JP5025061B2 - 無機含フッ素重縮合物に基く自己架橋性コーティング組成物 - Google Patents

無機含フッ素重縮合物に基く自己架橋性コーティング組成物 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、無機含フッ素重縮合物に基く自己架橋性コーティングシステム、該コーティング組成物を用いた支持体のコーティング方法、及びそれにより得ることができるコートされた支持体に関する。
【0002】
薄く、多くの場合はほとんど単分子層で、パーフッ素化側基を含むシラン及びシロキサンの含浸が、支持体表面に撥水撥油性を付与するために使用される。しかし、数ナノメーター厚の含浸又は層は、支持体表面に機械的又は化学的な攻撃に対して耐久性のある保護を提供しない。
【0003】
EP0587667(DE4118184に対応)は、元素の周期表の主族III〜V及び遷移族II〜IVの由来の1以上の加水分解性化合物Mの重縮合物に基く耐久性コーティング組成物について記載しており、これらの化合物のうち少なくともいくつかは、パーフッ素化側基を含む加水分解性化合物、特にパーフッ素化基を含む加水分解性シランである。これらのコーティング組成物は硬化され得るが、光化学重合又は少なくとも50℃の温度での熱重合によって支持体上で架橋を行う必要がある。その結果、適当な硬化装置が必要なので、それらの使用は技術的に複雑である。例えば、特に建物の正面のような大表面積の適用のためには、これはかなりの制限を意味する。
【0004】
本発明の目的は、特別な硬化ステップ及び特別な硬化装置を用いずに、非付着性を有するコーティングを提供する支持体のコーティング方法を提供することである。それにもかかわらず、これらのコーティングは、例えば、化学的又は機械的な攻撃に関して耐引掻性であり、且つ、耐久性であるべきである。更に、コーティング材料を扱い易く貯蔵安定な形態で提供することを目的とする。
【0005】
この目的は、本発明に従って、
a)少なくとも1つの非加水分解性置換基を含む少なくとも1つの加水分解性シラン、該シランは少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上の求電子性基Xを含む、
b)少なくとも1つの非加水分解性置換基を含む少なくとも1つの加水分解性シラン、該シランは少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上の求核性基Yを含む、及び
c)ケイ素原子から少なくとも2つの原子によって分離される1以上の脂肪族炭素原子に結合した平均2から30のフッ素原子を有する少なくとも1つの非加水分解性炭素性基を含む少なくとも1つの加水分解性シラン、
該シラン(a)、(b)及び/又は(c)は所望であれば事前縮合を受け、シラン(a)は全部若しくは一部を少なくとも2つの基Xを含む有機化合物によって置換されるか、又はシラン(b)は全部若しくは一部を少なくとも2つの基Yを含む有機化合物によって置換されることが可能である、
に基く自己架橋性コーティング組成物を調製し、
それを支持体に適用し、それを周囲温度(40℃以下)で硬化させてコーティングを形成することによる支持体のコーティング方法によって達成される。
【0006】
本発明の方法で使用されるコーティング組成物は、例えば、扱いやすく、貯蔵安定な2成分コーティングシステムの形態で得ることができる。この2成分コーティングシステムは、
少なくとも1つの非加水分解性置換基を含有する少なくとも1つの−必要に応じてプレ縮合された−加水分解性シラン(a)を含む成分(A)、該シラン(a)は少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上の求電子性基Xを有する、及び
少なくとも1つの非加水分解性置換基を含有する少なくとも1つの−必要に応じてプレ縮合された−加水分解性シラン(b)を含む成分(B)、該シラン(b)は少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上の求核性基Yを含む
によって特徴付けられ、
シラン(a)は全部若しくは一部が少なくとも2つの基Xを含む有機化合物によって置換されるか、又はシラン(b)は全部若しくは一部が少なくとも2つの基Yを含む有機化合物によって置換されることができ、並びに
成分(A)及び/又は(B)は、更に、ケイ素原子から少なくとも2つの原子によって分離される1以上の脂肪族炭素原子に結合した平均2から30のフッ素原子を有する少なくとも1つの非加水分解性炭素性基を含有する加水分解性シラン(c)を含む
1つの具体的な実施態様において、本発明のコーティング組成物は、更に、表面修飾されたナノスケール無機粒状固体を含む。
【0007】
求電子性基Xの具体例は、エポキシド、無水物、酸ハロゲン化物及びイソシアネート基である。
【0008】
求核性基Yの具体例は、アミノ基及びヒドロキシル基である。
【0009】
周囲温度での自己架橋に特に適するとわかっている組み合わせは、エポキシ/アミノ及びイソシアネート/ヒドロキシルを含む。
【0010】
本発明によれば、自己硬化性で、高い耐引掻性の低表面エネルギーのコーティングが得られ、それは、特別な硬化ステップを必要とせずにコーティングされた支持体に特によく接着する。得られたコーティングは、優れた非付着性及び清浄容易な性質を有する。
【0011】
コーティング組成物を調製するために、本発明の方法は、少なくとも1つの非加水分解性置換基を含有する少なくとも1つの加水分解性シランを成分a)として使用し、該シランは少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上の求電子性基Xを含む。
【0012】
この成分a)は、1から3、好ましくは2又は3、特に好ましくは3つの加水分解性基及び1、2又は3、好ましくは1又は2、特に1つの非加水分解性基を有するケイ素化合物を含む。非加水分解性基の少なくとも1つは、少なくとも1つの求電子性基Xを含む。
【0013】
