本発明を実施するための最良の形態を説明するのに先立って、本発明の作用及び効果について説明する。
本発明にかかる対面型キッチンは、リビング空間とキッチン空間を仕切るように配置した対面型キッチンにおいて、前記対面型キッチンは、設置状態においてリビング側に開閉部を有した食洗機と、前記食洗機に隣接して設けられた食器収納部とを有し、前記食器収納部の食器取出し用の開閉部がキッチン側の調理スペースに向けて備わり、前記食洗機と食器収納部との間には、当該食洗機の内部と食器収納部との間を開閉可能に仕切る仕切り部が設けられているように形成されている。
対面型キッチンがこのような構成を有することで、使い終わった食器をリビング側から食洗機に入れることができるので、これらの食器をキッチン側までわざわざ運んで食洗機に入れる必要がなくなる。これによって、食器を運ぶ際の人の動線を短くでき、対面型キッチンの使い勝手が向上する。
また、食器収納部の取出し用の開閉部がキッチン側の調理スペースに面するように設けられていることから、キッチンの使用者が調理スペースにて食材を切る等の作業の後、食器収納部から盛り付け用の食器を簡単に取り出すことができる。そのため、調理者は調理スペースで調理作業を行った後、すぐに盛り付け作業に移行することができる。
また、食洗機と食器収納部との間にはこの食洗機の内部と食器収納部との間を開閉可能に仕切る仕切り部が設けられているよう形成されている。食洗機の使用後に仕切り部を一旦開放して食器を食器収納部に移動させてこの食洗機の内部と食器収納部との間を仕切り部で再び仕切ることによってその後に使い終わった別の食器をリビング側から食洗機に入れて再び洗浄することができ、対面型キッチンの使い勝手を格段に向上させる。
また、本発明にかかる対面型キッチンにおいて、好ましくは、前記食洗機には食器受け部が備わり、前記食器受け部は前記仕切り部の開放状態において前記食洗機と食器収納部間を移動可能となるよう形成されているのが良い。
このような食洗機と食器収納部間を移動可能な食器受け部が備わることで、洗い終わった後の食器が載った食器受け部を仕切り部を開放した状態で食器収納部に簡単に移動させることができるので、対面型のキッチンの使い勝手を向上させることができる。
また、本発明にかかる対面型キッチンにおいて、好ましくは、食洗機の開閉部がキッチン側にも設けられているよう形成されているのが良い。
キッチン側で調理の際に使用した調理器具をそのまま食洗機に入れることができるので、その際の人の動線を短くすることができ、対面型のキッチンの使い勝手を向上させる。
また、本発明にかかる対面型キッチンにおいて、好ましくは、前記食器収納部の開閉部がリビング側にも設けられているよう形成されているのが良い。
食器収納部の開閉部がリビング側にも設けられていることで、食洗機で洗い終わって食器収納部に移動させた食器を再びリビング側から取り出して使用することができる。これによって、この食器取り出しの際の人の動線を短くすることができ、対面型キッチンの使い勝手を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る対面型キッチンについて図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る対面型キッチン1をキッチン側から見た斜視図である。図2は、図1に示した対面型キッチン1をリビング側から見た斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係る対面型キッチン1に備わる食洗機100及び食器収納部200を透過的に示す斜視図である。図4は、本発明の一実施形態に係る対面型キッチン1の食洗機100及び食器収納部200の使用手順を示す説明図である。
本発明の一実施形態に係る対面型キッチン1は、図1及び図2に示すように、住居内のリビング空間Lとキッチン空間Kとを仕切るように配置した対面型キッチンであって、キッチン側において細長のキッチンカウンタの一方の端部にシンク11が設けられ、他方の端部にはコンロ13が設けられ、シンク11とコンロ13の間は調理スペースである調理用カウンタ12となっている。なお、本発明における調理スペースとは、キッチンの使用者が食材を切る等、キッチンカウンター上で調理作業を行うための部分である。そして、リビング側においては、シンク11の開口部やコンロ13、調理用カウンタ12の備わった上面よりも上側に突出して人の丈ほどには至らない高さを有する食洗機100、食器収納部200、耐熱収納部300が備わっている。そして、食洗機100は、シンク11に隣接した位置に備わり、食器収納部200は調理用カウンタ12に隣接した位置に備わり、耐熱収納部300はコンロ13に隣接した位置に備わっている。
このように食洗機100、食器収納部200、耐熱収納部300が互いに直列に並んでキッチン側のカウンタ面よりも上側に備わっていることで、リビング空間Lとキッチン空間Kを視覚的にある程度仕切るが両空間を完全には別空間とはせず、キッチン空間Kとリビング空間Lをある程度共有空間化し、これら両空間からなる広がりをもった共有空間としての快適性を保っている。なお、本実施形態においては、本発明に直接関連する食洗機100と食器収納部200との構造及び作用について主に説明する。
本実施形態に係る食洗機100は、本発明においては食器収納部200と一体になって相乗的な効果を奏するように構成されている。具体的には、食洗機100と食器収納部200は、図3に示すように互いに直列に連なって一体化しており、両者の連結部において食洗機100の内部と食器収納部200との間を開閉可能に仕切る仕切り部である仕切り板110が備わっている。食洗機100は、本実施形態の場合、通常の食洗機に見られるようなシンク側に設けられた食器及び調理器具の出し入れ用の開閉部である開閉扉120に加えて、図2に示すようにリビング側にも食器出し入れ用の開閉部である開閉扉130を有している。
食洗機100の内部と食器収納部200との間を開閉可能に仕切る仕切り板110は、矩形状をなす板体からなる第1の仕切り板111と第2の仕切り板112を組み合わせて構成され、各仕切り板111,112の上端縁が公知のヒンジ形状を有してこのヒンジ部110aを介して互いに重なり合ったり広がったりできるようになっている。また、ヒンジ部110aの両端は食洗機100と食器収納部200との連結部の上側に軸支されている。なお、2枚の仕切り板111,112はそれぞれ上側のヒンジ部110aを介して食洗機100や食器収納部200の内側上壁に接するまで回転可能になっていると共に、食洗機100を動作中、食洗機内の湯が外側に漏れないように公知のシールパッキンやロック部材が備わり、食器洗浄中は食洗機内の水密性を保つようになっている。即ち、仕切り板111、112を閉じた状態において、食洗機100の食器洗浄中においても、食器収納部200の内部に洗浄水等が入り込むことはないため、食器収納部200に洗浄後の食器を入れたままでも、食洗機100にて食器等の洗浄を行うことができる。
食洗機100と食器収納部200の内部にはその底部にガイドレール140が備わっている。ガイドレール140は、食器受け部である食器受け台150を支持すると共に、食器受け台150を食洗機100と食器収納部200との間で移動させることができるようになっている。これによって、食洗機100で洗浄した食器や調理器具を食器受け台150ごと食器収納部200に移動させ、食器収納部200で食器や調理器具を取り出した後に、食器受け台150を食洗機100に再び移動可能となっている。
食器受け台150は、水切りに適した太さの太い金網等でできたトレー状の受け台からなり、その底部にはレール上をスライド可能な車輪又は凹み部等の図示しないスライド部(図示せず)が形成されている。なお、食器受け台150は、食洗機100の開閉扉120,130や食器収納部200の後述する開閉部である開閉扉220,230から食器や調理器具を載せた状態で出し入れ可能となっている。また、食器受け台150は、食器受け台150が無い状態においても、食器を載置できる構成となっていることから、食器受け台150を食器収納部200に移動させかつ第1の仕切り板111によって食洗機100の内部と食器収納部200との間を仕切った状態で、食洗機100の内部に直接食器類を入れることも可能である。また、別の食器受け台(図示せず)を食洗機100の開閉扉120,130から食洗機100内に入れてガイドレール140に載せることも可能となっている。
食器収納部200は、上述したように食洗機100に隣接して配置され、仕切り板110を開放することによって食洗機内の洗浄後の食器受け台150に載った食器や調理器具をガイドレール140を介して食器受け台150ごと食器収納部200に移動させて収納させておくことができるようになっている。なお、食器収納部200の食器取出し用の一方の開閉扉220は、キッチンの調理カウンタ12側及びリビング側の双方に向けられて備わっており、食洗機100で洗った後の食器や調理器具をキッチン側及びリビング側から取り出せるようになっている。
図4は、食洗機100及び食器収納部200の実際の使用手順をこの内部に備わる仕切り板110との関係で示す説明図である。図4(a)に示すように、使い終わった食器や調理器具を食洗機100の食器受け台150に入れる。本実施形態の場合、食洗機100のリビング側に開閉扉130が備わっているので、使い終わった食器をリビング側の開閉扉130から簡単に入れることができる。
図4(a)に示す状態では、第1の仕切り板111が食洗機100の内部上面に固定されかつ第2の仕切り板112が食洗機100と食器収納部200との間を仕切るように固定されている。第2の仕切り板112は、図示しないロック部材によって食洗機100と食器収納部200との底面の境目にしっかりと固定されており、かつここでは詳細に示さないパッキン等のシール部材によって食洗機内を食器収納部200に対して液密に仕切っているので、食洗機100による食器洗浄中にお湯や洗浄水が外部及び食器収納部200側に漏れ出すことはない。
続いて、食洗機100による食器の洗浄が終わった後に、第2の仕切り板112のロック部材によるロックを解除し、第2の仕切り板112を食器収容部200の内部上面に固定して食洗機100と食器収納部200とを連通させる(図4(b)参照)。この際、洗浄後の食器や調理器具を、食器受け台150ごとガイドレール140を介して食器収納部側に移動させる。
そして、第1の仕切り板111の洗浄機内上面におけるロックを解除し、第1の仕切り板111をロック部材によって食洗機100と食器収納部200との底面の境目にしっかりと固定する。これによって、第1の仕切り板に備わったパッキン等の図示しないシール部材によって食洗機100を食器収納部に対して再び液密に仕切る。これによって、食器収納部200に洗浄し終えた食器を入れたまま、その後に生じた使用後の食器や調理器具を食洗機100に入れて再び洗浄することができる。図4(c)は、このような洗浄可能な状態を示しており、食器受け台150をガイドレール140に載せずに食器や調理器具のみを直接食洗機100に入れて洗浄可能となっている。
続いて、上述した対面型キッチン1の作用について説明する。この対面型キッチン1を使用するにあたって、図5は、本発明の一実施形態に係る対面型キッチンに関する人の動線を説明する説明図である。図5に示すように、リビング側の食卓で例えば家族のうちの一部の人達が最初に食事を済ませた場合、同図の動線A1に示すように食器をリビング側に設けた食洗機100の開閉扉130から食洗機内の食器受け台150に載せる。このようにリビング空間側に食洗機100の開閉扉130が備わっていることで、食事を終えた人達がキッチン側まで回りこんで使用後の食器を食洗機100に入れる必要がなく、食事後の食器を運ぶ人の動線を短くして、食事後の後片付けに要する労力を低減する。
続いて、食洗機100で食器を洗浄した後、図4(a)及び(b)に示す上述した手順で食洗機100と食器収納部200との間の開閉扉112を一旦開放して、洗い終えた食器の載った食器受け台150をガイドレール140に沿って食器収納部側に移動させる(図5の動線A2参照)。そして、食器収納部200に収納された食器をキッチン側から取り出して必要に応じて食器棚に収納したり、これから食事する人達のためにキッチンカウンタで食事用の盛り付けを行ったりするのに用いる(図5の動線A3参照)。次の食器洗浄まで時間がある場合等には、食器収納部内の食器受け台150に載った洗い終わった食器を全て取り出して食器棚等の別の場所に保管した後、食器受け台150を再び食洗機100の方にガイドレール140を介して戻しておいても良い。
本実施形態に係る対面型キッチン1の食洗機100と食器収納部200がこのような特別な構成を有することで、例えば最初に食事をする人達がリビング側の食卓で食事をした後に食洗機100に食器を入れて洗っている最中に次の人達がリビング側の食卓で食事をする場合、洗い終えた最初の食器を食器受け台150ごと食器収納部200に移動させ、食洗機100と食器収納部200との間を第1の仕切り部111で閉じて、食洗機100の内部に食器が入っていない状態とする。その後、リビング側で食事が終わった次の人達がリビング側から食器を食洗機100に入れることができる。この際、食洗機100に新たな食器受け台を載せ、それに食器を置くようにしても良い。これによって、食器収納部200に食器類が入った状態においても、次の食器を食洗機100で洗浄することができる。
即ち、食洗機100と食器収納部200がこのような構成を有することで、最初に食事をした人達に続いて余り時間を空けず次に食事をする人達がいる場合、特許文献1に記載された従来例のように食洗機から食器をいちいち取り出して再び次の人達が使い終えた食器を入れるような手間を省くことができるので、最初に食事をする人達と次に食事をする人達との間において食器や調理器具を片付けることに時間を費やすことなしに、次に食事をする人達を待たせることなく料理を提供できる。
なお、特許文献2に記載した従来例の場合、食洗機と食洗機で洗い終わった食器の仮置場との間にレールを設け、洗い終えた食器を食器受け台ごと食器仮置場に移動させるようになっている。しかしながら、この従来例の場合は、キッチン側かリビング側の一方にしか食洗機の開閉部を有していないので、キッチン側に食洗機の開閉部を有している場合、リビング側で食事を食べ終わった人が使い終えた食器をキッチン側までわざわざ運んで食洗機に入れなければならず、その人の動線が長くなって対面型キッチンの使い勝手が悪くなるが、本実施形態の場合、上述したように使い終えた食器をリビング側から食洗機に直接入れることができるので、この場合の人の動線を短くすることができ、対面型キッチンの使い勝手を向上させることができる。
図6は、図5に更に新たな人の動線を加えた説明図である。図6に示す対面型キッチン1の人の動線の説明では、食器収納部200のリビング側に設けられた開閉扉230に関する人の軸線についても説明する。
この対面型キッチン1を使用するにあたって、図6に示すように、リビング側の食卓で例えば家族のうちの一部の人達が最初に食事を済ませた場合、同図の動線A1に示すように食器をリビング側に設けた食洗機100の開閉扉130から食洗機内に位置する食器受け台150に載せる。このようにリビング側に食洗機100の開閉扉130が備わっていることで、食事を終えた人がキッチン側まで廻り込んで使い終えた食器を食洗機100に入れる必要がなく、食事後の食器を運ぶ人の動線を短くして、食事後の後片付けに要する労力を低減する。
続いて、食洗機100で食器を洗浄した後、食洗機100と食器収納部200との間の第1の仕切り板111を一旦開放して、洗い終えた食器の載った食器受け台150をガイドレール140に沿って食器収納部側に移動させる(図6中動線A2参照)。
そして、図6の動線A3に示すように食器収納部200に収納された食器をキッチン側から取り出してキッチンの調理カウンタで料理を盛り付け、この盛り付けられた料理を食器収容部の上面に載せて次に食卓に着いた人たちに提供する。即ち、食器収納部200の開閉扉が調理スペースである調理カウンタに向かって設けられていることから、キッチン側で調理作業を行う作業者は、盛り付け用の食器、若しくは洗浄後の調理器具等を、離れた場所に設けられた食器や調理器具の収納場所に行くことなく、簡単に取り出すことが可能である。これにより、キッチンでの調理作業を行う作業者の動線もまた、非常に短縮されることとなる。
また、図6の動線B1に示すように料理の盛りつけられていない食器を食器収納部200のリビング側の開閉扉230から取り出し、リビング側の食卓の上に並べて次の人たちの食事の準備をしたり、食事中に足りない皿類を補充したりする。
この際、食器収納部200の開閉扉がキッチン側に加えてリビング側にも設けられているので、図6の動線B1に示すように人の動線を短くすることができる。即ち、食洗機100で洗浄した後の食器を食卓に置く場合、洗った後の食器をキッチン側からリビング側の食卓までわざわざ運ぶ必要がなくなる。
また、食洗機100の開閉扉120がキッチン側にも設けられていることから、調理カウンタ12において調理に使った調理器具を、リビング側に移動することなく、食洗機100のキッチン側の開閉扉120を介して食洗機内の食器受け台150に載せて洗浄することができる(図6の動線B2参照)。この場合も、人の動線を短くして対面型キッチン1の使い勝手を向上させる。
この際、食洗機100の内部は、食器受け台150が無い状態においても食器類を戴置できる構成となっているため、食器収納部200に食器の入った食器受け台150がある状態においても、食洗機100で食器の洗浄を行うことができる。
なお、この場合、食洗機100内に食器を直接置くだけでなく、食器収納部内にある食器受け台150から食器や調理器具を全て取り出し、食洗機100と食器収納部200との間の仕切り板112を開放して食器受け台150をガイドレール140に沿って再び食洗機側に移動させる、若しくは食器受け台150を食器収納部200から食洗機100に戻す代わりに新たな食器受け台150を食洗機100のキッチン側の開閉扉120からガイドレール140に載せてその食器受け台150に調理器具を置くようにしても良い。
続いて、本発明の上述した実施形態にかかる対面型キッチンの変形例について説明する。この変形例に係る対面型キッチン1’は、食洗機の形態のみが上述した実施形態とは異なっている。具体的には、図7に示すように食洗機400の内部と食器収納部500との間に上述した仕切り板110を設ける代わりに、食洗機400の食器収納部500とは反対側の端部に図示しない上下移動ガイドを備えた側板410を設けると共に、側板410に沿って上下移動可能で食洗機400の仕切り部及び開閉部を兼ねた食洗機カバー450を備えている。
そして、使い終わった食器をリビング側から食洗機400に入れる時やキッチン側から使用後の調理器具を入れるときは、側板410の上下移動ガイドを介して食洗機カバー450を上限位置まで上げ、これによってできたリビング側の開口部430から使い終わった食器を入れて食器受け台150に載せると共に、キッチン側の開口部420から使用後の調理器具を入れて食器受け台150に載せる。
そして、食洗機400で食器を洗浄する時は食洗機カバー450を下限位置まで降ろしてここでは図示ない水密パッキンでしっかりとシールし、食洗機400の外部や食器収納部500にお湯や洗浄水等が漏れ出さないようにしながら食器や調理器具を洗浄する。
食器や調理器具の洗浄後には、再び側板410の上下移動ガイドを介して食洗機カバー450を上限位置まで上げ、洗浄後の食器や調理器具の載った食器受け台150を上述した実施形態と同等のガイドレール140を介して食器収納部側に移動させる。そして、食器収納部500に備わったリビング側の開閉扉(ここでは図示せず)を介して洗浄後の食器を取り出して食卓に並べたり、キッチンカウンタ側の開閉扉520を介して洗浄後の食器や調理器具を取り出して食器棚に収納したり続いて食事をする人達のために食器に食事を盛り付けたり、洗浄後の調理器具を用いて再び調理したりする。
即ち、このような食洗機400と食器収納部500とを備えた対面型キッチン1’であっても、図5及び図6に示した人の動線を短くすることができ、食事の準備や食事の後片付けの際の労力を低減し、使い勝手の良い対面型キッチンとすることができる。
図8は、上述した実施形態に関して図6に示した人の動線の説明図に加えて対面型キッチン1のコンロ13及び耐熱収納部300に関する人の動線を示した説明図である。なお、この耐熱収納部300はキッチン側とリビング側の双方にそれぞれ開閉扉320,330を有している。ここで、図6に示した人の動線と共通する動線についてはその説明を省略し、図8に特有の人の動線についてのみその動作内容と共に説明する。
図8に示すように、キッチン側ではコンロ13を用いて料理した後、この料理を、調理カウンタ12において、食器収納部200より取り出した食器(度図8の動線A1参照)に盛り付ける(図8の動線C2参照)。その後、コンロ13で調理した料理の入った鍋等は、コンロ13上に置いたままにはせず、コンロ13に隣接して設けられた耐熱収納部300のキッチン側の開閉扉320から耐熱収納部内に入れる(図8の動線C1参照)。盛り付けた後、盛り付けに使用した調理器具や料理の入っていない鍋等は、食洗機100のキッチン側の開閉扉120から食洗機内に入れて食洗機内の食器受け台150に載せる(図8の動線C2及びB2参照)。また、耐熱収納部300のリビング側の開閉扉330から耐熱収納部300に入れられた調理物を取り出してリビング側の食卓に置く(図8の動線C3参照)。そして、食事中にこの調理物をある程度取り分けた後に再びリビング側の開閉扉330から耐熱収納部内に入れて調理物が冷めないようにする(図8の動線C4参照)。
なお、食卓に料理や食器を全て置くことができない場合は、この調理物を或る程度取り分けた後に再びリビング側の開閉扉330から耐熱収納部300に入れて仮置き保温しておいても良い(図8の動線C3参照)。このような場合であっても、耐熱収納部300の開閉扉がキッチン側にのみ備わっている場合のようにわざわざキッチン側に廻り込んで耐熱収納部内に調理物を仮置き保温する必要がない。また、食事が終わった後には、この食器をリビング側から食洗機の開閉扉130を開けて食洗機内に入れ、食洗機内の食器受け台150に載せることもできる(図8の動線A1参照)。
このように、図8に示すコンロや耐熱収納部を備えた本実施形態に係る対面型キッチン1であっても上述したように食事の準備や食事後の後片付けに加えて食事中の人の動線についても短くすることができ、これらに伴う人の労力を低減して使い勝手の良い対面型キッチンとすることができる。
以上説明したように、本発明による対面型キッチンによると、使い終わった食器をリビング側から食洗機に入れることができるので、これらの食器をキッチン側までわざわざ運んで食洗機に入れる必要がなくなる。これによって、食器を運ぶ際の人の動線を短くでき、対面型キッチンの使い勝手が向上する。
また、食器収納部の取出し用の開閉部がキッチン側の調理スペースに面して設けられていることから、キッチンの使用者が調理スペースにて食材を切る等の作業の後、食器収納部から盛り付け用の食器を簡単に取り出すことができる。そのため、調理者は調理スペースで調理作業を行った後、すぐに盛り付け作業に移行することができる。
また、食洗機と食器収納部との間にはこの食洗機の内部と食器収納部との間を開閉可能に仕切る仕切り部が設けられているので、食洗機の使用後に仕切り部を一旦開放して一度洗い終わった食器を食器収納部に移動させこの食洗機の内部と食器収納部との間を仕切り部で再び仕切ることにより、その後に、食器収納部に洗浄後の食器を入れたまま、使い終わった別の食器をリビング側から食洗機に入れて洗浄することができ、対面型キッチンの使い勝手を格段に向上させる。
また、食洗機には食器受け部が備わり、食器受け部は仕切り部の開放状態において食洗機と食器収納部間を移動可能となっていることで、洗い終わった後の食器が載った食器受け部を仕切り部を開放した状態で食器収納部に簡単に移動させることができ、対面型のキッチンの使い勝手を向上させることができる。
また、食洗機の開閉部がキッチン側にも設けられていることで、キッチン側で調理の際に使用した調理器具をそのまま食洗機に入れることが可能となり、その際の人の動線を短くすることができ、対面型のキッチンの使い勝手を向上させる。
また、食器収納部の開閉部がリビング側にも設けられていることで、食洗機で洗い終わって食器収納部に移動させた食器を再びリビング側から取り出して使用することができる。これによって、この食器取り出しの際の人の動線を短くすることができ、対面型キッチンの使い勝手を向上させることができる。