JP5033229B2 - 食器洗浄機 - Google Patents

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本発明は、静電霧化現象を利用して帯電微粒子水を生成する静電霧化装置を有する食器洗浄機に関するものである。
従来から、食器洗浄機の洗浄庫に連通する循環ファン経路内に静電霧化装置を配置し、静電霧化装置で生成した帯電微粒子水を洗浄庫の側部に配置した循環ファン経路の上部の側部に形成した排気口から洗浄庫内に放出し、洗浄庫内に配置した食器のような被洗浄物や洗浄庫内面に付着させて、被洗浄物や洗浄庫内面の除菌、脱臭を行うようにしたものが特許文献1により知られている。
しかしながら上記の特許文献1に示された従来例にあっては、洗浄ノズルから洗浄水を噴射しながら洗浄庫内に配置した被洗浄物を洗浄したり、洗浄後にすすぎをしたりする際、洗剤や食物滓や油分その他の汚れ分が含まれた洗浄液が排気口から循環ファン経路内に浸入して、循環ファン経路内に配置した静電霧化装置に付着し、漏電などの電気的トラブルを引き起こしたり、あるいは放電電極に汚れが付着して静電霧化が安定して出来なくなるといった問題が生じる可能性がある。
特開2005−192728号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、食器洗浄機に静電霧化装置を設けて洗浄庫内に帯電微粒子水を放出して殺菌や消臭をするに当って、被洗浄物の洗浄中に静電霧化装置が洗剤、洗浄液、食物滓、油分その他の汚れにさらされないようにできる食器洗浄機を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る食器洗浄機は、食器洗浄機本体8内に設けた洗浄庫1に被洗浄物2を収納して洗浄する食器洗浄機3に、帯電微粒子水を生成して洗浄庫1内に放出するための静電霧化装置4を設け、該静電霧化装置4を食器洗浄機本体8の洗浄庫1とは別の場所に配置すると共に静電霧化装置4で生成した帯電微粒子水を洗浄庫1内に放出するための上下方向に蛇行した配管7を設け、該上下に蛇行した配管7の谷部分に排水手段24を設けて成ることを特徴とする。
このような構成とすることで、洗浄庫1内で洗浄運転する際に配管7の端部の開口から洗浄水が配管7内に入り込んでも、縦方向に蛇行した配管7の谷部分に溜まって静電霧化装置4側に浸入するのが防止され、配管7の谷部分に溜まった水は排水手段24から排水されるので、静電霧化装置4を運転して帯電微粒子水を洗浄庫1内に放出する際、配管7を通して洗浄庫1内にスムーズに帯電微粒子水を放出することができる。
本発明は、上記のように構成したので、洗浄庫内で洗浄運転する際に配管の端部の開口から洗浄水が配管内に入り込んでも、縦方向に蛇行した配管の谷部分に溜まって静電霧化装置側に浸入するのが防止され、配管の谷部分に溜まった水は排水手段から排水されるので、静電霧化装置を運転して帯電微粒子水を洗浄庫内に放出する際、配管を通して洗浄庫内にスムーズに帯電微粒子水を放出することができる。この結果、帯電微粒子水を放出して被洗浄物の除菌や消臭ができるのみならず、静電霧化装置の電気的トラブルの発生を防止できる。
本発明の一実施形態の断面図である。 同上の静電霧化装置の概略構成図である。 同上の運転動作を示すフロー図である。 (a)は同上のシャッタの開状態を示す断面図であり、(b)はシャッタの閉状態を示す断面図である。 本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は断面図であり、(b)は要部拡大断面図である。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
図1には本発明の食器洗浄機3の一実施形態が示してある。食器洗浄機3は、食器洗浄機本体8の内部に、食器等の被洗浄物2を収納するための食器かご9を設けた洗浄庫1、洗浄水を噴射する洗浄ノズル10、洗浄ポンプ22、循環水路13、排水部60、食器等の被洗浄物2を乾燥させるための加熱ユニット11、通風ダクト12、洗浄庫1内を換気する換気ファン21を備え、更に、食器洗浄機本体8に洗浄庫1内に食器、まな板等の被洗浄物2を出し入れするための扉6を備えて構成してある。
食器洗浄機3には静電霧化により帯電微粒子水を生成して洗浄庫1内に帯電微粒子水を放出するための静電霧化装置4が設けてある。
静電霧化装置4はケース内に収納してあり、該静電霧化装置4を収納したケースは洗浄庫1内に配設してもよく、あるいは、洗浄機本体8内の洗浄庫1の外側に配置してもよい。ケースには静電霧化装置4で生成した帯電微粒子水を洗浄庫1内に放出するための放出部14となる開口部が形成してあり、該放出部14には図4に示すように開閉自在なシャッタ5が設けてあって、シャッタ5を閉じると洗浄庫1内に噴出する洗浄水が静電霧化装置4側に浸入しないようになっている。このシャッタ5は駆動手段により開閉動作が行われるもので、静電霧化装置4を運転すると連動してシャッタ5が自動的に開となり、静電霧化装置4の運転を停止するとシャッタ5が自動的に開となるように制御部により開閉が制御される。
静電霧化装置4は、放電電極15と、空気中の水分を結露水として生成することで放電電極15に水を供給するための冷却手段16と、放電電極15に生成した結露水を静電霧化するために放電電極15に高電圧を印加するための高電圧印加部17とを備えている。
図2には本発明に用いる静電霧化装置4の概略構成図が示してある。図2に示す実施形態においてはペルチェユニット18のような冷却手段16により空気中の水分を冷却して結露水を生成することで放電電極15に水を供給するようになっている。
ペルチェユニット18は、熱伝導性の高いアルミナや窒化アルミニウムからなる絶縁板の片面側に回路を形成してある一対のペルチェ回路板27を、互いの回路が向き合うように対向させ、多数列設してあるBiTe系の熱電素子28を両ペルチェ回路板27間で挟持すると共に隣接する熱電素子28同士を両側の回路で電気的に接続させ、ペルチェ入力リード線29を介してなされる熱電素子28への通電により一方のペルチェ回路板27側から他方のペルチェ回路板27側に向けて熱が移動するように構成したものである。更に、上記一方の側のペルチェ回路板27の外側には冷却部19を接続してあり、また、上記他方の側のペルチェ回路板27の外側には放熱部20が接続してあり、実施形態では放熱部20として放熱フィンの例が示してある。ペルチェユニット18の冷却部19には放電電極15の後端部が接続してある。
放電電極15は絶縁材料からなる筒体30で囲まれており、筒体30の周壁には筒体30内外を連通する窓30aが設けてある。また、筒体30の先端開口部にリング状をした対向電極25が配設され、放電電極15の軸心の延長線上にリング状の対向電極25のリングの中心が位置するように放電電極15と対向電極25とが対向している。
上記静電霧化装置4は、ペルチェユニット18に通電することで、冷却部19が冷却され、冷却部19が冷却されることで放電電極15が冷却され、空気中の水分を結露して放電電極15に水(結露水)を供給するようになっている。
このように放電電極15に水が供給された状態で上記放電電極15と対向電極25との間に高電圧を印加すると、放電電極15と対向電極25との間にかけられた高電圧により放電電極15の先端部に供給された水と対向電極25との間にクーロン力が働いて、水の液面が局所的に錐状に盛り上がり(テーラーコーン)が形成される。このようにテーラーコーンが形成されると、該テーラーコーンの先端に電荷が集中してこの部分における電界強度が大きくなって、これによりこの部分に生じるクーロン力が大きくなり、更にテーラーコーンを成長させる。このようにテーラーコーンが成長し該テーラーコーンの先端に電荷が集中して電荷の密度が高密度となると、テーラーコーンの先端部分の水が大きなエネルギー(高密度となった電荷の反発力)を受け、表面張力を超えて分裂・飛散(レイリー分裂)を繰り返してマイナスに帯電したナノメータサイズの帯電微粒子水を大量に生成させ放出部14から洗浄庫1内に放出されるようになっている。
ここで、実施形態においては食器洗浄機3による洗浄運転は、少なくとも2つの洗浄運転モードを有している。
第1の洗浄運転モードは、洗剤を投入した状態で洗浄ノズル10から洗浄水を噴出しながら循環させて被洗浄物2を洗浄し(洗浄運転)、該洗浄運転が終わると、引き続いて、洗浄ノズル10から新たな洗浄水を噴出して被洗浄物2のすすぎ洗いをし(すすぎ運転)、すすぎ運転が終わると、引き続いて、加熱ユニット11で加熱した温風を送風して被洗浄物2の乾燥を行い(乾燥運転)、乾燥運転が終了すると、静電霧化装置4を運転して帯電微粒子水を生成して洗浄庫1内に放出するという除菌・消臭運転を行い、一定時間経過すると静電霧化装置4の運転を停止することで、食器洗浄機3の運転を終了するというモードである。
また、第2の洗浄運転モードは、洗剤を投入した状態で洗浄ノズル10から洗浄水を噴出しながら循環させて被洗浄物2を洗浄し(洗浄運転)、該洗浄運転が終わると、引き続いて、洗浄ノズル10から新たな洗浄水を噴出して被洗浄物2のすすぎ洗いをし(すすぎ運転)、すすぎ運転が終わると、引き続いて、静電霧化装置4を運転して帯電微粒子水を生成して洗浄庫1内に放出するという除菌・消臭運転を行い、一定時間経過すると静電霧化装置4の運転を停止することで、食器洗浄機3の運転を終了するというモードである。
上記いずれの洗浄運転モードにおいても、シャッタ5は静電霧化装置4の運転中にのみ開となり、運転が停止されると閉となるように制御されるものであり、このため、洗浄水が放出部14から静電霧化装置4内に浸入するのが防止されるようになっている。
上記、第1の洗浄運転モード、第2の洗浄運転モードは食器洗浄機3に設けた操作部で選択して目的とする運転モードを指定するものである。
図3には食器洗浄機3の運転のフローが示してある。洗浄に当っては第1又は第2運転モードのいずれかを指定して運転を行う。この場合、扉6を開き、洗浄庫1内の食器かご9に被洗浄物2を収容する。次に、洗浄庫1内に洗剤を投入し、扉6を閉じ、この状態で第1の洗浄運転モード又は第2の洗浄運転モードを選択するものであり、以後は、設定された洗浄運転モードでの運転が行われる。そして、すすぎ運転終了後又は乾燥運転終了後に静電霧化装置4の運転を開始すると共にシャッタ5を開とする。静電霧化装置4を運転して帯電微粒子水を生成することで、シャッタ5が開となった放出部14から洗浄庫1内に帯電微粒子水が放出され、洗浄庫1内を帯電微粒子水が浮遊し、洗浄又は乾燥が終了した被洗浄物2や洗浄庫1の壁面に帯電微粒子が付着する。帯電微粒子水はナノメータサイズと非常に小さく、また、活性種を有しているため、洗浄庫1内を浮遊して洗浄庫1内の隅々まで飛翔し、被洗浄物2や洗浄庫1の壁面の除菌、脱臭を行う。静電霧化装置4の運転を停止すると、シャッタ5が閉となる。
なお、上記実施形態では、食器洗浄機3に第1の洗浄運転モードと第2の洗浄運転モードとを設け、一連の洗浄運転モード一段階として静電霧化装置4を運転して除菌・消臭運転を行う例を示したが、洗浄運転モードとは独立して静電霧化装置4を運転して除菌・消臭運転を行うようにしてもよく、この場合も、静電霧化装置4の運転中のみシャッタ5が開となり、静電霧化装置4の運転停止中はシャッタ5が閉となるように制御される。
次に、他の実施形態を図5に基づいて説明する。本実施形態は、静電霧化装置4を食器洗浄機本体8の洗浄庫1とは別の場所(図5の実施形態では洗浄庫1の上方)に配置してあり、配管7により静電霧化装置4と洗浄庫1とを連通してある。配管7は上下方向に蛇行しており、谷部分に溜まる水を排水するための排水手段24が設けてある。図5に示す実施形態では谷部の底に排水手段24となる排水小孔が設けてあり、上下に蛇行した配管7の谷部分に水が溜まった場合、排水小孔から直接又は排水管(図示せず)を介して洗浄庫1内又は排水部60に排水するようになっている。
本実施形態においては、洗浄運転やすすぎ運転において洗浄庫1内で洗浄水が飛散して配管7の端部開口から配管7内に浸入しても、上下方向に蛇行した配管7内の谷部分に溜まってそれ以上浸入せず、上下に蛇行した配管7の奥に位置する静電霧化装置4に水が浸入することがないようになっている。配管7内の谷に溜まった洗浄水は排水手段24により洗浄庫1内又は排水部60に排水される。したがって、静電霧化装置4を運転して帯電微粒子水を生成して配管7を通して洗浄庫1内に帯電微粒子水を放出する除菌・脱臭運転の際は、配管7内の谷に水が溜まっておらず、スムーズに配管7を通して洗浄庫1内に帯電微粒子水を放出することができる。
本実施形態では配管7を上下方向に蛇行するものとすることで、静電霧化装置4に洗浄水が浸入しないようにしたものであり、他の構成、作用は前述の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
なお、添付図面に示す実施形態では放電電極と対向電極との間に高電圧を印加して帯電微粒子水を生成する静電霧化装置4の例を示したが、対向電極を設けない場合であってもよい。
1 洗浄庫
2 被洗浄物
3 食器洗浄機
4 静電霧化装置
7 配管
8 食器洗浄機本体
24 排水手段

Claims (1)

  1. 食器洗浄機本体内に設けた洗浄庫に被洗浄物を収納して洗浄する食器洗浄機に、帯電微粒子水を生成して洗浄庫内に放出するための静電霧化装置を設け、該静電霧化装置を食器洗浄機本体の洗浄庫とは別の場所に配置すると共に静電霧化装置で生成した帯電微粒子水を洗浄庫内に放出するための上下方向に蛇行した配管を設け、該上下に蛇行した配管の谷部分に排水手段を設けて成ることを特徴とする食器洗浄機。
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