JP5028728B2 - 故障診断装置、故障診断システム、および故障診断プログラム - Google Patents

故障診断装置、故障診断システム、および故障診断プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5028728B2
JP5028728B2 JP2001263234A JP2001263234A JP5028728B2 JP 5028728 B2 JP5028728 B2 JP 5028728B2 JP 2001263234 A JP2001263234 A JP 2001263234A JP 2001263234 A JP2001263234 A JP 2001263234A JP 5028728 B2 JP5028728 B2 JP 5028728B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
failure
repair
knowledge
customer
diagnosis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001263234A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003076549A (ja
Inventor
真紀 岸根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2001263234A priority Critical patent/JP5028728B2/ja
Publication of JP2003076549A publication Critical patent/JP2003076549A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5028728B2 publication Critical patent/JP5028728B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、故障の症状を訴える顧客からの情報に基づき設備・機器等の故障を診断する故障診断装置、故障診断システム、および故障診断プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、設備・機器等の修理の依頼を電話等で受け付けるコールセンタなどを設置し、顧客からの故障の症状についてヒヤリングを行うことにより故障を診断し、その診断結果に基づき訪問修理を行うようにした故障診断システムが普及しつつある。この訪問修理を行うにあたっては、修理費用の面から、いかに短時間で修理できるかが重要な課題である。特に、人件費の面から、1回の訪問修理で修理を完了させることが肝要である。
【0003】
しかし、以下に示すように、故障修理時間の短縮化を阻害する多くの要因がある。
(1)顧客からの修理依頼を受け付ける際に、問診が正確に行われていないことが多く、故障原因、故障個所を正確に特定できないことが多い。そのため、事前に、訪問修理に必要な部品を特定することができず、現場での部品不足により再訪問になることが多い。
(2)顧客からの問診により故障原因、故障個所を突き止め、故障部品を特定するには、設備・機器に通暁したベテランのフィールドエンジニア・専門家のノウハウが必要であり、修理受付時点でフィールドエンジニア・専門家による問診を行うことができれば理想的であるが、実際上、フィールドエンジニア・専門家を常時コールセンタに配置しておくことは難しい。
(3)上記の理由により、コールセンタには、特に修理に関するスキルを持たない一般の担当者を一次受付オペレータとして配置しておき、一次受付でヒヤリングした内容からでは的確な診断ができなかった場合に、フィールドエンジニア・専門家から顧客にコールバック問診を行い、適切な問診による診断を行うという方法が採られることが多い。しかし、この方法では、フィールドエンジニア・専門家のノウハウが一次受付オペレータにフイードバックされることがないため、ベテランのノウハウがその場かぎりになってしまう。
(4)修理を依頼する顧客の個人差が大きく、同じ症状を訴えるにも電話での話し方にばらつきがあるため、一次受付オペレータが故障の症状を正確に把握できない場合がある。特に、方言が問診による診断の障碍となることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の故障診断には多くの問題があり、その解決策が種々検討されているが、その一つとして、予め故障の症状をコード化しておき、一次受付オペレータがコード一覧表を見ながら故障診断を行うという方法が採用されている。しかし、この方法にも、故障の種類が複雑多岐にわたる場合には、コード一覧表の中から的確な症状を選択する操作は煩雑であり、一次受付オペレータは、予めそのコード一覧表を覚えておかないと迅速かつ的確な受付ができないなどという問題がある。
【0005】
そこで、例えば、特開平9−73315号公報には、設備に発生した故障に関する事例を、症状、原因、処置、および処置の評価に分けて、自然言語による自由構文の文章として入力し、入力された事例文章からキーワード事例を抽出するようにした設備故障診断装置が開示されている。
【0006】
また、特開平11−96179号公報には、上記装置の改良技術として、顧客からの製品に対する技術的問い合わせや苦情などの要求があった時、これらの要求の内容や要求に応答する情報を、要求の種類(問い合わせ、または苦情など)毎に分類して格納しておくとともに、顧客からの要求があった時に、要求の内容を複数のキーワードにより検索した後、この要求に応答する情報を顧客に提供するシステムが開示されている。
【0007】
また、特開平10−240536号公報には、顧客から通知された症状や顧客から得られる回答と、これらの症状や回答に対応して顧客に行う質問とを対応づけて事例ベースとして記録しておき、顧客からの相談を受け付けた時点で問題点に対する解決策を対話的に絞込み顧客に提示するという事例検索装置が開示されている。
【0008】
上記の特開平9−73315号公報のように、自然言語の文章の形で故障事例を入力する方式を採用すれば、方言にも対応できるという利点もあり故障事例の知識の収集が容易になることが想定され、また、特開平11−96179号公報のように、顧客からの要求をその種類毎に分類して処理する方式を採用することにより、検索の対象となる情報を絞り込んだ後に検索が行われるので検索に要する時間を短縮することができ、また、特開平10−240536号公報のように、問題点に対する解決策を対話的に絞り込む方式を採用することにより、事例検索の効率の向上が期待される。
【0009】
しかし、故障診断装置の対象となる設備・機器の種類が増加し、その構造が複雑化し、機種や仕様が多様化するにつれて、故障事例の収集、整理、検索などの点から、従来の故障診断装置では、的確な故障診断を短時間で行うことはますます困難となりつつある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、修理を受け付けてから短時間で故障を診断できる故障診断装置、故障診断システム、および故障診断プログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の故障診断装置は、
故障の症状に関連する文言と、その文言を得たときの次の問診項目とが対応付けられてなる知識が記録される知識ベースと、故障の症状を訴える顧客の文言および質問に対する回答を表す顧客の文言が入力され、入力された文言を基に上記知識ベースを検索して次の問診項目を得る手順を順次繰り返して顧客の文言と質問との一覧を作成する第1の診断部と、上記第1の診断部で作成された一覧中の質問に対する追加質問と上記追加質問に対する顧客の回答としての文言との一覧を作成する第2の診断部と、上記第2の診断部で作成された一覧を基に上記知識ベースに記録された知識を更新する知識更新部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の故障診断装置によれば、上記の第1の診断部、第2の診断部、および知識更新部により、一次受付オペレータおよびフィールドエンジニア・専門家による日常操作のみで、知識ベースの構築処理を特に行うことなしに、整理されたノウハウが時間と共に成長を続ける自己成長型の知識ベースを自動的に構築することができる。従って、初めての故障事例でも、フィールドエンジニア・専門家のノウハウが知識ベースに反映されることになるので、次回からは一次受付オペレータや他のフィールドエンジニア・専門家に対しても故障の症状とそれに対応する故障内容および修理部品が的確に通知されるようになる。そのため、フィールドエンジニア・専門家による問診コールバックの頻度が減り、たとえ問診コールバックが発生してもフィールドエンジニア・専門家の問診項目が知識ベースに反映されるので、顧客からの修理依頼の受付から修理完了までの所要時間は大幅に短縮される。
【0013】
ここで、上記知識ベースは、上記文言と上記問診項目とに加え、さらに故障内容と、故障修理に要する修理部品とが対応付けられた知識が記録されるものであり、上記第1の診断部および上記第2の診断部のうちの少なくともその第2の診断部は、顧客の文言と顧客への質問とを基に上記知識ベースを検索して故障内容および修理部品の情報を得るものであることが好ましい。
【0014】
本発明の故障診断装置をこのように構成した場合は、フィールドエンジニア・専門家が、訪問修理の前に正確な故障内容と修理部品を把握することができるので、現場での部品不足による再訪問がさらに減少する。
【0015】
また、本発明の故障診断装置が、故障修理後の故障内容と故障修理に要した修理部品を表す情報が入力される修理報告入力部を備え、上記知識更新部が、上記修理報告入力部からの故障内容および故障修理の情報を上記知識ベース中の知識に反映させるものであることが好ましい。
【0016】
本発明の故障診断装置をこのように構成した場合は、フィールドエンジニア・専門家は、訪問修理の前に、より正確な故障内容と修理部品を把握することができるので、現場での部品不足による再訪問がさらに減少する。
【0017】
また、上記知識ベースは、上記文言として自然言語で記述された文言が記録されてなるものであって、上記第1の診断部および上記第2の診断部は、自然言語としての顧客の文言が入力されるものであることが好ましい。
【0018】
