JP5784980B2 - ヒューズエレメント及びヒューズエレメントの製造方法 - Google Patents

ヒューズエレメント及びヒューズエレメントの製造方法 Download PDF

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本発明は、二つの通電部との間に介在されて所定の通電電流で溶断する可溶部を有するヒューズエレメント及びヒューズエレメントの製造方法に関する。
例えば、移動体としての車両には、車両に搭載された様々な電子機器等の負荷側に電力を供給するバッテリが搭載されている。このバッテリと電子機器等に接続された電線とは、例えば、ヒューズ装置を介して電気的に接続されて、バッテリからの電力が負荷側に供給される。
このようなヒューズ装置として、例えば、特開2010−182578号公報(特許文献1)に記載されたヒューズ装置が提案されている。このヒューズ装置は、電源側に接続される通電部と、負荷側に接続される複数の端子部と、通電部と各端子部との間にそれぞれ介在されて各通電部よりも幅狭に形成された複数の可溶部とを有するヒューズエレメントにより、バッテリからの電力を端子部へ分配している。
また、ヒューズエレメントは、可溶部に所定以上の電流が通電されると、可溶部が発熱によって溶断して、負荷側に過度な電力が供給されることを防止している。
特開2010−182578号公報
ところで、上述した従来のヒューズエレメントは、可溶部の抵抗値を変更するために可溶部の体積を変更する場合、可溶部の形状を変更することが考えられる。しかしながら、可溶部の形状を変更するためには、ヒューズエレメントの製造工程に係る部品の全てを変更しなくてはならず、形状の変更に伴って部品点数が多くなり製造コストが高くなる。
また、可溶部の体積を減少する場合、可溶部の幅を狭く成形することが考えられるが、可溶部の幅を狭く成形すると、製造工程中に可溶部に応力が集中して、形状の歪みや破損のおそれがある。
そこで、本発明は、製造コストの低減を図りつつ、可溶部の体積を任意に変更することができるヒューズエレメント及びヒューズエレメントの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載した本発明のヒューズエレメントは、二つの通電部と、この二つの通電部との間に介在されて所定の通電電流で溶断可能な可溶部とを有するヒューズエレメントであって、前記可溶部の表面には、前記可溶部の体積から所定の体積を減少させる凹部が形成され、前記凹部は、円錐形状又は多角錐形状であることを特徴とする。
請求項2に記載した本発明のヒューズエレメントは、請求項1に記載のヒューズエレメントであって、前記凹部は、前記所定の体積に対応した深さに形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載した本発明のヒューズエレメントは、請求項1又は請求項2に記載のヒューズエレメントであって、前記凹部は、前記可溶部の表面に開口した面積が前記所定の体積に対応した面積に形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載した本発明のヒューズエレメントの製造方法は、二つの通電部と、この二つの通電部間に介在されて所定の通電電流で溶断可能な可溶部とを有するヒューズエレメントの製造方法であって、プレート材の打ち抜き加工によって前記通電部と前記可溶部とを成形する打ち抜き加工工程と、金型を用いて前記可溶部の表面をプレス加工して前記可溶部の体積から所定の体積を減少させる凹部を成形するプレス加工工程とを含み、前記プレス加工工程は、前記打ち抜き加工工程の前に行うことを特徴とする。
なお、請求項4に記載のヒューズエレメントの製造方法の変更例として、プレス加工工程は、前記可溶部に対するプレス力を可変することにより前記所定の体積に対応した深さの凹部を成形することを特徴とするヒューズエレメントの製造方法としてもよい。
また、請求項4に記載のヒューズエレメントの製造方法やその変更例に対するさらなる変更例として、前記プレス加工工程は、前記所定の体積に応じた凸部を有する金型を選択することにより前記可溶部の表面に開口した面積を前記所定の体積に対応した面積に成形することを特徴とするヒューズエレメントの製造方法としてもよい。
