JP5027339B1 - 撮像装置及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の撮像素子をタイル状につなぎ合わせた大面積撮像装置において、ダイシング後の切断面に欠損が無く、画素配列に欠落を生じない素子端部の構造及びその製造方法を提供する。
【解決手段】つなぎ合わせ端部の受光領域の構造が素子分離領域の一部であって密接する互いの素子分離領域の幅の合計がつなぎ合わせ領域以外の素子分離領域の幅と同等もしくはそれよりも狭く形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像装置の構造とその製造方法に関する。
医療診断・治療等に使用するX線撮像装置、天文学の分野で使用する撮像装置等は高感度であることが重視される。医療用途においては、できる限り患者へのX線被爆量を低減する必要があること、天文学の用途では入射信号量が極めて微弱なためである。そのため、画素の一辺が数百ミクロンメートル程度の比較的大きな画素面積を有する撮像素子を採用し高感度化を図っている。
医療用途、特に一般X線診断装置に用いられる一乃至複数枚の撮像素子について背景技術を概観する(非特許文献1参照)。X線診断装置に使用される撮像ユニット、即ち検出部分を当該分野ではFPD(Flat Panel Detector)と呼んでいる。代表的なFPDは、X線の強弱を電気信号に変換する変換膜と電気信号を読み取る薄膜トランジスタ(TFT)アレーがガラス基板上に形成されている。
胸部X線像の撮影では、患者の胸部を透過したX線像を直接FPD上に投影するため、少なくとも胸部全体を撮像領域とすることが可能な面積を有するFPDが必要になる。そのため、ガラス基板上に上記TFTやX線光電変換膜等を蒸着或いはCVD法等により積層したFPDが開発されている。液晶表示素子と同様、大面積のガラス基板を使用できるため、シリコンウエーハ(以下、ウエーハと呼ぶ)を用いた撮像素子に比べFPDの大面積化において先行しているからである。
また近年、これまでのX線の吸収率変化、即ち吸収コントラスト撮影法に加え、小焦点X線源を用いた位相コントラスト撮影法が注目されている(非特許文献2)。物質を透過したX線位相のわずかなずれを利用するため、原子番号が小さい生体物質等に対してもより鮮明な画像を得ることができるからである。しかし、本方式は、被写体と検出器(FPD)を離して撮影するため、拡大像の撮影可能なより大面積FPDが必要である。
なお、X線画像検出原理の違いにより直接変換方式と間接変換方式に大別される。直接変換方式は、X線画像情報を半導体膜において直接電気信号に変換して読み出す方式であり、半導体膜として例えばアモルファスセレン(a−Se)が用いられている。間接変換方式は、X線画像情報を蛍光体膜(シンチレータとも呼ばれる)により一旦光(例えば可視光)に変換した後、光電変換膜において該光信号を電気信号に変換する方式であり、光電変換膜として例えばアモルファスシリコン(a−Si)が用いられている。いずれの方式もウエーハ(例えば直径12インチ)全体の面積よりも大面積化が容易であり、一辺が17インチ(約43cm)以上のガラス基板上に上記変換膜等を製膜することが可能である。
しかしながら、このような大面積パネルを高い歩留まりで製造するためには極めて高度な製膜技術に加え、異物混入や欠陥発生を防止できる専用のクリーンルームおよび精密加工装置が必要になる。近年、ガラス基板上にTFT,光電変換膜等を積層したFPDに加え、微細加工技術が急速に進展しているウエーハプロセスにより製造されたCCD型撮像素子或いはCMOS型撮像素子を用いたFPDに注目が集まっている。高感度化、高解像度化、動画撮像のための高速駆動に優れているからである。特に、低消費電力化と高速撮像の観点から、CMOS型撮像素子の適用分野が拡大している。
一般に、製造歩留まりは撮像素子の面積に逆比例して低下するため、小面積の小型撮像素子を複数枚製造することにより個々の歩留まりを高め、これらをタイル状に組み合わせることにより大面積化する構造が提案されている。
特許文献1には、ガラス基板を用いた表示装置の大面積化に伴う製造歩留まりの低下を改善する方策が開示されている。即ち、大面積化に伴い、製膜やパターニング工程における欠陥発生が顕著になることから、例えば、小面積の映像または表示用アクティブマトリックスアレーを4枚タイル状に組み合わせた大面積アクティブマトリックスアレーの製造方法が開示されている。
小面積のマトリックスアレーは、ガラス基板上にアモルファスシリコン又はポリシリコンからなる薄膜トランジスタ、光ダイオード、コンデンサ等からなる画素を2次元配列したアレー構造を有している。これらをタイル状に組み合わせ大面積化するため、まずダイヤモンドソー又はレーザーソーを用いてガラス基板の不要な部分を切断、除去する。次に、画素の配列が維持されるように個々の小面積マトリックスアレーを隣接させ、支持基板上に固定している。
特許文献2には、複数の個別アレーを隣接させて配置することにより放射線非検出領域を最小化あるいは完全に回避するため、X線像を検出する連続的放射線検出層を複数の個別アレイモジュール上に積層した構造が開示されている。各アレイモジュールを構成する誘電体基板の端部は精密研磨され、他のアレイモジュールと精密な接触状態により互いに接続される。
特許文献3には、複数の撮像素子を保持基板上に隣接配置し、これらを接着剤にて固着させた構造が開示されている。即ち、透明絶縁基板上に薄膜トランジスタ等を形成後、ダイヤモンドソーにより基板を切断し、複数個の撮像素子を画素ピッチが合うように位置合わせする。
このように、特許文献1乃至3は、いずれも画素配列の連続性に関し、画素配列が維持されるように個々の小面積マトリックスアレーを互いに精密に隣接させる旨の指摘があるものの、その境界部分の構造や材質については開示されていない。また、ダイヤモンドソー又はレーザーソーを用いて切断後、切断縁部を研磨することが開示されているが、ダイシング後の個別素子の研磨はウエットプロセスであり、画素配列に沿ってそれぞれの素子端面を精確に研磨することは、極めて困難である。
特許文献4には、複数のセンサを密接し光ファイバープレート上に透明接着剤を用いて固着させた構造が開示されている。センサはガラス基板ではなく、ウエーハ上に形成されている。特許文献1乃至3では、張り合わせる素子の枚数は4枚に制限されていた。個々の素子上に駆動回路や外部接続端子(ボンディングパッド)等を配置する必要があるためである。しかし、本特許文献では、駆動回路等を含まない撮像素子を導入することにより、例えば4×4計16枚の撮像素子を張り合わせた実施例が開示されている。しかし、本特許文献における撮像装置全体では、個々のセンサ間において画素配列の連続性が無く、そのためつなぎ目部分において、少なくとも1画素分(50μm)の欠落が発生している。
特許文献5には、複数のセンサを密接し実装基板上に固着させた構造が開示されている。特許文献4と同様にセンサがウエーハ上に形成されており、センサ同士が互いに近接する部分には列および行走査回路や出力アンプを配置しない構造が開示されている。しかし、各センサ間において空間的な画素配列の連続性が無い。そこで、実効的なフレーム周波数を増加させることを目的に、各センサを8線出力のパラレル駆動により画質改善を試みている。
特許文献6には、複数のセンサパネルを密接し実装基板上に固着させた構造であってさらに画素領域の光電変換部間に走査回路、信号処理回路、外部端子等を設けた構造が開示されている。しかしながら、本構造においては、他の画素とは異なる画素形状を取らざるを得ない画素存在し、また画素の一部が欠落する等の新たな課題が生ずるばかりでなく、これら回路が画素面積を圧迫するため画素の微細化を困難にし、その結果歩留まり低下の原因となる。
従来技術からも分かるように、複数枚の撮像素子をタイル状に張り合わせる従来構造にはガラス基板等の絶縁性基板上に撮像素子を形成したタイプとウエーハ上にいわゆるCMOS型あるいはCCD型の撮像素子を形成するタイプがある。ウエーハを用いた撮像素子をさらに大面積化するには、小面積の撮像素子を複数(N)枚タイル状に並べることにより受光面積を拡大(N倍)する構造が有効なためである。
ウエーハを用いた撮像素子の有用性は、例えば心臓血管を透視画像で観察する場合、被写体の動きに追従できる動画撮像性能が得られる点にある。このような静止画撮像と動画撮像の両立が求められる場合には、撮像素子を駆動する回路は、TFT構造ではなく、ウエーハ上に形成するCMOS型撮像素子やCCD型撮像素子とすることが駆動速度、画素微細化、周辺回路の高集積化の観点から有利なためである。
特開平5−315581 特開平7−235652 特開平10−233496 特開2000−278605 特開2001−42042 特開2002−90462 特開2002−192370 米国特許 第5501893号
「医用画像診断装置に関する特許出願技術動向調査報告」(平成15年5月8日)特許庁総務部技術調査課 「新しいX線撮像法」高エネルギー加速器研究機構http://legacy.kek.jp/newskek/2003/marapr/xray.html
FPDの高画質化、高感度化、高信頼化、高速かつ低消費電力駆動および低コスト化を達成するために、従来技術における未解決の技術課題を以下に明らかにする。
(1)撮像素子の面付け法とウエーハ使用効率
撮像素子をタイル状に組み合わせる場合、周辺回路が存在するために組み合わせに使用できる撮像素子の枚数には制限がある。例えば、CMOS型撮像素子では、垂直及び水平走査回路を受光領域の周囲2辺に必要とするため、撮像素子を4枚組み合わせる例が多い。歩留まり向上のため、組み合わせに使用する撮像素子のサイズを小型化すると、必然的にこれらを組み合わせたFPDの面積も小型化し好ましくない。そのため、撮像素子の製造歩留まり及び素子性能等を考慮し撮像素子面積を決定し、この撮像素子を単一ウエーハから一枚でも多く効率的に生産できるように面付けする必要がある。
撮像素子の効率的面付けにおいて考慮すべき点として、素子をウエーハから切断するダイシング工程における切断(スクライブ)ラインの幅がある。ダイシング工程において失われる部分であり、切断ライン数が多いほど無効な面積が増加し、有効な素子面積を減少させる。さらに、図10に示すように、一般的な切断ラインは碁盤の目状に直線的にウエーハ上を走るため、図8に示すようなT字型の切断ライン(破線丸印)となる面付けは出来ない。一枚のウエーハからできる限り多数の撮像素子を製造するため、個々の撮像素子の面付け配置を最適化する必要がある。図8に示す例では、撮像素子802−1、802−2、802−3、802−4の撮像素子が従来のように碁盤の目状には配置されていない。
(2)画素配列の連続性
二以上の撮像素子をタイル上に組み合わせる場合、互いの撮像素子を近接させる必要があり、この接合部分において画素配列の連続性が失われる。相対する小型撮像素子間の受光領域境界において画素情報が欠落せず、画素配列ピッチが他の周辺画素配列ピッチと同等でなければならない。画素配列の連続性を維持するためには、ボンディングパッドや周辺回路等の画素以外の構成要素を上記接合部分近傍に配置しないこと、さらに該接合部分に要する幅が接合部分以外の画素間の幅と同等であることが要件となる。しかし、従来技術においては、組み合わせる撮像素子境界端部の画素位置を確定できるのは、ダイシング後における研磨工程であった(特許文献2)が、高画質化、製造歩留まり(製造コスト)の観点から実現が難しい。