本発明の故障診断装置をこのように構成した場合は、自然言語検索エンジンによる知識検索により、技術スキルのない一次受付オペレータでも、顧客の話した自然言語での入力、検索、および表示された問診項目に従っての顧客への質問を繰り返すことにより、顧客の種々雑多な表現からでもフィールドエンジニア・専門家と同様のヒアリングを行って的確な診断を得ることができる。また、各種の方言にも対応できるので、修理依頼の受付から修理完了までの所要時間はさらに短縮する。
【0019】
さらに、上記知識ベースは、上記第1の診断部による検索を受け、上記知識を構成する文言と検索の基になる文言との類似度を判定し、上記知識を構成する文言のうちの検索の基になる文言との間の類似度の高い文言に対応付けられた問診項目を上記第1の診断部に提示するものであることが好ましい。
【0020】
本発明の故障診断装置をこのように構成した場合は、自然言語検索エンジンを用いた類似度判定に基づく知識ベース検索により、種々雑多な表現から、より的確な診断を下すことができ、また、各種の方言にも一層よく対応できるので、修理依頼の受付から修理完了までの所要時間をさらに短縮することができる。
【0021】
また、上記目的を達成する本発明の故障診断システムは、
故障の症状に関連する文言と、その文言を得たときの次の問診項目とが対応付けられてなる知識が記録される知識ベースと、故障の症状を訴える顧客の文言および質問に対する回答を表す顧客の文言が入力され、入力された文言を基に上記知識ベースを検索して次の問診項目を得る手順を順次繰り返して顧客の文言と質問との一覧を作成する第1の診断部と、上記第1の診断部で作成された一覧中の質問に対する追加質問と上記追加質問に対する顧客の回答としての文言との一覧を作成する第2の診断部と、上記第2の診断部で作成された一覧を基に上記知識ベースに記録された知識を更新する知識更新部とを備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明の故障診断システムによれば、上記の第1の診断部、第2の診断部、および知識更新部により、一次受付オペレータおよびフィールドエンジニア・専門家による日常操作のみで、知識ベースの構築処理を特に行うことなしに、整理されたノウハウが時間と共に成長を続ける自己成長型の知識ベースを自動的に構築することができる。従って、初めての故障事例でも、フィールドエンジニア・専門家のノウハウが知識ベースに反映されることになるので、次回からは一次受付オペレータや他のフィールドエンジニア・専門家に対しても故障の症状とそれに対応する故障内容および修理部品が的確に通知されるようになる。そのため、フィールドエンジニア・専門家による問診コールバックの頻度が減り、たとえ問診コールバックが発生してもフィールドエンジニア・専門家の問診項目が知識ベースに反映されるので、顧客からの修理依頼の受付から修理完了までの所要時間は大幅に短縮される。
【0023】
ここで、上記知識ベースは、上記文言と上記問診項目とに加え、さらに故障内容と、故障修理に要する修理部品とが対応付けられた知識が記録されるものであり、上記第1の診断部および上記第2の診断部のうちの少なくともその第2の診断部は、顧客の文言と顧客への質問とを基に上記知識ベースを検索して故障内容および修理部品の情報を得るものであることが好ましい。
【0024】
本発明の故障診断システムをこのように構成した場合は、フィールドエンジニア・専門家が、訪問修理の前に正確な故障内容と修理部品を把握することができるので、現場での部品不足による再訪問がさらに減少する。
【0025】
また、本発明の故障診断システムが、故障修理後の故障内容と故障修理に要した修理部品を表す情報が入力される修理報告入力部を備え、上記知識更新部が、上記修理報告入力部からの故障内容および故障修理の情報を上記知識ベース中の知識に反映させるものであることが好ましい。
【0026】
本発明の故障診断システムをこのように構成した場合は、フィールドエンジニア・専門家は、訪問修理の前に、より正確な故障内容と修理部品を把握することができるので、現場での部品不足による再訪問がさらに減少する。
【0027】
また、上記知識ベースは、上記文言として自然言語で記述された文言が記録されてなるものであって、上記第1の診断部および上記第2の診断部は、自然言語としての顧客の文言が入力されるものであることが好ましい。
【0028】
本発明の故障診断システムをこのように構成した場合は、自然言語検索エンジンによる知識検索により、技術スキルのない一次受付オペレータでも、顧客の話した自然言語での入力、検索、および表示された問診項目に従っての顧客への質問を繰り返すことにより、顧客の種々雑多な表現からでもフィールドエンジニア・専門家と同様のヒアリングを行って的確な診断を得ることができる。また、各種の方言にも対応できるので、修理依頼の受付から修理完了までの所要時間はさらに短縮する。
【0029】
さらに、上記知識ベースは、上記第1の診断部による検索を受け、上記知識を構成する文言と検索の基になる文言との類似度を判定し、上記知識を構成する文言のうちの検索の基になる文言との間の類似度の高い文言に対応付けられた問診項目を上記第1の診断部に提示するものであることが好ましい。
【0030】
本発明の故障診断システムをこのように構成した場合は、自然言語検索エンジンを用いた類似度判定に基づく知識ベース検索により、種々雑多な表現から、より的確な診断を下すことができ、また、各種の方言にも一層よく対応できるので、修理依頼の受付から修理完了までの所要時間をさらに短縮することができる。
【0031】
また、上記目的を達成する本発明の故障診断プログラムは、
コンピュータにより実行され、そのコンピュータを、故障の症状を訴える顧客の文言に基づき故障の診断を行う故障診断装置として動作させる故障診断プログラムにおいて、故障の症状を訴える顧客の文言および質問に対する回答を表す顧客の文言が入力され、入力された文言を基に、故障の症状に関連する文言と該文言を得たときの次の問診項目とが対応付けられてなる知識が記録される知識ベースを検索して次の問診項目を得る手順を順次繰り返して顧客の文言と質問との一覧を作成する第1の診断部と、前記第1の診断部で作成された一覧中の質問に対する追加質問と前記追加質問に対する顧客の回答としての文言との一覧を作成する第2の診断部と、前記第2の診断部で作成された一覧を基に前記知識ベースに記録された知識を更新する知識更新部とを備えたことを特徴とする。
【0032】
本発明の故障診断プログラムによれば、修理依頼の受付から修理完了までの所要時間が大幅に短縮された故障診断装置を、所望のコンピュータ上に容易に構築することができる。
【0033】
ここで、本発明の故障診断プログラムが、故障修理後の故障内容と故障修理に要した修理部品を表す情報が入力される修理報告入力部を備え、上記知識更新部が、上記修理報告入力部からの故障内容および故障修理の情報を上記知識ベース中の知識に反映させるものであることが好ましい。
【0034】
本発明の故障診断プログラムをこのように構成した場合は、フィールドエンジニア・専門家は、訪問修理の前に、より正確な故障内容と修理部品を把握することができるので、現場での部品不足による再訪問がさらに減少する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0036】
先ず、本実施形態の故障診断システムのハードウエア構成について説明する。
【0037】
図1は、本実施形態の故障診断システムを運用するためのコンピュータシステムの一部分を示す図である。
【0038】
ここには、それぞれがコンピュータシステムで構成された1台のサーバマシン100および3台のクライアントマシン300,400,500が例示的に示されており、サーバマシン100およびクライアントマシン300,400,500は通信回線網600を介して相互に接続されている。
【0039】
サーバマシン100および各クライアントマシン300,400,500を構成するコンピュータシステムとしては、一般にワークステーションまたはパーソナルコンピュータと呼ばれるコンピュータシステムを用いることができる。
【0040】
サーバマシン100および各クライアントマシン300,400,500は、CPU(中央処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ハードディスク、通信用ボード等が内蔵された本体部101,301,401,501、本体部101,301,401,501からの指示により表示画面102a,302a,402a,502a上に画像や文字列を表示する表示部102,302,402,502、サーバマシン100およびクライアントマシン300,400,500に利用者の指示を入力するためのキーボード103,303,403,503、表示画面102a,302a,402a,502a上の任意の位置を指定することにより、その指定時にその位置に表示されていたアイコン等に応じた指示を入力するマウス104,304,404,504を備えている。
【0041】
本体部101は、さらに外観上、フロッピィディスク(図示せず)、CD−ROM700が装填されるフロッピィディスク装填口101a、CD−ROM装填口101bを有しており、それらの内部には、それらの装填口101a、101bから装填されたフロッピィディスクやCD−ROM700をドライブしてアクセスするフロッピィディスクドライバやCD−ROMドライバも内蔵されている。
【0042】
同様に、本体部301,401,501は、外観上、フロッピィディスク(図示せず)が装填されるフロッピィディスク装填口301a,401a,501a、CD−ROM700が装填されるCD−ROM装填口301b,401b,501bを有しており、それらの内部には、それらの装填口301a,401a,501a,301b,401b,501bから装填されたフロッピィディスクやCD−ROM700をドライブしてアクセスするフロッピィディスクドライバ、CD−ROMドライバも内蔵されている。
【0043】
図2は、図1に示した外観を有するコンピュータシステムのハードウェア構成図である。
【0044】
このハードウェア構成図には、CPU111、RAM112、ハードディスクコントローラ113、フロッピィディスクドライバ114、CD−ROMドライバ115、マウスコントローラ116、キーボードコントローラ117、ディスプレイコントローラ118、および通信用ボード119が示されており、それらはバス110で相互に接続されている。
【0045】
フロッピィディスクドライバ114、CD−ROMドライバ115は、図1を参照して説明したように、それぞれフロッピィディスク装填口101aおよびCD−ROM装填口101bから装填されたフロッピィディスク710、CD−ROM700をアクセスするものである。
【0046】
通信用ボード119は通信回線網600に接続される。
【0047】
また、図2には、ハードディスクコントローラ113によりアクセスされるハードディスク120、マウスコントローラ116により制御されるマウス104、キーボードコントローラ117により制御されるキーボード103、およびディスプレイコントローラ118により制御されるCRTディスプレイ102も示されている。
【0048】
以上説明した各コンピュータシステムのCD−ROM装填口101b,301b,401b,501bに、以下に説明する本発明の故障診断プログラムの記憶媒体であるCD−ROM700を装填して、CD−ROM700に記憶された故障診断プログラムのうちの各コンピュータシステムに必要な部分をインストールすることにより、本実施形態の故障診断システムまたは本実施形態の故障診断装置を構築することができる。
【0049】
図3は、本発明の故障診断システムおよび故障診断装置の一実施形態の機能ブロック図である。
【0050】
図3に示すように、本実施形態の故障診断システム10は、知識ベース20と、第1の診断部30と、第2の診断部40と、知識更新部50と、修理報告入力部60とを備えている。
【0051】
これらの各要素は、通信回線で相互に接続された複数のコンピュータシステムに分散配置されそれら複数のコンピュータシステム全体が1つの故障診断システムとして作動するように構成される。例えば、知識ベース20および知識更新部50を、図1に示したサーバマシン100上に形成し、第1の診断部30、第2の診断部40、修理報告入力部60の各部を、図1に示したクライアントマシン300,400,500上に適宜分散させて形成し、これら各マシンを通信回線で相互に接続することにより、これらマシン全体が1つの故障診断システムとして運用される。
【0052】
また、本実施形態の故障診断装置の場合には、知識ベース20、第1の診断部30、第2の診断部40、知識更新部50、および修理報告入力部60のすべてを1台のコンピュータシステム上に形成することにより、そのコンピュータシステムが1台の故障診断装置として運用される。
【0053】
知識ベース20は、故障の症状に関連する文言と、その文言を得たときの次の問診項目とが対応付けられてなる知識を記録するものである。
【0054】
第1の診断部30は、故障の症状を訴える顧客の文言および質問に対する回答を表す顧客の文言が入力され、入力された文言を基に知識ベース20を検索して次の問診項目を得る手順を順次繰り返して顧客の文言と質問との一覧を作成するものである。
【0055】
第2の診断部40は、第1の診断部30で作成された一覧中の質問に対する追加質問と追加質問に対する顧客の回答としての文言との一覧を作成するものである。
【0056】
知識更新部50は、第2の診断部40で作成された一覧を基に知識ベース20に記録された知識を更新するものである。
【0057】
さらに、本実施形態では、知識ベース20は、上記文言と上記問診項目とに加え故障内容と、故障修理に要する修理部品とが対応付けられた知識が記録されるように構成されており、第1の診断部30および第2の診断部40のうちの少なくとも第2の診断部40は、顧客の文言と顧客への質問とを基に知識ベース20を検索して故障内容および修理部品の情報を得るようになっている。
【0058】
また、本実施形態には、故障修理後の故障内容と故障修理に要した修理部品を表す情報が入力される修理報告入力部60が備えられており、知識更新部50は、修理報告入力部60からの故障内容および故障修理の情報を知識ベース20中の知識に反映させるようになっている。
【0059】
さらに、本実施形態では、知識ベース20は、上記文言として自然言語で記述された文言が記録されてなるものとして構成されており、第1の診断部30および第2の診断部40は、自然言語としての顧客の文言が入力されるようになっている。
【0060】
また、本実施形態では、知識ベース20は、第1の診断部30による検索を受け、上記知識を構成する文言と検索の基になる文言との類似度を判定し、上記知識を構成する文言のうちの検索の基になる文言との間の類似度の高い文言に対応付けられた問診項目を第1の診断部30に提示するようになっている。
【0061】
次に、本実施形態の故障診断プログラムについて説明する。
【0062】
図4は、本実施形態の故障診断プログラムの概略構成図である。
【0063】
この故障診断プログラム70は、例えば、図1に示したコンピュータシステム100,300,400,500により実行され、それらのコンピュータシステムを、故障の症状を訴える顧客の文言に基づき故障の診断を行う故障診断システムまたは故障診断装置として動作させるものである。
【0064】
この故障診断プログラム70は、故障の症状を訴える顧客の文言および質問に対する回答を表す顧客の文言が入力され、入力された文言を基に、故障の症状に関連する文言と、その文言を得たときの次の問診項目とが対応付けられてなる知識が記録される知識ベースを検索して次の問診項目を得る手順を順次繰り返して顧客の文言と質問との一覧を作成する第1の診断部30と、第1の診断部30で作成された一覧中の質問に対する追加質問とその追加質問に対する顧客の回答としての文言との一覧を作成する第2の診断部40と、第2の診断部40で作成された一覧を基に上記知識ベースに記録された知識を更新する知識更新部50とを備えている。
【0065】
さらに、本実施形態の故障診断プログラム70では、故障修理後の故障内容と故障修理に要した修理部品を表す情報が入力される修理報告入力部60を備え、知識更新部50が、この修理報告入力部60からの故障内容および故障修理の情報を上記知識ベース中の知識に反映させるように構成されている。
【0066】
この故障診断プログラム70を、例えば、図1に示したコンピュータシステム100に知識更新部50の部分をインストールし、コンピュータシステム300,400,500に、第1の診断部30の部分、第2の診断部40の部分、および修理報告入力部60の部分のうちの1つまたは複数の部分をインストールし、これらのコンピュータシステム100,300,400,500を通信回線網600で相互に接続することにより、本実施形態の故障診断システムが構築される。
【0067】
なお、前述のように、本実施形態の故障診断プログラム70の全部分を、所望の1台のコンピュータシステムにインストールしてそのコンピュータシステムに本実施形態の故障診断装置を構築することにより、1台のコンピュータシステムで完結的に故障診断を実施できるようにすることができる。
【0068】
次に、本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置の動作について説明する。
【0069】
図5は、本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置の動作説明図である。
【0070】
図5に示すように、本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置には、知識ベース20と、第1の診断部30と、第2の診断部40と、知識更新部50と、修理報告入力部60とが備えられている。
【0071】
知識ベース20には、知識データベース21および自然文検索エンジン22が備えられており、知識更新部50には、更新処理部51および受付・修理報告データベース52が備えられている。ここで、自然文検索エンジンとは、自然言語の形で入力された文言を自然文のまま認識して類似の文言を検索する検索装置をいう。
【0072】
第1の診断部30は、顧客からの電話31による故障修理依頼が受け付けられるコールセンタなどに配置された一次受付オペレータの操作に基づき、修理対象の設備・機器の機種名を入力するとともに、顧客の申告内容、すなわち、故障の症状を訴える顧客の文言および質問に対する回答を表す顧客の文言を自然文のまま入力する(ステップS01)。
【0073】
次に、入力された文言を基に知識データベース21を検索して顧客の文言と質問との一覧を作成する(ステップS02)。この検索では、機種名と顧客の申告内容とをキーとして、知識ベース20に備えられている自然文検索エンジン22によって知識データベース21内の情報が検索される。その検索結果である問診項目、故障内容候補、修理部品候補などが一次受付オペレータに対して一覧できる形で表示される(ステップS03)。なお、第1の診断部30で作成された、顧客の文言と質問との一覧は、知識更新部50に備えられた受付・修理報告データベース52に記録される。
【0074】
ステップS02における検索結果から故障原因の絞り込みがOKであるか否かが一次受付オペレータにより判定され(ステップS04)、判定の結果がOKとなれば、受付完了の処理が行われる(ステップS05)。一方、故障原因の絞り込みがNGの間は次の問診項目を得るための顧客への問診が行われ(ステップS06)、ステップS01に戻り顧客からの文言の入力がさらに繰り返される。
【0075】
第2の診断部40では、第1の診断部30による受付内容の回送を受け、第1の診断部30による顧客の申告内容のチェックが行われ(ステップS11)、その申告内容がOKである場合は、出動・完了報告を行う(ステップS12)。ステップS11におけるチェックの結果、その申告内容がNGである場合は、ステップS13に進み、フィールドエンジニアや専門家などの操作に基づく、電話31を介しての顧客への問診結果の入力が行われる。ここでは、第1の診断部30で作成された一覧中の質問に対する追加質問とその追加質問に対する顧客の回答としての文言が自然文のままで入力される(ステップS13)。
【0076】
次に、入力された文言を基に知識データベース21を検索して顧客の文言と質問との一覧を作成する(ステップS14)。すなわち、この検索では、機種名と顧客の申告内容とをキーとして、知識ベース20に備えられている自然文検索エンジン22によって知識データベース21内の知識が検索される。その検索結果である問診項目、故障内容候補、修理部品候補などが上記フィールドエンジニア・専門家に対して一覧できる形で表示される(ステップS15)。なお、第2の診断部40で作成された、顧客の文言と質問との一覧は、知識更新部50に備えられた受付・修理報告データベース52に記録される。
【0077】
