JP5025503B2 - 分散補償装置 - Google Patents
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Description
図1は、この発明の実施の形態1である分散補償装置の機能構成を示すブロック図である。
図1において、この分散補償装置は、可変分散補償器(可変分散補償手段)2、光受信器3、FEC(Forward Error Correction)復号化器/符号誤り情報モニタ(誤り検出手段)4および制御回路(制御手段)5を備えている。
可変分散補償器2には、送信側から光ファイバ伝送路1を介して伝送されてきた光信号が入力される。この光信号は、送信側において、FEC方式の誤り訂正符号で符号化した送信データにより光変調された信号である。可変分散補償器2は、入力された光信号に対して、後述する可変分散補償を行って光受信器3に出力する。光受信器3では、可変分散補償器2で補償された光信号を電気信号に変換し、周知の処理による識別再生を行い、識別後のフレーム信号をFEC復号化器/符号誤り情報モニタ4に出力する。FEC復号化器/符号誤り情報モニタ4では、FEC復号化器機能により、誤り検出および前段で識別再生されたフレーム信号を分解し、クライアント信号について誤り検出および誤り訂正を行う。その際に、誤り情報モニタにより、ビットエラーカウント機能によって伝送誤り情報の一つである誤り訂正個数を取得して制御回路5に出力する。誤り訂正個数は、誤り訂正前の誤り個数に対応している。
ここで、可変分散補償器2で作り出す波長分散の補償量は、光ファイバ伝送路1が有する波長分散に応じて自由に可変できるものである。その結果、光ファイバ伝送路1の波長分散が応力や環境温度変化などによって変化した場合でも、可変分散補償器2で作り出す逆特性の波長分散特性、すなわち波長分散の補償量を制御して最適な分散補償を可能にする。
なお、可変分散補償器2が調整する光ファイバ伝送路1の伝送距離を制限するパラメータとしては、光ファイバ伝送路の波長分散の他に、例えば偏波モード分散、偏波依存性損失、非線形光学、送信光信号の状態(信号レベル、消光比、チャーピング等)などが挙げられる。
上述したように、制御回路5には、FEC復号化器/符号誤り情報モニタ4で得られた誤り訂正個数が伝送誤り情報として入力されるが、この誤り訂正個数に基づいて伝送誤りが小さくなるように可変分散補償器2の波長分散の補償量を制御し、誤り訂正個数が規定値以下になった時点で可変分散補償器2が用いる波長分散の補償量を固定する。
図2は、制御回路5による可変分散補償器2に対する制御アルゴリズムを示すフローチャートで、図2(a)は制御回路5のメインルーチンである。また、図3は、この実施の形態1に係る分散補償量制御の方法を示す説明図である。
定常時において誤り率の小さな領域では、不必要に可変分散補償器2の波長分散の補償量を変化させて伝送誤りを増加させることがないように現状の符号誤り率を確認し(ステップST1)、閾値A以下の誤り率であるかの判定を行う(ステップST2)。符号誤り率が所定の閾値A以下の誤り率であればその設定値を維持する。
運用制御(ステップST4)においては、波長分散の補償量の最適点を探索する際に、エラー訂正限界となるような符号誤り率の閾値を越えて、受信データでのエラー発生、さらにはサービス中断といった事態を起こさぬよう、波長分散の補償量の掃引に伴う符号誤り率の変化が悪化傾向となった場合は掃引を中止し、直前の、波長分散の補償量の地点を最適値とする。そのため、可変分散補償器2の波長分散の補償量をある方向へ移動させる(ステップST51)。その結果、符号誤り率が改善されたかどうかを判定する(ステップST52)。符号誤り率が減少している場合、ステップST51に戻り、同じ方向へ波長分散の補償量を再び変化させ、より符号誤り率の低い点を探索する。また、ステップST52で符号誤り率が増加したと判定された場合には、符号誤り率が、ある一定の閾値B以下に収まっているかの判定を行い(ステップST53)、収まっていた場合、ステップST51に戻り、引き続き同方向へ波長分散の補償量を変化させて符号誤り率の変化を見る。これにより、受信データでのエラー発生あるいはサービスの停止を起こさない範囲での符号誤り率の悪化(閾値Bとする)を許容して、符号誤り率が増加する傾向となる方向へも波長分散の補償量を変化させることで、局所的な符号誤り率の極小点にとらわれることなく、真の最適な分散補償点を発見でき、精度の良い分散補償を行うことができる。
制御回路5は、ある閾値以下を達成した時点での掃引中止、あるいは符号誤り率が増加に転じた時点での掃引中止という従来のような処理は行わず、図3に示すように、エラーを発生させない範囲での符号誤り率の劣化を許容し、最適な分散補償点と思われる近傍を掃引することにより、局所的な符号誤り率の極小点にとらわれることなく、真に最適な分散補償点を発見できるようにしたので、精度の良い分散補償を行うことができる。
図4は、この発明の実施の形態2である分散補償装置の機能構成を示すブロック図である。
この実施の形態2は、1本のファイバケーブル21に異なる波長の光信号を重ねて伝送する光多重伝送システム、いわゆるWDM(Wavelength Division Multiplexing;波長分割多重)システムに上記実施の形態1の構成を適用したものである。WDM通信システムは送信側の光合波器12と受信側光分波器6は光ファイバで結ばれている。
周知のように、n個のチャネルの情報は、それぞれ対応するFEC符号化器101 ,…,10n でFEC符号化され、それぞれ対応する光通信機111 ,…,11n に与えられて異なる波長の光信号に変換される。光合波器12は、光通信機111 ,…,12n で変換された各チャネルの光信号を合波して波長多重光信号を生成し、光ファイバ21に入力して受信側に光伝送する。受信側の光分波器6では、光ファイバ21から受信した波長多重光信号を各チャネルの波長の光信号に分波して取り出し、それぞれ対応するチャネルの可変分散補償器(可変分散補償手段)21 ,…,2n に入力する。各チャネルにおいて、光受信器31 ,…,3n 、FEC復号化器/符号誤り情報モニタ(誤り検出手段)41 ,…,4n の動作は実施の形態1のものと同様である。
なお、上記動作において、制御回路5が行っている制御対象とするチャネルの選択処理は、例えば特許文献3に開示されている例などを用いて行えばよい。
図5は、この発明の実施の形態3である分散補償装置の機能構成を示すブロック図である。
この実施の形態3では、上記実施の形態1で述べた構成に加え、光伝送システムの送信側にも可変波長分散補償器(第2の可変分散補償手段)22と制御回路(第2の制御手段)25を設けている。
受信側のFEC復号化器/符号誤り情報モニタ4で得られる誤り訂正個数の情報は、実施の形態1で説明した制御回路5に与えられるが、さらに監視制御系を介して伝送され、送信側の制御回路25にも与えられる。可変分散補償器22の波長分散の補償量は、受信側のFEC復号化器/符号誤り情報モニタ4から送られてくる誤り訂正個数の情報に従い受信側の分散補償状態に応じて随時制御される。この場合の制御回路25による可変分散補償器22の波長分散の補償量の制御方法は、実施の形態1で述べた受信側の制御回路5と同様な方法で行われる。
この光伝送システムの場合は、受信側の可変分散補償器2における波長分散の補償量との組み合わせにより光波形の劣化が最も小さくなるように、送信側の光送信機11の出力段に設けられた可変分散補償器22の波長分散の補償量が設定される。
なお、この実施の形態3では、単一波長の光信号が伝送される光伝送システムに適用した例について示したが、実施の形態2に挙げたWDM伝送システムの例で、送信側にも制御回路25と各チャネルの可変分散補償器を設け、制御回路25によりそれぞれの可変分散補償器の波長分散の補償量を実施の形態2と同様に一括制御するようにしてもよい。
Claims (3)
- 誤り訂正符号で符号化され、光ファイバ伝送路を伝送された光信号の誤り訂正符号による誤り訂正個数を検出する誤り検出手段と、
前記誤り検出手段の前段に設けられ、波長分散の補償量を変更しながら前記光ファイバ伝送路の波長分散を補償する可変分散補償手段と、
前記可変分散補償手段に対して、前記誤り検出手段で検出された誤り訂正個数の変動に基づいて最適分散補償制御を行う制御手段を備えた分散補償装置において、
前記制御手段は、
初期設定時には、前記可変分散補償手段における波長分散の補償量を予め設定した範囲で掃引して、前記誤り検出手段で検出された誤り訂正個数を基に判断した誤り符号率が最も少なくなる点に波長分散の補償量を設定し、
運用時には、前記誤り検出手段で検出された誤り訂正個数を基に判断した符号誤り率が予め設定した閾値Aより大きくなった場合には波長分散の補償量を符号誤り率が減少する一方向に変化させて符号誤り率が前記閾値A以下で最初に最も少なくなる点に再設定し、この再設定した符号誤り率がある閾値B(<A)以下であれば、波長分散の補償量を前記一方向と同じ方向へさらに変化させて符号誤り率が最小値となる点を閾値Bを超えない範囲で探索し、最小値となる点があった場合に当該点に波長分散の補償量を再々設定することを特徴とする分散補償装置。 - 光ファイバ伝送路を介して入力される光信号が、波長の異なる複数のチャネル光を含んだ波長多重光信号である場合、制御手段は、分波された各チャネルの波長の光信号にそれぞれ対応して設けられた可変分散補償手段の波長分散の補償量の制御を一括して行うことを特徴とする請求項1記載の分散補償装置。
- 光伝送システムの送信側の光送信機の出力段に設けられ、波長分散の補償量を変更しながら光ファイバ伝送路の波長分散を補償する第2の可変分散補償手段と、
前記光送信機の出力側に設けられ、誤り検出手段から監視制御系を介して伝送された誤り訂正個数の変動に基づいて、受信側の制御手段と同様な方法により前記第2の可変分散補償手段に対して最適分散補償制御を行う第2の制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の分散補償装置。
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