JP4749908B2 - 位相差を利用する地盤免震構造 - Google Patents

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Description

この発明は、構造物の基礎下地盤の一部分を、地震時における地盤のせん断波速度を小さくして位相をずらし、そうした地盤の位相差を利用して、同地盤が支持する構造物の基礎底で、構造物の固有周期である地震波の入力を小さくするか、又は地盤の振動構造物へ伝播させない構成にして構造物応答を小さくする地盤免震構造の技術分野に属する。
従来、構造物の地震応答を小さくする方法としては、
(1)構造物の上部階にマスダンパーを設置して構造物の振動を制御する制震機構を採用 する。
(2)構造物の基礎に積層ゴムなどの免震部材を採用した免震機構の実施。
(3)杭頭部にダンパーを取り付けた杭頭免震機構の採用。
(4)地盤の液状化を積極的に利用する液状化免震機構の実施。
等々が知られ、実施も行われている。これらの制震機構ないし免震機構は、地震時の応答を小さくする方法、手段としてそれぞれ有力である。
しかし、上記(1)のマスダンパーで構造物の振動を制御する制震機構は、構造物の屋上に大きなマス(付加質量)を設置することが必要であり、そのために種々な問題点がある。
上記(2)の構造物基礎に積層ゴムなどの免震部材を採用する場合には、相当幅の免震ピットの確保が必要であり、敷地面積等による制約を受ける。
また、上記(3)の杭頭免震機構は、構成が複雑で施工が難しい。
同(4)の液状化免震機構は、一部に実績があるものの、未だ予測技術などが確立されていないという問題点がある。
その他の対策手段として、例えば下記の特許文献1に開示された地盤免震工法は、構造物を支持する地盤が液状化地盤である場合に、その液状化地盤の下方範囲S1を、セメント固化工法等により、液状化を防止するようにせん断剛性を高める地盤改良を行う。一方、前記範囲S1より上方で構造物直下の一定の深さ範囲S2の地盤については、希薄な薬液注入により、液状化や沈下が生じないで、地震波を伝えにくく、変位も生じない性状に地盤改良すると記載されている。
特許文献2には、軟弱地盤に、地盤改良による水平な平板部と、前記平板部の周辺に設けた垂直な周側壁とで下面開口の箱形構造を形成し、構造物に入力する加速度を低減する地盤免震構造が開示されている。
更に、特許文献3には、軟弱地盤に施工された地盤改良体が、地震時に滑動することを許容し、許容滑動量に対応する地盤改良体の寸法を縮小化するための地盤免震化設計法が開示されている。
特開平10−292391号(特許第3677700号)公報 特開2003−20659号公報 特開2003−261950号公報
上記特許文献1に開示された地盤免震工法は、構造物を支持する液状化地盤の下方一定の深さ範囲S2を、常時は剛性を保持し、地震時には剛性が低下するように、希薄な薬液を注入して地盤改良を行い、地震波が構造物に伝わるのを防ぐダンパー機能を発揮させることができ、地盤の免震効果を期待できると記載されている。しかし、この工法は、深さ方向に未改良層を残すので、免震化のためには一部の層を液状化させねばならない。
上記の特許文献2は、直接基礎構造物の地盤(軟弱地盤)が液状化すると、構造物によって免震効果を発揮する(段落番号[0015])と説明している。しかし、地盤改良による水平な平板部と、前記平板部の周辺に設けられた垂直な周側壁とで形成する下面開口の箱形構造より下方の軟弱地盤が液状化を生じ免震効果を発揮するときは、深さ方向の未改良層を液状化させる必要があり、このときは多少の沈下が生ずる。
上記の特許文献3に開示された地盤免震化設計方法は、深層混合処理、浸透固化注入等の固化系の液状化対策の場合は、改良体の滑動を許容しないことから、改良体上の構造物へ地震力が直接伝達され、構造物の水平震度を低減できない。よって、その対策として、構造物が改良体の上で滑動する縁切りモデルによる理論解析が適用されるとし(段落番号[0003])、地震時の改良体の滑動を許容し、所定の滑動安全率が見込まれる許容滑動量に対応する改良体の寸法を効率的に縮小する設計法を提供すると説明している(段落番号[0004])。しかし、この公知発明は、液状化対策として実施することが前提であり、基本的に改良体の合理化を図るものであり、実際どの程度の免震化を図れるのかは疑問である。
本発明の目的は、積層ゴム支承の如き基礎免震装置などを使用するまでもなく、地盤の振動が構造物に伝わらないように免震化して、構造物応答を小さくする地盤免震構造、更に具体的にいえば、構造物の基礎下地盤の一部分について、地震時における地盤のせん断波速度を小さくして位相をずらし、地盤の位相差を利用して、同地盤が支持する構造物の基礎底で、構造物の固有周期である地震波の入力を小さくするか、又は地盤の振動が構造物へ伝播しないように構成して構造物応答を小さくする地盤免震構造を提供することである。
上述した従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る位相差を利用する地盤免震構造は、
構造物1の基礎下地盤2平面的に見て複数(a部とb部)に区分し、各区分a部とb部の地盤について固有周期を大小に異ならせて互い違いの配置とし、構造物1の基礎底3から垂直下方に一定の深さhまでを、一方のa部地盤区分は原地盤のままとし、他方のb部地盤区分については一定の深さhまで地盤改良を行って、又はa部地盤とb部地盤の双方の地盤改良を行って一方は柔らかく他方は硬く加工することによって固有周期を大小に異ならた柱状地盤を構成し
前記各区分の柱状地盤の境界部に、地盤の振動性状の独立性を確保する隙間4を形成すると共に同隙間4に振動性状を阻害しないスタイロフォーム、ゴム、又は極軟弱土などの緩衝材5を充填して成り、
前記a部地盤とb部地盤を地震時に伝播するせん断波の位相をずらし、干渉による打ち消し合いで構造物へ入力する地震波を低減させることを特徴とする。
請求項に記載した発明に係る位相差を利用する地盤免震構造は、
外殻体となるシエル構造容器10の中に低剛性体11を充填し密封して構成した低剛性の地盤要素Kを上下方向に柱状に積み重ね、また、外殻体となるシエル構造容器15の中に減衰性能を期待できる粘性流体のような減衰材料16を充填し密封して構成した減衰性の地盤要素Mは、上下のシエル構造容器15、15の相互間を小さい剛性を有するゴム等の緩衝材17により連結して上下方向に柱状に積み重ねてそれぞれ柱状地盤が構成されること
構造物1の基礎下地盤2を掘削して一定深さhの凹部を形成すると共に同凹部を平面的に見て複数に区分けし、前記の各区分毎に互い違いの配置で、上記の地盤要素K又はMを凹部内へ上下方向に積み重ねて同凹部内を前記2種の柱状地盤KとMで埋め尽くすと共に、隣接する各柱状地盤KとMの相互間に形成された隙間に振動性状を阻害しないスタイロフォーム、ゴム、又は極軟弱土などの緩衝材5を充填して各柱状地盤の構造的安定性を確保して成り、
前記地盤要素Kの柱状地盤と地盤要素Mの柱状地盤との2種で地震時に伝播するせん断波の位相をずらし、干渉による打ち消し合いで構造物1へ入力する地震波を低減させることを特徴とする。
(理論的背景)
本発明は、構造物の基礎下地盤の一部分を柔らかく、又は硬く加工することによって、各区分における地盤のせん断波が伝播する位相をずらし、他の部分から入力する地震波との干渉により打ち消し合う現象を生じさせ、もって構造物1に入力する地震波を小さく低減することを基本原理とする。
具体的には、図1と図2に示すように、構造物1の直下地盤2を平面的に見て、互い違いの配置によるa部地盤とb部地盤(以下、単にa部、b部と略す場合がある。)とに複数に区分して、地震時に地盤を伝播するせん断波速度Vs1を、b部地盤ではVs2に変更し、a部地盤のせん断波速度はVs1のままとする場合について、以下説明する。
上記条件のためa部とb部とは、その外周の境界相互間に、a部地盤、b部地盤の振動性状の独立性を確保する隙間4(垂直方向に深い溝ないしスリット)を形成する。
かくすると、構造物1の基礎底3から垂直下方に深さhまで入った位置の地震波(せん断波)は、元の地盤中をVs1で伝播し、a部においては、次式 T1=4h/Vs1で求められる固有周期T1を有する地盤となる。
一方、上記せん断波速度をVs2に加工されたb部地盤の区分では、構造物1の基礎底3と、この基礎底3からの深度hの地点では、次式 T2=4h/Vs2 で求められる固有周期T2を有する地盤となる。
入力地震波の周期がTのとき(入力地震波の周期がTの成分)、T>T1 の場合は、a部は入力と同位相となり、T<T1 の場合は、a部は入力と逆位相となる。
もしも T1<T<T2 の場合、a部とb部はおよそ逆位相に振動し、図3に例示したように互いに打ち消し合うことになる。
たとえば図2に示す柱状地盤の深さhが20mで、 Vs1が200m/s、T=1秒(構造物1の1次固有周期が1秒)で、この地震波を消したいときは、
T1=4h/Vs1=0.4秒であるため、T2 を1秒以上(Vs2≦80m/秒以下)とすれば良いことになる。例えばVs=60m/s(T2 =1.3s)のときの釣り合い式a1と、釣り合い式b1の位相差を図4に示す。
もっとも上記条件を満たす地盤の実現は、液状化が生ずることで、地盤全体のせん断波速度が40m/s程度に極端に低下してしまった場合は、Vs1をそのままにしておき、Vs2が500m/s程度(80m/s以上)の千鳥状配置の改良体に加工して実施することが出来る。
次に、地盤(a部地盤又はb部地盤)の剛性(せん断波速度)を変更する面積は、図5に例示したように、せん断波速度がVs1とVs2の地盤の基礎底レベルでの加速度の大きさA1とA2の対比で決めることになる(例えば図4参照)。つまり、せん断波速度がVs1の地盤と、Vs2の地盤とが同じ質量であれば、力は加速度に比例するので、面積比としては、(A1/A2)〜(A1/A2)程度に設定しておくのが良い。
本発明に係る位相差を利用する地盤免震構造は、構造物1直下の地盤2を複数(a部とb部)に区分すると共にその一を垂直方向に地盤改良により改造して、又は地盤の一の構成材料を置換して、せん断波速度が少なくとも2種類に異なる柱状地盤構成し、これらの柱状地盤(a部とb部)で共通に支持する構造物1への地震入力を、位相差を利用して低減する構成であり、構造物の基礎下地盤2が液状化し易いか否か、および硬質地盤が深いか浅いか等の地盤条件に左右されることなく、普遍的に実施することができ、免震効果を得ることができる。
構造物1の直下地盤2(基礎下地盤)を平面的に見て複数(a部、b部)に区分し、各区分の地盤を地震のせん断波速度が少なくとも2種類に異なる柱状の地盤として構成し、各柱状地盤を伝播するせん断波の位相差を利用して、これらの地盤で共通に支持する構造物1への地震入力を低減化させる。
各柱状地盤の外周の相互間の境界に、各柱状地盤の振動性状の独立性を確保する隙間4を形成すると共に、その隙間4に振動性状を阻害しないスタイロフォーム、ゴム、又は極軟弱土などの緩衝材5を充填する。
或いは外殻体がフレームとなるシエル構造容器10の中に低剛性体11を充填し密封して構成した地盤要素を上下方向に柱状に積み重ねて、又は外殻体がフレームとなるシエル構造容器15の中に減衰性能を期待できる粘性流体のような減衰材料16を充填し密封して構成した地盤要素Mは上下のシエル構造容器15の相互間を小さい剛性を有するゴム等の緩衝材17により連結して上下方向に柱状に積み重ねて柱状地盤を構成する。
そして、構造物1の基礎下地盤を掘削して一定深さhの凹部を形成すると共に、同凹部を平面的に見て複数に区分し、前記の各区分毎に違い違いの配置で、上記の各地盤要素K又はMを同凹部内へ上下方向に必要数積み重ねて柱状地盤を形成する。地盤要素M…の場合は、上下の地盤要素のシエル構造容器15、15の相互間を小さい剛性を有するゴム等の緩衝材17により連結して積み重ねる。こうして前記凹部内を2種の柱状地盤KとMで埋め尽くすと共に、隣接する各柱状地盤K、Mの相互間に形成された隙間に、振動性状を阻害しないスタイロフォーム、ゴム、又は極軟弱土などの緩衝材5を充填して、各柱状地盤の構造的安定性を確保して、各区分の地盤K、Mを伝播する地震のせん断波速度が少なくとも2種類に異なるように構成する
先ずは構造物直下の原地盤2を硬く加工して実施する場合の実施例について説明する。
図1に示す直下地盤2が液状化によりVs1=40m/s程度に極端に低下してしまった場合には、千鳥状に配置された隙間4及び緩衝材5で区分された各地盤区分(a部、b部)のうち、b部地盤を、Vs2=500m/s程度の地盤改良体に加工して実施することが出来る。
そのためには、図1、図2に示したように構造物1直下の地盤2を平面的に見て複数に区分(a部、b部)した上で、例えばa部は原地盤そのままとして何らの加工も加えないでおく。他方、b部地盤は、例えば深さh=20m程度まで地盤改良を行うことにより、Vs2=500m/sの硬い(高剛性)の柱状地盤に加工する。
b部をVs2=500m/s程度に硬い高剛性の柱状地盤に加工する具体的な方法としては、所要のセメント量を注入できるように、水セメント比が150%〜220%程度のセメントミルクを使用し、これを深層混合処理装置により、柱状の地盤へ注入し原位置土と撹拌混合処理を行って柱状の地盤に加工して構築する。
上記のようにしてa部、b部の各地盤区分を地震のせん断波速度が少なくとも2種類以上に異なる柱状地盤として構成すると、上記段落番号[0013]、および[0014]に説明した現象として、2種の柱状地盤(a部、b部)を伝播するせん断波の位相差を利用して、これらの地盤で共通に支持する構造物1への地震入力を低減させることができる。
この場合に、柱状地盤の外周の境界相互間には、各柱状地盤の振動性状の独立性を確保する隙間4を深い縦溝のように形成すると共に、その隙間4に振動性状を阻害しないスタイロフォーム、ゴム、又は極軟弱土などの緩衝材5を充填して、各柱状の地盤の構造的安定性を確保することが好ましい。
なお、図2Aは、各柱状の地盤の深さhが支持層6に到達するほどに深く構築された実施例を示し、図2Bは、各柱状の地盤の深さhが、支持層6に到達することなく、必要十分に浅く構築された実施例を示している。
次に、逆に柔らかい低剛性の柱状地盤を構築する実施例を、図6および図7に基づいて説明する。
図6或いは図7に示す実施例は、外殻体がフレームとなるシエル構造容器10又は15を用い、同シエル構造容器10又は15の中に、前者には低剛性体11を、また、後者には減衰を期待できる粘性体のような減衰材料16を充填し、それぞれ密封して柔らかい低剛性の地盤要素Kを、又は減衰性を期待できる地盤要素Mを構成して柱状地盤を構築する実施例を示す。
図6の場合は、例えば人工粘土、ゴム又はジュルのような低剛性体11をシエル構造容器10の中へ充填し密封してほぼ同形、同大に構成した地盤要素K…必要数、上下方向に柱状に積み重ね柱状地盤を構築する実施例を示している。
また、図7は、外殻体をなすシエル構造容器15の中に、減衰性能を期待できる、例えば粘性流体のような減衰材料16を充填し密封してほぼ同形、同大に構成した地盤要素M…を、上下の地盤要素Mのシエル構造容器15、15の相互間を小さい剛性を有するゴム等の緩衝材17により連結して上下方向に必要数の地盤要素Mを柱状に積み重ねて柱状地盤構成する実施例を示している。
更に具体的に、上記の各柱状地盤で構造物の基礎下地盤を構築する方法としては、上記した図1、図2の各実施例と同様に、構造物の基礎下地盤2を掘削して一定深さの凹部を形成し、その凹部内を平面的に見て複数に区分して、各区分へ違い違いの配置に、地上で製作した上記図6又は図7に示す各地盤要素K又はMをそれぞれ地上で予め上下方向に必要数積み重ねて、又は凹部内の底面上へ順次積み重ねて構造物の基礎下地盤を構築する。地盤要素M…の場合は、上下の地盤要素Mの外殻体をなすシエル構造容器15、15の相互間を小さい剛性を有するゴム等の緩衝材17により連結して積み重ねる必要上、予め地上で積み重ねて凹部内へ下ろす方法が得策である。こうして前記凹部を2種の柱状地盤KとMで埋め尽くすと共に、隣接する各柱状地盤の相互間に形成される隙間に、上記した振動性状を阻害しないスタイロフォーム、ゴム、又は極軟弱土などの緩衝材5を充填して、各柱状地盤の構造的安定性を確保する。
要するに、図6に示す柱状の地盤K、或いは図7に示す柱状の地盤Mを、例えば図1、図2に例示したと同様に、互い違いの配置で、複数に区分し例えばa部とb部の柱状地盤のように構築すると共に、各柱状地盤の外周の境界相互間に、各柱状地盤の振動性状の独立性を確保する隙間を形成すると共に、その隙間に振動性状を阻害しないスタイロフォーム、ゴム、又は極軟弱土などの緩衝材を充填して構成すると、垂直方向に地震のせん断波速度が2種類に異なる柱状地盤として構成することができ、各柱状地盤の位相差を利用して、これらの地盤で共通に支持する構造物1への地震入力を低減させることができる。
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、勿論、本願発明は実施例に限定するものではない。いわゆる当業者が必要に応じて行う設計変更、その他の変形応用を包含する思想であることを念のため申し添える。
本発明の実施例1を概念的に示した平面図である。 図1の垂直断面図であって、A図は柱状の地盤の深い例、B図は浅い例を示す。 位相差により地震波を打ち消し合う原理図である。 Vs1とVs2によって生ずる位相差を示すグラフである。 置換する面積の決め方を示すグラフである。 柱状の地盤の異なる実施例を示す斜視図である。 柱状の地盤の異なる実施例を示す斜視図である。
1 構造物
2 直下地盤
a、b 地盤の区分
4 隙間
5 緩衝材
10 シエル構造容器
11 低剛性体
15 シエル構造容器
16 減衰材料
K、M 地盤要素
17 緩衝材
h 柱状地盤の深さ

Claims (2)

  1. 構造物の基礎下地盤平面的に見て複数に区分し、区分の地盤について固有周期を大小に異ならせたa部地盤とb部地盤を互い違いの配置とし、構造物の基礎底から垂直下方に一定の深さまでを、一方のa部地盤区分は原地盤のままとし、他方のb部地盤区分については一定の深さまで地盤改良を行って、又はa部地盤とb部地盤の双方に地盤改良を行って一方は柔らかく他方は硬く加工することによって固有周期を大小に異ならせた柱状地盤を構成し
    前記各区分の柱状地盤の境界部に、地盤の振動性状の独立性を確保する隙間を形成すると共に同隙間に振動性状を阻害しないスタイロフォーム、ゴム、又は極軟弱土などの緩衝材を充填して成り、
    前記a部地盤とb部地盤を地震時に伝播するせん断波の位相をずらし、干渉による打ち消し合いで構造物へ入力する地震波を低減させることを特徴とする、位相差を利用する地盤免震構造。
  2. 外殻体となるシエル構造容器の中に低剛性体を充填し密封して構成した低剛性の地盤要素Kを上下方向に柱状に積み重ね、また、外殻体となるシエル構造容器の中に減衰性能を期待できる粘性流体のような減衰材料を充填し密封して構成した減衰性の地盤要素Mは上下のシエル構造容器の相互間を小さい剛性を有するゴム等の緩衝材により連結して上下方向に柱状に積み重ねてそれぞれ柱状地盤が構成されること
    構造物の基礎下地盤を掘削して一定深さの凹部を形成すると共に同凹部を平面的に見て複数に区分し、前記の各区分毎に互い違いの配置で、上記の地盤要素K又はMを凹部内へ上下方向に積み重ねて同凹部内を前記2種の柱状地盤KとMで埋め尽くすと共に、隣接する各柱状地盤の相互間に形成された隙間には振動性状を阻害しないスタイロフォーム、ゴム、又は極軟弱土などの緩衝材を充填して各柱状地盤の構造的安定性を確保して成り、
    前記地盤要素Kの柱状地盤と地盤要素Mの柱状地盤との2種で地震時に伝播するせん断波の位相をずらし、干渉による打ち消し合いで構造物へ入力する地震波を低減させることを特徴とする、位相差を利用する地盤免震構造。
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