ステップS14における検索結果から故障原因の絞り込みがOKであるか否かがフィールドエンジニア・専門家により判定され(ステップS16)、判定の結果がOKとなれば、受付完了の処理が行われる(ステップS17)。一方、故障原因の絞り込みがNGの間は次の問診項目を得るための顧客への問診が行われ(ステップS18)、ステップS13に戻り、顧客からの文言の入力およびそれ以降の処理が繰り返される。
【0078】
知識更新部50は、第2の診断部40で作成された一覧を基に上記知識データベース21に記録された知識を更新する。こうして、第1の診断部30、第2の診断部40、および知識更新部50により、一次受付オペレータおよびフィールドエンジニア・専門家による日常操作のみで、知識ベースの構築処理を特に行うことなしに、自己成長型の知識ベースが自動的に構築される。従って、第2の診断部40によるフィールドエンジニア・専門家から顧客への問診コールバックの頻度が減り、修理依頼の受付から修理完了までの所要時間は大幅に短縮される。
【0079】
さらに、本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置には、故障修理後の故障内容と故障修理に要した修理部品を表す情報が入力される修理報告入力部60が備えられており、知識更新部50は、修理報告入力部60から入力された故障内容および修理部品情報からなる修理完了報告(ステップS19)を知識ベース20中の知識に反映させる機能を有している。
【0080】
次に、本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置に用いられる各データベースについて説明する。
【0081】
図6は、本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置に用いられる受付・修理報告データベースのデータ構造図である。
【0082】
図6に示すように、この受付・修理報告データベース52には、受付番号52a、製品名52b、一次受付症状52c、一次受付問診回答52d、問診項目(1)〜(N)52e、専門家問診回答52f、故障内容52g、修理部品(1)〜(N)52h、故障内容候補(1)〜(N)52i、修理部品候補(1)〜(N)52j、その他顧客個人情報などの項目が設定されている。
【0083】
受付番号52aには受付・修理報告データベース52から同期更新を行うためのキーが記録され、製品名52bには製品コードが記録され、一次受付症状52cには顧客が訴えた症状(第1声)が自然文のまま記録され、一次受付問診回答52dには顧客が問診に対して回答した症状が自然文のまま記録され、問診項目(1)〜(N)52eには一次受付の内容をもとに、フィールドエンジニア・専門家が追加問診した項目が記録され、専門家問診回答52fには顧客が追加問診に対して回答した症状が自然文のまま記録され、故障内容52gには修理報告により入力された故障内容が記録され、修理部品(1)〜(N)52hには修理報告により入力された故障部品が記録され、故障内容候補(1)〜(N)52iには知識ベース20の検索結果が類似度順に記録され、修理部品候補(1)〜(N)52jには知識ベースの検索結果が類似度順に記録される。
【0084】
図7は、本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置に用いられる知識データベース21のデータ構造図である。
【0085】
図7に示すように、この知識データベース21には、受付番号21a、追番21b、製品名21c、症状21d、問診項目(1)〜(N)21e、故障内容21f、修理部品(1)〜(N)21gなどの項目が設定されている。
【0086】
受付番号21aには受付・修理報告データベース52から同期更新を行うためのためのキーが記録される。
【0087】
追番21bには、“0”または“1”いずれか一つが記録される。追番21bに“0”が記録されている場合にはこの情報は一次受付結果及びフィールドエンジニア・専門家による質問から編集された問診用の知識であることを示し、追番21bに“1”が記録されている場合にはこの情報は一次受付結果及びフィールドエンジニア・専門家の問診結果及び修理完了報告から編集された故障内容の知識であることを示す。
【0088】
製品名21cには製品による絞り込みのためのキーとなる製品コードが記録される。
【0089】
症状21dには知識ベース自然文検索のためのキーとなる顧客が訴えた症状が自然文のまま記録される。
【0090】
問診項目(1)〜(N)21eには症状についてフィールドエンジニア・専門家が追加問診した項目が記録される。
【0091】
故障内容21fには修理報告により入力された故障内容が記録される。
【0092】
修理部品(1)〜(N)21gには修理報告により入力された故障部品が記録される。
【0093】
次に、本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置の動作について説明する。
【0094】
図8は、本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置の第1の診断部における動作の詳細を示すフローチャートである。
【0095】
顧客からの電話を受けたコールセンタの一次受付オペレータによる操作に基づき、製品名、および故障の症状に関連する顧客の文言(第1声)が自然文のまま入力される(ステップS21)。
【0096】
図9は、本実施形態の第1の診断部により表示されるコールセンタ受付画面の1例である。
【0097】
図9に示すように、このコールセンタ受付画面80には、一次受付オペレータの操作により入力された受付番号80a、製品コード80b、製品名称80c、および顧客の第1声80dが表示される。
【0098】
このコールセンタ受付画面80には知識検索の実行を指示するための知識検索ボタン80e、および受付完了処理の実行を指示するための受付完了ボタン80fが設けられている。
【0099】
一次受付オペレータにより知識検索ボタン80eが押下されると、入力された文言、すなわち顧客の第1声80dに基づき、自然文検索エンジン22(図5参照)による知識データベース21の検索が行われる(図8:ステップS22)。次に、その検索結果である問診項目、故障内容、および修理部品などの情報が一覧できる形で類似度順に表示される(図8:ステップS23)。
【0100】
図10は、図9に示した画面の知識検索ボタンが押下され知識検索が実行された後の検索結果を示す図である。
【0101】
図10に示すように、知識検索の結果、修理対象の製品コード“FTV01H24A”の故障事例についての受付番号81a、追番81b、製品名81c、症状81d、問診項目81e、故障内容81f、および修理部品81gからなる3件の知識81が得られる。このうち、受付番号“00000001”および“00000500”は追番が“0”、すなわち一次受付結果及びフィールドエンジニア・専門家による質問から編集された問診用の知識であり、受付番号“00001001”は追番が“1”、すなわち一次受付結果及びフィールドエンジニア・専門家の問診結果及び修理完了報告から編集された故障内容の知識である。
【0102】
次に、この知識検索結果に基づく問診内容が、一次受付オペレータに対して一覧できる形で表示される。
【0103】
図11は、図10に示した知識検索結果に基づき表示されるコールセンタ受付画面の1例である。
【0104】
図11に示すように、このコールセンタ受付画面82には、図10に示した知識検索結果に基づく、一次受付オペレータにより行われるべき問診内容が表示される。すなわち、受付番号82a、製品コード82b、製品名称82c、および顧客の第1声82fとともに、顧客への追加の質問82d、すなわち知識ベース20(図5参照)からの質問、故障内容(候補)82e、顧客からの回答82g、および修理部品(候補)82hなどが表示される。
【0105】
このコールセンタ受付画面82には知識検索の実行を指示するための知識検索ボタン82i、および受付完了処理の実行を指示するための受付完了ボタン82jが設けられている。
【0106】
一次受付オペレータにより知識検索ボタン82iが押下されると、入力された文言、すなわち顧客の第1声82fと、それに対する顧客からの回答82gをキーとして、自然文検索エンジン22による知識データベース21の検索が行われる(図8:ステップS22)。次に、その検索結果である問診項目、故障内容、および修理部品などの情報が類似度順に一覧できる形で表示される(図8:ステップS23)。
【0107】
図12は、図11に示した画面の知識検索ボタンが押下され検索が実行された後の知識検索結果を示す図である。
【0108】
図12に示すように、知識検索の結果、修理対象の製品コード“FTV01H24A”の故障事例についての受付番号83a、追番83b、製品名83c、症状83d、問診項目83e、故障内容83f、および修理部品83gからなる故障内容に関する知識83が得られる。このように、図11に示したコールセンタ受付画面82で一次受付オペレータの操作により入力された、顧客からの回答82g、すなわち、“スピーカから声が聞こえる。プラスチックがこげる様なにおいがする。”という文言と、顧客の第1声82fとをキーに自然文検索が行われた結果、新たな事例、すなわち、受付番号“00002221”、“00003500”、および“00005401”が検出され、故障内容83f、および修理部品83gとして、それぞれ過去の事例から得られた故障内容や修理部品に関する知識が得られる。
【0109】
さらに知識検索が繰り返されると、故障原因は次第に絞り込まれ、やがて知識ベース20(図5参照)からの追加質問項目がなくなるに至る。
【0110】
図13は、本実施形態の第1の診断部により故障原因が絞り込まれた後のコールセンタ受付画面の1例である。
【0111】
質問回答入力と知識検索が繰り返された結果、知識ベースからの追加質問がなくなり、図13に示すように、コールセンタ受付画面84の顧客への追加の質問84aには表示がなく、顧客の回答84bには図11に示したコールセンタ受付画面82の顧客の回答82gと同一の情報が表示されている。一方、故障内容(候補)84cには故障原因が絞り込まれた状態での検索結果、すなわち、“ブラウン管の故障”および“映像処理基板不良”という絞り込まれた情報、また、修理部品(候補)84dには、“CRT−24A001 24型フラットブラウン管”および“FTV−B01234 映像処理基板”という絞り込まれた情報がそれぞれ一覧できる形で表示されている。
