JP5028659B2 - 位置決め機構 - Google Patents

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Description

本発明は、移動体となるステージを直交するX軸及びY軸で構成される平面内の任意の位置にnm以下の高精度な分解能で、且つ、高速な応答で位置決めの制御を行なうことができる位置決め機構に関するものである。
従来から走査型プローブ顕微鏡、電子顕微鏡,半導体や液晶関連の製造及び検査工程等に用いられる微動ステージにおいては、直交するX軸及びY軸で構成される平面内をnm以下の位置決め精度を有しながら、数百μm角の領域で正確に走査動作できる性能が要求されている。例えば、現在、走査型プローブ顕微鏡では、シリコン等で製作された探針で対向する試料表面を走査するため、100μm角のX−Y軸平面内で動作するステージに5μm程度の高さ調整を行なうZ軸ステージを組み合わせたX−Y−Zステージが、積層型圧電素子を応用して実用化されており、nmレベルの観察に用いられている。しかし現状では、さらに数百μm角へ走査領域を拡張しながら、走査動作の高速化とnm以下の位置決め精度の両立が図られるステージの実現は、技術的に非常に難しく、様々な取り組みがなされてはいるが、実現には至っていない。
ステッパーやスキャナー(半導体露光装置)による露光や現像,エッチング後の半導体ウェハーの回路検査では、配線ピッチの微細化に伴って、安定した歩留まり率の向上が一層重要な課題となっている。歩留まり率の向上には、プロセス後の半導体ウェハーの回路不良の解析が重要な鍵を握っており、回路パターン等の不良解析には走査型プローブ顕微鏡の応用が有効な手段となっている。このような回路検査においては、リニアモータとリニアガイドなどで構成されるX−Yステージに100μm角程度の動作領域を有する圧電素子型のX−Yステージを組み合わせることで、現状では8インチ(直径200mm)程度には対応している。しかし、現在要求されている12インチ(直径300mm)のウェハーサイズに対応するためには、計測範囲を広げながら、計測時間を短縮することが求められており、500μm角以上の走査範囲を有しながら、X−Y平面内でnmレベルの位置決め精度を高速な動作と共に実現する圧電素子型のX−Yステージへの要求が非常に高まっている。
圧電素子、特に積層型圧電素子により直接駆動されるX−Yステージにおいて、現時点においてもnmレベルの位置決め精度を得ることは可能ではあるが、500μm角以上の走査能力を有しながらnmレベルの位置決め精度を安定して得ることは極めて困難である。この理由は、積層型圧電素子の伸長は無負荷の状態においては積層自長の1/1000程度と極めて微小であるため、500μmの動作範囲に素子そのもので対応するには、可搬する質量負荷がなかったとしても500mmの積層厚さの素子を2つ直交配置する必要がある。しかしながら、自長が500mmもある積層型圧電素子の伸び量を直接X−Yステージに伝達することは現実的に不可能であり、この対策として、積層型圧電素子の変位(伸長)量を拡大する機構手段を備えた各種のアクチュエータが提案されているが、一般的に変位を拡大する機構は、変位量の増加と共にアクチュエータの剛性を阻害するので、制御性能に影響するアクチュエータ自身の共振周波数の低下を招く要因となる。また、従来の変位拡大機構は、X軸やY軸に平行で正確な動作以外にX−Y平面内の回転動作等を伴う動作を生じさせるので、nmレベルの正確な位置決めを阻害する要因となっている。この点を考慮し、積層型圧電素子の変位量を拡大する手段としては、下記の特許文献1(特開2005−312208号公報)、本出願人が先に出願した特許文献2(特開2005−261167号公報)、等が提案されている。
特許文献1には、積層型圧電素子が発生する変位を拡大するため、第1〜第4のアームを対称な菱形状になるようにヒンジ部を介して連結部に結合するとともに、菱形の一方の対角の長辺上に中央固定部を挟んで二つの積層型圧電素子を配置し、もう一方の対角側の一方のヒンジ連結部端面に、例えば磁気ディスクへの情報の読み書きを行なう磁気ヘッドを取り付けた位置決め装置が記載されている。この特許文献1に記載の変位拡大型の位置決め装置においては、積層型圧電素子に電圧を印加して素子そのものを伸縮させると、第1〜第4のアームは軸対称な菱形リンク形状になっていることで菱形の対角線の比率で変位拡大され、固定部を挟み込んで2つの積層型圧電素子が動作するため、固定部への反力が相殺されて無反動であることを特徴としている。そして、菱形機構によって積層型圧電素子の発生する微小変位が拡大されることで、磁気ヘッドを取り付けた連結部はディスクの半径方向に動作し、磁気ヘッドが磁気媒体(回転ディスク)上の記録トラックに追従動作することが開示されている。
特許文献2には、積層型圧電素子と変位拡大機構を備えたアクチュエータが提案されている。特許文献2に開示されているアクチュエータは、積層型圧電素子と、この積層型圧電素子の発生する変位をてこによって拡大する機構と、積層型圧電素子が発生する直線変位を正確且つ平行に伝達する平行バネ機構で構成される変位拡大機構を備えている。この変位拡大機構は、積層型圧電素子の一端を固定した支持部と、この支持部と対向して配置した可動子と、これら支持部と可動子とを連結すると共に積層型圧電素子の変位に応じて移動するリンク部とから構成されている。また、積層型圧電素子の他端はてこを介して一方のリンク部に接続し、さらに、リング部の両端部はそれぞれ弾性ヒンジを介して支持部及び可動子に連結した構成となっている。
そして、積層型圧電素子が変位すると、この変位はてこ比に応じて増大され、平行バネを構成する一方のリンク部に伝達されることにより変位拡大機構は長方形から平行四辺形に変化する。したがって、アクチュエータは高い剛性を維持しながら積層型圧電素子の発生する変位を増幅し、正確な直動動作を可動子の変位として出力されることが開示されている。また、リンク部や可動子間に粘弾性体を介して拘束部材を配置することで、アクチュエータが共振周波数で発生する非常に大きなピーク振幅を効率的に減衰し、小さくすることで、アクチュエータの制御性能を飛躍的に向上できることが開示されている。
走査型プローブ顕微鏡等に用いられる四方が弾性バネで支持されるステージにおいて、積層型圧電素子の伸長を直接伝達する場合、一方向(例えばX軸方向)の積層型圧電素子の伸長に応じてステージを微動させる時、四方のバネ支持機構が一方向の伸長(この場合、X軸方向)以外の動作が拘束される形状を用いれば、この伸長による並進動作に伴って正確なX軸方向への位置決めは可能になる。しかし、四方が弾性バネで支持されるステージに対し、このX軸方向に直交する方向(Y軸方向)に伸長する積層型圧電素子を同一平面内に設けてステージをX−Y平面内で位置決めすれば、変位量が微小な範囲ではX軸とY軸上に正確な並進動作が期待できるが、大きな動作範囲では変位量の増加に伴って、このX軸やY軸方向の動作は、四方のバネ支持機構の形状や拘束の状態に関わらず、互いに他方の軸に対してせん断力として働き、それぞれの並進動作は互いに干渉し合って拮抗し、モーメントとして作用する。したがって、θ軸周り(X−Y平面に垂直なZ軸周りの回転軸)の曲げ動作(回転モーメント)として各並進動作に重畳してしまう。しかし、ステージにはθ軸周りの動作を抑制又は補正する機能や補償する自由度がないので、X−Y平面内の正確な位置決めが阻害され、走査動作の制御が不可能になることが予想できる。
X−Y平面内の任意の位置にステージを位置決めする場合、X軸方向に移動するステージとY軸方向に移動するステージを直交させて重ねて配置する手段が一般に採用されている。この手段では、互いに一方向しか動作しない2つのステージを上下に直交させるので、同一X−Y平面内における動作ではないが、2つの積層型圧電素子等の推力発生機構は互いに干渉せず独立して動作することにより、互いの軸に作用するθ軸周りの回転モーメントを防止することができる。しかしその反面、一方の軸(下側の軸)に他方の軸(上側の軸)が直交して重さねられて配置されるので、下側の軸には搭載される上側の軸の重量が全て慣性質量として常に負荷された状態になる。さらに搭載される上側のステージの移動によって、X−Yステージ全体の重心位置は常に変化し、付随して制御対象としても変化するので、制御系からみると制御性が良いとは言えない。このような大きな負荷質量や制御対象の変化は、大幅な共振周波数やサーボ帯域の低下を招くので、ステージの高速性や制御性能を大幅に抑制させる要因となる。このために、高速で高精度な位置決め精度が要求される場合には、上記した手段は応答性や制御性が阻害されるので適用できない。
走査型プローブ顕微鏡においても、上記のような積層型圧電素子の伸長を直接伝達させるステージ(一方向の積層型圧電素子の伸長に応じて直接ステージが微動)を2つ直交して重ねることで、並進動作に曲げモーメントが重畳することを排除することが可能であり、一部の走査型プローブ顕微鏡では応用されている。しかし、一方の軸に他方の軸が重さねられて配置されるので、上記の問題と同様に一方の軸側に他方の軸側の質量が常に負荷された状態となり、慣性が増大してしまうので、応答性に影響が現われる。また工作機械や直交座標系のロボットのような数十センチーメートルから数メートルまで動作範囲を行なうために適用されるリニアガイドにリニアモータを組み合わせるか、又はボールネジと回転型モータを組み合わせで構成される一軸ステージの場合のような可動部の移動に伴う重心位置の大きな変動はこの場合にはないが、大幅な共振周波数の低下や制御対象の変化は原理的に逃れることはできないので、ステージの高速化や制御性能が大幅に抑制される要因となる。
ステージ(テーブル)をX軸やY軸方向、及びZ軸方向に精密に移動・位置合せするための技術としては、下記特許文献3に記載のステージ装置が提案されている。
特許文献3には、ステージを高剛性で重心支持して精密に移動及び位置決めを行なうために、微動ステージへのテーブルの取り付けを、このテーブルに配置した3点の支持点P1、P2、P3をそれぞれテーブルの表裏面側から一対の伸縮ロッドで接続した構成にすることが記載されている。また、伸縮ロッドのロッド部には、圧電素子で駆動するピエゾアクチュエータを用いていることが開示されている。
特開2005−312208号公報 特開2005−261167号公報(特許第3612670号公報) 特開2004−146718号公報
上記特許文献1に記載の発明は、4つのリンク機構で構成される菱形機構を変化させることにより、アームの連結部に取り付けた磁気ヘッド等の位置を2次元的に制御する機構が開示されており、積層型圧電素子の変位を菱形リンク機構を利用して拡大する際、中央固定部を挟んで長辺上に配置される2つの積層型圧電素子を個別に動作させた場合において、X−Y平面内の任意の位置に位置決めできることを示している。しかし、本質的にX−Y平面内で位置決めするには、2つの積層型圧電素子を個別に動作させる必要があり、本提案のアクチュエータの特徴となっている積層型圧電素子の反力を抑制するため、2つの素子を同時に且つ同じ力で作用させることはできない。したがって、X−Y平面内の位置決めの目的に対して、高速、且つ高精度に位置決めする機構の開示になっているとは言えない。
上記特許文献2に記載の発明は、積層型圧電素子の変位をてこを介してリンク部に伝達してこの変位を拡大するようにしたアクチュエータの共振周波数における振幅のピーク値を低減させる減衰機構の手段を示すもので、X−Y平面内の位置決めを行なう手段については開示されていない。
特許文献3に記載の発明は、テーブルに配置した3点の支持点P1、P2、P3をそれぞれテーブルの表裏面側から一対の伸縮ロッドで接続すると共に、伸縮ロッドのロッド部には、圧電素子で駆動するピエゾアクチュエータを用いることで、テーブルを高剛性で重心支持するためのステージ装置であって、テーブルをX−Y平面上に正確に位置決めするための機構については開示されていない。
そこで、本発明の目的は、直交するX軸及びY軸方向に変位を発生させるアクチュエータを用いてステージをX軸方向とY軸方向への精密な位置決めを行なうときに、アクチュエータのX軸又はY軸方向の変位に対して、ステージに回転力を作用させないような機構を介して、ステージを同一のX−Y平面内においてnm以下のオーダの精度を有しながら、高速に位置決めすることができる機構を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の位置決め機構は、ステージを直交するX軸とY軸で構成される平面内を任意に移動させて、高速、且つ高精度に所定の位置に位置決めする位置決め機構において、
ベースに固定されたアクチュエータであって、推力発生手段により発生した推力を推力伝達部を介して前記X軸方向に伝達するための第1のアクチュエータと、
同じく、推力発生手段により発生した推力を推力伝達部を介して前記Y軸方向に伝達するための第2のアクチュエータと、を備え、
前記ステージは、前記X軸と前記Y軸にそれぞれ直交する隣り合った2辺の一方で前記第1のアクチュエータの推力伝達部にリンク機構を介して連結されて、もう一方の辺で前記第2のアクチュエータの推力伝達部にリンク機構を介して連結され、対向する四つの角部が、それぞれ弾性バネ機構を介して前記ベースに支持されており、
前記リンク機構は、互いに平行に配設されたリンク部材を備え、前記推力伝達部及び前記ステージと回動可能に連結された平行リンク機構から構成されていることを特徴としている。
さらに、本発明の位置決め機構において、前記弾性バネ機構は、前記X軸又は前記Y軸の方向に対して所定の向きに配設されていることを特徴としている。
さらに、本発明の位置決め機構において、前記所定の向きは、前記X軸及び前記Y軸に対して45°の方向に設定されていることを特徴としている。
さらに、本発明の位置決め機構において、前記所定の向きは、前記X軸又は前記Y軸に対して平行に設定されていることを特徴としている。
さらに、本発明の位置決め機構において、前記所定の向きは、前記X軸又は前記Y軸に対して任意の角度に設定されていることを特徴としている。
さらに、本発明の位置決め機構において、前記第1及び第2のアクチュエータは、発生変位を直動できる機構から構成される前記推力発生手段を備えていることを特徴としている。
さらに、本発明の位置決め機構において、前記第1及び第2のアクチュエータの前記推力発生手段による前記発生変位を直動できる機構は、積層型圧電素子から構成されていることを特徴としている。
さらに、本発明の位置決め機構において、前記積層型圧電素子から構成される前記第1及び第2のアクチュエータの前記推力発生手段は、その発生変位を増幅する機構を備えていることを特徴としている。
さらに、本発明の位置決め機構において、前記第1及び第2のアクチュエータの前記推力発生手段による前記発生変位を直動できる機構は、ボイスコイルモータ又はリニアモータなどの電磁型アクチュエータから構成されることを特徴としている。この電磁型アクチュエータとしては、上記ボイルコイルモータ、リニアモータ以外に、例えばボールネジと回転型モータを組み合わせた構成などを採用することができる。
本発明の位置決め機構は、ベース上に固定された第1のアクチュエータと第2のアクチュエータとにより発生する推力の向きが直交するようにこれら第1及び第2のアクチュエータを配設すると共に、第1のアクチュエータの推力伝達部と、前記第2のアクチュエータの推力伝達部とにリンク機構を介してX−Y平面内の任意の位置に位置決めするステージを連結するもので、第1及び第2のアクチュエータに直接連結されているリンク機構は、それぞれX軸、Y軸方向に推力を直接伝達する。また同時に、互いに直交関係のリンク機構に対してはせん断力として作用するので、その場合にリンク機構は伝達された推力により平面視で長方形から平行四辺形の形状に変化することで、X軸、Y軸に対して並進動作だけを伝達する作用を行なう。これにより、従来のステージ構造では、せん断力により必然的に発生していたθ軸周りの回転モーメントを防止することができるので、第1及び第2のアクチュエータの動作により位置決めの対象となるステージを、高速、且つnmオーダ以下の精度で正確に位置決めを行なうことが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態を示す位置決め機構の平面図、図2は図1のA−A線断面矢視図である。
本発明の実施形態の一例を示す位置決め機構1は、ベース2と、ベース2の縁部の内側は掘り込まれており、L型で立設する側面部(L型の立設側面部)2aに固定された第1のアクチュエータ3と、同じく側面部2bに固定された第2のアクチュエータ4と、ステージ5と、第1のアクチュエータ3とステージ5とを連結する第1のリンク機構6と、第2のアクチュエータ4とステージ5とを連結する第2のリンク機構7と、ステージ5の四方をベース2に固定する弾性体からなる支持機構(以下、弾性支持機構という)となる4個の弾性バネ機構8a、8b、8c、8dとを備えている。なお、ステージ5は、本発明において高精度な位置決めを行なうための制御対象物(移動体)であって、例えば、本発明を走査型プローブ顕微鏡に適用したときには被測定試料や、逆に測定プローブを搭載することで、被測定試料と測定プローブ間において相対的な走査動作が実現され、X−Y平面内領域を測定するステージとなる。図1に示す実施形態においては、ステージ5は、4つの辺5s1、5s2、5s3、5s4とこれら各々の辺が構成する外側面(ステージ5の高さを形成する)を有する平面視で四角形状をなした構造であり、さらにその下側面は、図2に示すようにベース2に対して浮動状態で弾性バネ機構8a、8b、8c、8dにより支持されている。
さらに、位置決め機構1は、第1及び第2のアクチュエータ3、4の駆動を制御するための制御装置(図7に示す制御装置30)、同じく図7に示すX軸の駆動用回路31xとY軸の駆動用回路31y、ステージ5の位置を検出するためのX軸用の位置検出センサ9x、Y軸用の位置検出センサ9yを備えている。X軸用位置検出センサ9x及びY軸用位置検出センサ9yとしては、光学スケール、レーザ測長器、光ファイバー式や静電又は渦電流などを応用した高速な応答が可能で、高分解能な変位計を使用することができる。なお、図2には、X軸用の位置検出センサ9xとY軸用の位置検出センサ9yは図示していない。
第1のアクチュエータ3は、推力発生手段となる積層型圧電素子10xと、同素子10xの一端を固定する支持部11xと、支持部11xと対向する位置にビーム全体のしなりを応用した薄肉のリンクビーム部12xとリンクビーム部14xで構成される平行バネ機構により支持された可動子13xを備えている。リンクビーム部14xの長手方向の一端は弾性ヒンジ部15xを介して可動子13xに接続され、さらに、リンクビーム部14xの長手方向の他端は弾性ヒンジ部16xを介して支持部11xに接続されている。また、リンクビーム部14xにおいてその長手方向の弾性ヒンジ部16x近傍の外側面には、積層型圧電素子10xの他端を接続したてこ部17xを設けている。可動子13xは、リンクビーム部14xに配置されたてこ部17xを介して積層型圧電素子10xにより発生された推力をステージ5に伝達するための推力伝達部になる。
上記構成の第1のアクチュエータ3においては、リンクビーム部14xに設けたてこ部17xと支持部11xとの間に積層型圧電素子10xを固定した構成にしているので、積層型圧電素子10xを変位させて伸縮させると、てこ部17xのてこの作用により、幾何学的には弾性ヒンジ部15xと16xの支点間距離と、弾性ヒンジ部16xの支点とてこ部17xの作用点(てこ部17xとリンクビーム部14xとの連結部)間のY軸上の距離との比で、積層型圧電素子10xの発生変位を増幅する(発生変位量を拡大させる)機構となる。この変位拡大(変位増幅)機構により拡大された変位量が可動子13xに伝達されることで、可動子13xはX軸上をX1方向か又はX2方向に向かって変位する。したがって、例えば、可動子13xがX1方向か又はX2方向に変位すると、アクチュエータ3の発生推力は第1のリンク機構6を介してステージ5に伝達される。これにより、ステージ5はX軸方向に所定の距離移動することになる。
なお、本位置決め機構の構成の説明に用いた第1のアクチュエータ3は、積層型圧電素子の発生する微小な変位量を拡大する機構の一例として記載するもので、積層型圧電素子の配置や変位拡大機構の形状を規定するものではない。積層型圧電素子の発生する変位や推力を効率的にリンクビーム部14xを介してステージ5に伝達できる構造であれば、このアクチュエータの機構や形状は問わない。
第2のアクチュエータ4の構成は、第1のアクチュエータ3と同一の構成としている。すなわち、第2のアクチュエータ4は、推力発生手段となる積層型圧電素子10yと、同素子10yの一端を固定する支持部11yと、支持部11yと対向する位置にビーム全体のしなりを応用した薄肉のリンクビーム部12yとリンクビーム部14yで構成される平行バネ機構が可動子13yを支持している。リンクビーム部14yの長手方向の一端は弾性ヒンジ部15yを介して可動子13yに接続され、さらに、リンクビーム部14yの長手方向の他端は弾性ヒンジ部16yを介して支持部11yに接続されている。また、リンクビーム部14yにおいてその長手方向の弾性ヒンジ部16y近傍の外側面には、積層型圧電素子10yの他端を接続したてこ部17yを設けている。可動子13yは、リンクビーム部14yに配置されたてこ部17yを介して積層型圧電素子10yにより発生された推力をステージ5に伝達するための推力伝達部になる。
上記構成の第2のアクチュエータ4においては、リンクビーム部14yに設けたてこ部17yと支持部11yとの間に積層型圧電素子10yを固定した構成にしているので、積層型圧電素子10yを変位させて伸縮させると、てこ部17yのてこの作用により、幾何学的には弾性ヒンジ部15yと16yの支点間距離と、弾性ヒンジ部16yの支点とてこ部17yの作用点(てこ部17yとリンクビーム部14yとの連結部)間のX軸上の距離との比で、積層型圧電素子10yの発生変位を増幅する(変位量を拡大させる)機構となる。この変位拡大(変位増幅)機構により拡大された変位量が可動子13yに伝達されることで、可動子13yはY軸上をY1方向か又はY2方向に向かって変位する。したがって、例えば、可動子13yがY1方向か又はY2方向に変位すると、アクチュエータ4の発生推力は第2のリンク機構7を介してステージ5に伝達される。これにより、ステージ5はY軸方向に所定の距離移動することになる。
なお、本位置決め機構の構成の説明に用いた第2のアクチュエータ4は、上記第1のアクチュエータ3と同様に、積層型圧電素子の発生する微小な変位量を拡大する機構の一例として記載するもので、積層型圧電素子の配置や変位拡大機構の形状を規定するものではない。積層型圧電素子の発生する変位や推力を効率的にリンクビーム部14yを介してステージ5に伝達できる構造であれば、アクチュエータの機構や形状は問わない。
上記した第1及び第2のアクチュエータ3、4を構成する支持部11x(11y)、リンクビーム部12x(12y)、可動子13x(13y)、リンクビーム部14x(14y)、弾性ヒンジ部15x(15y)、弾性ヒンジ部16x(16y)、てこ部17x(17y)は、一体の構造体となるようにする。この一体の構造体には、ヤング率が高く、比重が軽く、疲労破壊における耐力を有し、且つ熱膨張係数が低い材料特性を備え、ワイヤカット放電加工に適した材料(例えばチタン(Ti)合金、超々ジュラルミン、ステンレス鋼、サイアロン等)の適用が望ましい。
なお、第1及び第2のアクチュエータ3、4をベース2へ固定する方法は、次の手段を採用することができる。すなわち、第1及び第2のアクチュエータ3、4の支持部11x、11yの側面に複数のネジ溝(孔)18(図2参照)を複数配置(穿孔)する。そして、図1に示すように、ベース2の側面にL型の立設側面部2a、2bにボルト孔19bを設け、立設側面部2a、2bの外側の側面部からボルト19aをこのボルト孔19bを介してネジ孔18にネジ込むことにより、第1及び第2のアクチュエータ3、4をベース2の縁部に設けたL型内壁面に固定することができる。しかし、上記の固定方法は一例を示すもので、第1及び第2のアクチュエータを高剛性に固定できる方法であれば、ネジ以外の機械的な固定方法やロウ付け、溶接、接着などによる固定を採用することができ、この固定方法は特に限定されない。
第1のリンク機構6は、図1に示すように、所定の間隔を設けて互いに平行になるように配設した2個のリンク部材6a、6bから構成され、さらに、各両端部近傍を可動子13xとステージ5に対して回転(回動)可能になるように接続(連結)している。図1に示す実施形態において、リンク部材6a、6bの各端部をそれぞれ可動子13xとステージ5に回転可能に連結する方法は、例えば、ネジやピン結合等による機械的な接合手段を採用することができる。また、リンク部材6a、6bの一方の端部を、平面視(上面図)で四角形状をなすステージ5の一辺(辺部)であって、X軸方向と直交する辺部(Y軸方向と平行な辺部)5s4に回転可能に連結している。
このように、2個のリンク部材6a、6bの各端部は、それぞれ可動子13xとステージ5に回転(回動)可能に連結しているので、2個のリンク部材6a、6bは平行リンク機構を構成する。これにより、この平行リンク機構は、可動子13xの直動動作を効率的にステージ5に伝達し、さらに、可動子13yの直動動作(せん断力)に対しては、この平行リンク機構は平面視で長方形から平行四辺形に形状が変化するのでX軸方向の並進誤差としてステージ5を動作させるが、θ軸周りの回転モーメントは生じさせない。したがって、ステージ5の移動制御を、X軸、Y軸について同時に連動し協調させ、位置誤差を補正しながら位置制御することで、ステージ5をX−Y平面内の任意の位置へ高精度に位置決めすることが可能となる。
なお、リンク部材6a、6bは、座屈応力に対する耐力があり、且つ比重が小さい材料の使用、例えば、前記したアクチュエータ3、4を構成する可動子13x(13y)等の材料であるチタン(Ti)合金、超々ジュラルミン、ステンレス鋼、サイアロン等が適している。
同様に、第2のリンク機構7は、図1に示すように、所定の間隔を設けて互いに平行になるように配設した2個のリンク部材7a、7bから構成され、さらに、各両端部近傍を可動子13yとステージ5に対して回転可能に接続(連結)している。図1に示す実施形態において、リンク部材7a、7bの各端部をそれぞれ可動子13yとステージ5に回転可能に接続する方法は、例えば、ネジやピン結合等による機械的な接合手段を採用することができる。また、リンク部材7a、7bの一方の端部を、平面視(上面図)で四角形状をなすステージ5の一辺(辺部)であって、Y軸方向と直交する辺部(X軸方向と平行な辺部)5s1に回転可能に連結している。
このように、2個のリンク部材7a、7bの各端部は、それぞれ可動子13yとステージ5に回転(回動)可能に連結しているので、2個のリンク部材7a、7bは平行リンク機構を構成する。これにより、この平行リンク機構は、可動子13yの直動動作を効率的にステージ5に伝達し、さらに、可動子13xの直動動作(せん断力)に対しては、この平行リンク機構は平面視で長方形から平行四辺形に形状が変化するのでY軸方向の並進誤差としてステージ5を動作させるが、θ軸周りの回転モーメントは生じさせない。したがって、ステージ5の移動制御をX軸、Y軸について同時に連動し協調させ、位置誤差を補正しながら位置制御することで、ステージ5をX−Y平面内の任意の位置へ高精度に位置決めすることが可能となる。
なお、リンク部材7a、7bの材質は、リンク部材6a、6bと同様に、座屈耐力に対する耐力があり、且つ比重が小さい材料の使用、例えば、前記したアクチュエータ3、4を構成する可動子13x(13y)等の材料であるチタン(Ti)合金、超々ジュラルミン、ステンレス鋼、サイアロン等が適している。
なお、リンク部材6a、6bとリンク部材7a、7bの配置関係は、図1に示すように平面視(上面図)で四角形状をなすステージ5のX軸方向と前記Y軸方向にそれぞれ直交する隣り合った2辺の一方(5s4又は5s1)とその外側面の中央部にそれぞれ連結している。
図1に示す第1及び第2のリンク機構6、7は、2個のリンク部材6a、6b、あるいは7a、7bを平行に配置した状態で、可動子13xとステージ5、及び可動子13yとステージ5に対してネジやピン結合等により回転可能にリンク接続した例を示しているが、本発明においては、リンク機構6、7を図3に示すような構成としても良い。
図3に示す平行リンク機構となる第1及び第2のリンク機構6と7は、可動子13x、可動子13y及びステージ5と共に一体成形により製造した構成を示す。
すなわち、第1のリンク機構6となる可動子13xとステージ5を連結する2つのリンク部材6a、6bは、互いに平行になるように配設すると共に、その連結する根元部には切欠け部が形成された弾性ヒンジ部6a1と6a2、及び弾性ヒンジ部6b1と6b2を有する構成にしている。同様に、第2のリンク機構7となる可動子13yとステージ5を連結する2つのリンク部材7a、7bは、互いに平行になるように配設すると共に、その連結する根元部には切欠け部が形成された弾性ヒンジ部7a1と7a2、及び弾性ヒンジ部7b1と7b2を有する構成にしている。なお、図3に示すように、リンク部材6a、6bとリンク部材7a、7bは、平面視(上面図)で四角形状をなすステージ5のX軸方向と前記Y軸方向にそれぞれ直交する隣り合った2辺の一方(5s4又は5s1)とその外側面の中央部にそれぞれ連結されている。
このように、第1及び第2のリンク機構6、7を構成するリンク部材6a、6bと、リンク部材7a、7bとに、弾性体の一部分に応力を集中することで回転ジョイントのように動作する弾性ヒンジ部6a1、6a2、6b1、6b2、及び7a1、7a2、7b1、7b2を設けることにより、可動子13x及び可動子13yの直動動作に対して、直交に配置される第1及び第2のリンク機構6、7を構成するリンク部材6a、6bとリンク部材7a、7bにはせん断力が加わるので、弾性変形によるヒンジ動作によって、平行リンク機構を構成するリンク部材6aと6b、又はリンク部材7aと7bの形状は平面視で長方形から平行四辺形に形状が変化し、図1に示すネジやピン結合等による機械的な接合手段と同様な平行リンク機構としての動作が可能になる。
図3に示す第1及び第2のリンク機構6、7は、可動子13x(可動子13y)とステージ5の外側部材とを、ネジやピン結合等を用いないで一体成形によりリンク接続した構成を示す。このようなリンク機構6、7の構成例としては、さらに、図4に示すような構成も採用することができる。
図4に示すリンク機構は、第1のリンク機構6となる可動子13xとステージ5を連結する2つのリンク部材(ビーム)6c、6dとを平行に配設すると共に、その根元部には切欠け部を備えた弾性ヒンジ部(図3に示す6a1と6a2、及び6b1と6b2)を設けずに、第1のリンク機構6を構成するビーム6c、6dの曲げ剛性を下げ、ビームそのもののしなりを用いて、平行リンク機構を実現する構成にしたものである。
同様に、第2のリンク機構7となる可動子13yとステージ5を連結する2つのリンク部材(ビーム)7cと7dとを平行に配設すると共に、その根元部に切欠け部を備えた弾性ヒンジ部(図3に示す7a1と7a2、及び7b1と7b2)を設けずに、第2のリンク機構7を構成するビーム7c、7dの曲げ剛性を下げ、ビームそのもののしなりを用いて、平行リンク機構を実現する構成にしたものである。
なお、図4に示すように、ビーム6c、6d及びビーム7c、7dは、平面視(上面図)で四角形状をなすステージ5のX軸方向と前記Y軸方向にそれぞれ直交する隣り合った2辺の一方(5s4又は5s1)とその外側面の中央部にそれぞれ連結されている。
図4に示すリンク機構においては、可動子13x及び可動子13yの直動動作に対して、直交する第1及び第2のリンク機構6、7を構成するビーム6c、6d、及びビーム7c、7dは、それぞれ平行リンク機構として平面視で長方形から平行四辺形状に形状が変化することが可能になる。このように平行リンク機構の機構を満足すれば、リンク機構そのものの形状や形態は問わない。
なお、図1、図3、図4に示す実施形態において、各リンク部材6a、6b等、各ビーム6c、6d等は、平面視(上面図)で四角形状をなすステージ5のX軸方向と前記Y軸方向にそれぞれ直交する隣り合った2辺の一方(5s4又は5s1)とその外側面の中央部に配置しているが、中央部から上下又は左右にオフセットさせてずらし、中心から偏った位置にそれぞれ連結される構成も可能である。
図3及び図4に示す実施形態においては、第1及び第2のリンク機構6、7と、可動子13x(可動子13y)と、ステージ5とを、例えば、ワイヤカット放電加工などによりこれら部材を一体成形加工した例を示しているが、次の結合(接合)手段を用いて、第1のリンク機構6をステージ5と可動子13xに、第2のリンク機構7をステージ5と可動子13yに一体に結合しても良い。
すなわち、第1のリンク機構6をステージ5と可動子13xに、第2のリンク機構7をステージ5と可動子13yに、接着剤による結合手段、ロウ付けによる結合手段、溶接による結合手段、摩擦圧接よる結合手段、拡散接合による結合手段、ガラスハーメチックなどによる結合手段のいずれかの結合手段を用いて一体に結合する。しかし、第1及び第2のリンク機構とステージ5を高剛性に接合できる方法であれば、ネジなどの機械的な固定方法の採用も考えられ、この固定方法は特にロウ付け、溶接、接着などに限定されない。
弾性支持機構となる弾性バネ機構8a、8b、8c、8dは、適度な弾性係数を有する弾性体から構成され、例えば、コイル状のバネ、あるいは四角柱の両側面に互い違いに市松状の切れ目を入れた方向性を有するバネ機構など、主に高張力なバネ用合金鋼が有する弾性を応用した支持機構の適用が考えられる。本発明において、この弾性バネ機構8a、8b、8c、8dは、ステージ5がX−Y平面内を自在に移動する際、この面に垂直なZ軸方向の変動を抑制する(指向性を持たせる)ため、X−Y平面内方向に比べてZ軸方向の剛性が著しく高い弾性バネ機構、例えば、図5に示す構成、すなわち、四角柱の弾性体の両側面に互い違いに市松の切れ目を入れた弾性バネ機構8a、8b、8c、8dとして採用することが望ましい。なお、図5に示す弾性バネ機構は弾性バネ機構8cのみを示しているが、他の弾性バネ機構8a、8b、8dも弾性バネ機構8cと同じ構成になる。
図5に示す弾性バネ機構8c(8a、8b、8d)は、四角柱の両側面に互い違いに複数の市松状の溝部(切欠け部)8c1をZ軸方向(弾性バネ機構8cの上面部から下面部)に貫通させた構成としている。このように市松状の溝部8c1を設けることで、U軸方向には柔軟なバネ性を付加し、断面2次モーメントの関係からZ軸方向の剛性の低下を抑えて、Z軸方向の変動を抑制するようにした指向性のある弾性バネ機構8a、8b、8c、8dを用いると、ステージ5がX−Y平面内を自在に移動するときにこの平面に対して垂直なZ軸方向の変動を抑制することができるので、ステージ5のX−Y平面内に規定された動作における位置決め精度を向上させる効果がある。
弾性支持機構となる各弾性バネ機構8a、8b、8c、8dの一端は、ステージ5と一体加工又は接着、ロウ付け、溶接、溶着やネジ等で一体に接続するが、高剛性に固定できれば接合方法そのものは限定されない。また、各弾性バネ機構8a、8b、8c、8dの他端は、ベース2にネジ込まれたボルト20に支持された状態で固定している。これら4個の弾性バネ機構8a、8b、8c、8dは、図1に示すX軸方向又はY軸方向に対する角度α又はβは所定の角度になるようにする。例えばこの角度α、βは、45°の角度をなすように設定することが望ましい。これにより、ステージ5はその4隅はそれぞれ弾性バネ機構8a、8b、8c、8dにより弾性的に支持されると共に、且つ、ベース2に対して摩擦がなく浮動した状態となり、第1及び第2のアクチュエータ3、4から出力される推力に応じてステージ5は、X−Y平面内を自在に移動することが可能になる。図1に示す実施形態においては、平面視(上面図)で四角形状のステージ5の4つの角部(4隅)を弾性バネ機構8a、8b、8c、8dで弾性的に支持した例を示している。
ベース2の上面には、図6に示すように、ステージ5を弾性バネ機構8a、8b、8c、8dにより弾性的に支持するための4個のボルト20が挿入されるそれぞれのボルト孔21が4箇所配置され、ボルト20の下端はベース2の底面側からナット22(図2参照)によって固定される構造となっているが、ベース2の底面側に直接ネジ溝を設置してボルト20をネジ込んで固定しても構わない。また、この固定方法は、ネジ等の機械的結合以外に接着、ロウ付け、溶接、溶着等が考えられるが、高剛性に固定できればその固定方法そのものは限定されない。図6に示す例では、ベース2の上面には、位置決め機構1を搭載する設備、例えば、走査型プローブ顕微鏡や半導体検査装置等に固定するためのボルト孔23が設けられている。
続いて、本発明の位置決め機構の構成についてその主要な特徴を説明する。第1の特徴となる構成は、第1及び第2のアクチュエータ3、4の推力発生手段である、例えば積層型圧電素子10x、10yに電圧を印加して変位を発生させたときに、それぞれの可動子13x、13yの変位方向が直交するように、且つ、第1及び第2のアクチュエータ3、4とを同一平面上に位置するようにベース2に配置して取り付けたことにある。これにより、ステージ5を直交するX軸とY軸で構成される同一な2次元(X−Y)平面内において、高速で精度の高い位置決めを行なうことが可能になる。
第2の特徴となる構成は、ステージ5を第1及び第2のアクチュエータ3、4のそれぞれの可動子13x、13yと、平面視で長方形から平行四辺形に形状の変化が可能なリンク機構(平行リンク機構)6、7を介して接続(連結)したことにある。この平行なリンク機構6、7を介してステージ5を連結すると、積層型圧電素子10x、10yの変位が前記したてこの作用により拡大されて可動子13x又は13yに伝達され、この拡大された変位は同一面内で互いに直交することによって、ステージ5をθ軸周りに回転させようとする力(回転モーメント)が含まれる。しかし、第1及び第2のアクチュエータ3、4が発生する各々の推力をステージ5に伝達する平行リンク機構6、7は、各々の推力伝達方向に対して互いに直交する力成分(せん断力)によって、平行リンク機構の形状が上記したように長方形から平行四辺形に形状が変化し、X軸又はY軸上の並進動作に変換されることで、回転モーメントの発生を抑制する。
したがって、第1及び第2のアクチュエータ3、4が発生する各々の変位(推力)を可動子13x又は13yからステージ5に直接伝達した場合、互いに動作方向が直交する可動子13x又は13yにはせん断力として働くが、平行リンク機構6、7を介して伝達する構成にすることで、可動子13xに伝達された変位(推力)は、ステージ5をX軸方向に移動させながら、同時にY軸方向へも平行に移動(並進)することになる。また可動子13yに伝達された変位(推力)は、ステージ5をY軸方向に移動させながら、同時にX軸方向へも平行に移動(並進)することになるので、互いの軸の動作は、制御可能なX軸及びY軸上の直線動作に規定され、実質、第1及び第2のアクチュエータ3、4だけでは制御が不可能なθ軸周りの回転運動の成分を抑制することができる。
第3の特徴となる構成は、ステージ5をベース2に対して浮動した状態で取り付けたことにある。上記したように、ステージ5は第1及び第2のアクチュエータ3、4のそれぞれの可動子13x、13yと平面視で長方形から平行四辺形に形状の変化が可能な平行リンク機構6、7を介して接続しているが、ステージ5自体は、図2に示すようにベース2に対して弾性支持機構となる弾性バネ機構8a等を介して浮動した状態で支持されている。このように、ステージ5を弾性バネ機構8a等を介してベース2に対して摺動による摩擦などのない浮動状態で支持することで、上記したステージ5をθ軸周りに回転させる分力を弾性バネ機構8a等が吸収し抑制する作用をも行なうと共に、ステージ5がX−Y平面内を高速且つ正確に移動する際に発生を妨げなければならない非線形なX−Y平面内の摺動摩擦や軸方向の微小な変動や振れを防止することも可能になる。
続いて、図1に示す位置決め機構1について、その駆動を制御する方法について説明する。図7は、位置決め機構1の駆動を制御するための一例を示す制御ブロック図である。図7において、制御装置30は、例えば、CPU 又はDSP(Digital Signal Processor)、ROM、RAMやアナログ信号の入出力のためのA/D変換器、D/A変換器やデジタル入出力のためのPIO等を備えた回路から構成された制御装置であって、ROMには位置決め機構1の駆動を制御するための、アルゴリズムを含む各種のプログラムが記憶されている。このプログラムとしては、第1及び第2のアクチュエータ3、4の動作を位置フィードバック制御してステージ5をX−Y平面内における目標位置に高速、且つ高安定、高精度に位置決めするための制御プログラムが含まれている。なお、制御装置30には、位置決め機構1を搭載している装置、例えば、走査型プローブ顕微鏡では、ステージ5を目標位置に移動させるための走査指令が上位の制御装置(図示せず)から目標指令Mとして入力される。
図7において、X軸及びY軸駆動用回路31x、31yは、それぞれ第1及び第2のアクチュエータ3、4の推力発生用の回路、例えば積層型圧電素子10x、10yを駆動させるために使用する回路である。これらの回路31x、31yは、ステージ5を現在位置から目標位置へ移動させる場合、制御装置30が生成する移動指令に応じてD/A変換から出力させる信号を増幅し、積層型圧電素子10x、10yに駆動電圧を供給して、X軸用の第1のアクチュエータ3やY軸用の第2のアクチュエータ4を動作させるための回路である。この電圧値としては、例えば0〜150Vの範囲の電圧が、積層型圧電素子10x、10yに供給される。
続いて、上記した第1のリンク機構6と第2のリンク機構7によりステージ5の回転を抑制させる作用を、図8及び図9に基づいて説明する。なお、以下の説明において、第1のリンク機構6と第2のリンク機構7によりステージ5の回転を抑制する作用は、図1に示しているように、ステージ5と第1のリンク機構6及び第2のリンク機構7とをピン(ネジ)結合等の機械的な接合手段により連結した図面に基づいて説明するが、図3及び図4に示すように、ピン結合等を採用しないでステージ5と第1のリンク機構6及び第2のリンク機構7とを一体成形した構成においても、同様な作用を得ることができる。
図8に示す状態は、第1のアクチュエータ3又は第2のアクチュエータ4の推力発生手段に推力が発生していない状態を示している。この状態においては、第1のリンク機構6を構成する2個のリンク部材6a、6bは、平面視(上面図)でX軸方向に平行な四辺形(長方形)の状態になっている。同様に、第2のリンク機構7を構成する2個のリンク部材7a、7bは、Y軸方向に平行な四辺形(長方形)の状態になっている。
続いて、例えば、走査型プローブ顕微鏡等の制御装置から、目標指令Mが制御装置30に入力されると、制御装置30はこの目標指令Mに基づいてステージ5を目標位置に移動させるための制御演算を行う。次に制御装置30は、この演算結果から各軸の制御量をX軸駆動用回路31x、Y軸駆動用回路31yに出力する。X軸駆動用回路31x、Y軸駆動用回路31yは、入力された制御量に基づいて第1のアクチュエータ3又は第2のアクチュエータ4に、それぞれ駆動電圧を出力する。これにより、例えば、図1に示される第1のアクチュエータ3の推力発生手段である積層型圧電素子10xが伸びると、てこ部17xを介して可動子13xにX1方向の推力が伝達される。この推力は、第1のリンク機構6を構成する2個のリンク部材6a、6bに伝達される。
図9は、図8に示す状態において、第1のアクチュエータ3の可動子13xにX1方向の推力が伝達されたときの状態を示す。図9に示すように、可動子13xにX1方向の推力が伝達されるとこの推力は第1のリンク機構6を構成する2個のリンク部材6a、6bに伝達されるので、ステージ5はX軸方向に制御装置30からの制御指令に基づいて移動することになる。このとき、可動子13xに伝達された推力によって可動子13yとステージ5の連結部には、前記したようにθ軸周りの回転モーメントが発生する。この時、第2のリンク機構7を構成する2個のリンク部材7a、7bは、前記したように、可動子13y及びステージ5と回動自在なピン(ネジ)結合等の機械的な接合手段により連結されているので、平面視(上面図)で図8に示す長方形から図9に示すように平行四辺形の形状に変化し、この動作によってY軸方向の並進運動に変換されることで、ステージ5は回転することなくY2方向に微小な移動誤差を生じさせる。
このY軸方向の移動誤差は、Y軸用位置検出センサ9yによって制御装置30へ位置フィードバックされることで、目標位置に対する移動誤差を修正するための新たな制御装置30からの移動指令(制御量)となってY軸駆動用回路31yに入力され、この制御量に基づく駆動電圧が第2のアクチュエータ4に印加されることにより、ステージ5のY軸方向の移動誤差が修正される。このとき、ステージ5をベース2上に支持している4箇所の弾性バネ機構8a、8b、8c、8dは、X軸方向とY軸方向に対して45°(α又はβ)の角度をなして配設することにより、ステージ5の回転を防止する作用も行なうことになる。
続いて、第2のアクチュエータ4の可動子13yに推力が伝達されたときの作用について説明する。第1及び第2のアクチュエータ3、4の推力発生手段に推力が発生していない状態を示す図8において、可動子13yにY1方向(図10に示す)の推力が伝達されるとこの推力は第2のリンク機構7を構成する2個のリンク部材7a、7bに伝達されるので、これにより、ステージ5は制御装置30からの制御指令に基づいてY軸方向に移動することになる。このとき、可動子13yに伝達された推力によって可動子13xとステージ5の連結部には、前記したようにθ軸周りの回転モーメントが発生する。この時、第1のリンク機構6を構成する2個のリンク部材6a、6bは、平面視(上面図)で図8に示す長方形から図10に示すように平行四辺形の形状に変化し、この動作によってX軸方向の並進運動に変換されることで、ステージ5は回転することなくX2方向に微小な移動誤差を生じさせる。
このX軸方向の移動誤差は、X軸用位置検出センサ9xによって制御装置30へ位置フィードバックされることで、目標位置に対する移動誤差を修正するための新たな制御装置30からの移動指令(制御量)となってX軸駆動用回路31xに入力され、この制御量に基づく駆動電圧が第1のアクチュエータ3に印加されることにより、ステージ5のX軸方向の移動誤差が修正される。このとき、ステージ5をベース2上に支持している4箇所の弾性バネ機構8a、8b、8c、8dは、X軸方向とY軸方向に対して45°の角度(α又はβ)をなして配設することにより、ステージ5の回転を防止する作用も行なうことになる。
上記のように例えば、X1方向にステージ5を移動するため、第1のアクチュエータ3を動作させた場合、Y軸方向の第2のアクチュエータ4の可動子13yとステージ5の間に介在する第2のリンク機構7は、平面視(上面図)で長方形から平行四辺形に形状が変化し、ステージ5がY2方向に変位することで生じる位置誤差は、Y軸用位置検出センサ9yからの位置フィードバックによって制御装置30とY軸駆動用回路31yを介して、第2のアクチュエータ4の動作によって修正される。この動作は、さらに動作の起点となったX軸方向の第1のアクチュエータ3の可動子13xとステージ5の間に介在する第1のリンク機構6を平面視(上面図)で長方形から平行四辺形に形状を変化させて、X2方向の新たな位置誤差の要因となる。この位置誤差は、X軸用位置検出センサ9xからの位置フィードバックによって制御装置30とX軸駆動用回路31xを介して、第1のアクチュエータ3を再動作させて位置補正され、このX軸及びY軸の動作を許容位置誤差の範囲まで繰り返し行なうことで、X−Y平面内の目標位置に収束させることができる。
したがって、X1方向か又はY1方向、どちらか一方向だけにステージ5を移動させた場合において、θ軸周りの回転モーメントを抑制する第1のリンク機構6及び第2のリンク機構7の動作は、移動軸方向と直角の軸方向に位置誤差を互いに生じさせる相関関係を有する。そのため、第1のアクチュエータ3及び第2のアクチュエータ4に対して、X軸用位置検出センサ9xやY軸用位置検出センサ9yが検出した位置信号を常に制御装置30にフィードバックし、制御装置30の高速な繰り返し演算処理によって同時に、且つ協調した制御を可能とし、高速で低ノイズのX軸駆動用回路31x、Y軸駆動用回路31yを介すことで、ステージ5をX−Y平面内の目標位置に対し高速で高精度な位置決めを実現することが可能となる。
上記したように、制御装置30の制御により、ステージ5を目標指令Mに対してX−Y平面上の目標位置に正確に位置決めすることができる。本発明においては、第1及び第2のアクチュエータ3、4からの推力に対して、直交する第1及び第2のリンク機構6、7を平面視(上面図)で長方形から平行四辺形に形状を変化させることによりせん断力を並進動作に変換し、ステージ5にθ軸周りの回転モーメントが作用することを抑制している。このため、リンク機構6、7が平面視(上面図)で長方形から平行四辺形への形状変化に応じた移動量と、この移動量に対するステージ5のX−Y平面上の位置(X軸及びY軸座標)との関係に係るデータ(例えば、補正式)を予め求めておき、ステージ5の位置決め制御プログラムにこの関係を、補正式として組み込んでおくとよい。これにより、ステージ5を目標位置へ位置決めするための収束演算の回数を減らすことが可能になって、高速、且つX−Y平面内におけるnmオーダ以下の正確な位置決め制御を行なうことができるようになる。
なお、図11Aは、図3に示す第1のリンク機構6としてビーム(リンク部材)6a、6bを、第2のリンク機構7としてビーム(リンク部材)7a、7bを設けた位置決め機構において、第1のアクチュエータ3の可動子13xに矢印X1方向の推力が伝達されたときの状態を示している。この図11Aに示す状態においては、第2のリンク機構7を構成するビーム7a、7bの両端に弾性ヒンジ部7a1、7a2、7b1、7b2を設けることで、平行リンク機構をなすビーム7a、7bは平面視(上面図)で長方形から平行四辺形の形状に変化し、前記した図9で説明した動作と同等な動作を行なう。これにより、ステージ5にθ軸周りの回転モーメントが作用することを抑制することが可能になる。
さらに、図11Bは、図4に示す第1のリンク機構6としてビーム6c、6dを、第2のリンク機構7としてビーム7c、7dを設けた位置決め機構において、第1のアクチュエータ3の可動子13xに矢印X1方向の推力が伝達されたときの状態を示している。この図11Bに示す状態においては、第2のリンク機構7を構成するビーム7c、7dは曲げ応力が加わってしなり、平行リンク機構をなすビーム7c、7dは平面視(上面図)で長方形から平行四辺形状の形状に変化し、前記した図9で説明した動作と同等な動作を行なう。これにより、ステージ5にθ軸周りの回転モーメントが作用することを抑制することが可能になる。
本発明においては、上記の構成及び制御により、積層型圧電素子の微小な変位をてこ部17x、17yのてこ作用により拡大する第1及び第2のアクチュエータ3、4の変位量を、リンク機構6、7を介してステージ5に伝達することで、例えば、ステージ5を500μm角以上の動作範囲でX−Y平面内の任意の位置に高速、且つ正確に位置決め制御を行なうことができる。これにより、走査型プローブ顕微鏡や半導体や液晶関連の製造及び検査工程等、多様な産業分野への適応を図ることが可能になる。
上記した本発明の実施形態においては、4箇所の弾性バネ機構8a、8b、8c、8dをX軸とY軸の方向に対して45°の角度α(β)をなすように配設した例について説明したが、本発明の位置決め機構において特徴となる第1及び第2のアクチュエータ3、4とステージ5とを接続するリンク機構の配置構成は、以下に説明する構成も採用することができる。以下、他のリンク機構の構成例について説明する。
本発明に採用できる他のリンク機構の構成のうちその一つは、例えば図12に示す構成としたリンク機構である。図12に示す実施形態では、4角形状のステージ5について、その隣接(隣り合った)する2つの角部(隅部)に前記第1及び第2のアクチュエータからの推力を伝達するリンク機構を配置した構成にしている。さらに、ステージ5の四隅を結ぶ2つの対角線を第1及び第2のアクチュエータ3、4の推力の方向、すなわち図1に示すX軸、Y軸に対してそれぞれ45°傾けられたXa軸、Ya軸に合わせ、ステージ5の四辺と各々の辺が構成する外側面の中央部にはそれぞれ弾性バネ機構8a、8b、8c、8dをXa軸とY軸aの方向に対して45°の角度δ(γ)をなすように配置した構成にしている。
なお、弾性バネ機構8a、8b、8c、8dがXa軸とYa軸方向に対する角度δ(γ)は、上記45°の他に任意の角度に設定しても構わない。また第1及び第2のアクチュエータ3、4の推力の方向は、図1に示すX軸、Y軸に対してそれぞれ上記45°の他に任意の角度γ(δ)に設定しても構わない。なお、上記直交するXa軸とY軸aは、図1に示すX軸とY軸に相当する座標軸であって、図1のX軸とY軸と区別して記載するために付与した軸名称である。
さらに、他のリンク機構の構成例としては、ステージ5で対角(対向)する一対の角部(隅部)のみに複数の弾性バネ機構8aと8cを、あるいは8bと8dを配設した構成(図18参照)としても良い。さらに、弾性バネ機構8a、8b、8c、8dを設けないで、ステージ5をリンク機構6、7のみで支持した構成(図15参照)にすることも可能である。またステージ5の支持を補強する上で、又はθ軸周りの回転モーメントが作用することを抑制するため、必要に応じて、一つあるいは複数の弾性バネ機構による支持をステージ5の辺や角部の任意の位置に配置しても構わない。
続いて、図12に示す実施形態の構成とその動作についてさらに詳細に説明する。図12は、平面視(上面図)で4角形状のステージ5について、その隣接する2つの角部(隅部)に第1及び第2のアクチュエータ3、4からの推力を伝達する構成として示している。
図12に示す実施形態では、4角形状のステージ5の一つの隅部5c1を第1のリンク機構6を介して第1のアクチュエータ3の可動子13xに連結し、このステージ5の隅部5c1と隣り合う隅部5c2を、第2のリンク機構7を介して第2のアクチュエータ4の可動子13yに連結した構成にしている。また、第1のリンク機構6は、ステージ5の隅部5c1を挟んで所定の間隔を設けてYa軸に平行に配置された2つのリンク部材6a、6bから構成されている。同様に、第2のリンク機構7は、ステージ5の隅部5c2を挟んで所定の間隔を設けてXa軸に平行に配置されたリンク部材7a、7bから構成されている。なお、図12では、第1及び第2のリンク機構6、7を構成する各リンク部材は、それぞれ可動子13x、13y、及びステージ5に対して回動可能なピン(ネジ)結合等の機械的な接合手段により連結された例を示しているが、図3あるいは図4に示すように、可動子13x、13y、及びステージ5と一体に成形(連結)した構成としてもよい。
また、図12に示す実施形態において、4個の弾性バネ機構8a、8b、8c、8dの各一端部は、ステージ5の四辺(図13Aに示す5s1、5s2.5s3、5s4)と各々の辺が構成する外側面の中央部に固定され、弾性バネ機構8a、8b、8c、8dの各他端部はボルト20によりベース2へ固定されている。これにより、図1に示す実施形態と同様に、ステージ5はベース2に対して浮動した状態で弾性的に支持されている。
さらに、第1のアクチュエータ3からの推力の伝達方向を、第1のリンク機構6を連結したステージ5の隅部5c1とこの隅部5c1に対向する隅部5c3を結ぶ対角線(Ya軸)の方向と一致させている。同様に、第2のアクチュエータ4からの推力の伝達方向を、第2のリンク機構7を連結したステージ5の隅部5c2とこの隅部5c2に対向する隅部5c4を結ぶ対角線(Xa軸)の方向と一致させるように、ステージ5をベース2上に配置している。
図13は、図12に示す実施形態において、制御装置30からの制御指令に基づいて、ステージ5の基準点P0(ベース2を基準に決められる移動原点となるステージ5の中心で、第1及び第2のリンク機構6、7は長方形をなす状態の時)を、目標とする座標点P1x(図13B参照)に移動させるために第1のアクチュエータ3の可動子13xに矢印Ya1方向の推力が伝達されたときの状態を示す。
続いて、第1のアクチュエータ3の可動子13xに矢印Ya1方向の推力を伝達して、ステージ5の基準点P0を目標とする座標点P1xに移動させるときの第1及び第2のリンク機構6、7の動作状況を、図13A〜図13Dに基づいて詳細に説明する。
図13Aは、可動子13xに推力が伝達されていないときの状況を示している。制御装置30から移動指令がX軸駆動用回路31xに入力され、出力される電圧値にしたがって、Y軸に対して45°の角度をなすYa軸のYa1方向への推力が可動子13xに伝達されると、この推力は第1のリンク機構6を構成する2個のリンク部材6a、6bに伝達されるので、ステージ5上の中心は基準点P0から図13Bに示されるYa軸の目標値となる座標点P1xに移動する。
可動子13xにYa1方向への推力が伝達されると、可動子13yとステージ5の連結部には、前記したようにθ軸周りの回転モーメントが発生するが、前記した図9において可動子13xにX1方向の推力が伝達されたときと同様に、第2のリンク機構7を構成する2個のリンク部材7a及び7bは、図13Aから図13Bに示すように平面視(上面図)で長方形から平行四辺形の形状に変化して、このYa1方向への推力はY軸に対して45°の角度をなすYa軸に平行な並進運動に変換されることで、ステージ5の回転は抑制されるが、第2のリンク機構7の動作によって目標とする座標点P1xに対してX軸とY軸方向に図13Dに示すように微小な移動誤差(xe1,ye1)が生じ、図13Cに示すようにYa軸上の目標値とする座標点P1xから座標位置P2xへ位置誤差分、目標とする位置からずれてしまう。
一方、図14は、図12に示す実施形態において、制御装置30からの制御指令に基づいて、ステージ5の基準点P0を、目標とする座標点P1y(図14B参照)に移動させるために第2のアクチュエータ4の可動子13yに矢印Xa1方向の推力が伝達されたときの状態を示す。以下、ステージ5の基準点P0を目標とする座標点P1yに移動させるときの第1及び第2のリンク機構6、7の動作状況を、図14A〜図14Dに基づいて詳細に説明する。
可動子13yに推力が伝達されていないときの状況を図14Aに示す。制御装置30から移動指令がY軸駆動用回路31yに入力され、出力される電圧値にしたがって、X軸に対して45°の角度をなすXa軸のXa1方向への推力が可動子13yに伝達されると、この推力は第2のリンク機構7を構成する2個のリンク部材7a、7bに伝達されるので、ステージ5のステージ上の中心は基準点P0から図14Bに示されるXa軸の目標値となる座標点P1yに移動する。
可動子13yにXa1方向への推力が伝達されると、可動子13xとステージ5との連結部には、前記したようにθ軸周りの回転モーメントが発生するが、前記した図10において可動子13yにY1方向の推力が伝達されたときと同様に、第1のリンク機構6を構成する2個のリンク部材6a、6bは、図14Aから図14Bに示すように平面視(上面図)で長方形から平行四辺形の形状に変化して、このXa1方向への推力はX軸に対して45°の角度をなすXa軸に平行な並進運動に変換されることで、ステージ5の回転は抑制されるが、第1のリンク機構6の動作によって目標とする座標点P1yに対してX軸とY軸方向に微小な図14Dに示すように移動誤差(xe2,ye2)が生じ、図14Cに示すようにXa軸上の目標値とする座標点P1yから座標位置P2yへ位置誤差分、目標とする位置からずれてしまう。
図13A〜13C、図14A〜14Cに示すように、第1及び第2のアクチュエータ3、4の発生推力によって、ステージ5は第1及び第2のリンク機構6、7を介してX軸及びY軸に対して45°をなす方向角度(Xa軸、Ya軸方向)からの推力及び変位となって入力され、X軸とY軸方向の分力(45°の場合は、均等な力)に応じて変位するので、X−Y平面上の任意の位置に移動する場合、例え、X軸上、又はY軸上であっても常に第1及び第2のアクチュエータ3、4を連動させる必要がある。したがって、第1及び第2のアクチュエータ3、4の動作によって互いにもう一方のアクチュエータに連結されたリンク機構6、7が平面視(上面図)で長方形から平行四辺形の形状に変化し、その結果、X軸とY軸方向それぞれに生じさせる微小な移動誤差(xe1,ye1)、(xe2,ye2)もX軸及びY軸の動作の中に常に位置誤差として含まれることになる。図12に示す構成の実施形態では、X−Y平面内の任意の位置にステージ5を移動させる場合、本実施形態の第1及び第2のアクチュエータ3、4は常に連動し協調して動作する必要があるので、前記した図9や10図に示される動作で説明したように、リンク機構6、7が平面視(上面図)で長方形から平行四辺形の形状に変化することで生じる並進動作は、明確な位置誤差であるが、X軸及びY軸方向の動作の中に必然的に取り込まれており、図12に示す実施形態では、明確な誤差とはならないことが一つの特徴となる。その結果、図8に示す実施形態に比べて制御装置30による目標位置への収束演算の回数を減らすことも可能と考えられ、定常誤差成分を圧縮し、位置決め精度と高速化を向上する効果が期待できる。
したがって、制御装置30からの移動指令によって第1及び第2のアクチュエータ3、4は常に協調動作し、位置検出センサ9xと9yが検出したステージ5の位置情報によって、制御装置30は位置のフィードバック制御を行なうので、X−Y平面上の目標位置は、ステージ5の現在位置は基準点P0に基づいて補正され、高速な演算処理によって瞬時に正確な目標位置に収束させることが可能となる。このとき、ステージ5をベース2上に支持している箇所の弾性バネ機構8a、8b、8c、8dは、図12に示すように、X軸とY軸方向に対して0°の角度(X軸、Y軸上)をなして配設することにより、ステージ5の回転を防止する作用も行なうことになる。
また、図8に示す実施形態では、ステージ5を単にX軸、Y軸方向へ移動させる場合、第1のアクチュエータ3と第2のアクチュエータ4の動作方向をX軸、Y軸上に配置しているので、各軸の独立性は図12に示す実施形態に比べて構造的に高いものではある。しかし、第1のリンク機構6や第2のリンク機構7が平面視(上面図)で長方形から平行四辺形の形状に変化することで生じる並進誤差は図12に示す実施形態と同様に補正する必要があり、図12の実施形態とは相互干渉の度合いが違うので、制御特性や操作量も異なるが、2つのアクチュエータ3、4は常に連携し、積極的に協調動作しながら補正することは不可欠である。しかし、図8に示す実施形態は、図12の実施形態とは異なり、X軸やY軸の動作に応じた並進誤差が重畳し、また操作量も幾何学的に推定し易いので、並進誤差の度合いによっては、図12に示す実施形態以上に位置決め精度の向上や高速化が期待できる。
図15は、ステージ5と第1及び第2のアクチュエータ3、4とを、第1のリンク機構6及び第2のリンク機構7を用いて接続しているが、ステージ5を4個の弾性バネ機構8a、8b、8c、8dで支持していない実施形態を示している。
この図15に示す実施形態において、第1のアクチュエータ3の可動子13xにX1方向の推力が伝達されると、図16に示すように、第2のリンク機構7は平面視(上面図)で長方形から平行四辺形に形状が変化し、第2のリンク機構7に加わるせん断力をY軸方向の並進運動に変換するので、ステージ5をθ軸周りに回転させることはない。しかし、この平行リンク機構が長方形から平行四辺形に形状が変化することで生じるY軸上の並進誤差は、図9の実施形態と同様にステージ5をY2方向に動作させる。
また図15に示す実施形態において、第2のアクチュエータ4の可動子13yにY1方向の推力が伝達されると、図17に示すように、第1のリンク機構6は平面視(上面図)で長方形から平行四辺形に形状が変化し、第1のリンク機構6に加わるせん断力をX軸方向の並進運動に変換するので、ステージ5をθ軸周りに回転させることはない。しかし、この平行リンク機構が長方形から平行四辺形に形状が変化することで生じるX軸上の並進誤差は、図10の実施形態と同様にステージ5をX2方向に動作させる。
なお、図15に示す実施形態においては、第1のリンク機構6及び第2のリンク機構7を構成するリンク部材6a、6b、7a、7bを剛性の高い部材を使用することにより、ステージ5の弾性支持部である弾性バネ機構8a、8b、8c、8dを用いなくてもZ軸方向の微小な変動や振れを防止しながら、ステージ5は高精度な位置決め制御を行なうことが可能になる。
図18は、本発明の位置決め機構について、さらに他の実施形態を示す平面図である。この実施形態においては、平面視で四角形状をなすステージ5において、対角(対向)する一対の角部(隅部)のみに、弾性バネ機構8bと8dを配設した構成としている。このように、ステージ5の対角する一対の角部(隅部)のみを弾性バネ機構で支持する構成にすることで、図15に示す実施形態に比べて、ステージ5の支持剛性を高めること、及びθ軸周りの回転モーメントの作用を抑制する効果を高めることができる。また平面視で四角形状をなすステージ5において、もう一方の対角(対向)する一対の角部(隅部)のみに、弾性バネ機構8aと8cを配設した構成とすることもできる。
図19図は、本発明の位置決め機構について、さらに他の実施形態を示す平面図である。この実施形態は、ステージ5が平面視で四角形の形状をなしている場合、対角(対向)する一対の角部(隅部)のみに弾性バネ機構8bと8dを配設すると共に、他の角部の一つに弾性バネ機構8cを配設した構成、すなわち、3個の弾性バネ機構でステージ5を支持する構成、例えば、図1に示す構成からいずれか一つの弾性バネ機構を削除した構成としたものである。このような構成にすることで、図18に示す実施形態に比べて、ステージ5の支持剛性を高めること、及びθ軸周りの回転モーメントの作用を抑制する効果をさらに高めることができる。
同様に、図12に示す実施形態においては、特に図示しないが、ステージ5の対向するX軸上の一対の辺とその外側面の中央部のみに弾性バネ機構8bと8dか、又は、Y軸上の一対の辺とその外側面の中央部のみに弾性バネ機構8aと8cを接続した構成にして、ステージ5に必要な支持剛性やθ軸周りの回転モーメントの抑制に必要な剛性に合わせて、弾性支持機構の構成を簡素化することができる。また逆にステージ5の隅部5c3や5c4に弾性バネ機構を追加して、ステージ5の支持剛性をさらに高め、また軸周りの回転モーメントの作用を抑制する効果をさらに高めることも可能である。
したがって、特に図示しないが、弾性支持機構となる弾性バネ機構には、ステージ5の支持剛性を高め、さらに補強し、またθ軸周りの回転モーメントの作用を抑制する効果があるので、必要な強度や剛性に応じて、一つから複数の弾性バネ機構を平面視でステージ5の辺や角部が構成する外側面の任意の位置に配置することができる。例えば、図8に示す構成の実施形態においては、ステージ5を4つの弾性バネ機構8a、8b、8c、8dで支持しているが、8a、8b、8dをなくして、弾性バネ機構8cだけで支持することも可能である。また、ステージ5の辺5s2や5s3とその外側面に弾性バネ機構を追加して、ステージ5の支持剛性をさらに高め、またθ軸周りの回転モーメントの作用を抑制する効果をさらに高めることも可能である。
続いて、図20に基づいて、ステージ5を第1のアクチュエータ3の推力伝達部及び第2のアクチュエータ4の推力伝達部と、それぞれリンク機構6、7を介して連結するための他の実施形態について説明する。
図20は、図3に示す本発明の実施形態について、ステージ5を、第2のアクチュエータ4の推力伝達部(可動子13y)とリンク機構7を介して一体に連結(結合)する機構を、ネジ結合により連結したY軸に係る例を示す平面視(上面図)を示す。なお、図20には示していないが、ステージ5を第1のアクチュエータ3の推力伝達部(可動子13x)とリンク機構6を介して連結するX軸に係る機構も図20に示すY軸と同様の構成になる。
図20に示すように、平行に配設したリンク部材7a、7bを設けたリンク機構7の両端部には、所定の幅と高さを有するフランジ部24aと24bとを一体に設ける。また、フランジ部24aと24bにはそれぞれ複数のボルト孔26を設ける。一方、可動子13yの側面部にはフランジ部24aに設けたボルト孔26と対応する位置にネジ孔27を設ける。そして、ボルト25を、ボルト孔26を介してネジ孔27にネジ込むことにより、フランジ部24aと可動子13yとを連結する。
同様にして、ステージ5の辺5s1が構成する外側面にネジ孔27を設け、ボルト25をフランジ部24bのボルト孔26を介してネジ孔27にネジ込むことにより、フランジ部24bとステージ5とを連結する。このようにして、Y軸方向における可動子13yとステージ5とを、フランジ部24aと24bとを設けたリンク機構7により、強固に連結することができる。
上記と同様な手段により、X軸方向における可動子13Xとステージ5の辺5s4が構成する外側面とを、フランジ部24aと24bに設けたリンク機構6により、強固に連結することができる。なお、上記した図20に示すフランジ部を設けたリンク機構は、図1、図12に示す実施形態においても第1及び第2のリンク機構6、7として、そのフランジ部やリンク部材の形状を適宜変更して採用することができる。
本発明において、ステージ5と第1及び第2のアクチュエータ3、4の可動子13x、13yを、リンク機構6、7を介して結合(連結)する方法は、前記したように、一体成形やネジ、ピンによる連結、あるいは接着、ロウ付け、溶接、溶着等が考えられるが、高剛性に固定できればその結合方法は限定されない。
以上に説明した本発明の実施形態において、ステージ5の形状は平面視(上面図)で四角形(正方形)をなすステージを例にして説明したが、本発明の位置決め機構において採用するステージ5の形状は、平面視(上面図)で正方形あるいは略正方形の他に、長方形、6角形、8角形などの多角形、円形、楕円形をなすステージを用いることもできる。このような形状のステージ5を採用した場合、ステージ5に連結する第1及び第2のリンク機構6と7、及び弾性バネ機構8a、8b、・・・を接続する位置は、上記した本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜設定するようにする。例えば、平面視(上面図)で6角形あるいは8角形の形状から構成されるステージ5を採用した場合には、その角部あるいは辺部とその外側の側面部を複数の弾性バネ機構や複数のリンク機構で支持した構成にしてもよい。
また、上記した本発明の実施形態において、アクチュエータ3、4の推力発生手段は積層型圧電素子10x、10yを用いた例について説明したが、変位拡大機構を用いるのではなく、積層型圧電素子の推力を直接にリンク機構を介してステージ5に伝達する構成も採用できる。さらに、推力や直線変位(直動)を発生できるリニアモータ、ボイスコイルモータ、あるいはACサーボモータ、パルスモータなどの回転型モータとボールネジ等とを組み合わせた推力発生機構を応用した推力発生手段を、第1のリンク機構6及び第2のリンク機構7を介してステージ5に推力を伝達する手段とすることも可能である。このように直動するための推力発生手段は様々考えられるが、推力発生手段そのものは、ステージ5を位置決めするための制御距離、位置決め精度等を考慮して最適な手段を適宜選択することができる。
また、X軸及びY軸方向に粗動するテーブルの上に、本発明の高速、且つ高精度な位置決め機構を搭載したステージ装置の構成としても良い。このようなピッギーバック方式のステージ装置では、始めにX軸及びY軸方向へ、粗動ステージによるμm単位の粗い第1の目標位置への位置決めを、例えばリニアモータを制御することで行い、次に、X−Y平面内においてnm単位の精密な目標位置に対する位置制御を行なうために、本発明の高速、且つ高精度な位置決め機構を組み合わせることで、その動作及び走査範囲を飛躍的に向上させながら、高速化を図ることが可能になる。
本発明の位置決め機構について、その一実施形態を説明するための平面図である。 図1のA−A線断面の矢視図である。 本発明の位置決め機構において、ステージと第1及び第2のアクチュエータとを接続するリンク機構の一例を説明するための平面図である。 本発明の位置決め機構において、ステージと第1及び第2のアクチュエータとを接続するリンク機構について他の一例を説明するための平面図である。 図1に示す指向性ある弾性バネ機構についての一例を説明するための斜視図である。 図1に示すベースの平面図である。 本発明の位置決め機構について、その制御方法を説明するための制御ブロック図である。 図1に示す位置決め機構について、その動作を説明するための平面図である。 同じく、図1に示す位置決め機構について、X軸方向への動作を説明するための平面図である。 同じく、図1に示す位置決め機構について、Y軸方向への動作を説明するための平面図である。 同じく、図3に示す位置決め機構について、X軸方向への動作を説明するための平面図である。 同じく、図4に示す位置決め機構について、X軸方向への動作を説明するための平面図である。 本発明の位置決め機構において、ステージと第1及び第2のアクチュエータとを接続するリンク機構の他の実施形態を説明するための平面図である。 図12に示す位置決め機構について、Ya1軸方向への動作を説明するための平面図である。 図12に示す実施形態について、Ya1軸方向への動作をさらに詳細に説明するための平面図である。 同じく、図12に示す実施形態について、Ya1軸方向への動作をさらに詳細に説明するための平面図である。 同じく、図12に示す実施形態について、Ya1軸方向への動作をさらに詳細に説明するための平面図である。 同じく、図12に示す実施形態について、Ya1軸方向へ動作した場合における制御動作前の目標位置誤差を説明するための図である。 図12に示す位置決め機構について、Xa1軸方向への動作を説明するための平面図である。 図12に示す実施形態について、Xa1軸方向への動作をさらに詳細に説明するための平面図である。 同じく、図12に示す実施形態について、Xa1軸方向への動作をさらに詳細に説明するための平面図である。 同じく、図12に示す実施形態について、Xa1軸方向への動作をさらに詳細に説明するための平面図である。 同じく、図12に示す実施形態について、Xa1軸方向へ動作した場合における制御動作前の目標位置誤差を説明するための図である。 本発明の位置決め機構を、ステージと第1及び第2のアクチュエータとを接続するリンク機構だけで構成し、弾性支持機構を用いない他の実施形態を説明するための平面図である。 図15に示す位置決め機構について、X軸方向への動作を説明するための平面図である。 図15に示す位置決め機構について、Y軸方向への動作を説明するための平面図である。 本発明の位置決め機構について、他の実施形態を説明するための平面図である。 本発明の位置決め機構について、さらに他の実施形態を説明するための平面図である。 各要素ごとに分割して製作されたステージと第1のアクチュエータの推力伝達部及び第2のアクチュエータの推力伝達部を、リンク機構を介して機械的に連結するための他の実施形態を説明する平面図(Y軸側部分図)である。
符号の説明
1 :位置決め機構
2 :ベース
2a、2b:ベース2のL型の立設側面部
3 :第1のアクチュエータ
4 :第2のアクチュエータ
5 :ステージ
5c1、5c2、5c3、5c4 :ステージ5の4つの角部(隅部)
5s1、5s2、5s3、5s4 :ステージ5の4つの辺と各々の辺が構成する外側面
6 :第1のリンク機構
6a、6b:リンク部材
6a1、6a2、6b1、6b2:弾性ヒンジ部
6c、6d:リンク部材(ビーム)
7 :第2のリンク機構
7a、7b:リンク部材
7a1、7a2、7b1、7b2:弾性ヒンジ部
7c、7d:リンク部材(ビーム)
8a、8b、8c、8d:弾性バネ機構
8c1:溝部(切欠け部)
9x、9y:位置検出センサ
10x、10y:積層型圧電素子
11x、11y:支持部材
12x、12y:リンクビーム部
13x、13y:可動子
14x、14y:リンクビーム部
15x、16x、15y、16y:弾性ヒンジ部
17x、17y:てこ部
18 :ネジ孔
19a:ボルト
19b:ボルト孔
20 :ボルト
21 :ボルト孔
22 :ナット
23 :ボルト孔
24a、24b:リンク機構のフランジ部
25 :ボルト
26 :ボルト孔
27 :ネジ孔
30 :制御装置
31x:X軸駆動用回路
31y:Y軸駆動用回路

Claims (9)

  1. ステージを直交するX軸とY軸で構成される平面内を任意に移動させて、高速、且つ高精度に所定の位置に位置決めする位置決め機構において、
    ベースに固定されたアクチュエータであって、推力発生手段により発生した推力を推力伝達部を介して前記X軸方向に伝達するための第1のアクチュエータと、
    同じく、推力発生手段により発生した推力を推力伝達部を介して前記Y軸方向に伝達するための第2のアクチュエータと、を備え、
    前記ステージは、前記X軸と前記Y軸にそれぞれ直交する隣り合った2辺の一方で前記第1のアクチュエータの推力伝達部にリンク機構を介して連結されて、もう一方の辺で前記第2のアクチュエータの推力伝達部にリンク機構を介して連結され、対向する四つの角部が、それぞれ弾性バネ機構を介して前記ベースに支持されており、
    前記リンク機構は、互いに平行に配設されたリンク部材を備え、前記推力伝達部及び前記ステージと回動可能に連結された平行リンク機構から構成されていることを特徴とする位置決め機構。
  2. 前記弾性バネ機構は、前記X軸又は前記Y軸の方向に対して所定の向きに配設されていることを特徴とする請求項1に記載の位置決め機構。
  3. 前記所定の向きは、前記X軸及び前記Y軸に対して45°の方向に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の位置決め機構。
  4. 前記所定の向きは、前記X軸又は前記Y軸に対して平行に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の位置決め機構。
  5. 前記所定の向きは、前記X軸又は前記Y軸に対して任意の角度に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の位置決め機構。
  6. 前記第1及び第2のアクチュエータは、発生変位を直動できる機構から構成される前記推力発生手段を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の位置決め機構。
  7. 前記第1及び第2のアクチュエータの前記推力発生手段による前記発生変位を直動できる機構は、積層型圧電素子から構成されていることを特徴とする請求項6に記載の位置決め機構。
  8. 前記積層型圧電素子から構成される前記第1及び第2のアクチュエータの前記推力発生手段は、その発生変位を増幅する機構を備えていることを特徴とする請求項7に記載の位置決め機構。
  9. 前記第1及び第2のアクチュエータの前記推力発生手段による前記発生変位を直動できる機構は、ボイスコイルモータ又はリニアモータなどの電磁型アクチュエータから構成されることを特徴とする請求項6に記載の位置決め機構。
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