JP5024375B2 - 質量分析装置 - Google Patents

質量分析装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5024375B2
JP5024375B2 JP2009516076A JP2009516076A JP5024375B2 JP 5024375 B2 JP5024375 B2 JP 5024375B2 JP 2009516076 A JP2009516076 A JP 2009516076A JP 2009516076 A JP2009516076 A JP 2009516076A JP 5024375 B2 JP5024375 B2 JP 5024375B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ionization
chamber
ions
intermediate vacuum
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009516076A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008146333A1 (ja
Inventor
秀明 出水
潔 小河
佳一 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Publication of JPWO2008146333A1 publication Critical patent/JPWO2008146333A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5024375B2 publication Critical patent/JP5024375B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/04Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components
    • H01J49/0459Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components for solid samples
    • H01J49/0463Desorption by laser or particle beam, followed by ionisation as a separate step
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • H01J49/16Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission
    • H01J49/161Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission using photoionisation, e.g. by laser
    • H01J49/162Direct photo-ionisation, e.g. single photon or multi-photon ionisation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • H01J49/16Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission
    • H01J49/161Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission using photoionisation, e.g. by laser
    • H01J49/164Laser desorption/ionisation, e.g. matrix-assisted laser desorption/ionisation [MALDI]

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Description

本発明は質量分析装置に関し、さらに詳しくは、例えば大気圧イオン化質量分析装置のように分析対象の試料を大気圧下に導入する又は設置し、これから生成されたイオンを高真空雰囲気中まで輸送して質量分析を行う差動排気系の質量分析装置に関する。
大気圧条件下又は大気圧に近いガス圧条件下で試料をイオン化する大気圧イオン化質量分析装置には、例えば、エレクロトスプレイイオン化質量分析装置(ESI−MS)、大気圧化学イオン化質量分析装置(APCI−MS)、大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析装置(AP−MALDI−MS)、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)などがある(例えば特許文献1など参照)。こうした大気圧下でのイオン化は、溶液など液体試料を扱う場合や、水分を多く含む試料、壊れ易い大きな分子を含む試料を分析したい場合などに特に有用である。
図3は従来の大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析装置(AP−MALDI−MS)の全体構成図である(特許文献2参照)。このAP−MALDI−MSでは略大気圧雰囲気であるイオン化室1と、質量分析器である四重極質量フィルタ18及びイオン検出器19が設置された分析室17との間に、それぞれ隔壁で隔てられた第1中間真空室10と第2中間真空室14とを備える。イオン化室1と第1中間真空室10との間は細径の加熱キャピラリ7を介して連通しており、第1中間真空室10と第2中間真空室14との間はスキマー12の頂部に形成された極小径の通過孔(オリフィス)13を介して連通している。
イオン源であるイオン化室1の内部はほぼ大気圧雰囲気(約105[Pa])になっており、次段の第1中間真空室10の内部はロータリポンプ20により約102[Pa]の低真空状態まで真空排気される。さらに、その次段の第2中間真空室14の内部はターボ分子ポンプ21により約10-1〜10-2[Pa]の中真空状態まで真空排気され、最終段の分析室17内は別のターボ分子ポンプ22により約10-3〜10-4[Pa]の高真空状態まで真空排気される。即ち、このMSでは、イオン化室1から分析室17に向かって各室毎に真空度を段階的に高くした多段差動排気系の構成とすることによって、最終段の分析室17内を高真空状態に維持するようにしている。
イオン化室1内には、分析対象の試料にマトリックスが混合されたサンプル3が塗布された金属製のサンプルプレート2が配置されている。レーザ光源4からパルス状に出射されたーザ光が反射鏡5、集光レンズ6を通してサンプル3に照射されると、サンプル3中のマトリックスは急速に加熱され、目的とする試料成分を伴って気化する。この際に試料成分はイオン化される。イオン化室1と第1中間真空室10との差圧により、加熱キャピラリ7を通してイオン化室1内の大気は第1中間真空室10に流れ込むから、上述のようにイオン化室1内で生成されたイオンもこの空気流に乗って加熱キャピラリ7中に引き込まれ、第1中間真空室10内に吐き出される。
第1中間真空室10内には第1イオンレンズ11が設けられており、第1イオンレンズ11により発生する電場は加熱キャピラリ7を介してのイオンの引き込みを助けるとともに、イオンをスキマー12のオリフィス13近傍に収束させる作用を有する。オリフィス13を通過して第2中間真空室14に導入されたイオンは、8本の円柱形状のロッド電極により構成されるオクタポール型の第2イオンレンズ15により収束され、隔壁16に穿設された開口を通して分析室17へと送られる。
分析室17内では、特定の質量(厳密には質量電荷比m/z)を有するイオンのみが四重極質量フィルタ18の長軸方向の空間を通り抜け、それ以外の質量を持つイオンは途中で発散する。即ち、質量に依るイオンの選別が行われる。そして、四重極質量フィルタ18を通り抜け得たイオンはイオン検出器19に到達し、イオン検出器19では到達したイオン量に応じたイオン強度信号を検出信号として出力する。通常、四重極質量フィルタ18には直流電圧に高周波電圧を重畳した電圧が印加されるが、その電圧値を変化させることで四重極質量フィルタ18を通過して来るイオンの質量を走査することができる。そこで、その電圧を走査することで質量を所定範囲で走査し、その際にイオン検出器19で得られる検出信号に対し所定のデータ処理を行うことで、所定の質量範囲の質量スペクトルを作成することができる。
特開平9−270244号公報 特開2006−190526号公報
上記のような大気圧イオン化質量分析装置では、大気圧下にあるイオン化室1から高真空雰囲気である分析室17までの差動排気系を形成する加熱キャピラリ7やオリフィス13などを通過する際に、イオンの一部が再結合による中性化や吸着などにより失われてしまう。また、MALDIなどでイオンを発生する際に、試料付近に十分な電場がないとイオンが再結合により中性化してしまう。この影響は周囲のガス圧が高い大気圧下では特に顕著である。
例えばイオン化室1内でのイオンの再結合を防ぐためにはイオン化室1内での電場を強くすればよいが、そうすると差動排気部である加熱キャピラリ7入口での電場の影響により加熱キャピラリ7を介してのイオンの透過率が一層下がり、イオン化の際にせっかく増量させたイオンを第1中間真空室10に十分に輸送できないという問題が生じる。また、イオンの透過率を上げるために加熱キャピラリ7の開口断面積を大きくすると、該開口を通して第1中間真空室10内により多量のガスが流れ込み易くなるために真空排気のためのロータリポンプ20の負荷が増大し、より高性能で高価格の真空ポンプを使用しなければならなくなるおそれもある。なお、イオン化室1だけでなく、第1中間真空室10や第2中間真空室14においても程度の差はあれ、事情は同じである。
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、差動排気系の質量分析装置において、高真空雰囲気の下での質量分析に供するイオンの量を増加させることで、質量分析の感度や精度を向上させることを主な目的としている。
上記課題を解決するために成された発明は、略大気圧雰囲気の下で目的の試料をイオン化するイオン化室と、高真空雰囲気の下でイオンを質量に応じて分離して検出する質量分析器を備えた分析室との間に、それぞれ小開口面積の開口部を介して連通する1乃至複数の中間真空室を配設した差動排気系の質量分析装置において、
前記イオン化室と次段の中間真空室とを連通する前記開口部としての加熱キャピラリと、
前記次段の中間真空室内に配設され、イオンを収束させて後段へと輸送するイオンレンズと、
前記イオン化室内で生成したイオンとともに少なくとも前記加熱キャピラリを通過して前記分析室に向けて輸送される試料由来の中性分子をイオン化するべく、前記次段の中間真空室内にあって前記加熱キャピラリの出口から吐き出され前記イオンレンズに導入されるまでの間のイオン流に向けてレーザ光を照射する及び/又はイオン流中に放電を起こす二次イオン化手段と、
を備えることを特徴としている。
発明に係る質量分析装置において、大気圧又はこれに近いガス圧の雰囲気にあるイオン化室内では、例えば大気圧レーザ脱離イオン化法、大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化法、エレクトロスプレイイオン化法、大気圧化学イオン化法などの各種イオン化法により液体状又は固体状の試料がイオン化される。このときにイオン化されなかった試料由来の中性分子とイオンとは入り混じって、イオン化室と次段の中間真空室との差圧により生じるガス流に乗り、開口部を経て該中間真空室に送られる。その途中で一部のイオンは再結合して中性分子に戻るため、もともとイオン化されなかった(又はイオン化直後に再結合した)中性分子と合わせて多数の中性分子がイオン流中に存在するが、こうした中性分子は中間真空室内でレーザ光の照射やコロナ放電などによる二次イオン化手段によりイオン化される。
即ち、発明に係る質量分析装置では、略大気圧下にあるイオン化室内で試料がイオン化され、さらにそれ以降の、最も真空度が高い分析室に達するまでの中間真空室内でも試料由来の中性分子のイオン化が行われる。これにより、従来は質量分析に利用されない中性分子として分析室に供給されたものの少なくとも一部がイオンとなって分析室に導入されるため、質量分析に供されるイオンの量を増加させることができる。その結果、質量に応じて選別されて検出器に到達するイオンの量も増加するため、信号強度を大きくすることができ、質量分析の感度や精度を向上させることができる。
また、イオン化室内の試料近傍でのイオンの再結合を抑制するために無理にイオン化室内の電場を強くする必要もないため、イオン化室から次段の中間真空室へイオンを送る開口部を経たイオンの透過効率を確保し易い。その点でも質量分析に供するイオンの量を増加させることができ、高感度、高精度の分析を行うことができる。
一般的に、差動排気系の大気圧イオン化質量分析装置では、略大気圧雰囲気であるイオン化室と次段の中間真空室との間で差圧が最も大きく、その両室を連通する開口部の中間真空室側の出口の近傍で、ガス流が断熱膨張により急に拡がる部分でガス圧の変化は最も大きくなる。そこで、発明に係る質量分析装置においては、上記二次イオン化手段によるイオン化をイオン化室と次段の中間真空室とを連通する開口部の出口とイオンレンズとの間で行う。
上述のようにガス圧の変化が大きな、具体的には、ガス圧が急激に下がる部位でイオン化が行われると、直進性の高い中性分子流がイオン化されることになるため、生成されたイオンはそれ以降の開口部を高い効率で通過する。従って、分析室に導入されるイオンの量を増加するのに有効であり、分析の感度や精度の向上を図ることができる。
また、イオン化室又は気化室と次段の中間真空室とを連通する開口部の出口付近では、真空雰囲気であるもののその真空度は比較的低い。そのため、残留ガスがイオン化時の分子の励起エネルギーを奪い、生成したイオンの結合が切れることを抑制する。即ち、解離を伴うイオン化が起こりにくい、いわゆるソフトなイオン化が行われるため、試料成分の分子量の推定などに有用な情報を得易い。
なお、好ましくは、上記二次イオン化手段によるイオン化が行われる部位に、イオン化を促進するガスを供給するガス供給手段をさらに備える構成とするとよい。このイオン化を促進するガスとは、具体的にはペニング効果により中性分子流の電離を促進するガスであり、例えばイソブタンなどを利用することができる。
この構成によれば、二次イオン化手段でのイオン化効率を上げることができるとともに、供給されるガスの副次的な作用により、生成したイオンの解離を抑えることもできる。また、特に生体試料切片などの試料に対しマトリックスを吹き付けることなく弱いレーザ光を当てることで中性分子の試料からの脱離のみを促し、その中性分子を次段の中間真空室内で効率良く、且つ解離を抑えつつイオン化することができる。それにより、試料の前処理が簡単になり、例えば切片の外観から得られる画像情報を損なうことなく質量分析が行えるという利点がある。
本発明の一実施例による大気圧イオン化質量分析装置の要部の構成図。 本発明の他の実施例による質量分析装置の要部の構成図(a)及びイオン光軸上での概略的な電位勾配を示す図(b)。 従来の大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化質量分析装置の全体構成図。
符号の説明
1…イオン化室
2…サンプルプレート
3…サンプル
4…レーザ光源
5…反射鏡
6…集光レンズ
7…加熱キャピラリ
10…第1中間真空室
11…第1イオンレンズ
12…スキマー
13…オリフィス
14…第2中間真空室
15…第2イオンレンズ
16…隔壁
17…分析室
18…四重極質量フィルタ
19…イオン検出器
20…ロータリポンプ
21、22…ターボ分子ポンプ
30…レーザ光源
31…反射鏡
32…集光レンズ
33…二次イオン化領域
40…放電電極
41…電圧発生部
本発明に係る質量分析装置の一実施例である大気圧イオン化質量分析装置について、図面を参照しつつ説明する。図1は本実施例によるAP−MALDI−MSの要部の構成図である。上述した従来のAP−MALDI−MSと同じ構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
この実施例のAP−MALDI−MSでは、特徴的な構成として、略大気圧雰囲気であるイオン化室1の次段の第1中間真空室10内にあって、本発明における開口部である加熱キャピラリ7の出口の近傍に二次イオン化領域33が設定されている。即ち、二次イオン化手段として、レーザ光を出射するレーザ光源30と、該レーザ光を反射する反射鏡31と、該反射鏡31で反射されたレーザ光を二次イオン化領域33に集光する集光レンズ32と、が設けられている。
この実施例のAP−MALDI−MSの特徴的な動作を説明する。レーザ光源4からパルス状に出射されたーザ光が反射鏡5、集光レンズ6を通してサンプル3に照射されると、サンプル3中のマトリックスは急速に加熱され、目的とする試料成分を伴って気化する。この際に試料成分はイオン化されるが、一部はイオン化せずに中性分子として残ったり、或いは一旦イオン化しても再結合により中性分子に戻る。こうした試料由来の中性分子が入り混じったイオンは、イオン化室1と第1中間真空室10との差圧により発生するガス流に乗って加熱キャピラリ7に入り、加熱キャピラリ7を経て第1中間真空室10内に吐き出される。
加熱キャピラリ7中ではガス流は例えば150〜400℃程度に加熱されるため、加熱キャピラリ7の出口からガス流が第1中間真空室10内に流出する際にガス流は断熱膨張し、略円錐状に拡がる。従って、このガス流の噴出流の進行に伴いガス圧は急激に低下する。二次イオン化領域33はちょうど、このガス圧が急激に低下する部位に定められており、上記ガス流に乗って吐き出される中性分子が混じったイオン流にレーザ光が当たることで、中性分子のイオン化が促される。
前述のように、初めからイオン化されなかった中性分子やイオン化室1内で再結合により発生した中性分子のほか、加熱キャピラリ7を通る際に再結合した中性分子も存在するため、第1中間真空室10中に噴出されるイオン流(中性分子流とみることもできる)には多量の中性分子が含まれるが、上記レーザ光の照射によりこうした中性分子がイオン化されるので、従来よりも多量のイオンが第1イオンレンズ11に導入される。そして、このイオンが第1イオンレンズ11によりスキマー12のオリフィス13近傍に収束され、前述のように第2中間真空室14を経て分析室17へと送られる。これにより、従来よりも多量のイオンを四重極質量フィルタ18に導入して質量分析に供することができるので、イオン検出器19で検出されるイオン強度を大きくすることができる。
図2は本発明の他の実施例による質量分析装置の要部の構成図(a)及びイオン光軸上での概略的な電位勾配を示す図(b)である。
上記実施例は、加熱キャピラリ7の出口で中性分子を二次的にイオン化するためにレーザ照射を利用していたが、この実施例では、加熱キャピラリ7の出口近傍に針状の放電電極40を配設し、電圧発生部41よりパルス状の高電圧(図2(b)のV4)を放電電極40に印加することによりコロナ放電を生じさせ、その放電により中性分子を電離させてイオン化する。この構成によっても、イオン化室1内でイオン化されなかったり途中で再結合したりした中性分子が第1中間真空室10内で二次的にイオン化されるので、より多量のイオンを質量分析に供することができる。
なお、一般に、レーザ照射によるイオン化と放電によるイオン化とではイオン化され易い分子の種類が異なるため、様々な種類の分子を高い効率でイオン化するためには、図1の構成と図2(a)の構成とを併せた構成とするとよい。
また、図1及び図2(a)の構成では、サンプル3に十分な強度のレーザ光を照射することでイオン化室1内でMALDIによるイオン化を行っているが、試料の種類によっては大気圧雰囲気の下で高い強度のレーザ光を照射すると熱変性が起こり易い。そこで、こうした熱変性を回避するためには、イオン化室1内で試料(この場合にはマトリックスを添加していない試料のみ)に、試料分子の脱離が起こる程度の弱いレーザ光を照射することで、試料から中性分子の離脱を促し、この中性分子をガス流に乗せて第1中間真空室10に送り込む。そして、加熱キャピラリ7の出口から噴出する試料由来の中性分子流にレーザ光を照射したり放電を起こしたりすることにより、中性分子をイオン化する。
この場合には、イオン化室1内では実際にはイオン化は行われず、試料からの気相状態の中性分子の離脱を促すだけであるので、イオン化室1は本発明における気化室として機能し、図1に示した二次イオン化領域33でのみイオン化が行われる。
さらにまた、上記のような第1中間真空室10内でのイオン化を促進するために、二次イオン化領域33の付近に所定のガス分子を供給するようにしてもよい。ここで所定のガス分子とはペニング効果を促進するためのガス分子であり、これによって中性分子の電離が促進されてイオン化効率を高めることができる。さらにまた、ガス分子が中性分子に接触して該中性分子がイオン化する際の過剰な励起エネルギーを奪うので、分子イオンの結合が切れる、つまり解離することを抑制することができる。これにより、いわゆるソフトなイオン化が行え、質量スペクトル上にフラグメントピークが出現しにくいので、目的成分の分子量の推定が行い易くなる。
なお、上記実施例は本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜、変形、修正、追加を行っても本願請求の範囲に包含されることは明らかである。

Claims (2)

  1. 略大気圧雰囲気の下で目的の試料をイオン化するイオン化室と、高真空雰囲気の下でイオンを質量に応じて分離して検出する質量分析器を備えた分析室との間に、それぞれ小開口面積の開口部を介して連通する1乃至複数の中間真空室を配設した差動排気系の質量分析装置において、
    前記イオン化室と次段の中間真空室とを連通する前記開口部としての加熱キャピラリと、
    前記次段の中間真空室内に配設され、イオンを収束させて後段へと輸送するイオンレンズと、
    前記イオン化室内で生成したイオンとともに少なくとも前記加熱キャピラリを通過して前記分析室に向けて輸送される試料由来の中性分子をイオン化するべく、前記次段の中間真空室内にあって前記加熱キャピラリの出口から吐き出され前記イオンレンズに導入されるまでの間のイオン流に向けてレーザ光を照射する及び/又はイオン流中に放電を起こす二次イオン化手段と、
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  2. 前記二次イオン化手段によるイオン化が行われる部位に、イオン化を促進するガスを供給するガス供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
JP2009516076A 2007-05-30 2007-05-30 質量分析装置 Expired - Fee Related JP5024375B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2007/000582 WO2008146333A1 (ja) 2007-05-30 2007-05-30 質量分析装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008146333A1 JPWO2008146333A1 (ja) 2010-08-12
JP5024375B2 true JP5024375B2 (ja) 2012-09-12

Family

ID=40074622

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009516076A Expired - Fee Related JP5024375B2 (ja) 2007-05-30 2007-05-30 質量分析装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5024375B2 (ja)
WO (1) WO2008146333A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101508146B1 (ko) * 2014-02-17 2015-04-07 광주과학기술원 기화-전자 이온화기 및 레이저 이온화기를 포함하는 에어로졸 질량분석기

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5390343B2 (ja) * 2008-12-26 2014-01-15 キヤノンアネルバ株式会社 質量分析方法およびそれに用いる質量分析装置
GB2556074A (en) 2016-11-17 2018-05-23 Micromass Ltd Axial atmospheric pressure photo-ionization imaging source and inlet device
DE102020120394B4 (de) * 2020-08-03 2023-10-12 Bruker Daltonics GmbH & Co. KG Desorptions-Ionenquelle mit Dotiergas-unterstützter Ionisierung
CN114354737A (zh) * 2022-03-18 2022-04-15 中国科学技术大学 一种具有常压激光解析电离和二次光电离的质谱成像装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61285649A (ja) * 1985-06-13 1986-12-16 Mitsubishi Electric Corp レ−ザ−質量分析装置
JPH06201567A (ja) * 1992-09-11 1994-07-19 American Teleph & Telegr Co <Att> 質量スペクトル測定用手段を含む装置
JPH08240566A (ja) * 1995-01-17 1996-09-17 At & T Corp レーザ支援による粒子分析
JP2005243573A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 試料分析装置
JP2005539358A (ja) * 2002-09-18 2005-12-22 アジレント・テクノロジーズ・インク 多モードイオン化源
JP2006190526A (ja) * 2005-01-05 2006-07-20 Shimadzu Corp 質量分析装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61285649A (ja) * 1985-06-13 1986-12-16 Mitsubishi Electric Corp レ−ザ−質量分析装置
JPH06201567A (ja) * 1992-09-11 1994-07-19 American Teleph & Telegr Co <Att> 質量スペクトル測定用手段を含む装置
JPH08240566A (ja) * 1995-01-17 1996-09-17 At & T Corp レーザ支援による粒子分析
JP2005539358A (ja) * 2002-09-18 2005-12-22 アジレント・テクノロジーズ・インク 多モードイオン化源
JP2005243573A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 試料分析装置
JP2006190526A (ja) * 2005-01-05 2006-07-20 Shimadzu Corp 質量分析装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101508146B1 (ko) * 2014-02-17 2015-04-07 광주과학기술원 기화-전자 이온화기 및 레이저 이온화기를 포함하는 에어로졸 질량분석기
WO2015122586A1 (ko) * 2014-02-17 2015-08-20 광주과학기술원 기화-전자 이온화기 및 레이저 이온화기를 포함하는 에어로졸 질량분석기

Also Published As

Publication number Publication date
WO2008146333A1 (ja) 2008-12-04
JPWO2008146333A1 (ja) 2010-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5601370B2 (ja) 大気圧イオン化質量分析装置
US8299444B2 (en) Ion source
US7259379B2 (en) On-axis electron impact ion source
JP5915797B2 (ja) 質量分析装置及び質量分析方法
US11631575B2 (en) Inductively coupled plasma mass spectrometry (ICP-MS) with improved signal-to-noise and signal-to-background ratios
JP2017527078A (ja) 定量分析のための調整式グロー放電法に基づくソフトイオン化
JP3752458B2 (ja) 質量分析装置
EP2807669A2 (en) Multinotch isolation for ms3 mass analysis
US7365315B2 (en) Method and apparatus for ionization via interaction with metastable species
JP5024375B2 (ja) 質量分析装置
WO2014127683A1 (zh) 离子产生装置以及离子产生方法
JP5023886B2 (ja) 大気圧maldi質量分析装置
JP4193734B2 (ja) 質量分析装置
JPWO2008090600A1 (ja) 質量分析装置
US11099161B2 (en) Ionizer and mass spectrometer
US20100193702A1 (en) Tandem ionizer ion source for mass spectrometer and method of use
JP3596375B2 (ja) 大気圧イオン化質量分析装置
US20050017164A1 (en) Liquid Chromatograph mass spectrometer
WO2018100621A1 (ja) イオン化装置及び質量分析装置
JP7403774B2 (ja) イソアスパラギン酸の分析方法、及び質量分析装置
JP2006189298A (ja) ガスクロマトグラフ質量分析装置及びそれを用いたバックグラウンドの低減方法
Kohno et al. Formation and detection of large neutral clusters from liquid beam surface by IR laser irradiation
CN113178380A (zh) 一种大气压电离质谱仪
JP2003083938A (ja) 質量分析装置
CN115346854A (zh) 质谱分析装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110506

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120522

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120604

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5024375

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees