JP5028549B2 - ポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物及びその製造方法 - Google Patents

ポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5028549B2
JP5028549B2 JP2012519825A JP2012519825A JP5028549B2 JP 5028549 B2 JP5028549 B2 JP 5028549B2 JP 2012519825 A JP2012519825 A JP 2012519825A JP 2012519825 A JP2012519825 A JP 2012519825A JP 5028549 B2 JP5028549 B2 JP 5028549B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
composite
organopolysiloxane
metal
nanostructure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012519825A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012053655A1 (ja
Inventor
仁華 金
建軍 袁
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawamura Institute of Chemical Research
Original Assignee
Kawamura Institute of Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawamura Institute of Chemical Research filed Critical Kawamura Institute of Chemical Research
Priority to JP2012519825A priority Critical patent/JP5028549B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5028549B2 publication Critical patent/JP5028549B2/ja
Publication of JPWO2012053655A1 publication Critical patent/JPWO2012053655A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G73/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
    • C08G73/02Polyamines
    • C08G73/0206Polyalkylene(poly)amines
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y40/00Manufacture or treatment of nanostructures
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K7/00Use of ingredients characterised by shape
    • C08K7/22Expanded, porous or hollow particles
    • C08K7/24Expanded, porous or hollow particles inorganic
    • C08K7/26Silicon- containing compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K9/00Use of pretreated ingredients
    • C08K9/04Ingredients treated with organic substances
    • C08K9/06Ingredients treated with organic substances with silicon-containing compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D179/00Coating compositions based on macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing nitrogen, with or without oxygen, or carbon only, not provided for in groups C09D161/00 - C09D177/00
    • C09D179/02Polyamines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D183/00Coating compositions based on macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D183/04Polysiloxanes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、任意形状の固体基材表面がポリエチレンイミン骨格を有するポリマーとオルガノポリシロキサンとがナノメートルオーダーで複合化されてなるナノ構造複合体(複合ナノファイバーまたは複合ナノ粒子)で緻密に被覆されていることを特徴とするポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物、及び該構造物の製造方法に関する。
自然界に広く生息しているバイオシリカは、自身の細胞表面をナノとマイクロ次元でパターン化されたシリカシェルでコートし、淡水と海水中生命を営む。そのシリカシェルの構造パターンは非常に複雑かつ精巧であることから、材料的視点で、バイオシリカを模倣する研究が活発となっている。特に、バイオシリカのシリカシェル形成に、ポリアミンが重要の働きをすることから、ポリアミンを用いたシリカまたは酸化チタンの薄膜に被覆されてなる構造物構築が注目を集めている。
上記実情を背景とし、本発明者らは直鎖状ポリエチレンイミンを用いたシリカまたは酸化チタンのナノ構造複合体被覆の構造物を開示した(非特許文献1〜2及び特許文献1〜2参照)。その方法は、例えば、基材表面に直鎖状ポリエチレンイミンの結晶性薄膜を形成させた後、それをシリカソース或いは酸化チタンソース液中に浸漬して取り出すという簡便な手法であり、得られる構造物は、複雑な階層構造を有するシリカ系或いは酸化チタン系のナノ構造複合体で緻密に被覆された構造物である。
一方、オルガノポリシロキサンを構成成分とするとする塗膜技術はこの20年飛躍的に発展し、低揮発性、高強度、強靭性、強耐性の有機/無機複合コーティングではずば抜けた技術として、産業的に広く応用され、関連特許も今も数多く出願されている(例えば、特許文献3〜6参照)。また、オルガノポリシロキサンを主成分とするナノ空間的積層フィルム作製法も展開されている(例えば、非特許文献3参照)。しかしながら、オルガノポリシロキサンのナノ構造体、例えばナノファイバーを基本構造ユニットとするナノ表面構築技術、ナノ構造薄膜構築技術は開発されてない。
シリカは硬くて脆い無機材質であるが、オルガノポリシロキサンは有機ポリマー的性質を多く備えるため、ソフトで強靭な物性を示す。また、オルガノポリシロキサンそのものが有機官能基を含むので、それによるナノ構造表面での様々な機能性発現も可能となる。従って、ナノ構造を備えたオルガノポリシロキサン複合体に被覆されてなる構造物を開発することは、ナノ表面・ナノ界面技術における挑戦的な課題である。