従来のFPDにおける画素配列ピッチは、100から200ミクロンメートル程度であったが、今後求められる高解像度化の要請、例えば画素配列ピッチを100あるいは50ミクロンメートル以下にする場合、撮像素子間の接合精度及び画素配列ピッチを精確に確定できる製造方法と素子断面構造を明らかにする必要がある。
(3)素子端部の材質
一般に、半導体素子製造のウエーハ処理工程を終え、パッケージング工程に進む前にウエーハを個々の素子に分割するダイシング工程がある。この工程はウエーハ面内の切断する部分を機械的に破壊或は熱的に溶融することにより素子を分割する。そのため、個々の撮像素子が個別のパッケージング工程を経ることなく、タイル状に組み合わされる場合には、素子端部の部材が露出することになる。そのため、ダイシング後の素子端部を不純物汚染等から保護する材質を選択、あるいは保護膜による被覆が必要である。
(4)素子端部の形状
一般に、ダイシング工程は切断する部分を機械的に破壊或は熱的に溶融することにより素子を分割する。この切断後の端部のキズや欠け等の不均一形状、即ち低い加工寸法精度が境界部分における張り合わせ精度を低下させている。そのため、この領域の一定の幅を予め無効領域、所謂「切りシロ」として確保する必要がある。しかし、複数の撮像素子を互いの画素領域において密接させる場合には、ダイシング後に切りシロが残ることは、上記、画素配列の連続性の観点から好ましくない。
(5)製造歩留まりと耐環境信頼性
従来多く用いられているダイシング方法には、回転式ダイヤモンドブレードを用いる方式とレーザ溶融方式がある。前者は、機械的に被切断部位を破壊することにより二つの部分に割断する方式であり、後者は熱的に被切断部位を加熱溶融することにより二つの部分に分断する方式である。いずれの方式においても、切断によって切断部位周辺の基板材料の一部が失われる。特に、碁盤の目状の切断ラインが交差する角部分(例えば図10、破線丸印)において、シリコン基板の損傷が顕著になる。その対策として切りシロ幅を大きく確保する必要があるが、そうすると上記(1)のウエーハ面積の効率的な利用と(2)画素配列の連続性を維持することが困難になる。反対に、切りシロ幅を狭めれば、上記ダイシング時の損傷による歩留まり低下の原因となる。
また、ダイシング時の飛沫が基板、特に画素領域に再付着し製造歩留まりをさらに低下させる懸念がある。レーザ溶融等の熱的ダイシング法の場合にも溶融物の再付着、熱歪による素子強度の低下等に起因する歩留まり低下が問題になる。さらに、切断された撮像素子端部から侵入する反応性化学物質、アルカリ金属、重金属その他不純物汚染等に起因する耐環境性能あるいは信頼性低下にも対策が必要である。
しかしながら、先行技術文献等の従来技術においては、上記(1)乃至(5)において指摘した技術課題を解決できる有効な手段はなんら示唆も開示も見当たらない。撮像素子を複数枚タイル状に並べる構造における撮像装置であって、画素配列に欠落を生じない撮像素子の製造方法、画素配置、及び密接した張り合わせ部の構造とこれらを組み合わせた撮像装置、FPD等の構造と製造方法であって、高画質、高感度、高歩留まり(低コスト)、低消費電力駆動可能な大面積撮像装置を提供することが、本発明における解決すべき課題である。
(1)撮像素子の面付け方法と製造歩留まりの向上
図8は、T字型の切断ラインの交差(図中の破線マル印部分)を容認した場合の撮像素子4枚の面付け方法であったが、同じ素子サイズの撮像素子を従来の碁盤の目状に面付けしようとすると、図9に示すように、1枚のウエーハに4枚の撮像素子全てを面付けできない。従来のダイシング方法、例えば、ブレードダイシング法では、回転するダイシングブレードがウエーハに対して斜めに切り込んでいるため、ウエーハ内でダイシングを止めると完全に切断されていない領域がダイシングラインに沿って残るため、図8に示したようなT字型のダイシングラインを精密に形成することができないためである。
このようなT字型交差の面付けに対してもウエーハからの撮像素子分割が可能な新たなダイシング方法を導入する必要がある。さらに、切断ラインに要する切りシロを少なくとも画素間の素子分離領域の幅以下にできるウエーハダイシング法を用いる必要がある。本発明では、画素間隔が10ミクロンメートル以下の狭い部位を精密に切断できる新たなレーザ加工法を導入した。
特許文献7には、従来のレーザ溶融方式とは異なるレーザ加工方法が開示されている。すなわち、多光子吸収を起こさせる条件でかつ加工対象物、例えばシリコン基板内部に集光点を合わせ、パルスレーザを切断予定ラインに沿って移動させることにより、被加工物、例えばシリコン基板内部にクラック等の改質領域を切断予定ラインに沿って形成する。このようにして形成された改質領域は、基板切断時の起点となるもので、自然に割断あるいはその後の曲げ応力やせん断応力等の人為的な力を加える工程を経て制御性のよい割断方法が実現する。本方法は、完全ドライプロセスであって、低ダメージかつ均一な端面を有する切断面が得られる。そのため、ウエーハ面付けの自由度が高まりかつ撮像素子の製造歩留まりが向上するという長所がある。
(2)画素配列の連続性を維持できる構造
ウエーハを用いた二以上の撮像素子を一枚の支持体上にタイル状につなぎ合わせ撮像面積を拡大する構造であって、該つなぎ合わせ部分画素間距離がつなぎ合わせ部以外の周辺画素の画素間距離と実質同一であり、該つなぎ合わせ部の端部が受光領域を形成する単位画素の画素境界を画定する素子分離領域の一部であって、さらに、ウエーハから分割後の撮像素子において、密接する互いの素子分離領域の幅の合計がつなぎ合わせ領域以外の素子分離領域の幅と同等もしくはそれよりも狭くなるように設計、製造される。
例えば、1枚のウエーハから4枚の撮像素子を製造する場合、4枚のウエーハの互いに隣接する辺には、垂直、水平読み出し回路や外部接続端子等を配置せず、連続的に4枚の撮像素子上を同一配列ピッチで画素配置する。本発明において新たに導入したレーザ加工法を用い、4枚の撮像素子をウエーハから分割する場合、別個に切断ライン領域(切りシロ)を設けずに、画素間の素子分離領域を切断するので、切断後の撮像素子端部の形状と寸法が、上記(2)の画素配列の連続性を維持した構造となる。
(3)素子端部の材質と耐環境信頼性の向上
つなぎ合わせ部の端部が受光領域を形成する単位画素の画素境界を画定する素子分離領域の一部であって、該端部の材料がシリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(Si)、高分子有機材料等の絶縁性材料で被覆されるか、又は該端部が高濃度リン(P)、ヒ素(As)或はボロン(B)をドープしたシリコン(Si)単結晶とする。そのため、少なくとも画素間の素子分離領域がシリコン基板への高濃度不純物ドーピングにより形成された高濃度不純物層、あるいはトレンチアイソレーション構造またはLOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)構造のいずれかが好適である。
以上から、前述の課題解決のため、本発明に係る撮像装置とその製造方法は以下の特徴を有する。
即ち、本発明に係る撮像装置は、二以上の撮像素子をタイル状につなぎ合わせ撮像面積を拡大する構造であって、該つなぎ合わせ部分を挟んで画素配列が連続し、かつ該つなぎ合わせ部分における素子端部の断面構造が受光領域内部の素子分離領域の断面構造と同一であってその幅が素子分離領域幅の1/2よりも狭いことを特徴とする
また、本発明に係る撮像装置は、二以上の撮像素子をタイル状につなぎ合わせ撮像面積を拡大する構造であって、該つなぎ合わせ部分を挟んで画素配列が連続し、かつ該つなぎ合わせ部分における素子端部の断面構造が受光領域内部の素子分離領域の断面構造と同一であって、撮像素子境界を挟む両素子端部の幅の合計が素子分離領域の幅と同一もしくはそれよりも狭いことを特徴とする。
また、本発明に係る撮像装置は、二以上の撮像素子をタイル状につなぎ合わせ撮像面積を拡大する構造であって、該つなぎ合わせ部分を挟んで画素配列が連続し、かつ該つなぎ合わせ部分における素子端部の断面構造が受光領域内部の素子分離領域の断面構造と同一であって、撮像素子境界を挟む両素子端部の幅の合計に撮像素子境界間における間隙の寸法を加えた値の合計が素子分離領域の幅と同一であることを特徴とする。
好ましくは、本発明に係る撮像装置は、前記つなぎ合わせ部の両端部が、絶縁性材料又は高濃度不純物を含む半導体層から形成されたことを特徴とする。
更に好ましくは、本発明に係る撮像装置は、前記撮像素子の素子分離領域がシリコン基板への不純物イオン注入によって形成された高濃度不純物層であることを特徴とする。
また、好ましくは、本発明に係る撮像装置は、前記撮像素子の素子分離領域がシリコン酸化膜、シリコン窒化膜の何れかであることを特徴とする。
更に好ましくは、本発明に係る撮像装置は、前記素子分離領域がトレンチアイソレーション構造またはLOCOS構造のいずれかであることを特徴とする。
好ましくは、本発明に係る撮像装置は、前記素子分離領域の深さがシリコン層の厚さと実質同一であることを特徴とする。
更に好ましくは、本発明に係る撮像装置は、フォトダイオードを有するシリコン層の厚さが3ミクロンメートル以上10ミクロンメートル以下であることを特徴とする。
また、好ましくは、本発明に係る撮像装置は、つなぎ合わせに使用する個々の撮像素子が裏面照射型の撮像素子であることを特徴とする。
また、好ましくは、本発明に係る撮像装置は、入射X線信号を可視光に変換する蛍光物質を含む層又は入射X線信号を直接電気信号に変換する半導体層がつなぎ合わせに使用する複数の撮像素子上に積層されていることを特徴とする。
本発明に係る撮像装置の製造方法は、つなぎ合わせ部分を挟む両撮像素子の画素ピッチが受光領域内部の画素ピッチと同一になるように撮像素子境界間における間隙の寸法を決定することを特徴とする。
また、本発明に係る撮像装置に使用する撮像素子の製造方法は、撮像素子の外縁を確定する切断予定ラインの一部が同一ピッチで連続する画素アレー間の素子分離領域を通るように面付けすることを特徴とする。
また、本発明に係る撮像装置に使用する撮像素子のダイシング方法は、撮像素子の外縁を確定する切断予定ラインであり、少なくとも同一ピッチで連続する画素アレー間の素子分離領域を通る切断予定ラインにおける切断プロセスが、撮像素子表面から透過しその内部で焦点を結像するレーザ光を該切断予定ラインに照射することによりウエーハ内部に垂直方向のクラック等の改質層を生じせしめる工程からなることを特徴とする。
好ましくは、本発明に係る撮像装置の製造方法は、ダイシング後、2以上の撮像素子を支持体上にタイル状につなぎ合わせて固着させ、その上部にX線を可視光に変換する有機または無機の蛍光物質を含む層又はX線を直接電気信号に変換することができる半導体層を2以上の撮像素子受光領域上に積層することを特徴とする。
二以上の複数の固体撮像素子を二次元平面上において互いの受光領域をつなぎ合わせることにより全体の受光面積を拡大させる構造において、つなぎ目部分における画素配列の連続性を保つこが可能な構造および製造方法により画質劣化を防止できる。さらに、つなぎ目部分近傍における結晶欠陥、不純物や重金属汚染の影響を受けない高画質かつ高信頼性の大面積の撮像装置を高歩留まりで製造することができる。さらに、従来のTFT構造に替え、ウエーハからなるCMOS型撮像素子を使用するため、画像の高解像度化、高感度化、高速低消費電力駆動等を実現できる撮像装置が容易に得られる。その結果、例えば、X線被爆量の少ない医療用X線診断・治療装置が高い製造歩留まりで実現し、X線医療機器等のコストダウンにつながり、増加傾向にある医療費の削減に寄与する。
