JP5026914B2 - ヒューズエレメント及びこのヒューズエレメントを用いてなるヒュージブルリンク - Google Patents
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及びこのヒューズエレメントを用いてなるヒュージブルリンク(fusible link)に関し、詳
しくは電気回路に過電流が流れた場合に、ヒューズエレメントの迅速な溶断が可能なヒュ
ーズエレメント及びこのヒューズエレメントを用いてなるヒュージブルリンクに関する。
にその回路を遮断する保護素子として、種々の形式のものが採用されてきた。
、その可溶部には、通常、錫、銀、鉛、ニッケル等、若しくはこれらの合金からなる低融
点金属がデポジット(deposit)されている。ヒューズエレメントに過電流が流れると、錫
等の低融点金属が溶融し、銅との境界面において錫が溶融し、銅組織内に拡散して銅―錫
合金が生成され、これにより当該合金部分の低融点化が生じ、電気抵抗も高くなることに
より、銅母材が速やかに溶融し、回路を遮断する構造となっている。
。このうち、図5(a)の平面図及びそのZ−Z軸断面図である図5(b)に示すヒュー
ズエレメント50は、両端部に取付孔54を設け、銅製基板51のくびれた部分に錫、銀
、鉛、ニッケルなどの低融点金属52を島状にデポジットしたものである(例えば特許文
献1)。
界面における合金化面積が不十分であるため、過電流が流れても当該低融点金属52部分
において、合金部分の低融点化や電気抵抗の高抵抗化が起こらず、速やかなる回路遮断が
期待できないものであった。
通孔53を穿設し、これに低融点金属52Aを流し込むものも見られるが(例えば特許文
献2)、これとて合金化が不十分であった。
ジット金属との合金化が促進され、過電流時には速やかなる回路遮断が可能なヒューズエ
レメント及びこのヒューズエレメントを用いてなるヒュージブルリンクを提供することを目的とする。
、前記ヒューズエレメントの端子部は、差込式、又は捩じ込み式となっていることを特徴
とするものである。
と、該ヒューズエレメントの少なくとも溶断部を収納するとともに、該ヒューズエレメン
トの端子部を相手側機器の端子部に着脱可能に臨ませた絶縁樹脂製のハウジングと、該ハ
ウジング内に収納された、前記ヒューズエレメントの前記溶断部側を閉塞する蓋体と、か
らなることを特徴とするものである。
点金属との接触面積を増大させて合金化を促進させ、合金部分の低融点化と電気抵抗の高抵抗化とを図ることにより迅速な回路遮断をさせるべく、孔径が少なくとも0.05mmで、かつ、そのピッチが前記孔径プラス0.02mm程度の複数の貫通孔が施されているので、低融点金属との接触面積が飛躍的に増大する。
した分、溶断部の低融点化と高抵抗化が進み、速やかにヒューズエレメントの溶断部を溶
断し、迅速な回路遮断が可能となる。
、前記ヒューズエレメントの端子部が、差込式、又は捩じ込み式となっているので、端子
タイプの如何に関わらず広い範囲のものに適用可能となる。
トの少なくとも溶断部をハウジング内に収容し、この部分を蓋体で封止したので、これら
部材がヒューズエレメントを保護するとともに、請求項1のヒューズエレメントの作用効
果(速やかなる回路遮断)をいかんなく発揮する種々の端子タイプのヒュージブルリンクが得られる。
部に複数の孔加工が施されているものの一例であり、図1(a)は、その全体平面図、図
1(b)は、図1(a)のエレメントのX―X軸における縦断面図、図1(c)は、図1
(b)のエレメントのP部の拡大断面図である。
、薄い銅板製基板2に対し、図示しない回路部材への取付孔3が両端部に設けられ、中央
部には狭い幅Wで長さLを有する溶断部4が形成されている。
貫通孔5の上から低融点金属6がデポジットされており、図1(b)及び図1(c)に見
られるように、デポジットされた低融点金属6は複数の貫通孔5の内部を流下して基板2
の裏面にまで達している。
、貫通孔5の孔形状や、孔径、ピッチ等を調整したり、低融点金属6の種類を適宜のもの
に選択することにより、ヒューズエレメント1の溶断時間をエレメントタイプ毎に定めら
れた好ましいものに調整することができる。
らの合金を使用することができ、低融点金属6としては、例えば錫、銀、鉛、ニッケル等
、又はこれらの合金等を使用することができる。
ができる。
進させるためにはなるべく小径、小ピッチのものが好ましいが、低融点金属6の貫通孔5
内部への侵入を促進させるためには、孔径は少なくとも0.05mm程度あればよい。
多角形の孔でもよい。
に図示しない相手部材への取付孔3が設けられた捩じ込み式のものであるが、両端部が例
えば図4(a)で後述するメス側端子部11a又は図4(b)で後述するオス側端子部2
1となっている差込式のものであってもよいことは勿論である。
積を増大させて合金化を促進させる複数の貫通孔5が穿設されているので、低融点金属6
との接触面積が飛躍的に増大する。
触面積が増大し、溶断部4の低融点化と高抵抗化が生じるので、速やかなる電気回路の遮
断が可能となる。
電電流(単位:A(アンペア))とその溶断時間(単位:T(sec))との関係を、それぞれ
横軸と縦軸とに取り、両特性の関係を実線曲線Aで示す本発明品のヒューズエレメントと
、破線曲線Bで示す従来品の孔なしの合金付与方法を用いたヒューズエレメントとについ
て併記したものである。
、本発明品の特性曲線Aは、従来品の特性曲線Bよりも下方に位置するので、同一の電流
値(I0)でも溶断時間を短く(Ta<Tb)調整することができる作用効果があること
を示しており、これにより負荷の損傷を小さくできる。なお、図中、IRは、ヒューズ定
格電流値を、I2は実使用領域における通電電流の上限値を示している。
の図2(b)のようになる。
I0)までの領域について、横軸に前述の通電電流(単位: A(アンペア))を、縦軸にヒ
ューズエレメント温度(単位:℃)を取り、両特性の関係を、図2(a)と同様に実線曲線
Aで示す本発明品のヒューズエレメントと、破線曲線Bで示す従来品の孔なしの合金付与
方法を用いたヒューズエレメントとについて併記したもので、両曲線右端の×印がそれぞ
れのエレメントの溶断点(溶断電流値:I0)を示している。
位置する。すなわち、本発明品は、溶断部の孔の断面或いは凹凸の表面に低融点金属が付
着されているので、溶断部の接触面積が大きくなって接触抵抗が低下し、通電抵抗も低く
なる。その結果、発熱量が抑制され、温度上昇も抑えることができる。これにより、ヒュ
ージブルリンクの発熱量を抑制し、ヒューズボックス等に対して、熱の影響を小さくでき
る。
で通電する場合、従来品(曲線B)の電流値(Ib)よりも、より大きな電流値(Ia)
を通電することができる(Ia>Ib)。
の材料と低融点合金との合金化が加速され、溶断直前の温度上昇スピードも速くなり、従
来品よりも短い時間で溶断できるという優れた作用効果を有する。
uの場合、Ib以下であるが、本発明品(曲線A)の場合はIaまで使用可能である。す
なわち、実電流がI2の場合、従来品(曲線B)では使用不可能であり、その通電電流は
Ibまで容量を下げなければならないが、本発明品(曲線A)は使用可能である。このよ
うに、本発明品は、許容できる温度上昇の規定温度tuが同一の場合、従来品に比べて通
電可能な電流領域が広がるので、その分、ヒューズエレメントの容量(A)を下げること
ができることを意味する。
ズエレメントを小さく(細く)でき、配線スペース(断面)も小さくでき、よって全体を
軽量化できるという作用効果をも有する。
部に複数の凹凸加工が施されているものの一例であり、図3(a)は、その全体平面図、
図3(b)は、図3(a)のヒューズエレメント1AのY―Y軸における縦断面図、図3
(c)は、図3(b)のヒューズエレメント1AのQ部の拡大断面図である。
融点金属6Aの種類等は、実施例1の場合と全く同様であるが、実施例1のヒューズエレ
メント1と異なる点は、低融点金属6Aに対する基板2Aの接触面積増大手段として、基
板2A表面に凹凸加工5Aが施されている点が異なる。
の表面に、凹凸加工5Aとして一定ピッチで凸部5aと、凹部5bとが交互に施され、そ
の上から低融点金属6Aのデポジット加工が施されている点である。このような基板2A
に対し、低融点金属6Aがデポジットされると、凸部5aと、凹部5bの周囲に低融点金
属6Aが回り込み、基板2Aと低融点金属6Aとの接触面積を増大させることができる。
溶断部4Bに、凸部5cと、凹部5dとが交互に繰り返されてなる蛇腹加工5Bを施し、
基板2Bの表面(又は/及び裏面)に低融点金属6Bをデポジットしたヒューズエレメン
ト1Bとしても良い。
、5Bを施しても、基板表面と低融点金属間の接触面瀬の増大化が達成され、両金属間で
の合金化を促進させることができ、速やかなる回路遮断が可能となり、実使用領域も増え
る。なお、本参考例においても、実施例1で説明した図2の通電電流とその溶断時間と
の関係を有することは勿論である。
1Bは、その基板2、2A、2Bがいずれも平板状のものであったが、これら平板状の基
板2、2A、2Bに代えて、後述の実施例2で説明する、全体形状が略U字状をしたメス
形の差し込み式端子部11a(図4(a)参照)や、オス形の差し込み式端子部21(図4
(b)参照)としても良いことは言うまでもない。
リンクの一実施例であり、図4を参照しながら説明する。
a)は、端子部がメス形の差込タイプのものの縦断面図、図4(b)は、前述の端子部1
1aがオス形のねじ締めタイプとなったものの斜視図、図4(c)は、端子部が平板形の
捩じ込みタイプのものの斜視図である。
び参考例で説明した溶断部4、4A、4Bのいずれかを有する、外形が略U字状をした
ヒューズエレメント11と、このヒューズエレメント11の端子部11aを内部に収納す
るとともに、その溶断部11b側は開放され、底部12aは、その外部端子挿入孔12b
を図示しない相手側機器の端子部に着脱可能に臨ませた絶縁樹脂製のハウジング12と、
このハウジング12の開放側を閉塞する蓋体13とで構成されている。
平板状のヒューズエレメント1、1A、1Bの取付孔3、3A、3Bを図4(a)のメス
形端子部11aに代え、これを同図に示すように、略U字状に折り曲げ形成して本実施例
のヒューズエレメント11とし、その全体をハウジング12に収納した上で、上から蓋体
13で封止したものである。
使用され、蓋体13は内部のヒューズエレメント11の溶断状況が視認できるように透明
樹脂製にされている。
のねじ締めタイプのもので、端子部21が露出している点を除き、溶断部がハウジング2
2内に収納され、蓋体23で封止されている点については図4(a)のメス形タイプのヒ
ュージブルリンク10と同様である。
状ヒューズエレメント1、1A、1Bの溶断部4、4A、4Bを両側からハウジング31
で挟持し、オス形端子部30aを露出させた状態で上記溶断部4、4A、4Bを透明樹脂
製の蓋体32で封止したものである。
保護する種々の端子タイプのヒュージブルリンクが得られるとともに、ヒューズエレメン
トの溶断時には、実施例1及び参考例で前述したヒューズエレメント溶断部4、4A、
4Bの作用効果(速やかな回路遮断)を全く同様に発揮することができる。
1A、1B ヒューズエレメント(参考例)
2、2A、2B 基板
3、3A、3B 取付孔
4、4A、4B 溶断部
5 貫通孔
5A、5B 凹凸加工部
6、6A、6B 低融点金属
10 メス形差込タイプのヒュージブルリンク(本発明)
20 オス形差込タイプのヒュージブルリンク(本発明)
30 平板状捩じ込みタイプのヒュージブルリンク(本発明)
Claims (3)
- 両端部が端子部で、該端子部間に溶断部が設けてあり、該溶断部に低融点金属が付着されてなるヒューズエレメントであって、
該ヒューズエレメントの前記溶断部に、前記溶断部と前記低融点金属との接触面積を増大させて合金化を促進させ、合金部分の低融点化と電気抵抗の高抵抗化とを図ることにより迅速な回路遮断をさせるべく、孔径が少なくとも0.05mmで、かつ、そのピッチが前記孔径プラス0.02mm程度の複数の貫通孔が施されていることを特徴とするヒューズエレメント。 - 前記ヒューズエレメントの端子部は、差込式、又は捩じ込み式であることを特徴とする請求項1記載のヒューズエレメント。
- 請求項1又は請求項2のヒューズエレメントと、
該ヒューズエレメントの少なくとも溶断部を収納するとともに、該ヒューズエレメントの端子部を相手側機器の端子部に着脱可能に臨ませた絶縁樹脂製のハウジングと、
該ハウジング内に収納された、前記ヒューズエレメントの前記溶断部側を閉塞する蓋体と、からなることを特徴とするヒュージブルリンク。
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