請求項1に記載した本発明のヒューズエレメントによれば、可溶部の表面には、可溶部の体積から所定の体積を減少させる凹部が形成されているため、可溶部の体積を変更する際に可溶部の形状を変更する必要がない。このため、可溶部の形状の変更に伴って、製造工程に係る部品点数を増やす必要がなく、製造コストを低減することができる。
また、可溶部の体積を減少するために可溶部の幅を狭く成形する必要がないため、製造過程において、可溶部の形状の歪みや破損を防止することができる。
従って、製造コストの低減を図りつつ、可溶部の体積を任意に変更することができるヒューズエレメントを提供することができる。
請求項2に記載した本発明のヒューズエレメントによれば、凹部が所定の体積に対応した深さに形成されているため、可溶部に形成する凹部の深さを変更することにより、可溶部の体積を任意に変更することができる。
請求項3に記載した本発明のヒューズエレメントによれば、凹部は、可溶部の表面に開口した面積が所定の体積に対応した面積に形成されているため、開口した面積を変更することにより、可溶部の体積を任意に変更することができる。
請求項4に記載した本発明のヒューズエレメントの製造方法によれば、金型を用いて可溶部の表面をプレス加工して可溶部の体積から所定の体積を減少させる凹部を成形するため、可溶部の体積を変更する際に可溶部の形状を変更する必要がない。このため、可溶部の形状の変更に伴って、製造工程に係る部品点数を増やす必要がなく、製造コストを低減することができる。
また、可溶部の体積を減少するために可溶部の幅を狭く成形する必要がないため、製造過程において、可溶部の形状の歪みや破損を防止することができる。
従って、製造コストの低減を図りつつ、可溶部の体積を任意に変更することができるヒューズエレメントの製造方法を提供することができる。
なお、請求項4に記載した本発明のヒューズエレメントの製造方法の変更例によれば、可溶部に対するプレス力を可変することにより所定の体積に対応した深さの凹部を成形するため、一種類の金型で可溶部の体積を任意に変更することができる。このため、より製造コストの低減を図ることができる。
また、請求項4に記載した本発明のヒューズエレメントの製造方法やその変更例に対するさらなる変更例によれば、所定の体積に応じた凸部を有する金型を選択することにより可溶部の表面に開口した面積を所定の体積に対応した面積に成形する。このため、製造工程を大幅に変更することなく、可溶部の体積を任意に変更することができる。
本発明の実施形態に係るヒューズエレメントを示す正面図である。 本発明の実施形態に係るヒューズエレメントの可溶部を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るヒューズエレメントの製造工程を模式的に示した図である。 本発明の実施形態に係る各可溶体部の凹部を成形する金型を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る可溶部の凹部を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る可溶部の抵抗と体積との関係を示す特性図である。 本発明の実施形態に係る可溶部の単位体積を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る可溶部の寸法を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るヒューズエレメントの製造方法に用いられる金型の凸部を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係るヒューズエレメントについて図面を参照して説明する。はじめに、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係るヒューズエレメントについて詳細に説明する。図1(a)及び図1(b)は、本発明の実施形態に係るヒューズエレメントを示す正面図である。図2は、本発明の実施形態に係るヒューズエレメントの可溶部を示す斜視図である。
本発明の実施形態に係るヒューズエレメントは、二つの通電部と、この二つの通電部との間に介在されて所定の通電電流で溶断可能な可溶部とを有するヒューズエレメントである。
図1(a)及び図1(b)に示すように、ヒューズエレメント1は、電源側に接続される第1の通電部11と、負荷側に接続される複数の第2の通電部(端子部)12と、第1の通電部11と各第2の通電部12(二つの通電部)との間にそれぞれ介在された複数の可溶部13とから略構成されている。
各可溶部13は、第1の通電部11及び第2の通電部12より幅狭で、細幅のクランク状を有し、第1の通電部の長手方向に間隔をおいた箇所から連結して第1の通電部11と複数の第2の通電部12との間にそれぞれ介在している。
この各可溶部13は、長方形の加締め部21と、低融点金属であるすず22とを有し、各加締め部21にすず22が加締め加工によって固定されている(図1(b)参照)。各すず22は、所定値以上の電流が通電されると溶断して、第2の通電部12が接続された負荷側に過度な電力が供給されることを防止している。
また、図2に示すように、各可溶部13の表面23には、可溶部13の抵抗値を大きくするために可溶部13の体積を減少させる円錐形状の凹部24が形成されている。
このように、可溶部13の表面23には、可溶部13の体積から所定の体積を減少させる凹部24が形成されているため、可溶部13の体積を変更する際に可溶部13の形状を変更する必要がない。このため、可溶部13の形状の変更に伴って、製造工程に係る部品点数を増やす必要がなく、製造コストを低減することができる。
また、可溶部13の体積を減少するために可溶部13の幅を狭く成形する必要がないため、製造過程において、可溶部13の形状の歪みや破損を防止することができる。
このように構成されたヒューズエレメント1は、第1の通電部11から入力された電力を複数の第2の通電部12へ分配する。また、可溶部13に所定以上の電流が通電されると、可溶部13のすず22が発熱によって溶断して、負荷側(図示省略)に過度な電力が供給されることを防止している。
次に、図3及び図4を参照して、本発明の実施形態に係るヒューズエレメントの製造方法について説明する。図3(a)は、従来のヒューズエレメントの製造工程を模式的に示した図である。図3(b)は、本発明の実施形態に係るヒューズエレメントの製造工程を模式的に示した図である。図4は、本発明の実施形態に係る各可溶体部の凹部を成形する金型を示す斜視図である。
本発明の実施形態に係るヒューズエレメント1は、図3(a)及び図3(b)に示すように、ヒューズエレメント1は、ブロックAからブロックDの製造工程を順送り方向Xに順送りされる。
ヒューズエレメント1がブロックAからブロックDの製造工程を順送りされるまでの間に、導電性プレート材の打ち抜き加工によって第1の通電部11と、複数の第2の通電部12と、複数の可溶部13とを有するヒューズエレメント1を成形する(打ち抜き加工工程)。
ここで、可溶部13の抵抗値を変更するために可溶部13の体積を変更する場合、ブロックAからブロックDの製造工程を順送りされるまでの間に、可溶部13の形状を変更することが考えられる。
しかしながら、可溶部13の形状を変更するためには、ブロックAからブロックDの製造工程のいずれかのブロックの製造工程に係る部品や金型を変更しなくてはならない。このため、部品や金型の変更に要する時間が必要となり、作業工程数が多くなる。
また、可溶部13の形状の変更に伴って部品や金型を用意する必要があるため、部品や金型の点数が多くなり製造コストが高くなる。
さらに、可溶部の抵抗値を大きくするために可溶部13の体積を減少する場合、可溶部13の幅を狭く成形することが考えられるが、可溶部13の幅を狭く成形すると、製造工程中に可溶部13に応力が集中して、形状の歪みや破損のおそれがある。
また、可溶部13の体積を減少する場合、可溶部13に熱加工等により孔を成形することが考えられるが、熱で溶けたプレート材が冷え固まる時間によってダレが生じるおそれがある。
そこで、本発明の実施形態に係るヒューズエレメント1の製造方法では、図4に示す円錐形状の凸部32を有する金型31を用いて、各可溶部13の表面23(図2参照)をプレス加工して可溶部13の体積から所定の体積を減少させる凹部24を成形する(プレス加工工程)。
また、このプレス加工工程をブロックの後半の製造工程(例えば、ブロックC又はブロックD)で行うと、打ち抜き加工工程の後に可溶部13の形状を追加することとなり、可溶部13の形状の歪みを誘発するおそれがある。このため、プレス加工工程は、図2(b)に示すA´のブロック製造工程で行う(ブロックの前半の製造工程で行う)。
図4に示すように、このプレス加工工程で用いられる金型31は、可溶部13に成形する円錐形状の凹部24(図2参照)の形状に対応して円錐形状の凸部32を有している。
そして、プレス加工工程(図2(b)に示すA´のブロック製造工程)において、可溶部の体積を変更する場合、可溶部13から減少する所定の体積に合わせて、可溶部13に対するプレス力を変更して凹部24の深さ(後述する図5の深さh参照)を変更する。
このように、可溶部13に対するプレス力を可変して、可溶部13から減少する所定の体積に対応した深さの凹部24が形成されるため、可溶部13に形成する凹部24の深さを変更することにより、可溶部13の体積を任意に変更することができる。
また、プレス力を変更しない場合、プレス加工工程(図2(b)に示すA´のブロック製造工程)において、可溶部13から減少する所定の体積に合わせて、図4に示す金型31を他の金型へ変更する。
つまり、可溶部13から減少する所定の体積に応じた凸部(減少する所定の体積に応じた底面積を有する凸部)が設けられた金型を選択することにより、凹部24は、可溶部13の表面23に開口した面積(後述する図5の面積S参照)が所定の体積に対応した面積に形成されるため、開口した面積を変更することにより、可溶部13の体積を任意に変更することができる。
さらに、可溶部13から減少する所定の体積に応じた凸部の底面積と、金型に設けられた凸部の数によって、適切な金型を選択して、可溶部13から所定の体積を減少させる凹部24を形成することができる。
このプレス加工工程後、ヒューズエレメント1の各可溶部13にすず22を加締め等によって固定する(可溶部加工工程)。このように、ブロックAからブロックDへと順送りされることにより可溶部13の形状が形成される。
上記の方法で製造されたヒューズエレメント1は、インサートして樹脂成形されて、バッテリと負荷側の電子機器等に接続され、バッテリからの電力を負荷側に供給する。
上述した製造方法によれば、金型31を用いて可溶部13の表面23をプレス加工して可溶部13の体積から所定の体積を減少させる凹部24を成形するため、可溶部13の体積を変更する際に可溶部13の形状を変更する必要がない。このため、可溶部13の形状の変更に伴って、製造工程に係る部品点数を増やす必要がなく、製造コストを低減することができる。
また、可溶部13の体積を減少するために可溶部13の幅を狭く成形する必要がないため、製造過程において、可溶部13の形状の歪みや破損を防止することができる。
さらに、可溶部13に対するプレス力を可変することにより所定の体積に対応した深さの凹部24を成形するため、一種類の金型で可溶部13の体積を任意に変更することができる。このため、より製造コストの低減を図ることができる。
また、所定の体積に応じた凸部32を有する金型31を選択することにより可溶部13の表面23に開口した面積を所定の体積に対応した面積に成形する。このため、製造工程を大幅に変更することなく、可溶部13の体積を任意に変更することができる。
次に、図5から図9を参照して、本発明の実施形態に係る可溶部13の凹部24の形状及び凹部24の数について詳細に説明する。図5は、本発明の実施形態に係る可溶部の凹部を示す斜視図である。図6は、本発明の実施形態に係る可溶部の抵抗と体積との関係を示す特性図である。
また、図7は、本発明の実施形態に係る可溶部の単位体積を示す斜視図である。図8は、本発明の実施形態に係る可溶部の寸法を示す斜視図である。図9は、本発明の実施形態に係るヒューズエレメントの製造方法に用いられる金型の凸部を示す斜視図である。
図5に示すように、可溶部13(図1参照)に成形される凹部24は、円錐形状を有している。そして、上述したように、凹部24を成形する際に、可溶部13から減らす所定の体積(例えば、10%)に合わせて、凹部24の深さh及び可溶部13の表面23に開口した凹部24の面積Sを変更(面積Sを変更するために半径rを変更する)して、凹部24を形成する。
また、可溶部13から減らす所定の体積(例えば、10%)に合わせて、可溶部13の表面23に開口した凹部24の面積Sと可溶部13に形成する凹部24の数を変更する。
図6に示すように、可溶部13(図1参照)の抵抗Rは、可溶部13の体積Vによって可変する。つまり、抵抗Rを大きくする場合には、体積Vを減らさなければならない。
このため、体積Vを減らすには、可溶部13の表面23に開口した凹部24の面積Sを広く、可溶部13に成形する凹部24の数Nを多く、また、凹部の深さhを深く成形する必要がある。
ここで、図7に示すように、可溶部13の単位体積を、長さL=1.0mm、高さT=1.0mm、幅W=1.0mmとする。
この場合、可溶部13の単位体積の抵抗Rは、
=ρL/S=ρL/T×W(ρ:体積抵抗率)・・・式(1)
となる。また、単位体積Vは、
V=T×W×L・・・式(2)
となる。
よって、式(1)は、
=ρL/T×W=ρL/V ∝ 1/V・・・式(3)
となる。
ここで、図8に示す可溶部13の微調整について検討する。この時、可溶部13の長さL及び高さTは、可溶部13の形状の設定、可溶部13の材料の特性により、製造工程上、長さL及び高さTを変更することが難しい。このため、幅Wを調整することにより可溶部13の抵抗を調整する場合を検討する。
上述した単位体積の抵抗Rの式(1)を参照して、可溶部13の幅Wを0.9mmに変更することにより体積を10%減らして抵抗を調整する。この場合、
=ρL/T×0.9W=ρ×L/0.9V・・・(4)
となり、
=1/0.9R≒1.1R・・・(4)´
となる。つまり、可溶部13の幅Wを10%小さくすると(体積を10%減らすと)、Rよりも抵抗が約1.1倍大きくなる。
しかしながら、上述したように、可溶部13の幅Wを狭く成形すると、製造工程中に可溶部に応力が集中して、形状の歪みや破損のおそれがあるため、可溶部13に凹部24を成形する。
つまり、幅Wを10%小さくした可溶部13と同様に抵抗を大きくするため、可溶部13の体積を小さくして抵抗を大きくする。そして、この場合の凹部24の形状及び数について検討する。
本発明の実施形態に係る可溶部13の凹部24(図5参照)は、円錐形状であるため、体積Vは、
=1/3πrh・・・(5)
となる。
そして、凹部24の体積Vを0.9にする(10%小さくする)ための凹部24の形状及び凹部24の数を検討する。
凹部24の形状及び凹部24の数を検討するための前提として、上述したプレス加工工程において、凹部24の深さ(例えば、0.3mm)が可溶部13の材料に完全に埋まる程度のプレス力で可溶部13をプレスすることとする。このため、凹部の深さh=一定、凹部24の半径r(図5参照)を可変とする。
はじめに、半径r=0.1mm、深さh=0.3mmの凹部の場合、凹部の体積は、V 1−1 =0.003mmとなるため、この場合の可溶部13の体積Vを0.9にするためには凹部を33個成形する必要がある。
次に、半径r=0.2mm、深さh=0.3mmの凹部の場合、凹部の体積は、V 1−2 =0.013mmとなるため、この場合の可溶部13の体積Vを0.9にするためには凹部を7.7個成形する必要があることとなる。
次に、半径r=0.3mm、深さh=0.3mmの凹部の場合、凹部の体積は、V 1−3 =0.028mmとなるため、この場合の可溶部13の体積Vを0.9にするためには凹部を3.6個成形する必要があることとなる。
上述したように、凹部24の形状の違い(半径rの違い)によって凹部24の数を変更することで、可溶部13の体積を一定の体積にすることができる。つまり、凹部24の形状の違いによって凹部24の数を設定することにより、可溶部13の体積を任意の体積にすることができる。
また、凹部24の形状の違い(半径rの違い)、凹部24の数に違いによって、可溶部13の体積を任意の体積に変更することができる。
そして、可溶部13の体積を任意の体積に変更するために、金型31の凸部32を、可溶部13に形成する凹部24の形状(図5の半径r、面積S)に対応する凸部32、可溶部13の体積を任意の体積に変更するために必要な数の凸部32を有する金型31をプレス加工工程(図2(b)に示すA´のブロック製造工程)において用いる。
これにより、可溶部13の体積から減らしたい所定の体積(例えば、10%)に合わせて、金型31を選択して、可溶部13に所定の体積を減少させる凹部24を形成することができる。
また、上述したように、可溶部13(図1参照)の抵抗Rは、可溶部13の体積Vによって可変するため(図6参照)、図9に示す凹部24の深さhを深さh´又は深さh´´に可変することにより、可溶部13に所定の体積を減少させる凹部24を形成することができる。
つまり、可溶部13の体積から減らしたい所定の体積(例えば、10%)に応じた凹部24の深さhを決定し、上述したプレス加工工程において、決定した深さhに対応するプレス力を可溶部13に加えることにより、可溶部13に所定の体積を減少させる凹部24を形成することができる。
このようにして、本発明の実施形態に係るヒューズエレメント1は、二つの通電部(第1の通電部11、第2の通電部12)と、この二つの通電部11、12との間に介在されて所定の通電電流で溶断可能な可溶部13とを有するヒューズエレメント1であって、可溶部13の表面23には、可溶部13の体積から所定の体積を減少させる凹部24が形成されている。
また、本発明の実施形態に係るヒューズエレメント1は、凹部24は、所定の体積に対応した深さに形成されている。
さらに、本発明の実施形態に係るヒューズエレメント1は、凹部24は、可溶部13の表面23に開口した面積が前記所定の体積に対応した面積に形成されている。
そして、本発明の実施形態に係るヒューズエレメント1の製造方法は、二つの通電部11、12と、この二つの通電部11、12間に介在されて所定の通電電流で溶断可能な可溶部13とを有するヒューズエレメント1の製造方法であって、プレート材の打ち抜き加工によって通電部11、12と可溶部13とを成形する打ち抜き加工工程と、金型31を用いて可溶部13の表面をプレス加工して可溶部13の体積から所定の体積を減少させる凹部24を成形するプレス加工工程とを含む。
また、本発明の実施形態に係るヒューズエレメント1の製造方法は、プレス加工工程は、可溶部13に対するプレス力を可変することにより所定の体積に対応した深さの凹部24を成形する。
さらに、本発明の実施形態に係るヒューズエレメント1の製造方法は、プレス加工工程は、所定の体積に応じた凸部32を有する金型31を選択することにより可溶部13の表面23に開口した面積を所定の体積に対応した面積に成形する。
そして、本発明の実施形態に係るヒューズエレメント1によれば、可溶部13の表面23には、可溶部13の体積から所定の体積を減少させる凹部24が形成されているため、可溶部13の体積を変更する際に可溶部13の形状を変更する必要がない。このため、可溶部13の形状の変更に伴って、製造工程に係る部品点数を増やす必要がなく、製造コストを低減することができる。
また、可溶部13の体積を減少するために可溶部13の幅を狭く成形する必要がないため、製造過程において、可溶部13の形状の歪みや破損を防止することができる。
従って、製造コストの低減を図りつつ、可溶部13の体積を任意に変更することができるヒューズエレメント1を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係るヒューズエレメント1によれば、凹部24が所定の体積に対応した深さに形成されているため、可溶部13に形成する凹部24の深さを変更することにより、可溶部13の体積を任意に変更することができる。
さらに、本発明の実施形態に係るヒューズエレメント1によれば、凹部24は、可溶部13の表面23に開口した面積が所定の体積に対応した面積に形成されているため、開口した面積を変更することにより、可溶部13の体積を任意に変更することができる。
そして、本発明の実施形態に係るヒューズエレメント1の製造方法によれば、金型31を用いて可溶部13の表面23をプレス加工して可溶部13の体積から所定の体積を減少させる凹部24を成形するため、可溶部13の体積を変更する際に可溶部13の形状を変更する必要がない。このため、可溶部13の形状の変更に伴って、製造工程に係る部品点数を増やす必要がなく、製造コストを低減することができる。
また、可溶部13の体積を減少するために可溶部13の幅を狭く成形する必要がないため、製造過程において、可溶部13の形状の歪みや破損を防止することができる。
従って、製造コストの低減を図りつつ、可溶部13の体積を任意に変更することができるヒューズエレメント1の製造方法を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係るヒューズエレメント1の製造方法によれば、可溶部13に対するプレス力を可変することにより所定の体積に対応した深さの凹部24を成形するため、一種類の金型で可溶部13の体積を任意に変更することができる。このため、より製造コストの低減を図ることができる。
さらに、本発明の実施形態に係るヒューズエレメントの製造方法1によれば、所定の体積に応じた凸部32を有する金型31を選択することにより可溶部13の表面23に開口した面積を所定の体積に対応した面積に成形する。このため、製造工程を大幅に変更することなく、可溶部13の体積を任意に変更することができる。
以上、本発明のヒューズエレメント及びヒューズエレメントの製造方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
例えば、上述した本発明の実施形態では、凹部24は、円錐形状の場合を図示して説明したが、これに限定されない。例えば、凹部は、多角錐形状、円柱形状、多角柱形状、ディンプルであってもよい。
また、実施形態では可溶部13の片面(表面23)に凹部24を形成する場合について説明したが、可溶部の両面(例えば、表面と裏面)にそれぞれ凹部を形成してもよい。
さらに、上述した本発明の実施形態では、低融点金属であるすず22を加締め部21に加締め加工によって固定した可溶部13を有するヒューズエレメント1(ヒュージブルリンク)を例に取って説明したが、低融点金属の加締め部を有していないヒューズエレメント(ヒュージブルリンク)にも本発明は適用可能である。
また、本発明が適用されるヒューズエレメントは、実施形態で説明したヒュージブルリンクに限らず一般的なヒューズも含まれる。
本発明は、製造コストの低減を図りつつ、可溶部の体積を任意に変更する上で極めて有用である。
1 ヒューズエレメント
11 第1の通電部
12 第2の通電部
13 可溶部
21 加締部
22 すず
23 可溶部の表面
24 凹部
31 金型
32 凸部

Claims (4)

  1. 二つの通電部と、この二つの通電部との間に介在されて所定の通電電流で溶断可能な可溶部とを有するヒューズエレメントであって、
    前記可溶部の表面には、前記可溶部の体積から所定の体積を減少させる凹部が形成され、前記凹部は、円錐形状又は多角錐形状であることを特徴とするヒューズエレメント。
  2. 請求項1に記載のヒューズエレメントであって、
    前記凹部は、前記所定の体積に対応した深さに形成されていることを特徴とするヒューズエレメント。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のヒューズエレメントであって、
    前記凹部は、前記可溶部の表面に開口した面積が前記所定の体積に対応した面積に形成されていることを特徴とするヒューズエレメント。
  4. 二つの通電部と、この二つの通電部間に介在されて所定の通電電流で溶断可能な可溶部とを有するヒューズエレメントの製造方法であって、
    プレート材の打ち抜き加工によって前記通電部と前記可溶部とを成形する打ち抜き加工工程と、
    金型を用いて前記可溶部の表面をプレス加工して前記可溶部の体積から所定の体積を減少させる凹部を成形するプレス加工工程とを含み、
    前記プレス加工工程は、前記打ち抜き加工工程の前に行うことを特徴とするヒューズエレメントの製造方法。
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