本発明の実施形態による撮像装置の平面図である。 図1の撮像装置のA−A’部分の断面構造を示した説明図である。 本発明の実施形態におけるCMOS型撮像素子一画素の等価回路図である。 本発明の実施形態による撮像装置の第一の変形例における断面構造を示した説明図である。 本発明の実施形態による撮像装置の第一の変形例におけるCMOS型撮像素子一画素の等価回路図である。 (a)は、図2のB−B’部分の第一の断面構造を示した説明図である。(b)は、図2のB−B’部分の第二の断面構造を示した説明図である。(c)は、図2のB−B’部分の第三の断面構造を示した説明図である。 本発明およびその第一の変形例における製造方法であって、図6(a)の断面構造、或は図6(b)の断面構造、或は図6(c)の断面構造を有するそれぞれのプロセスフローチャートである。 本発明の実施形態における製造方法において可能となったT字型の切断ラインを有するウエーハ上の撮像素子面付けの一例を示した説明図である。 図8に示した撮像素子と同一サイズの撮像素子を従来の碁盤の目状にウエーハ上に配置した場合の例。 従来の一般的な半導体素子製造におけるウエーハ面内の素子面付けパターン。
図1は、本発明の一実施形態を説明するためのX線撮像装置の概略構成を示す図である。撮像装置100は、X線医療診断、治療装置あるいはX線天文学等において使用される大面積撮像装置である。撮像装置100は、ガラス基板等の支持基板上に4枚の撮像素子102−1、102−2、102−3、102−4がタイル状に密接し配置、固定されている。
これら4枚の撮像素子の受光領域上に、X線蛍光体層、いわゆるシンチレータ103が積層されている。シンチレータ103は、例えば300〜600ミクロンメートルの厚さを有し、直接、撮像素子上に形成してもよく、あるいはシンチレータ材料を別の基板上に予め形成したものを前記撮像素子102−1,102−2,102−3,104−4上に張り合わせるようにしてもよい。蛍光体材料には、BGO(ビスマスジャーマネイト)結晶、CsI(ヨウ化セシウム)の針状あるいは柱状結晶、NaI(ヨウ化ナトリウム)結晶など無機蛍光材料を用いることができるが、その他、有機蛍光材料であってもよい。
撮像素子102−1,102−2,102−3,104−4は、それぞれ同一または異なるシリコンウエーハから製造されたものであって、支持基板101上において張り合わせ界面104−1及び104−2において密接して配置、固定されている。
撮像素子102−1,102−2,102−3,104−4は、それぞれ単独であっても撮像素子として動作可能であって、それぞれの撮像素子が複数の入出力信号端子であるコンタクトパッド106を有し、ボンディングワイヤ107を介して支持基板上のコンタクトパッド105と電気的に接続される。支持基板上のコンタクトパッド105は、支持基板上に印刷された配線112を介して外部入出力コネクタ113につながっている。さらに、入出力コネクタ113は、信号ケーブル114を介してX線診断装置等の撮像システムと電気的に接続される。
撮像素子102−1,102−2,102−3,104−4は、例えばCMOS型イメージセンサであって、水平駆動読み出し回路108、垂直駆動回路109、出力回路110、及び単位画素(ピクセル)111の二次元アレー構造から形成されている。図1では、各撮像素子の画素111がそれぞれ4画素のみ各撮像素子受光領域の四隅にのみ図示されているが、実際には、画素が連続してアレー状に配列している。その他の構成要素、例えばコンタクトパッドやワイヤボンディング、配線パターン112等も図の簡略化のためその一部のみを示している。
図2は、図1の撮像装置のA−A’部分の断面構造を示した説明図である。撮像素子202−1及び202−2が、張り合わせ界面204−1を境に配線層212を表面に有する支持基板201上に取り付けられている。シンチレータ層203は、入射X線画像をウエーハ上に形成されたフォトダイオード(PD)により検出可能にするため、X線を蛍光(可視)光に変換する役割をする。このように、シンチレータによってX線信号を、一旦、蛍光(可視)光に変換した後に蛍光(可視)光を読み出す間接変換方式の実施形態である。
図3は、図1の撮像装置における撮像素子102−1,102−2,102−3,104−4における一画素を構成する等価回路図である。一画素中に読み出しトランジスタ(Tr2)、リセットトランジスタ(Tr1)、増幅トランジスタ(Tr3)、選択トランジスタ(Tr4)の4トランジスタ構成のMOS型撮像素子である。シンチレータから入射した蛍光をフォトダイオード(PD)において光電荷として一定期間蓄積した後、読み出し制御線(Read)をハイにすることにより読み出しトランジスタ(Tr2)をオンし、フローティング拡散層(FD)に電荷を転送する。次に、このFD中の電荷は、ソースフォロアアンプを構成する増幅トランジスタ(Tr3)により選択トランジスタ(Tr4)をオンすることにより垂信号線からアンプ(Amp)を介し外部(Signal Output)に読み出される。信号読み出し完了後に、次の露光に備え、リセットトランジスタ(Tr1)をオンし、FDの電位をリセットする。
図4は、図1の撮像装置の変形例に係わるA−A’部分の断面構造である。撮像素子102−1,102−2,102−3,104−4上には、シンチレータ103は積層されておらず、その代わりにX線感光材料403が積層されている。X線感光材料403には、例えばアモルファスセレン(a−Se)が用いられる。X線感光材料403は、X線が入射すると電子、正孔対を発生するので、対抗電極(Counter Elec.)と画素電極(Pixel Elec.)間の高電界により光電荷として外部に読み出すことができる。
図5は、図1の撮像装置の変形例である図4に示す撮像素子の一画素を構成する等価回路図である。図3と異なる構成要素は、アモルファスセレン(a−Se)層(403)、対抗電極(Counter Elec.)、画素電極(Pixel Elec.)、高電圧源(Vh)である。また、画素電極(Pixel Elec.)は、読み出しトランジスタTr2のソース部にオーミック接続している。このように、一旦、シンチレータにより蛍光(可視)光に変換することなく、直接X線像を電気信号として読み出すことができる直接変換方式の実施形態である。
図6(a)は、図1の撮像装置のB−B’部分の断面構造をより詳細に示した説明図である。支持基板601a上に撮像素子602−1aと602−2aが撮像素子張り合わせ境界604aを介して密接している。本断面図は、2画素分の断面構造を示している。撮像素子602−1aと602−2aは、図1には図示していないゲート酸化膜612a、その上部に層間絶縁平坦化膜610aと多層配線領域611aを有している。さらにその上部はシンチレータ603aが撮像素子張り合わせ境界604a上も含め受光部全体を一様に被覆している。
撮像素子の断面構造をさらに詳しく説明する。本実施例における撮像素子は、P型シリコン基板またはP型ウエル層605a(ボロン濃度1015〜1016/cm)、フォトダイオード(PD)を構成する高濃度N型領域606a(リンまたは砒素濃度1017〜1019/cm)、表面高濃度P型層607a(ボロン濃度1017〜1018/cm)、素子分離領域となる高濃度P型領域608−1a(ボロン濃度1018〜1019/cm)、張り合わせ境界604aに接する部分の素子分離領域608−2a、608−3a(ボロン濃度は素子部分離領域608−1aと同一)、及び裏面高濃度P型領域609a(ボロン濃度1018〜1020/cm)から構成されている。
新たに導入したレーザ加工法を用い、連続する画素間の素子分離領域を高精度に切断できたので、素子分離領域608−1aは、撮像素子受光領域内部すなわち撮像素子張り合わせ境界604aに接する部分以外の素子分離領域と同一構成であり、その幅d1を有している。撮像素子張り合わせ境界604aに接する部分における素子分離領域608−2a、608−3aの幅をそれぞれd2およびd3と定義する。また、撮像素子張り合わせ境界604aの間隙の寸法をd4と定義する。d2及びd3はd1の1/2以下でかつd2とd3の和がd1より小さく、かつd2、d3、d4の合計がd1と同一になるように複数の撮像素子張り合わせ後のd4の幅を確定させる。d2、d3の寸法は、ウエーハダイシングにより決まる数値であり、ダイシング前は素子分離領域608−1aと同一構造であったものである。このような形状とすることで、複数の撮像素子を撮像領域が連続するように張り合わせた場合においても、境界部分周辺において画素配列が連続し、かつその画素ピッチLを一様に保つことができる。
素子分離領域は、高濃度P型不純物層以外にも高濃度N型不純物層であってもよく、その場合はシリコン基板(ウエル)その他半導体構成要素の導電型を反転すればよいことは言うまでもない。
図6(b)は、図1の撮像装置のB−B’部分の他の実施形態における断面構造をより詳細に示した説明図である。支持基板601b上に撮像素子602−1bと602−2bが撮像素子張り合わせ境界604bを介して密接している。本断面図は、2画素分の断面構造を示している。撮像素子602−1bと602−2bは、図1には図示していないゲート酸化膜612b、その上部に層間絶縁平坦化膜610bと多層配線領域611bを有している。さらにその上部はシンチレータ603bが撮像素子張り合わせ境界604b上も含め受光部全体を一様に被覆している。
撮像素子の断面構造をさらに詳しく説明する。本実施例における撮像素子は、P型シリコン基板またはP型ウエル層605b(ボロン濃度1015〜1016/cm)、フォトダイオード(PD)を構成する高濃度N型領域606b(リンまたは砒素濃度1017〜1019/cm)、表面高濃度P型層607b(ボロン濃度1017〜1018/cm)、素子分離領域となるボロン濃度1016〜1018/cmを有するシリコン層を表面領域に有する厚いシリコン酸化膜領域608−1b、張り合わせ境界604bに接する部分の素子分離領域608−2b、608−3b、及び裏面高濃度P型領域609b(ボロン濃度1018〜1020/cm)から構成されている。既に説明したように、素子分離領域608−1bは、ウエーハを切断する前は連続する画素間の素子分離領域と同じ構造であった。そのため、撮像素子受光領域内部すなわち撮像素子張り合わせ境界604bに接する部分以外の素子分離領域と同一構造であってその幅d1を有している。本実施例における素子分離領域は、LOCOSアイソレーション構造と呼ばれるものである。撮像素子張り合わせ境界604b近傍の各部の素子形状、寸法等の規定は、上記図6(a)の場合と同様であるため説明は省略する。
図6(c)は、図1の撮像装置のB−B’部分のさらに他の実施形態における断面構造をより詳細に示した説明図である。支持基板601c上に撮像素子602−1cと602−2cが撮像素子張り合わせ境界604cを介して密接している。本断面図は、2画素分の断面構造を示している。撮像素子602−1cと602−2cは、図1には図示していないゲート酸化膜612c、その上部に層間絶縁平坦化膜610cと多層配線領域611cを有している。さらにその上部はシンチレータ603cが撮像素子張り合わせ境界604c上も含め受光部全体を一様に被覆している。
撮像素子の断面構造をさらに詳しく説明する。本実施例における撮像素子は、P型シリコン基板またはP型ウエル層605c(ボロン濃度1015〜1016/cm)、フォトダイオード(PD)を構成する高濃度N型領域606c(リンまたは砒素濃度1017〜1019/cm)、表面高濃度P型層607c(ボロン濃度1017〜1018/cm)、素子分離領域となる深い溝に堆積したシリコン酸化膜領域608−1c、張り合わせ境界604cに接する部分の素子分離領域608−2c、608−3c、及び裏面高濃度P型領域609c(ボロン濃度1018〜1020/cm)から構成されている。素子分離領域608−1bは、ウエーハを切断する前は連続する画素間の素子分離領域と同じ構造であった。そのため、撮像素子受光領域内部すなわち撮像素子張り合わせ境界604cに接する部分以外の素子分離領域と同一構造であってその幅d1を有している。本実施例における素子分離領域は、トレンチアイソレーション構造と呼ばれるものであり、深い溝形成が可能なドライエッチング法(Deep RIE)によって素子分離領域となるシリコン基板に溝を掘る(特許文献8)。その後、この溝にシリコン酸化膜(SiO)あるいはシリコン窒化膜(Si)等の絶縁性物質を充填する。撮像素子張り合わせ境界604c近傍の各部の素子形状、寸法等の規定は、上記図6(a)の場合と同様であるため説明は省略する。
なお、図6(a)、(b)、(c)のいずれの場合においても、フォトダイオードを有するシリコン層の厚さ(Ta,Tb、Tc)を、3から10ミクロンメートルと薄化した構造とすることにより、さらに加工精度の向上が期待できる。
図7は、本発明の実施形態に係るX線撮像装置の製造方法を説明するフローチャートである。撮像素子前工程とは、ウエーハに対し、公知の露光および微細加工プロセス等により所望のMOS構造を形成する工程である。この前工程に続くのが後工程と呼ばれるウエーハ裏面研削、素子切断分離(ダイシング)、ワイヤボンディングおよびパッケージング工程である。
一般に前工程には、トランジスタ等の回路素子形成領域と個々の素子を電気的に分離する素子分離領域形成工程がある。本発明では、素子分離領域形成工程として、図6(a)、(b)、(c)の構造を得るための3種類の工程が適宜選択される。
前工程終了後のウエーハ表面全体に裏面研削用テープを貼り付ける。次に、研磨剤等を用いてウエーハ裏面を研削し、ウエーハの厚みを所定の値、例えば100ミクロンメートルまで薄く加工する。裏面照射型の撮像素子として使用する場合には、さらに素子分離領域の深さ程度、例えば3から10ミクロンメートル程度まで薄くする。裏面照射型の撮像素子に適用できれば、さらに高感度化が期待できるためである。
次に、レーザ光源を被加工物であるウエーハの切断予定ラインに位置合わせし、かつ所定の深さの内部位置に焦点が結像するようにレーザ光源を調整する。レーザ光源には、例えば、出力が一パルスあたり10マイクロジュールから1ミリジュール程度のYAGレーザ(波長1064ナノメートル)を用いる。次に、切断ラインに沿ってレーザ照射できるように、ウエーハを固定したステージをX及びY方向に移動しながらレーザをパルス発振させ切断予定ラインに照射する。
レーザ照射終了後、ウエーハ裏面にダイシングテープを貼り付けフレームに固定し、裏面に残る研削用テープを除去する。次に、ダイシングテープを伸長させ、レーザ光の照射された部分から切断分離する。ウエーハ内部に垂直方向に発生したクラック等の改質層が基板切断時の起点となり、切断ラインに沿ったダイシングが可能になる。本方法により、完全ドライプロセスであって、低ダメージかつ均一な端面を有する切断面が得られる。
切断後の素子を取り上げ、検査工程を経て良品選別が行われる。良品のみを支持基板上にタイル状に配置し熱硬化性樹脂等を用いて固定する。その後、必要に応じて撮像素子表面全体に平坦化保護膜を形成することにより、撮像素子の耐環境性能即ち信頼性をさらに向上させる。
本方法によって基板加工を行えば、改質部が形成されていない部分まで割れが先走ることがないため、切りシロを例えば数ミクロンメートル以下に狭めることができる。さらに、割断後の基板端面に割れや欠け、溶融飛散物等の付着が無いため、切り白部分を確保せず、直接、受光領域内の画素間を高精度に切断することができる。また、研磨等のウエットな後処理工程も不要になり、完全ドライプロセス化できる利点がある。
本発明による撮像装置の他の製造方法の特徴は、2以上の撮像素子を支持体上にタイル状につなぎ合わせて固着後、その上部にX線を可視光に変換する有機または無機の蛍光物質を含む層を積層あるいはX線光導電膜を積層するいずれかの工程を経た後、通常のワイヤボンディング、パッケージング工程に進む。
言うまでもなく、ウエーハから撮像素子を1枚製造する場合においても本発明を適用できる。即ち、少なくとも受光領域に接する部分の界面は、他の撮像素子の受光領域と密接することになる。そのため、この部分の素子分離領域の構造は、既に説明したような素子分離幅を有する構造であること、さらに、少なくとも受光領域に接する部分の界面に沿ったウエーハダイシング工程は、本発明に係るレーザ加工法を含む製造プロセスが用いられる
大面積のFPD及びこれを用いた医療・歯科用X線診断・治療装置、工業用X線検査装置、天体・宇宙観測用撮像装置。X線あるいは可視光、赤外光に感度を有する撮像素子を組み合わせて大面積化した撮像装置およびこれを用いた検査、診断、治療、観測装置。
100 撮像装置(FPD)
101、201、401、601 支持基板
102−1、102−2、102−3、102−4、202−1、202−2、402−1、402−2、602−1、602−2、802−1、802−2、802−3、802−4、902−1、902−2、902−3、902−4、1002 撮像素子
103、203、603 シンチレータ
104、204、404、604 撮像素子張り合わせ境界部分
105、205、405 支持基板上のコンタクトパッド
106、206、406 撮像素子上のコンタクトパッド
107、207、407 ボンディングワイヤ
108 水平駆動、読み出し回路
109 垂直駆動回路
110 出力回路
111 単位画素
112、212 支持基板上の配線
113 支持基板に取り付けられた入出力コネクタ
114 信号ケーブル
403 X線感光材料
605a、605b、605c P型シリコン領域
606a、605b、605c N+シリコン領域
607a、607b、607c フォトダイオード表面P+層
608−1a P+素子分離領域
608−1b LOCOS素子分離領域
608−1c トレンチ素子分離領域
608−2a、608−2b、608−2c 撮像素子張り合わせ境界一方の部分における素子分離領域
608−3a、608−3b、608−3c 素子分離領域608−2に相対する部分における素子分離領域
609a、609b、609c 裏面P+層
610a、610b、610c 層間絶縁膜平坦化膜
611a、611b、611c 多層配線領域
612a、612b、612c ゲート(シリコン)酸化膜
804−1、804−2、904−1、904−2、1004−1、1004−2 ダイシング予定ライン
800、900、1000 ウエーハ
FD フローティング拡散層
PD フォトダイオード
Rest リセット信号線
Vcc 電源
Select 選択信号
Read 読み出し制御信号
Sig. output 出力信号
Counter Elec. 対抗電極
Pixel Elec. 画素電極
Vh 光導電膜印加電圧
e 電子
h 正孔
d1 素子分離領域608−1の幅
d2、d3 それぞれ素子分離領域608−2及び608−3の幅
d4 撮像素子張り合わせ境界部分の幅

Claims (14)

  1. 二以上の撮像素子をタイル状につなぎ合わせ撮像面積を拡大する構造であって、該つなぎ合わせ部分を挟んで画素配列が連続し、かつ該つなぎ合わせ部分における素子端部の断面構造が受光領域内部の素子分離領域の断面構造と同一であって、撮像素子境界を挟む両素子端部の幅の合計に撮像素子境界間における間隙の寸法を加えた値の合計が素子分離領域の幅と同一であることを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1記載の撮像装置であって、前記つなぎ合わせ部の両端部が、絶縁性材料又は高濃度不純物を含む半導体層から形成されたことを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項2記載の撮像装置であって、前記撮像素子の素子分離領域がシリコン基板への不純物イオン注入によって形成された高濃度不純物層であることを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項2記載の撮像装置であって、前記撮像素子の素子分離領域がシリコン酸化膜、シリコン窒化膜の何れかであることを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項4記載の撮像装置であって、素子分離領域がトレンチアイソレーション構造またはLOCOS構造のいずれかであることを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の撮像装置であって、素子分離領域の深さがシリコン層の厚さと実質同一であることを特徴とする撮像装置。
  7. 請求項6記載の撮像装置であって、フォトダイオードを有するシリコン層の厚さが3ミクロンメートル以上10ミクロンメートル以下であることを特徴とする撮像装置。
  8. 請求項6または請求項7記載の撮像装置であって、つなぎ合わせに使用する個々の撮像素子が裏面照射型の撮像素子であることを特徴とする撮像装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の撮像装置であって、入射X線信号を可視光に変換する蛍光物質を含む層がつなぎ合わせに使用する複数の撮像素子上に積層されていることを特徴とする撮像装置。
  10. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の撮像装置であって、入射X線信号を直接電気信号に変換する半導体層がつなぎ合わせに使用する複数の撮像素子上に積層されていることを特徴とする撮像装置。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の撮像装置の製造方法であって、つなぎ合わせ部分を挟む両撮像素子の画素ピッチが受光領域内部の画素ピッチと同一になるように撮像素子境界間における間隙の寸法を決定することを特徴とする撮像装置の製造方法。
  12. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の撮像装置に使用する撮像素子であって、撮像素子の外縁を確定する連続する画素アレー間の素子分離領域を通る切断予定ラインにおける切断プロセスが、撮像素子表面から透過しその内部で焦点を結像するレーザ光を該切断予定ラインに照射することによりウエーハ内部に多光子吸収による垂直方向の改質層を生じせしめダイシングを行うことを特徴とする撮像装置の製造方法。
  13. 請求項9記載の撮像装置の製造方法であって、ダイシング後、2以上の撮像素子を支持体上にタイル状につなぎ合わせて固着させ、その上部にX線を可視光に変換する有機または無機の蛍光物質を含む層を2以上の撮像素子受光領域上に積層することを特徴とする請求項12記載の撮像装置の製造方法。
  14. 請求項10記載の撮像装置の製造方法であって、ダイシング後、2以上の撮像素子を支持体上にタイル状につなぎ合わせて固着させ、その上部にX線を直接電気信号に変換することができる半導体層を2以上の撮像素子受光領域上に積層することを特徴とする請求項12記載の撮像装置の製造方法。
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