JP5032770B2 - 縮合多環芳香族化合物を含有する混合物,縮合多環芳香族化合物薄膜,及び縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法 - Google Patents

縮合多環芳香族化合物を含有する混合物,縮合多環芳香族化合物薄膜,及び縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5032770B2
JP5032770B2 JP2006006381A JP2006006381A JP5032770B2 JP 5032770 B2 JP5032770 B2 JP 5032770B2 JP 2006006381 A JP2006006381 A JP 2006006381A JP 2006006381 A JP2006006381 A JP 2006006381A JP 5032770 B2 JP5032770 B2 JP 5032770B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ppm
cst
less
polycyclic aromatic
condensed polycyclic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006006381A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007189089A (ja
Inventor
栄一 大野
尚 南方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2006006381A priority Critical patent/JP5032770B2/ja
Publication of JP2007189089A publication Critical patent/JP2007189089A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5032770B2 publication Critical patent/JP5032770B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thin Film Transistor (AREA)

Description

本発明は、有機半導体薄膜を製造するための材料に関する。また、有機半導体薄膜及びその製造方法、並びに有機半導体素子に関する。
有機半導体を用いたデバイスは、従来の無機半導体デバイスに比べて成膜条件がマイルドであり、各種基板上に半導体薄膜を形成したり、常温で成膜したりすることが可能であるため、低コスト化や、ポリマーフィルム等に薄膜を形成することによるフレキシブル化が期待されている。
有機半導体材料としては、ポリフェニレンビニレン,ポリピロール,ポリチオフェン等の共役系高分子化合物やそのオリゴマーとともに、アントラセン,テトラセン,ペンタセン等のポリアセン化合物を中心とする芳香族化合物が研究されている。特に、ポリアセン化合物は分子間凝集力が強いため高い結晶性を有していて、これによって高いキャリア移動度と、それによる優れた半導体デバイス特性とを発現することが報告されている。
そして、ポリアセン化合物のデバイスへの利用形態としては蒸着膜又は単結晶があげられ、トランジスタ,太陽電池,レーザー等への応用が検討されている(非特許文献1〜3を参照)。
また、蒸着法以外の方法でポリアセン化合物の薄膜を形成する方法として、ポリアセン化合物の一種であるペンタセンの前駆体の溶液を基板上に塗布し、加熱処理してペンタセン薄膜を形成する方法が報告されている(非特許文献4を参照)。この方法は、ポリアセン化合物のような縮合多環芳香族化合物は一般的な溶媒に対する溶解性が低く、ウェットプロセスによって溶液から薄膜を形成することが困難であるため、溶解性の高い前駆体の溶液を用いて薄膜を形成し、熱により前駆体をポリアセン化合物に変換するというものである。
また、縮合多環芳香族化合物の薄膜を縮合多環芳香族化合物溶液から製造する方法が、特許文献1に開示されている。この方法は、縮合多環芳香族化合物を、該縮合多環芳香族化合物よりも高い蒸気圧を有する有機化合物である溶媒に溶解して、溶液を形成し、これを基板に塗布した上、前記溶液から前記溶媒を除去して縮合多環芳香族化合物薄膜を形成するというものである。
国際公開WO2005/087390号パンフレット 「アドバンスド・マテリアルズ」,2002年,第14巻,p.99 ジミトラコポウラスら,「ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス」,1996年,第80巻,p.2501 クロークら,「IEEE・トランザクション・オン・エレクトロン・デバイシス」,1999年,第46巻,p.1258 ブラウンら,「ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス」,1996年,第79巻,p.2136
しかしながら、前述のような縮合多環芳香族化合物を含有する溶液を基板に塗布して薄膜を形成する方法は、塗布工程や乾燥工程において基板上に溶液のはじきが発生して、厚さが均一な薄膜を形成することができない場合があるという問題点を有していた。このはじきは、主に二酸化ケイ素や窒化ケイ素等の親水性を有する物質の表面上で生じていた。また、それ以外の無機物や有機物などの表面においても、表面の状態(微細な異物などの付着など)や材料そのものの性質によっては、はじきが発生する場合があった。
そこで、本発明は、前述のような従来技術が有する問題点を解決し、膜厚が均一な有機半導体薄膜及びその製造方法、並びに該有機半導体薄膜をウェットプロセスによって製造するための材料を提供することを課題とする。また、電子特性の優れた有機半導体素子を提供することを併せて課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る縮合多環芳香族化合物を含有する混合物は、ベース上に展開して縮合多環芳香族化合物薄膜を得るための液状材料であって、縮合多環芳香族化合物と、前記縮合多環芳香族化合物を溶解可能であり且つ前記縮合多環芳香族化合物よりも高い蒸気圧を有する有機化合物と、前記有機化合物に溶解可能であり且つ前記ベースに対する濡れ性を向上させる濡れ性向上剤と、を含有することを特徴とする。
また、本発明に係る縮合多環芳香族化合物を含有する混合物において、前記濡れ性向上剤が絶縁性を有することが好ましい
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物を含有する混合物において、前記濡れ性向上剤がシリコーン系化合物であることが好ましい
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物を含有する混合物において、前記シリコーン系化合物がポリジメチルシロキサンであることが好ましい
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物を含有する混合物において、前記ポリジメチルシロキサンの25℃における粘度と、混合物中の前記ポリジメチルシロキサンの含有量との関係が、下記の4つの条件を満足することが好ましい
・粘度は100cSt以上100000cSt以下で、濃度は2ppm以上400ppm以下である。
・粘度が100cSt以上500cSt未満の場合は、濃度は2ppm以上200ppm未満である。
・粘度が500cSt以上100000cSt未満の場合は、濃度は2ppm以上400ppm以下である。
・粘度が100000cStの場合は、濃度は20ppm以上400ppm以下である。
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物を含有する混合物において、前記ポリジメチルシロキサンの25℃における粘度と、混合物中の前記ポリジメチルシロキサンの含有量との関係が、下記の5つの条件を満足することが好ましい
・粘度は100cSt以上100000cSt以下で、濃度は2ppm以上50ppm未満である。
・粘度が100cSt以上500cSt未満の場合は、濃度は2ppm以上30ppm未満である。
・粘度が500cSt以上10000cSt未満の場合は、濃度は2ppm以上45ppm未満である。
・粘度が10000cSt以上100000cSt未満の場合は、濃度は2ppm以上50ppm未満である。
・粘度が100000cStの場合は、濃度は20ppm以上50ppm未満である。
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物を含有する混合物において、前記ポリジメチルシロキサンの25℃における粘度と、混合物中の前記ポリジメチルシロキサンの含有量との関係が、下記の5つの条件を満足することが好ましい
・粘度は500cSt以上100000cSt未満で、濃度は20ppm以上50ppm未満である。
・粘度が500cSt以上1000cSt未満の場合は、濃度は35ppm以上45ppm未満である。
・粘度が1000cSt以上10000cSt未満の場合は、濃度は20ppm以上45ppm未満である。
・粘度が10000cSt以上30000cSt未満の場合は、濃度は20ppm以上50ppm未満である。
・粘度が30000cSt以上100000cSt未満の場合は、濃度は30ppm以上50ppm未満である。
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物を含有する混合物において、前記ポリジメチルシロキサンの25℃における粘度と、混合物中の前記ポリジメチルシロキサンの含有量との関係が、下記の4つの条件を満足することが好ましい
・濃度は2ppm以上400ppm以下で、粘度は100cSt以上100000cSt以下である。
・濃度が2ppm以上20ppm未満の場合は、粘度は100cSt以上100000cSt未満である。
・濃度が20ppm以上200ppm未満の場合は、粘度は100cSt以上100000cSt以下である。
・濃度が200ppm以上400ppm以下の場合は、粘度は500cSt以上100000cSt以下である。
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物を含有する混合物において、前記ポリジメチルシロキサンの25℃における粘度と、混合物中の前記ポリジメチルシロキサンの含有量との関係が、下記の5つの条件を満足することが好ましい
・濃度は2ppm以上50ppm未満で、粘度は100cSt以上100000cSt以下である。
・濃度が2ppm以上20ppm未満の場合は、粘度は100cSt以上100000cSt未満である。
・濃度が20ppm以上30ppm未満の場合は、粘度は100cSt以上100000cSt以下である。
・濃度が30ppm以上45ppm未満の場合は、粘度は500cSt以上100000cSt以下である。
・濃度が45ppm以上50ppm未満の場合は、粘度は10000cSt以上100000cSt以下である。
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物を含有する混合物において、前記ポリジメチルシロキサンの25℃における粘度と、混合物中の前記ポリジメチルシロキサンの含有量との関係が、下記の5つの条件を満足することが好ましい
・濃度は20ppm以上50ppm未満で、粘度は500cSt以上100000cSt未満である。
・濃度が20ppm以上30ppm未満の場合は、粘度は1000cSt以上30000cSt未満である。
・濃度が30ppm以上35ppm未満の場合は、粘度は1000cSt以上100000cSt未満である。
・濃度が35ppm以上45ppm未満の場合は、粘度は500cSt以上100000cSt未満である。
・濃度が45ppm以上50ppm未満の場合は、粘度は10000cSt以上100000cSt未満である。
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物を含有する混合物において、前記縮合多環芳香族化合物がポリアセン化合物及びその誘導体の少なくとも一方であることが好ましい
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物を含有する混合物において、前記縮合多環芳香族化合物がペンタセン及びその誘導体の少なくとも一方であることが好ましい
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法は、前記混合物をベース上に配した後に、前記混合物から前記有機化合物を除去することを特徴とする。
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法は、縮合多環芳香族化合物と、前記縮合多環芳香族化合物を溶解可能であり且つ前記縮合多環芳香族化合物よりも高い蒸気圧を有する有機化合物と、を含有する混合物を、ベース上に配した後に、前記混合物から前記有機化合物を除去することにより縮合多環芳香族化合物薄膜を製造するに際して、前記混合物と前記ベースとの濡れ性を向上させる濡れ性向上剤を、前記ベースの表面に被覆した後に、前記混合物を前記ベース上に配することを特徴とする。
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法において、前記混合物及び前記ベースの少なくとも一方を加熱することにより、前記混合物から前記有機化合物を蒸発させることが好ましい
さらに、本発明に係る縮合多環芳香族化合物薄膜は、前記縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法により製造されたことを特徴とする。
さらに、本発明に係る有機半導体素子は、前記縮合多環芳香族化合物薄膜で少なくとも一部を構成したことを特徴とする。
さらに、本発明に係るディスプレイ装置は、多数の画素からなる画素面を備えるディスプレイ装置において、前記各画素は、前記有機半導体素子を備えることを特徴とする。
さらに、本発明に係るディスプレイ装置において、前記有機半導体素子が備える電極,誘電体層,及び半導体層を、液体の印刷又は塗布によって形成することが好ましい
さらに、本発明に係るインクは、前記縮合多環芳香族化合物を含有する混合物を含有することを特徴とする。
本発明の縮合多環芳香族化合物を含有する混合物及び本発明の縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法によれば、膜厚が均一な縮合多環芳香族化合物薄膜を形成することができる。
また、本発明の縮合多環芳香族化合物薄膜は、膜厚が均一で且つ高い移動度を有している。さらに、本発明の有機半導体素子は、素子性能の安定性が高く、優れた電子特性を有している。
本発明の縮合多環芳香族化合物薄膜は、縮合多環芳香族化合物を含有する液状の混合物(分散液又は均一溶液)をベース上に展開して乾燥するというウェットプロセスによって製造されるものである。この混合物は、縮合多環芳香族化合物と、縮合多環芳香族化合物を溶解可能であり且つ縮合多環芳香族化合物よりも高い蒸気圧を有する有機化合物と、前記有機化合物に溶解可能であり且つベースに対する濡れ性を向上させる濡れ性向上剤と、を含有している。
まず、縮合多環芳香族化合物について説明する。本発明において用いられる縮合多環芳香族化合物としては、2個以上15個以下のベンゼン環が縮合した多環構造の芳香族化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、アントラセン,テトラセン,ペンタセン,ヘキサセン,オバレン,コロネン,ジベンゾコロネン,ヘキサベンゾコロネン,テリレン,クオテリレン,イソビオラントレン,ビスアンテン,アンタンスレン,サーカムアントラセン,テトラベンゾコロネン,ジコロニレン,サーコビフェニル,ターフェニレン,クオターフェニレン,ペンタフェニレン,セクシフェニレンがあげられる。
また、芳香環を構成する炭素の一部がイオウ(S),セレン(Se),テルル(Te)等のカルコゲン元素で置換された複素環を備える縮合多環芳香族化合物も好ましい。このような化合物としては、例えば、テトラチアフルバレン,テトラセレナフルバレン,ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン,オリゴチオフェン(ターチオフェン,クオターチオフェン,ペンタチオフェン,セクシチオフェン等)があげられる。
さらに、窒素を有する複素環を備える縮合多環芳香族化合物も好ましい。窒素を有する複素環としては、例えば、ピロール環,ピリジン環,ピロリドン環,イミダゾール環,ピラジン環等があげられる。
これらの縮合多環芳香族化合物は、ベンゼン環に結合する水素原子の一部又は全部が官能基で置換された分子構造を有する誘導体であってもよい。官能基としては、例えば、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシル基、エーテル基、ハロゲン基、ホルミル基、アシル基、エステル基、メルカプト基、チオアルキル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、アミド基があげられる。
これらの縮合多環芳香族化合物のうち、テトラセン,ペンタセン,ヘキサセン等のポリアセン化合物及びポリアセン化合物の誘導体は、高い移動度を発現するため好ましい。移動度の安定性を考慮すると、ペンタセン及びペンタセン誘導体がさらに好ましい。
次に、縮合多環芳香族化合物の溶液を形成する際には溶媒に相当する有機化合物について説明する。本発明において用いられる有機化合物は、ハロゲン化炭化水素及び炭化水素の少なくとも一方であり、縮合多環芳香族化合物よりも高い蒸気圧を有する必要がある。
ハロゲン化炭化水素の例としては、クロロベンゼン,ブロモベンゼン,ヨードベンゼン,フルオロベンゼン,ジクロロベンゼン,ジブロモベンゼン,ジヨードベンゼン,ジフルオロベンゼン,トリクロロベンゼン,クロロトルエン,ブロモトルエン,ヨードトルエン,ジクロロトルエン,ジブロモトルエン,ジフルオロトルエン,クロロキシレン,ブロモキシレン,ヨードキシレン,クロロエチルベンゼン,ブロモエチルベンゼン,ヨードエチルベンゼン,ジクロロエチルベンゼン,ジブロモエチルベンゼン,クロロナフタレン,ブロモナフタレン,ジクロロナフタレン,ジクロロアントラセン,テトラクロロベンゼン,トリブロモベンゼン,テトラブロモベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素や、クロロホルム,ジクロロエタン,トリクロロエタン,ジフルオロエタン,テトラクロロエタン,テトラフルオロエタン,フルオロクロロエタン,クロロプロパン,ジクロロプロパン,クロロペンタン,クロロヘキサン,クロロシクロペンタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素があげられる。
また、炭化水素の例としては、トルエン,キシレン,エチルベンゼン,メシチレン,ナフタレン,メチルナフタレン,テトラヒドロナフタレン等の芳香族炭化水素や、デカヒドロナフタレン,オクタン,ノナン,デカン,アンデカン,ドデカン,シクロヘプタン等の脂肪族炭化水素があげられる。さらに、ジフェニルエーテル等のエーテル類、炭酸プロピレン等のカーボネート、エステル類(ブチルラクトン,プロピオラクトン等)、ケトン類(シクロヘキサノン,メチルイソブチルケトン等)、スルフォン類(ジメチルスルホキシド,ジフェニルスルフォン等)もあげられる。
次に、濡れ性向上剤について説明する。濡れ性向上剤は、縮合多環芳香族化合物と有機化合物との混合物の表面張力を低下させて、混合物のベースに対する濡れ性を向上させるものである。この濡れ性向上剤は、前述の溶媒に相当する有機化合物に溶解可能であることが好ましく、該有機化合物に対する溶解性が高いことがより好ましい。溶解しないか又は溶解性が著しく低い場合は、混合物中に濡れ性向上剤が粒子として存在することとなるため、膜厚が均一な縮合多環芳香族化合物薄膜が形成されないおそれがある。
また、この濡れ性向上剤は、絶縁性であることが好ましい。縮合多環芳香族化合物薄膜を半導体素子として用いる場合には、濡れ性向上剤が絶縁性でないと、縮合多環芳香族化合物薄膜の半導体層からキャリアリークが発生するおそれがある。絶縁性を有するものであれば、濡れ性向上剤が前記混合物から形成された縮合多環芳香族化合物薄膜に残留していても差し支えない。
濡れ性向上剤の例としては、シリコーン系化合物(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ジメチルシロキサンとメチルフェニルシロキサンとの共重合体、変性シリコーンオイル等)、フッ素系化合物、アクリル系化合物、ビニル系化合物があげられる。これらの中ではシリコーン系化合物が好ましく、少量の添加で効果が発現するポリジメチルシロキサンが最も好ましい。また、これらの濡れ性向上剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリジメチルシロキサンを濡れ性向上剤として使用する場合は、その25℃における粘度は、100cSt以上100000cSt以下であることが好ましく、500cSt以上100000cSt未満であることがより好ましい。ポリジメチルシロキサンの粘度が高すぎると、溶媒に相当する有機化合物に対する溶解性が低下する。そのため、混合物からポリジメチルシロキサンが分離して、縮合多環芳香族化合物薄膜の形成が妨げられるので、得られる縮合多環芳香族化合物薄膜に斑が発生するおそれがある。一方、粘度が低すぎると、乾燥して縮合多環芳香族化合物薄膜を形成させる際に、縮合多環芳香族化合物薄膜の形成が妨げられる場合がある。
また、縮合多環芳香族化合物を含有する混合物中のポリジメチルシロキサンの濃度は、2ppm以上400ppm以下であることが好ましく、2ppm以上50ppm未満であることがより好ましく、20ppm以上50ppm未満であることがさらに好ましい。濃度が低すぎると、混合物のベースに対する濡れ性を十分に向上させること(すなわち、混合物の表面張力を下げること)が困難となる。一方、濃度が高すぎると、乾燥して縮合多環芳香族化合物薄膜を形成させる際に、混合物からポリジメチルシロキサンが分離して、縮合多環芳香族化合物薄膜の形成が妨げられるため、得られる縮合多環芳香族化合物薄膜に斑が発生するおそれがある。
縮合多環芳香族化合物を含有する混合物を調整するに際して濡れ性向上剤を添加する方法は、特に限定されるものではなく、例えば以下の3つの方法があげられる。まず、第一の方法は、濡れ性向上剤を有機化合物に混合した後に縮合多環芳香族化合物を添加して混合物を調整する方法である。第二の方法は、有機化合物と縮合多環芳香族化合物とを混合した後に濡れ性向上剤を添加して混合物を調整する方法である。第三の方法は、濡れ性向上剤を縮合多環芳香族化合物に混合した後に有機化合物を添加して混合物を調整する方法である。
第一〜第三の方法のいずれの方法で混合物を調整した場合でも、濡れ性向上剤は混合物中に均一に混合していればよいので、ベースの表面に配する直前に混合物を調整してもよいし、混合物を調整してからベースの表面に配するまでに相当の時間が経過していてもよい。
なお、第一〜第三の方法以外の方法として、表面に濡れ性向上剤を被覆したベースを用いる方法も好適である。すなわち、濡れ性向上剤を被覆したベースに、有機化合物と縮合多環芳香族化合物との混合物を接触させ、該混合物に濡れ性向上剤を拡散させて混合する方法である。ベースの表面に濡れ性向上剤を被覆する方法としては、溶液塗布法(すなわち、濡れ性向上剤を含有する溶液を塗布した後に乾燥させる方法),蒸着法,CVD法等を用いることができる。
ここで、ベースの表面への濡れ性向上剤の被覆量は、接触させる有機化合物と縮合多環芳香族化合物との混合物の量、混合物の液膜の厚さ、有機化合物の種類により異なるが、混合物中の濡れ性向上剤の濃度が好ましい値になるためには、平均厚さが0.1nm以上100nm以下となるように被覆することが好ましい。濡れ性向上剤はベースの表面に均一に被覆してもよいが、ベースの表面の一部分に被覆してもよい。よって、ベースの表面の所望の部分に濡れ性向上剤を被覆してパターンを形成し、そこに有機化合物と縮合多環芳香族化合物との混合物を展開して、縮合多環芳香族化合物薄膜をパターン形成することもできる。
次に、縮合多環芳香族化合物と有機化合物と濡れ性向上剤とを含有する混合物(分散液又は均一溶液)から、縮合多環芳香族化合物薄膜をウェットプロセスによって製造する方法について説明する。
縮合多環芳香族化合物と有機化合物と濡れ性向上剤とを含有する混合物をベース上に配し、この混合物から有機化合物を除去すると、縮合多環芳香族化合物からなる縮合多環芳香族化合物薄膜がベース上に形成される。有機化合物を除去する方法は特に限定されるものではないが、混合物を常温よりも高い温度に加熱して、混合物から有機化合物を蒸発させる方法が好ましい。混合物とベースとの両方を同時に加熱してもよいし、加熱したベース上に混合物を配し、ベースを介して混合物を加熱してもよい。ただし、前記混合物が分散液(縮合多環芳香族化合物が有機化合物中に分散しているもの)である場合には、混合物中の縮合多環芳香族化合物のうち少なくとも一部を有機化合物に溶解させた後に、有機化合物を混合物から除去する。
これらの縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法のうち、前記混合物を加熱して形成した溶液を加熱したベース上に配し、有機化合物を蒸発させて縮合多環芳香族化合物薄膜を形成する方法は、縮合多環芳香族化合物薄膜の均一性に優れるため好ましい。前記混合物を加熱して溶液を形成する際には、一部の縮合多環芳香族化合物が固形分として残存してもよいが、残存分のない均一溶液を形成することがより好ましい。
また、前記混合物の調整,加熱,前記混合物のベース上へ供給,有機化合物の蒸発等の薄膜製造のための操作は、縮合多環芳香族化合物の構造によっても異なるが、通常は大気下又は窒素,アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことができる。ただし、ペンタセンやペンタセン誘導体の場合は、高移動度の薄膜を製造するためには、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
さらに、前記混合物の加熱温度(縮合多環芳香族化合物を前記有機化合物に溶解させる温度)は、60℃以上250℃以下が好ましい。加熱温度が60℃未満であると、縮合多環芳香族化合物の溶解度が低いため、縮合多環芳香族化合物薄膜が不連続的に形成されやすくなる。また、ベースの温度が室温等の低温である場合は、前記混合物をベース上に配した際に結晶が生成して前記混合物中に浮遊するおそれがあるため、連続的な縮合多環芳香族化合物薄膜が形成されにくい。一方、加熱温度が250℃超過であると、縮合多環芳香族化合物を溶解可能な有機化合物が蒸発しやすくなるので、縮合多環芳香族化合物薄膜が均一に形成されにくくなる。さらに、固体状の縮合多環芳香族化合物が急速に析出するため、前記混合物の搬送や前記混合物のベースへの展開の不均一化などのようなプロセス上の問題が生じるおそれがある。このような問題がより生じにくくするためには、前記混合物の加熱温度は80℃以上220℃以下がより好ましく、90℃以上180℃以下が最も好ましい。
さらに、縮合多環芳香族化合物を含有する混合物を基板等のベース上に配する方法としては、塗布,噴霧の他、ベースを前記混合物に接触させる方法等があげられる。具体的には、スピンコート,ディップコート,スクリーン印刷,インクジェット印刷,ブレード塗布,印刷(平版印刷,凹版印刷,凸版印刷等)等の公知の方法があげられる。なお、これらの印刷方法には、本発明の縮合多環芳香族化合物を含有する混合物に粘度等を調節するための添加物(例えば高分子材料)を加えたインクを用いることができる。
このように、本発明の縮合多環芳香族化合物薄膜は、ウェットプロセスで製造することが可能である。よって、従来の真空プロセスと比較して簡便且つ短時間に薄膜を製造できるので、生産性が高く低コストである。
また、縮合多環芳香族化合物薄膜を形成するためのベースの素材には、各種材料が利用可能である。例えば、二酸化ケイ素,窒化ケイ素,ガラス,石英,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,インジウム・スズ酸化物(ITO),酸化亜鉛,マイカ等のセラミックスや、シリコン,ガリウム砒素,アルミニウム,金,ステンレス鋼,鉄,銀等の金属があげられる。また、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等),ポリカーボネート,ノルボルネン系樹脂,ポリエーテルスルフォン,ポリイミド,ポリアミド,セルロース,シリコーン樹脂,エポキシ樹脂,ポリビニルフェノール,ポリビニルアルコール等の樹脂や、炭素や、紙等があげられる。あるいは、これらの複合体でもよい。二酸化ケイ素,窒化ケイ素のような表面にOH基を有する素材の場合は、シランカップリング剤で処理したものでもよい。
ベースの表面は、シランカップリング剤で処理した場合を除いて、プラズマアッシング処理、オゾンアッシング処理、UV洗浄処理、ウエット洗浄処理、もしくはこれらを組み合せた処理を施して清浄化してもよい。一般的には、プラズマアッシング処理等を施した二酸化ケイ素,窒化ケイ素のような表面自由エネルギーの高い表面に、液体等を塗布することは困難であるが、 本発明の混合物は濡れ性向上剤を含有しているので、このような表面にも塗布することが可能である。
さらに、ベースの形状は特に限定されるものではないが、通常はフィルム状のベースや板状のベース(基板)が用いられる。さらに、線状体や繊維構造体をベースとして用いることもできる。
このようにして製造された縮合多環芳香族化合物薄膜は高い結晶性を有し、薄膜内において、縮合多環芳香族化合物の分子の長軸がベースの表面に対して垂直方向に配向した構造を有している。そして、広角X線回折パターンの(00n)面の回折ピーク(nは1以上の整数)のうち(001)面に相当する回折ピークの半価幅が、0.05deg以上0.3deg以下である。よって、該薄膜は結晶が大きく成長しており、半導体特性に優れている。
また、このようにして製造されたペンタセン薄膜は高い結晶性を有し、薄膜内において、ペンタセン分子の長軸がベースの表面に対して垂直方向に配向した構造を有している。特に、薄膜の結晶構造が、一般的な薄膜形成法である真空蒸着法により形成した薄膜の構造とは異なる。
真空蒸着法により形成したペンタセン薄膜は、分子の長軸がベースの表面に対してほぼ垂直方向に配向した、いわゆる薄膜相((001)回折面の面間距離が1.50〜1.53nm)から形成され、安定化されたバルク相(面間距離が1.40〜1.45nm)が部分的に混在した結晶構造を有している。このようなペンタセン薄膜は、結晶性は高いが、結晶が準安定な構造であり、安定性の高い結晶構造ではない。
これに対して、本発明の方法により製造されたペンタセン薄膜は、真空蒸着法により形成されたペンタセン薄膜とは結晶構造が異なり、安定化されたバルク相のみから形成されており、安定性の高い結晶構造を有する薄膜である。すなわち、本発明のペンタセン薄膜は、その広角X線回折パターンに存在する回折ピークのうちの大部分が、1.4nm以上1.5nm未満の面間距離に対応する(001)面に相当する回折ピークであり、1.5nm以上1.6nm未満の面間距離に対応する(001)面に相当する回折ピークは非常に小さい。そして、1.4nm以上1.5nm未満の面間距離に対応する(001)面に相当する回折ピークの強度Iと、1.5nm以上1.6nm未満の面間距離に対応する(001)面に相当する回折ピークの強度I’との比I/I’は、10超過である。
また、本発明のペンタセン薄膜は結晶性が高いので、(00n)面(nは1以上の整数)に相当する回折ピークは高次にまで存在し、真空蒸着法で得られるペンタセン薄膜に比べて、より高い次数の回折ピークが観測される。
さらに、本発明の薄膜の製造方法によれば、従来法の真空蒸着法に比べて、結晶をより大きく成長させることができ、薄膜形態は原子間力顕微鏡(AFM),電子顕微鏡,光学顕微鏡により判別できる。
本発明のペンタセン薄膜の形態(結晶の組織構造)は、粒子状の結晶からなる組織構造を一部有するとともに、板状結晶からなる組織構造や、板状結晶がベースの表面に広く成長したシート状の組織構造を有する形態である。この板状結晶からなる組織構造やシート状の組織構造は、真空蒸着法で形成したペンタセン薄膜には観測されず、本発明の薄膜の製造方法により得られたペンタセン薄膜に特異な組織構造である。本発明のペンタセン薄膜におけるシート状の組織構造は、表面が比較的平坦で、結晶の段差部分が平行な線状をなして同一平面内に形成され、粒界組織はほとんど存在しない。
これらの各組織構造を有するペンタセン薄膜から電界効果トランジスタを作製して性能を比較したところ、粒子状の結晶からなる組織構造を有するペンタセン薄膜をチャネルに有するトランジスタと比べて、板状結晶からなる組織構造やシート状の組織構造を有するペンタセン薄膜をチャネルに有するトランジスタの方が、電界効果移動度,敷居電圧安定性等の性質が優れることが分かった。特に、シート状の組織構造を有するペンタセン薄膜をチャネルに有するトランジスタは、on電流が高く敷居電圧が0Vに漸近すること、on/off電流比が高くなること等、好ましい性質を有している。
本発明のペンタセン薄膜においては、板状結晶はその粒子径が3μm以上の大きさに成長しており、薄膜形成条件によっては数mm〜数cmの大きさのシート状の組織構造に成長している。さらに、ベースの表面一面にシート状の結晶が成長した単結晶に近い薄膜を製造することもできる。このように板状結晶やシート状の組織構造が大きいと、ペンタセン薄膜を用いて製造された有機半導体素子の輸送特性が均一化,高性能化されるため好ましい。
このような縮合多環芳香族化合物薄膜を用いることにより、エレクトロニクス,フォトニクス,バイオエレクトロニクス等の分野において有益な半導体素子を製造することができる。このような半導体素子の例としては、ダイオード,トランジスタ,薄膜トランジスタ,メモリ,フォトダイオード,発光ダイオード,発光トランジスタ,センサ等があげられる。
トランジスタ及び薄膜トランジスタは、液晶ディスプレイ,分散型液晶ディスプレイ,電気泳動型ディスプレイ,粒子回転型表示素子,エレクトロクロミックディスプレイ,有機発光ディスプレイ,電子ペーパー等の種々の表示素子に利用可能であり、これらの表示素子を用いて様々なディスプレイ装置を製造することができる。トランジスタ及び薄膜トランジスタは、これらの表示素子において表示画素のスイッチング用トランジスタ,信号ドライバ回路素子,メモリ回路素子,信号処理回路素子等に利用される。
半導体素子がトランジスタである場合には、その素子構造としては、例えば、基板/ゲート電極/絶縁体層(誘電体層)/ソース電極・ドレイン電極/半導体層という構造、基板/半導体層/ソース電極・ドレイン電極/絶縁体層(誘電体層)/ゲート電極という構造、基板/ソース電極(又はドレイン電極)/半導体層+絶縁体層(誘電体層)+ゲート電極/ドレイン電極(又はソース電極)という構造等があげられる。このとき、ソース電極,ドレイン電極,ゲート電極は、それぞれ複数設けてもよい。また、複数の半導体層を同一平面内に設けてもよいし、積層して設けてもよい。
トランジスタの構成としては、MOS(メタル−酸化物(絶縁体層)−半導体)型及びバイポーラ型のいずれでも採用可能である。縮合多環芳香族化合物は、通常はp型半導体であるので、ドナードーピングしてn型半導体とした縮合多環芳香族化合物と組み合わせたり、縮合多環芳香族化合物以外のn型半導体と組み合わせたりすることにより、素子を構成することができる。
また、半導体素子がダイオードである場合には、その素子構造としては、例えば、電極/n型半導体層/p型半導体層/電極という構造があげられる。そして、p型半導体層に本発明の縮合多環芳香族化合物薄膜が使用され、n型半導体層に前述のn型半導体が使用される。
半導体素子における縮合多環芳香族化合物薄膜内部又は縮合多環芳香族化合物薄膜表面と電極との接合面の少なくとも一部は、ショットキー接合及び/又はトンネル接合とすることができる。このような接合構造を有する半導体素子は、単純な構成でダイオードやトランジスタを作製することができるので好ましい。さらに、このような接合構造を有する有機半導体素子を複数接合して、インバータ,オスシレータ,メモリ,センサ等の素子を形成することもできる。
さらに、本発明の半導体素子を表示素子として用いる場合は、表示素子の各画素に配置され各画素の表示をスイッチングするトランジスタ素子(ディスプレイTFT)として利用できる。このようなアクティブ駆動表示素子は、対向する導電性基板のパターニングが不要なため、回路構成によっては、画素をスイッチングするトランジスタを持たないパッシブ駆動表示素子と比べて画素配線を簡略化できる。通常は、1画素当たり1個から数個のスイッチング用トランジスタが配置される。このような表示素子は、基板面に二次元的に形成したデータラインとゲートラインとを交差した構造を有し、データラインやゲートラインがトランジスタのゲート電極,ソース電極,ドレイン電極にそれぞれ接合されている。なお、データラインとゲートラインとを分割することや、電流供給ライン,信号ラインを追加することも可能である。
また、表示素子の画素に、画素配線,トランジスタに加えてキャパシタを併設して、信号を記録する機能を付与することもできる。さらに、表示素子が形成された基板に、データライン及びゲートラインのドライバ,画素信号のメモリ,パルスジェネレータ,信号分割器,コントローラ等を搭載してディスプレイ装置とすることもできる。
また、本発明の有機半導体素子は、ICカード,スマートカード,及び電子タグにおける演算素子,記憶素子としても利用することができる。その場合、これらが接触型であっても非接触型であっても、問題なく適用可能である。このICカード,スマートカード,及び電子タグは、メモリ,パルスジェネレータ,信号分割器,コントローラ,キャパシタ等で構成されており、さらにアンテナ,バッテリを備えていてもよい。
さらに、本発明の有機半導体素子でダイオード,ショットキー接合構造を有する素子,トンネル接合構造を有する素子を構成すれば、その素子は光電変換素子,太陽電池,赤外線センサ等の受光素子,フォトダイオードとして利用することもできるし、発光素子として利用することもできる。また、本発明の有機半導体素子でトランジスタを構成すれば、そのトランジスタは発光トランジスタとして利用することができる。これらの発光素子の発光層には、公知の有機材料や無機材料を使用することができる。
さらに、本発明の有機半導体素子はセンサとして利用することができ、ガスセンサ,バイオセンサ,血液センサ,免疫センサ,人工網膜,味覚センサ等、種々のセンサに応用することができる。通常は、有機半導体素子を構成する縮合多環芳香族化合物薄膜に測定対象物を接触又は隣接させた際に生じる縮合多環芳香族化合物薄膜の抵抗値の変化によって、測定対象物の分析を行うことができる。
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
〔実施例1〕
ペンタセン(東京化成工業株式会社製の製品番号P1609)10mgと1,2,4−トリクロロベンゼン10mLとの混合物に、濡れ性向上剤であるポリジメチルシロキサン(アルドリッチ社製の製品番号37840−2、25℃における粘度は10000cSt)を添加し、窒素雰囲気下で170℃に加熱して均一溶液を調整した。このペンタセン溶液のポリジメチルシロキサンの濃度は20ppmである。
窒素雰囲気下において、該ペンタセン溶液を200℃のシリコン基板(厚さ200nmの酸化膜を表面に備えている)上に展開し、1,2,4−トリクロロベンゼンを蒸発させてペンタセン薄膜を作製した。
ペンタセン薄膜が得られたら、その薄膜形成範囲比率と表面の平滑性とを求めた。薄膜形成範囲比率とは、ペンタセン溶液をシリコン基板上に展開した範囲の面積と形成された薄膜の面積との比([形成された薄膜の面積]/[ペンタセン溶液を展開した範囲の面積])であり、濡れ性向上剤の添加効果の指標となる数値である。これら両範囲の面積を求める方法としては、例えば、コンピューターに取り込んだ画像データから日本ポラデジタル株式会社製のmicro analyzer等の画像計測ソフトを用いて面積を計測する方法や、撮影した写真から手計測で面積を求める方法があげられる。また、薄膜の表面の平滑性は、TENCOR INSTRUMENTS社製のALPHA−STEP 200を用いて測定した。
得られたペンタセン薄膜を評価した結果、シリコン基板上でペンタセン溶液のはじきは発生せず、薄膜形成範囲比率は1.0であった。また、表面の平滑性も30nmRaと良好であった。
次に、n型ドーパントでヘビードープされたシリコン基板(厚さ200nmの酸化膜を表面に備えている)を用意し、その表面にソース・ドレイン電極として金電極のパターンを形成した。このような電極パターンが形成されたシリコン基板を窒素雰囲気下で200℃に加熱し、表面に前記ペンタセン溶液を展開してペンタセン薄膜を形成し、トランジスタ構造とした。なお、シリコン基板上でペンタセン溶液のはじきは発生しなかった。
シリコン基板をゲート電極、表面の金電極をソース・ドレイン電極、ペンタセン薄膜を半導体層として、該トランジスタの電界効果トランジスタ特性を評価した。その結果、移動度は0.3cm2 /V・sで、on/off電流比は1×105 であった。
次に、前述のペンタセン溶液において、ポリジメチルシロキサンの粘度と濃度とを種々変更したものを用意して、前述と同様にしてペンタセン薄膜を製造し、その薄膜形成範囲比率を評価した。なお、ポリジメチルシロキサンはいずれもアルドリッチ社製であり、25℃における粘度と製品番号との関係は、下記の通りである。
粘度100cSt :製品番号37836−4
粘度500cSt :製品番号37838−0
粘度1000cSt :製品番号37839−9
粘度10000cSt :製品番号37840−2
粘度30000cSt :製品番号37842−9
粘度100000cSt:製品番号37843−7
結果を図1に示す。なお、数値の後ろに「斑」と表示されているものは、薄膜に斑が生じたものである。図1に示したもののうち、太線で囲んである部分は、薄膜形成範囲比率が高いため好ましい。そのうち「斑」が表示されていない部分がより好ましく、ハッチングが施してある部分がさらに好ましい。
〔比較例1〕
濡れ性向上剤であるポリジメチルシロキサンを含有しない点を除いては実施例1と同様のペンタセン溶液を170℃に加熱して、200℃に加熱したシリコン基板上(厚さ200nmの酸化膜を表面に備えている)へ展開し、実施例1と同様にペンタセン薄膜を形成した。しかしながら、基板上に展開したペンタセン溶液が基板上で不規則な流動とはじきを伴いながら乾燥して薄膜が形成されたため、ペンタセン溶液を展開した範囲のうち75%の部分で溶液がはじかれて、薄膜がほとんど形成されなかった。残り25%の部分には薄膜が形成されたが、その膜厚は不均一であった。
次に、実施例1と同様にして、電界効果トランジスタ特性を評価した。その結果、はじきが発生した部分についてはトランジスタ特性が殆ど発現せず、残りの部分については膜厚が不均一であるため動作しない素子が多数存在した。また、動作した一部の素子の移動度は0.02〜0.1cm2 /V・sで、on/off電流比は1×105 であった。
〔実施例2〕
1,2,4−トリクロロベンゼンの代わりにジクロロベンゼンを用いたことと、粘度が1000cStのポリジメチルシロキサンを用いたことを除いては、実施例1と同様にしてペンタセン薄膜を作製した。薄膜形成範囲比率を測定したところ1.0で、ポリジメチルシロキサンを用いなかった場合よりも薄膜形成範囲比率が高かった。
〔実施例3〕
1,2,4−トリクロロベンゼンの代わりに1−メチルナフタレンを用いたことと、粘度が1000cStのポリジメチルシロキサンを用いたことを除いては、実施例1と同様にしてペンタセン薄膜を作製した。薄膜形成範囲比率を測定したところ1.0で、ポリジメチルシロキサンを用いなかった場合よりも薄膜形成範囲比率が高かった。
〔実施例4〕
6,13−ジクロロ−2,3−ジプロピルペンタセン10mgとトルエン10mLとの混合物に、濡れ性向上剤であるポリジメチルシロキサン(アルドリッチ社製の製品番号37839−9、25℃における粘度は1000cSt)を添加し、窒素雰囲気下、常温にて均一溶液を調整した。このペンタセン誘導体溶液のポリジメチルシロキサンの濃度は20ppmである。
窒素雰囲気下において、該ペンタセン誘導体溶液を80℃のシリコン基板(厚さ200nmの酸化膜を表面に備えている)上に展開し、トルエンを蒸発させてペンタセン誘導体薄膜を作製した。
得られたペンタセン誘導体薄膜を評価した結果、シリコン基板上でペンタセン誘導体溶液のはじきは発生せず、薄膜形成範囲比率は1.0で、ポリジメチルシロキサンを用いなかった場合よりも薄膜形成範囲比率が高かった。
〔実施例5〕
ペンタセン(東京化成工業株式会社製の製品番号P1609)10mgと1,2,4−トリクロロベンゼン10mLとの混合物に、濡れ性向上剤であるポリ(メチルフェニルシロキサン)(アルドリッチ社製の製品番号37849−6、25℃における粘度は500cSt)を添加し、窒素雰囲気下で180℃に加熱して均一溶液を調整した。このペンタセン溶液のポリ(メチルフェニルシロキサン)の濃度は20ppmである。
窒素雰囲気下において、該ペンタセン溶液を180℃のシリコン基板(厚さ200nmの酸化膜を表面に備えている)上に展開し、1,2,4−トリクロロベンゼンを蒸発させてペンタセン薄膜を作製した。得られたペンタセン薄膜を評価した結果、シリコン基板上でペンタセン溶液のはじきは発生せず、薄膜形成範囲比率は0.7であった。
次に、n型ドーパントでヘビードープされたシリコン基板(厚さ200nmの酸化膜を表面に備えている)を用意し、その表面にソース・ドレイン電極として金電極のパターンを形成した。このような電極パターンが形成されたシリコン基板を窒素雰囲気下で180℃に加熱し、表面に前記ペンタセン溶液を展開してペンタセン薄膜を形成し、トランジスタ構造とした。なお、シリコン基板上でペンタセン溶液のはじきは発生しなかった。
シリコン基板をゲート電極、表面の金電極をソース・ドレイン電極、ペンタセン薄膜を半導体層として、該トランジスタの電界効果トランジスタ特性を評価した。その結果、移動度は0.2cm2 /V・sで、on/off電流比は1×105 であった。
〔実施例6〕
ポリ(メチルフェニルシロキサン)の代わりにポリ(ジメチルシロキサン−co−メチルフェニルシロキサン)(製品番号37848−8、25℃における粘度は125cSt、メチルフェニルシロキサンユニットが50モル%)を用いたことを除いては、実施例5と同様にしてペンタセン薄膜を作製した。なお、ポリ(ジメチルシロキサン−co−メチルフェニルシロキサン)とは、ポリジメチルシロキサンとポリメチルフェニルシロキサンとの共重合体を意味する。
得られたペンタセン薄膜を評価した結果、シリコン基板上でペンタセン溶液のはじきは発生せず、薄膜形成範囲比率は0.9であった。
次に、実施例5と同様にして電界効果トランジスタ特性を評価した。その結果、移動度は0.3cm2 /V・sで、on/off電流比は1×105 であった。
〔実施例7〕
ポリ(メチルフェニルシロキサン)の代わりにポリ(ジメチルシロキサン−co−ジフェニルシロキサン)(製品番号48201−3、25℃における粘度は10000cSt、ジフェニルシロキサンユニットが5モル%)を用いたことを除いては、実施例5と同様にしてペンタセン薄膜を作製した。なお、ポリ(ジメチルシロキサン−co−ジフェニルシロキサン)とは、ポリジメチルシロキサンとポリジフェニルシロキサンとの共重合体を意味する。
得られたペンタセン薄膜を評価した結果、シリコン基板上でペンタセン溶液のはじきは発生せず、薄膜形成範囲比率は0.8であった。
次に、実施例5と同様にして電界効果トランジスタ特性を評価した。その結果、移動度は0.2cm2 /V・sで、on/off電流比は1×105 であった。
〔実施例8〕
実施例1で用いたポリジメチルシロキサンをトルエンに溶解させて(濃度は20ppm)、均一溶液を調整した。この溶液をシリコン基板(厚さ200nmの酸化膜を表面に備えている)にスピンコートして、シリコン基板上にポリジメチルシロキサンの均一塗布膜を形成した。シリコン基板上のポリジメチルシロキサン膜をトルエンで再溶解し、液体クロマトグラフィーで定量することにより、ポリジメチルシロキサン膜の厚さを測定したところ、3nmであった。
ペンタセン(東京化成工業株式会社製の製品番号P1609)10mgと1,2,4−トリクロロベンゼン10mLとの混合物を、窒素雰囲気下で180℃に加熱して均一溶液を調整した。前述のポリジメチルシロキサン膜を備えたシリコン基板を180℃に加熱し、窒素雰囲気下において前記ペンタセン溶液を展開し、1,2,4−トリクロロベンゼンを蒸発させてペンタセン薄膜を作製した。
得られたペンタセン薄膜を評価した結果、シリコン基板上でペンタセン溶液のはじきは発生せず、薄膜形成範囲比率は1.0であった。また、表面の平滑性も30nmRaと良好であった。
次に、実施例5と同様にして電界効果トランジスタ特性を評価した。その結果、移動度は0.3cm2 /V・sで、on/off電流比は1×105 であった。
本発明は、エレクトロニクス,フォトニクス,バイオエレクトロニクス等において好適である。
ペンタセン薄膜の薄膜形成範囲比率の評価結果を示す表である。

Claims (15)

  1. ベース上に展開して縮合多環芳香族化合物薄膜を得るための液状材料であって、
    縮合多環芳香族化合物と、前記縮合多環芳香族化合物を溶解可能であり且つ前記縮合多環芳香族化合物よりも高い蒸気圧を有する有機化合物と、前記有機化合物に溶解可能であり且つ前記ベースに対する濡れ性を向上させる濡れ性向上剤と、を含有し、
    前記濡れ性向上剤が、絶縁性を有するポリジメチルシロキサンであり、
    前記ポリジメチルシロキサンの25℃における粘度と、混合物中の前記ポリジメチルシロキサンの含有量との関係が、下記の4つの条件を満足することを特徴とする縮合多環芳香族化合物を含有する混合物。
    ・粘度は100cSt以上100000cSt以下で、濃度は2ppm以上400ppm以下である。
    ・粘度が100cSt以上500cSt未満の場合は、濃度は2ppm以上200ppm未満である。
    ・粘度が500cSt以上100000cSt未満の場合は、濃度は2ppm以上400ppm以下である。
    ・粘度が100000cStの場合は、濃度は20ppm以上400ppm以下である。
  2. ベース上に展開して縮合多環芳香族化合物薄膜を得るための液状材料であって、
    縮合多環芳香族化合物と、前記縮合多環芳香族化合物を溶解可能であり且つ前記縮合多環芳香族化合物よりも高い蒸気圧を有する有機化合物と、前記有機化合物に溶解可能であり且つ前記ベースに対する濡れ性を向上させる濡れ性向上剤と、を含有し、
    前記濡れ性向上剤が、絶縁性を有するポリジメチルシロキサンであり、
    前記ポリジメチルシロキサンの25℃における粘度と、混合物中の前記ポリジメチルシロキサンの含有量との関係が、下記の5つの条件を満足することを特徴とする縮合多環芳香族化合物を含有する混合物。
    ・粘度は100cSt以上100000cSt以下で、濃度は2ppm以上50ppm未満である。
    ・粘度が100cSt以上500cSt未満の場合は、濃度は2ppm以上30ppm未満である。
    ・粘度が500cSt以上10000cSt未満の場合は、濃度は2ppm以上45ppm未満である。
    ・粘度が10000cSt以上100000cSt未満の場合は、濃度は2ppm以上50ppm未満である。
    ・粘度が100000cStの場合は、濃度は20ppm以上50ppm未満である。
  3. ベース上に展開して縮合多環芳香族化合物薄膜を得るための液状材料であって、
    縮合多環芳香族化合物と、前記縮合多環芳香族化合物を溶解可能であり且つ前記縮合多環芳香族化合物よりも高い蒸気圧を有する有機化合物と、前記有機化合物に溶解可能であり且つ前記ベースに対する濡れ性を向上させる濡れ性向上剤と、を含有し、
    前記濡れ性向上剤が、絶縁性を有するポリジメチルシロキサンであり、
    前記ポリジメチルシロキサンの25℃における粘度と、混合物中の前記ポリジメチルシロキサンの含有量との関係が、下記の5つの条件を満足することを特徴とする縮合多環芳香族化合物を含有する混合物。
    ・粘度は500cSt以上100000cSt未満で、濃度は20ppm以上50ppm未満である。
    ・粘度が500cSt以上1000cSt未満の場合は、濃度は35ppm以上45ppm未満である。
    ・粘度が1000cSt以上10000cSt未満の場合は、濃度は20ppm以上45ppm未満である。
    ・粘度が10000cSt以上30000cSt未満の場合は、濃度は20ppm以上50ppm未満である。
    ・粘度が30000cSt以上100000cSt未満の場合は、濃度は30ppm以上50ppm未満である。
  4. ベース上に展開して縮合多環芳香族化合物薄膜を得るための液状材料であって、
    縮合多環芳香族化合物と、前記縮合多環芳香族化合物を溶解可能であり且つ前記縮合多環芳香族化合物よりも高い蒸気圧を有する有機化合物と、前記有機化合物に溶解可能であり且つ前記ベースに対する濡れ性を向上させる濡れ性向上剤と、を含有し、
    前記濡れ性向上剤が、絶縁性を有するポリジメチルシロキサンであり、
    前記ポリジメチルシロキサンの25℃における粘度と、混合物中の前記ポリジメチルシロキサンの含有量との関係が、下記の4つの条件を満足することを特徴とする縮合多環芳香族化合物を含有する混合物。
    ・濃度は2ppm以上400ppm以下で、粘度は100cSt以上100000cSt以下である。
    ・濃度が2ppm以上20ppm未満の場合は、粘度は100cSt以上100000cSt未満である。
    ・濃度が20ppm以上200ppm未満の場合は、粘度は100cSt以上100000cSt以下である。
    ・濃度が200ppm以上400ppm以下の場合は、粘度は500cSt以上100000cSt以下である。
  5. ベース上に展開して縮合多環芳香族化合物薄膜を得るための液状材料であって、
    縮合多環芳香族化合物と、前記縮合多環芳香族化合物を溶解可能であり且つ前記縮合多環芳香族化合物よりも高い蒸気圧を有する有機化合物と、前記有機化合物に溶解可能であり且つ前記ベースに対する濡れ性を向上させる濡れ性向上剤と、を含有し、
    前記濡れ性向上剤が、絶縁性を有するポリジメチルシロキサンであり、
    前記ポリジメチルシロキサンの25℃における粘度と、混合物中の前記ポリジメチルシロキサンの含有量との関係が、下記の5つの条件を満足することを特徴とする縮合多環芳香族化合物を含有する混合物。
    ・濃度は2ppm以上50ppm未満で、粘度は100cSt以上100000cSt以下である。
    ・濃度が2ppm以上20ppm未満の場合は、粘度は100cSt以上100000cSt未満である。
    ・濃度が20ppm以上30ppm未満の場合は、粘度は100cSt以上100000cSt以下である。
    ・濃度が30ppm以上45ppm未満の場合は、粘度は500cSt以上100000cSt以下である。
    ・濃度が45ppm以上50ppm未満の場合は、粘度は10000cSt以上100000cSt以下である。
  6. ベース上に展開して縮合多環芳香族化合物薄膜を得るための液状材料であって、
    縮合多環芳香族化合物と、前記縮合多環芳香族化合物を溶解可能であり且つ前記縮合多環芳香族化合物よりも高い蒸気圧を有する有機化合物と、前記有機化合物に溶解可能であり且つ前記ベースに対する濡れ性を向上させる濡れ性向上剤と、を含有し、
    前記濡れ性向上剤が、絶縁性を有するポリジメチルシロキサンであり、
    前記ポリジメチルシロキサンの25℃における粘度と、混合物中の前記ポリジメチルシロキサンの含有量との関係が、下記の5つの条件を満足することを特徴とする縮合多環芳香族化合物を含有する混合物。
    ・濃度は20ppm以上50ppm未満で、粘度は500cSt以上100000cSt未満である。
    ・濃度が20ppm以上30ppm未満の場合は、粘度は1000cSt以上30000cSt未満である。
    ・濃度が30ppm以上35ppm未満の場合は、粘度は1000cSt以上100000cSt未満である。
    ・濃度が35ppm以上45ppm未満の場合は、粘度は500cSt以上100000cSt未満である。
    ・濃度が45ppm以上50ppm未満の場合は、粘度は10000cSt以上100000cSt未満である。
  7. 前記縮合多環芳香族化合物がポリアセン化合物及びその誘導体の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物を含有する混合物。
  8. 前記縮合多環芳香族化合物がペンタセン及びその誘導体の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物を含有する混合物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物を含有する混合物をベース上に配した後に、前記混合物から前記有機化合物を除去することを特徴とする縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法。
  10. 前記混合物及び前記ベースの少なくとも一方を加熱することにより、前記混合物から前記有機化合物を蒸発させることを特徴とする請求項9に記載の縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法により製造されたことを特徴とする縮合多環芳香族化合物薄膜。
  12. 請求項11に記載の縮合多環芳香族化合物薄膜で少なくとも一部を構成したことを特徴とする有機半導体素子。
  13. 多数の画素からなる画素面を備えるディスプレイ装置において、前記各画素は、請求項12に記載の有機半導体素子を備えることを特徴とするディスプレイ装置。
  14. 前記有機半導体素子が備える電極,誘電体層,及び半導体層を、液体の印刷又は塗布によって形成したことを特徴とする請求項13に記載のディスプレイ装置。
  15. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物を含有する混合物を含有することを特徴とするインク。
JP2006006381A 2006-01-13 2006-01-13 縮合多環芳香族化合物を含有する混合物,縮合多環芳香族化合物薄膜,及び縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法 Expired - Fee Related JP5032770B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006006381A JP5032770B2 (ja) 2006-01-13 2006-01-13 縮合多環芳香族化合物を含有する混合物,縮合多環芳香族化合物薄膜,及び縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006006381A JP5032770B2 (ja) 2006-01-13 2006-01-13 縮合多環芳香族化合物を含有する混合物,縮合多環芳香族化合物薄膜,及び縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007189089A JP2007189089A (ja) 2007-07-26
JP5032770B2 true JP5032770B2 (ja) 2012-09-26

Family

ID=38344039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006006381A Expired - Fee Related JP5032770B2 (ja) 2006-01-13 2006-01-13 縮合多環芳香族化合物を含有する混合物,縮合多環芳香族化合物薄膜,及び縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5032770B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004235128A (ja) * 2002-12-04 2004-08-19 Dainippon Printing Co Ltd 有機el素子およびその製造方法
JP4517584B2 (ja) * 2003-05-09 2010-08-04 セイコーエプソン株式会社 線パターン形成方法およびデバイスの製造方法
JP4551074B2 (ja) * 2003-10-07 2010-09-22 信越化学工業株式会社 硬化性オルガノポリシロキサン組成物および半導体装置
JP2005294737A (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Asahi Kasei Corp 縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007189089A (ja) 2007-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Huang et al. Printable and flexible phototransistors based on blend of organic semiconductor and biopolymer
Funahashi et al. High ambipolar carrier mobility in self-organizing terthiophene derivative
Schön et al. Gate-induced superconductivity in a solution-processed organic polymer film
JP5124520B2 (ja) 薄膜トランジスタ
Pandey et al. Rapid formation and macroscopic self‐assembly of liquid‐crystalline, high‐mobility, semiconducting thienothiophene
JP2005272460A (ja) ポリアセン化合物及び有機半導体薄膜
US7595093B2 (en) Condensed polycyclic aromatic compound thin film and method for preparing condensed polycyclic aromatic compound thin film
Tajima Look beyond the surface: recent progress in applications of surface-segregated monolayers for organic electronics
Kumar et al. The relation between molecular packing or morphology and chemical structure or processing conditions: The effect on electronic properties
JP2009260346A (ja) 有機薄膜トランジスタ
Pandey et al. Recent progress in the macroscopic orientation of semiconducting polymers by floating film transfer method
JP2011003852A (ja) 硫黄原子を含有する縮合多環芳香族化合物のシート状結晶が基板上に積層された有機半導体薄膜、及びその製法
JP5576611B2 (ja) 縮合多環芳香族化合物のシート状結晶を基板上に積層することを含む新規有機半導体薄膜の製造方法、及び液状分散体
Ling et al. Air-stable n-channel copper hexachlorophthalocyanine for field-effect transistors
Cho et al. Morphology and optoelectronic characteristics of organic field-effect transistors based on blends of polylactic acid and poly (3-hexylthiophene)
JP5103448B2 (ja) 半導体ポリマー
KR102003133B1 (ko) 첨가제가 포함된 가스센서용 전자소자 및 박막트랜지스터
KR101506350B1 (ko) 반도체성 중합체를 포함하는 전자 장치
JP2010123951A (ja) 薄膜トランジスタおよび半導体組成物
JP5032770B2 (ja) 縮合多環芳香族化合物を含有する混合物,縮合多環芳香族化合物薄膜,及び縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法
JP2006344895A (ja) 縮合多環芳香族化合物を含有する混合物,縮合多環芳香族化合物薄膜,及びその製造方法
JP4500082B2 (ja) 縮合多環芳香族化合物微粒子の製造方法、並びに、縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法
JP2005294737A (ja) 縮合多環芳香族化合物薄膜の製造方法
JP2005268449A (ja) 縮合多環芳香族化合物薄膜の改質方法,縮合多環芳香族化合物薄膜,及び有機半導体素子
JP2010123952A (ja) 薄膜トランジスタおよび半導体組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120626

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120629

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees