JP5030217B2 - 基礎構造及び地震時杭軸力の変動の少ない基礎構造を構築する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基礎構造及び地震時杭軸力の変動の少ない基礎構造を構築する方法に関する。
地震時に杭基礎やパイルド・ラフト基礎の杭に作用する軸力は、常時の軸力に加え、建物のロッキング振動によって発生する変動軸力が生ずる。通常のパイルド・ラフト基礎の場合は、建物の基部底面から地盤に一部分の荷重が流れるが、杭基礎や地下水位が高くて地盤の有効応力が小さい場合には、地震時の変動軸力に耐えられるように杭径を大きくとる必要があった。
これに各杭の杭頭に摩擦力を利用した反力調整機構を設けたり(特許文献1)、水力を利用した反力調整機構を設ける(特許文献2)ことが行われている。
特開2002−332644 特開2002−121752 特開平11−256563号 Ishibashi,Iet al Dynamic LateralPressure Due to Stractual Backfill on Rigid Walls Journal of Geotechnical Engineering Vol.120 October 1994
特許文献1及び特許文献2の反力調整機構は、地盤水位が低いときには有効であるが、建物の基部に水圧が直接作用する程度に地盤水位が高いときには、あまり役に立たない。
水圧が建物の基部に直接作用するときには、建物直下の地盤に含まれる水は地震時の建物のロッキング振動に対応して振動方向に移動しようとする。
既往の研究によれば、地震時の建物基部の底面の水圧変化は、変位量にほぼ比例して抵抗する成分と、慣性力に比例して建物の振動を助長する方向に作用する成分とを含むことが知られている(非特許文献1)。前者は、静的にゆっくり変位する成分であり、このとき建物の基部下面に接する土壌は図7のように振動に逆らう方向に抵抗力を発揮する。後者は動的に早く変位する成分である。このとき基部下面に接する土壌は、図8のように基部に追随して動き、その動きを大きくする方向に慣性力を及ぼす。従って地震波に含まれる高振動成分と低振数成分とのうち高振動成分が建物のロッキング振動を助長すると考えられる。
こうした振動に対抗する方法として、杭地盤の地盤全体を硬化処理する方法(特許文献3)も考えられるが、地盤全体を処理するとすればコストがかかる。
高振動成分は、地盤の透水性が低ければ地盤中の水が振動に追従することができず、建物に悪影響を及ぼさないと考えられる。
そこで本発明は、建物基部の地震時の水圧変動を利用して、杭地盤又はパイルド・ラフト地盤での地震時杭軸力を軽減し、あるいはベタ基礎上の構造物の振動を低減することができるような、基礎構造及び当該建物の構築方法を提案する。
第1の手段は、
構造物2の基部4と構造物を支える基礎地盤8とからなり、この基礎地盤の地下水位hが構造物の基部4下面よりも高い位置にあり、この構造物のロッキング振動を軽減するために設計された基礎構造であって、
構造物直下の地盤部分のうちその振動方向一半部と他半部との間を基盤中の水が移動することを抑制できるように、基礎地盤8のうち構造物2の基部底面の全部又は一部に接する部分を、粘土或いはこれと同程度の低透水性物質で形成する通水抵抗領域14A、14Bとしている。
本手段では、建物基部の地震時の水圧変動を利用して構造物のロッキング振動を抑制することを提案している。前述の基礎地盤の土壌を硬化させる処理では、振動を助長する水を構造物直下の地盤部分から除去してしまうのに対して、本手段では、構造物直下の地盤部分がある程度の水分を含むことを前提として、地震動のうち少なくとも高振動成分に対応する速い水の移動を規制するために、地盤の一部又は全部を低透水性の物質で形成することとしたものである。なお、ロッキング(Rocking)とは、ゆるやかに又は規則的に前後又は左右にゆれることをいう(旺文社新英和中辞典)。
「構造物の基部」とは、構造物の基礎スラブなどであって、一般的には基礎地盤とともに建物の基礎の概念に含まれるが、本明細書では、基礎地盤とそうでないものとを区別するために「基部」と称呼する。
基礎形式は、杭基礎又はパイルド・ラフト基礎であることが望ましいが、ベタ基礎であってもよい。
「基礎地盤の一部又は全部」とあるのは、例えば上方から見て、建物の一半部と他半部とを仕切る直線状(又は“−”状)の、或いは十字状の仕切り壁としてもできるし、更に基礎地盤のほぼ全体に亘って分布させてもよい。
「通水抵抗領域」は、速くかつ大規模の水の横移動に対して抵抗するものであり、全く水を遮断するものである必要はない。通水抵抗領域の素材として好適なものは粘土やシルトのように透水性が極めて小さいものである。低透水性物質は、建設現場にあるものを利用してもよく、また別の場所にあるものを運びこんでもよく、両者を併用してもよい。例えば上述の仕切り壁の部分を、他の場所から運搬した良質の粘土やシルトで形成し、その他の部分はもともとその場所にあった土で形成してもよい。
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
構造物2の基部4下面と基礎地盤との間に水が流入することを阻止するために、構造物2の基部4外周面を水密に囲み、かつこの外周面から下方へ延びる遮水壁16を設けている。
先の手段により構造物直下の地盤部分内の水の移動を抑制しても、構造物基部と基礎地盤との間に周囲から水が浸入してしまうと振動抑制効果が発揮できない。そこで本手段では、建物基部の周囲から遮水壁を垂下している。この遮水壁は、水の遮断を目的としており、例えばソイルセメントで形成することができる。
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ基礎形式を、杭基礎又はパイルド・ラフト基礎としている。
本手段では、建物の荷重の全部又は大部分を杭で支えるようにしたから、土壌部分を硬化処理する必要がなく、本発明を適用し易い。
第4の手段は、
地下水位hの高い地盤に打ち込まれ、或いは埋め込まれた杭で構造物の荷重を支えるパイルド・ラフト基礎又は杭基礎を構築する方法であって、
地震時の構造物のロッキングに伴う構造物の基部4底面の動水圧の変化を、変位量に比例する低振動成分と、慣性力に比例する高振動成分とに区別し、
基礎地盤の少なくとも一部を低透水材料で形成して、高振動成分に対応する早い水の移動を抑制できるようにしている。
本手段では、地震動の高振動成分を抑制することで、構造物の基部の動水圧のうち低振動成分が支配的となるようにし、建物の振動に抵抗するようにしている。
第1の手段に係る発明によれば、基礎地盤8のうち構造物2の基部底面の全部又は一部に接する部分14A、14Bを、粘土或いはこれと同程度の低透水性物質としたから、建物の振動や軸力変動を防止することができる。
第2の手段に係る発明によれば、遮水壁16で構造物の基部4下面と基礎地盤8との間の水の流入を防止するから、水圧の変動を有効に防止できる。
第3の手段に係る発明によれば、基礎形式を、杭基礎又はパイルド・ラフト基礎としたので、建物の重量の全部又は大部分を杭で支えるから、基礎地盤の土壌部分として、透水性は高いが柔軟な粘土をそのまま利用することができ、コストの軽減を図ることができる。
第4の手段に係る発明によれば、地震時の振動のうち高振動成分に対応する水の早い移動を抑制するから、構造物の振動を妨げる低振動の成分が支配的となり、建物のゆれを抑止することができる。
図1から図2は、本願の第1実施形態に係る建物の基礎構造を表わしている。この基礎構造は、構造物2の基部4と、これを支える基礎地盤8とで構成されている。
構造物2の基部4は基礎地盤中に埋め込まれている。
基礎地盤8は、杭基礎として構成されており、土壌10と、土壌中に打ち込まれた複数の杭12と、構造物基部の下面付近に敷設された通水抵抗領域14Aとで構成されている。この通水抵抗領域は、全体として上下巾に比べて水平方向に延びた盤状(或いは層状)であって、基部4の外周面と基部の下面全体とを覆っている。これにより、この通水抵抗領域を通らずに水が基部下面と低透水性層との間に侵入することがないようにしている。通水抵抗領域は、粘土やシルトで形成することが望ましい。
上記構成において、地震の際には構造物2が前後左右に揺れるが、低透水性層により土壌中の水の横移動が制限されているので、構造物の振動のうち高振動成分は減衰し、低振動成分が支配的となる。このため、構造物2のロッキング振動は徐々におさまる。
上記杭基礎である基礎地盤8を、ベタ基礎又はパイルド・ラフト基礎に変更することができる。この場合において、ベタ基礎を採用するときには、基礎の土壌に構造物がかかるため、低透水性層14として、杭基礎の場合よりも強度の高い粘土などを用いるとよい。ベタ基礎の場合の構成は、図1及び図2から杭を除いただけであるから、図示を省略する。パイルド・ラフト基礎の場合の土壌は、ベタ基礎と杭基礎との中間程度の強度とすればよい。パイルド・ラフト基礎の構成は、外見上は図1とほぼ同じである。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る基礎構造を表わしている。この基礎構造は、構造物2の基部4の周りを筒状の遮水壁16で囲成したものである。この遮水壁は、水の流入を阻止することを目的とし、ソイルセメントなどで形成することができる。地表又は周囲の地盤から直接構造物の基部下面この遮水壁の上部は構造物2の基部4外面に液密に嵌合させている。遮水壁16の下部は地中に垂下している。
図4は、本発明の第3の実施形態に係る基礎構造を表わしている。この実施形態は、第2の実施形態の層状の通水抵抗領域14Aに代えて、仕切り壁状の通水抵抗領域14Bを採用したものである。この仕切り壁は建物基部の下面上の重心中心Gを通るように構成し、重心を通って地下水が構造物の一半部から他半部側へ速く移動することを妨げる。これにより、地震動のうち高振動成分に応答して構造物がロッキング振動することを防止できる。なお、図示例では簡単のために図面左右方向からの振動に対抗するように、一文字状の仕切り壁としているが、前後左右方向からの振動に対抗するように十字状の仕切り壁としてもよい。
本発明の第1実施形態に係る基礎構造の一部縦断面図である。 図1の基礎構造の振動状態を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る基礎構造の一部縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係る基礎構造の一部縦断面図である。 図4の基礎構造の横断面図である。 図4の基礎構造の振動状態を示す縦断面図である。 低振動の場合の構造物の動きを説明する図である。 高振動の場合の構造物の動きを説明する図である。
符号の説明
2…構造物 4…基部 8…基礎地盤 10…土壌 12…杭 14A、14B…通水抵抗領域 16…遮水壁

Claims (4)

  1. 構造物2の基部4と構造物を支える基礎地盤8とからなり、この基礎地盤の地下水位hが構造物の基部4下面よりも高い位置にあり、この構造物のロッキング振動を軽減するために設計された基礎構造であって、
    構造物直下の地盤部分のうちその振動方向一半部と他半部との間を基盤中の水が移動することを抑制できるように、基礎地盤8のうち構造物2の基部底面の全部又は一部に接する部分を、粘土或いはこれと同程度の低透水性物質で形成する通水抵抗領域14A、14Bとしていることを特徴とする、基礎構造。
  2. 構造物2の基部4下面と基礎地盤との間に水が流入することを阻止するために、構造物2の基部4外周面を水密に囲み、かつこの外周面から下方へ延びる遮水壁16を設けたことを特徴とする、請求項1記載の基礎構造。
  3. 基礎形式を、杭基礎又はパイルド・ラフト基礎としたことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の基礎構造。
  4. 地下水位hの高い地盤に打ち込まれ、或いは埋め込まれた杭で構造物の荷重を支えるパイルド・ラフト基礎又は杭基礎を構築する方法であって、
    地震時の構造物のロッキングに伴う構造物の基部4底面の動水圧の変化を、変位量に比例する低振動成分と、慣性力に比例する高振動成分とに区別し、
    基礎地盤の少なくとも一部を低透水材料で形成して、高振動成分に対応する早い水の移動を抑制できるようにし、地震時杭軸力の変動の少ない基礎構造を構築する方法。
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