波長成分信号を抽出する。
第2の態様による光測定方法は、照射光によって生体から放出される光を測定する光測定方法において、生体外部から体組織を通して被検査臓器に対して複数波長の光を送受光し、受光した複数波長の光測定信号中から生体内の光造影剤に基づく波長成分信号を血液中成分に基づく波長成分信号から分離して抽出し、光造影剤に基づく波長成分信号によって被検査臓器の光造影剤に対する応答を測定する。
【0011】
また、第2の態様による光測定装置は、照射光によって生体から放出される光を測定する測定装置において、生体に複数波長の光を照射する送光プローブ及び生体から放出される複数波長の光を受光する受光プローブと、受光した複数波長の光測定信号中から生体内の光造影剤に基づく波長成分信号を血液中成分に基づく波長成分信号から分離して抽出する信号抽出手段と、光造影剤に基づく波長成分信号によって被検査臓器の光造影剤に対する応答を測定する信号処理手段とを備える構成とする。
【0012】
信号抽出手段は、例えば、複数波長の測定データを含む連立方程式を解くことによって光造影剤に基づく波長成分信号を得ることができる。また、同じ連立方程式を解くことによって、オキシヘモグロビンやデオキシヘモグロビン等の血液中成分に基づく波長成分信号を得ることもできる。
光造影剤をオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンから分離する場合には、光造影剤の吸収ピークの波長と、オキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンの吸収ピークの波長の少なくとも3つの異なる波長を用いる。なお、この場合、用いる波長数は3波長に限るものではなく、3波長以上の多数波長を用いることもできる。
【0013】
前記した第1の態様は、第2の態様において、光造影剤の吸収ピークの波長におけるオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンの吸収量が光造影剤の吸収量と比較して十分に少なく、ほぼ光造影剤の吸収量として扱える場合を示している。
なお、第2の態様は第1の態様の作用についても同様に適用することができる。
【0014】
したがって、本発明は、生体内の臓器に集まる光造影剤等の色素が生体にあること、あるいは注入することを前提とし、その臓器を非侵襲的に直接測定することで、ヘモグロビンによる情報で得られない臓器情報を得ることができ、この臓器情報によって臓器診断に寄与することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の光測定方法を実現する光測定装置の一形態の概略構成図である。図1において、光測定装置1は、複数波長(波長λ1,波長λ2,波長λ3)を発光する複数の光源2(2a,2b,2c)と、光源2からの光を送光する光ファイバー等の導光体3,5と、受光した光を検出して測定信号に変換する検出器7(7a,7b、7c)と、検出器7に光を送る光ファイバー等の導光体6と、検出器7からの検出信号を信号増幅する増幅器8(8a,8b,8c)と、増幅器8から送られる複数の信号から適当な信号を選択する信号選択手段9と、選択信号を吸光度信号に変換する吸光度変換手段10と、求めた複数種の吸光度信号から被検査臓器に関わる吸光度信号を抽出する信号抽出手段11と、抽出した吸光度信号を用いて経時変化等をグラフ化するグラフ化手段12と、抽出した吸光度信号を画像化する画像化手段13と、抽出した吸光度信号を用いて経時変化や生体内における部位間の比較等を行う比較処理手段14と、グラフ化手段12,画像化手段13、及び比較処理手段14の処理結果を表示する表示手段15を備える。
【0016】
光源2、導光体3,5,6、及び検出器7は、生体である被検体Aの特定の被検査臓器Bに複数波長の光を送光し、該被検査臓器Bで吸収されて放出された光を受光し検出するための構成である。被検査臓器Bには、生体にインドシアニングリーン(ICG)等の光造影剤を静脈注射することによって注入し、被検査臓器B内の光造影剤の分布状態や濃度を求めることによって、被検査臓器の臓器情報を求める。
【0017】
光源2は、光造影剤とオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンとを区別して測定するために、少なくとも3波長(波長λ1,波長λ2,波長λ3)を備える。これら3波長は、例えば、光造影剤の吸収ピークの波長(インドシアニングリーンの場合には800nm付近)、オキシヘモグロビンの吸収ピークの波長(例えば、828nm)及びデオキシヘモグロビン(例えば、776nm)とすることができる。なお、上記各波長は、必ずしも各吸収ピークの波長に対応しているわけではなく、素子として使用されるレーザー光源の発光波長によるものである。3波長は、光造影剤の吸収ピーク付近の波長と、この吸収ピークから分離して検出可能な波長であってオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンを光造影剤から分離することができる2波長であればよい。
【0018】
図2は、ICGとオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンの吸収係数を示している。図示するように、ICGは、おおよそ800nm付近に吸収ピークがあり、デオキシヘモグロビンはおおよそ760nm付近に吸収ピークがあり、オキシヘモグロビンはおおよそ900nm以降に吸収ピークがある。そこで、例えば、入手できるレーザー光源の一例として、776nm、804nm、828nmを用いることができる。なお、この波長は一例であって、この波長に限られるものではなく、800nm付近で適度に波長が離れた3波長であればよい。
【0019】
導光体3は各波長に対応して設けられ、光接続部4によって1本の導光体5にまとめられる。導光体5の端部は被検査臓器Bに接して配置される。被検査臓器Bに対して、複数の送光点から送光し複数の受光点から受光するために、導光体5及び導光体6(図中の破線)は複数本用意される。各導光体5及び導光体6は、それぞれ送光チャンネル及び受光チャンネルを構成する。なお、導光体5と導光体6の本数は同数である必要はなく任意の本数とすることができる。
【0020】
図1は、それぞれ3チャンネルの例を示している。各送光チャンネルにおいて、導光体5の端部を被検体Aの被検査臓器Bの近くの部位に接して配置し、光源2からの3波長を照射する。図1に示す3チャンネルの場合では、3個所から生体に照射する。また、各受光チャンネルにおいて、導光体6の端部を被検体Aの被検査臓器Bの近くの部位に接して配置する。導光体5から照射された光は、臓器のある部分や臓器のない部分、あるいは両部分の中間の部分で拡散反射され、導光体6の端部に到達する。
【0021】
被検査臓器Bから得られる信号数は、導光体5による送光点の個数と導光体6による受光点の個数の積で定まり、例えば、送光点数が3個で受光点数が3個の場合には9個(3個×3個)の信号数を得ることができ、送光点及び受光点の配置で定まる領域内の情報を求めることができる。なお、送光点と受光点の全組み合わせを用いることも、光の到達が不十分な不要な組み合わせについては使用を除外することもできる。この使用する信号の選択は、信号選択手段9で行うことができる。信号選択手段9は、例えば、テーブル形式で使用あるいは不使用の送受光点の組み合わせを変更可能に設定しておき、このテーブルによって、検出される複数の信号から設定した信号のみを取り出すことができる。
【0022】
なお、各送光チャンネル及び受光チャンネルでは、各導光体毎に3波長分の信号を含んでいるため、実際の信号数は送光点と受光点を掛けた数の3倍となり、送受光が各3チャンネルの場合には27(=3×3×3)個の信号数となる。
吸光度変換手段は、検出信号を吸光度に変換する。これは、生体に光を透過させて行う光測定は、通常吸光度を用いて信号処理を行うためで、必ずしも吸光度によって信号処理を行う必要はない。なお、以下では吸光度に変換し処理について説明する。また、この吸光度変換において、散乱補正を行うこともできる。
【0023】
次に、信号抽出手段11によって、光造影剤に基づく波長成分信号(以下、ICG信号という)を抽出する。吸光度変換では、各波長(ここでは3波長)の検出信号は、ある基準時刻からの吸光度変化(ΔA1,ΔA2,ΔA3)に変換される。
【0024】
ここで、波長λ1の吸光度変化ΔA1を、ICGの変化量ΔICG、オキシヘモグロビンの変化量ΔoxyHb、及びデオキシヘモグロビンの変化量ΔdeoxyHbの一次近似で表すと以下の一次式となる。
ΔA1=K1・ΔoxyHb+K2・ΔdeoxyHb+K3・ΔICG …(1)
同様に、波長λ2,波長λ3の吸光度変化ΔA2,Δ3もICGの変化量ΔICG、オキシヘモグロビンの変化量ΔoxyHb、及びデオキシヘモグロビンの変化量ΔdeoxyHbの一次近似で表すと、波長λ2,λ3の吸光度変化ΔA2,ΔA3は以下の式で表すことができる。
ΔA2=K4・ΔoxyHb+K5・ΔdeoxyHb+K6・ΔICG …(2)
ΔA3=K7・ΔoxyHb+K8・ΔdeoxyHb+K9・ΔICG+ …(3)
なお、K1〜K9は係数である。
【0025】
上記係数K1〜K9は、図2のスペクトルの各波長における吸収係数から求めることができ、以下の表1に示す吸光度表で表す値となる。
【0026】
【表1】
Figure 0004463404
【0027】
なお、上記吸光度表の単位は、oxyHb及びdeoxyHbはAbs/mM、ICGはAbs/(mg/L)である。
【0028】
上記式(1)〜式(3)の連立方程式を、各ICGの変化量ΔICG、オキシヘモグロビンの変化量ΔoxyHb、及びデオキシヘモグロビンの変化量ΔdeoxyHbについて解くと、
以下の式(4)〜式(6)の連立方程式となる。
【0029】
Figure 0004463404
なお、式(4)〜式(6)中の係数[K(ICG)-1]〜[K(deoxy)-3]は、式(1)〜式(3)の連立方程式を行列式で表したときの、逆行列によって求めることができ、以下の表2で示す係数表で表すことができる。
【0030】
【表2】
Figure 0004463404
【0031】
また、以下の表3に示す係数表は、表1に示す数値例で解いた例を示している。
【0032】
【表3】
Figure 0004463404
【0033】
なお、上記連立方程式は、直線近似による場合であり、より一般的には以下関数fによる曲線で表され、曲線が関数表示される場合には演算で求めることができ、また、検量線によっても求めることができる。
【0034】
ΔICG=f1(ΔA1,ΔA2,ΔA3) …(7)
ΔoxyHb=f2(ΔA1,ΔA2,ΔA3) …(8)
ΔdeoxyHb=f3(ΔA1,ΔA2,ΔA3) …(9)
図3は、上記式(4)〜(6)を解いた得た実測例であり、2つのチャンネル例について示している。ICGの静注に伴って3波長の吸光度は上昇するが、図3の実測例に示すように、ICG信号だけが急上昇し、oxyHb信号はほとんど変化がないことが観察される。したがって、直線近似の式を用いた場合であって、ヘモグロビン信号が吸光度の急上昇による影響を受けることなく、ICG信号を的確に抽出することができることが確認される。
なお、多量のICGを静注した場合には、吸光度の上昇幅が小さくなり、直線近似からのずれが大きくなるおそれがあるが、この場合には式(7)〜(9)の一般式や検量線を用いることによって求めることができる。
【0035】
グラフ化手段12は、信号抽出手段11で求めた各チャンネルの抽出信号をグラフ化し、表示手段15に表示する。図4は、肝臓付近の16個所のICG変化をグラフ化した図である。なお、この例では、送光チャンネル数を6、受光チャンネル数を6とし、可能な36個の信号の内から16個を選択した場合を示している。
チャンネル1中の矢印の位置がICGを静注した時点を示している。静注後の変化は部位によって異なり、例えば、チャンネル1、チャンネル5などのように単調減少する部分と、チャンネル3、チャンネル7、チャンネル11などのように増加した後、しばらく高い濃度に保たれた後徐々に減少する部分等が観察されるなど、肝臓に対する観察位置や、肝臓の働きの程度に応じた変化を観察し把握することができる。
【0036】
画像化手段13は、送光点と受光点の組み合わせで定まる測定部位の位置情報に基づいて、被検査臓器における光造影剤(ICG)の分布及びその変化を求め、表示手段15に表示することができる。
図5は一画像例を示している。図5中の時刻▲1▼〜時刻▲4▼は、図4中のチャンネル1を拡大表示した図6中の各時刻▲1▼〜時刻▲4▼に対応している。時刻▲1▼は静注後10秒であり、時刻▲2▼は静注後1.5分であり、時刻▲3▼は静注後約12分であり、時刻▲4▼は静注後約18分である。
図5の画像例において、静注後10秒の時刻▲1▼を基準時刻とし、その後の変化を示している。時刻▲2▼〜時刻▲4▼において、各画像中の左方はICG濃度が減少する傾向を示し、右方はICG濃度が増加する傾向を示している。なお、ICG濃度が増加している部分は肝臓の直上の部位である。この画像変化から、肝臓の直上の部位ではICG濃度が増加し、肝臓から遠い部位ではICG濃度が単調に減少することが観察される。
【0037】
比較処理手段12は、光造影剤に基づく波長成分信号の経時変化又は減少率を被検査臓器内外で比較する。図7は比較処理手段が行う比較処理の一例を説明するための図である。比較処理の一例として変化量や減少率を用いることができる。変化量は、例えば、基準時間(例えば、ICGの静注時点や静注時から所定時間経過時点)での信号値と、該基準時間から所定時間経過後の時点における信号値との差とすることができる。例えば、図7において、チャンネル1の変化量a1は負の変化を示し、チャンネル2の変化量a2は正の変化を示しており、変化の正負とその変化量によって比較することができる。
【0038】
また、減少率は、基準時間から所定時間経過後の時点における信号の減少率とすることができる。例えば、図7において、チャンネル1の減少率b1(矢印で示している)は、チャンネル1の減少率b2(矢印で示している)よりも大きな減少率を示し、減少率の正負とその大きさによって比較することができる。
この変化量及び減少率は、数値として測定部位毎に比較して表示することも、あるいは、画像化して表示することもできる。
【0039】
本発明の実施形態によれば、生体中の臓器について、ヘモグロビン情報等の血液中の挙動では知ることができない臓器情報を非侵襲的に直接測定することができ、例えば、胆管閉塞等の臓器診断に適用することができる。
また、光を用いる非侵襲測定であるため、複数回の測定が可能となり、臓器機能や診療効果の時間的な変化を知ることができる。
以上では、光造影剤という名称を使用しているが、生体内物質以外を指示しているのではなく、生体内物質の状態を変化させた物を含む。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光測定装置及び光測定方法によれば、生体中の臓器を非侵襲的に直接測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光測定方法を実現する光測定装置の一形態の概略構成図である。
【図2】ICGとオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンの吸収係数を示す図である。
【図3】本発明の光測定による実測例を示すグラフである。
【図4】本発明の光測定による肝臓付近の16個所のICG変化をグラフ化した図である。
【図5】本発明の光測定による画像例である。
【図6】図4を拡大表示したグラフである。
【図7】本発明の比較処理手段が行う比較処理の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…光測定装置、2…光源、3,5,6…導光体、4…光接続部、7…検出器、8…増幅器、9…信号選択手段、10…吸光度変換手段、11…信号抽出手段、12…グラフ化手段、13…画像化手段、14…比較処理手段、15…表示手段。

Claims (4)

  1. 照射光によって生体から放出される光を測定する測定装置において、生体に光造影剤、オキシヘモグロビン、デオキシヘモグロビンに対応する少なくとも3波長を含む複数波長の光を照射する複数の送光プローブ及び生体から放出される複数波長の光を受光する複数の受光プローブと、
    受光した複数波長の光測定信号中から生体内の光造影剤に基づく波長成分信号を血液中成分に基づく波長成分信号から分離して抽出する信号抽出手段と、
    光造影剤に基づく波長成分信号によって被検査臓器の光造影剤に対する応答を測定する信号処理手段とを備える光測定装置。
  2. 前記複数の送光点の個数と複数の受光点の個数の積で定まる個数の、複数の送光点と複数の受光点の組み合わせにより得られる光測定信号から使用する光測定信号を選択する選択手段と、
    前記選択した光測定信号から分離し抽出した前記光造影剤に基づく波長成分信号の経時変化をグラフ又は画像で表示する表示手段を備える、請求項1の光測定装置
  3. 前記光造影剤に基づく波長成分信号の経時変化又は減少率を被検査臓器内外で比較して数値あるいは画像で表示する表示手段を備える、請求項記載の光測定装置。
  4. 前記光造影剤はICGであり、前記被検査臓器は肝臓であることを特徴とする、請求項1から3の何れか1つに記載の光測定装置
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