加水分解性基の例としては、相互に同一であっても又は異なっていてもよく、水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI、特にCl及びBr)、アルコキシ(例えば、C1-6アルコキシ、特に、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシのようなC1-4アルコキシ)、アリールオキシ(好ましくは、フェノキシのようなC6-10アリールオキシ)、アシルオキシ(例えば、C1-6アシルオキシ、特に、アセトキシ又はプロピオニルオキシのようなC1-4アシルオキシ)及びアルキルカルボニル(好ましくは、アセチルのようなC2-7アルキルカルボニル)が挙げられる。好ましい加水分解性基は、ハロゲン、アルコキシ基及びアシルオキシ基である。特に好ましい加水分解性基はアルコキシ基、具体的にはメトキシ及びエトキシである。
【0014】
基Xを含まない非加水分解性基の例は、アルキル(好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル又はシクロヘキシルのようなC1-8アルキル)、アルケニル(好ましくは、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル及びブテニルのようなC2-6アルケニル)、アルキニル(好ましくは、アセチレニル及びプロパルギルのようなC2-6アルキニル)、及びアリール(好ましくは、フェニル及びナフチルのようなC6-10アリール)が挙げられる。該基は、所望であればハロゲン若しくはアルコキシのような1以上の通常の置換基、又は求電子性基Xの中に含まれない1以上の官能基を含み得、例としては、(メト)アクリロイル基及び(メト)アクリロイルオキシ基が挙げられる。
【0015】
好適な求電子性基Xは、当業者に公知である。好ましい例としては、エポキシ、無水物、酸ハロゲン化物及びイソシアネート基が挙げられる。2以上の求電子性基Xがシラン中に存在するか又は求電子性基Xを含む異なるシランが使用される場合には、Xは同じ意味であっても異なる意味であってもよい。
【0016】
エポキシ基を含む非加水分解性基の例としては、特にグリシジル又はグリシジルオキシ基を含むものが挙げられる。例えば、エポキシ基を含み、本発明に従って使用され得る成分a)のシランの具体例は、EP0195493中に見出すことができ、その全体の開示は参考として本明細書に援用される。
【0017】
酸ハロゲン化物基又は酸無水物基Xを含む非加水分解性基は、例えば、カルボン酸無水物又はハロゲン化カルボニル由来の基であってもよい。問題のハロゲン化物は、酸クロライド、ブロマイド又はアイオダイドであってもよく、酸クロライドが好ましい。それらは、直鎖又は分岐の脂肪族、脂環式又は芳香族カルボン酸の無水物又はハロゲン化物、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸及びマロン酸のような(C1-8アルキル)カルボン酸、マレイン酸のような(C2-8アルケニル)カルボン酸、又はフタル酸のような(C6-25アリール)カルボン酸の無水物及びハロゲン化物であってもよい。具体例としては、塩化プロピオニル、塩化アセチル、塩化スルホニル、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸及び無水酢酸が挙げられる。
【0018】
求電子性基Xは直接シランに結合していてもよいが、好ましくは連結基(linking group)を介してシランに結合される。使用され得る加水分解性及び非加水分解性基並びにシランの更なる且つ具体的な例は、以下で述べる。
【0019】
本発明に従って特に好ましく、求電子性基Xを含む加水分解性シランは、一般式(I):
Z3SiR (I)
[ここで、基Zは相互に同一であっても異なっていてもよく(好ましくは同一)、加水分解性基を表し、例えば、ハロゲン(F、Cl、Br及びI、特にCl及びBr)、アルコキシ(例えば、C1-6アルコキシ、特に、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシのようなC1-4アルコキシ)、アリールオキシ(特に、例えばフェノキシのようなC6-10アリールオキシ)、アシルオキシ(例えば、C1-6アシルオキシ、特に、アセトキシ及びプロピオニルオキシのようなC1-4アシルオキシ)及びアルキルカルボニル(例えば、アセチル)であり、Rは、少なくとも1つの求電子性基Xを含む非加水分解性基である。]
で表されるものである。特に好ましい加水分解性基ZはC1-4アルコキシであり、特にメトキシ及びエトキシである。
【0020】
例えば、非加水分解性基Rは、基R''Xであってもよく、ここでXは求電子性基であり、R''は基Xをケイ素に結合させる架橋基である。基R''は、アルキレン、アルケニレン又はアリーレン架橋基であってもよく、酸素基又は−NH−基によって中断され得る。言及された架橋基は、例えば、アルキル基(好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル又はシクロヘキシルのようなC1-20アルキル)、アルケニル基(好ましくは、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル及びブテニルのようなC2-6アルケニル)及びアリール基(好ましくは、フェニル及びナフチルのようなC6-10アリール)に由来する。該基は、所望であれば、ハロゲン又はアルコキシのような1以上の通常の置換基を含んでもよい。基Xは、エポキシ、酸無水物、酸ハロゲン化物又はイソシアネート基であってもよい。エポキシ基が好ましい。もちろん、同一又は異なる1を超える求電子性基Xを架橋基R''に結合することも可能である。
【0021】
エポキシ基を含む好ましい非加水分解性基Rは、グリシジル−又はグリシジルオキシ−(C1-20)−アルキレン基である。それらの具体例は、特に、β−グリシジルオキシエチル、γ−グリシジルオキシプロピル、δ−グリシジルオキシブチル、ε−グリシジルオキシペンチル、ω−グリシジルオキシヘキシル、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルを含む。それらの容易な利用性のために、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(以下では短縮してGPTSという。)及びγ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン(以下では短縮してGPTESという。)が、本発明において特に好ましく使用される。
