JP5028034B2 - フッ素汚染土壌の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素汚染土壌の処理方法に関し、さらに詳しくは、フッ素汚染土壌に対して複雑な操作を必要とせずにフッ素の溶出量を低減するとともに、優れた土質安定性を付与できるようにしたフッ素汚染土壌の処理方法に関するものである。
平成13年3月、環境基本法(平成5年法律第91号)に基づく土壌の汚染に係る環境基準(平成3年8月環境庁告示第46号)に、新たにフッ素溶出量の基準値(検液1Lにつき0.8mg以下)が追加された。これ伴い、フッ素汚染土壌についてはフッ素の溶出量を基準値以下に低減するための対策を施さなければならなくなった。
フッ素汚染土壌の処理については、種々提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1では、カルシウム化合物、及びアルミニウム化合物を用いたフッ素汚染土壌の処理材及び処理方法が提案されているが、環境庁告示第46号が示す基準値以下にフッ素の溶出量の低減させるには十分な手段ではなかった。
特許文献2では、フッ素汚染土壌にアルミニウム塩(主に硫酸アルミニウム)の水溶液とカルシウム塩(主に塩化カルシウム)の水溶液を添加・混合する工程(第1工程)と、固化材を添加・混合する工程(第2工程)からなるフッ素汚染土壌の処理方法等が提案されている。しかし、開示される技術では、第1工程で多量の水溶液を添加することから、処理土壌の水分が多くなり、液性限界(JIS A 1205−1999)をはるかに上回る水分を有する土壌に対して適用した場合は、処理土壌の水分が超過剰になってしまう。そのため、処理土壌に適度な土質の安定性を与えるには、多量の固化材を添加しなければならない、高分子吸水剤などを併用しなければならないという問題があった。さらに、フッ素の溶出量を確実に低減するには、処理土壌のpHを5〜10の範囲に調整する必要があるため、各材料の添加量調整を高精度で行わなければならず、容易に実施することができないという問題があった。
また、従来の技術はフッ素汚染土壌を処理した後に埋め戻すことを前提にしたものであり、処理土壌の安定性(強度)について十分な検討が行われていなかった。そのため、処理土壌を盛り土材、下部路体材、路床材などの材料として用いることが困難であった。
以上のことから、フッ素汚染土壌のフッ素溶出量を複雑な操作を必要とせずに環境庁告示第46号が示す基準値をクリアするように低減させるとともに、盛り土材等の材料として使用可能な優れた土質安定性を与えることができる手段が求められていた。
特開2003−236521号公報 特開2004−243192号公報
本発明の目的は、フッ素汚染土壌に対して複雑な操作を必要とせずにフッ素の溶出量を低減するとともに、優れた土質安定性を付与できるようにしたフッ素汚染土壌の処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明のフッ素汚染土壌の処理方法は、フッ素汚染土壌に対して、酸化カルシウムを主成分とするアルカリ土類金属塩を添加し、混合攪拌して該フッ素汚染土壌の温度を上昇させる処理工程Aと、該処理工程Aにより処理された土壌にアルミニウム化合物を添加して混合攪拌する処理工程Bとからなり、前記フッ素汚染土壌100質量部に対し、前記アルカリ土類金属塩およびアルミニウム化合物の合計質量が2質量部以上となるように添加し、かつ、前記アルカリ土類金属塩とアルミニウム化合物とを、それぞれに含まれるカルシウムイオン(Ca 2+ )とアルミニウムイオン(Al 3+ )のモル比率がCa 2+ /Al 3+ =1〜12の範囲となるように添加し、前記アルミニウム化合物が、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムの中から選ばれた1種以上を含有し、前記処理工程Aにより上昇させた土壌の温度が処理工程Aを実施する前の温度に戻る前に、前記処理工程AおよびBの全工程を終了させて、全工程を経た直後の処理土壌の温度が30℃以上であることを特徴とするものである。
ここで、前記フッ素汚染土壌が掘削したものであり、前記処理工程Aおよび処理工程Bを施工現場で行なうことが好ましい。
前記アルカリ土類金属塩が、生石灰、生石灰と消石灰の質量比が生石灰/消石灰≧0.1以上である生石灰と消石灰の混合物、焼成ドロマイトの中から選ばれた1種以上であることが好ましい。
本発明によれば、掘削したフッ素汚染土壌に対して、施工現場で酸化カルシウムを主成分とするアルカリ土類金属塩と、アルミニウム化合物とを順に添加して混合攪拌するという簡便な処理を行なうことにより、フッ素溶出量を環境庁告示第46号が示す基準値をクリアするように低減させることが可能となる。同時に、この処理土壌に盛り土材等の材料として使用可能な優れた土質安定性を与えることができる。
以下、本発明を図に示した実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1に例示するように、本発明に用いるフッ素汚染土壌の処理装置1は、施工現場に2台の混合攪拌機2A、2Bを供給コンベヤ6を介して直列に連結して配置している。それぞれの混合攪拌機2A、2Bは、上流側に投入部2a、下流側に排出部2bを有し、回転軸を中心に回転する混合攪拌スクリューを内設している。
1台目の混合攪拌機2Aには、酸化カルシウムを主成分とするアルカリ土類金属塩C(以下、アルカリ土類金属塩Cという)を収容する第1収容部3が接続され、下部の供給機5によって収容されているアルカリ土類金属塩Cが混合攪拌機2Aに供給されるように構成されている。2台目の混合攪拌機2Bは、1台目の混合攪拌機2Aと同様の構成であるが、第1収容部3に替えてアルミニウム化合物Lを収容する第2収容部4が接続されている。
このフッ素汚染土壌処理装置1では、まず、掘削されたフッ素汚染土壌Pが1台目の混合攪拌機2Aの投入部2aに投入される。また、第1収容部3から混合攪拌機2Aにアルカリ土類金属塩Cが供給され、フッ素汚染土壌Pが添加されたアルカリ土類金属塩Cとともに混合攪拌され、フッ素汚染土壌Pの温度を上昇させる(処理工程A)。この処理工程Aにより混合攪拌された処理土壌T1は、1台目の混合攪拌機2Aの排出部2bから搬送コンベヤ6上に排出され、2台目の混合攪拌機2Bに搬送される。
2台目の混合攪拌機2Bでは、処理土壌T1が投入部2aから投入される。また、第2収容部4から混合攪拌機2Bにアルミニウム化合物Lが供給され、処理土壌T1が添加されたアルミニウム化合物Lとともに混合攪拌される(処理工程B)。この処理工程Bにより混合攪拌された処理土壌T2は、混合攪拌機2Bの排出部2bから排出されて盛り土材、下部路体材、路床材などの材料としてこの施工現場で使用される。
本発明ではこのように複雑な操作を必要とせずに、後述するようにフッ素の溶出量が低減し、かつ優れた土質安定性が付与された処理土壌T2を得ることができる。
また、フッ素汚染土壌Pに添加するアルカリ土類金属塩Cとアルミニウム化合物Lとを予め混合しておくと、反応により大きな発熱等が生じる場合があり、取り扱いが困難となる。そこで、本発明ではアルカリ土類金属塩Cとアルミニウム化合物Lとをそれぞれ隔離して第1収容部3、第2収容部4に収容し、処理土壌T2を盛り土材、下部路体材、路床材などの材料として使用する施工現場で、掘削されたフッ素汚染土壌Pと混合攪拌し、この施工現場で直ぐに使用できるようにしている。このように処理土壌T2の保管や搬送を不要にして取り扱い性の困難さを解消している。
このフッ素汚染土壌の処理装置1によれば、連続的に大量のフッ素汚染土壌Pを効率よく処理することができる。尚、混合攪拌機能を有するものであれば、上記に例示したスクリューフィーダ式の混合攪拌機2A、2Bに限定されることはなく、また、固定型でも無限軌道等により自走する移動型でもよい。
フッ素汚染土壌の処理装置1は、処理工程Aと処理工程Bとを順に実施することができれば、直列に連結した2台の混合攪拌機2A、2Bで構成することに限定されず3台以上連結してもよい。また、図2に例示するように、1台の混合攪拌機2でフッ素汚染土壌の処理装置1を構成することもできる。
図2に例示する本発明に用いる別の処理装置1では、アルカリ土類金属塩Cを収容する第1収容部3とアルミニウム化合物Lを収容する第2収容部4とが互いに隔離して設けられ、第1収容部3および第2収容部4が、供給機5を介して施工現場に配置された1台の混合攪拌機2に接続されている。
このフッ素汚染土壌の処理装置1では、混合攪拌機2の投入部2aから掘削されたフッ素汚染土壌Pが投入されると、第1収容部3に収容されているアルカリ土類金属塩Cが混合攪拌機2に供給される。そして、フッ素汚染土壌Pと添加されたアルカリ土類金属塩Cとが混合攪拌され、温度上昇した処理土壌T1が排出部2bから搬送コンベヤ6上に排出される(処理工程A)。
次いで、処理土壌T1が混合攪拌機2の投入部2aから投入され、第2収容部4に収容されているアルミニウム化合物Lが混合攪拌機2に供給される。そして、処理土壌T2が排出部2bから搬送コンベヤ6上に排出される(処理工程B)。このフッ素汚染土壌の処理装置1は、コンパクトに構成できるので、スペースが狭い施工現場でバッチ式の処理作業を行なう場合に適している。
これらフッ素汚染土壌の処理装置1により実施される本発明のフッ素汚染土壌の処理方法は、処理工程Aにおいて、アルカリ土類金属塩Cに含まれる酸化カルシウム(CaO)が、土壌中の水分と反応して水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を形成し土壌中の水分に溶解した際に、Ca2+がフッ素含有化合物、及びF-と反応して、難溶性のフッ化カルシウム(CaF2)を形成しフッ素を不溶化する(溶出低減効果1)。
また、処理工程Bにおいて、アルミニウム化合物Lに含まれるAl3+によって、フッ素汚染土壌P中のフッ素含有化合物、及び土壌中の水分に含まれるフッ素イオン(F-)を凝集沈殿させる(溶出低減効果2)。
さらに、処理工程Aおよび処理工程Bの両工程を行なうことにより、アルカリ土類金属塩Cと、アルミニウム化合物Lと、土壌に含まれる珪酸化合物、あるいはアルミニウム化合物Lが、土壌中の水分を介して反応し、カルシウムアルミネート水和物、及びカルシウムサルフォアルミネート水和物を生成する際にフッ素を結晶構造に取り込み、カルシウムフルオロアルミネート水和物などの難溶性フッ素含有化合物を形成してフッ素を不溶化する(溶出低減効果3)。以上の溶出低減効果1〜3によってフッ素汚染土壌Pのフッ素の溶出量が大幅に低減され、環境庁告示第46号が示す基準値をクリアすることが可能となる。
さらに、このフッ素汚染土壌の処理方法では、処理工程Aにおいて、アルカリ土類金属塩Cに含まれるCaOが、土壌中の水分と反応してCa(OH)2を形成する際、結晶構造への水の取り込み、及び反応時の発熱(水和熱)によって、土壌の安定化を阻害する余剰な水分を排除する(土質安定効果1)。また、この生成したCa(OH)2と土壌中の珪酸化合物、あるいはアルミニウム化合物Lが反応(ポゾラン反応)して土質が安定化する(土質安定効果2)。
そして、処理工程Aおよび処理工程Bの両工程を行なうことにより、アルカリ土類金属塩Cとアルミニウム化合物Lとが土壌中の水分を介して反応し、カルシウムアルミネート水和物、及びカルシウムサルフォアルミネート水和物を生成する際に多量の水分を結晶中に取り込む(土質安定効果3)。また、この生成するカルシウムアルミネート水和物、及びカルシウムサルフォアルミネート水和物の粒子形状の特異性(燐片状粒子、針状粒子など)によって構造的な安定性が得られる(土質安定効果4)。以上の土質安定効果1〜4によってフッ素汚染土壌Pに土質安定性を付与することができる。
加えて、処理工程Aの次に処理工程Bを行うことにより、フッ素汚染土壌Pにアルミニウム化合物Lを添加して混合攪拌した後にアルカリ土類金属塩Cを添加して混合攪拌する場合(ケース1)やフッ素汚染土壌Pにアルカリ土類金属塩Cおよびアルミニウム化合物Lを同時に添加して混合攪拌する場合(ケース2)に比べて、アルカリ土類金属塩Cが長時間混合攪拌される等に起因して、土質安定効果1および土質安定効果2が促進され処理土壌T2の強度が向上し、一層優れた土質安定性を付与することが可能となる。そのため、例えば、処理土壌T2に第三種改良土(コーン指数で400kN/m2)以上の安定性を付与することが容易になり、盛り土材、下部路体材、路床材などの材料として用いることが可能になる。
これにより、フッ素汚染土壌Pのフッ素溶出量を低減させつつ、ある一定の強度を発現させるために添加するアルカリ土類金属塩Cおよびアルミニウム化合物Lの合計添加量をケース1やケース2よりも抑えることが可能となる。これにより、添加材の直接費の削減だけでなく、混合攪拌時間の短縮等によりコストダウンを図ることができる。
処理工程Aおよび処理工程Bの各工程での処理時間、処理工程Aから処理工程Bに移行するまでの時間、全工程における処理時間については、フッ素溶出量の低減効果及び土質安定効果を高めるためには、処理工程Aにおいて、アルカリ土類金属塩Cに含まれるCaOが土壌中の水分と反応して水和熱を発することに起因する土壌の温度が上昇した状態から、本発明の処理を実施する前の温度に戻る前に、全工程を終了する。なぜなら、CaOの水和熱によって土壌の温度が上昇することによって、溶出低減効果3、土質安定効果3、土質安定効果4をもたらす要因であるカルシウムアルミネート水和物、及びカルシウムサルフォアルミネート水和物の生成反応が促進されるからである。より確実に処理効果を発揮させるためには、全工程を経た直後の処理土壌T2の温度を30℃以上にする
本発明で使用されるアルカリ土類金属塩Cとアルミニウム化合物Lとの添加量の比率は、Ca2+とAl3+のモル比率がCa2+/Al3+=1〜12の範囲となるように設定する。Ca2+/Al3+が1より小さい場合、溶出低減効果1、土質安定効果1、土質安定効果2により得られる効果が小さくなる。さらに、この場合にはCa(OH)2の生成量の減少に起因して土壌のpHが中性あるいは酸性になり、難溶性フッ素含有化合物と大気中の炭酸ガスとの反応が促進される。難溶性フッ素含有化合物が炭酸化すると、炭酸イオン(CO3 2-)と2個のF-が入れ替わり放出されて、溶出量が増加してしまう恐れがある。Ca2+とAl3+のモル比率がCa2+/Al3+が12より大きい場合、溶出低減効果2、溶出低減効果3、土質安定効果3、土質安定効果4により得られる効果が小さくなる。
アルカリ土類金属塩Cとアルミニウム化合物Lとの合計添加量は、フッ素汚染土壌P100質量部に対し、2質量部以上となるように添加する。この合計添加量が2質量部より少ない場合は、溶出低減効果および土質安定効果が小さくなる。
本発明で使用するアルカリ土類金属塩Cは、CaOを主成分とするものであれば良いが、工業製品として流通しており容易に入手可能な、生石灰、生石灰と消石灰の質量比が生石灰/消石灰≧0.1以上である生石灰と消石灰の混合物、焼成ドロマイトの中から選ばれた1種以上であることが好ましい。さらに、本発明の効果をより高く得るためには、2mm以下の粉末状であり、且つ出来るだけCaOが水と反応しやすいもの(CaOの水和活性が大きいもの)を選択することが望ましい。
本発明で使用するアルミニウム化合物Lは、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムの中から選ばれた1種以上を含有しているものにする。これらを含有するアルミニウム化合物Lは、工業製品として流通しており、容易に入手可能である。さらに、これらは比較的容易にイオン化する化合物であるため、本発明で期待する効果が得られ易い。アルミニウム化合物Lは、粉末状、スラッジ状、スラリー状、液体状など状態は特に限定されないが、高い土質安定効果を得るためには水分をできるだけ少なくした状態、例えば粉末状であることが望ましい。
表1に示す性状の所定量のフッ素を含有した3種類の試料土A、B、C(フッ素汚染土壌)に添加する生石灰(CaO含有量95%)および硫酸バンド(硫酸アルミニウム;Al含有量9%)の合計添加量に対して、生石灰の質量割合を60%、硫酸バンドの質量割合を40%(それぞれに含まれるCa2+とAl3+のモル比率はCa2+/Al3+=7.8である)にしたことを共通条件として、表2に示すように生石灰と硫酸バンドの両者を同時に、または、それぞれを順番を変えて順次添加して混合攪拌した9種類の試験サンプル(実施例1〜3、比較例1−1、1−2、2−1、2−2、3−1、3−2)を作成した。各種類の試験サンプルについて、試料土1m3当たりに対する合計添加量を60kg、80kgに変化させて、一軸圧縮強度、コーン指数およびフッ素溶出量を測定し、その結果を表2に示す。
また、表3に示すように試料土A1m3当たりに対する合計添加量を80kgにしたことを共通条件として、添加する生石灰(CaO含有量95%)および硫酸バンド(硫酸アルミニウム;Al含有量9%)、PAC(ポリ塩化アルミニウム;Al含有量5%)の合計添加量に対して、生石灰の質量割合を60%、硫酸バンドの質量割合を34%、PACの質量割合を6%(Ca2+とAl3+のモル比率はCa2+/Al3+=8.5である)にした実施例4、試料土Aに添加する生石灰(CaO含有量95%)および硫酸バンド(硫酸アルミニウム;Al含有量9%)、塩化アルミニウム無水物(Al含有量11%)の合計添加量に対して、生石灰の質量割合を50%、硫酸バンドの質量割合を37.5%、塩化アルミニウム無水物の質量割合を12.5%(Ca2+とAl3+のモル比率はCa2+/Al3+=5.2である)にした実施例5を作成し、上記と同様に一軸圧縮強度、フッ素溶出量を測定し、その結果を表3に示す。
[一軸圧縮強度]
実施例1〜5および比較例1−1、2−1、3−1については、試料土と最初の添加材とを5分間混合した後、次の添加材を添加して5分間混合した。比較例1−2、2−2、3−2については、試料土と2つの添加材とを5分間混合した。混合完了後、1時間養生し、内径5cm、高さ10cmのモールドにて1.5kgのランマーにより25回/3層突固めを行ない、即日脱型してビニール袋に入れて恒温恒湿で3日間養生し、所定材令後に一軸圧縮強度を測定した。
[コーン指数]
JGS T716−199に準拠した試験方法により各試験サンプルのコーン指数を測定した。
[フッ素溶出量]
環境庁告示第46号に規定された試験方法に準拠して各試験サンプルのフッ素溶出量を測定した。
Figure 0005028034
Figure 0005028034
Figure 0005028034
表2、3の結果より、試料土に対して生石灰、次いで硫酸バンドを順次添加して混合攪拌した本発明の実施例は、比較例に比べ高い一軸圧縮強度およびコーン指数を有して優れた土質安定性を備え、盛り土材等の材料として十分使用可能なことが確認できた。コーン指数を測定した実施例1〜3ではコーン指数が約1000kN/m2以上であることも確認できた。同時に、図4に示すようにフッ素溶出量が環境庁告示第46号の基準値(0.8mg/L)以下に低減されたことが確認できた。
本発明に用いるフッ素汚染土壌の処理装置を例示する全体図である。 本発明に用いるフッ素汚染土壌の処理装置の別の例を示す全体図である。
符号の説明
1 処理装置
2、2A、2B 混合攪拌機 2a 投入部 2b 排出部
3 第1収容部
4 第2収容部
5 供給機
6 投入コンベヤ
C (酸化カルシウムを主成分とする)アルカリ土類金属塩
L アルミニウム化合物
P フッ素汚染土壌
T1、T2 処理土壌

Claims (3)

  1. フッ素汚染土壌に対して、酸化カルシウムを主成分とするアルカリ土類金属塩を添加し、混合攪拌して該フッ素汚染土壌の温度を上昇させる処理工程Aと、該処理工程Aにより処理された土壌にアルミニウム化合物を添加して混合攪拌する処理工程Bとからなり、
    前記フッ素汚染土壌100質量部に対し、前記アルカリ土類金属塩およびアルミニウム化合物の合計質量が2質量部以上となるように添加し、かつ、前記アルカリ土類金属塩とアルミニウム化合物とを、それぞれに含まれるカルシウムイオン(Ca 2+ )とアルミニウムイオン(Al 3+ )のモル比率がCa 2+ /Al 3+ =1〜12の範囲となるように添加し、前記アルミニウム化合物が、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムの中から選ばれた1種以上を含有し、
    前記処理工程Aにより上昇させた土壌の温度が処理工程Aを実施する前の温度に戻る前に、前記処理工程AおよびBの全工程を終了させて、全工程を経た直後の処理土壌の温度が30℃以上であるフッ素汚染土壌の処理方法。
  2. 前記フッ素汚染土壌が掘削したものであり、前記処理工程Aおよび処理工程Bを施工現場で行なう請求項1に記載のフッ素汚染土壌の処理方法。
  3. 前記アルカリ土類金属塩が、生石灰、生石灰と消石灰の質量比が生石灰/消石灰≧0.1以上である生石灰と消石灰の混合物、焼成ドロマイトの中から選ばれた1種以上である請求項1または2に記載のフッ素汚染土壌の処理方法。
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