以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,画像形成装置について,本発明を具体化したものである。
(第1の実施形態)
1.画像形成装置
本形態の画像形成装置100は,図1にその概略構成を示すように,中間転写ベルト101を有する,いわゆるタンデム方式のカラーコピー機である。中間転写ベルト101は,無端状ベルト部材であり,その図中両端部がローラ102,103によって支持され,図中矢印Aの向きに回転するようになっている。中間転写ベルト101の図中下部に沿って,イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kが配置されている。
各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kはいずれも同様の構成である。それぞれ,感光体ユニット20と,露光装置30と,現像ユニット10とを有している。感光体ユニット20は,静電潜像を担持する感光体ドラム21を有している。露光装置30は,感光体ドラム21に静電潜像を描きこむためのものである。現像ユニット10は,感光体ドラム21の静電潜像にトナーを付与して現像するためのものである。また,中間転写ベルト101を挟んで感光体ドラム21に対向する位置に,1次転写ローラ111が配置されている。図1中では画像形成部1Yによって代表してこれらの各装置の符号を示している。
図1中の下方には,用紙Pを収容する給紙部170が配置されている。給紙部170は,給紙カセット171,172,173,174を有している。各給紙カセット171,172,173,174の上部には,用紙Pを送り出す給紙ローラ181,182,183,184がそれぞれ設けられている。
各給紙カセット171,172,173,174の画像形成時における働きはいずれも同様である。用紙Pは,各給紙カセット171,172,173,174のうちいずれかから用紙搬送経路114に沿って上方へ送られることとなる。ただし,後述する裏紙の整頓処理においては,給紙カセット172に載置された裏紙は,その表裏を整頓された後に給紙カセット171に載置されることとなる。そのために,給紙カセット172には,その内部に用紙がセットされているか否かを判断するためのセンサ163が配置されている。
用紙搬送経路114の途中には,用紙に印字がなされているか否かを判断するセンサ161,センサ162が用紙搬送経路114を挟んで配置されている。ここで,用紙搬送経路114において,給紙カセットの設けられている側を上流側(図中下方),後述する排紙トレイ117のある側を下流側(図中上方)とする。以下,その他の図においても用紙の進行方向にかかわりなく,「上流側」というときは「図中下方」のことをいい,「下流側」というときは「図中上方」のことをいうこととする。センサ161,センサ162のすぐ下流側には,ツメ191が配置されている。ツメ191は,上流側から下流側に搬送されてきた用紙を2次転写ローラの箇所に搬送するとともに,下流側から上流側に搬送されてきた用紙を給紙カセット171に戻すように用紙の進路を決定するものである。
そしてその下流側には,ローラ192が配置されている。ローラ192は,順回転により用紙を下流側に搬送し,逆回転により用紙を上流側に搬送することができるローラである。なお,用紙がローラ192のローラ対の間にあるときにローラ192の回転を停止させると,その用紙はローラ192のローラ対に挟まれた状態で停止することとなる。用紙搬送経路114を挟んで,ローラ103と対面する位置に,2次転写ローラ115が配置されている。さらにその下流側には,定着装置130が配置されている。定着装置130は,加圧ローラ131,加熱ローラ132のローラ対を有している。
定着装置130からみて用紙搬送経路114のさらに下流側には,排紙ローラ116および排紙トレイ117が配置されている。排紙ローラ116のさらに上方には,折り返し用ローラ119および折り返し用トレイ120が配置されている。折り返し用ローラ119は,用紙の進行方向を逆転させるものである。詳細は後述する。そして,折り返し用ローラ119は,用紙搬送経路114の他に用紙搬送経路118ともつながっている。
用紙搬送経路118は,両面印刷を行う場合に用いられる搬送経路である。用紙搬送経路118は,折り返し用ローラ119から搬送されてきた用紙を再び用紙搬送経路114に合流させるための用紙の搬送経路である。折り返し用ローラ119及び用紙搬送経路118は,用紙の表裏を反転する表裏反転部である。つまり,用紙搬送経路118を搬送されて,再び用紙搬送経路114に戻された用紙は,その前に用紙搬送経路114を搬送されたときとその表裏が逆になっているのである。
また,画像形成装置100は,制御部150を有している。制御部150は,画像形成における各装置の動作を制御する他,後述するように裏紙の表裏整頓制御について各部に指令する表裏整頓制御部としての役割も兼ねているものである。また,表裏整頓制御を行う開始時刻を設定するための開始時刻設定部も兼ねている。
次に,本形態の画像形成装置100の基本的な動作を簡単に説明する。この画像形成装置100は,画像形成の指示を受けると,その画像信号から各色の画像データを生成する。生成された各色の画像データは,対応する画像形成部1Y,1M,1C,1Kにそれぞれ送出される。各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kは,画像データに基づいて,静電潜像を形成する。さらに,形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。形成されたトナー像は,順次,1次転写ローラ111によって中間転写ベルト101に転写され,重ね合わせられる。
一方,給紙部170のいずれかの給紙カセットから引き出された用紙Pは,用紙搬送経路114を通過して2次転写ローラ115の位置まで搬送される。用紙Pは,2次転写ローラ115によって中間転写ベルト101上に重ね合わせられたトナー像を転写される。トナー像を担持した用紙Pは,さらに搬送されて定着装置130に至り,定着装置130によって加熱されるとともに加圧される。これによりトナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着された用紙Pは,排紙ローラ116によって排紙トレイ117に排出される。以上が,画像形成装置100の基本的な動作である。
2.裏紙の整頓機構
本形態の画像形成装置100における裏紙の整頓機構について図2により説明する。裏紙の整頓とは,白紙面の向きの揃っていない用紙束を,すべての用紙の白紙面の向きが揃った用紙束となるように用紙の向きを揃えることをいう。本形態の画像形成装置100においては,2次転写ローラ115により転写される面は,各給紙カセットの図中上方を向いた面(以下,「第1面」という)である。したがって,本形態における裏紙の整頓とは,給紙カセットに収容されたすべての用紙の第1面が白紙面となっている状態とすることをいう。
図2は,本形態の裏紙の整頓機構を説明するための概略構成図である。本形態の画像形成装置100は,給紙カセット172に載置された裏紙の用紙束を整頓して給紙カセット171に載置するものである。給紙カセット172は,未整頓の裏紙を収容するための第1収容部である。給紙カセット171は,整頓後の裏紙を収容することとなる第2収容部である。よって,ユーザは用紙を給紙カセット171に直接載置しないこととする。
センサ161は,用紙搬送経路114に沿って搬送される用紙Pの第1面に印字がなされているか否かを読み取る画像判別部である。例えば,光学式センサが挙げられる。ここで,用紙の第1面とは,給紙カセット171,172,173,174の内部において,図1中上側を向いている面のことである。用紙の第1面は,そのまま印字された場合に2次転写ローラ115によりトナー像を転写される面である。すなわち,画像形成装置100により印字されることとなる面である。
センサ162は,用紙搬送経路114に沿って搬送される用紙Pの第2面に印字がなされているか否かを読み取る画像判別部である。センサ162は,センサ161と同様のセンサであるとよい。ここで,用紙の第2面とは,第1面の反対側の面のことである。また,センサ161,162は,印字の有無のみならず,印字率を計測することができるようなものであるとよい。センサ161及びセンサ162は,図2に示すように,それぞれが用紙の一方の面を測定することにより,用紙の両面を測定できるように配置されている。
用紙搬送経路114aは,給紙カセット172から引き出された用紙が通過する経路である。用紙搬送経路114bは,給紙カセット171,172,173,174から給紙された用紙Pが共通して搬送される経路である。用紙搬送経路114bの途中に2次転写ローラ115および定着装置130が配置されている。用紙搬送経路114cは,給紙カセット171から引き出されて2次転写ローラ115によりトナー像を転写される用紙,または後述するように表裏整頓制御を施されて給紙カセット171に戻される用紙が通過する経路である。
3.裏紙の整頓方法
ここで,前述した裏紙の整頓機構を用いて用紙Pを整頓する方法について図3〜図5により説明する。図3は,裏紙を整頓する手順の具体例を示す概念図である。前述のとおり本形態の画像形成装置100は,給紙カセット172に配置された未整頓の裏紙の用紙Pの束に表裏整頓制御を施して給紙カセット171に載置するものである。この表裏整頓制御は,前述のとおり画像形成を行わない間になされるものである。このため,裏紙の整頓処理中に用紙Pが図3中の2次転写ローラ115の箇所を通過しても,トナー像の転写が行われることはない。また,図3中の定着装置130の加熱ローラ132のヒータはオフであってもよい。
まず,給紙ローラ182が給紙カセット172から用紙Pを一枚だけ引き出して用紙搬送経路114aに送り出す。送り出したときの用紙Pの先頭,すなわち進行方向側の端部を端部P1,その反対側の端部を端部P2とする。この後,用紙Pの進行方向が変わっても,端部P1は端部P1のままであることに変わりないものとして説明する。端部P2についても同様である。用紙Pが送り出された後,センサ161が用紙Pの第1面に印字されているか否かを検知する。それとともに,センサ162が用紙Pの第2面に印字されているか否かを検知する。そしてそれらの情報は,制御部150に送出される。これにより,制御部150が用紙Pの第1面および第2面のそれぞれに画像があるか否かを判別する。
第1面が白紙面であり,第2面に画像があった場合,すなわち裏紙が正しい向きであった場合について図3により説明する。用紙搬送経路114aを通過した用紙Pは,用紙搬送経路114bを図3中の矢印Bの向きに搬送される。そして,用紙Pが用紙搬送経路114bにあるときに,制御部150はローラ192の回転を停止させる。これにより,用紙Pはローラ192のローラ対に挟まれた状態で停止する。その用紙Pが停止したときの位置を図3に示す。このとき,用紙Pの第1面である白紙面は,図3中左側を向く面である。そして端部P1は下流側に位置しており,端部P2は上流側に位置している。
その後,画像形成装置100は,用紙Pを一旦停止させた後,用紙Pをそれまでの進行方向の反対方向,すなわち矢印Cの向きに搬送する。このとき,端部P2が用紙Pの進行方向の先頭である。この用紙Pの進行方向の反転は,用紙搬送経路114bに沿う箇所にあるローラ192が逆回転することにより行われる。
用紙搬送経路114aと用紙搬送経路114cとの分岐点には前述のようにツメ191が設けられている。ツメ191は,図4に示すように,実線で描かれた向きから二点鎖線で描かれた向きまでその向きを変えて動くことができるようになっている。ツメ191は,通常においては図4中に実線で描かれた向きとなるように,弾性部材等で軽く押さえられている。
このため,下流側(図中上方)から上流側(図中下方)に向けて用紙搬送経路114bを搬送されてきた用紙Pは,用紙搬送経路114cへ向けて搬送される。このときツメ191は,図4中の実線の位置のままである。よって,用紙が用紙搬送経路114cを通過している間に,ツメ191がその通過の支障となることはない。また,画像形成時に用紙Pが給紙カセット171から2次転写ローラ115の箇所へ搬送される際においても,ツメ191がその通過の支障となることはない。
一方,給紙カセット172から下流側に向けて用紙搬送経路114aを搬送されてきた用紙は,図4中の実線の向きで配置されているツメ191と接触する。ツメ191を図4中の実線の向きに留めておこうとする力は弱いため,用紙Pはツメ191を跳ね除けて用紙搬送経路114bに向かう。跳ね除けられたツメ191は,図4中の二点鎖線の向きを向くこととなる。そして用紙がツメ191の箇所を通過した後には,ツメ191は元の位置,すなわち図4中の実線の位置に戻る。
前述したようにツメ191は,用紙Pの搬送経路を変更するためのものである。このツメ191があることにより,用紙Pが戻る際に用紙搬送経路114aでなく,用紙搬送経路114cを図3中の矢印Cの向きに搬送されることとなるのである。続いて,給紙カセット171に図3中上方の面が白紙面となるように用紙Pが配置される。つまり,白紙面が上方を向くように正しい向きで用紙Pが載置されるのである。
第2面が白紙面であり,第1面に画像があった場合,すなわち裏紙が逆向きであった場合について図5により説明する。用紙搬送経路114aを通過した用紙Pは,図5中の矢印Dの向きに搬送されて用紙搬送経路114bに至る。そして用紙Pは,用紙搬送経路114bを図5中の矢印Eの向きに搬送される。続いて,用紙Pは,折り返し用ローラ119の箇所を図5中の矢印Fの向きに搬送される。
用紙Pは,その大部分が折り返し用トレイ120上に差し掛かる。そして折り返し用ローラ119は,その回転を停止する。それに伴って用紙Pも停止する。そのとき用紙Pの端部P1は,折り返し用ローラ119の箇所を通過する。一方,端部P2は,折り返し用ローラ119の箇所まで達しない。続いて,折り返し用ローラ119は,逆回転する。これにより,用紙Pは図5中の矢印Gの向きに搬送される。このとき,用紙Pの進行方向の先頭は端部P2である。つまり,折り返し用ローラ119による反転により,用紙Pの進行方向の先頭が端部P1から端部P2に入れ替わったのである。
折り返し用ローラ119により進行方向を逆転された用紙Pは,用紙搬送経路114でなく用紙搬送経路118に搬送されるようになっている。よって用紙Pは,用紙搬送経路118を図5中の矢印Hの向きに搬送される。そして再び用紙搬送経路114に戻る。このとき,用紙Pは,用紙搬送経路114bを図5中の矢印Eの向きに搬送される。そしてこのときの用紙Pの先頭は端部P2のままである。
用紙Pは,そこで停止する。その停止した位置は図3の用紙Pの位置と同じ位置である。ただし,用紙Pの端部P1,P2が図3に示したものと逆になっている。つまり,このときの用紙Pは下流側(図中上方)に端部P2があり,上流側(図中下方)に端部P1がある。そして,用紙Pの白紙面は,図中左側を向いている。用紙Pの画像がある面は,図中右側を向いている。つまり,用紙Pは正しい向きとなっている。したがって,この向きのまま用紙Pを給紙カセット171に返せばよい。
その後,用紙Pは,正しい向きのまま用紙搬送経路114cを図5中の矢印Iの向きに搬送される。これにより,用紙Pは正しい向きで給紙カセット171に載置される。このように,用紙Pの束を1枚ずつ整頓することにより,給紙カセット172において不揃いだった裏紙の用紙Pの束が,すべての用紙Pが正しい向きに揃えられた状態で給紙カセット171に載置されることとなる。
なお,用紙Pが両面とも白紙面であった場合には,その用紙に片面印刷も両面印刷も行うことができる。その場合,正しい向きの裏紙と同じように処理すればよい。また,逆向きの裏紙と同じように処理しても結果は同じである。または,給紙部170にあるトレイのうちの一つを予め白紙用トレイとして設定しておき,そこに戻すようにしてもよい。
一方,用紙Pが両面とも画像が形成されたものであった場合には,印字に適した面がないためそのまま排紙トレイ117に排紙するようにすればよい。これらの処理は,画像形成処理を行わないときに行われる。よって,排紙トレイ117に排紙した用紙が,印刷した用紙の間に挟まるおそれはない。また,このような用紙を廃棄するために,給紙部170にあるトレイのうちの一つを予め廃棄トレイとして設定しておき,その中に戻すようにしてもよい。
4.裏紙の整頓処理フロー
ここで,裏紙の整頓処理について図6により説明する。図6は,本形態の画像形成装100の行う整頓処理の流れを説明するフローチャートである。本形態では,画像形成実行中を除き常時この図6に示す判断をすることとする。
まず,最後に画像形成処理,すなわち印刷されてから予め定めた一定期間を経過しているか否かを判断する(S101)。最後に印刷されてから予め定めた一定期間を経過していなければ(S101:No),裏紙の整頓処理を終了する。予め定めた一定期間を経過していれば(S101:Yes),S102に進む。
S102では,制御部150が,整頓処理を実行するか否かを判断する。このとき,給紙カセット172に用紙Pの束が載置されており,給紙カセット171が満杯でなければ,裏紙の整頓処理を実行する。そうでなければ,裏紙の整頓処理を実行しない。したがって,前述した裏紙の整頓処理を実行する条件を満たしている場合には(S102:Yes),S103に進む。整頓処理を実行する条件を満たしていない場合には(S102:No),用紙Pの整頓処理を終了する。
S103では,給紙カセット172の内部に収容されている用紙束を,前述した整頓手順に従って1枚ずつ順次整頓して給紙カセット171に載置する。これにより,裏紙の整頓処理がなされた。その後のプリントアウトでは,給紙カセット171から裏紙をそのまま供給すれば,裏紙の白紙面に印字がなされることとなる。
本形態の裏紙の整頓処理は,画像形成装置100の画像形成時を回避して行うものである。つまり,画像形成時には整頓処理を行わない。このため,従来のように整頓処理と画像形成処理とを一体の処理として行うこととした画像形成装置に比べて印刷効率はよい。なお,仮にフローの途中で印刷指示があった場合には,当該フローを中止して印刷を行う。もちろん,処理途中の裏紙が用紙搬送経路114,118を通過している最中に印刷指示があった場合には,画像形成装置100はその裏紙を正しい向きで載置する。そして,次の裏紙を引き出すことなく当該フローを中止すればよい。このようにして,画像形成を優先して行うのである。
5.変形例
本形態では,用紙Pの両面の画像の有無を判別するためのセンサ161,162を設けた。しかし,両面に印字がなされた用紙が給紙カセットに載置されることはないという前提にたてば,センサ161のみを設置するようにしてもよい。その場合には,次に説明するように整頓処理を行えばよい。
まず,用紙Pが給紙カセット172から引き出される。次に,センサ161が,用紙Pの第1面に印字がなされているか否かを検知する。用紙Pの第1面に印字がなされていなければ,正しい向きであると判断して,折り返し用ローラ119の箇所および用紙搬送経路118を通過させない。一方,用紙Pの第1面に印字がなされていれば,逆向きであると判断して,折り返し用ローラ119の箇所および用紙搬送経路118を通過させる。
また,センサ162のみを設置するようにしてもよい。その場合には,次に説明するように整頓処理を行えばよい。まず,用紙Pが給紙カセット172から引き出される。次に,センサ162が,用紙Pの第2面に印字がなされているか否かを検知する。用紙Pの第2面に印字がなされていれば,正しい向きであると判断して,折り返し用ローラ119の箇所および用紙搬送経路118を通過させない。一方,用紙Pの第2面に印字がなされていなければ,逆向きであると判断して,折り返し用ローラ119の箇所および用紙搬送経路118を通過させる。
ここで,別の変形例について説明する。本形態では,裏紙の整頓がなされる前の用紙束が給紙カセット172に載置され,裏紙の整頓がなされた後の用紙束が給紙カセット171に載置されることとした。しかし,裏紙が未整頓の状態で用紙束を載置される給紙カセットとして,給紙カセット172以外の給紙カセットを設定してもよい。その場合,裏紙が整頓された後に載置される給紙カセットとして,未整頓の状態で用紙束を載置される給紙カセットとして設定した以外の給紙カセットを設定することとなる。また,ユーザが操作パネル等により,いずれの給紙カセットを未整頓の用紙束用の給紙カセットおよび整頓済みの用紙束用の給紙カセットとするかを指定できるようにしてもよい。その場合,用紙Pが所望の搬送経路で搬送されるように,ツメを配置する位置を適当に選ぶ必要がある。
また,図7に示すように,一つの給紙カセットの中に整頓前の用紙束を収容するトレイを別途設けてもよい。図7の給紙カセット175には,トレイ175a及びトレイ175bが設けられている。
図7には,トレイ175aを第1収容部とし,トレイ175bを第2収容部とした場合を示す。また,図7に示す画像形成装置には,これら2つのトレイのうち用紙搬送経路114に接続されるトレイを切り替えるための切り替えガイド140が設けられている。切り替えガイド140は,支点141を中心としてその向きを変えることができるものである。
切り替えガイド140は,図7中の実線で描かれた向きと二点鎖線で描かれた向きとの範囲内でその向きを変えることのできるものである。通常,切り替えガイド140は,図7中の実線で描かれた向きで配置されている。その向きを保持するように弾性部材等で軽く押さえられているためである。
そのため,図7中上方から矢印Kの向きに搬送されてきた用紙Pは,トレイ175bに載置されることとなる。また画像形成時には,トレイ175bから2次転写ローラ115に用紙が搬送されることとなる。このとき切り替えガイド140は,図7中に実線で描かれた位置のままである。よって,トレイ175bに用紙が搬送される場合,あるいはトレイ175bから用紙が引き出される場合において,切り替えガイド140がその搬送の障害となることはない。
一方,トレイ175aに載置されている用紙は,給紙ローラ185aにより引き出される。そして,用紙は,切り替えガイド140と接触する。このとき切り替えガイド140は,図7中の実線で描かれた向きにあるためである。切り替えガイド140を図7中の実線の位置に留めておこうとする力は弱いため,用紙Pは切り替えガイド140を跳ね除けることができる。
そして用紙Pは,切り替えガイド140を跳ね除けつつ図7中の矢印Jの向きに図中上方に進行する。このとき押しのけられた切り替えガイド140は,図7中の二点鎖線で描かれた位置に移動させられる。なお,切り替えガイド140を押さえつける力は弱いため,用紙の搬送に問題は生じない。そして用紙が切り替えガイド140の箇所を通過した後には,切り替えガイド140は元の位置,すなわち図7中の実線の位置に戻る。
図7中では,トレイ175aに整頓前の用紙束が収容されている。つまり,ユーザがトレイ175aに未整頓の用紙束をセットするようにすれば,画像形成の行われていない間に,トレイ175bに整頓済みの用紙束が配置されることとなる。このため,画像形成時には,トレイ175bから給紙するようにすればよい。なお,トレイ175aは適宜取り外しのできる着脱可能なトレイである。トレイ175aの裏紙を揃えるために,用紙Pは図7中の矢印Jの向きに搬送され,裏紙の向きを揃えられて矢印Kの向きにトレイ175bに整頓された状態で配置されることとなる。なお,ユーザは,用紙Pの束をトレイ175bに直に置かないこととする。
ここで,本形態の別の変形例について説明する。S102では,給紙カセット172の内部に用紙が収容されており,給紙カセット171が満杯でない場合に,整頓されていない用紙束があると判断して用紙の整頓を行うこととした。しかし,ユーザが,裏紙の整頓処理を希望するか否かを指示できるようにしてもよい。つまり,ユーザが用紙Pの束の整頓処理を指示している場合には表裏整頓制御を行い,整頓処理を指示していない場合には表裏整頓制御を行わないこととするのである。
例えば,図8に示すように,給紙カセット172にレバー193を設ける。ユーザは,レバー193を図8中の矢印Sの向きに手動で動かすことができるようになっている。その動かす向きについては表示をしておけばよい。レバー193が図8の実線で描かれた位置にあるときには,制御部150は,S102で裏紙の整頓処理の希望があると判断する。レバー193が図8の二点鎖線で描かれた位置にあるときには,制御部150は,S102で裏紙の整頓処理の希望がないと判断する。
ユーザは,給紙カセットに裏紙を載置したときにレバー193を図8中の実線で描かれた位置に動かし,新品の白紙の用紙を載置したときにレバー193を図8中の二点鎖線で描かれた位置に動かす。なおこの際に,新品の用紙が残っている場合にその上に裏紙を追加したり,裏紙が残っている場合にその上に新品の用紙を追加したりすることはないものとする。
このようにレバー193を動かすことで,S102において制御部150が,裏紙の整頓処理の希望の有無を判断するのである。そのため,S102では,レバー193が図8中の実線で描かれた位置にあり,かつ,センサ163により用紙が載置されていることを認識している場合に,S103に進んで裏紙の整頓処理を行うのである。つまり,レバー193は,裏紙が載置されているか否かをユーザが指定する整頓指示部である。
なお,レバー193を設ける位置は,図8中に示したように給紙カセットに付随した位置に限らず,画像形成装置100の本体のいずれかの位置であってもよい。また,レバー193を設ける代わりに,操作パネル等によりユーザが裏紙の整頓指示を行えるようにしても構わない。
さらに,別の変形例について説明する。本形態では給紙カセット172に載置された用紙Pの束を,整頓した後に給紙カセット171に載置することとした。しかし,ユーザがどの給紙カセットまたはトレイを裏紙載置用とするかを設定できるようにしてもよい。その場合には,各給紙カセットまたはトレイに,センサ163と同様のセンサを設けるとよい。
また,ページ番号のみが印刷されたような印字率の小さい用紙の面を,白紙面とみなして取り扱うようにしてもよい。その場合,センサ161,162は,印字率を計測できるようなものである必要がある。
6.まとめ
以上,詳細に説明したように,本実施の形態に係る画像形成装置100は,画像形成を行わないときに自動的に裏紙の整頓処理を行うようにした。そのため,ユーザが裏紙の整頓作業をする必要がない。また,印刷処理の妨げともならない。これにより,ユーザが表裏の整頓作業をすることなく,印刷時の妨げともならないで裏紙の整頓作業を行うことのできる画像形成装置100が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,画像形成装置100は,カラーコピー機に限らない。プリンタ,FAX,その他の画像を形成する装置に適用することができる。また,カラーに限らない。また,現像剤の種類にもよらない。さらには,トナーでなくインクを用いる方式のものであってもよい。また,センサ161,162は,光学式に限らない。
(第2の実施形態)
以下に,第2の実施形態について説明する。本形態における画像形成装置200の機械的構成は,第1の実施形態と同様である。また,裏紙の整頓機構も第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と異なる点は,裏紙の整頓処理のフローである。
本形態の画像形成装置200は,ユーザが指定した時刻に裏紙の整頓作業を行うものである。例えば,昼休みや深夜など,一般にプリントアウトを行わない時間帯に整頓作業を行うのである。これにより,画像形成処理と裏紙の整頓処理とが,重なることのないようにするものである。なお,ユーザによる裏紙の整頓作業の時間指定は,初期設定として予め時刻を定めておくとよい。また,その後にユーザが適宜変更すればよい。そして,設定を消去することも出来る。さらに,消去した設定を再度設定し直すこともできるようになっている。なお,これらの変更作業は,いつでも行うことができる。
続いて,裏紙の整頓処理のフローについて図9により説明する。図9は本形態の画像形成装置200の行う裏紙の整頓処理の流れを説明するためのフローチャートである。本形態では,画像形成実行中を除き常時この図9に示す判断をするのである。
まず,裏紙を整頓するための時間が指定されているか否かを判断する(S201)。裏紙を整頓するための時間が指定されていれば(S201:Yes),S202へ進む。そうでなければ(S201:No),S203へ進む。
S202では,その時点における時刻が裏紙の整頓作業を指定した指定時刻であるか否かを判断する。時刻が指定時刻であれば(S202:Yes),S204に進む。そうでなければ(S202:No),裏紙の整頓処理を終了する。
S203では,最後に印刷されてから予め定めた一定時間を経過しているか否かを判断する。最後に印刷されてから予め定めた一定時間を経過していれば(S203:Yes),S204へ進む。そうでなければ(S203:No),裏紙の整頓処理を終了する。
S204以降は,図6に示したフローと同じ処理を行う。S204では,制御部150が,整頓処理を実行するか否かを判断する。このとき,給紙カセット172に用紙Pの束が載置されており,給紙カセット171が満杯でなければ,裏紙の整頓処理を実行する。そうでなければ,裏紙の整頓処理を実行しない。したがって,前述した裏紙の整頓処理を実行する条件を満たしている場合には(S204:Yes),S205に進む。整頓処理を実行する条件を満たしていない場合には(S204:No),用紙Pの整頓処理を終了する。
S205では,第1の実施形態で説明したように,表裏の用紙束を整頓する。そのため,給紙カセット171に裏紙の向きの揃った用紙束が配置される。これにより,裏紙の整頓処理がなされた。本形態の裏紙の整頓処理は,画像形成装置200の画像形成時を回避して指定時刻に開始するものである。したがって,従来のように整頓処理と画像形成処理とを一体の処理として行うこととした画像形成装置に比べて印刷効率はよい。
S204では,給紙カセット172の内部に用紙が収容されている場合に,整頓されていない用紙束があると判断して用紙の整頓を行うこととした。しかし,ユーザの指示により,整頓されていない裏紙が給紙カセットに収容されたことを判断するようにしてもよい。例えば,図8に示すように,給紙カセット172にレバー193を設けてもよい。また,図7に示したように,トレイ175a及びトレイ175bを設けてもよい。また,センサ161のみ,あるいはセンサ162のみであってもよい。また,未整頓の用紙束を載置する給紙カセットおよび整頓済みの用紙束を載置する給紙カセットは,ユーザにより指定できるようになっていてもよい。また,印字率の小さい用紙の面を白紙面とみなして取り扱うようにしてもよい。
以上,詳細に説明したように,本実施の形態に係る画像形成装置200は,画像形成を行わないときに自動的に裏紙の整頓処理を行うようにした。そのため,ユーザが裏紙の整頓作業をする必要がない。また,印刷処理の妨げともならない。これにより,ユーザが表裏の整頓作業をすることなく,印刷時の妨げともならないで裏紙の整頓作業を行うことのできる画像形成装置200が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,画像形成装置200は,カラーコピー機に限らない。プリンタ,FAX,その他の画像を形成する装置に適用することができる。また,カラーに限らない。また,現像剤の種類にもよらない。さらには,トナーでなくインクを用いる方式のものであってもよい。また,センサ161,162は,光学式に限らない。そして,裏紙のみが給紙カセットに載置される場合には,センサ161,162は一方のみであってもよい。
(第3の実施形態)
以下に,第3の実施形態について説明する。本形態における画像形成装置300の機械的構成は,第1の実施形態とほぼ同様である。第1の実施形態と異なる点は,後述するように機密情報を消去する機密情報消去装置を有する点である。
1.機密情報の消去機構
本形態の画像形成装置300における機密保持機構について図10により説明する。本形態の画像形成装置300は,第1の実施形態の画像形成装置100の他に機密情報消去装置340を有するものである。機密情報消去装置340は,裏紙における印字済みの面の画像を消去するための情報消去部である。
機密情報消去装置340は,裏紙における印字済みの面の画像を判読不可能とするためのものである。つまり,完全に画像を消去しなくとも,何が描かれていたかを判読できないようにすることができれば充分である。よって,機密情報消去装置340は,例えば,芯金にサンドペーパーを巻き付けたローラであればよい。また,印字済みの面にインクを吹き付けるようなものであってもよい。
本形態の画像形成装置300は,機密情報を消去するモードが設定できるようになっている。初期設定として,機密情報を消去するモードに設定しておいてもよい。本形態では,このように機密情報を消去するモードになっている場合に,機密情報消去部により印字済みの画像を判読不可能とするものである。
機密情報消去装置340は,機密情報を消去する処理を行うときのみ,用紙搬送経路114を通過する用紙の機密情報記載面に接するものである。このため,機密情報消去装置340には,用紙の一方の面と接するような位置と,用紙の用紙搬送経路114から離れた位置との二つの位置の間を相互に移動できるようになっている。そしてその移動はピニオンやラックなど公知の手段を用いればよい。
また,画像形成装置300は,制御部350を有している。制御部350は,画像形成における各装置の動作を制御する他,後述するように裏紙の表裏整頓制御について各部に指令する表裏整頓制御部としての役割も兼ねているものである。そして,機密情報消去処理についても指令する役割を担うものである。さらに,表裏整頓制御を行う開始時刻を設定するための開始時刻設定部も兼ねている。
2.機密情報の消去方法
ここで,本形態の画像形成装置300における裏紙の機密情報を消去する方法について図11により説明する。まず,給紙カセット172から用紙Pを一枚だけ用紙搬送経路114に送り出す。次に,センサ161が用紙Pの第1面に印字されているか否かを判断する。それとともに,センサ162が用紙Pの第2面に印字されているか否かを判断する。これにより,第1面および第2面のそれぞれの印字状態を判別する。そしてそれらの情報は,制御部350に送出される。一方,用紙Pは,用紙搬送経路114aを図11中の矢印Lの向きに搬送される。
第1面が白紙面であり,第2面に画像があった場合,すなわち裏紙が正しい向きであった場合について図11により説明する。用紙搬送経路114aを通過した用紙Pは,図11中の矢印Lの向きに搬送されて用紙搬送経路114bに至る。このとき第1面である白紙面は,図11中左側を向く面である。そして,用紙搬送経路114bにあるときに,用紙を停止させる。図3は,用紙Pが停止したときの様子を示す図である。そして用紙を一旦停止させた後,用紙をそれまでの進行方向の反対方向,すなわち図11中の矢印Rの向きに搬送する。これは,用紙搬送経路114bに沿う箇所にあるローラ192が逆回転することにより行われる。
このとき,白紙面は,図11中の左方向を向いている。そして機密情報を印字されている面は,図11中の右方向を向いている。すなわち,機密情報消去装置340が設けられている側である。したがって,機密情報消去装置340は,機密情報が印字されている面の画像を判読不可能にする。
続いて,給紙カセット171に配置された用紙Pの図11中上側の面が白紙面となるように用紙Pを配置する。つまり,印刷面である白紙面が上側を向くように正しい向きで用紙Pが配置されるのである。図3及び段落[0042]で説明したのと同様である。
第2面が白紙面であり,第1面に画像があった場合,すなわち裏紙が逆向きであった場合について図11により説明する。用紙搬送経路114aを通過した用紙Pは,図11中の矢印Lの向きに搬送されて用紙搬送経路114bに至る。そして用紙Pは,用紙搬送経路114bを図11中の矢印Mの向きに搬送される。続いて,折り返し用ローラ119の箇所を図11中の矢印Nの向きに進行する。用紙Pは,図11中の上方に示した位置で,一旦停止する。そして,折り返し用ローラ119により,用紙Pは図11中の矢印Oの向きに搬送される。図5及び段落[0044]で説明したのと同様である。
その後用紙Pは,用紙搬送経路118に搬送される。用紙Pは,用紙搬送経路118を図11中の矢印Qの向きに搬送される。そして再び用紙搬送経路114に戻る。このとき,用紙Pは,用紙搬送経路114bを図11中の矢印Mの向きに搬送される。この後,用紙Pは,用紙搬送経路114bの箇所で再度搬送方向を反転される。このため,用紙Pは,用紙搬送経路114cを図11中の矢印Rの向きに搬送される。
このとき,白紙面は,図11中の左方向を向いている。そして機密情報を印字されている面は,図11中の右方向を向いている。すなわち,機密情報消去装置340が設けられている側である。したがって,機密情報消去装置340は,機密情報が印字されている面の画像を判読不可能にする。
次に,用紙Pは反転されたままの状態で給紙カセット171に搬送される。これにより,第2面が白紙面であった場合においても,白紙面が図11中上方を向くように給紙カセット171に用紙Pが配置される。
以上説明したように,用紙Pの整頓作業を行ったのと同様に,用紙Pの機密情報記載面が,給紙カセット171に搬送される前の状態において常に機密情報消去装置340の側を向くように搬送されるため,確実に機密情報を消去することができる。
3.機密情報の消去処理フロー
続いて,機密情報を消去する処理のフローについて図12により説明する。図12は本形態の画像形成装置300の行う機密情報処理の流れを説明するためのフローチャートである。まず,裏紙を整頓するための時間が指定されているか否かを判断する(S301)。裏紙を整頓するための時間が指定されていれば(S301:Yes),S302へ進む。そうでなければ(S301:No),S303に進む。
S302では,その時点における時刻が裏紙の整頓作業を指定した指定時間内であるか否かを判断する。時刻が指定時間内であれば(S302:Yes),S304に進む。そうでなければ(S302:No),機密情報を消去する処理を終了する。
S303では,最後に印刷されてから予め定めた一定時間を経過しているか否かを判断する。最後に印刷されてから予め定めた一定時間を経過していれば(S303:Yes),S304へ進む。そうでなければ(S303:No),機密情報を消去する処理を終了する。
S304では,制御部350が,整頓処理を実行するか否かを判断する。このとき,給紙カセット172に用紙Pの束が載置されており,給紙カセット171が満杯でなければ,裏紙の整頓処理を実行する。そうでなければ,裏紙の整頓処理を実行しない。したがって,前述した裏紙の整頓処理を実行する条件を満たしている場合には(S304:Yes),S305に進む。整頓処理を実行する条件を満たしていない場合には(S304:No),用紙Pの整頓処理を終了する。
S305では,機密情報を消去するか否かを判断する。ユーザにより設定された機密情報処理設定が,機密情報を消去するモードに設定されていれば(S305:Yes),S306へ進む。そうでなければ(S305:No),機密情報を消去する処理を終了する。
S306では,機密情報消去処理を行う。このとき,前述したように裏紙の向きは揃えられた状態となっている。このため,機密情報消去装置340は,機密情報記載面の画像を判読不可能にする。以上により,裏紙の機密情報が判読不可能なものとなった。本形態の裏紙の機密情報消去処理は,画像形成装置300の画像形成時を回避して行うものである。このため,従来のように機密情報消去処理と画像形成処理とを一体の処理として行うこととした画像形成装置に比べて印刷効率はよい。
ここで,本形態の画像形成装置300の変形例について説明する。本形態では機密情報消去装置340として,芯金にサンドペーパーを巻きつけたローラを用いた。しかし,サンドペーパー以外にその他のものを用いてもよい。用紙の機密情報記載面が判読不可能となればよいからである。また,上記以外のものに,補助ローラ等を設けてもよい。また,図8に示したように,給紙カセット172にレバー193を設けてもよい。また,図7に示したように,トレイ175a及びトレイ175bを設けてもよい。
ここで,別の変形例について説明する。画像の有無を検知するセンサは,センサ161のみ,あるいはセンサ162のみであってもよい。また,未整頓の用紙束を載置する給紙カセットおよび整頓済みの用紙束を載置する給紙カセットは,ユーザにより指定できるようになっていてもよい。また,裏紙載置用のトレイを別途設けるようにしてもよい。また,整頓指示部を有していてもよい。また,印字率の小さい用紙の面を白紙面とみなして取り扱うようにしてもよい。
4.まとめ
以上,詳細に説明したように,本実施の形態に係る画像形成装置300は,画像形成を行わないときに自動的に裏紙の整頓処理と機密情報消去処理とを行うようにした。そのため,ユーザが裏紙の整頓作業をする必要がない。また,機密情報が漏洩するおそれがほとんどない。また,印刷処理の妨げともならない。これにより,ユーザが表裏の整頓作業をすることなく,印刷時の妨げともならないで裏紙の機密情報消去処理を行うことのできる画像形成装置300が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,画像形成装置300は,カラーコピー機に限らない。プリンタ,FAX,その他の画像を形成する装置に適用することができる。また,カラーに限らない。また,現像剤の種類にもよらない。さらには,トナーでなくインクを用いる方式のものであってもよい。また,センサ161,162は,光学式に限らない。そして,裏紙のみが給紙カセットに載置される場合には,センサ161,162は一方のみであってもよい。