しかしながら、提案の装置では、ガス流量に応じて駆動頻度を変えてはいるが、ガス流量のガス漏れが発生しても空間のガス濃度が爆発下限界レベル(LEL)に達することがない場合でも、ガスセンサが一定間隔で駆動されるようになっている。
因みに、ガス流量が10リットル/時間の場合、最悪の換気条件である例えば三時間に一回の自然換気がある2畳の広さの空間では、LPGが偏析して10リットル/時間のガス漏れがあっても、同空間のガス濃度が爆発下限界レベルLEL(1.8%)に達することがなく、同空間のガス濃度が爆発下限界レベルLELを超えるには、20リットル/時間以上のガス漏れが生じたときである。それにも拘わらず、上述した提案の装置では、0.1リットル/時間以上10リットル/時間未満のガス流量の場合に1分間に1回ガス検出動作を行っていて、十分に低電力化が図られているとは言い難かった。
よって本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、安全性を損なうことなく、ガス漏れ警報器の低電力化を図ることができるガス漏れ警報器の制御装置を提供することを課題としている。
本発明はまた、上記の問題点に鑑みてなされたもので、安全性を損なうことなく、低電力化を図ったガス漏れ警報器を提供することを課題としている。
上記課題を解決するためになされた請求項1に係るガス漏れ警報器の制御装置は、所定温度に加温されることによりガスの検知が可能になるガス検知手段と、該ガス検知手段によって検知した設置空間のガス濃度が予め定めた所定値を超えたときガス漏れを警報するガス漏れ警報器であって、ガス使用量積算のためガスメータにて計測したガス流量が当該ガス流量によるガス漏れが継続しても前記設置空間のガス濃度が爆発下限界に達しない流量範囲にある場合、前記ガス検知手段の所定温度への加温を停止し、前記ガス流量が当該ガス流量によるガス漏れが継続したとき前記設置空間のガス濃度が前記爆発下限界に達する流量範囲にある場合、当該ガス流量のガス漏れが継続したときの前記設置空間のガス濃度が前記所定値に到達するまでに前記ガス検知手段による前記設置空間のガス濃度の検知を行えるように、当該ガス流量のガス漏れが継続したときの前記設置空間のガス濃度が前記所定値に到達する予め求められている既知の時間に応じて前記ガス検知手段の加温周期を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、所定温度に加温されることによりガスの検知が可能になるガス検知手段によって検知した設置空間のガス濃度が予め定めた所定値を超えたときガス漏れを警報するが、ガス使用量積算のため計測したガス流量が当該ガス流量によるガス漏れが継続しても設置空間のガス濃度が爆発下限界に達しない流量範囲にある場合、制御手段がガス検知手段の所定温度への加温を停止するので、ガス使用量積算のためガス流量を計測するガスメータの連続使用遮断機能によってガス遮断され、ガス流量によるガス漏れが継続しても設置空間のガス濃度が爆発下限界に達しない流量範囲にある間、加温のためのガス検知手段への電力供給を停止できる。
また。設置空間のガス濃度が爆発下限界に達する流量範囲にある場合、当該ガス流量のガス漏れが継続したときの設置空間のガス濃度が所定値に到達するまでにガス検知手段による設置空間のガス濃度の検知を行えるように、当該ガス流量のガス漏れが継続したときの設置空間のガス濃度が所定値に到達する時間に応じてガス検知手段の加温周期を制御するので、設置空間のガス濃度が所定値に到達する前にガス濃度の検知を行える状態にガス検知手段の加温を開始すればよく、ガス流量のガス漏れが継続したときの設置空間のガス濃度が前記所定値に到達する時間に応じて制御したガス検知手段の加温周期のそれ以外の期間、加温のためのガス検知手段への電力供給を停止でき、ガス検知手段の無駄な加温を行わなくすることができる。
請求項2に係るガス漏れ警報器の制御装置は、請求項1記載のガス漏れ警報器の制御装置において、前記加温周期を0にして連続加温するガス流量以上である所定値のガス流量によるガス漏れが継続したときに、前記設置空間のガス濃度が前記所定値に到達するまでに、前記ガス検知手段による前記設置空間のガス濃度の検知が行える周期で前記ガス流量を取得することを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、加温周期を0にして連続加温するガス流量以上である所定値のガス流量によるガス漏れが継続したときに、設置空間のガス濃度が所定値に到達するまでに、ガス検知手段による設置空間のガス濃度の検知が行える周期でガス流量を取得するので、ガス検知手段を加温していないとき突然に大きなガス流量によるガス漏れが発生しても、当該ガス流量の検出に応じてガス検知手段を直ちに加温することで、ガス濃度が所定値に達する前にガス濃度を検知することができる。
請求項3に係るガス漏れ警報器の制御装置は、請求項2記載のガス漏れ警報器の制御装置において、ガス使用量積算のため計測したガス流量のガス漏れが継続したとき前記設置空間のガス濃度がガス漏れの開始から前記所定値に達する時間を推定し、該推定した時間に基づいて前記加温周期を定めることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、ガス使用量積算のため計測したガス流量のガス漏れが継続したとき設置空間のガス濃度がガス漏れの開始から所定値に達する時間を推定し、該推定した時間に基づいて加温周期を定めているので、設置空間に応じ加温時間を定めることができる。
請求項4に係るガス漏れ警報器の制御装置は、請求項3記載のガス漏れ警報器の制御装置において、ガス使用量積算のため計測したガス流量のガス漏れが継続したとき前記設置空間のガス濃度がガス漏れの開始から前記所定値に達する時間を推定するため、広さ及び自然換気回数を含む設置環境情報に基づいて前記設置空間毎に、予め定めた流量区分に対応して定めたテーブルを有し、前記ガス流量を取得する毎に前記テーブルを参照し前記推定時間を求めることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、ガス使用量積算のため計測したガス流量のガス漏れが継続したとき設置空間のガス濃度がガス漏れの開始から所定値に達する時間を推定するため、広さ及び自然換気回数を含む設置環境情報に基づいて設置空間毎に、予め定めた流量区分に対応して定めたテーブルを有し、ガス流量を取得する毎にテーブルを参照し推定時間を求めているので、設置環境情報に応じて設定したテーブルにより設置環境に応じた適切な加温周期を決定することができる。
請求項5に係るガス漏れ警報器の制御装置は、請求項3記載のガス漏れ警報器の制御装置において、ガス使用量積算のため計測したガス流量のガス漏れが継続したとき前記設置空間のガス濃度がガス漏れの開始から前記所定値に達する時間とガス流量の関係を示す予め定めた関係式を有し、前記ガス流を取得する毎に前記関係式により演算を行い前記推定時間を求めることを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、ガス使用量積算のため計測したガス流量のガス漏れが継続したとき設置空間のガス濃度がガス漏れの開始から所定値に達する時間とガス流量の関係を示す予め定めた関係式を有し、ガス流量を取得する毎に関係式により演算を行い推定時間を求めているので、設置環境情報に応じて設定した関係式により設置環境に応じた適切な加温周期を決定することができる。
請求項6に係るガス漏れ警報器の制御装置は、請求項4記載の前記テーブル又は請求項5記載の前記関係式は、前記ガス検知手段が検知する対象ガスがLPGである場合、前記設置空間内のガスの偏析を想定して定められることを特徴とする。
請求項6記載の発明によれば、テーブル又は関係式は、ガス検知手段が検知する対象ガスがLPGである場合、設置空間内のガスの偏析を想定して定められているので、対象ガスであるLPGに適した加温周期を決定することができる。
請求項7に係るガス漏れ警報器は、請求項1〜6の何れかに記載の制御装置を有し、前記ガス流量をガス使用量積算のためガス流量を計測するガスメータから通信手段を介して取得することを特徴とする。
請求項7記載の発明によれば、ガス使用量積算のためガス流量を計測するガスメータから通信手段を介してガス流量を取得するガス漏れ警報器が請求項1〜7の何れかに記載の制御装置を有するので、ガス漏れ警報器において、請求項1〜7の何れかに記載の制御装置による作用が得られる。
請求項1記載の発明によれば、ガスメータの連続使用遮断機能によってガスが遮断され、ガス流量によるガス漏れが継続しても設置空間のガス濃度が爆発下限界に達しない流量範囲にある間、加温のためのガス検知手段への電力供給を停止でいきるので、ガス流量が設置空間のガス濃度が爆発下限界に達しない流量範囲にあり、加温を停止している期間の電力消費が節約でき、安全性を損なうことなく、低電力化を図ったガス漏れ警報器を提供することができる。
また。設置空間のガス濃度が所定値に到達する前にガス濃度の検知を行える状態にガス検知手段の加温を開始すればよく、ガス流量のガス漏れが継続したときの設置空間のガス濃度が前記所定値に到達する時間に応じて制御したガス検知手段の加温周期のそれ以外の期間、加温のためのガス検知手段への電力供給を停止できるので、ガス流量が設置空間のガス濃度が爆発下限界に達する流量範囲にあっても、ガス流量に応じた周期の必要最小限の期間のみガス検知手段に電力供給すればよく、加温を停止している期間の電力消費が節約でき、安全性を損なうことなく、低電力化を図ったガス漏れ警報器を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、ガス検知手段を加温していないとき突然に大きなガス流量によるガス漏れが発生しても、当該ガス流量の検出に応じてガス検知手段を直ちに加温することで、ガス濃度が所定値に達する前にガス濃度を検知することができるので、突然に大きなガス流量によるガス漏れにも対応でき、安全性を損なうことない。
請求項3記載の発明によれば、設置空間に応じ加温時間を定めることができるので、設置空間に応じた加温周期でガス検知手段の加温を精度良く行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、設置環境情報に応じて設定したテーブルにより設置環境に応じた適切な加温周期を決定することができるので、設置空間毎にテーブルを変えることで、設置空間に応じた加温周期を簡単に得てガス検知手段の加温を精度良く行うことができる。
請求項5記載の発明によれば、設置環境情報に応じて設定した関係式により設置環境に応じた適切な加温周期を決定することができるので、設置空間毎に関係式を変えることで、設置空間に応じた加温周期を簡単に得てガス検知手段の加温を精度良く行うことができる。
請求項6記載の発明によれば、対象ガスであるLPGに適した加温周期を決定することができできるので、請求項5記載のテーブル又は請求項6記載の関係式を用いて推定した時間に基づいて加温周期を決定しているが、安全率が損なわれることがない。
請求項7記載の発明によれば、対象ガスであるLPGに適した加温周期を決定することができできるので、テーブル又は関係式を用いて推定した時間に基づいて加温周期を決定しているが、安全率が損なわれることがなく、ガス漏れ警報器の低電力化を図ることができるガス漏れ警報器の制御装置を提供することができる。
以下、本発明に係るガス漏れ警報器の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係るガス漏れ警報器の構成を示すブロック図である。同図において、ガス漏れ警報器1は、マイコンガスメータ2がガス使用量を積算するため計測しているガス流量に基づいて所定温度への加温が制御されるように構成されている。
マイコンガスメータ2は一般にマイコンメータと称され 、各部に電力を供給する電池からなる電源21と、図示しないガス供給路の配管に連通された図示しないガス通路に設けられ、弁閉によってガス供給を遮断する遮断弁22と、ガス通路を通じて流れるガス流に応じて流量信号を発生する流量検出部23と、流量検出部23が発生する流量信号に基づいてガス流量を計測しガス使用量を積算するなどの演算を行う他、弁閉信号及び弁開信号を出力して遮断弁を弁閉及び弁開するマイクロコンピュータ(μCOM)からなる制御部24とを有する。
マイコンガスメータ2はまた、制御部24が積算したガス使用量を表示する他、各種のメッセージを表示する例えば液晶表示パネル(LCD)やLEDインジケータなどからなる表示部25と、電話回線などの公衆回線を介してガス販売業者のガス管理センターとの通信を制御するためのNCU(Network Control Unit)を内蔵する通信部26と、ガス漏れ警報器1との間のインタフェースを電文方式或いはパルス方式にて行い、ガス漏れ警報器1からの要求に応じてガス使用量を積算するため計測したガス流量を出力するインタフェース部27と、電源21からの電力供給が断たれた場合でも、格納された各種データの保持が可能であり、制御部24の処理作業に必要な各種格納エリアを有する電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリ(EEPROM)15eとを有する。
制御部24は、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)241、CPU241のためのプログラムなどを格納した読み出し専用のメモリであるROM242、各種のデータを格納するとともにCPU241の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM243などを有する。
マイコンガスメータ2の制御部24のCPU241は、上述したガス流量計測処理やガス使用料積算処理の他、使用時間遮断機能処理、使用時間遮断予告処理などを実行し、使用時間遮断機能処理では、ガスの使用時間がガス流量区分に対して予め定めた制限時間を越えたとき遮断弁を閉してガス供給を遮断し、使用時間遮断信号をインタフェース部27を介してガス漏れ警報器1に送信する。また、この使用時間遮断の例えば8分又は5分の所定時間前に、使用時間遮断予告処理により使用時間遮断予告信号をインタフェース部27を介してガス漏れ警報器1に送信する。このような使用時間遮断遮断予告信号及び使用時間遮断信号を受信したガス漏れ警報器1では、制御部12のCPU121が、「ピッピッピッピッ ガスを長く使っていませんか 一度止めて下さい」、「ピッピッピッピッ ガスを長く使っているので ガス遮断しました」のようなメッセージを警報部14に発生させ、遮断予告と遮断をガス使用者に知らせる。また、マイコンガスメータ2の制御部24のCPU241は、インタフェース部27を介してガス漏れ警報器1から送出されるの要求信号に応じて、ガス使用料積算のため計測しているガス流量に関する流量情報をインタフェース部27を介してガス漏れ警報器1に送信する。
ガス漏れ警報器1は、図示しないヒータを有し、ヒータにより所定温度に加温することによって接触したガスを燃焼させてガス濃度に応じた大きさのガス検知信号を発生するガス検知手段としての接触燃焼式のガスセンサ10と、ガスセンサ10が発生するガス検知信号を入力し、爆発下限界(LEL)の4分1に対応する予め定めた所定値を超えるガス濃度に応じた大きさのガス検知信号を入力したとき警報信号を出力するマイクロコンピュータ(μCOM)からなる制御手段としての制御部11と、制御部11が出力する警報信号に基づいてガス漏れを音声などによって警報する警報部12とを有する。
接触燃焼式のガスセンサは一般に、長期間無通電にして放置しておくと、検出対象ガスを異にするガスセンサの種類にもよるが、約5〜30秒程度の暖気が必要である。また、その後ガス検知を行った際のガスに対する応答時間、すなわち、最大出力が得られる加温開始からの時間も、検出対象ガスに応じて約5〜30秒程度必要である。例えば、線径30μのPt線を用いた素子サイズφ1.0mmで、検出対象ガスがLPGである接触燃焼式ガスセンサの応答時間は約5秒である。
ガス漏れ警報器1はまた、制御部11の制御の下で、ガスセンサ10を所定温度に加温するため、ガスセンサ10のヒータに通電して動作状態にするセンサ駆動部13と、センサ駆動部13がガスセンサ10にそのヒータを通電駆動する電力を供給するとともに装置の各部に動作電力を供給する電池からなる電源14と、上述したようにマイコンガスメータ2がガス使用量を積算するため計測しているガス流量をマイコンガスメータ2から取得するためマイコンガスメータ2との間の通信を電文方式或いはパルス方式にて行うインタフェース部15と、電源14からの電力供給が断たれた場合でも、格納された各種データの保持が可能であり、制御部11の処理作業に必要なテーブルや関係式などの各種データを格納する格納エリアを有する電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリ(EEPROM)16とを有する。