【0022】
好適なイソシアナートシランの例としては、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン及び3−イソシアナートプロピルジメチルクロロシランである。酸無水物基を含む好適なシランの例としては、以下のものがある。
【0023】
【化1】
Figure 0005025061
【0024】
求核性基Yを含む加水分解性シランについての、加水分解性基及び非加水分解性基の数及び性質は、求電子性基Xを含む加水分解性基についての上に示したものに対応する。それゆえ、必要な変更を加えて上記の説明が参照され得る。
【0025】
求核性基Yの例は、アミノ基及びOH基である。アミノ基(amine group)を含む非加水分解性基の例は、例えば、第一級、第二級又は第三級アミン由来である。該基は、例えば、−NH2、−NHR2又は−NR2 2であってもよく、ここでR2は、例えば、Rのために上述した基であり得る。
【0026】
求核性基を含む好ましいシランは、一般式(II)のものである:
Z3SiR' (II)
ここで、基Zは、上の一般式(I)の場合に定義された通りであり、R'は、少なくとも1つの求核性基Yを含む非加水分解性のSi結合基を表す。非加水分解性基R'は、例えば、R''Yであってもよく、ここでYは官能基であり、R''は基Yをケイ素に結合させる架橋基である。R''は、一般式(I)の場合において上記で定義された通りである。Yは、例えば、アミノ基又はヒドロキシル基である。もちろん、同一か又は異なる1を超える求核性基Yが架橋基R"に結合されることも可能である。
【0027】
アミノ基を含むそのようなシランの具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTS)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN-[N'-(2'-アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。ヒドロキシル基を含むシランの具体例としては、ヒドロキシメチルトリエトキシシランが挙げられる。アミノ基及びヒドロキシル基を含むシランの具体例としては、ビス(ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン及びN-ヒドロキシエチル−N−メチルアミノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
【0028】
本発明のコーティング組成物中の求電子性基Xの求核性基Yに対するモル比は、好ましくは5:1から1:1、より好ましくは3:1から2:1の範囲である。
【0029】
求電子性基Xを含む加水分解性シラン化合物は、少なくとも2つの求電子性基Xを含む有機化合物によって全部若しくは一部が置換され得るか、又は、求核性基Yを含む加水分解性シラン化合物は、少なくとも2つの求電子性基Yを含む有機化合物によって全部若しくは一部が置換され得る。有機化合物中に存在する基X又はYは、対応する加水分解性シラン化合物に関して上記で特定されたのと同じ基である。両方の加水分解性シラン化合物が対応する有機化合物によって完全に置換されることは不可能である。
【0030】
有機化合物が使用される場合、成分a)及び成分b)の間の好ましいモル比を設定する際に、それが含む求電子性又は求核性基が考慮に入れられる。言い換えれば、そのような場合に、成分a)の成分b)に対する好ましいモル比は、求核性基Yのモル量に対して存在する求電子性基Xのモル量に基く。
【0031】
前述した有機化合物は、少なくとも2つの求電子性又は求核性基を含有する有機モノマー、オリゴマー又はポリマー、又はそれらの混合物を含んでいてもよい。先行技術から公知でこれらの目的に適するあらゆる化合物を使用され得る。問題の化合物は、例えば、脂肪族、脂環式又は芳香族化合物を包含する。
【0032】
少なくとも2つのエポキシド基を含む有機化合物の具体例としては、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,4-ブタンジオールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAに基くエポキシ樹脂、ビスフェノールFに基くエポキシ樹脂、及びビスフェノールA/Fに基くエポキシ樹脂が挙げられる。
【0033】
少なくとも2つのアミノ基を含む有機化合物の具体例としては、1,3-ジアミノペンタン、1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,6-ジアミノヘキサン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン又はイソホロンジアミンが挙げられる。少なくとも2つの酸クロライド基を含む有機化合物の具体例としては、マロニルジクロライド、スクシニルクロライド及びアジピルジクロライドが挙げられる。もちろん、異なる求電子性基又は異なる求核性基を有する有機化合物を使用することもできる。
【0034】
本発明の方法で使用されるコーティング組成物は、更に、ケイ素原子から少なくとも2つの原子によって分離される1以上の脂肪族炭素原子に結合した平均2から30のフッ素原子を有する少なくとも1つの非加水分解性炭素性基を含む少なくとも1つの加水分解性シラン(c)を含む。単純化のために、これらのシランは時々以下にフルオロシランと称される。
【0035】
フッ素化された基を含む加水分解性シランについての加水分解性基及び非加水分解性基の数及び性質は、非加水分解性のフッ素化された基は別にして、求電子性又は求核性基を含む加水分解性基について上記で特定されたものに対応する。その程度まで、必要な変更を加えて、上記の説明が参照され得る。本発明で使用され得るフルオロシランの具体例は、EP0587667から選ばれ、ここに参考として援用される。
【0036】
フルオロシラン中にF置換基R'''を含む非加水分解性基は、少なくとも2つの原子によってケイ素から分離された1以上の脂肪族(脂環式を含む)炭素原子に結合した平均2から30、好ましくは5から30のフッ素原子を含む。基R'''は、好ましくは脂肪族炭素原子に結合した平均5から25、特に8から18のフッ素原子を含むが、例えば、その他の芳香族炭素原子に結合しているフッ素原子(例えば、C6F4の場合)はカウントしない。フッ素基R'''はまた、キレート配位子を含んでいてもよい。1以上のフッ素原子が二重又は三重結合の開始点である炭素原子上に位置することも可能である。基R'''は、平均2つのみの対応するフッ素原子を含むことが必要とされているので、もし同時に2を超えるフッ素原子を含む充分な基R'''が存在するなら、1つのフッ素原子のみを有する基R'''を使用することも可能である。
【0037】
フッ素化された基を含む好ましいシランは、一般式(III):
Z3SiR''' (III)
[ここで、基Zは一般式(I)の場合に上記で定義された通りであり、R'''は、例えば、上記で定義された基であるか又は以下に記述した基である。]
で表されるものである。
【0038】
フルオロシランの具体例としては、C2F5-CH2CH2-SiZ3、n-C6F13-CH2CH2-SiZ3、n-C8F17-CH2CH2-SiZ3、n-C10F21-CH2CH2-SiZ3(ここで、Z=OCH3、OC2H5又はCl);i-C3F7O-CH2CH2CH2-SiCl2(CH3)、n-C6F13-CH2CH2-SiCl2(CH3)及びn-C6F13-CH2CH2-SiCl(CH3)2が挙げられる。
【0039】
フルオロシラン(c)は、例えば、成分(a)1モルあたり0.005から0.05モルの量で使用される。好ましい量は、成分(a)1モルあたり0.005から0.03、特に0.008から0.02モルの範囲である。
【0040】
ナノスケール粒状固体(d)は、1000nm以下、好ましくは200nm以下、更に好ましくは100nm以下、特に70nm以下の平均サイズ(平均粒径)を有する粒子を含む。特に好ましい粒度は、1から100nm、好ましくは2から50nm、特に好ましくは5から40nmの範囲である。
【0041】
ナノスケール(無機)粒状固体は、任意の所望の材料から構成されていてもよいが、好ましくは金属、特に、例えば、ZnO、CdO、SiO2、TiO2、ZrO2、CeO2、SnO2、Al2O3、In2O3、La2O3、Fe2O3、Cu2O、Ta2O5、Nb2O5、V2O5、MoO3又はWO3のような(必要に応じて水和した)酸化物;例えば、硫化物(例えばCdS、ZnS、PbS及びAg2S)、セレン化物(例えばGaSe、CdSe及びZnSe)及びテルル化物(例えばZnTe又はCdTe)、AgCl、AgBr、AgI、CuCl、CuBr、CdI2及びPbI2のようなハロゲン化物のようなカルコゲニド;CdC2又はSiCのような炭化物;AlAs、GaAs及びGeAsのような砒化物;InSbのようなアンチモン化物;BN、AIN、Si3N4及びTi3N4のような窒化物;GaP、InP、Zn3P2及びCd3P2のようなリン化物;リン酸塩、ケイ酸塩、ジルコン酸塩、アルミン酸塩、スズ酸塩及び対応する混合酸化物(例えば、酸化インジウムスズ(ITO)及びBaTiO3及びPbTiO3のようなペロブスカイト構造を有するもの)のような金属化合物から構成される。
【0042】
使用されるナノスケールの無機粒状固体は、好ましくは、Si又はAl及び遷移金属、好ましくはTi、Zr及びCe、及びそれらの混合物の酸化物又はオキシドヒドレート(oxide hydrate)を含む。それらの例としては、SiO2、TiO2、ZrO2、ZnO、SnO2及びAl2O3(全ての変形、特にベーマイト、AlO(OH) として)のナノスケール粒子、及びそれらの混合物である。ナノスケールのSiO2粒子を使用するのが特に好ましい。この目的のために、例えば、市販のシリカ製品、例えば、この目的のために、市販のシリカ製品、例えば、Bayer AGからのシリカゾルであるLevasils(登録商標)のようなシリカゾル、又はDegussaからのAerosil製品のような熱分解法シリカを使用することができる。粒状材料は、粉末又はゾルの形で市販されている。
【0043】
ナノスケール粒状固体は、この形態又は表面修飾粒子の形態で使用され得る。有機表面基を備えたナノスケール無機粒状固体は、原則として2つの異なるルート:第一に、プレ製造された(pre-manufactured)ナノスケール無機粒状固体の表面修飾によって、第二に、表面修飾に好適な1以上の化合物を使用して無機ナノスケール粒状固体を調製することによって調製され得る。
【0044】
プレ製造されたナノスケール粒子の表面修飾が行われる場合、この目的に好適な化合物は、ナノスケール粒状固体の表面に存在する(例えば、酸化物の場合におけるOH基のような)(官能)基と反応又は少なくとも相互作用し得る1以上の基を有する全ての(好ましくは低分子量)化合物である。従って、対応する化合物は、例えば、ナノスケール粒状固体の表面に対して共有及びイオン性(塩様(saltlike))又は配位(錯体)結合を形成してもよく、一方、述べられ得る純粋な相互作用は、一例として双極子−双極子相互作用、水素結合及びファンデルワールス相互作用を含む。共有結合及び/又は配位結合の形成が好ましい。ナノスケール無機粒状固体の表面修飾のために使用され得る有機化合物の具体例としては、例えば、カルボン酸、β−ジカルボニル化合物(例えば、β−ジケトン又はβ−カルボニルカルボン酸)、アルコール、アミン、エポキシド等が挙げられる。
【0045】
本発明において特に好ましくは、特に酸化物粒子の場合において、少なくとも(且つ、好ましくは)1つの非加水分解性基を含む加水分解的に縮合性のシランを使用して表面修飾が行われる。この目的に好適な化合物の例としては、前述の成分a)からc)の加水分解性シランである。例えば、成分a)及び/又はb)の加水分解性シランの少なくともいくつかが、ナノスケール無機粒状固体の表面修飾のために使用され、これらの表面修飾粒子がコーティング組成物のために使用される場合、得られるコーティングは非常に有利である(耐引掻性)。或いは、表面修飾のためにフルオロシランが使用され得る。コーティング組成物中のこの種の表面修飾を有する粒状固体を使用することによって、フッ素の濃度勾配を有するコーティングを作ることが可能である。
【0046】
付加重合性/重縮合性基を有する1以上の化合物を使用してナノスケール無機粒状固体自体が調製される場合、(もちろん付加的な手段として可能ではあるが)続いて起こる表面修飾を必要としない。
【0047】
ナノスケール粒子のバリエーションは、一般に、対応する材料の屈折率及び耐薬品性の変化を伴う。例えば、SiO2粒子のZrO2及び/又はTiO2粒子による完全な又は部分的な置換は、より高い屈折率を有する材料を導き、ローレンツ−ローレンツ方程式に従って、屈折率が個々の成分の容量の付加的産物となる。SiO2粒子の一部又は全てのベーマイト、ZrO2及び/又はTiO2粒子による置換は、高いアルカリ耐性の材料を導く。
【0048】
ナノスケール無機粒状固体は、例えば、コーティング組成物中において、成分a)1モルあたり0.20から2.00モルの量が使用される。好ましい量は、成分a)1モルあたり0.7から1.7、特に1.0から1.4モルの範囲である。
【0049】
Si、Ti、Zr、Al、B、Sn及びVからなる群からの元素の加水分解性化合物(e)をコーティング組成物に更に添加することも可能である。それらは、好ましくは、成分(a)の加水分解性シラン化合物を用いて加水分解される。化合物(e)は、一般式RXM4+R'4-X又はRXM3+R'3-X [ここで、Mはa]Si4+、Ti4+、Zr4+又はSn4+、又はb]Al3+、B3+又は(VO)3+であり、Rは加水分解性基であり、R'は非加水分解性基であり、Xは4価の金属原子の場合(ケースa)は1から4であり得、3価の金属原子(ケースb)の場合は1から3であり得る。]のSi、Ti、Zr、Al、B、Sn又はVの化合物を含む。2以上の基R及び/又はR'が1つの化合物(e)中に存在する場合、それぞれが同一であっても異なっていてもよい。Xは好ましくは1より大きい、つまり、化合物(e)は少なくとも1、好ましくは2以上の加水分解性基を有する。
【0050】
加水分解性基の例としては、ハロゲン(F、Cl、Br及びI、特にCl及びBr)、アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ又はtert-ブトキシのようなC1-4アルコキシ)、アシルオキシ(特に、アセトキシ及びプロピオニルオキシのようなC1-4アシルオキシ)が挙げられる。特に好ましい加水分解性基はアルコキシ基であり、具体的にはメトキシ及びエトキシである。
【0051】
非加水分解性基の例としては、アルキル基(特に、メチル、エチル、プロピル及びブチルのようなC1-4アルキル)が挙げられ、それは適当な場合、ハロゲン及びアルコキシのような1以上の置換基を含んでいてもよい。メタクリロイル−及び、メタクリロイルオキシプロピル−基もまた、この文脈において使用され得る。明らかなように、これらの化合物(e)(特に、ケイ素化合物)もまた、C-C二重結合又は三重結合を含む非加水分解性基を有していてもよい。
【0052】
更に、本発明において使用されるコーティング組成物は、溶媒、溶解染料、有色顔料、レベリング材、流動学的添加剤、UV安定剤及び重合触媒のような通常の添加剤を含んでいてもよい。
【0053】
成分の簡単な混合比を設定し、流動学的性質を調整するために、適切な場合には、低級アルコールが留去された後に、不活性溶媒を添加することも可能である。これらの溶媒は、好ましくは、室温で液体であるグリコールエーテル及びアルコールである。特に好ましい溶媒は、C1-8アルコール、特に、低沸点溶剤として1−ブタノール、及びグリコールエーテル、特に、高沸点溶剤として1−ブトキシエタノールである。
【0054】
支持体への適用は、例えば、浸漬、塗布、はけ塗り、ナイフ塗布、ロール塗り、吹付、流し塗及びスピンコーティングのような標準のコーティング技術によって行われる。好ましくは10から100μm、より好ましくは20から70μm、特に30から50μmの未乾燥塗膜を適用するのが好ましい。架橋コートの厚さは、0.5から50μm、好ましくは1から20μm、特に2から10μmであるべきである。自己架橋は、一般に、20℃の周囲温度で起こり、3時間以内で乾燥状態5に、48時間以内で乾燥状態6になる。所望であれば、もちろん、より速い乾燥は高温によって達成され得る。
【0055】
コーティングのための支持体材料を選択する際に、制限は無い。コーティング組成物は、好ましくは、木、布、紙、石器、金属、ガラス、セラミック、プラスチック及びアルコール耐性有機ペイント、インク及びプラスターのコーティングに適している。組成物は、ペイントされた支持体、特に2K PUトップコートを有する支持体、金属又はペイントされた金属表面、及び自然又は人工の石のコーティングに、特に適している。車体のトップコート、建物の表面及び外観要素は、特に、本発明で得られるコーティング組成物を用いてコートされ得る。更なる使用分野は、医療器具、医用工学(歯科材料)、乗り物の外面(フロントガラス及びミラーも)、航空機、モーター及びプロペラ、食品調製装置、ミルク生産及び加工、及びパイプを含む。
【0056】
本発明においてコートされた物品は、永続的な付着防止表面を得、この表面に適用されたグラフィティー又はペーストで粘着されたポスターは、容易且つ単純に取り除くことができる。本発明のコーティング組成物を用いると、特に上記の成分間の好ましい割合が維持される場合、良好な付着性、耐摩耗性及び耐引掻性、及び、撥水、撥油及び撥ペイント性を有するコーティングが得られる。自己架橋性コートは、無色透明、耐引掻性であり、20mJ/m2未満の表面エネルギーを有する。
【0057】
コーティング組成物は、特に、先ず、2つの別々の貯蔵可能な成分(A)及び(B)が調製され、次いで混合することによってすぐ適用できるコーティング組成物を与える方法によって得られ得る。操作の容易さのために、2成分の濃度は、混合する際に、例えば、1部の(b)に対して3部の(a)のような単純な(整数の)質量比を得るために1以上の溶媒を使用して調整されうる。混合された成分(A)及び(B)のポットライフは、成分a)及びb)の加水分解性シラン化合物の性質及び割合並びに使用される溶媒の量によって決定され、好ましくは1.5から5時間である。
【0058】
成分a)からc)の加水分解性シランは、モノマーとして又は部分的に縮合した形態で使用され得る。1つの好ましい態様において、成分a)及びb)の1つ、好ましくは成分a)は、共縮合形態のフルオロシランと共に使用される。1つの好ましい実施態様において、2成分コーティングシステムの成分(A)は、そのような共縮合物を含む。この目的のために、フルオロシランは、好ましくは、成分a)のシリコン化合物のプレ加水分解物に添加され、共加水分解される。この方法は、コート表面でのフルオロシランの強い集積(強いフッ素勾配)を有するコーティングに導く。低いフッ素勾配にセットするためには、フルオロシランは、加水分解性化合物(e)又は10重量%の粒状材料(d)とは別々に又は一緒にプレ加水分解され、次にケイ素化合物(a)のプレ加水分解物に添加されてもよい。フルオロシランが成分a)のプレ加水分解物中で溶解性が制限される場合、アルコールを安定剤として添加することもできる。反応混合物は、添加されたフルオロシランが加水分解されるまで室温で十分に撹拌される。
【0059】
以下に示す実施例は、本発明を説明する。
【0060】
実施例1
成分(A)の調製
シラン化合物(成分a)を好ましくは室温で、所望であれば酸性触媒を使用して、好ましくは加水分解性基1モルあたり約2.5モルの水を使用して水溶液中でプレ加水分解される。室温とは20から23℃を意味する。プレ加水分解のための触媒として、0.1Nの塩酸を使用するのが好ましい。加水分解は、一般に、塩酸を用いて導入された水の約3分の1が消費されるまで続けられる。加水分解の間の残った水の量は、カール−フィッシャー滴定を使用してモニターされ得る。
【0061】
成分a)のシラン化合物として2.5モルのGTPSを用いた典型的な値は、4時間の反応時間、25重量%の残った水の量(最初の数値は36重量%)、及び29SiNMRに従った25から30%の典型的なSi縮合度(25から28%T0、60から65%T1、及び8から11%T2のSi種)である。これらの条件下で、エポキシド環が開いてグリコールを形成することはない(13CNMR)。
【0062】
フルオロシラン成分は、共縮合のために添加されてもよい。1モルのGTPSプレ縮合物及びフルオロシランとして、0.009モルの1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリエトキシシランを用いて、好適な条件は、可溶化剤として(B)1gあたり130gのメタノールを添加して、4時間の反応時間である。更なる典型的な数値は、9重量%の残った水含量及び、29SiNMRに従った34から38%の典型的なSi縮合度(10から15%T0、62から67%T1、及び20から24%T2のSi種)である。ゾルの表面張力は、25℃で25から27mN/mである(Wilhelmy法によって測定)。
【0063】
加水分解中に形成された低級アルコール及び任意の添加された可溶化剤は、後に続く減圧蒸留によって除去され、縮合度は、粗成分(A)が実質的に縮合していないSi種がないような程度まで上昇する。共沸混合物が蒸留中に留去されたら、蒸留を通した水の損失量を元に戻すのが好ましい。40℃の浴温、75ミリバールの最終圧力での減圧蒸留を用いた上記の例からの典型的な数値は、12から14重量%残留水含量を有する粗縮合物(a)の22から29重量%の収率、及び60から64%のSi縮合度(0から2%T0、26から32%のT1、52から66%のT2及び11から19%T3のSi種)である。水の損失を元に戻すことは、典型的には、1gの蒸留残渣あたり0.25から0.30gの水が必要である。
【0064】
成分(B)の調製
シラン化合物(成分b)は、ナノスケール無機粒状固体d)と混合し、粒状材料の表面の熱処理によって縮合される(表面修飾)。この目的のために、シラン化合物b)は、好ましくは十分に撹拌しながら水の非存在下に加熱され、約30重量%の固体フラクションを有するアルコール性ゾルの形態の粒状材料d)を、滴下する。アルコール性ゾルは、メタノール中SiO2またはイソプロパノール中SiO2として、例えば、Nissan Chemical Industries,Ltdから直接入手できる。混合物を使用されるアルコールの還流下に24時間加熱した。得られたものは、無色で半透明な懸濁液である。
【0065】
イソプロパノール中0.4モルのAPTS及び1.2モルのSiO2を使用する際の典型的な値は、1重量%未満の水含量、12から20%のSi縮合度(50から54%T0、39から43%T1、5から9%T2)である。表面修飾の間に形成された低級アルコールは、後に続く減圧蒸留によって、懸濁液からアルコールと一緒に除去され、再び使用され得る。40℃の浴温及び40ミリバールの最終圧力を用いる減圧蒸留の場合において、上記例からの典型的な値は、1重量%未満の残留水含量及び20から44%のSi縮合度(41から45%T0、45から49%T1、8から12%T2)を有する表面修飾SiO2(b)の50から54%収率である。
【0066】
スプレーコーティングとしての使用のための典型的な添加は、成分(a)1gあたり1.7gの溶媒及び成分(b)1gあたり0.9gの溶媒であり、成分(b)1重量部に対して成分(a)3重量部の割合で混合する。
【0067】
実施例2
成分(A)の調製
5lの反応器中20℃で撹拌下に、1147.5g(4.855モル)のGPTSを654.3g(36.35モル)の0.1N塩酸で加水分解した。4時間後、22.8554g(GPTSに関して0.0448モル、0.92モル%)の1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリエトキシシラン(FTS)及び3000gのメタノールをGPTS加水分解物に添加し、透明な溶液を得た。均質な反応混合物は、更なる加工の前に4時間撹拌した。3387.13gの反応混合物から始めて、40℃の水浴温度で75ミリバールまでの圧力でロータリーエバポレーターで留去を行った。蒸留はpa=140ミリバールの圧力で始め、1時間ごとに20ミリバール減少させた。結果は、900.57gの高い粘度の残渣(粗成分(A))であった。蒸留の前後の水含量(10.97重量%及び12.95重量%)から、255.12gの水が共沸混合物として留去されたことが算出された。255.12gの蒸留水を撹拌下に添加した。室温で、190.81gのブチルグリコールを撹拌下に109.28gの生成物に添加した。
【0068】
成分(B)の調製
1160.68g(6.474モル)の3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTS)を、KPGスターラーを用いて撹拌しながら、6lの反応器中で水分非存在下で80℃に加熱した。イソプロパノール中3861.00gの30重量%のSiO2懸濁液を、加熱されたAPTSにゆっくりと添加し、十分に撹拌しながら滴下漏斗から滴下し、1時間にわたって添加を行った。添加の後、24時間、温度を80℃に保った。
【0069】
無色で半透明な反応混合物は、水浴の温度40℃で40ミリバールまでの圧力下で、ロータリーエバポレーターで蒸留した。蒸留はpa=130ミリバールの圧力で始め、1時間ごとに15ミリバール低下させた。室温で、2611.3gの蒸留残渣に撹拌しながら、35.7gのブチルグリコール及び1911.1gの1−ブタノールを添加した。
【0070】
成分(A)及び(B)の混合及び処理
100gの成分Bを、撹拌しながら300gの成分(A)に添加した。この混合物は2時間より長いポットライフを有していた。1.4mmのノズル及び4バールの空気圧を有する重力供給カップタイプ(gravity-feed cup-type)のスプレーガンを使用して、混合物をアルミニウムパネル、白色の2Kポリウレタンペイント(2K PUペイント、ICI Autocolor Turbo Plus topcoat)でペイントされたスチールパネル、大理石パネル及びテラコッタタイルに25〜50μm厚の未乾燥塗膜で適用した。フラッシュオフ(flash-off)時間は30分で、20℃で3時間貯蔵した後に乾燥状態5に到達した。20℃で48時間貯蔵した後、乾燥状態は6であった。乾燥塗膜厚さは5から10μmであった。
【0071】
コートされた支持体は以下の試験を受けた:
クロス−カット(Cross-cut)試験:EN ISO 2409: 1994
“2K PUトップコートを有するスチールパネル”支持体上の実施例2のコーティング材料は、クロスカット値0及びテープ試験値1を有する。アルミニウムパネル上で、実施例2由来のコーティング材料はクロスカット値0でテープ試験値0を有することがわかった。
【0072】
湿潤性
実施例2のコーティング材料の表面エネルギーは試験インク(Arcotec由来及びTigres由来)を使用して測定し、20mJ/m2より小さかった。水及びヘキサデカンの前進接触角は、ドロップ法で測定し、水については100°、ヘキサデカンについては48°であった。
【0073】
テ−バー磨耗試験(Taber Abraser Test):磨耗試験DIN 52347(1000サイクル、CS10F、500g)
“2K PUトップコートを有するスチールパネル”支持体は、2.4mg/100サイクルの磨耗を有していた。“2K PUトップコートを有するスチールパネル”支持体上の実施例2のコーティング材料支持体は、0.4mg/100サイクルの磨耗を有していた。
【0074】
スクライブ硬度試験
スクライブ硬度(40倍の拡大で見える引掻跡ができるまで、試験下のコート上を動くビッカースダイアモンドへの質量負荷)は、“2K PUトップコートを有するスチールパネル”支持体について<1g、“2K PUトップコートを有するスチールパネル”支持体上の実施例2のコーティング材料について4gであった。00グレードのスチールウールを使用した実験磨耗試験において、“2K PUトップコートを有するスチールパネル”支持体上の実施例2のコーティング材料は、“2K PUトップコートを有するスチールパネル”支持体とは違って、目に見えて引掻かれなかった。
【0075】
フェルトペン試験
フェルトペン(Eddingからの3000黒及びHerlitzからの赤)を使用して、1×1cm2の正方形を“2K PUトップコートを有するスチールパネル”支持体及び“2K PUトップコートを有するスチールパネル支持体上の実施例2のコーティング材料”に適用し、20℃で2時間乾燥した。その正方形をイソプロパノールに浸したペーパークロスで拭いた。フェルトペンの跡は、“2K PUトップコートを有するスチールパネル上の実施例2のコーティング材料”支持体から光学的に完全に除去されたが、他方、“2K PUトップコートを有するスチールパネル”支持体の場合は、染料の内側への拡散によって、青(Edding 3000)及び赤(Herlitz赤)の影を残した。
【0076】
グラフィティ試験
アルキド樹脂に基く溶液型スプレー式塗料を、グラフィティ塗料として使用した(Schell由来)。スプレー式塗料を支持体に覆い隠すように適用し、8時間フラッシュオフし、ついで50℃で48時間焼付した。クリーニングクロスと組み合わせた溶媒(イソプロパノール、アセトン)及び市販のグラフィティクリーナー(EllからのSpray-out)及び冷水を用いる高圧クリーナー(Karcherから)を使用して、洗浄が行われた。評価は実験者によってなされた。
【0077】
結果は以下の表に要約する:
【0078】
【表1】
Figure 0005025061
【0079】
ポスター試験
製造業者の使用説明書(HenkelからのMetylan Spezial(合成樹脂の添加されたメチルセルロースに基くペースト))に従って調製されたペーストを、大理石パネル及び実施例2のコーティングを有する大理石パネルに適用し、紙のポスターを付着させた。その貼られた支持体を20℃で24時間乾燥した。支持体からポスターを機械的に取り除くことが試みられた。コートされていない大理石パネルの場合は、実験者は、ポスターの最上層を少しずつ取り除こうとし、強く付着した紙の部分がパネル上に残った。コートされた大理石パネルの場合、紙の端を乾燥した後、ポスターは部分的な剥離を受け、うねった。実験者は、うねった部分から始めて、容易に完全にポスターを取り除くことができた。実験は同じ側から3回繰り返し、結果は変化しなかった。

Claims (15)

  1. a)少なくとも1つの非加水分解性置換基を含む少なくとも1つの加水分解性シラン、該シランは少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上の求電子性基Xを含む、
    b)少なくとも1つの非加水分解性置換基を含む少なくとも1つの加水分解性シラン、該シランは少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上の求核性基Yを含む、及び
    c)ケイ素原子から少なくとも2つの原子によって分離される1以上の脂肪族炭素原子に結合した平均2から30のフッ素原子を有する少なくとも1つの非加水分解性炭素性基を含む少なくとも1つの加水分解性シラン、
    該シラン(a)、(b)及び/又は(c)は所望であれば事前縮合を受け、シラン(a)は全部若しくは一部を少なくとも2つの基Xを含む有機化合物によって置換されるか、又はシラン(b)は全部若しくは一部を少なくとも2つの基Yを含む有機化合物によって置換されることが可能である、
    に基く自己架橋性コーティング組成物を調製し、成分a)及び成分c)が、該コーティング組成物中で共重縮合物の形態で使用されることを特徴とし、該コーティング組成物を支持体に適用し、該コーティング組成物を周囲温度(40℃以下)で硬化させてコーティングを形成することによる支持体のコーティング方法。
  2. d)必要に応じて表面修飾されたナノスケール無機粒状固体がコーティング組成物中に付加的に使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 求電子性基Xがエポキシ、無水物、酸ハロゲン化物又はイソシアネート基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 求核性基Yがアミノ又はヒドロキシル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 加水分解性アミノシランが成分b)として使用され、ナノスケール無機粒状固体d)がアミノシランの少なくとも一部で表面修飾されたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
  6. ナノスケール無機粒状固体d)が加水分解性フルオロシランc)の少なくとも一部で表面修飾されたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
  7. 基X:Yのモル比が5:1から1:1の範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 成分a)1モルあたり0.005から0.05モルのフルオロシランc)及び、存在する場合には、0.2から2.0モルのナノスケール無機粒状固体d)がコーティング組成物中に使用されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法によって得ることができるコートされた支持体。
  10. 少なくとも1つの非加水分解性置換基を含有する少なくとも1つの−必要に応じてプレ縮合された−加水分解性シラン(a)を含む成分(A)、該シラン(a)は少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上の求電子性基Xを有する、及び
    少なくとも1つの非加水分解性置換基を含有する少なくとも1つの−必要に応じてプレ縮合された−加水分解性シラン(b)を含む成分(B)、該シラン(b)は少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上の求核性基Yを含む
    によって特徴付けられ、シラン(a)は全部若しくは一部が少なくとも2つの基Xを含む有機化合物によって置換されるか、又はシラン(b)は全部若しくは一部が少なくとも2つの基Yを含む有機化合物によって置換されることができ、並びに成分(A)及び/又は(B)は、更に、ケイ素原子から少なくとも2つの原子によって分離される1以上の脂肪族炭素原子に結合した平均2から30のフッ素原子を有する少なくとも1つの非加水分解性炭素性基を含有する加水分解性シラン(c)を含み、フルオロシランc)がプレ縮合された成分(A)に共縮合されることを特徴とする
    自己架橋性2成分コーティングシステム。
  11. 必要に応じて表面修飾されたナノスケール無機粒状固体(d)が成分A)及び/又は成分B)に付加的に使用されることを特徴とする請求項10に記載の自己架橋性2成分コーティングシステム。
  12. 求電子性基Xがエポキシ、無水物、酸ハロゲン化物又はイソシアネート基であることを特徴とする請求項10又は11に記載の自己架橋性2成分コーティングシステム。
  13. 求核性基Yがアミノ又はヒドロキシル基であることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の自己架橋性2成分コーティングシステム。
  14. 成分b)が加水分解性アミノシラン及びナノスケール無機粒状固体d)を含み、ナノスケール無機粒状固体がアミノシランの少なくとも一部で表面修飾されたことを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の自己架橋性2成分コーティングシステム。
  15. 成分(A)及び/又は成分(B)が、加水分解性フルオロシランc)の少なくとも一部で表面修飾されたナノスケール無機粒状固体d)を含むことを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の自己架橋性2成分コーティングシステム。
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