JP5031358B2 - 頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物とその使用方法 - Google Patents
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Description
そのため、頭髪及び頭皮への刺激性を抑制した拭き取りタイプの頭髪及び頭皮用洗浄剤として、泡状洗髪剤(特許文献1)や、頭皮及び頭髪用清拭剤(特許文献2〜6)等が考案されている。特許文献1〜6に記載の洗髪剤や清拭剤にはエタノール等の低級アルコールが含まれており、頭髪及び頭皮の乾燥が速く、清涼感が得られるものであった。
前記(D)低級アルコールの含有量は30〜60質量%であることが好ましい。
また、本発明の頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物の使用方法は、前記頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物を使用する際に、基板と、該基板の一方の面に設けられた複数の突起部とを有する清拭用ブラシを用いることを特徴とする。
さらに、前記基板及び前記突起部は不織布からなり、前記突起部は該基板の一部を突出させることにより形成されたものであり、前記不織布厚さは、前記頂部から基部側に向かって3mmまでの範囲を形成する上側面部及び前記頂部が0.1mm〜0.5mmであり、前記上側面部から前記基部までの範囲を形成する下側面部が、前記上側面部の厚みを超える寸法であることが好ましい。
前記突起部は、高さが3〜10mmであり、10N3分間の圧縮力に対して0.1〜1.5mmつぶれるものであることが好ましい。
本発明の頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物(以下「洗浄剤組成物」という。)は、(A)殺菌有効成分と、(B)常温で固体の非イオン界面活性剤と、(C)消臭・防臭エキスと、(D)低級アルコールとを含有し、蒸発残分が1質量%未満である。
なお、蒸発残分(質量%)は、化粧品原料基準一般試験法の蒸発残留物試験法に則り、洗剤組成物2g(乾燥前の質量(g))を蒸発皿に入れ105℃で1時間乾燥したときの蒸発残留物量(乾燥後の質量(g))を量り、下記式にて求めた。
蒸発残分(質量%)=[乾燥後の質量(g)/ 乾燥前の質量(g)]×100
本発明に使用される(A)殺菌有効成分(以下「(A)成分」という。)としては、ピロクトンオラミン等の1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物、サリチル酸およびその塩、ピリチオン亜鉛類、トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、メチルクロロイソチアゾリン・メチルイソチアゾリン系殺菌剤、イオウ、グリチルリチン酸ジカリウム、ポリリジン等が挙げられる。中でも、臭いを抑制する点で、ピロクトンオラミン、ピリチオン亜鉛が好ましい。これらは、フケ・カユミ等の皮膚トラブルの改善にもより効果があるので望ましい。これら(A)成分は1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。
(A)成分の含有量は、洗浄剤組成物100質量%中、0.001〜0.99質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましく、0.02〜0.3質量%が特に好ましい。含有量が上記範囲より少ないと洗浄剤組成物とした際の殺菌効果が低下する。一方、含有量が上記範囲より多くなると後述する蒸発残分が1質量%未満になりにくくなる。蒸発残分が1質量%未満にならないと、べたつきの抑制が低下する。
本発明に使用される(B)非イオン界面活性剤(以下「(B)成分」という。)は常温で固体である。(B)成分としては、頭髪及び頭皮の汚れの乳化及び可溶化の観点から、エーテル型界面活性剤、エステル型界面活性剤、エーテル・エステル型界面活性剤が好ましい。これら(B)成分は1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。
エーテル型界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(2〜30)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(15〜50)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(2〜40)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(10〜50)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(15〜30)イソセチルエーテル、ポリオキシエチレン(10〜30)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(5〜30)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(5〜30)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(5〜30)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(5〜30)コレステリルエーテルなどが挙げられる。中でも、ポリオキシエチレン(2〜40)ステアリルエーテルが好ましい。
なお、本発明において常温とは、日本薬局方通則の示す通り、15〜25℃を指す。また固体とは、容器を逆さにした際に流れ落ちることがないものを指す。
本発明に使用される(C)消臭・防臭エキス(以下「(C)成分」という。)としては、アシタバエキス、アセンヤクエキス、アマチャエキス、アルニカエキス、アロエベラエキス、アロエエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、オウレンエキス、オトギリソウエキス、オレンジエキス、カッコンエキス、カミツレエキス、カワラヨモギエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、ゲンノショウコエキス、コメヌカエキス、コンフリーエキス、サイシンエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シソエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウキョウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スイカズラエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウネズエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、クワエキス、タイムエキス、タンニン酸、ウーロン茶エキス、紅茶エキス、リョクチャエキス、チョウジエキス、トウガシエキス、ドクダミエキス、トルメンチラエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハマメリスエキス、ビワ葉エキス、セイヨウハッカエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、モモ葉エキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レモンエキス、アスパラサスリネアリスエキス、ローズマリーエキス、ロッグウッドエキス、ローマカミツレエキス、ゴボウエキス、バラエキス、ボダイジュエキス、ニンジンエキス、パセリエキス等が挙げられる。中でも、消臭・防臭力の点から、リョクチャエキス、ローズマリーエキス、クワエキス、クララエキス、バラエキス、リンゴエキス、ヨモギエキス、レモンエキス、ボダイジュエキス、ニンジンエキス、ユーカリエキス、パセリエキス、ドクダミエキスエキスが好ましく、リョクチャエキス、ローズマリーエキス、クワエキス、クララエキスがさらに好ましい。これら(C)成分は1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。
(C)成分の含有量は、洗浄剤組成物100質量%中、0.001〜1.0質量%が好ましく、0.005〜0.5質量%がより好ましく、0.005〜0.3質量%が特に好ましい。含有量が上記範囲内であることにより、洗浄剤組成物とした際の消臭・防臭力が向上し、保存中の着色を抑制できる。
本発明に使用される(D)低級アルコール(以下「(D)成分」という。)とは、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルコールであり、具体的にはエタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。中でもエタノール、イソプロパノールが好ましく、特にエタノールが好ましい。本発明で用いることのできるエタノールとしては、エタノール純度が95%以上の発酵エタノール、合成エタノール、及び各種変性剤を添加したエタノールを使用できる。これら(D)成分は1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。
(D)成分の含有量は、洗浄剤組成物100質量%中、5〜90質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。含有量が上記範囲内であることにより、洗浄剤組成物とした際の速乾性や殺菌性が向上する。
本発明の洗浄剤組成物には、滑沢性向上の目的で、シリコーン類を配合してもよい。また、毛髪触感向上の目的でポリフェノール類を配合してもよい。さらに、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で添加剤を配合してもよい。
(シリコーン類)
シリコーン類としては、洗浄剤組成物に配合しうるものであれば、その種類は特に限定されず、例えばジメチルシリコーン、ポリアルキルエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、親水性特殊変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、高級脂肪酸含有シリコーン、架橋型シリコーン、メチルシロキサン網状重合体、シリコーングラフトポリマー、環状シリコーン、片末端反応型シリコーン及びこれらを含むエマルジョン等が挙げられる。中でも、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリアルキルエーテル変性シリコーン等が好適である。これらは1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。
シリコーン類の含有量はオイル分(固形分量)として、洗浄剤組成物100質量%中、0.01〜1質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましい。含有量が上記下限値以上であると充分な滑沢性が得られる。一方、含有量が上記上限値以下であると使用後のべたつきがより抑制され、また床等に付着した場合でも床滑りを防げる。
ポリフェノール類としては、洗浄剤組成物に配合しうるものであれば、その種類は特に限定されず、例えばガロタンニン酸、ケブリン酸、ハマメリタンニン、アセルタンニン、没食子酸、バロン酸、ケブール酸、ヘキサヒドロキシジフェン酸、エラグ酸、カフェー酸、p−クマル酸、フェルラ酸、シナピン酸、クロロゲン酸及びその塩、並びにその誘導体及び該誘導体の塩などを挙げることができる。誘導体としては、例えば、没食子酸の誘導体であるm−ジ没食子酸、デヒドロジ没食子酸、没食子酸メチルエステル−3−グルコシド、没食子酸メチルエステル−4−グルコシド、没食子酸プロピルエステル−3−グルコシド、没食子酸メチルエステル−3−マルトシド、没食子酸−3−グルコシド、没食子酸−3−マルトシド、没食子酸オクチル−3−マルトシド、没食子酸−3−グルクロニド、没食子酸ガラクツロニド、没食子酸メチルエステル−3,5−ジグルコシド、没食子酸−3,4−ジグルコシド、没食子酸−3,5−ジグルコシド等が挙げられる。中でも、原料供給性、製造容易性などの観点から、没食子酸メチルエステル−3,5−ジグルコシド、没食子酸−3,4−ジグルコシド、没食子酸−3,5−ジグルコシド等の没食子酸二配糖体等が特に好適である。これらは1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。
添加剤としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、サリチル酸ブチルオクチル、ステアリン酸コレステリル、ポリオキシエチレン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワレン、スクワラン、ヒマワリ油、ホホバ油、ヘーゼルナッツ油、スイートアルモンド油、グレープシード油、サザンカ油、サンフラワー油、オリーブ油、メドウホーム油、ノーズヒップ油、アボガド油等の油脂類;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アクリル酸・メタアクリル酸共重合体、カルボキシビニルポリマー等の高分子、グリシン、オルニチン、メチオニン、アラニン、アルギニン、グルタミン、子ステイン、システイン酸、シスチン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン酸、リシン、フェニルアラニン等のアミノ酸類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール等の多価アルコール;パラオキシ安息香酸塩、パラオキシ安息香酸エステル等の防腐剤;エデト酸塩、ピロリン酸塩、クエン酸塩、グリコール酸、酒石酸等の金属封鎖剤;液化石油ガス、ジメチルエーテル、窒素、炭酸ガス等のガス類;ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸、チオジプロピオン酸ジラウリル、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、トコフェロール、ジパルミチン酸アスコルビル等の酸化防止剤;p−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、桂皮酸誘導体、オキシベンゾン、ジオキシベンゾン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;pH調整剤;ビタミン類;色素;1−メントールおよびその誘導体等の清涼化剤;保湿剤;増粘剤等が挙げられる。
香料組成物を配合する場合、香料組成物の配合量は洗浄剤組成物100質量%中、0.00001〜1質量%が好ましく、0.0001〜0.5質量%がより好ましい。また、これら香料組成物に、前記酸化防止剤であるBHTを配合することで香料の安定性を高めることができる。
本発明の洗浄剤組成物は、手指によるマッサージなどにより頭髪や頭皮に適用してもよいが、洗浄剤組成物を使用する際に、基板と、該基板の一方の面に設けられた複数の突起部とを有する清拭用ブラシを併用すると、特に頭皮の汚れ落ち性の向上に効果的である。
ここで、図面を用いて本発明の洗浄剤組成物の使用方法(以下「使用方法」という。)に用いる清拭用ブラシの実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施の形態に限定されない。
図1は、本発明に用いる清拭用ブラシの一例を説明するための図であり、図1(a)は清拭用ブラシの全体を示した斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す清拭用ブラシを構成する突起部のうちの1つを示した拡大図であり、図1(c)は図1(a)に示す清拭用ブラシを構成する突起部のうちの1つを示した断面図である。
このように図1(b)に示す突起部2を、図1(a)に示すように配置することで、例えば、第1のバンド部3および第2のバンド部4の延在方向に沿って清拭用ブラシ10を動かした場合に、突起部2と頭髪および頭皮とを十分に接触させて効率よく汚れを除去することができるとともに、櫛通りのよい使用感に優れたものとなる。
また、突起部2の向きや数についても図1(a)に示す例に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
また、図1(a)に示す清拭用ブラシ10において、図1(c)に示す突起部2の高さHは3mm〜10mmの範囲とするのが好ましい。突起部2の高さHが3mm未満であると、頭髪に邪魔されて頂部2aが頭皮に接触しにくくなり、汚れ落とし効果が十分に得られない場合がある。また、突起部2の高さHが10mmを超えると、十分な圧縮強度を有する突起部2が製造できなくなる恐れが生じる。
具体的には、不織布厚さは、突起部2の頂部2aおよび図1(b)に示す頂部2aから基部2b側に向かって3mmまでの範囲hを形成する上側面部2cでは、好ましくは0.1mm〜0.5mm、より好ましくは0.1mm〜0.3mmとされ、上側面部2cから基部2bまでの範囲を形成する下側面部2dでは、頂部2aおよび上側面部2cの厚みを超える寸法とされている。
図1(a)に示す清拭用ブラシ10では、第1切込み部3a、3bと第2切込み部4aとを嵌合させることにより、第1のバンド部3と第2のバンド部4とが連結されるようになっている。第1のバンド部3と第2のバンド部4とを連結させると、第1のバンド部3と第2のバンド部4と基板1からなる環状体が形成される。
なお、突起部2の成形方法は、上述した圧縮成形(プレス形成)の他、真空成形や圧穴成形などの方法により成形することができる。
このようにして突起部2を形成することで、突起部2を構成する不織布厚さは、頂部2aに近い部分が薄く、基部2bに近づくにしたがって厚いものとなり、突起部2の圧縮強度が頂部2aに近い位置ほど弱いものとなり、突起部2の側面22に剛性の弱い弱化部の形成されたものとなる。
その後、突起部2の形成されたスパンボンド不織布を抜き型で所定の形に切り抜くことにより、第1のバンド部3および第2のバンド部4を形成するとともに、第1切込み部3a、3bおよび第2切込み部4aを形成し、図1(a)に示す清拭用ブラシ10が得られる。
このような清拭用ブラシ10を用いて本発明の洗浄剤組成物を使用し、頭髪及び頭皮を清拭する場合には、まず、第1のバンド部3と第2のバンド部4とを基板1の一方の面1aが外側となるようにして連結させ、第1のバンド部3と第2のバンド部4と基板1からなる環状体を形成する。
そして、得られた環状体の中に、基板1側が手の平側となるように手を入れて清拭用ブラシ10を把持し、突起部2で頭髪及び頭皮を擦る方法によって行うことができる。
例えば、図1(a)に示す清拭用ブラシ10を用いて他人の頭髪及び頭皮を清拭する場合には、他人の頭皮に一時的に強い力が加わってしまったとしても、突起部がつぶれて頭皮への衝撃を吸収するため、痛みを感じさせてしまうことを防止できる。また、清拭中や清拭後に、平面状の頂部2aに付着した汚れを視認できるので、汚れ除去効果を容易に認識できる。したがって、本実施形態の清拭用ブラシ10は、安心して確実に他人の頭髪及び頭皮の清拭に使用できる。
なお、本発明に用いる清拭用ブラシは、使い捨てタイプのものが、衛生面の観点から好ましい。
本発明の使用方法においては、図2に示す清拭用ブラシを用いてもよい。図2(a)は、本発明に使用される清拭用ブラシの他の例を説明するための斜視図である。図(a)に示す清拭用ブラシ20は、基板1と、基板1の一方の面1aに設けられた複数の突起部23とを有している。図2(a)に示す清拭用ブラシ20が、上述した第1実施形態の清拭用ブラシ10と異なるところは、突起部23の数と形状のみであるので、上述した第1実施形態の清拭用ブラシ10と同じところについての説明を省略し、異なるところのみ説明する。
突起部23を、図2(a)に示すように配置することで、例えば、第1のバンド部3および第2のバンド部4の延在方向に沿って清拭用ブラシ20を動かした場合に、突起部23と頭髪および頭皮とを十分に接触させて効率よく汚れを除去することができるとともに、櫛通りのよい使用感に優れたものとなる。
また、図2(a)に示す清拭用ブラシ20においても、第1実施形態の清拭用ブラシ10と同様に、突起部23を構成する不織布厚さを、頂部23aに近い部分を薄くし、基部23bに近づくにしたがって厚くなるようにすることにより、突起部23の圧縮強度が頂部23aに近い位置ほど弱いものとし、突起部23の側面24を剛性の弱い弱化部(頂部23aに近い部分)と剛性の強い部分(基部23bに近い部分)とが存在する剛性の不均一なものとしている。
ここで、実施例に用いた原料を表1、2に示す。
坪量200g/m2、厚さ0.55mmのPET素材のスパンボンド不織布を用意し、突起形状を有する金型を用いて、加熱しながらスパンボンド不織布に金型の突起形状を付与し、基部が縦12mm横8mmの長方形、頂部が縦5mm横3mmの長方形の平面状である略台錐形の表3に示す高さ寸法および表4に示す不織布厚み寸法の図1(a)に示す突起部2を23個形成した。
その後、突起部2の形成されたスパンボンド不織布を抜き型で所定の形に切り抜くことにより、基板の縁部との接続部分の幅が40mmで先端部の幅が36mmで基板の縁部から先端部に向かって徐々に幅が狭くなっている第1のバンド部3および第2のバンド部4を形成するとともに、長さ18mmの2つの第1切込み部3a、3bと、長さ18mmの第2切込み部4aとを形成し、図1(a)に示す清拭用ブラシ10を得た。
坪量300g/m2、厚さ0.70mmのサーマルボンド不織布を用意し、突起形状を有する金型を用いて、加熱しながらサーマルボンド不織布に金型の突起形状を付与し、高さが8.02mm、基部が直径10.5mmの円形、頂部が直径3mmの円形の平面状であり、なだらかな丘陵形状の表3に示す高さ寸法および表4に示す不織布厚み寸法の図2(a)に示す突起部23を20個形成した。
その後、清拭用ブラシ10と同様にして、第1のバンド部3、第2のバンド部4、第1切込み部3a、3b、第2切込み部4aを形成し、図2(a)に示す清拭用ブラシ20を得た。
<実施例1>
(頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物の調製)
表5に示す配合量(%)の頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物を調製した。なお、表5中の精製水量「残部」との記載は、総量が100%となるように調整したことを意味する。
得られた頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物2g(乾燥前の質量(g))を採取し、蒸発皿に入れ、105℃にて1時間乾燥したときの蒸発残留物量(乾燥後の質量(g))を量り、下記式にて求めた。結果を表5に示す。
蒸発残分(%)=[乾燥後の質量(g)/ 乾燥前の質量(g)]×100
得られた頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物をディスペンサースプレー容器に充填したものを、3日間洗髪をしていないパネラー5名に使用し、頭髪及び頭皮をマッサージしながら洗浄し、速乾性、べたつき感、臭いの各評価を以下のようにして行った。結果を表5に示す。なお、洗浄には上記の清拭ブラシ10を用いた。
頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物を使用したときの、速乾性を官能的に試験し、各パネラーには、以下の5段階で評価した。
5点:よい。
4点:ややよい。
3点:どちらともいえない。
2点:ややよくない。
1点:よくない。
そして、各パネラーが評価した結果を平均した平均値を算出し、この平均値を以下の基準で評価した。
◎:平均評価点4.0以上。
○:平均評価点3.5〜4.0未満。
△:平均評価点3.0〜3.5未満。
×:平均評価点3.5点未満。
頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物を使用したときの、べたつき感(べたつきのなさ)を官能的に試験した。なお、評価基準は速乾性の試験と同様にした。
頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物を使用したときの、臭い(臭いのなさ)を官能的に試験した。なお、評価基準は速乾性の試験と同様にした。
(頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物の調製および評価)
表5に示すように、各成分の配合量(%)を変化させた以外は、実施例1と同様にして頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物を製造し、各評価を行った。結果を表5に示す。
(頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物の調製および評価)
表6に示すように、各成分の配合量(%)を変化させた以外は、実施例1と同様にして頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物を製造し、各評価を行った。結果を表6に示す。
一方、比較例の頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物は、実施例に比べて速乾性が劣り、べたつき感と臭いの抑制が不十分であった。
<実施例10>
実施例1で得られた頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物の適量を、パネラー15名の頭部に塗布し、頭髪及び頭皮をマッサージしながら洗浄し、速乾性、べたつき感、臭いの各評価を以下の評価基準にて行った。結果を表7に示す。なお、洗浄の際に用いた仕様器具として、上記の清拭ブラシ10、20、及び綿製のタオルを用いた。
まず、頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物を使用したときの、速乾性、べたつき感(べたつきのなさ)、臭い(臭いのなさ)を各々官能的に試験し、各パネラーには、以下の5段階で評価した。
5点:良好である。
4点:やや良好である。
3点:どちらともいえない。
2点:やや良好でない。
1点:良好でない。
そして、各パネラーが評価した結果を平均した平均値を算出し、この平均値を以下の基準で評価した。
◎:平均評価点4.0以上。
○:平均評価点3.5〜4.0未満。
△:平均評価点3.0〜3.5未満。
×:平均評価点3.5点未満。
比較例2で得られた頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物を用いた以外は、実施例10と同様にして、各評価を行った。結果を表7に示す。
一方、比較例2で得られた頭髪及び頭皮用洗浄組成物は、速乾性は良好であったが、べたつき感と臭いの抑制が実施例に比べて劣っていた。特に使用器具としてタオルを用いた場合は、べたつき感と臭いの抑制が不十分であった。
<実施例11>
表8に示す組成と配合量(%)の頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物を製造し、さらにこれに噴射剤としてジメチルエーテルを加え エアゾール容器に充填した。その際の比率(%)を、頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物/噴射剤=65/35とした。
表10に示すように、組成とその配合量を変化させた以外は、実施例1と同様にして頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物を製造した。
Claims (6)
- (A)ピロクトンオラミンおよびピリチオン亜鉛から選ばれる少なくとも1種の殺菌有効成分と、(B)ポリオキシエチレン(2〜40)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(30〜100)硬化ひまし油、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(40〜100)硬化ひまし油およびポリオキシエチレン(5〜30)コレステリルエーテルから選ばれる少なくとも1種の常温で固体の非イオン界面活性剤と、(C)消臭・防臭エキスと、(D)低級アルコールとを含有し、蒸発残分が1質量%未満であることを特徴とする頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物。
- 前記(D)低級アルコールの含有量が30〜60質量%であることを特徴とする請求項1に記載の頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物。
- 請求項1または2に記載の頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物を使用する際に、基板と、該基板の一方の面に設けられた複数の突起部とを有する清拭用ブラシを用いることを特徴とする頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物の使用方法。
- 前記突起部は、平面状の頂部と、剛性の弱い弱化部の形成された側面とを有し、前記突起部の圧縮強度が、前記頂部に近い位置ほど弱いものであることを特徴とする請求項3に記載の頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物の使用方法。
- 前記基板及び前記突起部は不織布からなり、
前記突起部は該基板の一部を突出させることにより形成されたものであり、
前記不織布厚さは、前記頂部から基部側に向かって3mmまでの範囲を形成する上側面部及び前記頂部が0.1mm〜0.5mmであり、
前記上側面部から前記基部までの範囲を形成する下側面部が、前記上側面部の厚みを超える寸法であることを特徴とする請求項4に記載の頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物の使用方法。 - 前記突起部は、高さが3〜10mmであり、10N3分間の圧縮力に対して0.1〜1.5mmつぶれるものであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の頭髪及び頭皮用洗浄剤組成物の使用方法。
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