R.H.Jin et al.、Adv.Mater.、2009年、第21巻、3750−3753頁 J.J Yuan et al.、Langmuir、2010年、第26巻、4212−4218頁 A.SHIMOJIMA et al.、The Chemical Record、2006年、第6巻、53−63頁
特開2009−057263号公報 特開2009−203120号公報 特開2010−083946号公報 特開2010−065182号公報 特開2009−042422号公報 特開2008−285651号公報
本発明が解決しようとする課題は、任意形状の固体基材表面がポリシロキサンを含有するナノ構造体で被覆されている構造物、特には、ポリアミンとオルガノポリシロキサンとがナノメートルオーダーで複合化されてなるナノ構造複合体が基材表面全体に広がり、それが基材を完全に被覆するほどの皮膜として基材上に複雑構造のナノ界面を形成している、ポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物、及び当該構造物の簡便且つ効率的な製造方法を提供することにある。
本発明者らは既に、ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーが、任意の基材表面上でナノ結晶薄膜が形成する特徴を利用し、その結晶性薄膜をシリカソースや酸化チタンソース溶液と接触させることにより、基材表面に選択的にシリカ又は酸化チタンのナノ構造複合体体が析出し、複雑なナノ構造を有する皮膜で被覆された構造物及びその構造物の製法を提供した(前記特許文献1〜2参照。)。
本発明者によるこのような従来のシリカまたは酸化チタン被覆構造物は、テトラアルコキシシランのような原料を用い、それがポリエチレンイミンの結晶膜表面で加水分解と縮合反応(ゾルゲル反応)をすることで、完全無機系組成、即ち、SiO、TiOで表される無機系組成を有することを特徴とする。
一方、非シリカ系(非無機系)構造物の構築には、原料として用いるのはテトラアルコキシシラン等ではなく、ケイ素原子に少なくとも2個以内の炭素が結合したSi−C結合構造を有するオルガノアルコキシシラン{RSi(OCH4−nまたはRSi(OCHCH4−n、Rは置換基を有していても良い炭化水素基、n=1または2}を用いることが必要と考えられる。
通常、シリカソースであるテトラアルコキシシランは加水分解が速く、シリカ形成も速い。従って、前記特許文献1で提供した製造方法においては、基材表面のポリエチレンイミン骨格含有ポリマー層からなるナノ結晶薄膜はダメージを受けることなく、その上でシリカ構造が転写される。それに比べ、オルガノアルコキシシランの加水分解及び安定なシロキサン結合からなるポリマーに成長するのも遅い。そのため、基材表面のナノ結晶薄膜は基材から剥がれて媒体中に溶解したり、ナノ結晶構造が破壊されたりする虞がある。その結果、オルガノポリシロキサン含有ナノ構造体の形成は大きく阻害される可能性が高い。
本発明では、オルガノアルコキシシランの加水分解的縮合反応を効率的にポリエチレンイミン骨格含有ポリマーからなる結晶薄膜表面で進行させ、それが安定なオルガノポリシロキサンのナノ構造に成長し、結果的にそれが基材表面を完全に被覆したナノ皮膜の構造物になるための最適手法を確立し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、固体基材表面に形成されたポリエチレンイミン骨格を有するポリマーの結晶薄膜上で、オルガノアルコキシシランを加水分解的に縮合させることにより、オルガノポリシロキサンとポリエチレンイミン骨格含有ポリマーとが複合されてなるナノ構造複合体で被覆された構造物及びその製法を提供するものである。
本発明のオルガノポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物は、任意形状の金属、ガラス、無機金属酸化物、プラスチック、セルロースなどの固体基材表面に、ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーとオルガノポリシロキサンとを含有する複合体が形成されているものであり、該構造物自体は、複雑な平面、曲面、棒状、管状等のいずれの形態であってもよく、また、管内、管外、容器内、容器外のいずれにも限定的または包括的に被覆させることができる。また、被覆するナノ構造複合体は、ポリエチレンイミン骨格を有するポリマー溶液と固体基材との接触によって該基材上に形成されるポリマー層をテンプレートとすることから、固体基材表面の一部のみを選択して被覆することも容易である。構造物の大小にかかわらず、その表面にはナノ構造複合体が形成されていることから、単位面積あたりの表面積(比表面積)は極めて大きくなる。また、固体基材表面のナノ構造複合体は基本的にオルガノポリシロキサンであるため、それの耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性が強く、それと関連し、耐腐食性も強くなる。また、オルガノポリシロキサンであることから、このナノ構造皮膜の粘弾性はシリカより優れ、脆いシリカより、一定の摩擦、摩耗にも耐えることができる。このような物性を備え付けたナノ表面を有する構造物は、機能性サイト、例えば、触媒、金属ナノ粒子、薬剤、色素などを固定することができる。また、様々な高・低屈折率の材料、発色性、発光性素子などの光学材料を表面に固定することもできる。さらに、オルガノポリシロキサン中の脂肪族、芳香族基の疎水性によるナノ構造表面での超撥水機能も発現する。従って、本発明のオルガノポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆の構造物は産業的に広く応用出来る。
実施例1−1で得た構造物の走査型電子顕微鏡写真である。左)上方向から観察の写真;右)横方向からの写真(ガラスと複合体との界面)。 実施例1−2で得た構造物の走査型電子顕微鏡写真である。左)上方向から観察の写真;右)横方向からの写真(ガラスと複合体との界面)。 実施例1−3で得た構造物の走査型電子顕微鏡写真である。左)上方向から観察の写真;右)横方向からの写真(ガラスと複合体との界面)。 実施例2−1で得た構造物の走査型電子顕微鏡写真である。a)上方向から観察の低分解率の写真;b)aの一部分の拡大図;c)横方向からの写真(ガラスと複合体との界面)。 実施例2−2で得た構造物の走査型電子顕微鏡写真である。a)上方向から観察の低分解率の写真;b)aの一部分の拡大図;c)横方向からの写真(ガラスと複合体との界面)。 実施例2−3で得た構造物の走査型電子顕微鏡写真である。a)上方向から観察の低分解率の写真;b)aの一部分の拡大図;c)横方向からの写真(ガラスと複合体との界面)。 実施例2−4で得た構造物の走査型電子顕微鏡写真である。a)上方向から観察の低分解率の写真;b)aの一部分の拡大図;c)横方向からの写真(ガラスと複合体との界面)。 実施例3−1で得た構造物の走査型電子顕微鏡写真である。a)上方向から観察の低分解率の写真;b)aの一部分の拡大図。 実施例3−2で得た構造物の走査型電子顕微鏡写真である。a)上方向から観察の低分解率の写真;b)aの一部分の拡大図;c)bの一部分の拡大図;d)横方向からの写真(ガラスと複合体との界面)。 実施例4−1で得た構造物の走査型電子顕微鏡写真である。a)上方向から観察の低分解率の写真;b)aの一部分の拡大図;c)bの一部分の拡大図;d)横方向からの写真(ガラスと複合体との界面)。 実施例4−2で得た構造物の走査型電子顕微鏡写真である。a)上方向から観察の低分解率の写真;b)aの一部分の拡大図;c)bの一部分の拡大図;d)横方向からの写真(ガラスと複合体との界面)。 実施例5で得た構造物の走査型電子顕微鏡写真である。a)上方向から観察の低分解率の写真;b)aの一部分の拡大図;c)bの一部分の拡大図;d)横方向からの写真(ガラスと複合体との界面)。 実施例6で得た構造物の走査型電子顕微鏡写真である。a)上方向から観察の低分解率の写真;b)aの一部分の拡大図;c)bの一部分の拡大図。 比較例1で作製したシリカ/ポリマー複合体のナノ芝構造の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例6で得た構造物表面の摩耗試験後の走査型電子顕微鏡写真である。a)上方向から観察の低分解率の写真;b)aの一部分の拡大図;c)bの一部分の拡大図。
