JP2002085412A - 光測定方法及び光測定装置 - Google Patents

光測定方法及び光測定装置

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JP2002085412A JP2000282207A JP2000282207A JP2002085412A JP 2002085412 A JP2002085412 A JP 2002085412A JP 2000282207 A JP2000282207 A JP 2000282207A JP 2000282207 A JP2000282207 A JP 2000282207A JP 2002085412 A JP2002085412 A JP 2002085412A
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隆 日下
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貞夫 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体中の臓器を非侵襲的に直接測定する。 【解決手段】 生体内の臓器に光を直接照射し、臓器内
及び臓器外に存在するICG等の光造影剤を非侵襲的に
定量することによって、生体中の臓器を非侵襲で直接に
測定することができ、ヘモグロビン等の血液中成分の挙
動では知ることができない臓器自体の挙動を検出し、評
価するものであり、照射光によって生体から放出される
光を測定する測定装置において、生体に複数波長の光を
照射する送光プローブ及び生体から放出される複数波長
の光を受光する受光プローブと、受光した複数波長の光
測定信号中から生体内の光造影剤に基づく波長成分信号
を血液中成分に基づく波長成分信号から分離して抽出す
る信号抽出手段と、光造影剤に基づく波長成分信号によ
って被検査臓器の光造影剤に対する応答を測定する信号
処理手段とを備える構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光を用いた生体の
測定方法及び測定装置に関し、生体の成分の経時的変化
よって被検査臓器を診断する装置に医療分野に適用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】光を用いて無侵襲的に酸化状態の異なる
ヘモグロビン(オキシヘモグロビン及びデオキシヘモグ
ロビン)を分離測定し、生体注の血液中にあるヘモグロ
ビンのオキシ状態とデオキシ状態の程度を評価するヘモ
グロビン系の測定方法や測定装置が知れている。
【0003】また、生体内臓器を検査する方法として、
インドシアニングリーン(ICG)等の光造影剤を用い
た測定方法が知られている。インドシアニングリーン
(以下ICGという)は、肝臓の機能を測定するため
に、静脈注射剤として古くから承認されている安全な色
素である。このICGを静脈注射で体内に注入すると、
血液中のICG濃度は瞬間的に上昇した後、肝臓に取り
込まれることによって漸減していく。そこで、経時的に
血液を採取してICG濃度を測定していくことで、IC
G濃度が減少する速さから肝機能を評価することができ
る。また、ICG濃度の測定を血液の採取に代えて、光
を送受光するプローブを指などに取付け、血液中のIC
Gの減少率を非侵襲的に測定することも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】肝臓等の生体内の臓器
を非侵襲的に測定するとして、前記したように生体にI
CG等の光造影剤を注入し、光を用いて血液中の光造影
剤の濃度変化を測定する方法が知れているが、測定デー
タは例えば肝臓に取り込まれることで血液中から取り除
かれたICGの濃度であって肝機能の一側面を示す間接
的なデータに過ぎず、血液中の挙動だけでは知ることが
できない胆管閉塞等の臓器自体の状態を直接に測定する
ことができないという問題がある。強いて言えば、臓器
自体の状態を測定する方法として放射性同位元素を用い
るシンチグラムが知られているが、この方法は非常に大
掛かりな装置を要し、また生体に対する影響も考慮する
必要があるなど、容易にかつ複数回実施できるものとは
言えない。
【0005】そこで、本発明は前記した従来の問題点を
解決し、生体中の臓器を非侵襲的に直接測定することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、生体内の臓器
に光を直接照射し、臓器内及び臓器外に存在するICG
等の光造影剤を非侵襲的に定量することによって、生体
中の臓器を非侵襲で直接に測定することができ、ヘモグ
ロビン等の血液中成分の挙動では知ることができない臓
器自体の挙動を検出し、評価することができる。
【0007】本発明の第1の態様は生体内の光造影剤に
基づく信号を光を用いて取出すものである。第1の態様
による光測定方法は、照射光によって生体から放出され
る光を測定する光測定方法において、生体外部から体組
織を通して被検査臓器に対して光を送受光し、受光した
光測定信号から生体内の光造影剤に基づく信号を取り出
し、取出した信号によって被検査臓器の光造影剤に対す
る応答を測定する。また、第1の態様による光測定装置
は、照射光によって生体から放出される光を測定する測
定装置において、生体に光を照射する送光プローブ及び
生体から放出される光を受光する受光プローブと、受光
プローブで受光した光測定信号から生体内の光造影剤に
よる信号を抽出する信号抽出手段と、抽出した信号によ
って被検査臓器の光造影剤に対する応答を測定する信号
処理手段とを備える構成とする。
【0008】光造影剤は、例えばインドシアニングリー
ン(ICG)等の生体に対して安全な色素を用いること
ができる。生体内に注入された光造影剤は、臓器内にお
いて、通過、蓄積、排泄あるいは分解等の種々の経過を
経る。この光造影剤の応答は、臓器の種類、臓器の個体
差等で異なり、また臓器内の部位において異なる応答を
示しているため、臓器診断に好適な判断資料となる。生
体内の被検査臓器に光を送るには、生体に送光プローブ
を接して生体外部から生体組織を通して被検査臓器に光
を送る。被検査臓器から放出される光は、被検査臓器に
ある光造影剤によって吸収されて光量は減少する。この
光の吸収の程度は光造影剤の濃度を反映しており、生体
に接して設けた受光プローブで受光した光測定信号から
の被検査臓器内の光造影剤の濃度を用いことができる。
【0009】信号抽出手段は、光測定信号から生体内の
光造影剤による信号を抽出する。この信号抽出は、光造
影剤に特有の波長の信号を抽出することによって行うこ
とができる。信号処理手段は、信号抽出手段で抽出した
信号を用いて、光造影剤に基づく波長成分信号の経時変
化や減少率を被検査臓器の内外で比較し、数値又はグラ
フ表示、あるいは画像表示する。測定値の経時変化を観
察することによって、例えば、肝臓による取り込みの時
間的経過等の臓器機能の経過を知ることができる。な
お、画像表示する場合には、複数の送光プローブ及び受
光プローブによって複数の測定点での測定データを用い
る。
【0010】光造影剤の吸収スペクトルと血液中のヘモ
グロビン等の成分の吸収スペクトルと重なる場合には、
一波長による測定では光造影剤に基づく信号を抽出する
ことが困難である。そこで、本発明の第2の態様は、複
数の波長を用いることによって、生体内の光造影剤に基
づく波長成分信号と血液中成分に基づく波長成分信号と
を分離し、光造影剤に基づく波長成分信号を抽出する。
第2の態様による光測定方法は、照射光によって生体か
ら放出される光を測定する光測定方法において、生体外
部から体組織を通して被検査臓器に対して複数波長の光
を送受光し、受光した複数波長の光測定信号中から生体
内の光造影剤に基づく波長成分信号を血液中成分に基づ
く波長成分信号から分離して抽出し、光造影剤に基づく
波長成分信号によって被検査臓器の光造影剤に対する応
答を測定する。
【0011】また、第2の態様による光測定装置は、照
射光によって生体から放出される光を測定する測定装置
において、生体に複数波長の光を照射する送光プローブ
及び生体から放出される複数波長の光を受光する受光プ
ローブと、受光した複数波長の光測定信号中から生体内
の光造影剤に基づく波長成分信号を血液中成分に基づく
波長成分信号から分離して抽出する信号抽出手段と、光
造影剤に基づく波長成分信号によって被検査臓器の光造
影剤に対する応答を測定する信号処理手段とを備える構
成とする。
【0012】信号抽出手段は、例えば、複数波長の測定
データを含む連立方程式を解くことによって光造影剤に
基づく波長成分信号を得ることができる。また、同じ連
立方程式を解くことによって、オキシヘモグロビンやデ
オキシヘモグロビン等の血液中成分に基づく波長成分信
号を得ることもできる。光造影剤をオキシヘモグロビン
及びデオキシヘモグロビンから分離する場合には、光造
影剤の吸収ピークの波長と、オキシヘモグロビン及びデ
オキシヘモグロビンの吸収ピークの波長の少なくとも3
つの異なる波長を用いる。なお、この場合、用いる波長
数は3波長に限るものではなく、3波長以上の多数波長
を用いることもできる。
【0013】前記した第1の態様は、第2の態様におい
て、光造影剤の吸収ピークの波長におけるオキシヘモグ
ロビン及びデオキシヘモグロビンの吸収量が光造影剤の
吸収量と比較して十分に少なく、ほぼ光造影剤の吸収量
として扱える場合を示している。なお、第2の態様は第
1の態様の作用についても同様に適用することができ
る。
【0014】したがって、本発明は、生体内の臓器に集
まる光造影剤等の色素が生体にあること、あるいは注入
することを前提とし、その臓器を非侵襲的に直接測定す
ることで、ヘモグロビンによる情報で得られない臓器情
報を得ることができ、この臓器情報によって臓器診断に
寄与することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の光測定
方法を実現する光測定装置の一形態の概略構成図であ
る。図1において、光測定装置1は、複数波長(波長λ
1,波長λ2,波長λ3)を発光する複数の光源2(2
a,2b,2c)と、光源2からの光を送光する光ファ
イバー等の導光体3,5と、受光した光を検出して測定
信号に変換する検出器7(7a,7b、7c)と、検出
器7に光を送る光ファイバー等の導光体6と、検出器7
からの検出信号を信号増幅する増幅器8(8a,8b,
8c)と、増幅器8から送られる複数の信号から適当な
信号を選択する信号選択手段9と、選択信号を吸光度信
号に変換する吸光度変換手段10と、求めた複数種の吸
光度信号から被検査臓器に関わる吸光度信号を抽出する
信号抽出手段11と、抽出した吸光度信号を用いて経時
変化等をグラフ化するグラフ化手段12と、抽出した吸
光度信号を画像化する画像化手段13と、抽出した吸光
度信号を用いて経時変化や生体内における部位間の比較
等を行う比較処理手段14と、グラフ化手段12,画像
化手段13、及び比較処理手段14の処理結果を表示す
る表示手段15を備える。
【0016】光源2、導光体3,5,6、及び検出器7
は、生体である被検体Aの特定の被検査臓器Bに複数波
長の光を送光し、該被検査臓器Bで吸収されて放出され
た光を受光し検出するための構成である。被検査臓器B
には、生体にインドシアニングリーン(ICG)等の光
造影剤を静脈注射することによって注入し、被検査臓器
B内の光造影剤の分布状態や濃度を求めることによっ
て、被検査臓器の臓器情報を求める。
【0017】光源2は、光造影剤とオキシヘモグロビン
及びデオキシヘモグロビンとを区別して測定するため
に、少なくとも3波長(波長λ1,波長λ2,波長λ
3)を備える。これら3波長は、例えば、光造影剤の吸
収ピークの波長(インドシアニングリーンの場合には8
00nm付近)、オキシヘモグロビンの吸収ピークの波
長(例えば、828nm)及びデオキシヘモグロビン
(例えば、776nm)とすることができる。なお、上
記各波長は、必ずしも各吸収ピークの波長に対応してい
るわけではなく、素子として使用されるレーザー光源の
発光波長によるものである。3波長は、光造影剤の吸収
ピーク付近の波長と、この吸収ピークから分離して検出
可能な波長であってオキシヘモグロビン及びデオキシヘ
モグロビンを光造影剤から分離することができる2波長
であればよい。
【0018】図2は、ICGとオキシヘモグロビン及び
デオキシヘモグロビンの吸収係数を示している。図示す
るように、ICGは、おおよそ800nm付近に吸収ピ
ークがあり、デオキシヘモグロビンはおおよそ760n
m付近に吸収ピークがあり、オキシヘモグロビンはおお
よそ900nm以降に吸収ピークがある。そこで、例え
ば、入手できるレーザー光源の一例として、776n
m、804nm、828nmを用いることができる。な
お、この波長は一例であって、この波長に限られるもの
ではなく、800nm付近で適度に波長が離れた3波長
であればよい。
【0019】導光体3は各波長に対応して設けられ、光
接続部4によって1本の導光体5にまとめられる。導光
体5の端部は被検査臓器Bに接して配置される。被検査
臓器Bに対して、複数の送光点から送光し複数の受光点
から受光するために、導光体5及び導光体6(図中の破
線)は複数本用意される。各導光体5及び導光体6は、
それぞれ送光チャンネル及び受光チャンネルを構成す
る。なお、導光体5と導光体6の本数は同数である必要
はなく任意の本数とすることができる。
【0020】図1は、それぞれ3チャンネルの例を示し
ている。各送光チャンネルにおいて、導光体5の端部を
被検体Aの被検査臓器Bの近くの部位に接して配置し、
光源2からの3波長を照射する。図1に示す3チャンネ
ルの場合では、3個所から生体に照射する。また、各受
光チャンネルにおいて、導光体6の端部を被検体Aの被
検査臓器Bの近くの部位に接して配置する。導光体5か
ら照射された光は、臓器のある部分や臓器のない部分、
あるいは両部分の中間の部分で拡散反射され、導光体6
の端部に到達する。
【0021】被検査臓器Bから得られる信号数は、導光
体5による送光点の個数と導光体6による受光点の個数
の積で定まり、例えば、送光点数が3個で受光点数が3
個の場合には9個(3個×3個)の信号数を得ることが
でき、送光点及び受光点の配置で定まる領域内の情報を
求めることができる。なお、送光点と受光点の全組み合
わせを用いることも、光の到達が不十分な不要な組み合
わせについては使用を除外することもできる。この使用
する信号の選択は、信号選択手段9で行うことができ
る。信号選択手段9は、例えば、テーブル形式で使用あ
るいは不使用の送受光点の組み合わせを変更可能に設定
しておき、このテーブルによって、検出される複数の信
号から設定した信号のみを取り出すことができる。
【0022】なお、各送光チャンネル及び受光チャンネ
ルでは、各導光体毎に3波長分の信号を含んでいるた
め、実際の信号数は送光点と受光点を掛けた数の3倍と
なり、送受光が各3チャンネルの場合には27(=3×
3×3)個の信号数となる。吸光度変換手段は、検出信
号を吸光度に変換する。これは、生体に光を透過させて
行う光測定は、通常吸光度を用いて信号処理を行うため
で、必ずしも吸光度によって信号処理を行う必要はな
い。なお、以下では吸光度に変換し処理について説明す
る。また、この吸光度変換において、散乱補正を行うこ
ともできる。
【0023】次に、信号抽出手段11によって、光造影
剤に基づく波長成分信号(以下、ICG信号という)を
抽出する。吸光度変換では、各波長(ここでは3波長)
の検出信号は、ある基準時刻からの吸光度変化(ΔA
1,ΔA2,ΔA3)に変換される。
【0024】ここで、波長λ1の吸光度変化ΔA1を、
ICGの変化量ΔICG、オキシヘモグロビンの変化量
ΔoxyHb、及びデオキシヘモグロビンの変化量Δdeoxy
Hbの一次近似で表すと以下の一次式となる。 ΔA1=K1・ΔoxyHb+K2・ΔdeoxyHb+K3・ΔICG …(1) 同様に、波長λ2,波長λ3の吸光度変化ΔA2,Δ3
もICGの変化量ΔICG、オキシヘモグロビンの変化
量ΔoxyHb、及びデオキシヘモグロビンの変化量Δdeo
xyHbの一次近似で表すと、波長λ2,λ3の吸光度変
化ΔA2,ΔA3は以下の式で表すことができる。 ΔA2=K4・ΔoxyHb+K5・ΔdeoxyHb+K6・ΔICG …(2) ΔA3=K7・ΔoxyHb+K8・ΔdeoxyHb+K9・ΔICG+ …(3) なお、K1〜K9は係数である。
【0025】上記係数K1〜K9は、図2のスペクトル
の各波長における吸収係数から求めることができ、以下
の表1に示す吸光度表で表す値となる。
【0026】
【表1】
【0027】なお、上記吸光度表の単位は、oxyHb及
びdeoxyHbはAbs/mM、ICGはAbs/(mg/L)で
ある。
【0028】上記式(1)〜式(3)の連立方程式を、
各ICGの変化量ΔICG、オキシヘモグロビンの変化
量ΔoxyHb、及びデオキシヘモグロビンの変化量Δdeo
xyHbについて解くと、以下の式(4)〜式(6)の連
立方程式となる。
【0029】 ΔICG=[K(ICG)-1]・ΔA1+[K(ICG)-2]・ΔA2 +[K(ICG)-3]・ΔA3 …(4) ΔoxyHb=[K(oxy)-1]・ΔA1+[K(oxy)-2]・ΔA2 +[K(oxy)-3]・ΔA3 …(5) ΔdeoxyHb=[K(deoxy)-1]・ΔA1+[K(deoxy)-2]・ΔA2 +[K(deoxy)-3]・ΔA3 …(6) なお、式(4)〜式(6)中の係数[K(ICG)-1]〜
[K(deoxy)-3]は、式(1)〜式(3)の連立方程
式を行列式で表したときの、逆行列によって求めること
ができ、以下の表2で示す係数表で表すことができる。
【0030】
【表2】
【0031】また、以下の表3に示す係数表は、表1に
示す数値例で解いた例を示している。
【0032】
【表3】
【0033】なお、上記連立方程式は、直線近似による
場合であり、より一般的には以下関数fによる曲線で表
され、曲線が関数表示される場合には演算で求めること
ができ、また、検量線によっても求めることができる。
【0034】 ΔICG=f1(ΔA1,ΔA2,ΔA3) …(7) ΔoxyHb=f2(ΔA1,ΔA2,ΔA3) …(8) ΔdeoxyHb=f3(ΔA1,ΔA2,ΔA3) …(9) 図3は、上記式(4)〜(6)を解いた得た実測例であ
り、2つのチャンネル例について示している。ICGの
静注に伴って3波長の吸光度は上昇するが、図3の実測
例に示すように、ICG信号だけが急上昇し、oxyHb
信号はほとんど変化がないことが観察される。したがっ
て、直線近似の式を用いた場合であって、ヘモグロビン
信号が吸光度の急上昇による影響を受けることなく、I
CG信号を的確に抽出することができることが確認され
る。なお、多量のICGを静注した場合には、吸光度の
上昇幅が小さくなり、直線近似からのずれが大きくなる
おそれがあるが、この場合には式(7)〜(9)の一般
式や検量線を用いることによって求めることができる。
【0035】グラフ化手段12は、信号抽出手段11で
求めた各チャンネルの抽出信号をグラフ化し、表示手段
15に表示する。図4は、肝臓付近の16個所のICG
変化をグラフ化した図である。なお、この例では、送光
チャンネル数を6、受光チャンネル数を6とし、可能な
36個の信号の内から16個を選択した場合を示してい
る。チャンネル1中の矢印の位置がICGを静注した時
点を示している。静注後の変化は部位によって異なり、
例えば、チャンネル1、チャンネル5などのように単調
減少する部分と、チャンネル3、チャンネル7、チャン
ネル11などのように増加した後、しばらく高い濃度に
保たれた後徐々に減少する部分等が観察されるなど、肝
臓に対する観察位置や、肝臓の働きの程度に応じた変化
を観察し把握することができる。
【0036】画像化手段13は、送光点と受光点の組み
合わせで定まる測定部位の位置情報に基づいて、被検査
臓器における光造影剤(ICG)の分布及びその変化を
求め、表示手段15に表示することができる。図5は一
画像例を示している。図5中の時刻〜時刻は、図4
中のチャンネル1を拡大表示した図6中の各時刻〜時
刻に対応している。時刻は静注後10秒であり、時
刻は静注後1.5分であり、時刻は静注後約12分
であり、時刻は静注後約18分である。図5の画像例
において、静注後10秒の時刻を基準時刻とし、その
後の変化を示している。時刻〜時刻において、各画
像中の左方はICG濃度が減少する傾向を示し、右方は
ICG濃度が増加する傾向を示している。なお、ICG
濃度が増加している部分は肝臓の直上の部位である。こ
の画像変化から、肝臓の直上の部位ではICG濃度が増
加し、肝臓から遠い部位ではICG濃度が単調に減少す
ることが観察される。
【0037】比較処理手段12は、光造影剤に基づく波
長成分信号の経時変化又は減少率を被検査臓器内外で比
較する。図7は比較処理手段が行う比較処理の一例を説
明するための図である。比較処理の一例として変化量や
減少率を用いることができる。変化量は、例えば、基準
時間(例えば、ICGの静注時点や静注時から所定時間
経過時点)での信号値と、該基準時間から所定時間経過
後の時点における信号値との差とすることができる。例
えば、図7において、チャンネル1の変化量a1は負の
変化を示し、チャンネル2の変化量a2は正の変化を示
しており、変化の正負とその変化量によって比較するこ
とができる。
【0038】また、減少率は、基準時間から所定時間経
過後の時点における信号の減少率とすることができる。
例えば、図7において、チャンネル1の減少率b1(矢
印で示している)は、チャンネル1の減少率b2(矢印
で示している)よりも大きな減少率を示し、減少率の正
負とその大きさによって比較することができる。この変
化量及び減少率は、数値として測定部位毎に比較して表
示することも、あるいは、画像化して表示することもで
きる。
【0039】本発明の実施形態によれば、生体中の臓器
について、ヘモグロビン情報等の血液中の挙動では知る
ことができない臓器情報を非侵襲的に直接測定すること
ができ、例えば、胆管閉塞等の臓器診断に適用すること
ができる。また、光を用いる非侵襲測定であるため、複
数回の測定が可能となり、臓器機能や診療効果の時間的
な変化を知ることができる。以上では、光造影剤という
名称を使用しているが、生体内物質以外を指示している
のではなく、生体内物質の状態を変化させた物を含む。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光測定装
置及び光測定方法によれば、生体中の臓器を非侵襲的に
直接測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光測定方法を実現する光測定装置の一
形態の概略構成図である。
【図2】ICGとオキシヘモグロビン及びデオキシヘモ
グロビンの吸収係数を示す図である。
【図3】本発明の光測定による実測例を示すグラフであ
る。
【図4】本発明の光測定による肝臓付近の16個所のI
CG変化をグラフ化した図である。
【図5】本発明の光測定による画像例である。
【図6】図4を拡大表示したグラフである。
【図7】本発明の比較処理手段が行う比較処理の一例を
説明するための図である。
【符号の説明】
1…光測定装置、2…光源、3,5,6…導光体、4…
光接続部、7…検出器、8…増幅器、9…信号選択手
段、10…吸光度変換手段、11…信号抽出手段、12
…グラフ化手段、13…画像化手段、14…比較処理手
段、15…表示手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 500436835 日下 隆 香川県高松市前田東町505−2 (72)発明者 大西 鐘壽 香川県高松市松縄町37−3 (72)発明者 磯部 健一 香川県高松市太田上町601−5 (72)発明者 日下 隆 香川県高松市前田東町505−2 (72)発明者 綱澤 義夫 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内 (72)発明者 竹内 貞夫 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内 (72)発明者 老川 幸夫 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内 (72)発明者 和田 幸久 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内 Fターム(参考) 2G059 AA05 BB12 CC16 EE01 EE02 EE11 EE12 FF01 FF04 GG01 HH01 HH06 JJ17 KK03 MM05 MM12 PP04 4C038 KK00 KL05 KL07 KM00 KX01 KX02 KY04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照射光によって生体から放出される光を
    測定する光測定方法において、生体外部から体組織を通
    して被検査臓器に対して光を送受光し、受光した光測定
    信号から生体内の光造影剤に基づく信号を取り出し、前
    記信号によって被検査臓器の光造影剤に対する応答を測
    定する光測定方法。
  2. 【請求項2】 照射光によって生体から放出される光を
    測定する光測定方法において、生体外部から体組織を通
    して被検査臓器に対して複数波長の光を送受光し、受光
    した複数波長の光測定信号中から生体内の光造影剤に基
    づく波長成分信号を血液中成分に基づく波長成分信号か
    ら分離して抽出し、光造影剤に基づく波長成分信号によ
    って被検査臓器の光造影剤に対する応答を測定する光測
    定方法。
  3. 【請求項3】 前記光造影剤に基づく波長成分信号の経
    時変化又は減少率を被検査臓器内外で比較して数値ある
    いは画像で表示する、請求項1,又は2記載の光測定方
    法。
  4. 【請求項4】 照射光によって生体から放出される光を
    測定する測定装置において、生体に光を照射する送光プ
    ローブ及び生体から放出される光を受光する受光プロー
    ブと、前記受光プローブで受光した光測定信号から生体
    内の光造影剤による信号を抽出する信号抽出手段と、前
    記信号によって被検査臓器の光造影剤に対する応答を測
    定する信号処理手段とを備える光測定装置。
  5. 【請求項5】 照射光によって生体から放出される光を
    測定する測定装置において、生体に複数波長の光を照射
    する送光プローブ及び生体から放出される複数波長の光
    を受光する受光プローブと、受光した複数波長の光測定
    信号中から生体内の光造影剤に基づく波長成分信号を血
    液中成分に基づく波長成分信号から分離して抽出する信
    号抽出手段と、光造影剤に基づく波長成分信号によって
    被検査臓器の光造影剤に対する応答を測定する信号処理
    手段とを備える光測定装置。
  6. 【請求項6】 前記光造影剤に基づく波長成分信号の経
    時変化又は減少率を被検査臓器内外で比較して数値ある
    いは画像で表示する表示手段を備える、請求項4,又は
    5記載の光測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004358244A (ja) * 2003-05-30 2004-12-24 Siemens Ag 生物の代謝過程における少なくとも1つの物質の検出方法および装置
JP2009279286A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Junichi Kaneko 生体内器官または組織表面に留置可能な近赤外光プローブホルダ

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