JP5026771B2 - 冷水病耐性形質を有するアユの判別法、及び、これに用いるポリメラーゼ連鎖反応用プライマーセット - Google Patents

冷水病耐性形質を有するアユの判別法、及び、これに用いるポリメラーゼ連鎖反応用プライマーセット Download PDF

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Description

本発明は、アユの遺伝マーカーおよびその利用方法に関するものであり、詳細には、冷水病耐性形質を有するアユの判別法、及び、これに用いるポリメラーゼ連鎖反応用プライマーセットに関する。
アユPlecoglossus altiveliesは、釣りや食用で高い商品価値があり、内水面において重要な魚である。そのため古くから種苗生産、養殖技術が確立されている。
しかし、1987年徳島県でアユの冷水病が確認されて以来、アユの冷水病は全国各地に広がり、多くの養殖場や河川で大きい被害を及ぼし続けている。
アユの冷水病は、冷水病菌であるフラボバクテリウム サイクロフィラム(Flavobacterium psychrophilum)によって引き起こされる疾病で、死亡率が高く、また死亡しなくても体表に潰瘍などの後遺症が残り商品価値がなくなる。このため、本病対策が緊急の課題になっており、各種研究機関で有効な予防・治療策の研究が進められている。
例えば、冷水病菌であるフラボバクテリウム サイクロフィラム(Flavobacterium psychrophilum)の対数増殖期の不活性菌体又はその成分からワクチンを調製し、このワクチンをアユに接種してアユの冷水病を予防する方法が開発されている(特許文献1)。
しかし、この方法は、ワクチンの調製に時間と費用がかかり、また調製したワクチンの接種に労力を要するという問題がある。
また、アユの腫瘍壊死因子(TNF)及びそれをコードする遺伝子を用いて、アユの腫瘍壊死因子(TNF)を活性化する新規なタンパク質を調製し、このタンパク質を用いてアユの冷水病を予防、治療する方法が開発されている(特許文献2)。
しかし、この方法も同様に、新規タンパク質の調製に時間と費用がかかり、また調製した新規タンパク質の投与に労力を要するという問題がある。
一方、広島県立水産海洋技術センターでは、長年、アユの人工種苗の開発および提供を行っている。この人工種苗の開発過程で、ある特定の系統(Nagai.et al2004)のアユは冷水病に罹りにくい傾向にあることが見出されている。
この傾向が遺伝性に基づくものである可能性が示唆された(Nagai.et al2006)。
さらに、既に知られている冷水病に罹りにくい系統のみを養殖すれば、冷水病被害を低減できるとも考えられるが、このような系統内で交配を繰り返すと近親交配による弊害が発生し易い。
また、発明者らは、価値ある魚資源の養殖を効果的に行うため主要魚類の遺伝子解析を進めており、すでにアユの遺伝子連鎖地図を作成している(大河内、2003:越尾、2005)。
しかし、そこには冷水病耐性形質を発現する遺伝子に関する情報は開示されていない。
特開2004−210769号公報 特開2004−173693号公報
本発明が解決しようとする課題は、全国的な規模で甚大な被害を及ぼしているアユの冷水病対策として、アユ冷水病耐性形質に関連する遺伝マーカーを用い、遺伝的に冷水病に罹りにくいアユを選別して効率的に養殖可能にする、冷水病耐性形質を有するアユを判別する判別法、及び、この判別法に用いるポリメラーゼ連鎖反応用プライマーセットを提供することにある。
個々のアユが冷水病に対して耐性を有するか否かは、その外観から識別することはできないが、冷水病耐性形質を発現する特定の遺伝マーカーを見出し、この特定の遺伝マーカーにより、予め冷水病耐性があるアユを選別することができれば、アユ冷水病耐性形質を有するアユを効率的に生産でき、冷水病の予防が可能となる。
そこで、本発明者らは、アユの冷水病耐性には遺伝性があると考え、既に広島県立水産海洋技術センターで見出されている冷水病に罹りにくい傾向があるアユ系統(Nagai.et al2004)と冷水病に罹り易い系統(感受性系統)とを交配し、この交配によって作出された集団に戻し交配を行った。
そして、作出した戻し交配の集団、その両親に対してDNAマーカーを用いた解析を行った。マーカー座と耐病性との関連性を確認するために、各マーカー座毎にその全部を網羅するようなプライマー設計を行い、マーカー座と多型性との関連をデータによって判断した。
この結果、上記したアユの遺伝子連鎖地図における遺伝子連鎖群(LG)14のマーカー座PalAyu179TUF、LG18のマーカー座PalAyu59TUFに、冷水病耐性形質に関連する遺伝子が存在していることが分かった。
そして、遺伝子連鎖群(LG)14のマーカー座PalAyu179TUF、及びLG18のマーカー座PalAyu59TUFに存在する冷水病耐性形質に関連する各遺伝マーカーを増幅するプライマーセットを合成し、これらプライマーセットを用いてアユのゲノムDNAにPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)を施し、得られたPCR産物にゲル電気泳動を施すことによりアユ冷水病に耐性のある個体を判別できることが分かった。
すなわち、以上の目的を達成するため、
請求項1に係る発明は、配列番号1に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチド、及び配列番号2に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチドから成るプライマーセットを用いて、アユのゲノムDNAにポリメラーゼ連鎖反応法を施し、得られた産物にゲル電気泳動法を施して170bpのバンドがあることを確認する、冷水病耐性形質を有するアユの判別法を特徴とする。
請求項2に係る発明は、配列番号3に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチド、及び配列番号4に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチドから成るプライマーセットを用いて、アユのゲノムDNAにポリメラーゼ連鎖反応法を施し、得られた産物にゲル電気泳動法を施して143bpのバンドがあることを確認する、冷水病耐性形質を有するアユの判別法を特徴とする。
請求項3に係る発明は、配列番号1に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチド、及び配列番号2に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチドから成るプライマーセットを用いて、アユのゲノムDNAにポリメラーゼ連鎖反応法を施し、得られた産物にゲル電気泳動法を施して170bpのバンドがあること、並びに、配列番号3に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチド、及び配列番号4に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチドから成るプライマーセットを用いて、アユのゲノムDNAにポリメラーゼ連鎖反応法を施し、得られた産物にゲル電気泳動法を施して143bpのバンドがあることを確認する、冷水病耐性形質を有するアユの判別法を特徴とする。
さらに、請求項4に係る発明は、配列番号1に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチド、及び配列番号2に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチドから成るポリメラーゼ連鎖反応用プライマーセットを特徴とする。
請求項5に係る発明は、配列番号3に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチド、及び配列番号4に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチドから成るポリメラーゼ連鎖反応用プライマーセットを特徴とする。
請求項1〜5に係る発明によると、遺伝的に冷水病に罹りにくいアユを事前に判別することができるので、養殖や釣り魚としての冷水病による被害を抑えることができる。また冷水病に罹りにくい親魚を選別して交配し、冷水病に罹りにくい稚魚だけ生産し養殖できるので、経済的であり養殖効率が向上する。更に冷水病に罹りやすい系統の種苗を排除することで、冷水病対策が行えるため、従来のワクチンの接種等と比べ迅速であり、かつ少ない労力で実施できるため経済的であり作業効率が向上する。
本発明のアユの冷水病耐性形質に関連するDNAマーカーは、アユの遺伝子連鎖群(LG)14のマーカー座PalAyu179TUF、及びLG18のマーカー座PalAyu59TUFに存在する。
これらのDNAマーカーはPCR法で増幅することができる。PCR法に用いるプライマーセットは、例えば、配列番号1から4で示す塩基配列から成るオリゴヌクレオチドをかかげることができる。この場合、増幅する対象となる塩基配列1つに対し、5’側、及び3’側の二つのプライマーを用いる。
上記プライマーセットを用いて、PCR法によりアユのゲノムDNAを増幅し、増幅ゲノムの視覚検出を行うことで、当該アユの冷水病耐性形質の有無を判別する。増幅ゲノムの視覚検出法としてはゲル電気泳動法を用いることができる。
本発明で規定するPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)は、DNAの熱変性による一本鎖化、アニーリングによるプライマーの結合、ポリメラーゼによる相補的DNAの合成からなるDNA複製サイクルを繰り返して行う反応を利用して特定のDNAを増幅させる方法であり、従来公知の技術である。また、本発明に用いられるゲノムDNAはアユの尾鰭近傍の組織片から常法にしたがって入手することができる。
以下、実施例で本発明を詳細に説明するが、これらは1例を示したものであって、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(解析家系)
解析家系として、冷水病に対して耐性を有する耐病性系統(海産交配系)と、冷水病に対する抵抗力の弱い感受性系統(累代系)を用いた。
累代系アユは約30年前に大田川で捕獲されたアユを毎年繰り返し継代した系統であり、海産交配系は、累代系アユの雌に鹿児島県産の海産アユの雄を交配して作製された系統である。
また、耐病性系統の雄と感受性系統の雌を交配して交配系統(F1)を作出した。
さらに、F1集団で冷水病耐性の雄と感受性系統の雌を交配し、戻し交配集団を得た。
(F1及び戻し交配集団の飼育方法)
9〜11月に採卵を行い人工授精の後、受精卵を水カビ防止剤により消毒した。水温14〜17℃にておよそ2週間で孵化した。孵化後、7〜10日間かけて海水馴致を行い、出荷サイズ2〜3g前後になるまで海水で飼育した。飼育水温は20℃以下とし、孵化直後からシオミズツボワムシ、6日目からアルテミア幼生、9日目からアユ配合飼料の投与をそれぞれ行った。集荷サイズまで成長したアユは、淡水馴致した後、実験に用いた。尚、実験に用いたアユは使用前に冷水病保菌検査を行い、陰性であることを確認した。
実験期間中はアユを15〜18℃に調整した紫外線処理脱塩素水道水を用い、循環ろ過で飼育した。
(冷水病人為感染死亡率の算出)
冷水病の罹患アユから分離されたF.Psychrophilum PH-0215株を感染実験に用いた。
改変サイトフィーガ寒天培地(Wakabayashi and Egusa,1974)を用い18℃で24時間培養したPH-0215株を生理食塩水(0.8%食塩水)に懸濁後、FA100(田辺製薬)で麻酔したアユの腹鰭基部後方から腹腔内に0.1mL接種した。接種後のアユは水温16.5℃から18.2℃の紫外線処理脱塩素水道水を用いて流水飼育し、14日間の観察を行った。
冷水病による死亡の確認は、死亡魚の腎臓から改変サイトフィーガ寒天培地を用い、F.Psychrophilumを再分離することとし、死亡率を算出した。
この結果、耐病性系統の死亡率は0%、感受性系統の死亡率は85%、F1集団の死亡率は45%であって、冷水病に対する耐性には遺伝性のあることがはっきりした。
90匹の戻し交配集団に対し、同様にして冷水病感染実験を行った結果、44尾が冷水病で死亡し、46尾が生存し、死亡率は49%であった。
また、親魚及び戻し交配集団の全てに対して、次のようにしてPCRプライマーセットを用いてPCR法を行い、得られたPCR産物にゲル電気泳動法を施し、その遺伝子型を確認した。
まず、親魚及び戻し交配集団からのDNA抽出は、以下の手順で行った。
尾鰭を1cm角の大きさで採取し、100mM NaCl、20mM Tris−HCl(pH8.0)、100mM EDTA、1.0%SDS、100μg/ml Proteinase Kを含む消化溶液を600μL加え、37℃で一晩静置した。
さらに、フェノール/クロロホルム(1:1)抽出を1回行った後、エタノール沈殿にて染色体DNAを析出させた。回収したDNAは70%エタノールで洗浄、乾燥後、TE溶液(0.01M Tris−HCl pH7.4、2.5mM EDTA pH8.0)50μLに溶解した。
次に、PalAyu179TUFに関し、
F:5’−AAGATGCGTCACACGAACAG−3’(配列番号1)
R:5’−GAAGGGTGAGGCTGTTTAACC−3’(配列番号2)
の一組のプライマーを合成し、2.5pmol Fプライマーと[γ-33P]ATP、T4 polynucleotide kinaseによって標識した0.17pmol Rプライマー、0.175mM each dNTP、20mM Tris−HCl(pH8.4)、50mM KCl、1.5mM MgCl2、1%BSA、0.25 U Taq DNA polymerase(Takara Bio)、50ngのテンプレートDNAを含む11μlの溶液で、Gene Amp PCR system 9700 thermal cycler(Applied Biosystems)にて、PCR法を行った。
なお、このプライマーセットを用いたPCR反応組成(1サンプル分)を表1に示し、RプライマーのRI標識用液組成(49サンプル分)を表2に示す。
PCR条件は、95℃、3分−(95℃、30秒−58℃、1分−72℃、1分)×35サイクル−72℃、5分−4℃、∞とした。
反応後、等量のLoading dye(95% formamide,10mM EDTA,0.05% bromophenol blue and xylene cyanol)とよく攪拌し、PCR産物を熱変性によって1本鎖にし、6%変性ポリアクリルアミドゲルにて電気泳動を行った。
その後、1時間乾燥させたゲルを、Imaging Plate(IP)に3〜12時間感光させ、放射線の感光像が記憶されたIPをBio-imaging Analyzer(BAS1000,Fuji Photo Films)で読み取り、コンピュータで映像化した。
その結果を図1及び図2に示す。
図1及び図2からわかるように、生存しているアユでは、死亡したアユに比べて170bpにバンドを持つ頻度が非常に高いことがわかる。
また、アユの生死と170bpバンドの有無との関係を表3に示す。
表3に示すように、生存し170bpにバンドを持つものは34匹、死亡し170bpにバンドを持たないものは30匹、生存し170bpにバンドを持たないものは12匹、死亡し170bpにバンドを持つものは14匹であった。
この結果から、170bpにバンドを持つアユは、170bpにバンドを持たないアユに比べて明らかに冷水病に対する耐性が高いことがわかる。
冷水病耐性とこのバンドとの連鎖関係の確かさはLod Score(Lathrop et al1984)で示される。
170bpにバンドがある死亡個体と、170bpにバンドの無い生存個体の合計は26匹であり、Lod Score=26log(26/90)+(90−26)log(1−26/90)+90log0.5=3.60となる。
即ち、170bpバンドと冷水病耐性との間に連鎖関係があることは、1/103.60の危険率で確実であり、本実施例のプライマーセットを用いたPCR産物に170bpのバンドがあるアユは、冷水病に耐性があるアユであるといえる。
また、PalAyu59TUFに関し、
F:5’−TGCCCTGCAGTGTCAGTATC−3’(配列番号3)
R:5’−CTCATCCAATCTCTCAGCCTG−3’(配列番号4)
の一組のプライマーを合成し、このプライマーセットを用いてPCR法を行った。
PCR条件は、95℃、3分−(95℃、30秒−55℃、1分−72℃、1分)×35サイクル−72℃、5分−4℃、∞とする。
その他の条件は配列番号1及び配列番号2のプライマーセットを用いた場合と同様にして、得られたPCR産物にゲル電気泳動法を行い、そのコンピュータ解析像を図3及び図4に示す。
図3及び図4に示すように、生存しているアユは、死亡したアユに比べて143bpにバンドを持つ傾向にあることがわかる。
また、アユの生死と143bpバンドの有無との関係を表4に示す。
表4から、生存し143bpにバンドを持つものは35匹、死亡し143bpにバンドを持たないものは26匹、生存し143bpにバンドを持たないものは11匹、死亡し143bpにバンドを持つものは18匹であった。
この結果について、Lod Scoreを算出すると、Lod Score=29log(29/90)+(90−29)log(1−29/90)+90log0.5=2.53となる。
これは、PalAyu59TUFの143bpバンドと冷水病耐性との間の連鎖関係が、PalAyu179TUFの170bpバンドと冷水病との連鎖関係よりも低いが、1/102.53の危険率で確実であるということを示す。
また、PalAyu179TUFで冷水病耐性と連鎖している170bpと、PalAyu59TUFで冷水病耐性と連鎖している143bpについて、両方のバンドを共に持つ個体と両方のバンドを共に持たない個体の生死を調べ、その結果を表5に示す。
表5から明らかなように、170bp及び143bpの両バンドを持つ個体のうち85.7%が生存個体であり、両バンドを持たない個体の内88.9%が死亡固体であった。
また、生存個体の92.3%は両バンドを持ち、死亡個体で両バンドを持つものは20%にすぎなかった。
この結果、PalAyu179TUFの170bpバンドと、PalAyu59TUFの143bpバンドを持つことが冷水病耐性にとって重要であることがわかった。
χ2検定(Chi-square test)の結果、P値は6.31319e−07となり、非常に有意であるといえる。
即ち、PalAyu179TUFで冷水病耐性と連鎖している170bpにバンドを持っているか否か、或いは、PalAyu59TUFで143bpにバンドが有るか否かを単独で調べても、冷水病耐性の有無をある程度判別できるが、PalAyu179TUFの170bp、及び、PalAyu59TUFの143bpに共にバンドがあることを確認すれば、非常に高い確率で冷水病耐性のあるアユを選別できる。
なお、上記実施例では、冷水病耐性と連鎖するバンドとして170bp、143bpを示したが、当然のことではあるが、冷水病耐性と連鎖するバンドには幅がある。
配列番号1,2のプライマーセットを用いたPCR産物のゲル電気泳動像であり、(a)は親魚、(b)は死亡個体(通常個体)、(c)は生存個体(耐性個体)を示す。 配列番号1,2のプライマーセットを用いたPCR産物のゲル電気泳動の模式図であり、(a)は親魚、(b)は死亡個体(通常個体)、(c)は生存個体(耐性個体)を示す。 配列番号3,4のプライマーセットを用いたPCR産物のゲル電気泳動像であり、(a)は親魚、(b)は死亡個体(通常個体)、(c)は生存個体(耐性個体)を示す。 配列番号3,4のプライマーセットを用いたPCR産物のゲル電気泳動の模式図であり、(a)は親魚、(b)は死亡個体(通常個体)、(c)は生存個体(耐性個体)を示す。

Claims (5)

  1. 配列番号1に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチド、及び配列番号2に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチドから成るプライマーセットを用いて、アユのゲノムDNAにポリメラーゼ連鎖反応法を施し、得られた産物にゲル電気泳動法を施して170bpのバンドがあることを確認する、冷水病耐性形質を有するアユの判別法。
  2. 配列番号3に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチド、及び配列番号4に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチドから成るプライマーセットを用いて、アユのゲノムDNAにポリメラーゼ連鎖反応法を施し、得られた産物にゲル電気泳動法を施して143bpのバンドがあることを確認する、冷水病耐性形質を有するアユの判別法。
  3. 配列番号1に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチド、及び配列番号2に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチドから成るプライマーセットを用いて、アユのゲノムDNAにポリメラーゼ連鎖反応法を施し、得られた産物にゲル電気泳動法を施して170bpのバンドがあること、並びに、配列番号3に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチド、及び配列番号4に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチドから成るプライマーセットを用いて、アユのゲノムDNAにポリメラーゼ連鎖反応法を施し、得られた産物にゲル電気泳動法を施して143bpのバンドがあることを確認する、冷水病耐性形質を有するアユの判別法。
  4. 配列番号1に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチド、及び配列番号2に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチドから成る、冷水病耐性形質を有するアユの判別法に用いるポリメラーゼ連鎖反応用プライマーセット
  5. 配列番号3に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチド、及び配列番号4に示される塩基で構成されるオリゴヌクレオチドから成る、冷水病耐性形質を有するアユの判別法に用いるポリメラーゼ連鎖反応用プライマーセット
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