本発明の構造物は、固体基材(X)の表面がポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)とオルガノポリシロキサン(B)とを含有するナノ構造複合体(Y)によって被覆されたものである。さらに、本発明の構造物は、該ナノ構造複合体部分に、金属イオン、金属ナノ粒子、又は有機色素分子が含まれていても良い。従って、本発明の構造物は、固体基材、ポリマー、オルガノポリシロキサンを必須とし、その他金属イオン、金属ナノ粒子、有機色素分子等を任意の構成成分とするものである。本発明において、ナノ構造複合体(Y)とは、ポリマー(A)とオルガノポリシロキサン(B)、更に必要に応じて併用される金属イオン、金属ナノ粒子、有機色素分子等が、ナノメートルオーダーで複合化され、それがファイバー状・粒子状等の一定の形状を有する有機無機複合体となっていることを示すものである。また、金属ナノ粒子は後述するように、金属微粒子がナノメートルオーダーの大きさで存在しているものを示すものであって、必ずしも完全な球形である必要はないが、便宜上「粒子」と記載するものである。以下、本発明を詳細に述べる。
[固体基材]
本発明において使用する固体基材(X)としては、後述するポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)が吸着できるものであれば特に限定されず、例えば、ガラス、金属、金属酸化物などの無機材料系基材、樹脂(プラスチック)、セルロースなどの有機材料系基材等、更にはガラス、金属、金属酸化物表面をエッチング処理した基材、樹脂基材の表面をプラズマ処理、オゾン処理した基材などを使用できる。
無機材料系ガラス基材としては、特に限定することではないが、例えば、耐熱ガラス(ホウケイ酸ガラス)、ソーダライムガラス、クリスタルガラス、鉛や砒素を含まない光学ガラスなどのガラスを好適に用いることができる。ガラス基材の使用においては、必要に応じ、表面を水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液でエッチングして用いることができる。
無機材料系金属基材としては特に限定しないが、例えば、鉄、銅、アルミ、ステンレス、亜鉛、銀、金、白金、またはこれらの合金などからなる基材を好適に用いることができる。
無機材料系金属酸化物基材としては、特に限定することではないが、例えば、ITO(インジウムティンオキシド)、酸化スズ、酸化銅、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナなどを好適に用いることができる。
樹脂基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカボナート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンアルコール、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、セルロースなどの各種ポリマーの加工品を用いることができる。各種ポリマーの使用においては、必要に応じ、表面をプラズマまたはオゾン処理したものであっても、硫酸またはアルカリ等で処理したものであっても良い。
固体基材(X)の形状については、特に限定されるものではなく、平面状若しくは曲面状板、またはフィルムでも良い。特に、複雑形状加工品の管状チューブ、管状チューブのらせん体、マイクロチューブ;また、任意形状の(例えば、球形、四角形、三角形、円柱形等)容器;また、任意形状の(例えば、円柱形、四角形、三角形等)棒または繊維状態の固体基材でも好適に用いることができる。
[ポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)]
本発明において、固体基材(X)上に形成するポリマー層には、ポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)を用いることを必須とする。該ポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)としては、線状、星状、櫛状構造の単独重合体であっても、他の繰り返し単位を有する共重合体であっても良い。共重合体の場合には、該ポリマー(A)中のポリエチレンイミン骨格(a)のモル比が20%以上であることが、安定なポリマー層を形成できる点から好ましく、該ポリエチレンイミン骨格(a)の繰り返し単位数が10以上である、ブロック共重合体であることがより好ましい。
前記ポリエチレンイミン骨格(a)としては、分岐状または直鎖状のいずれでも良いが、結晶性会合体形成能が高い直鎖状ポリエチレンイミン骨格であることがより好ましい。また単独重合体であっても共重合体であっても、ポリエチレンイミン骨格部分に相当する分子量が500〜1,000,000の範囲であると、安定なポリマー層を基材(X)上に形成することができる点から好ましい。これらポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)は市販品または本発明者らがすでに開示した合成法(例えば、特開2005−264421号公報)により得ることができる。
後述するように、前記ポリマー(A)は様々な溶液に溶解して用いることができるが、この時、ポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)以外に、該ポリマー(A)と相溶するその他のポリマーと混合して用いることができる。その他のポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリプロピレンイミンなどを挙げることができる。これらのその他のポリマーを用いることにより、得られる構造物中の表面にあるナノ構造複合体層の厚み等を容易に調整することが可能となる。
[オルガノポリシロキサン(B)]
本発明で得られる構造物の基材表面は、前述のポリマー(A)とオルガノポリシロキサン(B)を含有するナノ構造複合体であることが大きな特徴である。オルガノポリシロキサン(B)形成に必要なソースとしては、{RSi(OCH4−nまたはRSi(OCHCH4−n、Rは置換基を有していても良い炭化水素基、n=1または2}で表されるオルガノアルコキシシラン(B’)が挙げられる。式中のRとしては、例えば、メルカプトプロピル基、メチル基、ビニル基、グリシドキシプロピル基、フェニル基等が挙げられ、前記一般式中のnが2の場合のRとしては、同一のものであっても、異なるものであっても良い。nが1の場合は通常シランカップリング剤(b)として知られており、例えば、テトラメトキシシラン、メトキシシラン縮合体のオリゴマー、テトラエトキシシラン、エトキシシラン縮合体のオリゴマーを好適に用いることができる。さらに、アルキル置換アルコキシシラン類の、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン等、更に、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−クロロメチルフェニルトリメトキシシラン、p−クロロメチルフェニルトリエトキシシラン等が挙げられ、又前記一般式中のnが2の化合物としてはジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等を挙げることができる。これらのオルガノアルコキシシラン(B’)は、単一で、又は混合して用いることができる。
[金属イオン]
本発明の構造体における基材表面は、前述のポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)とオルガノポリシロキサン(B)とからなるナノ構造複合体(Y)で被覆されている。このナノ構造複合体(Y)中には金属イオンを安定に取り込むことができ、従って、金属イオンを含むナノ構造複合体被覆型構造物を得ることができる。
前記ポリマー(A)中のポリエチレンイミン骨格(a)は金属イオンに対して強い配位能力を有するため、金属イオンは該骨格中のエチレンイミン単位と配位結合して金属イオン錯体を形成する。該金属イオン錯体は金属イオンがエチレンイミン単位に配位されることにより得られるものであり、イオン結合等の過程と異なり、該金属イオンがカチオンでも、またはアニオンでも、エチレンイミン単位への配位により錯体を形成することができる。従って、金属イオンの金属種は、ポリマー(A)中のエチレンイミン単位と配位結合できるものであれば制限されず、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、半金属、ランタン系金属、ポリオキソメタレート類の金属化合物等のいずれでも良く、単独種であっても複数種が混合されていても良い。
上記アルカリ金属としては、Li,Na,K,Cs等が挙げられ、該アルカリ金属のイオンの対アニオンとしては、Cl,Br,I,NO,SO,PO,ClO,PF,BF,FCSOなどが挙げられる。
アルカリ土類金属としては、Mg,Ba,Ca等が挙げられる。
遷移金属系の金属イオンとしては、それが遷移金属カチオン(Mn+)であっても、または遷移金属が酸素との結合からなる酸根アニオン(MO n−)、またはハロゲン類結合からなるアニオン(ML n−)であっても、好適に用いることができる。なお、本明細書において遷移金属とは、周期表第3族のSc,Y、及び、第4〜12族で第4〜6周期にある遷移金属元素を指す。
遷移金属カチオンとしては、各種の遷移金属のカチオン(Mn+)、例えば、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Y,Zr,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,W,Os,Ir,Pt,Au,Hgの一価、二価、三価または四価のカチオンなどが挙げられる。これら金属カチオンの対アニオンは、Cl,NO,SO、またはポリオキソメタレート類アニオン、あるいはカルボン酸類の有機アニオンのいずれであってもよい。ただし、Ag,Au,Ptなど、エチレンイミン骨格により還元されやすいものは、pHを酸性条件にする等、還元反応を抑制してイオン錯体を調製することが好ましい。
また遷移金属アニオンとしては、各種の遷移金属アニオン(MO n−)、例えば、MnO,MoO,ReO,WO,RuO,CoO,CrO,VO,NiO,UOのアニオン等が挙げられる。
また、前記金属イオンとしては、前記遷移金属アニオンが、ポリマー(A)中のエチレンイミン単位に配位した金属カチオンを介してオルガノポリシロキサン(B)中に固定された、ポリオキソメタレート類の金属化合物の形態であってもよい。該ポリオキソメタレート類の具体例としては、遷移金属カチオンと組み合わせられたモリブデン酸塩、タングステン酸塩、バナジン酸塩類等をあげることができる。
さらに、各種の金属が含まれたアニオン(ML n−)、例えば、AuCl,PtCl,RhCl,ReF,NiF,CuF,RuCl,InCl等、金属がハロゲンに配位されたアニオンもイオン錯体形成に好適に用いることができる。
また、半金属系イオンとしては、Al,Ga,In,Tl,Ge,Sn,Pb,Sb,Biのイオンが挙げられ、なかでもAl,Ga,In,Sn,Pb,Tlのイオンが好ましい。
ランタン系金属イオンとしては、例えば、La,Eu,Gd,Yb,Euなどの3価のカチオンが挙げられる。
[金属ナノ粒子]
上記した通り、本発明では金属イオンを構造体中のナノ構造複合体(Y)中に取り込むことができる。従って、これらの金属イオンのなかでも、還元反応により還元されやすい金属イオンは、金属ナノ粒子に変換させることで、該複合体(Y)中に金属ナノ粒子を含有させることができる。
金属ナノ粒子の金属種としては、例えば、銅、銀、金、白金、パラジウム、マンガン、ニッケル、ロジウム、コバルト、ルテニウム、レニウム、モリブデン、鉄等が挙げられ、複合体(Y)中の金属ナノ粒子は一種であっても、二種以上であってもよい。これら金属種の中でも、特に、銀、金、白金、パラジウムは、その金属イオンがエチレンイミン単位に配位された後、室温または加熱状態で自発的に還元されるため特に好ましい。
複合体(Y)中の金属ナノ粒子の大きさは、1〜20nmの範囲に制御できる。また、金属ナノ粒子は、ポリマー(A)とオルガノポリシロキサン(B)とのナノ構造複合体(Y)の内部、または外表面に固定することができる。
[有機色素分子]
本発明において、構造物を被覆するナノ構造複合体(Y)中のポリエチレンイミン骨格(a)はアミノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基を有する化合物と、水素結合及び/又は静電気引力により、物理的な結合構造を構成することができる。従って、これらの官能基を有する有機色素分子を該複合体(Y)中に含有させることが可能である。
前記有機色素分子としては、単官能酸性化合物、または二官能以上の多官能酸性化合物を好適に用いることができる。
具体的には、例えば、テトラフェニルポルフィリンテトラカルボン酸、ピレンジカルボン酸などの芳香族酸類、ナフタレンジスルホン酸、ピレンジスルホン酸、ピレンテトラスルホン酸、アンスラキノンジスルホン酸、テトラフェニルポルフィリンテトラスルホン酸、フタロシアニンテトラスルホン酸、ピペス(PIPES)などの芳香族または脂肪族のスルホン酸類、acid yellow,acid blue,acid red,direct blue,direct yellow,direct red系列のアゾ系染料等を挙げることができる。また、キサンテン骨格を有する色素、例えば、ローダミン、エリスロシン、エオシン系列の色素を用いることができる。
[ポリマー(A)とオルガノポリシロキサン(B)とを含有するナノ構造複合体(Y)]
ポリマー(A)とオルガノポリシロキサン(B)とを含有するナノ構造複合体(Y)は、基本的には前述のポリマー(A)とオルガノポリシロキサン(B)との複合ナノファイバー(y1)または複合ナノ粒子(y2)の集合体であり、その集合体が基材表面全体を覆った状態を構成しながら、様々なパターンまたはモルフォロジーを形成する。例えば、複合ナノファイバー(y1)が固体基材上の全面に該ファイバーの長軸が略垂直方向を向いて生えているような芝状(ナノ芝)または複合ナノファイバー(y1)及び/又は複合ナノ粒子(y2)が基材上の全面でネットワークを形成しているスポンジ状(ナノスポンジ)など、多様多種の階層構造を構成することができる。
上記ナノ芝状またはナノスポンジ状等の高次構造における、基本ユニットの複合ナノファイバー(y1)の太さは10〜100nmの範囲である。ナノ芝状複合ナノファイバー(y1)の長さ(長軸方向)は50nm〜10μm範囲に制御することができる。
また、固体基材上でネットワークを形成する場合、即ち、被覆層全体にわたって三次元の網目構造を構築している場合には、基本構造が前記複合ナノファイバー(y1)のみからなるものであっても、複合ナノ粒子(y2)のみからなるものであっても、あるいは両者が組み合わさって形成されていても良い。この時、複合ナノ粒子(y2)の平均粒子径としては20nm以下に制御することが好ましい。
固体基材上を被覆する際の基板からの厚みは、複合ナノファイバー(y1)及び/又は複合ナノ粒子(y2)の集合体構造とも関連するが、概ね50nm〜20μm範囲で変化させることができる。ナノ芝状では、複合ナノファイバー(y1)が真っすぐ立ち伸びる傾向が強く、ファイバーの長さが基本的に厚みを構成し、一本一本のファイバーの長さはかなり揃った状態であることが特徴である。ナノスポンジ状の層の厚さは複合ナノファイバー(y1)が規則性を有する複雑な絡みで盛り上がる度合いにより決まることが特徴である。ネットワークを形成している場合には、その重なり状態、複合ナノファイバー(y1)と複合ナノ粒子(y2)との存在割合等によって厚みが決定される。
ナノ構造複合体(Y)中、ポリマー(A)の成分は5〜30質量%で調整可能である。ポリマー(A)成分の含有量を変えることで、集合体構造(高次構造)を変えることもできる。
また、該ナノ構造複合体(Y)中に金属イオン、金属ナノ粒子又は有機色素分子を含有させる場合には、その種類によって高次構造を制御することも可能である。この場合においても、基本ユニットは前記したような複合ナノファイバー(y1)及び/又は複合ナノ粒子(y2)であり、これらが、組み合わさって複雑形状を形成する。
金属イオンを取り込む際の該金属イオン取り込み量としては、ポリマー(A)中のエチレンイミン単位1当量に対し、1/4〜1/200当量の範囲で調製することが好ましく、この比率を変えることによって、被覆層の厚みを変化させることができる。また、この時の被覆層は金属種に応じた発色をすることもある。
金属ナノ粒子を取り込む際の該金属ナノ粒子取り込み量としては、ポリマー(A)中のエチレンイミン単位1当量に対し、1/4〜1/200当量の範囲で調製することが好ましく、この比率を変えることによって、被覆層の厚みを変化させることができる。また、この時の被覆層は金属種に応じた発色をすることもある。
有機色素分子を取り込む際の該有機色素分子取り込み量としては、ポリマー(A)中のエチレンイミン単位1当量に対し、1/2〜1/1200当量の範囲で調製することが好ましく、この比率を変化させることにより、被覆層の厚みや形状パターンを変えることもできる。
また、ナノ構造複合体(Y)には、金属イオン、金属ナノ粒子及び有機色素分子の2種以上を同時に取り込ませることもできる。
[ナノ構造複合体被覆型構造物の製造方法]
本発明の構造物の製造方法は、ポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)の溶液、ポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)と金属イオンとの混合溶液、ポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)と有機色素分子との混合溶液、またはポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)と金属イオンと有機色素分子との混合溶液を固体基材(X)の表面に接触させた後、該基材(X)を取り出し、基材(X)の表面にポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)と、併用された金属イオン及び/又は有機色素分子とからなるポリマー層が吸着した基材を得る工程(1)と、前記ポリマー層が吸着した基材と一定濃度に調製したオルガノアルコキシシラン(B’)とを長時間接触させ、基材表面に吸着したポリマー層中のポリエチレンイミン骨格(a)が有する触媒機能により、オルガノポリシロキサン(B)をその上に析出させて、ナノ構造複合体(Y)を形成すると共に基材を被覆する工程(2)、とを有する製造方法である。この手法により固体基材(X)の表面にポリマー(A)とオルガノポリシロキサン(B)とからなるナノ界面、ポリマー(A)/金属イオン/オルガノポリシロキサン(B)からなるナノ界面、ポリマー(A)/有機色素分子/オルガノポリシロキサン(B)からなるナノ界面の被覆層を容易に形成することができる。
工程(1)において使用するポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)は前述のポリマーを使用できる。また、該ポリマー(A)の溶液を得る際に使用可能な溶媒としては、該ポリマー(A)が溶解するものであれば特に制限されず、例えば、水、メタノールやエタノールなどの有機溶剤、あるいはこれらの混合溶媒などを適宜使用できる。
溶液中における該ポリマー(A)の濃度としては、固体基材(X)上にポリマー層を形成できる濃度であれば良いが、所望のパターン形成や、基材表面へ吸着するポリマー密度を高くする場合には、0.05質量%〜50質量%の範囲であることが好ましく、0.5質量%〜10質量%の範囲であるとより好ましい。
ポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)の溶液中には、該溶剤に可溶でポリマー(A)と相溶可能な前述のその他のポリマーを混合することもできる。その他のポリマーの混合量としては、ポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)の濃度より高くても低くても良い。
金属イオンを含有するナノ構造複合体(Y)からなる被覆層を形成させる場合には、ポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)の溶液中に、当該金属イオンを混合する。該金属イオンの濃度はポリエチレンイミン骨格(a)中のエチレンイミン単位の1/4当量以下で調整することが好ましい。
また、有機色素分子を含有するナノ構造複合体(Y)からなる被覆層を形成させる場合には、ポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)の溶液中に当該有機色素分子を混合する。該有機色素分子の濃度はポリエチレンイミン骨格(a)中のエチレンイミン単位の1/2当量以下で調整することが好ましい。
また、工程(1)においてポリマー層を作製するには、固体基材(X)をポリマー(A)の溶液と接触させる。接触法としては、所望の固体基材(X)をポリマー(A)の溶液に浸漬することが好適である。
浸漬法では、基材状態により、基材(非容器状)を溶液中に入れる、または溶液を基材(容器状)中に入れる方式で、基材と溶液を接触させることができる。浸漬の際、ポリマー(A)の溶液の温度は加熱状態であることが好ましく、概ね50〜90℃の温度であれば好適である。固体基材(X)をポリマー(A)の溶液と接触させる時間は特に制限されず、基材(X)の材質に合わせて、数秒から1時間で選択することが好ましい。基材の材質がポリエチレンイミンと強い結合能力を有する場合、例えば、ガラス、金属などでは数秒〜数分でよく、基材の材質がポリエチレンイミンと結合能力が弱い場合は数十分から1時間でも良い。
固体基材(X)とポリマー(A)の溶液を接触した後、該基材をポリマー(A)の溶液から取り出し、室温(25℃前後)に放置すると、自発的にポリマー(A)の集合体層が該基材(X)の表面に形成される。あるいは、該基材(X)をポリマー(A)の溶液から取り出してから、ただちに4〜30℃の蒸留水中、または室温〜氷点下温度のアンモニア水溶液中に入れることにより、自発的なポリマー(A)の集合体層を形成させても良い。
固体基材(X)の表面とポリマー(A)の溶液との接触方法では、例えば、スピンコータ、バーコータ、アプリケータなどによる塗布の他、ジェットプリンタによるプリントや印刷などの方法も使用できる。特に、微細なパターン状に接触させる場合には、ジェットプリンタよる方法が好適である。
工程(2)においては、工程(1)において形成したポリマー層とオルガノアルコキシシラン(B’)とを接触させ、ポリマー層表面にオルガノポリシロキサン(B)を析出し、ポリマー(A)とオルガノポリシロキサン(B)とのナノ構造複合体(Y)を形成させる。ポリマー層に金属イオン及び/又は有機色素分子が含まれる場合でも、同様な方法でオルガノポリシロキサン(B)を析出させ、目的のナノ構造複合体(Y)を形成させることができる。
この時用いる、オルガノアルコキシシラン(B’)としては、前述した各種のシランカップリング剤(b)の水溶液や、アルコール類溶剤、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどの水性有機溶剤溶液、またはこれらと水との混合溶剤溶液を用いることができる。このとき、オルガノアルコキシシラン(B’)の濃度としては、低濃度であることが必須であり、ポリマー(A)が基材上で形成したナノ構造に悪影響を与えずにナノ構造複合体(Y)とするためには、体積濃度として0.05%〜5%範囲であることが好ましい。
ポリマー(A)の層が吸着した固体基材をオルガノアルコキシシラン(B’)と接触させる方法としては、浸漬法を好ましく用いることができる。浸漬する時間は5時間以上であることが必要であり、好ましくは、5〜24時間であるが、必要に応じ時間を適宜長くすることもできる。オルガノアルコキシシラン(B’)の温度は室温(20〜30℃)でもよく、加熱状態でも良い。加熱の場合、オルガノポリシロキサン(B)を固体基材(X)の表面にて規則的に析出させるため、温度を70℃以下に設定することが望ましい。
オルガノアルコキシシラン(B’)の種類、濃度などの選定により、析出されるオルガノポリシロキサン(B)とポリマー(A)とのナノ構造複合体(Y)の構造を調整することができ、目的に応じて、オルガノアルコキシシラン(B’)の種類や濃度を適宜に選定することが好ましい。
オルガノポリシロキサン(B)の形成は、ケイ素に結合しているオルガノ基の種類により大きく異なる。従って、分子構造が異なるオルガノアルコキシシラン(B’)を用い、オルガノポリシロキサン(B)のナノ構造複合体を誘導するには、その構造の反応特徴に合わせた条件設定が好ましい。
例えば、オルガノ基がメルカプトプロピル基の場合、それの反応液濃度を0.3〜0.7%(体積濃度)に設定し、基材浸漬時間を15〜20時間にすることで、ナノ芝状の複合体を効果的に誘導することができる。反応液濃度をさらに0.1vol%以下まで低下させ、その液中に15時間以上浸漬した場合、ナノファイバーのネットワーク構造の複合体からなる皮膜を誘導できる。
オルガノ基がメチル基の場合、ナノ芝状構造複合体を誘導するには、0.3〜0.8vol%程度の低濃度の溶液を用いて、基材浸漬時間を24時間以上にすることが要求される。
また、オルガノ基がフェニル基の場合、0.3〜0.8vol%程度の溶液に、基材浸漬時間を7〜10時間の範囲にすることで、ナノ芝状の複合体を効率的に誘導出来る。
ポリエチレンイミンは貴金属イオン、例えば、金、白金、銀、パラジウムなどを金属ナノ粒子に還元することができる。従って、上記工程で得られた、ナノ構造複合体(Y)によって被覆された構造物を、当該貴金属イオンの水溶液と接触させる工程を経ることにより、該貴金属イオンをナノ構造複合体(Y)中で金属ナノ粒子に変換させることができ、金属ナノ粒子を有するナノ構造複合体被覆型構造物を得ることができる。
前記工程において貴金属イオンの水溶液と接触させる方法は浸漬法を好ましく用いることができる。貴金属イオンの水溶液としては、塩化金酸、塩化金酸ナトリウム、塩化白金酸、塩化白金酸ナトリウム、硝酸銀等の水溶液を好適に用いることができ、貴金属イオンの水溶液濃度としては0.1〜5モル%であることが好ましい。
貴金属イオンの水溶液の温度は特に限定されず、室温〜90℃の範囲であれば良いが、還元反応を促進するためであれば、50〜90℃の加熱された水溶液を用いることが好ましい。また、構造物を金属イオンの水溶液中に浸漬する時間は0.5〜3時間であればよく、加熱された水溶液に浸漬する場合は30分程度で十分である。
ポリエチレンイミン単独では還元されにくい金属イオンの場合には、前記で得られた金属イオンを有する構造物中の当該金属イオンを、還元剤、特に低分子量の還元剤溶液または水素ガスと接触させる工程を併用して、該金属イオンを還元することにより、当該金属ナノ粒子を含有するナノ構造複合体被覆型構造物を得ることができる。
この時使用できる還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、アルデヒド、ヒドラジン、水素化硼素ナトリウム、水素化硼素アンモニウム、水素などが例として挙げられる。還元剤を用いて金属イオンを還元する際には、その反応は水性媒体中で行うことができ、金属イオンが含まれた構造物を還元剤溶液中に浸漬する方法、または水素ガス雰囲気中放置させる方法を用いることができる。この時、還元剤水溶液の温度は室温〜90℃以下の範囲であればよく、また還元剤の濃度としては1〜5モル%であることが好ましい。
前記工程に適応できる金属イオンの金属種としては、特に限定されないが、還元反応が速やかに進行する点から、銅、マンガン、クロム、ニッケル、錫、バナジウム、パラジウムであることが好ましい。
被覆型構造物を還元剤水溶液に浸漬する際、還元剤水溶液温度は室温または90℃以下の加熱状態でも好適であり、還元剤の濃度は1〜5%程度で十分である。
前述の方法で得られた様々な構造物は、室温(25℃)〜60℃程度に放置することにより、溶剤や水を除去して、前記した様々な用途に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、特に断わりがない限り、「%」は「質量%」を表わす。
[走査電子顕微鏡によるナノ構造体の形状分析]
単離乾燥したナノ構造体を両面テープにてサンプル支持台に固定し、それをキーエンス製表面観察装置VE−9800にて観察した。
合成例1
<直鎖状のポリエチレンイミン(L−PEI)の合成>
<直鎖状ポリエチレンイミン塩酸塩(LPEI・HCl)の合成>
市販のポリエチルオキサゾリン(数平均分子量50,000、平均重合度500、Aldrich社製)240gを、5Mの塩酸水溶液1500mLに溶解させた。その溶液をオイルバスにて90℃に加熱し、その温度で10時間攪拌した。反応液にアセトン50mLを加え、ポリマーを完全に沈殿させ、それを濾過し、メタノールで3回洗浄し、白色のポリエチレンイミンの塩酸塩粉末を得た。室温(20〜25℃)乾燥後の収量は178gであった。得られた粉末をH−NMR(JEOL JNM−LA300型核磁気共鳴吸収スペクトル測定装置:重水)にて同定したところ、ポリエチルオキサゾリンの側鎖エチル基に由来したピーク1.2ppm(CH)と2.3ppm(CH)が完全に消失していることが確認された。即ち、ポリエチルオキサゾリンが完全に加水分解され、ポリエチレンイミンに変換されたことが示された。
上記で得た粉末10gを15mLの蒸留水に溶解し、攪拌しながら、その溶液に15%のアンモニア水100mLを滴下した。その混合液を一晩放置した後、沈殿したポリマー会合体粉末を濾過し、そのポリマー会合体粉末を冷水で3回洗浄した。洗浄後の結晶粉末をデシケータ中で室温乾燥し、直鎖状のポリエチレンイミン(L−PEI)を得た。収量は8.7g(結晶水含有)であった。ポリオキサゾリンの加水分解により得られるポリエチレンイミンは、側鎖だけが反応し、主鎖には変化がない。従って、L−PEIの重合度は加水分解前の5,000と同様である。
実施例1−1〜1−3
[ガラス管内壁がポリマー/オルガノポリシロキサンのナノ構造複合体で被覆された構造物]
上記合成例1で得たポリマーL−PEIを蒸留水中に加え、80℃まで加熱し、3%の水溶液を調製した。ソーダライム材質のガラス管(内径6mm、長さ5cm)とシリンジをゴム管で連結し、該ガラス管中に一定目安のところまで前記加温したポリマー水溶液を吸い取ってから、30秒間静置した後、該ポリマー水溶液をシリンジの押し力で排出した。この操作でガラス管内壁にL−PEIポリマー層が形成された。該ガラス管を室温にて5分間静置したのち、ガラス管を表1記載のシランカップリング剤であるメルカプトプロピルトリメトキシシラン(STMS)の水溶液(室温:25〜30℃)中に15時間浸けた。ガラス管を取り出し、ガラス管内壁を水で洗浄した後、それを室温で乾燥した。
上記過程を経て得られたガラス管末端を少々潰し、その破片をSEMにて観察した。図1〜3には作製したガラス管内壁表面のSEM写真の結果を示した。いずれの場合でも、内壁には、ナノファイバーをユニット構造とする緻密な配列膜が形成した。なお、比較として、ポリマー層なしのガラス管をメルカプトプロピルトリメトキシシラン(STMS)の水溶液中に10時間以上浸けてみたが、何も観察できなかった。SEM写真からわかるように、STMS濃度を低下させることにつれて、表面構造はナノ芝からネットワーク構造に変化した。
Figure 0005028549
実施例2−1〜2−4
[ガラス管内壁がポリマー/オルガノポリシロキサンのナノ構造複合体で被覆された構造物]
実施例1において、STMS/水溶液中浸漬する時間を変えた以外は、実施例1と同様な方法にしてガラス内壁を被覆した構造物を得た(表2)。
Figure 0005028549
上記過程を経て得られたガラス管末端を少々潰し、その破片をSEMにて観察した。図4〜7にはそれぞれの条件下で得たガラス管内壁表面のSEM写真の結果を示した。浸漬3時間では、オルガノポリシロキサンの被覆はあるが、形状発現は全くなく、平の表面であった。浸漬時間を6時間にした場合、ナノファイバーの絡み合いから形成したネットワーク構造が得られた。STMS水溶液中浸漬時間を10時間以上にしたところ、ナノ芝構造が発現した。このことから、STMS濃度をやや高めにした場合、ナノファイバーを特徴とする表面構造を形成させるには、浸漬時間を長くすることが必要条件であることが明らかとなった。
実施例3−1〜3−2
[ガラス管内壁がポリマー/オルガノポリシロキサンのナノ構造複合体で被覆された構造物]
実施例1において、シランカップリング剤として、STMSの替わりにメチルトリメトキシシラン(MTMS)を用いた以外、実施例1と同様な方法にしてガラス内壁を被覆した構造物を得た(表3)。
Figure 0005028549
上記過程を経て得られたガラス管末端を少々潰し、その破片をSEMにて観察した。図8〜9にはそれぞれの条件下で得たガラス管内壁表面のSEM写真の結果を示した。浸漬13時間では、オルガノポリシロキサンの被覆はあるが、形状発現は全くなかった(図8a−b)。しかし、浸漬時間を36時間にした系では、緻密なナノ芝構造が発現した(図9a−d)。このことから、MTMSからのオルガノポリシロキサンのナノ構造誘導には、長い浸漬時間が必要条件であることが示唆された。
実施例4−1〜4−2
[ガラス管内壁がポリマー/オルガノポリシロキサンのナノ構造複合体で被覆された構造物]
実施例1において、シランカップリング剤としてフェニルトリメトキシシラン(PTMS)を用いた以外、実施例1と同様な方法にしてガラス内壁を被覆した構造物を得た(表4)。
Figure 0005028549
上記過程を経て得られたガラス管末端を少々潰し、その破片をSEMにて観察した。図10〜11にはそれぞれの条件下で得たガラス管内壁表面のSEM写真の結果を示した。浸漬7時間で、明確なナノ芝状の構造が発現した(図10)。浸漬時間を22時間にした系では、芝の「草葉」構造の真っ先が尖った構造ではなく、ロッドの半球状になる傾向であることを確認した(図11)。
実施例5
[ガラス管内壁がポリマー/オルガノポリシロキサンのナノ構造複合体で被覆された構造物]
実施例1において、シランカップリング剤をメルカプトプロピルトリメトキシシラン(STMS)とビニルトリメトキシシラン(VTMS)の混合物(等モル混合)を用いた以外、実施例1と同様な方法にしてガラス内壁を被覆した構造物を得た(表5)。
Figure 0005028549
上記過程を経て得られたガラス管末端を少々潰し、その破片をSEMにて観察した。図12にはガラス管内壁表面のSEM写真の結果を示した。ナノ芝状構造が確認された。
実施例6及び比較例1
[ガラス板表面にポリマー/オルガノポリシロキサンのナノ構造複合体で被覆された構造物]
濃度が0.5wt%のポリスチレンスルホン酸水溶液を用い、3×2cmのソーダガラス板上にスピンコーター(500rpm/2秒、3000rpm/30秒)にて表面に薄膜を調製した。それを完全乾燥後、上記合成例で得られた3wt%のL−PEIの水溶液(80℃液)に浸け、10秒間静置した。板を取り出し、それを室温状態で5分間静置させた後、STMSの水溶液(STMS/水=0.25mL/50mL)中に15時間浸漬した。板を取り出し、蒸留水で表面洗浄後、空気中乾燥した。これで得た膜の表面をSEMにて観察した(図13)。全体的に緻密なナノ芝構造が形成したことが確認された。
比較例1として、実施例6のSTMSのかわりに、テトラメトキシシランを用い、水との混合液(10mLシラン/50mL水)を調製し、その混合液に実施例6と同様な方法でL−PEI吸着のガラススライドを浸漬し、室温で30分保持した。ガラス板を取り出し、蒸留水で表面洗浄後、空気中乾燥した。これで得た膜表面SEMイメージを図14に示した。全体的にナノ芝状シリカ/ポリマー複合皮膜であることが確認された。
実施例6と比較例1で得られた2種類の構造物の表面の水接触角と擦りテストを行なった。実施例6で得られた表面の膜の水接触角は74°となり、表面は疎水性を示したに対し、比較例1で得られた構造物表面の水接触角は0°で、超親水性を示した。さらに、不織布を用いて、10g加重条件下、皮膜表面の往復擦り試験(HEIDON社製 往復磨耗試験機 TYPE30S)を行なった。実施例6で得られたポリシロキサンを含有する構造物表面(ナノ芝)は、100回往復後、ナノ芝皮膜表層の会合体部分が脱落され、それが芝層表面に差し込まれた様子はあるが、ナノ芝層の構造は壊れることなかった(図15a,b,c)。また、擦りテスト後の疎水性は変らず、水接触角は71.5°であった。それとは反対に、比較例1で得られたシリカナノ芝皮膜の場合、擦り5回往復で、芝層は完全につぶされてしまい、水接触角は34°まで向上した。これは、シリカナノ芝皮膜のシリカ吸水性と芝構造毛細管効果といった二つの効果が消失したことを示唆する。この比較から、シリカの脆さと違って、オルガノポリシロキサンを含有するナノ芝は十分な強靱性を示すことがわかる。

Claims (3)

  1. ポリエチレンイミン骨格(a)を有するポリマー(A)を含有する溶液中に固体基材(X)を浸漬させた後取り出し、該固体基材(X)の表面にポリマー層を形成させる工程(1)と、
    前記工程(1)で得られたポリマー層を有する固体基材(X)と、オルガノアルコキシシラン(B’)の0.05〜0.5体積%溶液とを5時間以上接触させて、固体基材(X)表面のポリマー層中にオルガノポリシロキサン(B)を析出させ、ナノ構造複合体(Y)を形成させる工程(2)と、
    を有することを特徴とするポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物の製造方法。
  2. 前記工程(2)で用いるオルガノアルコキシシラン(B’)がシランカップリング剤(b)である請求項記載のポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物の製造方法。
  3. 前記オルガノアルコキシシラン(B’)中のオルガノ基がメルカプトプロピル基、メチル基、ビニル基、グリシドキシプロピル基又はフェニル基である請求項1又は2記載のポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物の製造方法。
JP2012519825A 2010-10-20 2011-10-18 ポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5028549B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012519825A JP5028549B2 (ja) 2010-10-20 2011-10-18 ポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010235418 2010-10-20
JP2010235418 2010-10-20
JP2012519825A JP5028549B2 (ja) 2010-10-20 2011-10-18 ポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物及びその製造方法
PCT/JP2011/074376 WO2012053655A1 (ja) 2010-10-20 2011-10-18 ポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5028549B2 true JP5028549B2 (ja) 2012-09-19
JPWO2012053655A1 JPWO2012053655A1 (ja) 2014-02-24

Family

ID=45975360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012519825A Expired - Fee Related JP5028549B2 (ja) 2010-10-20 2011-10-18 ポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5028549B2 (ja)
WO (1) WO2012053655A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20180298202A1 (en) * 2014-09-16 2018-10-18 Zorg Innovaties Nederland B.V. Method for Providing a Substrate with an Antimicrobial Coating, and Coated Substrates Obtainable Thereby
CN107661780B (zh) * 2016-07-29 2020-08-14 中国科学院大连化学物理研究所 一种疏水性固体碱催化剂及其在制备醇酯十二中应用
JP6769465B2 (ja) * 2018-09-27 2020-10-14 味の素株式会社 樹脂組成物
ES2900645T3 (es) * 2019-05-14 2022-03-17 Hilgenberg GmbH Pajitas para beber de uso múltiple y su producción

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012162788A (ja) * 2011-02-09 2012-08-30 Jfe Steel Corp 高炭素高Mn鋼材の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007084657A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Dainippon Ink & Chem Inc 有機無機複合ナノファイバを含有する有機無機複合体
JP4491037B1 (ja) * 2009-01-16 2010-06-30 財団法人川村理化学研究所 水性溶液移動用管状構造物及びその製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012162788A (ja) * 2011-02-09 2012-08-30 Jfe Steel Corp 高炭素高Mn鋼材の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012053655A1 (ja) 2012-04-26
JPWO2012053655A1 (ja) 2014-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8017234B2 (en) Structural object coated with superhydrophobic nanostructure composite and process for producing the same
WO2010018744A1 (ja) 超疎水性粉体、超疎水性表面を有する構造体及びそれらの製造方法
Priebe et al. Nanorattles or yolk–shell nanoparticles—what are they, how are they made, and what are they good for?
US7670509B2 (en) Composite nanofiber, composite nanofiber association, complex structure, and production method thereof
JP4503086B2 (ja) 超疎水性粉体、これを用いる超疎水性表面を有する構造体及びそれらの製造方法
KR101066898B1 (ko) 나노 구조 복합체 피복형 구조물의 제조 방법, 나노 구조 복합체 피복형 구조물 및 이것을 사용하는 리액터
TWI518190B (zh) Core - shell type nano - particles and its manufacturing method
JP3978440B2 (ja) シリカ/ポリマー/金属複合材料及びその製造方法
JP5028549B2 (ja) ポリシロキサン含有ナノ構造複合体被覆型構造物及びその製造方法
Kumar et al. Functionalized nanoparticles: Tailoring properties through surface energetics and coordination chemistry for advanced biomedical applications
Tsuge et al. Slippery liquid-immobilized coating films using in situ oxidation–reduction reactions of metal ions in polyelectrolyte films
JP4413252B2 (ja) ナノ構造複合体被覆型構造物及びその製造方法
KR101335492B1 (ko) 실리카 나노파이버/금속 산화물 나노결정 복합체 및 그 제조 방법
JP4101271B2 (ja) 針状表面微粒子及びその製造方法
JP4469002B2 (ja) 超疎水性ナノ構造複合体で被覆された構造物及びその製法
CN104870386A (zh) 涂有至少一个至少双功能多孔层的透明基材,特别是玻璃基材,其制造方法及用途
JP4510105B2 (ja) チタニアナノ構造複合体被覆型構造物及びその製造方法
JP3978443B2 (ja) シリカ/金属錯体複合材料及びその製造方法
JP4491037B1 (ja) 水性溶液移動用管状構造物及びその製造方法
WO2010031877A1 (en) Hybrid silica -polycarbonate porous membranes and porous polycarbonate replicas obtained thereof
JP2010196097A (ja) 金属酸化物被覆構造物の製造方法及び金属酸化物被覆構造物
WO2007010937A1 (ja) 針状表面微粒子及びその製造方法
KR101888150B1 (ko) 금속나노입자를 갖는 유/무기 교호 적층박막을 포함하는 나노 복합체, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 전기적 활성 소자
Ali et al. Facile and scalable growth of bimetallic 3D Ag/MIL125-NH2 on cotton fabric for multifaceted anti-wetting and self-healing characteristics
JP2011020327A (ja) 水性インクはじき表面を有する構造物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120625

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees