JP5032889B2 - 空間符号化法による3次元計測方法および装置 - Google Patents

空間符号化法による3次元計測方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、対象物の表面に光パターンを投影するとともに対象物の表面を光パターンの投影方向とは異なる方向から撮像し、画像内で光パターンの各領域に対応する画素の位置を求め三角測量法の原理を用いることにより対象物の表面の3次元形状を計測する3次元計測方法であって、光パターンの各領域の光の強度が異なる複数種類の光パターンを投影することによって対象物の表面の各部位に空間符号を付与し、この空間符号によって光パターンの各領域と画像内の各画素の位置との対応付けを行う空間符号化法による3次元計測方法およびその装置に関するものである。
一般に、計測技術は受動計測と能動計測とに分けることができる。対象物の表面形状を3次元計測する場合の能動計測の技術としては、対象物に光パターンを投影し、対象物の表面形状に応じた光パターンの変化を検出することが考えられている。用いる光パターンには、点状、線状、縞状、格子状などがある。また、対象物の高さ変化を検出するには、光切断法、モアレ法、位相シフト法などとして知られている技術が用いられる。これらの技術では、TVカメラのような撮像手段を用いて投影した光パターンの変形量を検出し、三角測量法の原理を用いて光パターンの変形量から対象物の表面の3次元形状を算出している。
光切断法では、レーザ光源などを用いて形成した線状の光パターン(以下、「スリット光」と呼ぶ)を対象物の表面に投影し、投影されたスリット光の形状を撮像手段で撮像することにより、スリット光の変形を計測している。したがって、光切断法では、1回の撮像によって得られる3次元位置の情報は、スリット光の1本ないし複数本分の情報になり、対象物の表面全体の3次元情報を得ようとすれば、対象物の表面全体でスリット光を走査することになり、計測に時間を要するという問題がある。
これに対してモアレ法や位相シフト法では縞パターンを投影し、縞次数あるいは縞の位相値を検出するから、1回の撮像で対象物の表面の略全体についての3次元情報を得ることができる。つまり、面積の広い対象物であっても高速かつ高精度に計測することができる。しかしながら、対象物の表面に段差があり縞パターンが画像内で不連続になる場合には縞パターンにおける各縞の対応関係を一意に決定できない場合があるから、大きな段差を有する対象物では、モアレ法や位相シフト法を単純に適用することはできない。
ところで、対象物を3次元計測する技術には、上述した光切断法、モアレ法、位相シフト法のほかに、パターン投影法、空間コーディング法、空間符号化法などと呼ばれている技術がある。以下では、空間符号化法と呼ぶ。
空間符号化法では、プロジェクタのように複雑な光パターンを投影することのできる投影手段を用いて複数種類の光パターンを対象物の表面に順に投影するとともに、各光パターンの投影毎に対象物の表面を撮像する。光パターンの投影順序と対象物の表面での明暗の変化とは対応するから、対象物の表面の各部位ごとに光パターンの投影毎の明度の変化を検出することによって、投影した光パターンと対象物の表面の部位とを対応付けることができる。
つまり、光パターンを分割した各領域ごとに投影した光の強度に規定の変化が得られるように複数種類の光パターンを構成しておき、これらの光パターンの投影により生じる画像内の各領域の明度の変化を投影した光パターンによる明度の変化と照合し、投影した光パターンの各領域が対象物のどの部位に投影されているかを推定することができる。
さらに言い換えると、複数種類の光パターンを投影することにより、対象物の表面の各部部位に明度変化による空間符号を付与したことになるから、この空間符号を既知の投影パターンの空間符号に対応付けることにより、投光装置から対象物の表面に投影した光パターンと対象物の表面の位置とを対応付けることができる。
空間符号化法では、モアレ法や位相シフト法と同様に、1つの光パターンを広い面積に投影するから、対象物の計測を比較的短い時間で行うことが可能である。しかも、対象物に複数種類の光パターンを順に投影することにより、光パターンを分割した領域ごとに単一の空間符号を与えることができるから、対象物に段差があり画像内で1つの領域が複数に分離したとしても、同一領域は同じ空間符号を有しているから、一意に対応付けることができる。
一方、空間符号化法において、三角測量法の原理に基づいて3次元計測を行うには、投影手段から投影する光パターン内での位置と、対象物の表面での光パターンの位置と、撮像手段により撮像された画像内での位置とを対応付けるから、投影する光パターンの位置分解能と、撮像手段により撮像した画像内での位置分解能とが高いほど、対象物の表面に関して高い分解能(以下、「空間分解能」という)で3次元形状を計測することが可能になる。ただし、空間符号化法では、空間符号を付与した領域ごとに光パターンの位置が同定されるから、計測の空間分解能を向上させるには空間符号を付与する領域の数を多くする必要がある。たとえば、縞状のパターンを用いた空間符号化法では、計測の空間分解能を向上させようとすれば、縞状のパターンを小ピッチで投影する必要がある。
空間符号化法の一例を図17に示す。図示例は、4種類の光パターンを用いており、各光パターンは白と黒との2値の明度で縞状パターンを形成している。各光パターンでは、白領域Dwと黒領域Dbとの幅は等しく、図17に示す光パターンでは、上から順に白領域Dwと黒領域Dbとの幅が2倍になる関係としてある。いま、白領域Dwと黒領域Dbとを2値の論理値(コード)に対応付け、白領域Dwにコード「1」を対応付け、黒領域Dbにコード「0」を対応付けるとすれば、図17の最上段の光パターンは、右列に記載しているように、「0101010101010101」であり、下に向かって順に、「0011001100110011」、「0000111100001111」、「0000000011111111」になる。
図17に示す例では、光パターンにより分割される最小幅は、最上段に示す白領域Dwまたは黒領域Dbの幅であり、この幅の領域ごとにコードを付与することが可能である。たとえば、下段から上向きに論理値を読むことによって、各領域に空間符号を付与するとすれば、左端の領域に対する空間符号は「0000」、その右隣りの領域に対する空間符号は「0001」となり、たとえば、空間符号が「1001」であれば、左から10番目の領域になる。図17の右図の上端には、空間符号を10進数に変換した値を示している。以下では、この値を「縞次数」と呼ぶ。縞次数は、左端の領域では0になり、右端の領域では15になる。
図17に示した例からわかるように、1つの光パターン内では白領域Dwと黒領域Dbとの幅が等しく、異なる光パターンでは幅が2倍ずつ異なるn種類(nは正の整数)の光パターンを用いた場合には、2個の領域に互いに異なる空間符号を付与することができる。言い換えると、領域の分割数は2のn乗個になる。
したがって、4種類の光パターンを順に投影する場合には、2=16個の領域に分割され、512個の領域に分割しようとすれば、512=2であるから、9種類の光パターンに対応する画像を撮像することが必要になる。その結果、空間分解能を高めようとすれば、空間符号化法を用いているにもかかわらず計測に要する時間が長くなるという問題が生じる。
空間符号化法において、空間分解能を高めながらも光パターンの種類を低減させる技術としては、光パターンを白と黒との2値の明度で構成するのではなく、光パターンを複数段階の明度で表す技術が提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。非特許文献1には、白と黒とのほかにその間の2種類の明度を持つ4値の光パターンを形成する例が示されている。この方法では、4種類の光パターンをそれぞれ対象物に投影すれば、4=256個の領域に分割することが可能になる。
さらに、5値の光パターンを形成するとともに、隣り合う縞の境界に、縞同士の明度差よりも明度差を大きくするラインパターンを挿入することも考えられている(たとえば、特許文献1参照)。ラインパターンを挿入することにより、隣接する縞の境界が明確になり縞を分離しやすくなる。
特開2006−58092号公報 大澤尊光ほか;「多値パターン投影による3次元形状測定」,精密工学会誌,Vol.61,No.8、2000
しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、光パターンを形成するために4段階の明度を用いているから、各明度を弁別するための閾値を適宜に設定することが必要になる。この閾値は対象物の反射率などによっても変化するから、閾値を正確に設定するには、投影手段による最大明度で投影した状態と投影手段による投影をしない状態との2状態の画像を撮像し、撮像手段の出力から明度の絶対値が得られるように明度の補正をしなければならない。つまり、4種類の光パターンを投影するには、撮像手段では4回の撮像だけではなく、白と黒とに対応する撮像手段の出力を求めるための2回の撮像が必要になり、結果的に撮像回数が6回になる。しかも、撮像手段により追加の画像を撮像したとしても、光パターンを投影する際の強度と撮像手段により得られた画像内の明度の関係とは、撮像手段の感度特性に依存しており、線形関係になるとは限らず、たとえば、コントラストの低い濃色の物体や複雑な模様がある物体では適正な閾値を求めることが困難になり、空間符号化ができなくなる場合がある。
また、特許文献1に記載の技術では、ラインパターンを設けていることによって縞の境界を分離しやすくなっているが、縞の境界を検出するための処理が追加で必要になり、処理が複雑化するという問題を有している。しかも、ラインパターンを設けても境界を見逃す可能性があり、この場合は、隣り合う2つの縞を分離できないために大きな計測誤差を生じることになる。さらに、空間分解能を高めるために縞の本数を多くすると、ラインパターンの占有面積も増加するから、計測の失敗が生じないように撮像手段で検出できる線幅のラインパターンを形成するとすれば空間分解能に制限が生じる。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、撮像手段により得られた画像内の明度の相対変化を用いることにより、対象物の表面に投影した光パターンにおける光の強度の異なる領域を明確に分離して空間符号化を誤りなく抽出することを可能にし、しかも少数の光パターンによって多数個の空間符号が得られるようにして高い空間分解能と計測時間の短縮とを両立させた空間符号化法による3次元計測方法およびその装置を提供することにある。
請求項1の発明は、対象物の表面に光パターンを投影し、投影方向とは異なる方向から対象物の表面を撮像して得られる画像内で光パターンの各領域に対応する画素の位置を求め三角測量法の原理を用いることにより対象物の表面の3次元形状を計測する3次元計測方法であって、光パターンは複数の領域に分割され各領域の光の強度を3以上の複数段階から選択して形成してあり、光の強度の大小の順序で各段階を強度レベルとして規定し、複数種類の光パターンを、光パターンの全領域においてそれぞれ選択されるすべての強度レベルが1回ずつ出現するという条件と、各領域ごとに強度レベルの変化順序が異なるという条件とを満たすように規定した順序で対象物の表面に投影することにより、対象物の表面に強度レベルの変化順による空間符号を付与し、さらに、各光パターンの投影毎の濃淡画像を撮像し、撮像毎の濃淡画像内の同画素における明度の変化順序と明度の大小関係とから各画素ごとの強度レベルの変化順序を抽出し、濃淡画像により得られた変化順序と光パターンの投影順序に対応した各領域の強度レベルの変化順序とを照合することにより、濃淡画像における各画素ごとの空間符号を抽出し、濃淡画像の各画素に光パターンの各領域を対応付けることを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記光パターンの強度レベルは、隣接する各一対の領域のうち強度レベルが1段階の差である領域が入れ替わるように配置されていることを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項1または請求項2の発明において、前記濃淡画像の各1個の画素において、すべての光パターンの投影により得られる各領域の強度レベルの変化と明度の変化との関係から光パターンの各領域の強度の相対値と各画素で検出される明度との関係を予測し、明度を強度の相対値と線形関係になるように補正することを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明において、前記濃淡画像の各1個の画素において、すべての光パターンの投影により得られる明度について1段階の強度レベルの差に相当する明度の差が規定の閾値以下になるときには当該画素は計測不能とすることを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明において、前記光パターンを投影する第1の期間と、前記光パターンの前記領域ごとにそれぞれ強度が正弦波状に変化する縞パターンを投影する第2の期間とを設け、第2の期間では、縞パターンの位相をずらして3回以上投影し、縞パターンの投影に伴う濃淡画像の各画素での明度の変化から当該画素における正弦波の位相を求め、光パターンの各領域をさらに細分して計測することを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明において、前記光パターンを投影する第1の期間と、前記光パターンの前記領域ごとにそれぞれ強度が線形に変化する縞パターンを投影する第2の期間とを設け、第2の期間では、縞パターンにおける強度変化の方向を逆にして2回投影し、縞パターンの2回の投影により得られる濃淡画像の各画素の明度の比から当該画素における縞パターン内での位置を求め、光パターンの各領域をさらに細分して計測することを特徴とする。
請求項7の発明は、対象物の表面に光パターンを投影する投影手段と、投影方向とは異なる方向から対象物の表面を撮像する撮像手段と、撮像手段により得られた濃淡画像内で光パターンの各領域に対応する画素の位置を求め三角測量法の原理を用いることにより対象物の表面の3次元形状を計測する画像処理装置と、複数の領域に分割され各領域の光の強度を3以上の複数段階から選択して形成した複数種類の光パターンを規定した順序で対象物の表面に投影させるように投影手段を制御することにより対象物の表面に強度レベルの変化順による空間符号を付与するとともに、各光パターンの投影毎に撮像手段に撮像を指示する制御装置とを備え、光パターンは、光の強度の大小の順序で各段階が強度レベルとして規定されており、制御装置は、光パターンの全領域においてそれぞれ選択されるすべての強度レベルが1回ずつ出現するという条件と、各領域ごとに強度レベルの変化順序が異なるという条件とを満たすように投影手段に光パターンを投影させ、画像処理装置は、各光パターンの投影毎に得られる濃淡画像内の同画素における明度の変化順序と明度の大小関係とから各画素ごとの強度レベルの変化順序を抽出し、濃淡画像により得られた変化順序と光パターンの投影順序に対応した各領域の強度レベルの変化順序とを照合することにより、濃淡画像における各画素ごとの空間符号を抽出し、濃淡画像の各画素に光パターンの各領域を対応付けることを特徴とする。
請求項1、7の発明の技術によれば、複数種類の光パターンを対象物の表面に順に投影することによって対象物の表面に強度レベルの変化順による空間符号を付与するにあたって、光パターンの投影順序を、光パターンの全領域においてそれぞれ選択されるすべての強度レベルが1回ずつ出現するという条件と、各領域ごとに強度レベルの変化順序が異なるという条件とを満たすように規定しているから、各空間符号にはそれぞれ異なる強度レベルが1回ずつかつ1回だけ出現し、強度レベルの変化順序も各空間符号で異なることになる。したがって、すべての光パターンを撮像し、撮像順で各画素の明度の大小の変化を検出すれば、明度を強度レベルに一意に対応付けることができる。その結果、強度レベルの変化順により空間符号を誤りなく抽出することが可能になる。ここで、撮像した画像内の明度が受光した光の強度に対して単調に変化するという関係が満たされている限り(ほとんどの撮像素子はこの関係が満たされている)、明度の大小関係と強度レベルとが入れ替わることがないから、光パターンの強度と画像の明度と関係が非線形であっても閾値を用いて空間符号を抽出する場合のような曖昧さを排除することができ、また、光パターンにおいて各領域を区分するための付帯的なラインパターンなどを利用する必要も生じない。
しかも、上述の条件によって、光パターンの各領域の空間符号の個数は、各強度レベルを重複を許さずに並べ替える順列になるから、強度レベルがn段階であれば、=n!になる。つまり、n個の強度レベルを用いてn!個の空間符号を設定することができる。強度レベルの段数は光パターンの種類の個数と一致しているから、光パターンが4種類であれば4!=24通り、5種類であれば5!=120通り、6種類であれば720通り、7種類であれば5040通り、8種類であれば40320通りの空間符号を一意に弁別できる。このように、比較的少ない種類の光パターンで多種類の空間符号を付与することができ、結果的に比較的少ない投影回数で高い空間分解能を得ることができる。つまり、光パターンの投影回数を少なくして比較的短時間で高い空間分解能の3次元計測が可能になる。
請求項2の発明の技術によれば、光パターンの各領域の境界部分において各領域の空間符号とは異なる空間符号が発生するのを防止することができる。たとえば、光パターンの投影あるいは撮像に用いるレンズのピントがあまく領域の境界付近で強度の変化が鈍くなっても空間符号の誤りが発生するのを防止し、正しい空間符号を抽出することが可能になる。
請求項3の発明の技術によれば、各画素において光パターンに含まれるすべての強度レベルの光が入射することを利用し、強度レベルの変化と明度の変化との関係から、光パターンの各領域おける強度の相対値と各画素で検出される明度との関係を抽出するのであって、この関係がわかることにより、各画素で得られた明度を強度の相対値と線形関係になるように補正することができる。つまり、明度から線形関係の場合の強度の相対値を推定するから、明度と強度の相対値とが非線形関係であることに起因する誤差の発生を防止することができる。このことは、後述するサブフリンジ計測の際や強度レベルの段数を増加させた場合にとくに有効である。
請求項4の発明の技術によれば、1段階の強度レベルの差に対応する明度の差が小さくなることは飽和が生じていることを示すと判断し、飽和により測定が不能になっている部位は排除することで計測の信頼性を保証することができる。たとえば、対象物の表面に濃色部が存在して明度差が得られない場合や、光沢により正反射が生じて明度が飽和している場合などに、該当する画素を計測の信頼性が不十分であると判断し排除することが可能になる。
請求項5の発明の技術によれば、光パターンの領域ごとにそれぞれ強度が正弦波状に変化する縞パターンを投影し、かつ縞パターンの位相をずらして3回以上投影することによって、縞パターンの投影に伴う濃淡画像の各画素での明度の変化から当該画素における正弦波の位相を求めることができるから、いわゆる位相シフト法を付加したことになり、縞パターンの範囲内をさらに細分して位置を特定するサブフリンジ計測が可能になる。すなわち、空間分解能をさらに向上させることができる。
請求項6の発明の技術によれば、光パターンの領域ごとにそれぞれ強度が線形に変化する縞パターンを投影し、かつ縞パターンにおける強度変化の方向を逆にして2回投影することによって、縞パターンの2回の投影により得られる濃淡画像の各画素の明度の比から当該画素における縞パターン内での位置を求めることができるから、いわゆる強度比法を付加したことになり、縞パターンの範囲内をさらに細分して位置を特定するサブフリンジ計測が可能になる。すなわち、空間分解能をさらに向上させることができる。
空間符号化による3次元計測を行う装置の構成例を図2に示す。測定ステージ22に載置された対象物21に対して、測定ステージ22の斜め上方から投影手段11により対象物21の表面に縞状の光パターンを投影する。投影装置11は液晶プロジェクタのように、外部から与える映像信号により任意の光パターンを投影できるものを用いる。また、投影手段11からの光パターンの投影方向は、測定ステージ22の表面に直交する方向に対して一定の角度に保たれる。投影手段11により対象物21に投影される光パターンについては後述する。
投影手段11から対象物21の表面に投影された光パターンは、投影手段11による光パターンの投影方向とは異なる方向からTVカメラのような撮像手段12により撮像される。図示例では撮像手段12の光軸が測定ステージ22の表面に直交するように配置しているが、撮像手段12の向きはこれに限定されない。撮像手段12は、各画素に対応する視野内の各領域からの光の入射強度を画素値とする濃淡画像を生成する。撮像手段12で得られる濃淡画像は、たとえば、図3に示すように光パターン23の明度の高い領域と低い領域とが縞状をなす画像になる。
撮像手段12により得られた対象物21の表面の画像は画像処理装置10に入力され、画像処理装置10において後述の処理が行われる。また、空間符号化法では、複数種類の光パターンを対象物21に投影するから、投影手段11により光パターン23を投影するタイミングと、撮像手段12により画像を取り込むタイミングとを同期させるために制御装置13を設けている。つまり、制御装置13は、投影手段11から対象物21に対して複数種類の光パターンを順に投影し、各光パターンの投影毎に撮像手段12に取込信号を与えて撮像を実行する。画像処理装置10および制御装置13は、パーソナルコンピュータに、投影手段11および撮像手段12を接続するためのインターフェースを付加し、適宜のプログラムを実行することにより実現される。
撮像手段12で得られた図3のような濃淡画像は、画像処理装置10に入力される。画像処理装置10は、図1に示すように、撮像手段12で得られた濃淡画像を記憶する記憶部14を有し、対象物21に投影する全種類の光パターンについての濃淡画像が記憶部14に格納されると、空間符号付与部15において、これらの濃淡画像を用いて縞状の各領域ごとに図5に示すような空間符号を付与する。このような空間符号を付与することにより、光パターンにおける縞状の各領域と、対象物21の各部位とを対応付けることが可能になる。つまり、撮像手段12の各画素の位置と、対象物21の表面の位置と、投影手段11により投影した光パターンの領域とを対応付けることが可能になる。したがって、画像処理装置10に設けた3次元位置算出部16において、三角測量法の原理を用いて対象物21の表面の3次元形状を求めることが可能になる。なお、3次元位置算出部16で得られた結果は、適宜の記憶装置に格納したりディスプレイ装置の画面に表示したりする。
ここに、3次元位置算出部16において対象物21の3次元形状の絶対値を算出するには、投影手段11および撮像手段12の位置関係を実測したり、3次元位置算出部16で算出された結果を実測値と比較して校正する必要がある。また、投影手段11および撮像手段12は、互いに位置関係が固定されているか、制限された範囲内で位置調節が可能になっていることが望ましい。また、投影手段11および撮像手段12は、1個の筐体に収納した構成あるいは1個のフレームにより結合した構成を採用することができる。
以下では、投影手段11により対象物21に投影する光パターンとして、図4(a)〜(c)に示す3種類の光パターンを例として説明する。ここでは、説明を簡単にするために、対象とする領域に6種類の空間符号を付与する場合を例示するが、さらに多数個の空間符号を付与する場合も同様の技術思想を適用することができる。
