JP5022870B2 - 変速操作機構 - Google Patents
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Description
この発明によれば、ロッドの軸上に推力調整用ダンパー機構を備えるので、ロッド駆動時の推力を調整してロッド駆動時の当接音を低減することができる。
また、上記構成において、前記シリンダの後端部に隔壁を介して連接されたニュートラルシリンダと、該ニュートラルシリンダ内を摺動自在なニュートラルピストンとを備え、前記ロッドが、前記ピストン、前記ダンパーピストン及び前記隔壁を貫通し、前記ニュートラルシリンダ内に延出し、前記ニュートラルピストンが、前記ロッドを押動自在に構成することが好ましい。
この変速操作機構10は、クラッチ操作を自動化した機械式自動変速機(以下、変速機という。)を有するトラック、バス等の車両に設けられ、ドライバー(運転者)の手動操作に従って、或いは、自動変速プログラムの制御に従って変速機の変速操作を行う機構である。本実施形態では、前進6段、後進1段の変速機を操作する変速操作機構について説明する。
図1(A)は変速操作機構10の平面図であり、図1(B)はその側面図である。なお、図1(A)に示す符号Frは、この変速操作機構10が搭載される車両の前方向を示しており、変速操作機構10の各方向は車両の各方向で説明する。また、図2は図1(A)を前側から見た一部断面図であり、図3は図1(A)を裏側から見た図である。
この変速操作機構10は、図1(A)(B)に示すように、略直方体形状のボックスケース11と、このボックスケース11の長手方向に直交するように連結されるアクチュエータケース12とを備え、平面視で略L字形状のユニットに構成される。この変速操作機構10は、ボックスケース11が車両の幅方向に沿って配置され、このボックスケース11の背面側にアクチュエータケース12が位置した状態で車両の変速機等に固定される。
シフト軸21は、図2に示すように、ボックスケース11の長手方向に沿って延出し、このボックスケース11に回動自在に支持されている。このシフト軸21には、基端部21Aにシフトレバー22(図2及び図1(B)参照)が固定され、このシフトレバー22の先端部が、後述するシフト用アクチュエータ50が駆動するシフトロッド51の切欠部52(図1(B)参照)に係止されてシフトロッド51に連結される。このシフトロッド51は、シフト用アクチュエータ50によって軸方向に駆動され、これによって、シフトレバー22が回転駆動してシフト軸21が回動し、このシフト軸21の回動により変速機のシフト操作が行われる。
このインターナルレバー(セレクト軸)31は、図4に示すように、ボックスケース11に設けられたセレクト軸駆動機構の一部を構成するセレクトレバー32によって駆動自在に支持されている。詳述すると、セレクト軸駆動機構は、ボックスケース11のケース本体11Aに支点Pを中心に回動自在に支持されると共にセレクトレバー32が先端に連結されるイクスターナルレバー33と、ケース本体11Aに支点Qを中心に回動自在に支持されるセレクトロッドレバー34とを有し、イクスターナルレバー33の基端部33Aに長孔33Bが形成され、この長孔33Bに通したレバーピン35を介してセレクトロッドレバー34に連結される。
この場合、セレクトレバー32が、図4に示す位置ではインターナルレバー31を、変速機が「5速−6速」にセレクト操作される位置に駆動し、図1(A)に示す位置ではインターナルレバー31を、変速機が「後進段」にセレクト操作される位置に駆動する。また、これら位置の間には、変速機が「1速−2速」及び「3速−4速」にセレクト操作される位置があり、これらの4位置にセレクトレバー32が選択的に駆動されることによって、インターナルレバー31を、「後進段」、「1速−2速」、「3速−4速」、「5速−6速」にセレクト操作する位置に駆動する。
図1(A)及び図4に示すように、セレクト軸駆動機構の各部材は、ボックスケース11のケース本体11Aに設けられた開口11A1内にてケース本体11Aに取り付けられており、この開口11A1は、当該ケース本体11Aにボルト連結される専用カバー11Cで閉塞される。従って、この専用カバー11Cを着脱することによってセレクト駆動機構の各部材の組み付け、分解及び各種メンテナンス作業を容易に行うことができる。
図5はアクチュエータ構造を示す断面図であり、図1(A)に示すシフトロッド51の軸線L1で切断した断面と、セレクトロッド81の軸線L2で切断した断面とを示している。
また、図1(A)(B)に示すように、シフト用シリンダ55の軸線L1(シフトロッドの軸線L1と同一)とセレクト用シリンダ85の軸線L2(セレクトロッドの軸線L2と同一)とは、アクチュエータケース12の幅方向に間隔を空けて配置されると共に、上下方向にも間隔を空けて配置されており、セレクト用シリンダ85がシフト用シリンダ55よりも上方に形成されている。
シフト用電磁弁91A〜91Cは、シフト用シリンダ55の軸線L1に直交すると共に、この軸線L1方向に間隔を空けて配置され、アクチュエータケース12のケースカバー12Bに設けられた単一のエアー供給口41から供給される高圧エアーを、当該電磁弁91A〜91Cのオンオフに応じて選択的にシフト用シリンダ55内へ供給し、これによってシフト用シリンダ55内のシフトロッド51を高圧エアーで駆動制御するものである。
また、セレクト用電磁弁91D〜91Fについても、セレクト用シリンダ85の軸線L2に直交するように配置され、上記単一のエアー供給口41から供給される高圧エアーを、当該電磁弁91D〜91Fのオンオフに応じて選択的にセレクト用シリンダ85内へ供給し、これによってセレクト用シリンダ85内のセレクトロッド81を高圧エアーで駆動制御するものである。
図6に示すように、アクチュエータケース12のケース壁には、セレクト用シリンダ85の下方であって、シフト用シリンダ55の側方に相当する領域に該シリンダ55、85の軸線L1、L2に直交する穴92が形成され、この穴92には、リレーバルブ93及びシフト用電磁弁91Aが順に組み込まれる。また、ケース壁には、シフト用シリンダ55の下方に、シフト用シリンダ及びセレクト用シリンダ55、85の軸線L1、L2に直交する穴94が形成され、この穴94には、セレクト用電磁弁91Eが組み込まれる。
リレーバルブ93が組み込まれる穴92には、奥側から順に、排気用流路105、第2の流路102、及び、第1の流路101にシフト用電磁弁91Aを介して連通する流路106が間隔を空けて開口する。そして、このリレーバルブ93は、シフト用電磁弁91Aがオフ(閉)の場合は、内蔵スプリング95の付勢力により、排気用流路105と第2の流路102とを連通するように駆動し、これによって、この第2の流路102を介してつながるシフト用シリンダ55内のエアーが大気圧を超えると、該エアーを排気用流路105を介して排気させる。
また、このリレーバルブ93は、シフト用電磁弁91Aがオン(開)の場合には、内蔵スプリング95の付勢力に抗して、第1の流路101につながる流路106と第2の流路102とを連通するように駆動し、第1の流路101内の高圧エアーを第2の流路102を介してシフト用シリンダ55内へ供給する。
また、第3の流路103は、セレクト用電磁弁91Eに連通し、第1の流路101及び第2の流路102に平行な流路103Aと、この流路103Aに直交してセレクト用シリンダ85に連通する直交流路103Bとによって構成される。このため、上記平行な流路103Aを、第1の流路101及び第2の流路102を形成するための穴加工時に座標変更のみで追加工することができ、また、上記直交流路103Bを、シフト用電磁弁91A及びセレクト用電磁弁91Eを挿入する穴の加工時に、加工工具径の変更及び座標変更のみで加工することができ、各流路を効率よく形成することができる。
これによって、アクチュエータケース12の上記単一の排気口110が、ボックスケース11を介して排気ホース111に連通し、単一の排気口110から排気されたエアーは、図5に矢印で示すように、ボックスケース11内部を通った後に排気ホース111へ流れ、外部へと排気される。
シフト用アクチュエータ50は、シフト用シリンダ55内を摺動自在なシフトピストン56を備え、このシフトピストン56にシフトロッド51が連結される。このシフトピストン56は、シフトロッド51との間にOリング57が介装されると共に、シフト用シリンダ55の内壁との間にパッキン58、59が介装され、各部材との間の隙間が閉塞される。
シフトピストン56の前端には小径部56Aが形成され、この小径部56Aには、環状の第1衝撃吸収部材61が配置される。この第1衝撃吸収部材61は、小径部56Aの外周に嵌合し、小径部56A及びシフトロッド51を貫通するピン62を介してシフトピストン56及びシフトロッド51に一体的に連結され、このピン62は第1衝撃吸収部材61の外周に巻かれたOリング63によって抜けが防止される。
また、シフト用シリンダ55には、シフトピストン56の後方側に環状の第2衝撃吸収部材(弾性材)64が嵌合され、シフトピストン56が図中右方向に移動した場合にシフトピストン56が当接する。この第2衝撃吸収部材64は、この当接力を緩和して当接音を低減可能な硬質樹脂等の弾性部材で形成され、これによって当接音が低減される。
また、隔壁65とシフトロッド51との間には、シフトロッド51の摺動面を構成する軸受73と、その隙間を閉塞するパッキン74とが配設され、また、アクチュエータケース12のケース本体12Aとシフトロッド51との間にも、シフトロッド51の摺動面を構成する軸受75と、その隙間を閉塞するパッキン76とが配設される。これによって、シフトロッド51の前後が、アクチュエータケース12及び隔壁65に対し、前後に滑らかに移動自在に軸受支持されると共に、各部材との間の隙間が適切に閉塞され、エアー漏れが防止される。
このダンパーシリンダ68は、シリンダ55に連通する開口Aと開口B1との間を仕切る仕切り部69Mを有し、この仕切り部69Mとシリンダ55との間にOリング77が介装され、開口Aに連通するシリンダ55内のロッド側後室RAと、開口B1に連通するシリンダ55内のダンパー室RB1とをエアー漏れなく仕切る。
この開口Aには、シフト用電磁弁91Aからの第2の流路102が連通し、シフト用電磁弁91Aがオン(開)の場合に、開口Aを介してシフトピストン56後方のロッド側後室RAに高圧エアーを供給し、シフト用電磁弁91Aがオフ(閉)の場合に、ロッド側後室RA内のエアーを排出可能にする。
ここで、シフトロッド51の基端部51Aは、シフトロッド51の中間部51Bの外径、及び、第1筒部69Aの突起部69Cの内径に比して大径に形成されており、このシフトロッド51が、先端側へ向かって移動した場合に、中間部51Bと基端部51Aとの境を構成する段部51Cがダンパーピストン69の突起部69Cに引っ掛かり、シフトロッド51と該ダンパーピストン69とが一体的に移動可能に構成されている。
さらに、シフト用シリンダ55のニュートラルピストン67を収容する後方室RCには、開口Cが設けられ、この開口Cは、ニュートラルピストン67の背側室に連通し、シフト用電磁弁91Cからの第2の流路102が連通する。このため、シフト用電磁弁91Cがオン(開)の場合には、開口Cを介して後方室RCに高圧エアーが供給され、また、シフト用電磁弁91Cがオフ(閉)の場合には、後方室RC内のエアーが排出可能になる。また、後方室RCのニュートラルピストン67の前側室には、アクチュエータケース12の排気口110につながる排気用の開口Gが連通している。
このシフト用アクチュエータ50は、シフト用電磁弁91B及びシフト用電磁弁91Cがオン(開)に制御されることによって、シフトロッド51をニュートラル位置に移動する。すなわち、図8に示すように、開口B1及びB2を介してシフト用シリンダ55内に高圧エアーが供給されると、シフトピストン56が高圧エアーを受けて図8中右方向へ移動すると共に、開口Cを介してシフト用シリンダ55の後方室RC内に高圧エアーが供給されると、ニュートラルピストン67が高圧エアーを受けて左方向へ移動する。
本構成では、ニュートラルピストン67の方がシフトピストン56よりも受圧面積が大に形成されるため、図8に示すように、ニュートラルピストン67の推力がシフトピストン56の推力を上回る。このため、図8に示すように、ニュートラルピストン67が隔壁65に当接し、かつ、このニュートラルピストン67にシフトロッド51が当接した位置となり、シフトロッド51がニュートラル位置で停止する。
また、この第1シフト位置へ移動する場合には、開口B1から供給される高圧エアーにより、ダンパーピストン69が図中左方向に移動し、シフトピストン56が第2衝撃吸収部材64に当接する直前にダンパーピストン69に当接し、このダンパーピストン69の受圧面積に応じた衝撃緩和力を発生し、ロッド51の推力を低減する。このため、シフトピストン56が第2衝撃吸収部材64に当接する際の当接音がより低減される。またこの第2衝撃吸収部材64は、ダンパーピストン69が当接した際に、この当接音についても低減可能である。
また、この第2シフト位置へ移動する場合には、シフトロッド51の段部51Cがダンパーピストン69の突起部69Cに引っ掛かり、シフトロッド51とダンパーピストン69とが一体に移動する。このため、ダンパーピストン69を移動する推力の分だけロッド51の移動速度が低減し、第2シフト位置へ移動した際の当接音がより低減される。
このように、ダンパーピストン69は、シフトロッド51を第1シフト位置へ移動する場合、及び、第2シフト位置へ移動する場合の双方において、ロッド51の推力を低減する推力調整用ダンパー機構として機能する。これによって、ロッド駆動時に生じる当接音を確実に低減することができる。
図11はセレクト用アクチュエータ80を示す図である。セレクト用アクチュエータ80は、セレクト用シリンダ85内を摺動自在なセレクトロッド81を備え、このセレクトロッド81の基端部81Aは、先端部81Bに比して大径に形成され、この基端部81Aと先端部81Bの間には大径のつば部(当接部)81Cが一体的に形成されている。
また、セレクト用シリンダ85には、当該シリンダ85内を摺動自在な略筒状の中間ピストン86が摺動自在に設けられ、セレクトロッド81の基端部81Aは、この中間ピストン86を貫通して後方へ延び、この中間ピストン86との間にウェアリング87、88及びパッキン89、90とが介装され、中間ピストン86との間の隙間が閉塞される。
また、セレクトロッド81の先端部81Bは、アクチュエータケース12のケース本体12Aを貫通して外部に露出し、ケース本体12Aとの間に、セレクトロッド81の摺動面を構成する軸受131と、その間の隙間を閉塞するパッキン132とが配設される。これによって、セレクトロッド81がアクチュエータケース12及び中間ピストン86に対して前後に滑らかに移動自在に支持される。
また、この中間ピストン86の大径部86Aとセレクト用シリンダ85との間には、パッキン134、135が介装されてこの間の隙間が閉塞される。これによって、中間ピストン86を挟んで前後の空間、つまり、セレクト用シリンダ85のロッド側室REと、中間ピストン86とケースカバー12Bとの間の中間室RFとが各室RE、RF間でエアーを流通不能に仕切られる。なお、ケース本体12Aとケースカバー12Bとの間にはOリング136が介装され、セレクト用シリンダ85内のエアー(中間室RF内のエアー)漏れが防止される。
また、上記中間室RFには、開口Fが連通しており、セレクト用電磁弁91Fがオン(開)の場合に、開口Fを介して高圧エアーが供給され、また、セレクト用電磁弁91Fがオフ(閉)の場合には、中間室RF内のエアーが排出可能に構成される。
このセレクト用シリンダ85の後方室RDには、開口Dが連通しており、セレクト用電磁弁91Dがオン(開)の場合に、開口Dを介して高圧エアーが供給され、セレクト用電磁弁91Dがオフ(閉)の場合には、後方室RD内のエアーが排出可能に構成される。
ここで、上記図11は第2セレクト位置(中間ポジション)の状態を示しており、図12(A)は、第1セレクト位置の状態を示しており、図12(B)は、第3セレクト位置の状態を示しており、図12(C)は、第4セレクト位置の状態を示している。
本構成では、図11に示すように、開口Eを介して高圧エアーが供給されるロッド側室REでは、セレクトロッド81の受圧面積が、セレクトロッド81の基端部81Aの断面積から先端部81Bの断面積を差し引いた面積に相当し、この面積は、開口Dを介して高圧エアーが供給される後方室RDでの、リアピストン141の受圧面積(断面積に相当)よりも小さく設定されている。このため、セレクトロッド81の推力よりもリアピストン141の推力の方が大きくなる。
従って、リアピストン141は、中間ピストン86に当接するまで図中左方向へ移動し、中間ピストン86は、ケースカバー12Bの端部12B1に当接するまで図中右方向へ移動し、セレクトロッド81が中間ポジションで停止する。
この時間がずれると、リアピストン141とセレクトロッド81とが中間ポジションに対応する位置に各々移動するタイミングがずれてしまい、リアピストン141又はセレクトロッド81の位置ずれが生じ、中間ポジションになるまでに時間を要してしまう問題が生じる。
これに対し、本構成では、かかる充填及び排気のタイミングのずれを回避できるので、迅速に中間ポジションにすることができる。
また、リアピストン141の受圧面積(リアピストン141の断面積からセレクトロッド81の基端部81Aの断面積を差し引いた面積に相当)は、中間ピストン86の受圧面積より小さく設定されているため、リアピストン141の推力よりも中間ピストン86の推力が大きくなり、第3セレクト位置に移動し、保持される。
このようにして、本構成のセレクト用アクチュエータ80は、第1セレクト位置から第4セレクト位置までの4位置にセレクトロッド81を選択的に移動することができる。
しかも、シフトロッド51をシリンダー外側に引き出す場合(伸長方向に押動する場合)に、このシフトロッド51の段部51Cがダンパーピストン69の突起部69Cに引っ掛かって該ロッド51の推力(移動速度)を低減するようにしたので、これによっても、シフトロッド駆動時に生じる当接音を低減することができる。
ここで、一般に、本構成のシフト用アクチュエータのような空圧アクチュエータを用いた場合、空気が圧縮性流体であるため、駆動開始時のエアー圧が高くなって移動部材の推力が大きくなる。本構成では、移動部材であるロッドの推力を低減する推力調整用ダンパー機構を備えたため、従来のものに比して当接音を大幅に低減することができる。
さらに、シフトピストン56とダンパーピストン69との間に第2衝撃吸収部材(弾性部材)64を設けたので、シフトピストン56がダンパーピストン69に向かって移動した場合に、第2衝撃吸収部材64に当接し、この第2衝撃吸収部材64によってもロッド駆動時に生じる当接音を低減することができる。
また、各アクチュエータ50、80のシリンダ軸を平行に配置してシフトロッド51及びセレクトロッド81の各軸を平行に配置したので、これらを近接配置でき、これによってもアクチュエータケース12の小型化が可能になる。
また、シフト用電磁弁91A〜91Cをシフト用アクチュエータ50の軸線L1に直交させ、セレクト用電磁弁91D〜91Fをセレクト用アクチュエータ80の軸線L2に直交させて配置したので、各電磁弁91A〜91Fを各アクチュエータ50、80の軸線方向に間隔を空けて配置することによって各電磁弁91A〜91Fと各アクチュエータ50、80とをつなぐ流路を短くすることができる。
さらにまた、各アクチュエータ50、80をエアーシリンダで構成し、各アクチュエータ50、80のエアーの排気口110をボックスケース11に連通し、このボックスケース11を介して外部に排気する構成にしたので、トラップ構造を設けることなく、各アクチュエータ50、80への水の侵入を防止することができる。
図13乃至図15は、変形例に係るシフト用アクチュエータ50を示す図である。このシフト用アクチュエータ50は、前述したシフト用アクチュエータ50が、シフトピストン56と隔壁65との間に推力調整用ダンパー機構を設けるのに対し、推力調整用ダンパー機構を収容する別室のシリンダ(以下、ダンパーシリンダという)155を備えている。なお、上述のシフト用アクチュエータ50と略同一の部分は同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図13(A)はシフト用アクチュエータ50の側断面図であり、図13(B)はその背面図である。このシフト用アクチュエータ50は、ケース本体12Aとケースカバー12Bとを有する単一のアクチュエータケース12に構成され、ケース本体12Aとケースカバー12Bはボルト160で連結される。
ケース本体12Aとケースカバー12Bとの間には、隔壁を構成するスリーブ161が介装され、このスリーブ161によってケース本体12A内のシフト用シリンダ55と、ケースカバー12B内のダンパーシリンダ155とが仕切られる。
また、シフトロッド51の基端部51Yは、アクチュエータケース12を貫通し、その先端にシフトレバー22が連結される。
シフト用電磁弁91J、91Kには、単一のエアー供給口41から延びる第1の流路101が連通する。そして、この第1の流路101は、シフト用電磁弁91Jを介して該軸線L1に直交する方向に延びる第2の流路102Jに選択的につながり、この第2の流路102Jは、シフト用シリンダ55内のシフトピストン56の前側室RJにつながると共に、シフト用電磁弁91Kを介して該軸線L1に直交する方向に延びる第2の流路102Kに選択的につながり、この第2の流路102Kは、シフト用シリンダ55内のシフトピストン56の背側室RKにつながる。なお、上記第2の流路102J、102Kは、シフト用電磁弁91J、91Kがオン(開)の場合に、第1の流路101に各々連通し、シフト用電磁弁91J、91Kがオフの場合には、図示せぬシフト用電磁弁内の排気通路に連通するようになっている。
また、上記シフトピストン56の背側室RKは、スリーブ161とシフトロッド51との間の隙間S2を通ってダンパーシリンダ155に連通することによって、ダンパーピストン69の前側室RK1につながる。
このニュートラル位置から第1シフト位置にする場合、シフト用電磁弁91Jがオン(開)に制御される。この場合、図14に示すように、エアー供給口41から第1の流路101に供給された高圧エアーが、第2の流路102Jを通って前側室RJに供給され、シフトピストン56を押動してロッド51を第1シフト位置に移動する。このとき、前側室RJに供給された高圧エアーが、ダンパーピストン69の背側室RJ1に供給されるため、ダンパーピストン69の受圧面積に応じた衝撃緩和力が発生し、ロッド51の推力が低減され、ダンパーピストン69とスリーブ161との当接音が低減される。
このようにして、シフトロッド51を第1シフト位置へ移動する場合、及び、第2シフト位置へ移動する場合の双方において、ロッド51の推力を低減する推力調整用ダンパー機構をケースカバー12B内に構成することができる。
11 ボックスケース
12 アクチュエータケース
21 シフト軸
22 シフトレバー
31 インターナルレバー(セレクト軸)
41 エアー供給口
50 シフト用アクチュエータ
51 シフトロッド
56 シフトピストン
61 第1衝撃吸収部材
64 第2衝撃吸収部材(弾性材)
67 ニュートラルピストン
68、155 ダンパーシリンダ
69 ダンパーピストン(推力調整用ダンパー機構)
80 セレクト用アクチュエータ
81 セレクトロッド
86 中間ピストン
91A〜91C、91J、91K シフト用電磁弁
91D〜91F セレクト用電磁弁
93 リレーバルブ
141 リアピストン
161 スリーブ(隔壁)
Claims (4)
- シフト軸或いはセレクト軸を作動するアクチュエータが、
シリンダと、
該シリンダ内を摺動自在なピストンと、
該ピストンに連結したロッドとで構成され、
前記ロッドの軸上に推力調整用ダンパー機構を備え、
前記ピストンの前端には、前記シリンダの壁と当接して前記ロッドを第1シフト位置に位置決めすると共にその当接力を緩和する衝撃吸収部材(64)が設けられる一方、前記シリンダには、前記ピストンが当接して前記ロッドを第2シフト位置に位置決めすると共にその当接力を緩和する他の衝撃吸収部材(61)が設けられ、
前記ダンパー機構が、
前記シリンダより内径が小さいダンパーシリンダと、
該ダンパーシリンダ内及び前記ロッド外周上を摺動するダンパーピストンとを備え、
前記シリンダのロッド側室に作動エアーを供給して前記第1シフト位置にする場合、前記ダンパーピストンの背側室に該作動エアーを流動させて、前記ロッドと一体に移動する前記ピストンが前記衝撃吸収部材(64)に当接する直前に、前記ダンパーピストンを前記ロッド側に当接させて前記ダンパーピストンの受圧面積に応じた衝撃緩和力を発生させるとともに、
前記ダンパーピストンの内周に突起を備え、該突起に係合自在な段部を前記ロッドの外周に備え、前記シリンダ内に作動エアーを供給して前記第2シフト位置にする場合、前記他の衝撃吸収部材(61)が前記シリンダの壁に当接する前に、前記段部に前記突起を係合させて前記ロッドの移動速度を低減させることを特徴とする変速操作機構。 - 前記ピストンの前端に小径部を形成し、
該小径部に環状の前記他の衝撃吸収部材(61)を嵌合し、
該他の衝撃吸収部材(61)と前記小径部をピンで一体化したことを特徴とする請求項1に記載の変速操作機構。 - 前記シリンダの後端部に隔壁を介して連接されたニュートラルシリンダと、
該ニュートラルシリンダ内を摺動自在なニュートラルピストンとを備え、
前記ロッドが、前記ピストン、前記ダンパーピストン及び前記隔壁を貫通し、前記ニュートラルシリンダ内に延出し、
前記ニュートラルピストンが、前記ロッドを押動自在に構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の変速操作機構。 - 前記シリンダを有するケース本体と、
該ケース本体に連結され、前記ダンパーシリンダを有するケースカバーとを備え、
前記シリンダ内のピストンに連結したロッドが、前記ケースカバー内のダンパーシリンダ内に延出すると共に、前記シリンダのロッド側室と前記ダンパーシリンダ内のダンパーピストンの背側室とを連通する貫通孔を有し、
前記シリンダのロッド側室に作動エアーを供給したとき、前記貫通孔を介して前記ダンパーピストンの背側室に該作動エアーを流動させて、前記ダンパーピストンの受圧面積に応じた衝撃緩和力を発生させたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変速操作機構。
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