第1の発明は、便座の着座部に対応する形状の金属箔に線状ヒータを蛇行形状に貼着し、前記線状ヒータと前記線状ヒータに電力を供給するリード線は接続端子を介して接続する構成において、前記接続端子はヒータ線接続部とリード線接続部の間に略平面形状の放
熱部を一体に形成し、前記放熱部は絶縁体を介して前記金属箔に密接する構成とすることにより、線状ヒータで発熱した熱は、接続端子の放熱部より金属箔に伝達されるため接続端子の温度が低下し、線状ヒータおよびリード線との接続は長期間に亘り安定した状態で維持することができ、安全性と耐久性の高い便座ヒータを提供することができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、金属箔は2枚設置し、線状ヒータを挟み込んで貼着し、接続端子の放熱部は前記金属箔の少なくとも1枚に絶縁体を介して密接する構成とすることにより、線状ヒータから金属箔への熱伝達の効率が高まるため、便座ヒータ全体の均熱化が図れるとともに、接続端子の温度を低下することができ、より安定性と耐久性を向上することができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、前記金属箔および前記線状ヒータおよび前記接続端子を覆う防水絶縁体を備えたことにより、接続端子を含む便座ヒータ全体を防水構造とすることができ、より安全性と耐久性を向上することができる。
第4の発明は、少なくとも着座部を金属で形成した便座を備え、前記着座部の裏面に、第1〜第3のいずれか1つの発明の便座ヒータを貼着したことにより、安全性と耐久性の高い便座装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態に図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態における便座装置を便器上に設置した状態の外観の斜視図を示し、図2は便座装置110の構成を示す模式図である。
<1>便座装置の構成
図1に示すように、便座装置100は、本体200、便蓋300、便座400、リモートコントローラ500、人体検知センサ600により構成され、本体200、便蓋300、便座400は一体で構成され便器700の上面に設置される。
本体200には、便蓋300および便座400が便座便蓋回動機構(図示せず)を介して電動で開閉可能に取り付けられている。図1に示すように便蓋300を開放した状態においては、便蓋300は便座装置100の最後部に位置するように起立する。また、便蓋300を閉成すると便座400の上面を隠蔽する。
また、本体200には、図示しない洗浄水供給機構(図示せず)、熱交換器(図示せず)、洗浄ノズル201等からなる洗浄機構と、乾燥ユニット(図示せず)と、制御部(図示せず)等が内蔵される。
本体200の前面コーナー部には着座センサ202設置してある。この着座センサ202は反射型の赤外線センサであり、人体から反射された赤外線を検出することにより便座400上に使用者が存在することを検知する。また、本体200の側部には操作部203が設けてあり便座装置の主要な機能の操作が可能である。
また、洗浄水供給機構と熱交換器は洗浄ノズル201に接続されており、水道配管から供給される洗浄水を熱交換器で加熱することにより温水を洗浄ノズルに供給し、洗浄ノズルから使用者の局部に向けて洗浄水を噴出し、使用者の局部を洗浄するものである。洗浄ノズルはお尻を洗浄するお尻洗浄ノズル部と女性の局部を洗浄するビデノズル部を備えている。
また、乾燥ユニットは洗浄水により濡れた局部に向けて温風を噴出し、局部を乾燥することができる。
なお、洗浄機構と乾燥ユニットは便座装置の必須構成要素ではなく、これらの構成要素を具備しない便座装置でもよい。
リモートコントローラ500には、複数の操作スイッチが設けられている。リモートコントローラ500は便座400上に着座した使用者が操作可能なトイレルームの壁面等の場所に取り付けられ、便座装置100の各機能の操作を行う。
人体検知センサ600はトイレルームの壁面等に取り付けられる。人体検知センサ600は、反射型の赤外線センサであり、人体から反射された赤外線を検出した場合にトイレットルーム内に使用者が入室したことを検知する。
本体200の制御部は、リモートコントローラ500、人体検知センサ600および着座センサ202から送信される信号に基づいて、便座装置100の各部の動作を制御する。
本発明の便座装置100はトイレルームに使用者が存在しない場合は、便座ヒータへの通電を停止、もしくは20℃程度の低温に保温している。トイレルームに使用者が入室すると、人体検知センサ600からの信号を受け、便座ヒータに通電を行う。便座のヒータは800W程度の非常に高出力のヒータであり、使用者がトイレルームに入出してから便座に着座するまでの6秒から10秒程度の間に、便座着座面を40℃程度の適温に温める。便座が適温に達した後は、便座ヒータへの通電を50W程度の低ワットに下げ、適温を保つ。使用者がトイレ室内から出ると、便座ヒータへの通電を停止、もしくは20度程度の低温保温となる。つまり、トイレルームに使用者がいないときの電力を大幅に削減した便座装置である。
<2>便座400の構成
図2は便座400の組立状態の斜視図を示し、図3は便座400の分解斜視図を示すものである。
図2および図3に示すように、便座400は、主としてアルミニウムにより形成された略楕円形状の環状の上部便座ケーシング410と、上部便座ケーシング410の裏面に粘着した略馬蹄形状の便座ヒータ450および合成樹脂により形成された略楕円形状の環状の下部便座ケーシング420を主構成部品として構成されている。
以下、着座した使用者から見て前方側を便座400の前部とし、着座した使用者から見て後方側を便座400の後部とする。
上部便座ケーシング410は、厚さ約1mmのアルミニウム板をプレス加工等により成形し、表面および裏面には絶縁性を有する耐熱性を有するポリエステル粉体塗装膜が形成されている。ピンホールの生じにくい粉体塗装を採用することで、絶縁性能を向上することができる。
なお、アルミニウム板の代わりに銅やステンレス等の板材あるいはマグネシウム合金の成型品等の熱伝導の良い他の金属を使用してもよい。また、アルミニウム板に施される表面処理は上記仕様に限定されるものではなく、他の化学的な処理やアクリル系やウレタン系の塗料を使用した他の塗装等も選択可能である。
上部便座ケーシング410は略楕円形の環状の着座面411の後部に起曲部412が連続して形成されている。着座面411は内周部より外周部が高い傾斜を有する上方に凸の曲面を成している。前記着座面411の側部における内周部と外周部との高低差は約25mmであり、前部はこれより小さくなっている。
起曲部412と着座面411と連続的な凹曲面で繋がっており、上部は傾斜面となっている。起曲部412の上縁412aは水平線に近い大きな曲線となっており、起曲部412の幅は着座面411の横幅と略同寸法となっている。着座面411の後部における内周部と起曲部412の上縁412aとの高低差は約80mmであり、起曲部412の高低差は着座面411側部の高低差の約3.2倍となっている。
便座ヒータ450は、前部の一部が切り取られた略馬蹄状に形成されている。便座ヒータ450は、アルミニウムからなる2枚の金属箔の間に、線状ヒータを蛇行させて配設して構成されている。便座ヒータ450は着座面411と起曲部412を加熱できるように線状ヒータを配設あり、特に着座した使用者の大腿部と臀部が快適に加熱されるように場所によって密度を変えて配設してある。
下部便座ケーシング420は樹脂材料を使用した成型品であり、平面形状が上部便座ケーシング410と略同形状の本体部421と、本体部421の両側後方に斜め上方に突出した腕部422で構成されている。上部便座ケーシング410と下部便座ケーシング420は内周部および外周部で結合し、結合部には水密手段が施されている。
上部便座ケーシング410の裏面には便座ヒータ450を粘着し、下部便座ケーシング420を結合した便座400は、図2に示すように後部に腕部422を備えており、腕部422を本体200の便座便蓋回動機構(図示せず)に結合することにより、回動自在に枢支されている。
<3>便座ヒータの基本構成
図4は便座ヒータを上部便座ケーシングに貼着した状態の下面図を示し、図5は便座ヒータの平面図を示すものである。
図4に示すように、上部便座ケーシング410の裏面のほぼ全面に便座ヒータ450が粘着固定されており、便座ヒータ450の後部表面には温度過昇防止装置として、サーモスタット450Qと、温度ヒューズ450Rが設置してある。また側部表面には、便座ヒータ450を便座400の着座部411の温度に基づいてフィードバック制御するための便座温度検知用のサーミスタ401aは金属箔453の表面側に貼り付けてある。
上部便座ケーシング410の外周部には安全性を確保するアース線480が接続してある。
図5に示すように、便座ヒータ450は、前部の一部が切り取られた略馬蹄状に形成される。便座ヒータ450の基本構成は、アルミニウムからなる2枚の金属箔451、453の間に線状ヒータ460を蛇行形状に配設したものである。
図5に示すように、線状ヒータ460は、金属箔の中央部SE3から金属箔一方端部SE1までの領域および金属箔の中央部SE3から金属箔の他方端部SE2までの領域において上部便座ケーシング410の形状に合わせて左右方向に蛇行する蛇行形状に配設される。線状ヒータ460は、蛇行形状の曲げ部が上部便座ケーシング410の外側の側辺および内側の側辺の近傍に位置するように配置される。
具体的には、線状ヒータ460が便座ヒータ450の後部の一方側から金属箔451、453の一方端部SE1の近傍まで左右に蛇行しながら延びることにより第1系列Aの蛇行形状が形成される。また、線状ヒータ460が金属箔451、453の一方端部SE1の近傍から左右に蛇行しながら金属箔451、453の中央部SE3の近傍を経由して金属箔451、453の他方端部SE2の近傍まで延びることにより第2系列Bの蛇行形状が形成される。さらに、線状ヒータ460が金属箔451、453の他方端部SE2の近傍から金属箔451、453の中央部SE3の近傍を経由して便座ヒータ450の後部の一方側まで延びることにより第1系列Aの蛇行形状が形成される。
図5に示すように第1系列Aの蛇行形状の線状ヒータ460と第2系列Bの蛇行形状の線状ヒータ460とはほぼ平行に配列される。第1系列Aおよび第2系列Bの蛇行形状の線状ヒータ460はヒータ始端部460aからヒータ終端部460bまで連続している。
線状ヒータ460のヒータ始端部460aおよびヒータ終端部460bは、後述の接続端子を介して便座部400の後部の一方側から引き出されるリード線470にそれぞれ接続される。
本例では、線状ヒータ460は、便座ヒータ450の内側の側辺の近傍および外側の側辺の近傍に曲げ部が位置する蛇行形状を有する。それにより、曲げ部間の間隔が短い。したがって、熱膨張および熱収縮に起因する長さ変化が小さくなるので、たとえ線状ヒータ460が伸縮しても曲げ部で伸縮による歪が吸収および緩衝される。その結果、線状ヒータ460の熱膨張および熱収縮に起因するストレスが小さくなり、長期間の使用での破損を抑制することができる。
また、線状ヒータ460の熱的伸縮が小さいので、金属箔451、453に対する密着性を長期間良好に維持することができる。それにより、便座ヒータ450の加温を効率的にかつ確実に行うことができる。
また、曲げ部の長さおよび曲げ部間の間隔は、任意に調整することができる。それにより、便座ヒータ450の加熱分布を調整することができる。
例えば、便座ヒータ450の外側および内側の側辺近傍の加熱密度が便座ヒータ450の中央部の加熱密度よりも高くなるように、曲げ部の長さおよび曲げ部間の間隔を調整する。それにより、便座ヒータ450の全領域において均等な暖房温度を維持することができる。
また、第1系列Aの蛇行形状の線状ヒータ460での電流の向きが第2系列Bの蛇行形状の線状ヒータ460での電流の向きと逆になる。それにより、線状ヒータ460から発生する電磁波が互いに打ち消される。その結果、ノイズの発生が防止される。