【0112】
図13に示したコールセンタ受付画面84には、知識検索の実行を指示するための知識検索ボタン84e、および受付完了処理の実行を指示するための受付完了ボタン84fが設けられている。
【0113】
このコールセンタ受付画面84に基づき一次受付オペレータによる故障原因の絞り込み状況についての判定が行われる(図8:ステップS24)。判定の結果、まだ絞り込みを要する状況と判定された場合は、一次受付オペレータによる知識検索ボタン84eの押下によってステップS25に進み、問診項目に従い顧客への追加の質問が行われ(ステップS25)、顧客からの回答(症状)が自然文のまま追加入力される(ステップS26)。次に、顧客の第1声80dと顧客からの問診回答とに基づき、自然文検索エンジン22による知識データベース21の検索が行われる(図8:ステップS27)。次に、ステップS23に戻り、検索結果である問診項目、故障内容、および修理部品などの情報が類似度順に一覧できる形で表示される。
【0114】
一方、ステップS24における判定の結果、絞り込み状況がOKであるか、または原因不明の状況である場合は、一次受付オペレータによる上記受付完了ボタン84f(図13参照)の押下により受付の完了処理が行われ(ステップS28)、それまでの検索結果のうちの故障内容が受付・修理報告データベース52(図6参照)の故障内容候補52iに、また、それまでの検索結果のうちの修理部品が受付・修理報告データベース52の修理部品候補52jに、それぞれ類似度順に記録され、さらに、これらの情報を基に更新処理部51(図5参照)により知識データベース22の知識が更新される。
る(ステップS29)。なお、これらの記録内容に重複がある場合はマージした結果が受付・修理報告データベース52に記録される。
【0115】
次に、本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置の第2の診断部40における動作について説明する。
【0116】
図14は、本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置の第2の診断部における動作の詳細を示すフローチャートである。
【0117】
第1の診断部による受付内容の回送を受けた第2の診断部40は、フィールドエンジニア・専門家に対して、第1の診断部による受付内容、すなわち症状、故障内容候補、および修理部品候補などを表示する(ステップS31)。
【0118】
次に、フィールドエンジニア・専門家の判断によりこれまでの顧客からのヒヤリング状況についての判定が行われる(ステップS32)。
【0119】
ステップS32における判定の結果、フィールドエンジニア・専門家による再問診を必要とすると判定された場合は、フィールドエンジニア・専門家の操作に基づき、顧客へのコールバックが行われ(ステップS33)、顧客に対して追加の問診が行われ(ステップS34)、問診項目の入力が行われる。顧客からの回答(症状)は自然文のままで入力される(ステップS35)。次に、入力された文言、すなわち上記追加問診への回答、顧客の第1声、および一次受付時の問診回答から知識データベース21(図5参照)の自然文検索を行い(ステップS36)、その検索結果である問診項目、故障内容候補、修理部品候補などが上記フィールドエンジニア・専門家に対して一覧できる形で表示される(ステップS37)。
【0120】
図15は、本実施形態の第2の診断部により表示されるコールバック画面の1例である。
【0121】
図8に示した第1の診断部による診断の結果、顧客に対して適切な質問が完了している場合は、図15に示すように、コールバック画面85の故障内容(候補)85bには、“ブラウン管の故障”および“映像処理基板不良”という絞り込まれた情報、また、修理部品(候補)85cには、“CRT−24A001 24型フラットブラウン管”および“FTV−B01234 映像処理基板”という絞り込まれた情報がそれぞれ表示され、一方、顧客への追加の質問85aには表示はなされない。
【0122】
図15に示したコールバック画面85には、知識検索の実行を指示するための知識検索ボタン85d、および受付完了処理の実行を指示するための受付完了ボタン85eが設けられている。
【0123】
図15に示したコールバック画面85に基づき、フィールドエンジニア・専門家による絞り込み状況についての判定が行われる(図14:ステップS38)。
【0124】
ステップS38における判定の結果、まだ絞り込みを要する状況である場合には、ステップS34に戻り、顧客への追加の質問が続けられる(ステップS34)。一方、ステップS38における判定の結果、絞り込み状況がOKであると判定された場合は、フィールドエンジニア・専門家による受付完了ボタン85e(図15参照)の押下により受付完了処理が行われ(図14:ステップS39)、それまでの検索結果のうちの故障内容が受付・修理報告データベース52(図6参照)の故障内容候補52iに、また、それまでの検索結果のうちの修理部品が受付・修理報告データベース52の修理部品候補52jに、それぞれ類似度順に記録され、さらに、これらの情報を基に更新処理部51(図5参照)により知識データベース22の知識が更新される(ステップS40)。なお、これらの記録内容に重複がある場合はマージした結果が受付・修理報告データベース52に記録される。
【0125】
なお、この段階では、フィールドエンジニア・専門家による追加質問が発生していないので、追加の問診用知識ベースの構築は行われない。
【0126】
次に、ステップS41に進み、症状、故障内容候補、修理部品候補などが記載された修理依頼伝票の印刷が行われ(ステップS41)、その修理依頼伝票に基づき修理担当者による修理出動が行われる(ステップS42)。
【0127】
なお、ステップS32における判定の結果、フィールドエンジニア・専門家による追加質問を行う必要なしと判定された場合、またはこの故障は原因不明であると判定された場合は、フィールドエンジニア・専門家による、図15に示したコールバック画面85と同一形式の画面に設けられた受付完了ボタンの押下操作によりステップS41に進み、症状、故障内容候補、修理部品候補などが記載された修理依頼伝票の印刷が行われ(ステップS41)、故障内容、修理部品が絞り込まれている場合はその修理依頼伝票に基づく修理出動が行われ(ステップS42)、故障原因が不明の場合は顧客に対し故障原因不明である旨の通知が行われる。
【0128】
次に、本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置における修理報告入力部の動作について説明する。
【0129】
図16は、本実施形態における修理報告入力部の動作の詳細を示すフローチャートである。
【0130】
図5に示した修理報告入力部60では、修理担当者による修理出動の結果、修理が完了した場合は、修理担当者により、図17に示す修理完了報告画面86により故障内容および修理部品の入力が行われる(図16:ステップS51)。
【0131】
図17は、本実施形態の修理報告入力部により表示される修理完了報告画面の他の例である。
【0132】
図17に示すように、この修理完了報告画面86には、修理を完了した製品の受付番号86a、製品コード86b、製品名称86c、受付内容86d、故障内容86e、および修理部品86fが表示される。
【0133】
この修理完了報告画面86には報告完了処理の実行を指示するための報告完了ボタン86gが設けられている。修理担当者によりこの報告完了ボタン86gが押下されると、修理報告入力部60(図5参照)から知識更新部50に対して故障内容86eおよび修理部品86fに関する情報が送付され、知識更新部50では、それらの情報を受付・修理報告データベース52に記録する(図16:ステップS52)とともに、それらの情報を基に、更新処理部51により知識データベース21内の知識が更新される。
【0134】
図18は、修理完了報告に基づき知識ベースに自動構築される知識の例を示す図である。
【0135】
図18に示すように、図17の修理完了報告画面86に表示された受付番号86a、製品コード86b、製品名称86c、受付内容86d、故障内容86e、および修理部品86fと同一の情報が、追番“1”の故障内容情報87として知識更新部50に送られ、それらの情報を基に、更新処理部51により知識データベース21内の知識が更新される。
【0136】
なお、上記の各画面例は、本実施形態の故障診断システムまたは故障診断装置を運用開始してから一定期間が経過した後、知識ベースに過去の故障事例について一定の知識が蓄積され、それに基づき故障診断が行われた場合の例であるが、本発明の故障診断システムおよび故障診断装置は、知識ベースに過去の故障事例についての知識が全く蓄積されていない状態からでも運用を開始することができる。
【0137】
以下に、知識ベースに過去の故障事例についての知識が蓄積されていない場合について説明する。
【0138】
図19は、知識ベースに過去の故障事例についての知識の蓄積がない場合のコールセンタ受付画面の1例である。
【0139】
図19に示すように、このコールセンタ受付画面88には、一次受付オペレータの操作により入力された受付番号88a、製品コード88b、製品名称88c、および顧客の第1声88dが表示される。
【0140】
また、このコールセンタ受付画面88には知識検索の実行を指示するための知識検索ボタン88eおよび報告完了処理の実行を指示するための受付完了ボタン88fが設けられている。
【0141】
一次受付オペレータにより知識検索ボタン88eが押下されると、入力された文言、すなわち顧客の第1声88dに基づき、自然文検索エンジン22(図5参照)による知識データベース21の知識検索が行われる(図8:ステップS22)。
【0142】
この例では、知識検索結果の結果、該当する知識が見つからないので、コールセンタ受付画面には新たな情報は表示されない。ここで、一次受付オペレータにより受付完了ボタン88fが押下されると、受付の完了処理が行われ、次に、第2の診断部におけるフィールドエンジニア・専門家による診断に移行する。
【0143】
図20は、本実施形態の第2の診断部により表示されるコールバック画面の他の例である。
【0144】
コールセンタ受付画面88(図19参照)に示したように、第1の診断部における診断では、“テレビがうつらなくなった。”という顧客の第1声88d以外の情報が得られていない場合、第2の診断部ではフィールドエンジニア・専門家に対して図20に示すコールバック画面89が表示される。