制御部11は、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)111、CPU111のためのプログラムなどを格納した読み出し専用のメモリであるROM112、各種のデータを格納するとともにCPU111の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM113などを有する。
以上の構成において、制御部11は、マイコンガスメータ2から取得したガス流量が当該ガス流量によるガス漏れが継続してもガス漏れ警報器1を設置した空間のガス濃度が爆発下限界に達しない流量範囲にある場合、すなわち、設置空間のガス濃度が爆発下限界に達するガス流量A未満の場合、センサ駆動部13を駆動制御して電源14からガスセンサ10に電力供給し、ヒータに通電してガスセンサ10を所定温度に加温しガスセンサ10を動作状態にすることを、センサ駆動部13の駆動制御を停止することで停止する。すなわち、ガスセンサ10の所定温度への加温を停止する制御を行う。
制御部11はまた、マイコンガスメータ2から取り込んだガス流量が当該ガス流量によるガス漏れが継続したときガス漏れ警報器1を設置した空間のガス濃度が爆発下限界に達する流量範囲にある場合、すなわち、ガス濃度が爆発下限界に達するガス流量A以上の場合、当該ガス流量のガス漏れが継続したときの設置空間のガス濃度が所定値に達する前に、ガスセンサ10により設置空間のガス濃度を検出することができる検知周期で、ヒータに通電してガスセンサ10を所定温度に加温しガスセンサ10を動作状態にするように、センサ駆動部13に電源14からガスセンサ10に電力を供給させてガスセンサ10を加温する制御を行う。なお、Aの定め方については、後述する。
制御部11はさらに、マイコンガスメータ2から取り込んだガス流量が当該ガス流量によるガス漏れが継続したときガス漏れ警報器1を設置した空間のガス濃度が1分以内に所定値に達する流量範囲にある場合、すなわち、ガス流量がB以上である場合、当該ガス流量のガス漏れが継続したときの設置空間のガス濃度が所定値に達する前にガスセンサ10による設置空間のガス濃度の検知を行え、かつ所定値を超えてから1分以内に確実に警報できるように、センサ駆動部13に電源14からガスセンサ10に電力を常時供給させて、ガスセンサ10のヒータに連続して通電してガスセンサ10を所定温度に加温した動作状態に保つ制御を行う。なお、Bの定め方については、後述する。
なお、マイコンガスメータ2から取得したガス流量がA〜Bの範囲内にある場合、設置空間のガス濃度が所定値を超える前にガスセンサ10による設置空間のガス濃度の検知を行えるようにする検知周期は、マイコンガスメータ2から取り込んで取得したガス流量によるガス漏れが継続したとき設置空間のガス濃度がガス漏れの開始から所定値に達するまでの時間を推定して定められる。なお、この時間の推定の仕方については、後述する。
また、制御部11がインタフェース部15を介してガス流量をマイコンガスメータ2から取り込む取込周期は、マイコンガスメータ2を通じて流れる最大流量のガス漏れが生じたときガス濃度が所定値に達する前に、加温開始からガス検知可能な状態になるまでに所定時間を要するガスセンサ10の加温が完了し、ガス濃度が所定値を超えたときそのことを検知できるように設定され、その設定の仕方については後述する。
ところで、ガス漏れ警報器1が設置された空間においてガス漏れが生じたとき、空間内のガス濃度K(%)は、下記の均一拡散のガス拡散理論式に示されるように変化する。
K=(1−e-nt )M/nV×100
式中、nは空間の単位時間当たりの自然換気回数(回/hr)、Mは単位時間当たりのガス漏洩量(m3 /hr)、Vは空間の大きさである。空間が三畳間浴室相当とすると、Vは(W1.7×D1.7×H2.3)6.647m3 である。
上記拡散理論式に基づいて、例えば自然換気回数0.3の2畳間相当の空間のガス濃度の時間変化を単位時間当たりの漏洩量を変えて求め表にして示すと、図2に示されるようになる。なお、表中、破線1はブタンガスのLEL(1.8%)/4ライン、破線2はLELライン、破線3は現用のマイコンガスメータ2の連続使用遮断機能によって流量区分に対応して定められた遮断ラインをそれぞれ指している。
ところで、LPGを床上15cmの高さから2畳間相当の空間に放出し床上10cmの高さのガス濃度特性と均一拡散時(計算値)の濃度特性とを単位時間当たりの放出量3リットルと10リットルの場合について示すと、図3及び図4に示すようになる。両図から分かるように、LPGの場合のガス濃度は、比重が空気より大きいため、均一拡散の理論式によって求めたガス濃度よりも高濃度側に偏っている。したがって、ガスセンサ10の検知対象ガスがLPGの場合には、図2に示す均一拡散理論式によって求めた表に示されるガス濃度に、ガスが偏析していることを考慮した安全率を乗じたガス濃度を適用する。このようにして求めた表を示すと、図5に示すようになる。なお、表中の破線1〜3は図2の表中のものと同一意味を有するラインである。
LPGの場合、図5に示す安全率を見込んだ自然換気回数0.3の2畳間相当の空間のガス濃度を示す表を参照して分かるように、単位時間当たり20リットルまでのガス流量のガス漏れが生じても空間内のガス濃度はLELを超えることがない。これは、図5の表から明らかなように、単位時間当たり20リットルのガス流量のガス漏れが生じた場合、ガス濃度がLELを超える前に遮断ライン3を超え、マイコンガスメータ2の連続使用遮断機能によってガス供給がガスメータにおいて遮断されるからである。
なお、ガス漏れ警報器としてはLEL/4を超える前にガス検知できることが求められているが、これはガス漏れを放置しておくと空間内のガス濃度がLELを超え危険であることを前提として求められる機能であって、ガス濃度がLELを超えないことが明らかであるときには、LEL/4を超えたとしてもガス検知動作することに何らの意味もないので、本例では、ガス濃度がLELを超えることのない単位時間当たり20リットルまでのガス流量では、ガス検知のためのガスセンサ10の加温を停止するようにしている。
したがって、本発明に係るガス漏れ警報器では、これが自然換気回数0.3の2畳間相当の空間に設置されるときには、上記Aとして20リットル/時間が設定される。なお、Aは設置空間の自然換気回数や大きさにより変化し、各空間毎に異なる値が設定される。
また、ガスメータにて計測したガス流量をガス漏れ警報器1が取得する周期は、取得した最大のガス流量に応じてガスセンサ10を所定温度に加温してガス濃度を検出することができるようになる時点が、設置空間のガス濃度がLEL/4に達する前であり、LEL/4に達してから1分以内に警報できるように定めておけばよい。具体的には、上述した自然換気回数0.3の2畳間相当の空間においてガス流量125リットル/時間のガス漏れがあったとき、ガス漏れから449秒後にLEL/4に達するので、ガスセンサ10として例えば線径30μのPt線を用いた素子サイズφ1.0mmの応答時間5秒のガスセンサの接触燃焼式ガスセンサを有するガス漏れ警報器の場合には、(449秒−5秒)の2分の1(=222秒=3.7分)の取得周期でガス流量をガスメータから取得するようにすれば、ガス濃度がLEL/4に達する前にガス濃度を検知して1分以内に警報を行うことができる。なお.上記449秒は、図7の表より、y=0.0666x0.9491であり、y=0.45%とおくと、x=7.486分=449秒なる計算にて求められる。
図5の表のデータに基づいて各漏洩量毎にガス濃度の時間変化を両対数グラフにプロットすると図6に示すようなグラフが得られる。各漏洩量のグラフを近似式y=axb に近似し、得られた近似式のa及びbと、各漏洩量のガス漏れ時に空間内のガス濃度がLEL/4からLEL/2まで変化する時間とを表にして纏めると図7のような表が得られる。図7の表に纏められた各漏洩量と、漏洩量に対応するガス濃度がLEL/4からLEL/2まで変化する時間とを両対数グラフにプロットすると図8に示すようなグラフが得られる。
したがって、図7の表に基づいて作成したテーブルを利用することによって、自然換気回数0.3の2畳間相当の空間において各種のガス漏洩量のガス漏れが生じたときに、空間内のガス濃度がLEL/4からLEL/2まで変化する時間、換算すると、各流量区分に入る流量の漏洩量のガス漏れが生じてから同空間のガス濃度がLEL/4に達するまでの時間を推定することができる。
また、図8のグラフを一般式y=cx-1 に近似すると、y=889.76x-1 なる近似式が求まる。この近似式を使用することで、自然換気回数0.3の2畳間相当の空間において任意の漏洩量のガス漏れが生じたとき、空間内のガス濃度がLEL/4からLEL/2まで変化する時間、換言すると、任意の漏洩量のガス漏れが生じてから同空間のガス濃度がLEL/4に達するまでの時間を推定することができる。
よって、任意の漏洩量のガス漏れが生じてから同空間のガス濃度がLEL/4に達するまでの推定した時間を加温周期とし、この時間までに、ガス濃度を検出できるようにガスセンサ10を加温するには、推定した時間の少なくとも応答時間前にガスセンサ10の加温を開始することにより、推定した時間が経過した時点でもしガス濃度が所定値に達していれば、これを検出して警報することができる。そして、所定値を超えるガス濃度を検出しなかったときに、推定した時間の経過時点で加温を停止すれば、加温周期毎に応答時間の間ガスセンサを加温するだけで、所定値のガス濃度のガス漏れを検出して警報することができるようになる。
次に、加温を連続して行うようにするガス流量Bの決定の仕方を以下説明する。図7の表或いは図8のグラフを近似して求めた関係式から明らかなように、偏析を考慮した自然換気回数0.3の2畳間相当の空間のガス濃度は、ガス流量が210リットル/時間を超えると、当該ガス流量のガス漏れが継続すると260(約4分)秒以内にLEL/4を超えるようになる。この様な短時間にLEL/4を超えるようになると、上述した3.7分の取得周期でガス流量を取得したのでは、LEL/4に達するまでにガス検知できるように加温することができなくなる。したがって、ガス流量が210リットル/時間を超えるようになったときには、ガスセンサの加温を直ちに開始し、当該ガス流量が継続している間連続して加温し続ける。
以上概略説明したガス漏れ警報器1の詳細を、制御部11を構成しているマイコンのCPU111がプログラムに従って行う処理を示す図9〜図14のフローチャートを参照して以下説明する。
図9に示すように、制御部11のCPU111は電源の投入によって動作を開始し、まず初期化処理を行う(ステップS1)。この初期化処理では、メモリ16に格納されているガス流量A及びB、取得周期Tr、例えば図7の表の内容を有するテーブル又は例えば式y=889.76x-1 からなる関係式を読み込んでRAM113内の所定の記憶エリアに書き込むと共に、RAM113内に形成した図15に示すフラグやタイマなどに初期値を書き込む。
次に、ガス流量積算を行うためマイコンガスメータ1にて計測したガス流量を上記取得周期Trで取得するためのガス流量取得処理を行い(ステップS2)、この取得処理にて取得したガス流量に基づいてガスセンサ10を加温させて動作状態にする電力を供給する周期を決定する制御する加温周期決定処理を行う(ステップS3)。最後に、加温周期決定処理にて決定された周期でヒータを加温し動作状態にしたガスセンサ10によってガス濃度を検出し、ガス濃度が所定値を超えたときガス漏れ警報を行うガス漏れ検出警報処理を行い(ステップS4)、上記ステップS2〜4を繰り返す。各処理の詳細を図10〜図14のフローチャートを参照して以下、説明する。
まず、ガス流量取得処理(ステップS2)では、図10に示すように、「1」がセットされていることによって、ガス流量取得周期を計時する取得タイマTm1が計時を行っていることを示す取得タイマフラグF1に「1」がセットされているかどうかを判定する(ステップS201)。取得タイマフラグF1に「1」がセットされていなければ、すなわち、取得タイマフラグF1に「0」がセットされているとき(ステップS201がNのとき)には、初期化処理によってRAM内の記憶エリアに記憶された取得周期T1をRAM内に形成されたガス流量取得タイマTm1にセットして(ステップS202)その計時を開始させるとともに取得タイマフラグF1に「1」をセットして(ステップS203)から、図9のフローチャートに戻る。
取得タイマフラグF1に「1」がセットされているとき(ステップS201がYのとき)には、マイコンガスメータ2にガス流量を送出することを要求していることを示すガス流量要求フラグF2に「1」がセットされているかどうかを判定する(ステップS204)。ガス流量要求フラグF2に「1」がセットされていなければ、すなわち、ガス流量要求フラグF2に「0」がセットされているとき(ステップS204がNのとき)、ガス流量取得タイマTm1が取得周期T1を計時してタイムオーバとなるのを待つ(ステップS205がNのとき)。
ガス流量取得タイマTm1が取得周期T1を計時してタイムオーバとなると(ステップS205がYのとき)、マイコンガスメータ2にガス流量を送出することを要求する要求コマンドを送出する(ステップS206)。その後、ガス流量要求フラグF2に「1」がセットされているかどうかを判定し(ステップS207)、セットされていないとき(ステップS207がNのとき)には、ガス流量要求フラグF2に「1」をセットする(ステップS208)とともに取得タイマフラグF1に「0」をセットして(ステップS209)から図9のフローチャートに戻る。
ステップS206においてマイコンガスメータ2に要求コマンドを送出してもガス流量が取得できないとき(ステップS210がNのとき)には、要求回数カウンタNが「3」となるまで要求コマンドを送出し(ステップS211、S112、S206)、3回マイコンガスメータ2に要求コマンドを送出してもガス流量が取得できないとき(ステップS21がYのとき)には、取得エラーフラグF3に「1」をセットして(ステップS213)から図9のフローチャートに戻る。なお、「1」がセットされた取得エラーフラグF3は、フローチャートの図示は省略するが、ガス流量が取得できないことによる不都合を解消するために利用することができる。
ステップS206における要求コマンドの送出によりマイコンガスメータ2からガス流量が取得できたとき(ステップS210がYのとき)には、取得したガス流量が前回取得したガス流量との間に変化があるかを判定して変化がある場合(ステップS214がY)には、流量変化フラグF4に「1」をセットする(ステップS215)とともに取得したガス流量をRAMの格納エリアに格納して(ステップS216)からガス流量要求フラグF2に「0」がセットして(ステップS217)次の処理に備える。なお、要求回数カウンタNのカウント値は、ガス流量が取得できたとき(ステップS210がYのとき)リセットされる。
次に、加温周期決定処理(ステップS3)では、図11〜図13のフローチャートに示すように、ガス流量取得処理において取得しRAMのガス流量格納エリアに格納したガス流量xが前回取得したガス流量と異なり変化しているかどうかを、ガス流量変化フラグF4に「1」がセットされているかどうかによって判定し(ステップS301)、取得ガス流量に変化がある場合(ステップS301がYのとき)には、ガス流量取得処理のステップS216においてガス流量格納エリアに格納したガス流量xが、予め定められ設定値格納エリアに格納されているガス流量値Aを超えているか否かを判定する(ステップS302)。
ガス流量xがガス流量値Aを超えていないとき(ステップS302がNのとき)には、「1」がセットされることによって加温周期タイマTm2が計時中であることを示す加温周期タイマフラグF5に「1」がセットされているか否かを判定し(図12のステップS303)、加温周期タイマフラグF5に「1」がセットされ加温周期タイマTm2が計時中であるとき(ステップS303がYのとき)には、ガス流量値Aを超えていたガス流量が超えない流量に変化したことを意味し、計時中の加温周期タイマTm2に「0」をセットして(ステップS304)タイムオーバ状態にするとともに、加温周期タイマTm2がタイムオーバ状態にあることを示すように加温周期タイマフラグF5に「0」をセットして(ステップS305)から、図9のフローチャートに戻る。
なお、加温周期タイマフラグF5に「1」がセットされておらず加温周期タイマTm2が計時中でないとき(ステップS303がNのとき)には、「1」のセットによって連続加温していることを示す連続加温フラグF6が「1」であるか否かを判定し、連続加温フラグF6が「1」であるとき(ステップS306がYのとき)には、フラグF6に「0」をセットする(ステップS307)とともに、「1」のセットによって加温を停止させることを示す加温停止フラグF7に「1」をセットして(ステップS308)から、図9のフローチャートに戻る。
ガス流量xがガス流量値Aを超えているとき(ステップS302がYのとき)には、次にガス流量値B以上であるか否かを判定し(ステップS309)、ガス流量xがガス流量値B以上であるとき(ステップS309がYのとき)には、加温周期タイマフラグF5に「1」がセットされているか否かを判定し(図13のステップS310)、加温周期タイマフラグF5に「1」がセットされているとき(ステップS310がYのとき)には、ガス流量値Aを超えていたガス流量値B以上の流量に変化したことを意味し、計時中の加温周期タイマTm2に「0」をセットして(ステップS311)タイムオーバ状態にするとともに、加温周期タイマTm2がタイムオーバ状態にあることを示すように加温周期タイマフラグF5に「0」をセットして(ステップS312)から、図9のフローチャートに戻る。
なお、加温周期タイマフラグF5に「1」がセットされていないとき(ステップS310がNのとき)には、「1」のセットによって加温を停止していることを示す加温停止フラグF7が「1」であるか否かを判定し(ステップS313)、加温停止フラグF7が「1」であるとき(ステップS313がYのとき)には、フラグF7に「0」をセットする(ステップS314)とともに、「1」のセットによって連続加温させることを示す連続加温フラグF6に「1」をセットして(ステップS315)から、図9のフローチャートに戻る。
ガス流量xがガス流量値B以上でないとき(ステップS309がNのとき)、すなわち、ガス流量xがA<x≦Bであるときには、加温周期タイマフラグF5に「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS316)、加温周期タイマフラグF5に「1」がセットされていないとき(ステップS316がNのとき)には、加温周期タイマフラグF5に「1」をセットして(ステップステップS317)から、加温周期タイマフラグF5に「1」がセットされているとき(ステップS316がYのとき)には直ちに、ステップS1の初期化処理においてRAM内の所定の記憶エリアに書き込んだテーブル又は関係式を利用し、ガス流量xによるガス漏れが継続したときの設置空間のガス濃度がLEL/4である所定値に到達するまでの時間を推定し、該推定した時間に基づいてガスセンサ10の加温周期T2を求め、RAMの加温周期格納エリアに格納する(ステップS318)。
その後、「1」のセットによって既に以前に求められていた加温周期で加温周期タイマTm2が計時中であるか否かを加温周期タイマTm2がタイムオーバしているか否かで判定し(ステップS319)、タイムオーバしているとき(ステップS319がYのとき)には、ステップS318において格納された加温周期T2を加温周期タイマTm2にセットして(ステップS320)から、図9のフローチャートに戻る。一方、加温周期タイマTm2がタイムオーバしていないとき(ステップS319がNのとき)には、前回加温周期T2とステップS318において格納した今回加温周期T2とを比較し(ステップS321)、今回加温周期が短くなっているとき(ステップS322がYのとき)には、その後の処理においてガスセンサ10のヒータをオンして直ちに加温できるように、加温周期タイマTm2に応答時間に相当する時間Trをセットして(ステップS322)から、図9のフローチャートに戻る。今回加温周期が長いとき(ステップS321がNのとき)には、なにもせずに図9のフローチャートに戻る。この処理によって、今回周期T2が極端に短くなっても、直ちにガスセンサ10を加温してガス検知を行うことができるようになる。
続いて、ステップS4のガス漏れ検出警報処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。ガス漏れ検出警報処理では、まず、「1」がセットされていることによってガスセンサ10のヒータを連続的に加温して動作する状態にあることを示す連続加温フラグF6が「1」であるか否かを判定し(ステップS401)、連続加温フラグF6が「1」でないとき(ステップS401がNのとき)には、次に、「1」がセットされていることによりガスセンサ10のヒータの加温を停止させることを示す加温停止フラグF7が「1」であるか否かを判定する(ステップS402)。加温停止フラグF7が「1」でないとき(ステップS402がNのとき)には、加温周期タイマTm2の値が応答時間に相当する時間Tr以下である可動吾kを判定し(ステップS403)、加温周期タイマTm2の値がTr以下でないとき(ステップS403がNのとき)には、図9のフローチャートに戻る。
加温周期タイマTm2の値がTr以下となっているとき(ステップS403がYのとき)には、「1」がセットされていることによりガスセンサ10のヒータが通電された温情対にあることを示すヒータオンフラグF8が「1」であるか否かを判定し(ステップS404)、ヒータオンフラグF8が「1」でないとき(ステップS404がNのとき)には、ヒータに通電してヒータをオンさせる(ステップS405)とともにヒータオンフラグF8に「1」をセットして(ステップS406)から、ヒータオンフラグF8が「1」であるとき(ステップS404がYのとき)には、ヒータが既に通電されているのでなにもせずに、次のステップS407に進む。
ステップS407においては、加温周期タイマTm2の値が0、すなわち、タイムオーバとなっているか否かを判定し、タイムオーバとなっていないとき(ステップS407がN)には、ガス検知を行って(ステップS408)検知したガスのガス濃度が所定値以上であるかどうかを判定する(ステップS409)。判定によりガス濃度が所定値以上であるとき(ステップS409がYのとき)には、ガス濃度が所定値以上である間ガス流量に関係なく常時ヒータを加温し続けるようにするため、連続加温フラグF6に「1」をセットする(ステップS410)。その後、ガス濃度が所定値以上であることでガス漏れがあるとしてガス漏れ警報を発生させる(ステップS411)。
ガス濃度が所定値以上でないとき(ステップS409がNのとき)には、連続加温フラグF6に「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS412)、「1」がセットされているとき(ステップS412がYのとき)にはこのフラグF6に「0」をセットして(ステップS413)から、セットされていないとき(ステップS412がNのとき)には直ちに図9のフローチャートに戻る。
加温周期タイマTm2がタイムオーバとなっているとき(ステップS407がYのとき)には、ヒータへの通電を停止してオフさせる(ステップS414)とともにヒータオンフラグF8に「0」をセットする(ステップS415)。そして、加温周期タイマフラグF5に「1」がセットされていれば(ステップS16がYのとき)、加温周期タイマTm2にステップS318において格納した今回加温周期T2セットして(ステップS417)から、図9のフローチャートに戻る。
なお、連続加温フラグF6に「1」がセットされている場合(ステップS401がYのとき)には、加温停止フラグF7に「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS418)、セットされているとき(ステップS418がYのとき)には、ヒータをオンさせた後(ステップS419)、加温停止フラグF7に「0」を、ヒータオンフラグF8に「1」をそれぞれセットして(ステップS420)からガス検知を行う(ステップS407)。
また、加温停止フラグF7に「1」がセットされている場合(ステップS402がYのとき)には、連続加温フラグF6に「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS421)、セットされているとき(ステップS421がYのとき)には、ヒータをオフさせた後(ステップS422)、連続加温フラグF6とヒータオンフラグF8に「0」をそれぞれセットして(ステップS423)から、図9のフローチャートに戻る。
なお、上述した実施の形態では、ステップS318において、記憶エリアに書き込んだテーブル又は関係式を利用し、ガス流量xによるガス漏れが継続したときの設置空間のガス濃度がLEL/4である所定値に到達するまでの時間を推定し、該推定した時間に基づいてガスセンサ10の加温周期T2を求め、RAMの加温周期格納エリアに格納しているが、テーブルを利用する場合には、マイコンガスメータ2が瞬時流量として計測したガス流量が入る流量区分を示す区分情報をガス流量xとし取得し、関係式を利用する場合には、瞬時流量をガス流量xとして取得することになる。
以上、図9〜図14のフローチャートを参照して行った、御部11を構成しているマイコンのCPU111がプログラムに従って行う処理の説明から明らかなように、制御部11のCPU111は、マイコンガスメータ2にて計測したガス流量が当該ガス流量によるガス漏れが継続しても設置空間のガス濃度が爆発下限界に達しない流量範囲にある場合、すなわち、ガス流量A未満の場合、ガス検知センサ10の所定温度への加温を停止する制御手段として働く。
そして、CPU111から構成される制御手段は、ガス流量が当該ガス流量によるガス漏れが継続したとき設置空間のガス濃度が爆発下限界に達する流量範囲にある場合、すなわち、ガス流量xがA<x≦Bの場合、当該ガス流量のガス漏れが継続したときの設置空間のガス濃度が所定値に到達するまでにガスセンサ10による設置空間のガス濃度の検知を行えるように、当該ガス流量のガス漏れが継続したときの設置空間のガス濃度が所定値に到達する時間に応じてガスセンサ10の加温周期を制御する。
また、CPU111から構成される制御手段は、マイコンガスメータ2を通じて流れるガスの最大流量によるガス漏れが継続したときに設置空間のガス濃度が所定値に到達するまでにガスセンサ10による設置空間のガス濃度の検知を行える取得周期で、マイコンガスメータ2からガス流量を取得する。
さらに、CPU111から構成される制御手段は、マイコンガスメータ2にて計測したガス流量のガス漏れが継続したとき設置空間のガス濃度がガス漏れの開始から所定値に達する時間を推定し、該推定した時間に基づいて加温周期T2を定める。
また、CPU111から構成される制御手段は、マイコンガスメータ2にて計測したガス流量のガス漏れが継続したとき設置空間のガス濃度がガス漏れの開始から所定値に達する時間を推定するため、広さ及び自然換気回数を含む設置環境情報に基づいて設置空間毎に、予め定めた流量区分に対応して定めたテーブル、又は、マイコンガスメータ2にて計測したガス流量のガス漏れが継続したとき設置空間のガス濃度がガス漏れの開始から所定値に達する時間とガス流量の関係を示す予め定めた関係式を有し、マイコンガスメータ2からガス流量を取得する毎にテーブルを参照し、又は、関係式により演算を行い推定時間を求める。
さらにまた、上述した実施形態では、所定温度に加温されることによりガスの検知が可能になるガス検知手段によって検知した設置空間のガス濃度が予め定めた所定値を超えたときガス漏れを警報するガス漏れ警報器の制御装置はガス漏れ警報器内に内蔵され、ガスセンサ10の所定温度への加温を停止するなどの制御を行うに当たって使用するガス流量を、ガス使用量積算のためガス流量を計測するマイコンガスメータ2からインターフェース部からなる通信手段を介して周期的に取得するようにしているが、制御装置をマイコンガスメータ2内に内蔵させるようにしてもよい。この場合、マイコンガスメータ2からガス漏れ警報器1に対してガスセンサ10の加温を停止させたり、連続加温や間欠加温を開始させるタイミングでヒータオン・オフ指令信号をインターフェース部からなる通信手段を介して送信するようにすることになり、ガス検知、ガス濃度判定、警報処理を除く処理をマイコンガスメータ2側の制御装置に行わせることになる。このようにしたとき、ガス流量はマイコンガスメータ2内においてガス使用量積算のための計測毎に得られるようになるので、ガス漏れ警報器が通信手段を介して周期的にガス流量を取得しなくてもよくなる。