図4の左列は光パターンの強度変化を示し、右列は各光パターンの強度にコードを対応付けたものを示している。以下では、このコードを強度レベルと呼ぶ。つまり、図4に示す各光パターンは同幅の縞状の6個の領域に3段階の強度レベルのいずれかを対応付けて構成され、各強度レベルについてレベルの低いほうから「1」「2」「3」の強度レベルを対応付けている。投影する光パターンの縞状の各領域について、強度(相対値)の最大値を100として、0、50、100の各強度(相対値)にそれぞれ「1」「2」「3」の各強度レベルを対応付けている。したがって、図4に示す例では、図4(a)は「112332」という強度レベルを持つ光パターンになり、図4(b)は「233211」、図4(c)は「321123」という強度レベルを持つ。
図4に示す各光パターンは、対象物21に対して順に投影される。1回目の投影時に図4(a)の光パターンを投影し、2回目の投影時に図4(b)の光パターンを投影し、3回目の投影時に図4(c)の光パターンを投影し、光パターンの投影位置にずれがなければ、光パターンの左端の縞状の領域に対応する部位は、1→2→3の順で強度レベルが変化する。同様にして、縞状の各領域は、図5のような空間符号を持つことになる。つまり、対象物21において光パターンの各領域に対応する部位に空間符号を付与したことになる。図5において縞次数は、縞状の各領域を区別するための値であり、左端を0として右に向かって1ずつ増加させた値を用いている。したがって、本実施形態では縞次数は0,1,2,3,4,5の6種類になる。
図5から明らかなように、各縞次数に対応する各空間符号は、強度レベルに対応する「1」「2」「3」のすべての強度レベルが出現するという条件と、強度レベルの並び順が互いに異なるという条件とがともに満たされるように設定される。前者の条件により、光パターンの種類と強度レベルの段数とは同数になる。上述の条件が成立することは、各強度レベルを配列するにあたり重複を許さずに並べ替えることであるから、n段階の強度レベルをn個の縞状の領域に配列する順列であって、=n!になる。上述の例では、3段階の強度レベルを用いているから、3!=6個の縞状の領域に分割して、各領域に異なる空間符号を付与することができる。
次に、各空間符号を検出する例を図6、図7を用いて説明する。図6(a)〜(c)のように、上述した3種類の光パターンを対象物21に投影した場合の点A,Bに対応する濃淡画像での明度の変化を、図7(a)(b)にそれぞれ示す。明度は0〜255の範囲とし、完全な黒の明度を0とし、完全な白の明度を255とする。点A,Bに照射した光パターンの強度レベルの変化は、強度レベルで表せばそれぞれ1→3→2、3→2→1であるが、濃淡画像内での実際の明度は、たとえば、53→191→106、220→173→76のように変化する。
従来は、明度の変化を閾値ないし明度の範囲により規定しているが、本実施形態では、各画素ごとの明度の相対変化を用いることにより強度レベルへの当て嵌めを行っている。たとえば、点Aについては、53<106<191であるから、53を「1」、106を「2」、191を「3」に対応付け、点Bについては、76<173<220であるから、76を「1」、173を「2」、220を「3」に対応付けるのである。同様の手順で、濃淡画像の各画素ごとに強度レベルを対応付け、各強度レベルの出現順序によって各画素に空間符号を対応付けることができる。つまり、濃淡画像内の各画素について、光パターンにおける同じ縞次数の縞に同じ空間符号を付与することができ、対象物21の段差などによって1本の縞が濃淡画像の中では不連続に分断されている場合でも、各画素について求めた縞次数によって対応付けることができる。図6の光パターンを用いた場合の縞次数の検出結果を図8に例として示す。
上述のように、明度の絶対値を用いるのではなく、各画素の明度の大きさの相対関係によって強度レベルを対応付けるから、各画素が同じ位置に対応付けられているかぎり(投影手段11と撮像手段12と対象物21との位置関係が変化しないかぎり)、対象物21の表面における部位ごとの反射率差などの影響を受けることなく強度レベルを正確に対応付けることができる。つまり、対象物21の色や模様に伴う曖昧さを排除し、画素ごとに一意に空間符号を付与して縞次数を同定することが可能になる。
ところで、本実施形態では、各光パターンにおいて、縞状の領域の強度レベルは、「隣接する(縞次数が隣りである)領域において、強度レベルの差が1である一組の強度レベルが入れ替わる」という関係になるように配置される。たとえば、縞次数がである領域とである領域とでは、強度レベル「1」の領域は変化せず、強度レベル「2」「3」の領域が入れ替わっている。また、縞次数がである領域とである領域とでは、強度レベル「3」の領域は変化せず、強度レベル「1」「2」の領域が入れ替わっている。
このように設定しているのは次の理由による。まず、縞の強度レベルが、1→2→3と変化する領域と3→2→1と変化する領域とが隣接している場合を想定すると、濃淡画像における明度は、図9(a)に示すプロファイルを示す。たとえば、位置アでは、明度が21→133→204と変化して空間符号を「123」と決めることができるが、位置イでは明度が67→131→76と変化して空間符号が「132」になる。さらに、位置ウでは明度が95→129→58と変化するから空間符号が「231」になり、位置エでは明度が199→124→31で空間符号が「321」になる。つまり、2つの領域間には、本来の空間符号である「123」と「321」とが対応付けられる画素間に、空間符号が「132」や「231」になる領域が発生し、誤った空間符号が付与されることになる。
このような現象が生じるのは、投影手段11において光パターンを生成する光変調素子(液晶プロジェクタにおける液晶パネル)により形成したパターンが投影用のレンズや撮像用のレンズを通過することにより、撮像手段12で得られる濃淡画像では隣接する縞状の領域間の境界部分の明度変化が鈍るからである。また、光パターンを生成する光変調素子における領域間のエッジで生じる回折も影響する。したがって、光パターンは隣接する領域間で強度レベルが矩形波的に急峻に変化するのが理想であるが、濃淡画像内では隣接する領域間での明度変化が緩やかになるのである。
これに対して、光パターンの各領域に対応付ける強度レベルに上述の条件を設定しておくことにより、図9(b)のように、強度レベルに対応付けた強度レベルが入れ替わる領域において、他の強度レベルを跨ぐことがないから、領域の境界付近で誤った空間符号に対応付けられることがなくなり、領域間の境界が曖昧になることなく明確に区別することが可能になる。要するに、領域の境界付近であっても誤った空間符号が付与されるのを防止できる。
なお、強度レベルの段階数を増やすと、縞状の領域のいずれかの境界では、上述した条件を満足させられない可能性がある。このような場合は、上述した条件を満足しない2つの領域の空間符号の組み合わせと、境界付近で生じる誤った空間符号とが既知であることろ利用し、誤りを生じる可能性のある2つの空間符号の間に想定された誤りの空間符号が存在するときに、正しい空間符号に置き換えることにより、空間符号の誤りを補正する。たとえば、図9(a)に示す例では、空間符号が「123」である領域と「321」である領域との間に、空間符号が「132」の画素が生じたときに当該画素の空間符号を「123」に置き換え、空間符号が「231」の画素が生じたときに当該画素の空間符号を「321」に置き換える。
(実施形態2)
実施形態1は、光パターンにおいて縞状の各領域内では強度レベルを一定としているが、本実施形態では、位相シフト法や強度比法を併用するために、各領域内で強度レベルを変化させる技術を採用している。この技術を採用すれば、縞状の領域の幅よりも狭い幅の領域に空間符号を付与することができる。縞状の領域は干渉縞ではないが、干渉縞を用いる計測技術におけるサブフリンジ計測の技術に類似するから、以下ではこの技術をサブフリンジ計測と呼ぶ。サブフリンジ計測では、空間符号化法で得られた光パターンの縞状の各領域をさらに細かく分割することにより、さらに高い分解能での計測を実現する。
ここでは、位相シフト法を併用する場合について説明する。位相シフト法を併用するサブフリンジ計測では、図4に示した空間符号化のための光パターンに加えて、図10に示す、空間符号化の光パターンにおける1本の縞状の領域を1周期とする正弦波状に強度変化する縞パターンを投影する。正弦波状に強度変化するとは、図10の右側に示しているように、位置に対する強度変化が正弦波状になっていることを意味する。また、本実施形態では、この縞パターンを4回投影するとともに、図10(a)〜(d)に示すように、投影毎に位相をπ/2ずつずらしている。したがって、実施形態1のように3種類の光パターンを投影するのに加えて、正弦波状の縞パターンを4回投影するから、合計7回の投影が必要になる。
いま、濃淡画像における位置(x,y)の画素に着目し、強度が正弦波状に変化する縞パターンを4回投影したときの当該画素の明度をそれぞれI(x,y),I(x,y),I(x,y),I(x,y)とすると、位置(x,y)における位相θは、θ=tan−1{(I−I)/(I−I)}で表すことができる。したがって、位相θを1周期(=2π)で除算した位置を対応付ければ、空間符号化法で得られた縞状の領域の範囲をさらに細分することが可能になる。なお、投影した強度と画素の明度との関係は線形関係ではないことが多いから、上述の式で算出された位相θは目安であって補正が必要である。なお、強度が正弦波状に変化する縞パターンの投影回数は3回以上であればよく、また位相差についてもπ/2であることは必須ではない。
上述の例は位相シフト法を併用した場合であるが、同様の技術として強度比法を採用してもよい。強度比法では、図11に示すように、位置に対して強度変化が線形関係になる縞パターンを用いる。この縞パターンも正弦波状の縞パターンと同様に、1本の縞状の領域ごとに強度変化を周期的に繰り返す。強度比法では、強度変化が互いに逆方向になる2つの縞パターンを順に投影する。つまり、図11の右側に示すように、右側ほど強度が増加する縞パターンと右側ほど強度が減少する縞パターンとを用いる。強度比法では、空間符号化法に用いる光パターンに加えて縞パターンを投影する回数が2回増加する。
ここで、濃淡画像における位置(x,y)の画素に着目し、図11(a)の縞パターンを投影したときの明度をI(x,y)、図11(b)の縞パターンを投影したときの明度をI(x,y)とすると、R(x,y)=I(x,y)/I(x,y)の値は図12に示すように変化するから、R(x,y)の値を用いることによって、空間符号化法で得られた1本の縞状の領域をさらに細分することが可能になる。
本実施形態は、空間符号化法に位相シフト法または強度比法を付加することによって空間分解能を高めることができる。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態では、投影手段11から光パターンを投影した強度と、撮像手段12で撮像したときの各画素の明度との関係を用いてさらに高精度な計測を実現する方法について説明する。
ところで、実施形態1において説明した技術を採用すると、撮像手段12で得られる濃淡画像の全画素でn段階のすべての強度レベルに相当する明度が得られるから、光パターンを投光した強度と各画素の明度との関係を求めることが可能である。強度レベルを5段階(つまり、n=5)に変化させる場合について、強度と明度との関係の典型例を図13(a)〜(c)に示す。
図13(a)に示す例は、明度に飽和が生じていない状態を示しており、投影した強度と画素の明度とは線形関係ではないが、画素の明度から投影した強度を一意に決定できる関係である。実施形態2のようにサブフリンジ法を採用する場合には、投影した強度と画素の明度との関係が一意に決定できることを前提にしており、しかも線形関係となることを前提にしているから、強度と明度との非線形関係による誤差を生じる。この誤差の補正には、光パターンの投影による光の強度と濃淡画像の各画素の明度との関係が既知であればよく、たとえば図13(a)に示すような関係をあらかじめ計測しておくことにより、各画素で得られた明度を、光パターンを投影した強度と画素の明度とが線形関係になる場合の値に補正する。このような補正を行えば、誤差のないサブフリンジ計測が可能になる。
ところで、図13(a)のように光パターンを投影した強度と画素の明度との関係を一意に決定できない場合として、図13(b)のように画素の明度が上限に達して飽和する場合や、図13(c)のように画素の明度が下限に達して飽和する場合が生じうる。たとえば、図13(b)に示す例では、強度75と100とは画素値がともに255であり区別することができず、図13(c)に示す例では、強度0と25とは画素値がともに0であり区別することができない。
図13(b)の状態は、投影手段11の輝度が高い場合や外光成分が多い場合、あるいは対象物21の表面に光沢があり正反射光が撮像手段12に直接入射している場合などに生じ、図13(c)の状態は、投影手段11の輝度が低すぎる場合や対象物21の表面に黒色のような濃色の領域が存在する場合などに生じることがある。
画素の明度が飽和すると、濃淡画像の各画素と投影手段11により投影した光パターンの縞状の各領域とを適切に対応付けることができなくなる。したがって、実施形態1において説明した方法では空間符号を取得することができなくなる。光パターンを投影した強度と画素の明度とが一意に対応付けることができる場合には、すべての種類の光パターンを投影した後に得られる各画素の明度の最大値と最小値との差は比較的大きく、明度に飽和が生じているときには各画素ごとの明度の最大値と最小値との差は比較的小さいと考えられる。
そこで、各画素ごとに明度の最大値と最小値との差を求め、この差を適宜の閾値と比較することにより飽和が生じているか否かを判断することが可能になる。また、3種類以上の光パターンを投影するから、各画素において隣接する明度差を求め、それぞれの明度差を閾値と比較することによって明度差が閾値以下になる場合に飽和が生じていると判断したり、明度差の比率を求めて比率が1である場合を正常とし、求めた比率が1に対して規定値以上の差を有するときに飽和していると判断することができる。
いずれかの画素において飽和が検出されたときには、当該画素については計測不能とし、計測不能の画素値を用いて計測することによる大きな誤差の発生を防止することができる。他の構成および動作は実施形態1または実施形態2と同様である。
(実施形態4)
本実施形態では、実施形態1において説明した空間符号化法に、背景技術において説明した多値パターン投影の技術を組み合わせた例を説明する。本実施形態では、たとえば、図14に示すような7段階の強度レベルを設定し、実施形態1の動作で空間符号化を行う際には、1,4,7の3段階の強度レベルを組み合わせて生成した光パターンを用いる。この方法により、実施形態1で例として示した3段階の強度レベルを用いた空間符号化法を用いることができる。
実施形態1で説明した空間符号化法に加えて、1〜7の強度レベルを2つずつ組み合わせるように2回の投影を追加すれば、図15に示すように、5回の投影で3!×7×7=294通りの空間符号を一意に同定することが可能になる。つまり、光パターンを5回投影するだけで、対象物21の表面を294個の領域に分割することが可能になり、3次元計測の空間分解能を高めることができる。
ここで、背景技術において説明した多値パターン投影の技術では、投影した強度と撮像された明度との間の非線形性によって、画像の明度から強度レベルを正しく抽出できないことがあるが、実施形態1の技術によって先に3回の投影を行うことによって、投影した強度と撮像した明度との関係が画素ごとに得られるので、画像内の明度から投影した強度を容易に推定することができる。
すなわち、図16に示すように、各画素ごとに強度レベル1,4,7に対応する明度I〜Iを用いることにより、以下のように閾値th1〜th6を設定することができる。
th1=I+(I−I)/6
th2=I+(I−I)/2
th3=I−(I−I)/6
th4=I+(I−I)/6
th5=I+(I−I)/2
th6=I−(I−I)/6
上述のように閾値th1〜th6を設定すると、画素の明度がth1以下なら強度レベルは1、th1<明度<th2なら強度レベルは2、th2<明度<th3なら強度レベルは3というように、画素の明度を強度レベルに対応付けることができる。また、強度レベルとの対応付けは、画素ごとに行うから、対象物21の表面に模様などがあり、反射率や色の異なる領域が存在する場合でも空間符号を正しく付与することができる。
なお、本実施形態において、実施形態1において説明した空間符号化法による光パターンの投影回数は、図14に示した強度レベルの差が1である2つの強度の間での明度の変化が線形変化に近くなるように投影回数を選択しなければならない。たとえば、図13(a)に示すように、投影する強度と撮像した明度との関係が線形関係から大きく乖離している場合は、n≧5として5種類以上の光パターンを投影することが必要になる。他の構成および動作は実施形態1または実施形態2または実施形態3と同様である。
なお、上述した各手段は、同等の機能を有する手段に置換することが可能であり、投影手段11はレーザ光により生成したスリット光を変調して走査する構成を採用することができ、画像処理装置10および制御装置13はパーソナルコンピュータに代えて、専用の装置を採用してもよい。
実施形態1に用いる画像処理装置を示すブロック図である。 同上に用いる3次元計測のための装置の一例を示す構成図である。 同上で得られる濃淡画像の一例を示す動作説明図である。 同上に用いる光パターンの例を示す図である。 図4に対応する空間符号を示す図である。 同上を用いて空間符号を同定する方法の説明図である。 図6に示す例における明度の変化を示す図である。 図6に示す例で同定した空間符号を示す図である。 同上において空間符号の誤りを防止する技術の原理説明図である。 実施形態2におけるサブフリンジ計測の原理説明図である。 同上におけるサブフリンジ計測の他例を示す原理説明図である。 同上における誤差の補正技術の原理説明図である。 実施形態3の原理説明図である。 実施形態4で用いる強度レベルの設定例を示す図である。 同上に対応する空間符号を示す図である。 同上に用いる閾値の設定方法に関する説明図である。 従来の空間符号化法の原理説明図である。
符号の説明
10 画像処理装置
11 投影手段
12 撮像手段
13 制御装置
14 記憶部
15 符号付与部
16 3次元位置算出部
21 対象物
22 測定ステージ

Claims (7)

  1. 対象物の表面に光パターンを投影し、投影方向とは異なる方向から対象物の表面を撮像して得られる画像内で光パターンの各領域に対応する画素の位置を求め三角測量法の原理を用いることにより対象物の表面の3次元形状を計測する3次元計測方法であって、光パターンは複数の領域に分割され各領域の光の強度を3以上の複数段階から選択して形成してあり、光の強度の大小の順序で各段階を強度レベルとして規定し、複数種類の光パターンを、光パターンの全領域においてそれぞれ選択されるすべての強度レベルが1回ずつ出現するという条件と、各領域ごとに強度レベルの変化順序が異なるという条件とを満たすように規定した順序で対象物の表面に投影することにより、対象物の表面に強度レベルの変化順による空間符号を付与し、さらに、各光パターンの投影毎の濃淡画像を撮像し、撮像毎の濃淡画像内の同画素における明度の変化順序と明度の大小関係とから各画素ごとの強度レベルの変化順序を抽出し、濃淡画像により得られた変化順序と光パターンの投影順序に対応した各領域の強度レベルの変化順序とを照合することにより、濃淡画像における各画素ごとの空間符号を抽出し、濃淡画像の各画素に光パターンの各領域を対応付けることを特徴とする空間符号化法による3次元計測方法。
  2. 前記光パターンの強度レベルは、隣接する各一対の領域のうち強度レベルが1段階の差である領域が入れ替わるように配置されていることを特徴とする請求項1記載の空間符号化法による3次元計測方法。
  3. 前記濃淡画像の各1個の画素において、すべての光パターンの投影により得られる各領域の強度レベルの変化と明度の変化との関係から光パターンの各領域の強度の相対値と各画素で検出される明度との関係を予測し、明度を強度の相対値と線形関係になるように補正することを特徴とする請求項1または請求項2記載の空間符号化法による3次元計測方法。
  4. 前記濃淡画像の各1個の画素において、すべての光パターンの投影により得られる明度について1段階の強度レベルの差に相当する明度の差が規定の閾値以下になるときには当該画素は計測不能とすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の空間符号化法による3次元計測方法。
  5. 前記光パターンを投影する第1の期間と、前記光パターンの前記領域ごとにそれぞれ強度が正弦波状に変化する縞パターンを投影する第2の期間とを設け、第2の期間では、縞パターンの位相をずらして3回以上投影し、縞パターンの投影に伴う濃淡画像の各画素での明度の変化から当該画素における正弦波の位相を求め、光パターンの各領域をさらに細分して計測することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の空間符号化法による3次元計測方法。
  6. 前記光パターンを投影する第1の期間と、前記光パターンの前記領域ごとにそれぞれ強度が線形に変化する縞パターンを投影する第2の期間とを設け、第2の期間では、縞パターンにおける強度変化の方向を逆にして2回投影し、縞パターンの2回の投影により得られる濃淡画像の各画素の明度の比から当該画素における縞パターン内での位置を求め、光パターンの各領域をさらに細分して計測することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の空間符号化法による3次元計測方法。
  7. 対象物の表面に光パターンを投影する投影手段と、投影方向とは異なる方向から対象物の表面を撮像する撮像手段と、撮像手段により得られた濃淡画像内で光パターンの各領域に対応する画素の位置を求め三角測量法の原理を用いることにより対象物の表面の3次元形状を計測する画像処理装置と、複数の領域に分割され各領域の光の強度を3以上の複数段階から選択して形成した複数種類の光パターンを規定した順序で対象物の表面に投影させるように投影手段を制御することにより対象物の表面に強度レベルの変化順による空間符号を付与するとともに、各光パターンの投影毎に撮像手段に撮像を指示する制御装置とを備え、光パターンは、光の強度の大小の順序で各段階が強度レベルとして規定されており、制御装置は、光パターンの全領域においてそれぞれ選択されるすべての強度レベルが1回ずつ出現するという条件と、各領域ごとに強度レベルの変化順序が異なるという条件とを満たすように投影手段に光パターンを投影させ、画像処理装置は、各光パターンの投影毎に得られる濃淡画像内の同画素における明度の変化順序と明度の大小関係とから各画素ごとの強度レベルの変化順序を抽出し、濃淡画像により得られた変化順序と光パターンの投影順序に対応した各領域の強度レベルの変化順序とを照合することにより、濃淡画像における各画素ごとの空間符号を抽出し、濃淡画像の各画素に光パターンの各領域を対応付けることを特徴とする空間符号化法による3次元計測装置。
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