また、図10に示すように便座ヒータ450の後部には線状ヒータ460が高い密度で蛇行する検温部450Tが形成される。検温部450Tには、温度過昇防止のためのバイメタルを用いた復帰型のサーモスタット450Qが設けられる。便座ヒータ450が想定外の異常温度になると、復帰型のサーモスタット450Qが開くことにより、一時的に通電が停止される。なお、サーモスタットの取付方法の詳細は別途後述する。
また、便座ヒータ450の後部には、サーモスタット450Qのバックアップ機能として温度シューズ450Rが設置してある。
温度ヒューズ450Rは防水と絶縁のためにチューブで密閉して便座ヒータ450の後部に粘着テープで仮固定しておく。一方、ばね材で形成した温度ヒューズ固定具を便座400の下部便座ケーシング420に設けておき、上部便座ケーシング410と下部便座ケーシング420を組み付けることにより、温度ヒューズ固定具の弾性で温度ヒューズ450Rを便座ヒータ450に密着し、温度を正確に検知することができる。
便座ヒータ450が想定外の異常温度になると、復帰型のサーモスタット450Qが開くことにより、一時的に通電が停止される。また、復帰型のサーモスタット450Qが故障等を起こすことにより、便座ヒータ450が危険温度に達しようとすると、非復帰型の温度ヒューズ450Qが溶断することにより、電力の供給が完全に遮断される。
<4>便座ヒータの詳細な構成
図6は上部便座ケーシング410に取り付けた便座ヒータ450の断面図を示す模式図である。
図6に示すように、上部便座ケーシング410は、厚さ1mmのアルミニウム板410aにより形成される。アルミニウム板410aの上面には、ポリエステル粉体塗装による表面化粧層410bが形成される。表面化粧層410bの上面が着座面411となる。また、アルミニウム板410aの下面には、耐熱塗装絶縁層410cが形成される。耐熱塗装絶縁層410cは、例えば膜厚100μmおよび150℃の耐熱性を有するポリエステル粉体塗装膜で絶縁被覆層としての効果を有している。
耐熱塗装絶縁層410cの下面には粘着層452cを介して便座ヒータ450が貼着してある。
耐熱塗装絶縁層410cに対向する便座ヒータ450の上面側には、まず150℃の耐熱性を有する膜厚12〜25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなる便座絶縁フィルム455が配設してある。
次に、2枚の金属箔451、453が配設してあるが、金属箔451、453はアルミシート451a、453aと樹脂フィルム451p、453pを一体にラミネートした金属箔ラミネートシートを用い、便座絶縁フィルム455に対向して粘着層452aを介して樹脂フィルム451pを設け、アルミシート451a、粘着層452b、アルミシート453a、樹脂フィルム453pの順に配設してある。
金属箔453の樹脂フィルム453pの下面側には、粘着層452dを介してポリエチレンテレフタレート(PET)からなる防水絶縁フィルム471が配設してある。
便座絶縁フィルム455と防水絶縁フィルム471は金属箔451、453のほぼ全周に亘って外形よりも周囲が略5mm以上大きい外形となっており、便座ヒータ450の全周部は便座絶縁フィルム455と防水絶縁フィルム471が粘着層452dを介して直接貼着して防水絶縁体を形成しており、金属箔451、453および後述の線状ヒータ460は密閉された防水絶縁体に覆われており、例え便座400内部に浸水した場合でも便座ヒータ450の充電部まで浸水することを防止し漏電することがない。
特に、外周部の5mmという距離は、万が一線状ヒータ460が絶縁破壊した場合に充電部となりうる金属箔451、453の端面と上部便座ケーシング410のアルミニウム板410aとの絶縁距離を十分に保ち、人体が直接接触する着座面411との絶縁距離を確保している。
金属箔451、453の間には線状ヒータ460が配設してあり、線状ヒータ460は粘着層452bを介してアルミシート453aに貼着固定してある。
線状ヒータ460は、断面円形の発熱線463a、エナメル層463bおよび絶縁被覆層462により構成される。断面円形の発熱線463aの外周面がエナメル層463bおよび絶縁被覆層462で順に被覆される。発熱線463aおよびエナメル層463bによりエナメル線463が構成される。
発熱線463aは、0.16〜0.25mmの直径を有し、銅または銅合金からなる。本例では、発熱線463aとして、直径0.168mmの4%Ag−Cu合金からなる高抗張力型ヒータ線が用いられる。抵抗値は0.88Ω/mである。
エナメル層463bは、180〜300℃の耐熱性を有するポリエステルイミド(PEI)からなる。エナメル層463bの膜厚は、20μm以下であり、本例では12〜13μmである。このようなエナメル線463は、エナメル層463bの膜厚が極薄い0.01〜0.02mm程度であっても、電気用品技術基準である1000Vで1分間以上の電気絶縁耐圧性能を十分確保することができる。また、エナメル層463bの材料として、ポリイミド(PI)またはポリアミドイミド(PAI)を用いてもよい。
絶縁被覆層462は、260℃の耐熱性を有するパーフロロアルコキシ混合物(以下PFAと称する)等のフッ素樹脂からなる。絶縁被覆層462の厚みは、0.1〜0.15mmである。PFAからなる絶縁被覆層462の形成は、押出し加工により行うことができる。この場合、絶縁被覆層462の厚みが0.05〜0.1mmと薄くても、雷サージにも耐える電気絶縁耐圧性能を確保することができる。
そして、金属箔451、453が線状ヒータ460の全外周に密着して覆うように形成することによりもっとも効率よく発熱を伝達させることができる。もし仮に線状ヒータ460の周囲(金属箔との間)に空気層が存在した場合、線状ヒータ460から発せられた熱の放熱が阻害され、ヒータ線温度が上昇してしまう。この時ヒータ線温度がエナメル層463bおよび絶縁被膜層462の耐熱温度を超えると被覆材料の劣化が進行して絶縁性が破壊され、最終的には発熱線463aの断線に至ってしまう。そのため、便座ヒータ450の製造過程において、金属箔451の要所に空気抜き孔を設け、金属箔451、453間に滞留する空気を排除し、金属箔451、453と線状ヒータ460とのが密着するように配慮している。
本構成では線状ヒータ460をアルミの金属箔451、453に密着して配設している。これは線状ヒータ460を熱伝導性の優れた金属に密着させることで、線状ヒータ460の温度が上がることを防いでいる。これにより耐久性能が向上する。
また、線状ヒータ460は通電時に100℃を越える高温となるため、ヒータ線近傍の粘着材は耐熱性に優れたものを選定する必要がある。
<5>線状ヒータ460とリード線470との接続方法
図7は、便座ヒータ450に線状ヒータ460とリード線470を接続状態を示すため接続端子の上部を覆う接続カバー等の絶縁および防水部材を取り除いた状態を示す平面図であり、図8は、線状ヒータ460とリード線470との接続部の断面を示す模式図である。
図7および図8に示すように、線状ヒータ460とリード線470の芯線は接続端子461を介して接続されている。接続端子461は平面形状が略L字状で、その一方の端部
は線状ヒータ460と接続するU字形状に折曲されたヒータ線接続部461aが、L字状のコーナー部にはリード線を挿入して保持する円筒形状のリード線保持部461bが、他方の端部にはリード線470を接続する円筒形状に形成されたリード線接続部461cが形成してある。ヒータ線接続部461aとリード線保持部461bとは略平板状の放熱部461dを介して一体に形成してある。
線状ヒータ460と接続端子461との接続方法は、線状ヒータ460の先端部をヒータ接続部461aに挿入し、ヒータ線接続部461aを一対の電極で挟み込み、押圧しつつ端子471および線状ヒータ460に電流を供給する。それにより、絶縁被覆層462および線状ヒータ460のエナメル層463bが溶融する。その結果、線状ヒータ460の発熱線463aが接続端子461に接触する。
リード線470と接続端子461との接続は、リード線470の芯線をリード線接続部461cに挿入して熱カシメによりで接続する。
次に、接続端子461の熱を金属箔451を介して放熱する構成、および金属が暴露している接続端子461の絶縁を確保する構成を説明する。
図8に示すように、接続端子461の裏面側は、接続端子461の放熱部461dがPETフィルムからなる端子絶縁フィルム456を介して便座ヒータ450の金属箔451のアルミシート451aに密接するように配設してある。金属箔451は便座ヒータの詳細な構成で記述したように粘着層452a、便座絶縁フィルム455、粘着層452cを介して上部便座ケーシング410に貼着してある。
一方、接続端子461の表面側は、接続端子461およびリード線470が収納できる形状に成型したポリカーボネートからなる絶縁カバー457で覆い、さらにその外側は粘着層452dを介してアルミシート458aと樹脂フィルム458pからなる金属箔458で覆っている。また、金属箔458の外側は絶縁および防水性能を備えたブチルゴムからなる防水カバー459で覆っている。防水カバー459の外周部は便座絶縁フィルム455および防水絶縁フィルム471に粘着しており、防水カバー459と便座絶縁フィルム455および防水絶縁フィルム471で形成される防水絶縁体により接続端子461は防水構造を成している。
絶縁カバー457は、線状ヒータ460の耐久性を考慮すると、厚さは薄い方が金属箔458への放熱が優れるため薄いほうがよい。しかしながらリード線470の素線や接続端子461のバリによりピンホールが生じない厚みが必要であることから、厚さは0.1mmから0.3mm程度が好ましい。
このように、接続端子461は金属箔451、453に挟み込まれた線状ヒータ460の配設部とは異なり、接続端子461は一方の金属箔451にのみ接触する構造であるが、接続端子461に略平板上の放熱部461dを設けて接触面積を拡大することにより放熱性能を向上することができで、発熱線463aの局部過熱および断線が防止され、便座ヒータ450の均熱性が確保される。
端子絶縁フィルム456および絶縁カバー457は接続端子461相互間および接続端子461と金属箔451、453との距離を5mm程度確保する構成とした。絶縁距離が3mm程度あれば絶縁性能を確保できるが取り付けのバラツキを考慮すると5mm程度の距離が必要となる。一方で絶縁物上の線状ヒータ460が長くなると放熱性能が悪化し局部発熱を起こし、断線にいたる。線状ヒータ460の断熱性および絶縁性を考慮すると5mm程度が適している。
さらに、線状ヒータ460の発熱線463aおよびリード線470と接続端子461とが熱カシメにより接続されるので、薄く確実な電気的接続が実現される。また、発熱線463aの浮き上がりが防止されるので、発熱線463aの局部過熱および断線が防止される。
なお、便座400の安全性確保のために、本実施の形態における便座装置100には2つの安全回路が内蔵されている。1つの安全回路は、便座ヒータ450の絶縁破壊検知回路であり、他の1つの安全回路は、便座ヒータ450の断線検出回路との間に接続されている。いずれの安全回路も便座ヒータ450に異常が発生したときに使用者の感電を防止するために用いるものである。
図7に示すように、接続端子461の近傍には、前記絶縁破壊検知回路の検知線481を金属箔451に接続してある。
<6>サーモスタットの取付構造
図9は便座ヒータにサーモスタット設置した状態の要部斜視図を示し、図10はサーモスタットの取付構造を示す分解斜視図を示し、図11はサーモスタットの取付構造の断面を示す模式図である。
図10に示すように、便座ヒータ450の後部の片側に線状ヒータ460が高い密度で蛇行する検温部450Tが形成してある。検温部450Tの両側には所定の間隔を開けて取付孔492が設けてある。検温部450Tには、過昇防止装置としてバイメタルを用いた復帰型のサーモスタット450Qが設けられる。
便座ヒータ450は前述の通り便座絶縁フィルム455および防水絶縁フィルム471で密閉された構成となっており、浸水を防止する構成となっている。取付孔492も同じ構成を採用している。便座絶縁フィルム455および防水絶縁フィルム471にあけられた取付孔492は金属箔451、453の貫通孔450Uの口径よりひと回り小さい。本実施の形態においては、金属箔451、453の貫通孔450Uの直径が13mmとし、便座絶縁フィルム455および防水絶縁フィルム471取付孔492は直径6.5mmとした。
このような寸法関係をとることにより便座ヒータ450上下から便座絶縁フィルム455および防水絶縁フィルム471を粘着することで、金属箔451、453の貫通孔450Uの端面の暴露を防ぐことができる。貫通孔450Uに対し便座絶縁フィルム455および防水絶縁フィルム471の取付孔492の寸法は直径で6mm以上小さくする事が望ましい。これは、防水性を担保するには最低でも3mmの接着代が必要であり、作業バラツキ、部品寸法のバラツキを考えるとできるだけ大きい接着代が確保できれば安定した量産が可能となる。
便座ヒータ450裏面側(便座400の着座部410側)にはサーモスタット固定具490を設置する。サーモスタット固定具490は厚み0.3〜0.5mmのアルミ板を加工して形成しており、その両側部には便座ヒータ450の取付孔492の配設ピッチと同じ間隔で固定突起490aが設けてある。固定突起490aはサーモスタット固定具490のアルミ板をバーリング加工により外径が直径5.8mmで、高さが2.5mmの円筒状に切り起こして一体に形成してある。また、固定突起490aの周囲には略円形の凸部490bが形成してある。
便座ヒータ450の表面側には、サーモスタット450Qをサーモスタット保持具491を介して設置する。サーモスタット保持具491は、アルミ板をプレス加工等により形
成したものであり、中央にサーモスタット450Qを保持する円形孔のサーモスタット保持部491aが設けてあり、その両側には固定孔491bが設けてある。サーモスタット保持部491aはサーモスタット450Qの後端部からはめ込んで、先端の感熱部の全周を保持することができる形状となっており、固定孔491bは前記サーモスタット固定具490の固定突起490aと同ピッチで配設してあり、固定突起490aが挿入可能な大きさとなっている。
図11は、上記各部品を組み付けた状態の断面図を示すものであり、図に示すように各部品を組み付けた状態で固定突起490aをかしめることにより、サーモスタット450Qは便座ヒータ450に確実に固定することができ、サーモスタット450Qの先端部の感熱部は便座ヒータ450の検温部450Tに密着して固定される。また、固定突起490aの周囲に設けた凸部490bにより便座絶縁フィルム455と防水絶縁フィルム471の密着性が良くなるため防水性が向上する。
また、便座ヒータ450からサーモスタット固定具490に伝わる熱を遮断するために、サーモスタット固定具490と便座ヒータ450の間に断熱シート493を介装している。これにより便座ヒータ450で発生した熱がサーモスタット固定具490の方へは熱が伝わりにくく、サーモスタット450Qに伝わる熱が増えるため、動作が速くなる。
<7>便座ヒータに関する効果
以上のように、本実施の形態における便座ヒータは、便座絶縁フィルム455と防水絶縁フィルム471により、充電部である線状ヒータ460や接続端子461と、異常時に電流が流れる可能性がある金属箔451、453が密閉された構成となっており、例え便座400内部に浸水した場合でも便座ヒータ450の充電部まで浸水することを防止し漏電することがない。また、異常時に金属箔451、453に電流が流れた場合でも便座の着座部に漏電することはなく使用者は安全に使用することができる。
また、本実施の接続端子は、その放熱部が金属箔451に密接し、線状ヒータ460からの熱を金属箔451に放熱するため、接続端子の温度上昇を抑制することができるため、線状ヒータ460とリード線470の安定した接続状態を長期間に亘って維持することができるものである。