JP4355386B2 - 生体恒常性維持評価装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は生体恒常性維持評価装置に関し、特に、人間に代表される哺乳動物の生命体が健康状態の管理や疾病の予防・治療のための検査に用い、生体の恒常性の維持が正常に働いているか否かの健康状態を評価するための生体恒常性維持評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体の健康状態を評価するために医療機関で用いられている従来の検査手法には、大別して生理学的検査、薬理学的検査、生化学的検査、病理学的検査、画像検査が挙げられる。生理学的検査は、生体電気現象や血圧のように物理的な計測値を得るものである。薬理学的検査では、薬物を注入したときの生体の反応を評価する。
【0003】
生化学的検査では、血液を採取して血液中のホルモン濃度等を評価する。病理学的検査では、生体の組織を採取して病変の有無を調べる。画像検査には、MRI(磁気共鳴イメージング;magnetic resonance imaging)やX線CT(X線コンピュータ断層撮影;x-ray computed tomography )等があり、この検査によって磁気やX線を用いて生体組織を可視化することで組織病変の有無を調べる。
【0004】
また、生体神経系の神経活動情報を計測する生理指標としては、脳波、脳磁図、心電図、心磁図、心拍数、指尖脈波、血圧等がある。人体検知にみられるセンサとしては、人間が患者である場合に脳波や心電図用の電極、血圧測定用のカフ等を用いている。このような神経系の活動を計測して状態を推定もしくは評価計測できる技術としては、たとえば特開平9−262216号公報に開示された複数の生体情報を計測して集中度を推定できる装置や、特開平6−296613号公報に開示された自律神経活動評価ができる装置が挙げられる。
【0005】
さらに、生体の生理状態および心理状態を計測する医療用生体情報検出装置としては、たとえば特開平7−124124号公報あるいは特開平7−124126号公報等による提案が知られている。当該提案によれば、ビデオ・カメラを用いて、生体に対して光学的遠隔観測により生体情報を動画像として抽出する技術が例示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の医療用生体情報検出装置の場合、人間の外観を複数の生体情報として同時に計測しているが、これらの生体情報は種々の要因によって起こった反応や変化であるため、光学的遠隔観測による生体情報の抽出動画像から人間の生理および心理状態を検査し、これにより人間が健康であるか否かを判断することは困難であるという課題があった。また、上述医療機関向け生体の健康状態を評価する従来の検査手法は民生的な使用は困難であり、リアルタイムでの健康状態の評価は実現されておらず、また被験者の負担も大きくなっているという課題があった。
【0007】
ところで、現代の慢性病の原因は8割以上が自律神経の失調であると言われる。自律神経には、精神の緊張興奮時に働く交感神経と、弛緩鎮静時に働く副交感神経との2つがある。そして、どちらかの神経系の素養が必要に応じて強くなって臓器や器官の働きをコントロールしている。ストレスの多い現代の日常生活においては、必然的に交感神経の作用が活発になり、副交感神経の作用は抑制され気味になる。その結果、両者のバランスが崩れ、すなわちホルモンのバランスや代謝機能が崩れて病的自覚症状を呈するが、現時点ではこのようなバランスの崩れを評価できる装置は開発されていない。
【0008】
生体には体内に生じた様々な機能のアンバランスを元の状態に復元しようとする生体恒常性維持(ホメオスタシス)の機能がある。たとえば体温の調整、代謝の調節、ホルモンのコントロール等、生体の恒常性を維持するための様々な働きを統括しているのが視床下部であり、精神・情動の刺激、環境条件の変動による情報、生体内部の変動の情報がすベて視床下部を介して自律神経系、内分泌系、免疫系へ指令を発して、生体の恒常性の維持を図っている。このように情報を集めて指令を発する過程のどこに異常が起こっても、病的自覚症状を呈することになる。
【0009】
健康な生命体の生体組織・細胞環境は生体の恒常性によって成り立っているが、同環境が大きく崩れているときは、生体自らが修正することは困難であり、病的自覚症状を呈しやすくなる。しかし、現時点ではこのように生体の環境が崩れているときも生体の恒常性の維持を評価できる装置は開発されていない。
【0010】
そこで、本発明は上記の課題に鑑みて成されたものであって、人間に代表される検体の生体恒常性維持が正常か否かを的確に評価計測することのできる生体恒常性維持評価装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、検査しようとする検体の生体情報を計測する生体情報計測手段と、前記生体情報に基づいて前記検体のストレス度を評価するストレス度評価手段と、前記検体の生体組織情報を計測する生体組織情報計測手段と、前記生体組織情報に基づいて前記検体の細胞活性度を評価する細胞活性度評価手段と、前記ストレス度及び前記細胞活性度に基づいて前記検体の生体恒常性維持のバランスを評価する生体恒常性維持評価手段と、前記生体恒常性維持評価手段による評価結果を表示する評価結果表示手段とを備えている生体恒常性維持評価装置を提供する。
【0012】
ここで、前記生体情報および前記生体組織情報は前記検体の生体内部または表面によるものであってよい。
【0013】
また、前記ストレス度評価手段は、前記生体情報とストレス状態とを対応付けたストレス度評価設定情報を設定するストレス度評価設定手段を含み、当該ストレス度評価設定情報を参照して、前記検体のストレス度を評価することができる。
【0014】
また、前記ストレス度評価設定手段は、前記検体の生体内部または表面による生体情報に応じて前記検体の内部状態の変化を評価し、前記生体情報に対して前記ストレス度評価設定情報を自動評価設定することができる。
【0015】
また、前記生体情報計測手段は生体神経系の神経活動情報に基づいて前記生体情報を計測し、前記ストレス度評価手段は前記神経活動情報に関する活動指標に基づいて前記ストレス度を評価することができる。
【0016】
また、前記細胞活性度評価手段は、生体組織情報と細胞活性状態とを対応付けた細胞活性度評価設定情報を設定する細胞活性度評価設定手段を含み、当該細胞活性度評価設定情報を参照して、前記検体の細胞活性度を評価することができる。
【0017】
また、前記細胞活性度評価設定手段は、前記検体の生体内部または表面による生体組織情報に応じて前記検体の内部状態の変化を評価し、前記生体組織情報に対して前記細胞活性度評価設定情報を自動評価設定することができる。
【0018】
また、前記生体組織情報計測手段は生体組織系の組織/細胞活動情報に基づいて前記生体組織情報を計測し、前記細胞活性度評価手段は前記組織/細胞活動情報に関する活動指標から前記細胞活性度を評価することができる。
【0025】
【作用】
上記の各要素を備えた本発明の生体恒常性維持評価装置は、検査しようとする検体の生体情報を計測する生体情報計測手段と、前記生体情報に基づいて前記検体のストレス度を評価するストレス度評価手段と、前記検体の生体組織情報を計測する生体組織情報計測手段と、前記生体組織情報に基づいて前記検体の細胞活性度を評価する細胞活性度評価手段と、前記ストレス度及び前記細胞活性度に基づいて前記検体の生体恒常性維持のバランスを評価する生体恒常性維持評価手段と、前記生体恒常性維持評価手段による評価結果を表示する評価結果表示手段とを備えていることから検体の健康に関わる生体機能が正常に働いているか否かの度合を評価し、その結果を表示することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照して本発明に係る生体恒常性維持評価装置の実施の形態について詳細に説明する。
【0032】
図1は本発明に係る生体恒常性維持評価装置の一実施の形態における基本構成を示すブロック図である。
【0033】
図1の生体恒常性維持評価装置は、総合生体計測部2と総合生体評価部3と総合生体評価結果表示部4とを備えた構成とされている。総合生体計測部2より、検査しようとする検体1の2つ以上の生体信号を含む総合生体情報aを計測して計測総合生体情報bを得る。総合生体評価部3により、計測総合生体情報bから検体1の生体恒常性維持のバランスを評価して総合生体評価情報cを得る。総合生体評価結果表示部4により、総合生体評価情報cを検体1に関する生体恒常性維持評価の結果として表示する。
【0034】
図2は本発明に係る生体恒常性維持評価装置における一実施の形態の全体構成を示すブロック図である。
【0035】
図2の生体恒常性維持評価装置は、生体情報計測部22と、生体組織情報計測部25と、ストレス度評価設定部23と、細胞活性度評価設定部26と、ストレス度評価部24と、細胞活性度評価部27と、生体恒常性維持評価部28と、生体恒常性維持評価結果表示部29とを備えた構成とされている。
【0036】
生体情報計測部22により、検体1の生体内部または表面による生体情報201を計測して計測生体情報202を得る。生体組織情報計測部25により、検体の生体内部または表面による生体組織情報205を計測して計測生体組織情報206を得る。ストレス度評価設定部23により、必要に応じて利用すればよい計測生体情報202に関して生体内部または表面による生体情報201とストレス状態とを対応付けしたストレス度評価設定情報203を設定する。細胞活性度評価設定部26により、必要に応じて利用すればよい計測生体組織情報206に関して生体内部または表面による生体組織情報と細胞活性状態とを対応付けした細胞活性度評価設定情報207を設定する。
【0037】
ストレス度評価部24により、計測生体情報202および/またはストレス度評価設定情報203から検体1のストレス度を評価してストレス度評価情報204を得る。細胞活性度評価部27により、計測生体組織情報206および/または細胞活性度評価設定情報207から検体1の細胞活性度を評価して細胞活性度評価情報208を得る。生体恒常性維持評価部28により、ストレス度評価情報204および細胞活性度評価情報208から検体1の生体恒常性維持のバランスを評価して生体恒常性維持評価情報209を得る。生体恒常性維持評価結果表示部29により、生体恒常性維持評価情報209を検体1に関する生体恒常性維持評価の結果として表示する。
【0038】
ここで、ストレス度評価設定部23は、生体信号を含む活動状態に応じて検体1の内部状態の変化を評価して計測生体情報202に対してストレス度評価設定情報203を自動評価設定する。生体情報計測部22は生体神経系の神経活動情報から計測生体情報202を得ており、ストレス度評価部24は神経活動情報に関する活動指標からストレス度評価情報204を評価することも考えられる。
【0039】
また、細胞活性度評価設定部26は、生体機能状態を含む生体組織状態に応じて検体1の内部状態の変化を評価して計測生体組織情報206に対して細胞活性度評価設定情報207を自動評価設定する。生体組織情報計測部25は生体組織系の組織・細胞活動情報から計測生体組織情報206を得ており、細胞活性度評価部27は組織・細胞活動情報に関する活動指標から細胞活性度評価情報208を評価することも考えられる。
【0040】
さらに、生体情報計測部22が生体情報201として得られる神経活動情報には、脳波の各周波数成分、心電図や脈波から得られる心(脈)拍値およびその変動成分(体温性、血圧性、呼吸性)、心電図のT波高、脈波高、筋電、眼電などを用いて神経活動を反映する生理反応を計測する手法が挙げられる。これらの他に、脳の酸素代謝機能による近赤外光計測、生物自身が発光現象を起こすバイオ・フォトン計測等の生体光計測、およびX線、生体磁場、超音波等の生体を計測する手法も含まれる。
【0041】
したがって、たとえば指先を載せて生体信号である脈波を収集するために、生体情報計測部22は、検体1に発光ダイオードとフォト・トランジスタとを含む光電変換素子を備え、これにより、指先に投射した光の反射によって指先の血流を光電的に検出して光電変換することで、脈波を電圧として検出することができる。
【0042】
また、生体組織情報計測部25が生体組織情報205として得られる細胞・組織活動情報には、非侵襲的生体光センサのように生体酸素飽和度、グルコース濃度、生体組織診断できる光バイオプシーとしての近赤外分光計測、ラマン分光計測、蛍光計測、紫外可視分光計測、およびバイオ・センサのように酵素センサ、免疫センサ、組織センサなどを用いて細胞・組織活動を反映する生体組織や細胞の性状を計測する手法が挙げられる。これらは、生体組織の生体機能画像を得たり、血糖値の代用特性として生体組織細胞内外のグルコース濃度定量したり、癌や動脈硬化に代表される生体組織変化である。
【0043】
さらに、人体等の生体の内外には人体の細胞を酸化する物質が種々様々存在する。酸化とはある分子が電子を奪われた状態を指すが、人体の酸化を招く主たる物質はフリー・ラジカルである。これが細胞膜を酸化して細胞破壊を起こし、結果として免疫系の働きを低下させたり、肝機能や内分泌機能を低下させる。生体内には、スーパー・オキサイド・ディスターゼ(SOD)という酵素があって活性酸素(super oxide )を分解してしまうが、しばしばこのSODの活性が低下するため、容易に体の酸性化を招く。このような人体内での生物ラジカルを計測できる電子スピン共鳴計測を使って、生体組織情報としての細胞・組織活動情報を得ることも考えられる。
【0044】
また、生体から得られた複数の信号を情報処理するには、時系列信号処理、高速フーリエ変換、自己相関関数、相互相関関数、離散余弦変換、零交叉、最大エントロピー法、周波数解析、位相変位検出、微積分、モーメントおよびセプレストラムからなる群の少なくとも1つの処理を行う。このような加工手段は、具体的にはコンピュータによる処理機能をもって行う。
【0045】
加えて生体組織性状の分析は、多数の被験者から得られるスペクトルを定量分析あるいは定性分析して行われる。定量分析には線形重回帰分析(MLR)、主成分回帰分析(PCR)、PLS回帰分析(partial least squares regression)、ニューラル・ネット手法を用いることができる。定性分析には判別分析、クラスタ分析等の手法を利用することができる。
【0046】
たとえば、生体組織・細胞を対象に物性などを分析(測定)するにあたり、分析に利用する光源から照射される近赤外光の波長や情報処理手段における検量手法は、多数の正常組織と病変組織のスペクトル(信号)を解析することにより決定するが、分析に利用する光源から照射される近赤外光の波長や情報処理手段における検量手法の他の決定手法としては、予め動物実験等により侵襲的に行うものがある。
【0047】
この方法では、侵襲的に露出させた被測定組織(正常組織および病変組織の両方)に回折格子やFT−IR等の手法により分光した光を照射して吸収スペクトルを得て、この吸収スペクトルを多変量解析することにより、たとえば、生体組織情報計測部25に利用する近赤外光の波長や情報処理手段における検量手法を決定し、当該決定した近赤外光の波長や情報処理手段における検量手法を利用して、上述のように生体組織情報計測部25において生体組織性状の測定を行うのに非侵襲的にin vivo 測定を行うようにする。
【0048】
図3は、図2の生体恒常性維持評価装置に関する一具体例を詳細に示すブロック図である。
【0049】
図3の装置構成では、生体情報計測部32は生体アンプ33を備えており、生体アンプ33には上述した複数の生体情報201が送出される。生体情報201には、脳波、脳磁波、筋電波、心電波、心拍、呼吸、瞬目、脈波、指尖脈波および瞳孔等の要素が含まれている。また、生体組織情報計測部35は検出器36を備えており、検出器36には上述した複数の生体組織情報205が送出される。生体組織情報205には、生体組織の細胞中あるいは生体組織の細胞外の体液成分およびその濃度、脂肪組織成分、体表面もしくは生体内部の動脈血管あるいは静脈血管の内外組織成分、生体組織の硬度あるいは密度等の物性、生体内での生物ラジカル種等の要素が含まれている。
【0050】
生体情報計測部32では、検出された各情報を計測生体情報202としてたとえばストレス度評価部24へ送出して、A/D変換器38によりディジタル・データとしてコンピュータ39の中に取り込ませる。コンピュータ39により所定の情報処理を施してストレス度の評価を行う。その結果、得られたストレス度評価情報204は、ストレス度の結果を利用するものとして生体恒常性維持評価部28に送出される。
【0051】
ここで、ストレス度評価情報204を導出するのに計測生体情報202の解析が困難な場合等は、必要に応じてストレス度評価設定部23へ送出して、A/D変換器38によりディジタル・データとしてコンピュータ39の中に取り込ませる。コンピュータ39により所定の情報処理を施して、ストレス度評価設定情報203を対応させて設定した後、ストレス度の評価を行うことも考えられる。
【0052】
一方、生体組織情報計測部35では、検出された各情報を計測生体組織情報206として細胞活性度評価部27へ送出して、A/D変換器38によりディジタル・データとしてコンピュータ39の中に取り込ませる。コンピュータ39により所定の情報処理を施して、細胞活性度評価設定情報207を対応させて設定した後、細胞活性度の評価を行う。その結果、得られた細胞活性度評価情報208は、細胞活性度の結果を利用するものとして生体恒常性維持評価部28に送出される。
【0053】
ここで、細胞活性度評価情報207を導出するのに計測生体組織情報206の解析が困難な場合等では、必要に応じて細胞活性度評価設定部26へ送出して、A/D変換器38によりディジタル・データとしてコンピュータ39の中に取り込ませる。コンピュータ39により所定の情報処理を施して、細胞活性度評価設定情報207を対応させて設定した後、細胞活性度の評価を行うことも考えられる。
【0054】
これにより、生体恒常性維持評価部28ではストレス度評価情報204および細胞活性度評価情報208に基づいて人間を代表する検体(生体)1の生体恒常性維持の状態を評価して、これにより生体恒常性維持評価情報209を得ることができる。
【0055】
図4は、図2の生体恒常性維持評価装置に関する他の一具体例を詳細に示すブロック図である。図4の装置構成は、先の図3に示したものの簡易化バージョンである。
【0056】
生体情報計測部42は検体1からの生体信号を増幅させる増幅器としての生体アンプ43を備えており、生体アンプ43には、脳波および脈波のみを生体情報201aとして送出する。さらに、生体組織情報計測部45は検体1からの受光信号を電気信号に変換して増幅させる検出器46を備えており、検出器46には、近赤外光による体液成分の吸収情報による体液成分および濃度、生体組織の物性を生体組織情報205aとして送出する。
【0057】
生体性状を光検出する場合、生体性状を非侵襲で精度良く分析するには近赤外光を光源として利用することがより好ましい。
【0058】
図5は、図4に示した装置構成における生体情報計測部42に脳波および脈波を用いたときのストレス度評価設定部23におけるストレス度評価設定情報203についての一評価パターンを例示した説明図である。
【0059】
ストレス度評価設定情報203はたとえば覚醒水準や注意レベル、眠気度、疲労度、精神的負担度、身体的快適度(不快度)などのうちから複数を用いて評価パターンを設定する。図5のストレス度評価パターン50では、Aは疲労度、Bは精神的負担度、Cは身体的不快度(快適度)を表している。
【0060】
また、このような評価パターンを示せるために使用するストレス度には、予め本実施形態装置の利用者あるいは複数の人間を被験者として典型的なパターンを構築しておくことができる。
【0061】
次に、ストレス度評価部24でストレス度評価情報204を導出し、生体恒常性維持評価部28へ送出する。
【0062】
図6は、図4に示す装置構成における生体組織情報計測部45に体液成分および濃度、生体組織の物性を用いたときの細胞活性度評価設定部における細胞活性度評価設定情報207についての別の評価パターンを例示した説明図である。
【0063】
細胞活性度評価設定情報207はたとえば血液成分および濃度、末梢血管中の血流状態、筋肉の硬度、皮膚表面の体液成分、皮膚表面の硬度などのうちから複数を用いて評価パターンを設定する。図6の細胞活性度評価パターン60では、Dは血液成分異常度、Eは血流状態異常度、Fは生体組織の硬度を表している。
【0064】
また、ストレス度評価設定情報203の評価パターンと同様に、細胞活性度には、予め本実施形態装置の利用者あるいは複数の人間を被験者として本実施形態装置とは異なる他の標準手法により得られるたとえば血液成分と、本実施形態装置による非侵襲の近赤外分光によって得られる吸光度の関係を統計的解析手段により解析し、予め典型的な評価パターンを用意しておくことができる。
【0065】
本実施の形態において被検者対応の評価パターンを作成する場合には、PLS回帰分析手法を用いている。
【0066】
さらに、細胞活性度評価部27で細胞活性度評価情報208を導出し、生体恒常性維持評価部28へ送出する。
【0067】
図7は、このようにして求められる生体恒常性維持評価情報209に関して生体恒常性維持評価結果表示部29における生体恒常性維持機能の正常時(健康状態)の表示例を示した説明図である。一方図8は、生体恒常性維持評価結果表示部29における生体恒常性維持機能の崩れ時(不健康状態)の表示例を示した説明図である。両図中、評価結果表示パターン70,80における英文字は前述したパラメータを表している。
【0068】
両図とも、円の中の矩形の大きさは生体恒常性の維持機能における崩れの度合を示している。ここで矩形が大きければ大きいほどその機能が生体に対して効能していないことを表し、矩形が小さすぎても今度は生体自身の諸機能が働いていないことを表す。このように、表示した矩形形状に応じて適正な生体の恒常性の維持機能を評価することができる。したがって、検体(人間)1の体内に生じた様々な機能のバランスを判断し、検体に対して健康状態を診断することが可能になる。
【0069】
上述した通り、本発明に係る生体恒常性維持評価装置の上記実施の形態によれば、次のような効果がある。
【0070】
すなわち、検体の2つ以上の生体信号を含む総合生体情報を計測して計測総合生体情報を得る総合生体計測部と、計測総合生体情報から検体の生体恒常性維持のバランスを評価して総合生体評価情報を得る総合生体評価部と、総合生体評価情報を検体に関する生体恒常性維持評価の結果として表示する総合生体評価結果表示部とを備えているため、検体の健康に関わる生体機能が正常に働いているか否かの度合を評価し、その結果を表示することができる。
【0071】
また、生体内部または表面による生体情報を計測する生体情報計測部を有するため、生体の神経系に関わる生体情報を検出して計測値を出力することができる。必要に応じて生体内部または表面による生体情報とストレス状態とを対応付けたストレス度評価設定部を設置しておけば、生体情報計測部による計測値を利用して生体のストレス度を評価することができる。生体内部または表面による生体組織情報を計測する生体組織情報計測部を備えているため、生体組織に関わる生体情報を検出して計測値を出力することができる。必要に応じて生体内部または表面による生体組織情報と細胞活性状態とを対応付けた細胞活性度評価設定部を設置しておけば、生体組織情報計測部による計測値を利用して生体の細胞活性度を評価することができる。生体恒常性維持評価部を備えているため、生体の神経系および生体組織に関わる生体情報もしくは対応付けして求めたストレス度および細胞活性度の評価結果を用いて両者の相関による解析を行い、検体の生体恒常性維持が正常か否かを評価することができる。生体恒常性維持評価結果表示部を備えているため、検体に関する生体恒常性維持評価の結果として表示することができる。
【0072】
したがって上記実施の形態によれば、上記評価情報に基づいて検体の生体恒常性維持が正常に働いているか否かの度合を評価して検体の健康状態、すなわち生体恒常性維持を評価しようとしているので、生体内部の恒常性維持機能の働き具合をリアルタイムで的確に評価表示することが可能となる。この結果、バランスの崩れを評価し、生体の環境が崩れているときも生体の恒常性の維持を評価することで普段の日常的健康管理を容易に行えるようになり、医師による医療用診断への指標による基準としても使用することが有効となる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明の生体恒常性維持評価装置によれば、生命体等の検体の健康に関わる生体の恒常性維持の崩れを評価することができ、日常生活において見落とされがちな生体のバランスの評価から病気の予防や治療に対して有効な評価を得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る生体恒常性維持評価装置の一実施の形態における基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る生体恒常性維持評価装置における一実施の形態の全体構成を示すブロック図である。
【図3】図2の生体恒常性維持評価装置に関する一具体例を詳細に示すブロック図である。
【図4】図2の生体恒常性維持評価装置に関する他の一具体例を詳細に示すブロック図である。
【図5】図4に示した装置構成に備えられるストレス度評価情報の一具体例を示す評価パターンの説明図である。
【図6】図4に示した装置構成に備えられる細胞活性度評価情報の一具体例を示す別の評価パターンの説明図である。
【図7】図4に示した装置構成に備えられる生体恒常性維持評価結果表示部における生体恒常性維持機能の正常時の表示例を示した説明図である。
【図8】図4に示した装置構成に備えられる生体恒常性維持評価結果表示部における生体恒常性維持機能の崩れ時の表示例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 検体
2 総合生体計測部
3 総合生体評価部
4 総合生体評価結果表示部
22,32,42 生体情報計測部
23 ストレス度評価設定部
24 ストレス度評価部
25,35,45 生体組織情報計測部
26 細胞活性度評価設定部
27 細胞活性度評価部
28 生体恒常性維持評価部
29 生体恒常性維持評価結果表示部
33,43 生体アンプ
36,46 検出器
38,48 A/D変換器
39,49 コンピュータ
50 ストレス度評価パターン
60 細胞活性度評価パターン
70,80 評価結果表示パターン
Claims (8)
- 検査しようとする検体の生体情報を計測する生体情報計測手段と、
前記生体情報に基づいて前記検体のストレス度を評価するストレス度評価手段と、
前記検体の生体組織情報を計測する生体組織情報計測手段と、
前記生体組織情報に基づいて前記検体の細胞活性度を評価する細胞活性度評価手段と、
前記ストレス度及び前記細胞活性度に基づいて前記検体の生体恒常性維持のバランスを評価する生体恒常性維持評価手段と、
前記生体恒常性維持評価手段による評価結果を表示する評価結果表示手段とを備えていることを特徴とする生体恒常性維持評価装置。 - 請求項1において、
前記生体情報および前記生体組織情報は前記検体の生体内部または表面によるものであることを特徴とする生体恒常性維持評価装置。 - 請求項1において、
前記ストレス度評価手段は、前記生体情報とストレス状態とを対応付けたストレス度評価設定情報を設定するストレス度評価設定手段を含み、当該ストレス度評価設定情報を参照して、前記検体のストレス度を評価することを特徴とする生体恒常性維持評価装置。 - 請求項3において、
前記ストレス度評価設定手段は、前記検体の生体内部または表面による生体情報に応じて前記検体の内部状態の変化を評価し、前記生体情報に対して前記ストレス度評価設定情報を自動評価設定することを特徴とする生体恒常性維持評価装置。 - 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記生体情報計測手段は生体神経系の神経活動情報に基づいて前記生体情報を計測し、
前記ストレス度評価手段は前記神経活動情報に関する活動指標に基づいて前記ストレス度を評価することを特徴とする生体恒常性維持評価装置。 - 請求項1において、
前記細胞活性度評価手段は、生体組織情報と細胞活性状態とを対応付けた細胞活性度評価設定情報を設定する細胞活性度評価設定手段を含み、当該細胞活性度評価設定情報を参照して、前記検体の細胞活性度を評価することを特徴とする生体恒常性維持評価装置。 - 請求項6において、
前記細胞活性度評価設定手段は、前記検体の生体内部または表面による生体組織情報に応じて前記検体の内部状態の変化を評価し、前記生体組織情報に対して前記細胞活性度評価設定情報を自動評価設定することを特徴とする生体恒常性維持評価装置。 - 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記生体組織情報計測手段は生体組織系の組織/細胞活動情報に基づいて前記生体組織情報を計測し、
前記細胞活性度評価手段は前記組織/細胞活動情報に関する活動指標から前記細胞活性度を評価することを特徴とする生体恒常性維持評価装置。
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