【0145】
図20に示すように、このコールバック画面89には、最初、顧客の第1声89d以外に有効な情報は表示されていない。そこで、フィールドエンジニア・専門家が顧客に“スピーカの声はきこえますか、においはしませんか”という質問を行い、それに対する回答、すなわち“声だけは聞こえる、においはない”を得た場合に、上記の質問内容を、顧客への追加の質問89eに入力するとともに、顧客から得た回答を顧客の回答89fに入力した上で、知識検索ボタン89gを押下すると、知識検索が開始され、その結果が、次に示すコールバック画面90に表示される。
【0146】
図21は、図20に示したコールバック画面からの知識検索の後に表示されるコールバック画面の例である。
【0147】
図21に示すように、コールバック画面90には、図20に示したコールバック画面89におけると同様の情報しか表示されず、これでは、この故障は原因不明であると判定するほかないので、フィールドエンジニア・専門家による受付完了ボタン90hの押下により受付完了処理が行われることになる。
【0148】
この状態では、知識データベース21(図5参照)には次のような知識が自動構築される。
【0149】
図22は、図21に示したコールバック画面からの知識検索の後に知識データベースに構築される知識内容を示す図である。
【0150】
図22に示すように、追番91bには“0”が記録されており、一次受付結果及びフィールドエンジニア・専門家による質問から編集された問診用の知識であることを表している。そのため、受付番号91a、製品名91c、症状91d、および問診項目91eには、図21に示したコールバック画面90の表示内容と同様の情報が記録されているが、故障内容91fおよび修理部品91gには、何らの情報も記録されていない。
【0151】
このように原因不明の状態で修理担当者による修理出動が行われ、現場での診断および修理が実施される。修理完了後は修理担当者による修理完了報告が行われる。
【0152】
図23は、図21に示したコールバック画面で受付完了し修理が完了した後に表示される修理完了報告画面の1例である。
【0153】
図23に示すように、この修理完了報告画面92には、最初、製品の受付番号92a、製品コード92b、製品名称92c、および受付内容92dのみが表示されている。現場での故障診断および修理完了後、この画面の故障内容92eに“ブラウン管の故障”が入力され、また、修理部品92fに“CRT−24A001”が入力された後、報告完了ボタン92gが押下されると、図24に示すように、この故障に関する情報が受付・修理報告データベース52(図5参照)に記録され、さらに、この情報を基に更新処理部51により知識データベース21のこの修理事例に関する知識が更新される。
【0154】
図24は、図21に示したコールバック画面からの知識検索の後に知識データベースに構築される知識内容を示す図である。
【0155】
図24に示した、この修理事例における症状93dに対応づけられた故障内容93f“ブラウン管の故障”および修理部品93g“CRT−24A001”という知識が知識データベース21(図5参照)に蓄積される。
【0156】
こうして、知識ベースの構築処理を特に行うことなしに、自己成長型の知識ベースが自動的に構築される。
【0157】
以下に、本発明の各種態様を付記する。
【0158】
(付記1) 故障の症状に関連する文言と、該文言を得たときの次の問診項目とが対応付けられてなる知識が記録される知識ベースと、
故障の症状を訴える顧客の文言および質問に対する回答を表す顧客の文言が入力され、入力された文言を基に前記知識ベースを検索して次の問診項目を得る手順を順次繰り返して顧客の文言と質問との一覧を作成する第1の診断部と、
前記第1の診断部で作成された一覧中の質問に対する追加質問と前記追加質問に対する顧客の回答としての文言との一覧を作成する第2の診断部と、
前記第2の診断部で作成された一覧を基に前記知識ベースに記録された知識を更新する知識更新部とを備えたことを特徴とする故障診断装置。
【0159】
(付記2) 前記知識ベースは、前記文言と前記問診項目とに加え、さらに故障内容と、故障修理に要する修理部品とが対応付けられた知識が記録されるものであり、
前記第1の診断部および前記第2の診断部のうちの少なくとも該第2の診断部は、顧客の文言と顧客への質問とを基に前記知識ベースを検索して故障内容および修理部品の情報を得るものであることを特徴とする付記1記載の故障診断装置。
【0160】
(付記3) 故障修理後の故障内容と故障修理に要した修理部品を表す情報が入力される修理報告入力部を備え、
前記知識更新部は、前記修理報告入力部からの故障内容および故障修理の情報を前記知識ベース中の知識に反映させるものであることを特徴とする付記2記載の故障診断装置。
【0161】
(付記4) 前記知識ベースは、前記文言として自然言語で記述された文言が記録されてなるものであって、
前記第1の診断部および前記第2の診断部は、自然言語としての顧客の文言が入力されるものであることを特徴とする付記1記載の故障診断装置。
【0162】
(付記5) 前記知識ベースは、前記第1の診断部による検索を受け、前記知識を構成する文言と検索の基になる文言との類似度を判定し、前記知識を構成する文言のうちの検索の基になる文言との間の類似度の高い文言に対応付けられた問診項目を前記第1の診断部に提示するものであることを特徴とする付記1記載の故障診断装置。
【0163】
(付記6) 故障の症状に関連する文言と、該文言を得たときの次の問診項目とが対応付けられてなる知識が記録される知識ベースと、
故障の症状を訴える顧客の文言および質問に対する回答を表す顧客の文言が入力され、入力された文言を基に前記知識ベースを検索して次の問診項目を得る手順を順次繰り返して顧客の文言と質問との一覧を作成する第1の診断部と、
前記第1の診断部で作成された一覧中の質問に対する追加質問と前記追加質問に対する顧客の回答としての文言との一覧を作成する第2の診断部と、
前記第2の診断部で作成された一覧を基に前記知識ベースに記録された知識を更新する知識更新部とを備えたことを特徴とする故障診断システム。
【0164】
(付記7) 前記知識ベースは、前記文言と前記問診項目とに加え、さらに故障内容と、故障修理に要する修理部品とが対応付けられた知識が記録されるものであり、
前記第1の診断部および前記第2の診断部のうちの少なくとも該第2の診断部は、顧客の文言と顧客への質問とを基に前記知識ベースを検索して故障内容および修理部品の情報を得るものであることを特徴とする付記6記載の故障診断システム。
【0165】
(付記8) 故障修理後の故障内容と故障修理に要した修理部品を表す情報が入力される修理報告入力部を備え、
前記知識更新部は、前記修理報告入力部からの故障内容および故障修理の情報を前記知識ベース中の知識に反映させるものであることを特徴とする付記7記載の故障診断システム。
【0166】
(付記9) 前記知識ベースは、前記文言として自然言語で記述された文言が記録されてなるものであって、
前記第1の診断部および前記第2の診断部は、自然言語としての顧客の文言が入力されるものであることを特徴とする付記6記載の故障診断システム。
【0167】
(付記10) 前記知識ベースは、前記第1の診断部による検索を受け、前記知識を構成する文言と検索の基になる文言との類似度を判定し、前記知識を構成する文言のうちの検索の基になる文言との間の類似度の高い文言に対応付けられた問診項目を前記第1の診断部に提示するものであることを特徴とする付記6記載の故障診断システム。
【0168】
(付記11) コンピュータにより実行され、該コンピュータを、故障の症状を訴える顧客の文言に基づき故障の診断を行う故障診断装置として動作させる故障診断プログラムにおいて、
故障の症状を訴える顧客の文言および質問に対する回答を表す顧客の文言が入力され、入力された文言を基に、故障の症状に関連する文言と該文言を得たときの次の問診項目とが対応付けられてなる知識が記録される知識ベースを検索して次の問診項目を得る手順を順次繰り返して顧客の文言と質問との一覧を作成する第1の診断部と、
前記第1の診断部で作成された一覧中の質問に対する追加質問と前記追加質問に対する顧客の回答としての文言との一覧を作成する第2の診断部と、
前記第2の診断部で作成された一覧を基に前記知識ベースに記録された知識を更新する知識更新部とを備えたことを特徴とする故障診断プログラム。
【0169】
(付記12) 前記知識ベースは、前記文言と前記問診項目とに加え、さらに故障内容と、故障修理に要する修理部品とが対応付けられた知識が記録されるものであり、
前記第1の診断部および前記第2の診断部のうちの少なくとも該第2の診断部は、顧客の文言と顧客への質問とを基に前記知識ベースを検索して故障内容および修理部品の情報を得るものであることを特徴とする付記11記載の故障診断プログラム。
【0170】
(付記13) 故障修理後の故障内容と故障修理に要した修理部品を表す情報が入力される修理報告入力部を有し、
前記知識更新部は、前記修理報告入力部からの故障内容および故障修理の情報を前記知識ベース中の知識に反映させるものであることを特徴とする付記12記載の故障診断プログラム。
【0171】
(付記14) 前記知識ベースは、前記文言として自然言語で記述された文言が記録されてなるものであって、
前記第1の診断部および前記第2の診断部は、自然言語としての顧客の文言が入力されるものであることを特徴とする付記11記載の故障診断プログラム。
【0172】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の故障診断装置によれば、故障の症状に関連する文言と、それに対する問診項目とが対応付けられてなる知識が記録される知識ベースと、故障の症状を訴える顧客の文言および質問に対する回答を表す顧客の文言が入力され、入力された文言を基に上記知識ベースを検索して次の問診項目を得る手順を順次繰り返して顧客の文言と質問との一覧を作成する第1の診断部と、こうして作成された一覧中の質問に対する追加質問とその追加質問に対する顧客の回答としての文言との一覧を作成する第2の診断部と、こうして作成された一覧を基に上記知識ベースに記録された知識を更新する知識更新部とを備えたことにより、以下に示すような効果が得られ、修理を受け付けてから短時間で故障を診断できる故障診断装置を実現することができる。
(1)現場の日常操作のみで、時間と共に整理されたノウハウが自動成長を続ける自己成長型の知識ベースを構築することができる。
