以下、本発明に係る実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、実施形態におけるインターホンシステムの構成を示すブロック図である。図2は、第1実施形態におけるインターホンシステムの動作を示すフローチャートである。
インターホンシステムS1は、本実施形態では、音声に加えて画像も扱うことができるカメラ機能付きのインターホンシステムであり、例えば、図1に示すように、転送装置1と、インターホン親機2と、インターホン子機3とを備え、転送装置1が通信網(通信ネットワーク)5を介して通信装置4に接続可能に構成されている。
インターホン子機3は、例えば、門柱や玄関等の屋外施設に設置され、有線または無線の伝送路によってインターホン親機2と通信可能に接続される。インターホン子機3は、来訪者が屋内の居住者を呼び出すための呼出機能と、来訪者が居住者と通話を行うための通話機能と、被写体光像を撮像して映像信号を出力するカメラ機能とを少なくとも備えている。このような諸機能を備えるインターホン子機3は、例えば、通話部31と、操作部32と、カメラ部33とを備えて構成される。
通話部31は、前記通話機能を実現するための回路である。通話部31は、例えばマイクロホン等の音声を音声信号に変換する音入力部と、例えばスピーカ等の音声信号を音声に変換する音出力部と、それらの周辺回路とを備えて構成され、音入力部から入力された音声信号を増幅してインターホン親機2に出力すると共に、インターホン親機2からの音声信号を増幅および変換して音声を音出力部から出力する。
操作部32は、前記呼出機能を実現するための回路である。操作部32は、例えば押ボタンスイッチ等の呼出ボタンおよびその周辺回路を備えて構成され、インターホン親機2で呼出音を鳴動させるための呼出信号をインターホン親機2に送信するための回路である。来訪者は、この操作部32を操作することによって、屋内の居住者に来訪者の存在があることを知らせる。呼出信号は、例えば、所定のハイレベルの電圧が所定のローレベルの電圧に降下する電圧信号である。
カメラ部33は、前記カメラ機能を実現するための回路等である。カメラ部33は、例えば、被写体光像を光電変換して映像信号を出力する撮像素子およびその周辺回路と、撮像素子の撮像面に被写体光像を結像させる光学系とを備えて構成され、来訪者等の被写体光像が光学系によって撮像素子に結像され、撮像素子によって被写体光像の映像信号が生成され、この映像信号がインターホン親機2へ出力される。撮像素子は、受光した光をその光強度に従った電気信号に変換する複数の受光素子をマトリックス状に配置した光電変換素子であり、例えば、CCD(Charge-Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)の固体撮像素子等である。
インターホン親機2は、例えば、リビングやダイニング等の室内に設置され、有線または無線の伝送路によってインターホン子機3および転送装置1のそれぞれに通信可能に接続される。インターホン親機2は、インターホン子機3の呼出機能による来訪者の呼出しを報知するための報知機能と、居住者が来訪者とインターホン子機3を介して通話を行うための通話機能と、インターホン子機3からの映像信号を画像表示する表示機能とを少なくとも備えている。このような諸機能を備えるインターホン親機2は、例えば、制御部21と、通話部22と、操作部23と、映像表示部24とを備えて構成される。
通話部22は、例えばマイクロホン等の音声を音声信号に変換する音入力部と、例えばスピーカ等の音声信号を音声に変換する音出力部と、それらの周辺回路とを備えて構成され、制御部21の制御に従って、音入力部から入力された音声信号を増幅してインターホン子機3に出力すると共に、インターホン子機3からの音声信号を増幅および変換して音声を音出力部から出力する。さらに、通話部22は、インターホン子機3からの呼出信号に応答した制御部21の制御に従って、呼出音を音出力部から出力する。
操作部23は、例えば押ボタンスイッチ等の通話ボタンおよびその周辺回路を備えて構成され、インターホン親機2とインターホン子機3との間で通話の開始および終了の指示等の、インターホン親機2を操作するための指示を入力する回路である。入力された指示は、操作部23から制御部21へ出力される。
本実施形態では、前記報知機能は、通話部22によって実現され、前記通話機能は、通話部22および操作部23によって実現されている。
映像表示部24は、前記表示機能を実現するための回路である。映像表示部24は、制御部21の制御に従って、インターホン子機3からの映像信号を画像表示する回路であり、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)および有機ELのディスプレイ等の表示装置とその周辺回路とを備えて構成される。
制御部21は、通話部22、操作部23および映像表示部24とそれぞれ接続されている。制御部21は、インターホン子機3からの呼出信号およびその操作部23からの操作信号等に基づいてインターホン親機2の各部を当該機能に応じてそれぞれ制御し、インターホン親機2全体の制御を司る回路であり、例えば、マイクロプロセッサ、メモリおよびそれらの周辺回路等を備えて構成される。
転送装置1は、インターホン子機3と外部の通信装置4との間で通信網5を介して通信可能に接続するための装置であって、まず、インターホン子機3の呼出に応答して自機(転送装置1)と通信装置4との間で通話路を確立し、次に、インターホン子機3からのみ通信装置4へ映像信号および音声信号を転送し、そして、所定のトリガに応答してインターホン子機3から通信装置4へ映像信号および音声信号を転送すると共に通信装置4からインターホン子機3へ音声信号を転送する装置である。転送装置1は、例えば、外部通信インターフェース部(外部通信I/F部)11と、通信インターフェース部(通信I/F部)12と、制御部13と、映像音声処理部14と、DTMF検出部15と、データベース部(DB部)16とを備えて構成される。
外部通信I/F部11は、通信網5に接続され、制御部13の制御に従って、通信網5を介して外部の通信装置4と通信可能に接続するためのインターフェース回路である。通信I/F部12は、インターホン親機2に接続され、制御部13の制御に従って、インターホン親機2を介してインターホン子機3と通信可能に接続するためのインターフェース回路である。
映像音声処理部14は、制御部13の制御に従って、インターホン親機2を介して取得したインターホン子機3からの映像信号および音声信号を通信装置4で出力(画像表示出力および音声出力)可能な形式に変換して出力すると共に、通信網5を介して取得した通信装置4からの音声信号をインターホンシステムS1(インターホン親機2およびインターホン子機3)で音声出力可能な形式に変換して出力する回路である。
DTMF検出部15は、制御部13の制御に従って、通話装置4からのプッシュボタン(PB)信号をDTMF(Dial Tone Multi Frequency)方式によって検出する回路である。
DB部16は、例えば加入者番号等の転送先の通信装置4に関する情報等を記憶する回路である。DB部16は、例えば、書換え可能なEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性の記憶素子等を備えて構成される。
制御部13は、外部通信I/F部11、通信I/F部12、映像音声処理部14、DTMF検出部15およびDB部16とそれぞれ接続されている。制御部13は、インターホン子機3と通信装置4とを通信可能に接続すべく、インターホン子機3からの呼出信号および通信装置4からの通話開始要求信号等に基づいて転送装置1の各部を当該機能に応じてそれぞれ制御し、転送装置1全体の制御を司る回路であり、例えば、マイクロプロセッサ、メモリおよびそれらの周辺回路等を備えて構成される。
通信装置4は、通信先の他の通信装置における映像を見ながら通話することができるテレビ電話機能を有し、通信網5を介して通信を行う装置であり、例えば固定電話機や携帯電話機等である。通信装置4には、VoIP(Voice over Internet Protocol)技術によるIP電話機も含まれる。このようなIP電話機は、例えばIP電話専用機であってもよく、また例えばパーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistants)等によって実現されてもよい。通信装置4は、例えば、通話部41と、操作部42と、表示部43とを備えて構成される。
通話部41は、例えばマイクロホン等の音声を音声信号に変換する音入力部と、例えばスピーカ等の音声信号を音声に変換する音出力部と、通信網5を介して通信先の他の通信端末、本実施形態では転送装置1と通信信号を送受信する通信部と、それらの周辺回路とを備えて構成され、音入力部から入力された音声信号を通信網5を介して転送装置1へ送信すると共に、転送装置1からの音声信号を増幅および変換して音声を音出力部から出力し、そして、転送装置1からの映像信号を増幅および変換して表示部43から出力する。
操作部42は、例えば複数の押しボタンスイッチ等のプッシュボタン(PB)等およびその周辺回路を備え、ダイヤルボタン(例えば“0”〜“9”)や各種機能ボタン(例えば“*”や“#”等)等を構成し、使用者の操作を受け付ける回路である。各種機能ボタンには、転送装置1によるインターホン子機3との双方向通信の許可(通話開始要求)が割り当てられる。
表示部43は、操作部42で受け付けた操作内容の表示や映像信号による映像の表示等を行う装置であり、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)および有機ELのディスプレイ等の表示装置とその周辺回路とを備えて構成される。
通信網5は、有線または無線の伝送路や交換機等によって構成される網(ネットワーク)であり、例えば、固定電話網、ディジタル通信網および携帯電話網等である。通信網5には、所定の通信プロトコルが用いられてデータが伝送される。
このようなインターホンシステムS1では、まず、例えば加入者番号等の転送先の通信装置4に関する情報が転送装置1のDB部16に記憶される。そして、図2において、来訪者が居住者を呼び出すために、来訪者によってインターホン子機3の操作部32における呼出ボタンが操作(押下)されると(S1)、インターホン子機3からインターホン親機2へ呼出信号が送信される(S2)。
インターホン親機2では、インターホン子機3から呼出信号を受信すると、その制御部21は、インターホン親機2の各部を待機状態から動作状態に切替えて、インターホン子機3からの呼出信号を転送装置1へ送信(転送)する(S3)と共に、通話部22から呼出音を出力(鳴動)する。そして、インターホン子機3のカメラ部33で撮像された映像は、制御部21の制御に従って映像表示部24で処理され、映像表示部24に表示される。
そして、転送装置1では、インターホン親機2からインターホン子機3の呼出信号を受信すると、その制御部13は、自機(転送装置1)と通信装置4との間における通話路を確立すべく動作を行う。転送装置1と通信装置4との通信には、VoIP技術における呼制御通信プロトコルの一つであるSIP(Session Initiation Protocol)が本実施形態では用いられている。したがって、転送装置1の制御部13は、外部通信I/F部11によって、自機(転送装置1)と通信装置4との間における通話路を確立すべく、まず、転送装置1から通信装置4へ「INVITE信号」を送信する(S4)。
「INVITE信号」を受信すると、通信装置4は、呼出音を出力する。この呼出音によって通信装置4の使用者は、通信装置4の呼出しに応答すべく、通信装置4の操作部42における通話ボタンを操作(押下)する。通信装置4の使用者によって通信装置4の通話ボタンが押下されると(S5)、通信装置4は、「200OK信号」を転送装置1へ送信する(S6)。
外部通信I/F部11で「200OK信号」を受信すると、転送装置1の制御部13は、外部通信I/F部11によって「ACK信号」を通信装置4へ送信する(S7)。この処理S4ないし処理S7を実行することによって、転送装置は、インターホン子機3の呼出に応答して自機(転送装置1)と転送先として予めDB部16に登録された所定の通信装置4との間で通信網5による通話路を確立する(通話路確立工程)。そして、このような呼出ボタンの押下(S1)から「ACK信号」の送信(S7)までの動作中において、インターホン子機3からの音声信号および映像信号は、インターホン子機3からインターホン親機2を介して転送装置1に送信されているが(S8)、転送装置1によって通信装置4には転送されない。
転送装置1と通信装置4との間における通話路が確立すると、転送装置1の制御部13は、通話の開始を要求すべく、通信I/F部12によってインターホン子機3へ通話開始要求信号を送信する(S9)。通話開始要求信号がインターホン子機3で受信されると、通話の開始を許可すべく、インターホン子機3から転送装置1へ通話開始許可信号が送信される(S10)。これによって、インターホン子機3の音声信号および映像信号は、インターホン子機3からインターホン親機2を介して転送装置1へ送信され(S11)、さらに転送装置1によって通信装置4へ転送(送信)される(S12)。この転送の際に、インターホン子機3の音声信号および映像信号は、通信装置4で出力(音声出力および画像表示出力)可能な形式に映像音声処理部14によって処理される。一方、この段階では、通信装置4の音声信号は、通信装置4から転送装置1へ送信されるが(S13)、転送装置1からインターホン子機3へ転送されない。このように処理S11ないし処理S13を実行することによって、転送装置は、インターホン子機3からのみ通信装置4へ映像信号および音声信号を転送する(単方向転送工程)。
なお、処理S10のインターホン子機3が転送装置1へ通話開始許可信号を送信する際に、インターホン子機3は、インターホン親機2へも通話開始許可信号を送信するように構成されてもよい。このように構成することによって、インターホン親機2は、インターホン子機2と転送装置1との間で通話路が確立されたことを認識することができ、例えば転送装置1からこの通話路の切断が通知されるまで、自機とインターホン子機3との通話を禁止するように構成されてもよい。以下の説明において、インターホン子機3が通話開始許可信号を送信する際は、同様に構成されてもよい。
転送された音声信号および映像信号は、通信装置4の通話部41から音声出力され、そして、その表示部43から画像表示出力される。通信装置4の使用者は、これら音声出力および画像表示出力を参照することによって、来訪者によって呼出操作されたインターホン子機3の周囲状況をより把握し易くなり、転送されたインターホン子機3の呼出に応答すべきか否かをより容易に判断することが可能となる。転送されたインターホン子機3の呼出に応答する場合に、通信装置4の使用者は、この転送されたインターホン子機3の呼出に応答して通話すべく、通信装置4の操作部42におけるインターホン子機3との通話開始の要求に対応するプッシュボタン(例えば“*”)を操作(押下)する。通信装置4の使用者によって通信装置4のこの通話開始要求に対応するプッシュボタン(例えば“*”)が押下されると(S14)、通信装置4は、この通話開始要求に対応するプッシュボタン(例えば“*”)信号(PB信号)を転送装置1へ送信する(S15)。このように通話開始要求信号がプッシュボタン信号(PB信号)とされるので、一般的に普及しているプッシュボタン方式の電話機を本インターホンシステムS1における通信装置4として適用することが可能となる。
通話開始要求信号としてのPB信号を受信すると、転送装置1の制御部13は、DTMF検出部15によってこの受信したPB信号を検出する(S16)。そして、転送装置1の制御部13は、この検出したPB信号が通話開始要求信号であるか否かを判断し、この検出したPB信号が通話開始要求信号であると判断すると、通信I/F部12で受信したインターホン子機3の音声信号および映像信号を映像音声処理部14で処理した後に、インターホン子機3の音声信号および映像信号を外部通信I/F部11を用いて通信装置4へ転送(送信)すると共に、外部通信I/F部11で受信した通信装置4の音声信号を映像音声処理部14で処理した後に、通信装置4の音声信号を通信I/F部12を用いてインターホン子機3へ転送(送信)する(S17)。これによってインターホン子機3の音声信号および映像信号は、転送装置1によって所定の通信装置4へ転送されると共に、通信装置4の音声信号は、転送装置1によってインターホン子機3へ転送される。このように処理S14ないし処理S17を実行することによって、転送装置は、所定のトリガ、本実施形態では前記通話開始要求に対応するプッシュボタンの押下(S14)に応答してインターホン子機3から通信装置4へ映像信号および音声信号を転送すると共に通信装置4からインターホン子機3へ音声信号を転送する(双方向転送工程)。
このような構成のインターホンシステムS1では、まず、上述の処理S4ないし処理S7が実行されることで、転送装置1によってインターホン子機3の呼出に応答して転送装置1と通信装置4との間で通話路が確立され、次に、上述の処理S11ないし処理S13が実行されることで、転送装置1によってインターホン子機3からのみ通信装置4へ映像信号および音声信号が転送され、そして、上述の処理S14ないし処理S17が実行されることで、転送装置1によって所定のトリガ(本実施形態では前記通話開始要求に対応するプッシュボタンの押下)に応答してインターホン子機3から通信装置4へ映像信号および音声信号が転送されると共に通信装置4からインターホン子機3へ音声信号が転送される。
このため、このような構成のインターホンシステムS1では、通信装置4の使用者は、前記所定のトリガによって、転送されたインターホン子機3の呼出に応答する前に、インターホン子機3からの映像信号だけでなく音声信号も転送されるので、インターホン子機3の周囲状況を映像および音声によって把握することができるから、来訪者によって呼出操作されたインターホン子機3の周囲状況をより容易に把握することができる。さらに、このような構成のインターホンシステムS1では、前記所定のトリガによって、転送されたインターホン子機3の呼出に応答する前では、インターホン子機3からのみ通信装置4へ映像信号および音声信号が転送されるので、通信装置4からの音声がインターホン子機3から不用意に出力されることもない。
なお、上述の第1実施形態では、転送装置1は、インターホン親機2を介してインターホン子機3と情報をやり取りしたが、例えば集線装置(ハブ)を備え、この集線装置に転送装置1、インターホン親機2およびインターホン子機3がそれぞれ接続され(スター型配線)、いわゆるローカル・エリア・ネットワークを構成することで、インターホンシステムSが構成されてもよい。また、このローカル・エリア・ネットワークは、デジタル信号を送受信することによって互いに情報を交換するネットワークであってもよく、また、例えばTCP/IP等のインターネットプロトコルが用いられることでいわゆるイントラネットを構成してもよい。また、インターホン子機2は、例えばブロードキャスト等の同報通信によって呼出信号等の通信信号を送信してもよい。以下の実施形態でも同様である。
また、上述の第1実施形態では、転送装置1は、インターホン親機2と別体で構成されたが、以下の実施形態でも同様に、インターホン親機2と一体で構成されてもよい。
次に、別の実施形態の動作について説明する。
(第2実施形態)
第1実施形態のインターホンシステムS1では、所定のトリガは、通信装置4に転送されたインターホン子機3の呼出に応答するためにインターホン子機3との通話の開始を要求すべく、通信装置4の使用者による、インターホン子機3との通話の開始を要求する通話開始要求としての所定のプッシュボタンの押下であったが、第2実施形態のインターホンシステムS2では、転送装置1がインターホン子機3の呼出に応答して計時を開始し、前記所定のトリガは、前記計時が所定の時間を経過したことである。
このような第2実施形態のインターホンシステムS2の構成は、転送装置1が図1に破線で示すように、計時するタイマ部17をさらに備えると共に、転送装置1の制御部13が後述のように動作する点を除き、第1実施形態のインターホンシステムS1の構成と同様であるので、その説明を省略する。
図3は、第2実施形態におけるインターホンシステムの動作を示すフローチャートである。
このようなインターホンシステムS1では、まず、例えば加入者番号等の転送先の通信装置4に関する情報が転送装置1のDB部16に記憶される。そして、図3において、来訪者が居住者を呼び出すために、来訪者によってインターホン子機3の操作部32における呼出ボタンが操作(押下)されると(S31)、インターホン子機3からインターホン親機2へ呼出信号が送信される(S32)。
インターホン親機2では、インターホン子機3から呼出信号を受信すると、その制御部21は、インターホン親機2の各部を待機状態から動作状態に切替えて、インターホン子機3からの呼出信号を転送装置1へ送信(転送)する(S33)と共に、通話部22から呼出音を出力(鳴動)する。そして、インターホン子機3のカメラ部33で撮像された映像は、制御部21の制御に従って映像表示部24で処理され、映像表示部24に表示される。
そして、転送装置1では、インターホン親機2からインターホン子機3の呼出信号を受信すると、その制御部13は、自機(転送装置1)と通信装置4との間における通話路を確立すべく、外部通信I/F部11によって、まず、転送装置1から通信装置4へ「INVITE信号」を送信する(S34)と共に、インターホン子機3の呼出に応答して計時を開始すべく、タイマ部17に計時を開始させる(S35)。
「INVITE信号」を受信すると、通信装置4は、呼出音を出力する。この呼出音によって通信装置4の使用者は、通信装置4の呼出しに応答すべく、通信装置4の操作部42における通話ボタンを操作(押下)する。通信装置4の使用者によって通信装置4の通話ボタンが押下されると(S36)、通信装置4は、「200OK信号」を転送装置1へ送信する(S37)。
外部通信I/F部11で「200OK信号」を受信すると、転送装置1の制御部13は、外部通信I/F部11によって「ACK信号」を通信装置4へ送信する(S38)。この処理S34、処理S37および処理S38を実行することによって、前記通話路確立工程が実行される。そして、このような呼出ボタンの押下(S31)から「ACK信号」の送信(S38)までの動作中において、インターホン子機3からの音声信号および映像信号は、インターホン子機3からインターホン親機2を介して転送装置1に送信されているが(S39)、転送装置1によって通信装置4には転送されない。一方、「ACK信号」の送受信によって転送装置1と通信装置4との間における通話路が確立すると、インターホン子機3の音声信号および映像信号は、インターホン子機3からインターホン親機2を介して転送装置1へ送信され(S40)、さらに転送装置1によって通信装置4へ転送(送信)される(S41)。一方、この段階では、通信装置4の音声信号は、通信装置4から転送装置1へ送信されるが(S42)、転送装置1からインターホン子機3へ転送されない。このように処理S40ないし処理S42を実行することによって、前記単方向転送工程が実行される。
そして、転送装置1では、所定の時間が経過してそのタイマ部17がタイムアップすると、タイマ部17からその制御部13へ所定の時間が経過した旨を表すタイムアップ信号が通知される(S43)。この所定の時間は、例えばインターホン子機3の呼出にインターホン親機2で応答するための猶予時間として、インターホン子機3の呼出があってからインターホン親機2がインターホン子機3との通信を維持する応答待機時間(例えば20秒や30秒や40秒等)よりも短く設定される。
タイムアップ信号が通知されると、転送装置1の制御部13は、通話の開始を要求すべく、通信I/F部12によってインターホン子機3へ通話開始要求信号を送信する(S44)。通話開始要求信号がインターホン子機3で受信されると、通話の開始を許可すべく、インターホン子機3から転送装置1へ通話開始許可信号が送信される(S45)。
通話開始許可信号を受信すると、転送装置1の制御部13は、通信I/F部12で受信したインターホン子機3の音声信号および映像信号を映像音声処理部14で処理した後に、インターホン子機3の音声信号および映像信号を外部通信I/F部11を用いて通信装置4へ転送(送信)すると共に、外部通信I/F部11で受信した通信装置4の音声信号を映像音声処理部14で処理した後に、通信装置4の音声信号を通信I/F部12を用いてインターホン子機3へ転送(送信)する(S46)。これによってインターホン子機3の音声信号および映像信号は、転送装置1によって所定の通信装置4へ転送されると共に、通信装置4の音声信号は、転送装置1によってインターホン子機3へ転送される。このように処理S14ないし処理S17を実行することによって、前記双方向転送工程が実行される。
このような構成のインターホンシステムS2では、所定のトリガにおける所定の時間が応答待機時間よりも短く設定されることで、応答待機時間の経過前に、転送装置1がインターホン子機3と通信装置4との間で双方向に通話路を確立することが可能となるので、通信装置4の使用者は、転送されたインターホン子機3の呼出に確実に応答することができ、来訪者の対応を確実に行うことができる。したがって、特に、インターホン子機3の呼出があって前記呼出から応答待機時間内にインターホン親機2が前記呼出に応答しない場合に、インターホン子機3とインターホン親機2との通信を切断する機能を備えるインターホンシステムに好適である。
(第1および第2実施形態の変形形態)
なお、上述の第1および第2実施形態のインターホンシステムS1、S2において、インターホンシステムS1、S2は、インターホン子機3およびインターホン親機2のうちの少なくともインターホン子機3と通話可能なインターホン宅内機をさらに備え、インターホン子機3と通信装置4とが転送装置1によって双方向に転送可能となる前に、インターホン親機2または前記インターホン宅内機がインターホン子機3の呼出に応答した場合に、転送装置1が、インターホン親機2または前記インターホン宅内機がインターホン子機3の呼出に応答した旨を表すメッセージ信号を通信装置4に送信し、そして、転送装置1が、自機と通信装置4との間で確立している通話路を切断するように、構成されてもよい。
このインターホン宅内機は、有線または無線の伝送路によってインターホン親機2に通信可能に接続され、インターホン親機2の制御に従ってインターホン親機2を介してインターホン子機3と通信可能に接続される。インターホン宅内機は、通話機能および表示機能を有しており、その制御部がインターホン親機2の制御に従う点を除き、インターホン親機2とほぼ同様に構成される。インターホン宅内機は、例えば副親機と呼ばれる。
図4は、他の態様のインターホンシステムにおける動作を示すシーケンス図である。インターホン親機2またはインターホン宅内機がインターホン子機3の呼出に応答した場合における本態様は、第1実施形態のインターホンシステムS1でも同様に説明することができるが、ここでは、第2実施形態のインターホンシステムS2の場合についてその動作を説明し、図4には、この場合における動作が示してある。
図4において、第2実施形態で説明したように、インターホン子機3の操作部32における呼出ボタンが押下されると(S31)、インターホン子機3からインターホン親機2へ呼出信号が送信され(S32)、さらに、インターホン親機2から転送装置1へ呼出信号が送信される(S33)。
呼出信号が転送装置1で受信されると、転送装置1と所定の通信装置4との間で通話路を確立すべく、転送装置1から通信装置4へ「INVITE信号」が送信されると共に(S34)、タイマ部17の計時が開始される(S35)。
「INVITE信号」が通信装置4で受信されると、呼出音が通信装置4から流れ、通信装置4の使用者によって通信装置4の通話ボタンが押下されると(S36)、通信装置4から転送装置1へ「200OK信号」が送信される(S37)。「200OK信号」が転送装置1で受信されると、転送装置1から通信装置4へ「ACK信号」が送信され(S38)、転送装置1と所定の通信装置4との間で通信網5による通話路が確立される。このような呼出ボタンの押下(S31)から「ACK信号」の送信(S38)までの動作中において、インターホン子機3からの音声信号および映像信号は、インターホン子機3からインターホン親機2を介して転送装置1に送信されているが(S39)、転送装置1によって通信装置4には転送されない。そして、「ACK信号」の送信で通話路が確立されると、インターホン子機3の音声信号および映像信号は、インターホン子機3からインターホン親機2を介して転送装置1に送信され(S40)、さらに転送装置1によって通信装置4へ転送(送信)される(S41)。
タイマ部17のタイムアップ前に、例えば、インターホン親機2の通話ボタンが押下されると(S51)、インターホン親機2は、通話の開始を要求すべく、インターホン子機3に通話開始要求信号を送信する(S52)。なお、処理S51でインターホン親機2に代えて、インターホン宅内機の通話ボタンが押下されてもよい。
通話開始要求信号がインターホン子機3で受信されると、通話の開始を許可すべく、インターホン親機2に通話開始許可信号が送信される(S53)。
通話開始許可信号がインターホン親機2で受信されると、インターホン親機2とインターホン子機3との間で通話が可能となると共に、処理S34、処理S37および処理S39の各処理の実行によって転送装置1と通信装置4との間に確立された通話路を切断すべく、インターホン親機2によって、通話開始許可信号がインターホン親機2から転送装置1へ送信される(S53)。
通話開始許可信号が転送装置1で受信されると、転送装置1によって、インターホン親機2または前記インターホン宅内機がインターホン子機3の呼出に応答した旨を表すメッセージ信号が転送装置1から通信装置4へ送信される(S54)。このメッセージ信号は、インターホン親機2または前記インターホン宅内機がインターホン子機3の呼出に応答した旨を、音声によって表すものであってもよく、また、それを例えば文字等の画像表示によって表すものであってもよい。このメッセージ信号が通信装置4で受信されると、その旨のメッセージの音声または画像表示が通信装置4に出力される。
そして、転送装置1は、通話路を切断すべく、「BYE信号」を通信装置4へ送信する(S55)。この「BYE信号」が通信装置4で受信されると、通信装置4は、これに応答して通話路の切断を許可すべく、「200OK信号」を転送装置1へ送信する(S56)。これらの動作によって転送装置1と通信装置4との間における通話路が切断される。
このように動作することによって、転送装置1の転送によるインターホン子機3と通信装置4との間における双方向の転送が実行される前に、処理S51で、インターホン親機2または前記インターホン宅内機がインターホン子機3の呼出に応答した場合に、処理S54で、転送装置1によって、インターホン親機2または前記インターホン宅内機がインターホン子機3の呼出に応答した旨を表すメッセージ信号が通信装置4に送信される。このため、通信装置4の使用者は、転送されたインターホン子機3の呼出に応答する前に、インターホン親機2または前記インターホン宅内機がインターホン子機3の呼出に応答した旨を認識することができ、在宅中の者が対応したことを認識することができる。
そして、このように動作することによって、その後に、処理S55および処理S56で、転送装置1によって、転送装置1と通信装置4との間で確立している通話路が切断される。このため、転送装置1と通信装置4との間における通信に対して課金されている場合に、無駄な通信料を削減することが可能となる。
また、上述の第1および第2実施形態のインターホンシステムS1、S2において、インターホンシステムS1、S2は、転送装置1と通信装置4との間における通話路の確立後であって、転送装置1によるインターホン子機3の音声信号および映像信号の転送の実行前に、転送装置1が通信装置4の認証を行うように構成されてもよい。
このような構成では、例えば通信装置4の使用者におけるユーザIDやパスワード等の認証情報は、転送装置1のDB部16に予め登録される。
図5は、さらに他の態様のインターホンシステムにおける動作を示すシーケンス図である。通信装置4の認証を行う本態様は、第2実施形態のインターホンシステムS2でも同様に説明することができるが、ここでは、第1実施形態のインターホンシステムS1の場合についてその動作を説明し、図5には、この場合における動作が示してある。
図5において、第1実施形態で説明したように、インターホン子機3の操作部32における呼出ボタンが押下されると(S1)、インターホン子機3からインターホン親機2へ呼出信号が送信され(S2)、さらに、インターホン親機2から転送装置1へ呼出信号が送信される(S3)。
呼出信号が転送装置1で受信されると、転送装置1と所定の通信装置4との間で通話路を確立すべく、転送装置1から通信装置4へ「INVITE信号」が送信される(S4)。「INVITE信号」が通信装置4で受信されると、呼出音が通信装置4から流れ、通信装置4の使用者によって通信装置4の通話ボタンが押下されると(S5)、通信装置4から転送装置1へ「200OK信号」が送信される(S6)。「200OK信号」が転送装置1で受信されると、転送装置1から通信装置4へ「ACK信号」が送信され(S7)、転送装置1と所定の通信装置4との間で通信網5による通話路が確立される。このような呼出ボタンの押下(S1)から「ACK信号」の送信(S7)までの動作中において、インターホン子機3からの音声信号および映像信号は、インターホン子機3からインターホン親機2を介して転送装置1に送信されているが(S8)、転送装置1によって通信装置4には転送されない。
転送装置1と通信装置4との間における通話路が確立すると、転送装置1は、通話の開始を要求すべく、インターホン子機3へ通話開始要求信号を送信する(S9)。通話開始要求信号がインターホン子機3で受信されると、通話の開始を許可すべく、インターホン子機3から転送装置1へ通話開始許可信号が送信される(S10)。
通話開始許可信号が転送装置1で受信されると、通信装置4の認証を行うべく、転送装置1は、認証情報の入力、例えばパスワードの入力を要求する旨を表すメッセージ信号が転送装置1から通信装置4へ送信される(S61)。このメッセージ信号は、認証情報の入力を促す旨を、音声によって表すものであってもよく、また、それを例えば文字等の画像表示によって表すものであってもよい。このメッセージ信号が通信装置4で受信されると、例えば“パスワードを入力してください”等の、その旨のメッセージの音声または画像表示が通信装置4に出力される。
そして、このメッセージによって通信装置4の使用者は、認証情報、例えばパスワードに対応するプッシュボタンを押下する。通信装置4の使用者によって、認証情報、例えばパスワードに対応するプッシュボタンが押下されると(S62)、押下されたプッシュボタンに対応するプッシュボタン信号(PB信号)が通信装置4から転送装置1へ送信される(S63)。
認証情報としてのPB信号が転送装置1で受信されると、転送装置1の制御部13は、DTMF検出部15によってこの受信したPB信号を検出し、この検出したデータがDB部16に記憶されている認証情報、ここではパスワードと一致しているか否かを判断する。この判断の結果、この検出したデータがDB部16の認証情報と一致していない場合には、転送装置1によって転送装置1と通信装置4との間における通話路が切断され、一方、この検出したデータがDB部16の認証情報と一致している場合には、転送装置1によって転送装置1と通信装置4との間における通話路に対する通信装置4の使用が許可される(S64)。これによって、インターホン子機3の音声信号および映像信号は、インターホン子機3からインターホン親機2を介して転送装置1へ送信され(S11)、さらに転送装置1によって通信装置4へ転送(送信)される(S12)。一方、通信装置4の音声信号は、通信装置4から転送装置1へ送信されるが(S13)、転送装置1からインターホン子機3へ転送されない。
以下の動作は、第1実施形態のインターホンシステムS1の動作と同様であるので、その説明を省略する。
このように動作することによって、転送装置1によるインターホン子機3の音声信号および映像信号のみの単方向転送の実行前に、処理S61ないし処理S64で、転送装置1によって、通信装置4の認証が行われるので、インターホン子機3の音声および映像が不用意に通信装置4に出力されることが抑止され、セキュリティを向上することが可能となる。特に、例えば通信装置4をその使用者が紛失した場合に、その通信装置4を取得した第三者に、インターホン子機3の音声および映像が不用意に通知されることを防止することが可能となり、また、第三者が勝手に、転送されたインターホン子機3の呼出に対応することを防止することが可能となる。
ここで、上述の処理S64において、前記検出したデータがDB部16の認証情報と一致していない場合に、転送装置1が自機1と通信装置4との間における通話路を切断する前に、転送装置1は、通信装置4に入力されたパスワードが間違っている旨の通信信号通信装置4に送信し、その旨を通信装置4に表示されるように構成されてもよく、さらに、再入力の機会を通信装置4に与えるように構成されてもよい。
また、上述の第1および第2実施形態のインターホンシステムS1、S2において、インターホンシステムS1、S2は、前記インターホン子機3の他に、通話機能およびカメラ機能を有する第2インターホン子機をさらに備え、転送装置1が、通信装置4に応答して前記第2インターホン子機との間で映像信号および音声信号の転送を可能とすると共に、前記第2インターホン子機からのみ通信装置4へ映像信号および音声信号を転送するように構成されてもよい。このように構成されることによって、通信装置4の使用者は、前記インターホン子機3によって来訪者と対応中であっても、前記インターホン子機3の他の第2インターホン子機における周囲状況を映像および音声によって監視することが可能となる。
そして、このような構成に加えてさらに、インターホンシステムS1、S2は、転送装置1が所定の第2トリガに応答して前記第2インターホン子機から通信装置4へ映像信号および音声信号を転送すると共に通信装置4から前記第2インターホン子機へ音声信号を転送するように構成されてもよい。このように構成されることによって、通信装置4の使用者は、前記インターホン子機3によって来訪者と対応中に、前記インターホン子機3の他の第2インターホン子機における周囲状況を映像および音声によって監視した際に、前記来訪者の他の者を見つけた場合に、その対応が可能となる。特に、前記来訪者の他の者が例えば不審者であった場合に、例えば警告等の適切な対応が可能となる。
図6は、さらに他の態様のインターホンシステムにおける動作を示すシーケンス図である。図6では、転送装置1によって通信装置4と最初に通信可能に接続された前記インターホン子機3がインターホン子機3−aと表記され、転送装置1によって通信装置4と後から通信可能に接続される前記第2インターホン子機がインターホン子機3−bと表記されている。
図2ないし図5に示されているように、転送装置1によってインターホン子機3−aの音声信号および映像信号が通信装置4へ送信(転送)されると共に、転送装置1によって通信装置4の音声信号がインターホン子機3−aへ送信(転送)される動作中(S17(S46))において、通信装置4の使用者は、第2インターホン子機3−bを起動して第2インターホン子機3−bによる監視を行うべく、第2インターホン子機3−bとの通話を要求する指示に対応するプッシュボタンを押下する。第2インターホン子機3−bとの通話を要求する指示に対応するプッシュボタンが押下されると(S71)、この押下されたプッシュボタンに対応するプッシュボタン信号(PB信号)が通話開始要求信号として通信装置4から転送装置1へ送信される(S72)。
通話開始要求信号としてのPB信号が転送装置1で受信されると、転送装置1の制御部13は、DTMF検出部15によってこの受信したPB信号を検出する(S73)。この検出したデータが通話開始要求信号であると判断(認識)すると、最初に通信可能に接続していたインターホン子機3−aとの通信を切断すべく、転送装置1によって、通信の切断を要求する切断要求信号が転送装置からインターホン子機3−aへ送信される(S74)。この切断要求信号がインターホン子機3−aで受信されると、転送装置1との通信の切断を許可すべく、インターホン子機3−aによって、通信の切断を通知する切断完了通知信号がインターホン子機3−bから転送装置1へ送信される(S75)。これら処理S74および処理S75が実行されることによって、転送装置1とインターホン子機3−aとの通信が切断される。
そして、インターホン子機3−aからの切断完了通知信号が転送装置1で受信されると、最初に通信可能に接続していたインターホン子機3−aとは別の第2インターホン子機3−bと通信可能に接続すべく、転送装置1は、通話の開始を要求すべく、インターホン子機3−bへ通話開始要求信号を送信する(S76)。通話開始要求信号がインターホン子機3−bで受信されると、通話の開始を許可すべく、インターホン子機3−bから転送装置1へ通話開始許可信号が送信される(S77)。
通話開始許可信号が転送装置1で受信されると、転送装置1の転送によってインターホン子機3−bと通信装置4との間で双方向に通信が可能となり、第2インターホン子機3−bの音声信号および映像信号は、第2インターホン子機3−bから通信装置4へ送信されると共に、通信装置4の音声信号は、通信装置4から第2インターホン子機3−bに送信される(S78)。
なお、前記処理S77と処理S78との間に、インターホン子機3の音声信号および映像信号をインターホン子機3からインターホン親機2および転送装置1を介して通信装置4へ送信する一方で通信装置4の音声信号を転送装置1によってインターホン子機3へ転送されない前記単方向転送工程が実行され、通話開始要求のプッシュボタンを通信装置4が受け付けた後に処理S78の双方向転送工程が実行されるようにされてもよい。
また、上述の第1および第2実施形態のインターホンシステムS1、S2において、図4ないし図6に示す各他の態様が複数採用されてもよい。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。