(2)技術スキルのないオペレータでも、顧客の話したままの自然文入力、および検索の結果表示される問診項目に従い、質問を繰り返すことにより、フィールドエンジニア・専門家と同様のヒアリングを行うことができる。
(3)そのため、フィールドエンジニア・専門家による問診コールバックの頻度が減り、かりに、フィールドエンジニア・専門家による問診コールバックが発生しても、フィールドエンジニア・専門家の問診項目が知識ベースに反映されるので、次回からは一次受付オペレータによる質問が行えるようになる。
(4)訪問修理前に正確な故障内容と修理部品を把握することができるので現場での部品不足による再訪問が減る。
(5)自然文検索エンジンによる知識ベース検索により、種々雑多な表現から単一の回答もしくは回答の侯補を導き出すことができ、方言にも対応することができる。
【0173】
また、本発明の故障診断システムによれば、上記本発明の故障診断装置の機能を、通信回線を介して接続された複数のコンピュータに分担させて実行させることにより上記本発明の故障診断装置の効果を一層高めることができる。
【0174】
また、本発明の故障診断プログラムによれば、修理依頼の受付から修理完了までの所要時間が大幅に短縮された故障診断装置を、所望のコンピュータ上に容易に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の故障診断システムを運用するためのコンピュータシステムの一部分を示す図である。
【図2】図1に示した外観を有するコンピュータシステムのハードウェア構成図である。
【図3】本発明の故障診断システムおよび故障診断装置の一実施形態の機能ブロック図である。
【図4】本実施形態の故障診断プログラムの概略構成図である。
【図5】本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置の動作説明図である。
【図6】本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置に用いられる受付・修理報告データベースのデータ構造図である。
【図7】本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置に用いられる知識データベース21のデータ構造図である。
【図8】本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置の第1の診断部における動作の詳細を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態の第1の診断部により表示されるコールセンタ受付画面の1例である。
【図10】図9に示した画面の知識検索ボタンが押下され知識検索が実行された後の検索結果を示す図である。
【図11】図10に示した知識検索結果に基づき表示されるコールセンタ受付画面の1例である。
【図12】図11に示した画面の知識検索ボタンが押下され検索が実行された後の知識検索結果を示す図である。
【図13】本実施形態の第1の診断部により故障原因が絞り込まれた後のコールセンタ受付画面の1例である。
【図14】本実施形態の故障診断システムおよび故障診断装置の第2の診断部における動作の詳細を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態の第2の診断部により表示されるコールバック画面の1例である。
【図16】本実施形態における修理報告入力部の動作の詳細を示すフローチャートである。
【図17】本実施形態の修理報告入力部により表示される修理完了報告画面の他の例である。
【図18】修理完了報告に基づき知識ベースに自動構築される知識の例を示す図である。
【図19】知識ベースに過去の故障事例についての知識の蓄積がない場合のコールセンタ受付画面の1例である。
【図20】本実施形態の第2の診断部により表示されるコールバック画面の他の例である。
【図21】図20に示したコールバック画面からの知識検索の後に表示されるコールバック画面の例である。
【図22】図21に示したコールバック画面からの知識検索の後に知識データベースに構築される知識内容を示す図である。
【図23】図21に示したコールバック画面で受付完了し修理が完了した後に表示される修理完了報告画面の1例である。
【図24】図21に示したコールバック画面からの知識検索の後に知識データベースに構築される知識内容を示す図である。
【符号の説明】
10 故障診断システム(故障診断装置)
20 知識ベース
21 知識データベース
21a 受付番号
21b 追番
21c 製品名
21d 症状
21e 問診項目(1)〜(N)
21f 故障内容
21g 修理部品(1)〜(N)
22 自然文検索エンジン
30 第1の診断部
31 電話
40 第2の診断部
50 知識更新部
51 更新処理部
52 受付・修理報告データベース
52a 受付番号
52b 製品名
52c 一次受付症状
52d 一次受付問診回答
52e 問診項目(1)〜(N)
52f 専門家問診回答
52g 故障内容
52h 修理部品(1)〜(N)
52i 故障内容候補(1)〜(N)
52j 修理部品候補(1)〜(N)
60 修理報告入力部
80,82,84,88 コールセンタ受付画面
80a,82a 受付番号
80b,82b 製品コード
80c,82c 製品名称
80d,82d 顧客の第1声
80e,82e 知識検索ボタン
80f,82f 受付完了ボタン
81,83 知識
81a,83a 受付番号
81b,83b 追番
81c,83c 製品名
81d,83d 症状
81e,83e 問診項目
81f,83f 故障内容
81g,83g 修理部品
82g 顧客からの回答
82h 修理部品(候補)
82i 知識検索ボタン
82j 受付完了ボタン
83 知識
84a 顧客への追加の質問
84b 顧客の回答
84c 故障内容(候補)
84d 修理部品(候補)
84e 知識検索ボタン
84f 受付完了ボタン
85,89,90 コールバック画面
85a 顧客への追加の質問
85b 故障内容(候補)
85c 修理部品(候補)
85d 知識検索ボタン
85e 受付完了ボタン
86 修理完了報告画面
86a 受付番号
86b 製品コード
86c 製品名称
86d 受付内容
86e 故障内容
86f 修理部品
86g 報告完了ボタン
87 故障内容情報
88a 受付番号
88b 製品コード
88c 製品名称
88d 顧客の第1声
88e 知識検索ボタン
88f 受付完了ボタン
89d 顧客の第1声
89e 顧客への追加の質問
89f 顧客の回答
89g 知識検索ボタン
90h 受付完了ボタン
91a 受付番号
91b 追番
91c 製品名
91d 症状
91e 問診項目
91f 故障内容
91g 修理部品
92 修理完了報告画面
92a 受付番号
92b 製品コード
92c 製品名称
92d 受付内容
92e 故障内容
92f 修理部品
92g 報告完了ボタン
93d 症状
93f 故障内容
93g 修理部品
100 サーバマシン(コンピュータシステム)
101,301,401,501 本体部
101a,301a,401a,501a フロッピィディスク装填口
101b,301b,401b,501b CD−ROM装填口
102,302,402,502 表示部(CRTディスプレイ)
102a,302a,402a,502a 表示画面
103,303,403,503 キーボード
104,304,404,504 マウス
110 バス
111 CPU
112 RAM
113 ハードディスクコントローラ
114 フロッピィディスクドライバ
115 CD−ROMドライバ
116 マウスコントローラ
117 キーボードコントローラ
118 ディスプレイコントローラ
119 通信用ボード
300,400,500 クライアントマシン(コンピュータシステム)
600 通信回線網
700 CD−ROM
710 フロッピィディスク

Claims (5)

  1. 故障の症状に関連する文言と、該文言を得たときの次の質問項目と、故障内容と、故障修理に要する修理部品とが対応づけられた知識が記録される知識データベースと、
    故障の症状を訴える顧客の文言、および質問に対する回答を表す顧客の文言が入力され、入力された文言を基に前記知識データベースを検索して次の質問項目を得る手順を順次繰り返して、顧客の文言と、故障内容候補と、修理部品候補との一覧を作成する第1の診断部と、
    前記第1の診断部で作成された一覧を表示し、新たな質問と、該新たな質問に対する回答を表わす顧客の新たな文言が入力され、該一覧中の顧客の文言および該新たな文言を基に前記知識データベースを検索して、該一覧中の顧客の文言および該新たな文言と、故障内容候補と、修理部品候補との一覧を作成する第2の診断部と、
    故障修理後の故障内容と故障修理に要した修理部品を表す情報が入力される修理報告入力部と、
    前記第2の診断部で作成された一覧、および前記修理報告入力部からの故障内容および故障修理の情報を基に前記知識データベースに記録された知識を更新する知識更新部とを備えたことを特徴とする故障診断装置。
  2. 前記知識データベースは、前記文言として自然言語で記述された文言が記録されてなるものであって、
    前記第1の診断部および前記第2の診断部は、自然言語としての顧客の文言が入力されるものであることを特徴とする請求項1記載の故障診断装置。
  3. 前記知識データベースは、前記第1の診断部による検索を受け、前記知識を構成する文言と検索の基になる文言との類似度を判定し、前記知識を構成する文言のうちの検索の基になる文言との間の類似度の高い文言に対応付けられた質問項目を前記第1の診断部に提示するものであることを特徴とする請求項1記載の故障診断装置。
  4. 故障の症状に関連する文言と、該文言を得たときの次の質問項目と、故障内容と、故障修理に要する修理部品とが対応づけられた知識が記録される知識データベースと、
    故障の症状を訴える顧客の文言、および質問に対する回答を表す顧客の文言が入力され、入力された文言を基に前記知識データベースを検索して次の質問項目を得る手順を順次繰り返して、顧客の文言と、故障内容候補と、修理部品候補との一覧を作成する第1の診断部と、
    前記第1の診断部で作成された一覧を表示し、新たな質問と、該新たな質問に対する回答を表わす顧客の新たな文言が入力され、該一覧中の顧客の文言および該新たな文言を基に前記知識データベースを検索して、該一覧中の顧客の文言および該新たな文言と、故障内容候補と、修理部品候補との一覧を作成する第2の診断部と、
    故障修理後の故障内容と故障修理に要した修理部品を表す情報が入力される修理報告入力部と、
    前記第2の診断部で作成された一覧、および前記修理報告入力部からの故障内容および故障修理の情報を基に前記知識データベースに記録された知識を更新する知識更新部とを備えたことを特徴とする故障診断システム。
  5. コンピュータにより実行され、該コンピュータを、故障の症状を訴える顧客の文言に基づき故障の診断を行う故障診断装置として動作させる故障診断プログラムにおいて、
    前記コンピュータを、
    故障の症状に関連する文言と、該文言を得たときの次の質問項目と、故障内容と、故障修理に要する修理部品とが対応づけられた知識が記録される知識データベースと、
    故障の症状を訴える顧客の文言、および質問に対する回答を表す顧客の文言が入力され、入力された文言を基に前記知識データベースを検索して次の質問項目を得る手順を順次繰り返して、顧客の文言と、故障内容候補と、修理部品候補との一覧を作成する第1の診断部と、
    前記第1の診断部で作成された一覧を表示し、新たな質問と、該新たな質問に対する回答を表わす顧客の新たな文言が入力され、該一覧中の顧客の文言および該新たな文言を基に前記知識データベースを検索して、該一覧中の顧客の文言および該新たな文言と、故障内容候補と、修理部品候補との一覧を作成する第2の診断部と、
    故障修理後の故障内容と故障修理に要した修理部品を表す情報が入力される修理報告入力部と、
    前記第2の診断部で作成された一覧、および前記修理報告入力部からの故障内容および故障修理の情報を基に前記知識データベースに記録された知識を更新する知識更新部とを備えた故障診断装置として動作させることを特徴とする故障診断プログラム。
JP2001263234A 2001-08-31 2001-08-31 故障診断装置、故障診断システム、および故障診断プログラム Expired - Fee Related JP5028728B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001263234A JP5028728B2 (ja) 2001-08-31 2001-08-31 故障診断装置、故障診断システム、および故障診断プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001263234A JP5028728B2 (ja) 2001-08-31 2001-08-31 故障診断装置、故障診断システム、および故障診断プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003076549A JP2003076549A (ja) 2003-03-14
JP5028728B2 true JP5028728B2 (ja) 2012-09-19

Family

ID=19090019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001263234A Expired - Fee Related JP5028728B2 (ja) 2001-08-31 2001-08-31 故障診断装置、故障診断システム、および故障診断プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5028728B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101336434A (zh) * 2006-02-07 2008-12-31 奥蒂斯电梯公司 便于来源于多个制造商的设备的维修的动态信息知识库
JP5343650B2 (ja) * 2009-03-23 2013-11-13 富士電機株式会社 コールセンタ業務支援システム
JP2011053791A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Toshiba Corp 情報資産の検索表示システム
JP7245039B2 (ja) * 2018-12-14 2023-03-23 株式会社日立製作所 故障箇所特定支援システム
JP7377670B2 (ja) * 2019-10-15 2023-11-10 三菱重工業株式会社 プラント運転支援システム、プラント運転支援方法
JP6961765B1 (ja) * 2020-07-01 2021-11-05 楽天グループ株式会社 電話対応業務支援システム、電話対応業務支援方法及びプログラム
CN117873909A (zh) * 2024-03-13 2024-04-12 上海爱可生信息技术股份有限公司 故障诊断执行方法、故障诊断执行系统、电子设备及存储介质

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2502766B2 (ja) * 1989-09-19 1996-05-29 株式会社日立ビルシステムサービス エレベ―タの故障診断装置
JPH06294668A (ja) * 1993-04-12 1994-10-21 Mitsubishi Electric Corp 故障診断装置
JPH10240536A (ja) * 1997-02-27 1998-09-11 Mitsubishi Electric Corp 事例検索装置及び事例検索方法並びに事例ベース構築装置及び事例ベース構築方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003076549A (ja) 2003-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6496838B1 (en) Database reconciliation method and system
US6823054B1 (en) Apparatus and method for analyzing an automated response system
US6922466B1 (en) System and method for assessing a call center
US7039166B1 (en) Apparatus and method for visually representing behavior of a user of an automated response system
US6970554B1 (en) System and method for observing calls to a call center
US6937705B1 (en) Apparatus and method for visually representing events in calls handled by an automated response system
US6701294B1 (en) User interface for translating natural language inquiries into database queries and data presentations
US6898277B1 (en) System and method for annotating recorded information from contacts to contact center
US6882723B1 (en) Apparatus and method for quantifying an automation benefit of an automated response system
US7565338B2 (en) Method and system for sharing knowledge
US8170880B2 (en) Systems and methods for monitoring speech data labelers
US6829734B1 (en) Method for discovering problem resolutions in a free form computer helpdesk data set
US20010025247A1 (en) System configuration proposal method and tool therefor
US7353230B2 (en) Dynamic distributed customer issue analysis
CA2534614C (en) A system and method for dynamically creating records
Tsakonas et al. Evaluation of user interaction in digital libraries
JP5028728B2 (ja) 故障診断装置、故障診断システム、および故障診断プログラム
JP6899797B2 (ja) 問合せ機器特定システム、問合せ機器特定方法
US20050278340A1 (en) Problem solving assistant
US20060053149A1 (en) Method and system for supporting development of information systems based on EA
US20060253486A1 (en) Method and apparatus to assist in the manipulation and understanding of marketing data
Kaiya et al. Design of a hyper media tool to support requirements elicitation meetings
JP4948427B2 (ja) ヘルプデスクにおけるオペレータ業務支援システム、オペレータ業務支援方法及びプログラム
JPH11120224A (ja) 人事異動支援システム
JP2005149489A (ja) プログラム及び営業活動支援システム並びに方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120529

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120611

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees