JP5022209B2 - 電源アダプタ - Google Patents

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Description

本発明は、直流機器の駆動に適した直流電力を直流機器に供給する電源アダプタに関するものである。
従来から、発光ダイオード(LED)を光源として備える照明器具や、パーソナルコンピュータなど直流電力の供給を受けて動作する直流機器が種々提供されている。この種の直流機器を、商用電源等からの交流電力を供給する一般的な交流コンセントに接続して使用するに当たっては、整流回路を含み交流電源を直流電源に変換するAC/DC変換回路を具備した電源アダプタを用いることがある。
この種の電源アダプタは、交流コンセントと直流機器との間に接続され、AC/DC変換回路にて変換された直流電力を適宜の電圧、電流に調節して直流機器に供給することによって直流機器を駆動するように構成されている。ここで、整流後の直流電力を用いて直流機器の駆動に適した直流電力を生成するために、スイッチング電源が用いられることが多い。
この種の電源アダプタに適用可能な小型高効率のスイッチング電源としては、複合共振型の直列コンバータ回路が知られている(たとえば特許文献1参照)。図10にその従来技術による主回路構成を示し、図11には図10の回路構成における主な部位の波形を示す。
図10の電源アダプタ1は、交流供給線路Wacに接続される一対の交流入力端In1’,IN2’間に、突入電流制限用の抵抗R1を介してダイオードブリッジ型の全波整流器DBが接続され、さらに全波整流器DBの出力端間に全波整流器DBと共にAC/DC変換回路12を形成する平滑コンデンサC0が接続された構成を有する。これにより、交流入力端In1’,In2’を交流コンセントに接続すると、平滑コンデンサC0の両端に直流電圧が生じることになる。
平滑コンデンサC0の両端間には、パワーMOSFETからなる第1および第2のスイッチング素子Q1,Q2の直列回路が接続される。そして、これらスイッチング素子Q1,Q2の接続点と平滑コンデンサC0の一端との間に、インダクタLと出力トランスT1の1次巻線L10とコンデンサC1との直列共振回路を形成し、第1および第2のスイッチング素子Q1,Q2のいずれか一方と並列にコンデンサC2が接続される(図10では、平滑コンデンサC0の一端は低圧側に、コンデンサC2は第2のスイッチング素子Q2に並列に接続した例を示している)。また、スイッチング素子Q1,Q2には、それぞれ逆並列にダイオードD1,D2が接続される(一般的に、MOSFETのボディダイオードで兼用される)。
さらに出力トランスT1の2次巻線に中間タップを設けて2分割(L21,L22)し、それらの出力を整流するダイオードD3,D4で全波整流回路を形成し、各ダイオードD3,D4のカソードと前記中間タップとの間に平滑コンデンサC3が接続される。この平滑コンデンサC3の両端が電源アダプタ1の出力端となるのであって、当該平滑コンデンサC3の両端間に直流機器102が接続される。スイッチング素子Q1,Q2は、ブロックで示した制御部10によって、複合共振条件を加味して予め設定された周波数で交互にオンオフされる。したがって、制御部10には、高周波発振機能、2つのスイッチング素子Q1,Q2を交互に駆動する機能、および2つのスイッチング素子Q1,Q2を共にオフするデッドタイム期間を設定する機能、必要に応じて入出力電圧や電流、電力を制御する為のフィードフォワードやフィードバック制御機能ならびに出力可変機能などが備えられる。
図11において、Vg1,Vg2は制御部10によって予め設定されたスイッチング素子Q1,Q2の駆動信号を示しており、当該駆動信号は交互にオンオフされるとともに、両方がオフするデッドタイム期間が設定されている。VQ1,VQ2およびIQ1,IQ2は、スイッチング素子Q1,Q2のドレイン−ソース間電圧およびドレイン電流を示す。ここで、駆動信号Vg1がHレベルの時、スイッチング素子Q1にはドレイン電流IQ1が流れ、Lレベルの時は平滑コンデンサC0の両端電圧に略等しい電圧VQ1がスイッチング素子Q1に印加される(スイッチング素子Q2の場合も同様)。なお、デッドタイム期間においては、コンデンサC2とインダクタLおよび出力トランスT1の励磁インダクタンスとによる効果から、ドレイン−ソース間電圧VQ1,VQ2は任意の傾斜を持った立上がり、立下り波形となる。
また、ドレイン電流IQ1,IQ2は、略インダクタLとコンデンサC1とで設定される直列共振電流波形となり、これらの合成電流がインダクタLと出力トランスT1の1次巻線L10とコンデンサC1との直列共振回路の電流となる。VC1はコンデンサC1の電圧波形を表しており、前記の直列共振回路の電流より位相の遅れた波形となる。ID3,ID4は出力整流用のダイオードD3,D4の電流波形を示すもので、スイッチング素子Q1,Q2の駆動周波数(スイッチング周波数)と、インダクタLおよびコンデンサC1の直列共振周波数との関係が「共振周波数>駆動周波数」の条件を満足する設定とすることよって、ダイオードD3,D4の一方の電流が流れ終わった後に他方の電流が流れ始めるように設定が可能で、両方のダイオード電流が流れない期間は出力側へ電力が伝達されない。すなわち、前記ダイオードD3,D4の電流が流れない期間では、出力トランスT1の2次側は無負荷と考えられ、1次側の直列共振回路にトランスTの1次側励磁インダクタンスが直列に挿入されて直列共振条件が切り替わる結果、ドレイン電流IQ1およびIQ2の波形にも変曲点が見られる。
このような複合共振型直列コンバータでは、ZVS(ゼロ電圧スイッチング)、すなわちスイッチング素子Q1,Q2の印加電圧が低下した後で同スイッチング素子Q1,Q2に電流が流れ始めるような条件設定が可能とされ、スイッチング損失が極めて少ないこと、およびダイオードD3,D4のリカバリ損失を回避できることから、高効率で高周波化が可能となる。また、スイッチング時の電圧・電流波形が安定しているとともに、ダイオードD3,D4のリンギングも抑制できることから、雑音面でも優れている。
特許第2734296号公報
ところで、上述した電源アダプタ1は、交流供給線路Wacを介して交流電源ACに接続されるから、交流電源ACを直流電源に変換するAC/DC変換回路12が必須構成である。しかし、電源アダプタ1の小型化を図る場合には、AC/DC変換回路12を構成する全波整流器DBや平滑コンデンサC0が小型化の妨げとなるという問題がある。
また、上述の従来技術は、周波数を予め発振器で設定し、2つのスイッチング素子Q1,Q2を駆動する所謂他励式のスイッチング電源11であり、高電位側のスイッチング素子Q1へのレベルシフタが必要で、その周波数追従性や損失の観点からスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数の高周波化には限界があるので、出力トランスT1は小型化が困難であり、電源アダプタ1全体の小型化の妨げとなる。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであって、従来構成に比べて小型化が可能な電源アダプタを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、交流電源を直流電源に変換するAC/DCコンバータから出力される直流電力を建造物に配線した直流供給線路を介して直流機器に供給するDC配電システムに用いる電源アダプタであって、直流供給線路に接続される一対の直流入力端と、一対の直流入力端間に直列に接続され交互にオンオフ制御される第1および第2のスイッチング素子と、第1および第2のスイッチング素子のいずれか一方と並列に接続されたインダクタと出力トランスの1次巻線とコンデンサとの直列回路からなる直列共振回路と、出力トランスの2次巻線に誘起される電圧を整流および平滑して直流機器に出力する出力部と、出力トランスの1次巻線に磁気的に結合されており各々の両端間に誘起される電圧により第1および第2のスイッチング素子をそれぞれオンする第1および第2の補助巻線と、第1および第2の補助巻線に誘起される電圧に基づいて第1および第2のスイッチング素子をそれぞれオフする第1および第2の制御回路とをアダプタ本体に備え、各制御回路が、各々のオン時に各スイッチング素子をオフするスイッチ要素と、各補助巻線に生じる誘起電圧をピークホールドするピークホールド回路と、前記誘起電圧がピークホールド回路によるホールド電圧より予め定めるレベル以上低下したときにスイッチ要素をオンする比較器とを有することを特徴とする。
この構成によれば、電源アダプタにおける一対の直流入力端は直流供給線路を介してAC/DCコンバータの出力に接続されるので、電源アダプタには直流供給線路を介して直流電力が供給されることになる。したがって、電源アダプタにおいては交流電源を直流電源に変換するAC/DC変換回路が不要になり、AC/DC変換回路を構成する全波整流器や平滑コンデンサの分だけ電源アダプタの小型化が可能になるという利点がある。さらに上記構成によれば、第1および第2の補助巻線の誘起電圧を各スイッチング素子のオン駆動に用いる電圧帰還型の自励式複合共振直列コンバータから成るスイッチング電源において、各制御回路が、各々のオン時にスイッチング素子をオフするスイッチ要素と、各補助巻線に生じる誘起電圧をピークホールドするピークホールド回路と、前記誘起電圧がピークホールド回路によるホールド電圧より予め定めるレベル以上低下したときにスイッチ要素をオンする比較器とを有するので、第1および第2の補助巻線のうち、一方の電圧低下を検知して第1および第2のスイッチング素子のうちのオンしていた側をオフ駆動するとともに、他方の電圧上昇により第1および第2のスイッチング素子のうちのオフしていた側をオンさせる。こうして、電圧帰還型の自励式複合共振直列コンバータにおいて、適切なスイッチング条件(ZVS動作)を簡易な構成で実現でき、本来の特徴である低損失・低雑音化を維持しながら、他励式に比べて大幅な回路の簡素化、低コスト化を実現することができる。また、スイッチング周波数をより高周波化し、出力トランスの小型化による電源アダプタの小型化にも適応できる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記アダプタ本体が、前記出力部から前記直流機器に供給される負荷電流を検出し、当該負荷電流の大きさが一定に維持されるように前記第1および第2のいずれか一方の制御回路における前記スイッチ要素をオンするタイミングを決定する定電流制御回路を備えることを特徴とする。
この構成によれば、直流機器に供給される負荷電流の大きさを一定に維持することができるので、直流機器を定電流駆動することができる。また、定電流制御回路によって制御されるのは一方のスイッチ要素のみであるから、他方のスイッチ要素によりオフされるスイッチング素子については、前記制御回路によって適切なスイッチング条件(ZVS動作)を簡易な構成で実現でき、本来の特徴である低損失・低雑音化を維持しながら、他励式に比べて大幅な回路の簡素化、低コスト化を実現することができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記アダプタ本体が、前記出力部から前記直流機器に印加される負荷電圧を検出し、当該負荷電圧の大きさが一定に維持されるように前記第1および第2のいずれか一方の制御回路における前記スイッチ要素をオンするタイミングを決定する定電圧制御回路を備えることを特徴とする。
この構成によれば、直流機器に印加される負荷電圧の大きさを一定に維持することができるので、直流機器を定電圧駆動することができる。また、定電圧制御回路によって制御されるのは一方のスイッチ要素のみであるから、他方のスイッチ要素によりオフされるスイッチング素子については、前記制御回路によって適切なスイッチング条件(ZVS動作)を簡易な構成で実現でき、本来の特徴である低損失・低雑音化を維持しながら、他励式に比べて大幅な回路の簡素化、低コスト化を実現することができる。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明において、前記出力部が、前記直流機器に出力する電圧の大きさを切替可能に構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、使用する直流機器の種類に合わせて出力電圧の大きさを切り替えることにより、1個の電源アダプタで駆動電圧の異なる複数種類の直流機器に適応することができる。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明において、前記第1および第2のスイッチング素子のスイッチング周波数が500kHz以上であることを特徴とする。
この構成によれば、スイッチング周波数を従来の他励式では困難な500kHz以上とすることで、出力トランスの小型化を図ることができる。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかの発明において、前記アダプタ本体が、施工面の定位置に固定され、前記直流機器に電源供給する接触子を差込可能な接続口が前面に開口した直流コンセントの器体内に収納されていることを特徴とする。
この構成によれば、アダプタ本体が直流コンセントの器体内に収納されているので、直流コンセントの周囲にアダプタ本体を設置するためのスペースが不要になり、直流コンセントの周囲の見映えがよくなる。
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかの発明において、前記アダプタ本体が、天井に固定され、前記直流機器に電源供給する接触子を差込可能な接続口が下面に開口した引掛シーリングの器体内に収納されていることを特徴とする。
この構成によれば、アダプタ本体が引掛シーリングの器体内に収納されているので、引掛シーリングの周囲にアダプタ本体を設置するためのスペースが不要になり、引掛シーリングの周囲の見映えがよくなる。
本発明は、従来構成に比べて電源アダプタを小型化できるという効果がある。
以下の各実施形態で説明する電源アダプタは、図2に示すように、たとえば住宅などの分電盤110内に配設したAC/DCコンバータ112によって商用電源等の交流電源ACを直流電源に変換し、各部屋に設置され正極および負極の一対の給電部を有する直流コンセント131等の直流アウトレットに対して分電盤110から直流電力を配電するDC配電システムに用いられるものである。
ここで、DC配電システムについて以下に図2を参照して簡単に説明する。
以下の説明では、DC配電システムを適用する建物として戸建て住宅の家屋を想定して説明するが、DC配電システムの技術思想を集合住宅に適用することを妨げるものではない。家屋Hには、図2に示すように、直流電力を出力する直流電力供給部101と、直流電力により駆動される負荷としての直流機器102とが設けられ、直流電力供給部101の出力端部に接続した直流供給線路Wdcを通して直流機器102に直流電力が供給される。直流電力供給部101と直流機器102との間には、直流供給線路Wdcに流れる電流を監視し、異常を検知したときに直流給電線路Wdc上で直流電力供給部101から直流機器102への給電を制限ないし遮断する直流ブレーカ114が設けられる。
直流供給線路Wdcは、直流電力の給電路であるとともに通信路としても兼用されており、高周波の搬送波を用いてデータを伝送する通信信号を直流電圧に重畳することにより直流供給線路Wdcに接続された機器間での通信を可能にしている。この技術は、交流電力を供給する電力線において交流電圧に通信信号を重畳させる電力線搬送技術と類似した技術である。
直流供給線路Wdcは、直流電力供給部101を介して宅内サーバ116に接続される。宅内サーバ116は、宅内の通信網(以下、「宅内網」という)を構築する主装置であり、宅内網において直流機器102が構築するサブシステムなどと通信を行う。
図示例では、サブシステムとして、パーソナルコンピュータ、無線アクセスポイント、ルータ、IP電話機のような情報系の直流機器102からなる情報機器システムK101、照明器具のような照明系の直流機器102からなる照明システムK102,K105、来客対応や侵入者の監視などを行う直流機器102からなるインターホンシステムK103、火災感知器のような警報系の直流機器102からなる住警器システムK104などがある。各サブシステムは、自立分散システムを構成しており、サブシステム単独でも動作が可能になっている。
上述した直流ブレーカ114は、サブシステムに関連付けて設けられており、図示例では、情報機器システムK101、照明システムK102およびインターホンシステムK103、住警器システムK104、照明システムK105に関連付けて4個の直流ブレーカ114を設けている。1台の直流ブレーカ114に複数個のサブシステムを関連付ける場合には、サブシステムごとに直流供給線路Wdcの系統を分割する接続ボックス121が設けられる。図示例においては、照明システムK102とインターホンシステムK103との間に接続ボックス121が設けられている。
情報機器システムK101としては、壁コンセントあるいは床コンセントの形態で家屋Hに先行配置(家屋Hの建築時に施工)される直流コンセント131に接続される直流機器102からなる情報機器システムK101が設けられる。
照明システムK102、K105としては、家屋Hに先行配置される照明器具(直流機器102)からなる照明システムK102と、天井に先行配置される引掛シーリング132に接続する照明器具(直流機器102)からなる照明システムK105とが設けられる。引掛シーリング132には、家屋Hの内装施工時に施工業者が照明器具を取り付けるか、または家人自身が照明器具を取り付ける。
照明システムK102を構成する直流機器102である照明器具に対する制御の指示は、赤外線リモコン装置を用いて与えるほか、直流供給線路Wdcに接続されたスイッチ141から通信信号を用いて与えることができる。すなわち、スイッチ141は直流機器102とともに通信の機能を有している。また、スイッチ141の操作によらず、宅内網の別の直流機器102あるいは宅内サーバ116から通信信号により制御の指示がなされることもある。照明器具への指示には、点灯、消灯、調光、点滅点灯などがある。
上述した直流コンセント131、引掛シーリング132には、任意の直流機器102を接続することができ、接続された直流機器102に直流電力を出力するから、以下では直流コンセント131、引掛シーリング132を区別する必要がない場合には「直流アウトレット」と呼ぶ。
これらの直流アウトレットは、直流機器102に直接設けた接触子(図示せず)または接続線を介して設けた接触子(図示せず)が差し込まれる差込式の接続口(給電部)が器体に開口し、接続口に差し込まれた接触子に直接接触する接触子受けが器体に保持された構造を有している。すなわち、直流アウトレットは接触式で給電を行う。直流アウトレットに接続された直流機器102が通信機能を有する場合には、直流供給線路Wdcを通して通信信号を伝送することが可能になる。直流機器102だけではなく直流アウトレットにも通信機能が設けられている。
宅内サーバ116は、宅内網に接続されるだけではなく、インターネットを構築する広域網NTに接続される接続口を有している。宅内サーバ116が広域網NTに接続されている場合には、広域網NTに接続されたコンピュータサーバであるセンタサーバ200によるサービスを享受することができる。
センタサーバ200が提供するサービスには、広域網NTを通して宅内網に接続された機器(主として直流機器102であるが通信機能を有した他の機器も含む)の監視や制御を可能にするサービスがある。このサービスにより、パーソナルコンピュータ、インターネットTV、移動体電話機などのブラウザ機能を備える通信端末(図示せず)を用いて宅内網に接続された機器の監視や制御が可能になる。
宅内サーバ116は、広域網NTに接続されたセンタサーバ200との間の通信と、宅内網に接続された機器との間の通信との両方の機能を備え、宅内網の機器に関する識別情報(ここでは、IPアドレスを用いるものとする)の取得の機能を備える。
宅内サーバ116は、センタサーバ200との通信機能を用いることにより、広域網NTに接続された通信端末からセンタサーバ200を通して宅内の機器の監視や制御を可能にする。センタサーバ200は、宅内の機器と広域網NT上の通信端末とを仲介する。
通信端末から宅内の機器の監視や制御を行う場合は、監視や制御の要求をセンタサーバ200に記憶させ、宅内の機器は定期的に片方向のポーリング通信を行うことにより、通信端末からの監視や制御の要求を受信する。この動作により、通信端末から宅内の機器の監視や制御が可能になる。
また、宅内の機器において火災検知など通信端末に通知すべきイベントが生じたときには、宅内の機器からセンタサーバ200に通知し、センタサーバ200から通信端末に対して電子メールによる通知を行う。
宅内サーバ116における宅内網との通信機能のうち重要な機能は、宅内網を構成する機器の検出と管理である。宅内サーバ116では、UPnP(Universal Plug and Play)を応用して宅内網に接続された機器を自動的に検出する。宅内サーバ116はブラウザ機能を有する表示器117を備え、検出した機器の一覧を表示器117に表示する。この表示器117はタッチパネル式もしくは操作部が付設された構成を有し、表示器117の画面に表示された選択肢から所望の内容を選択する操作が可能になっている。したがって、宅内サーバ116の利用者(施工業者あるいは家人)は、表示器117の画面上で機器の監視ないし制御が可能になる。表示器117は宅内サーバ116とは分離して設けてもよい。
宅内サーバ116では、機器の接続に関する情報を管理しており、宅内網に接続された機器の種類や機能とアドレスとを把握する。したがって、宅内網の機器を連動動作させることができる。機器の接続に関する情報は上述のように自動的に検出されるが、機器を連動動作させるには、機器自身が保有する属性により自動的に関係付けを行うほか、宅内サーバ116にパーソナルコンピュータのような情報端末を接続し、情報端末のブラウザ機能を利用して機器の関係付けを行うこともできる。
機器の連動動作の関係は各機器がそれぞれ保持する。したがって、機器は宅内サーバ116を通すことなく連動動作することができる。各機器について、連動動作の関係付けを行うことにより、たとえば、機器であるスイッチの操作により、機器である照明器具の点灯あるいは消灯の動作を行うことが可能になる。また、連動動作の関係付けはサブシステム内で行うことが多いが、サブシステムを超える関係付けも可能である。
ところで、直流電力供給部101は、基本的には、商用電源のように宅外から供給される交流電源ACの電力変換により直流電力を生成する。図示する構成では、交流電源ACは、分電盤110に内器として取り付けられた主幹ブレーカ111を通して、スイッチング電源を含むAC/DCコンバータ112に入力される。AC/DCコンバータ112から出力される直流電力は、協調制御部113を通して各直流ブレーカ114に接続される。
直流電力供給部101には、交流電源ACから電力が供給されない期間(たとえば、商用電源ACの停電期間)に備えて二次電池162が設けられている。また、直流電力を生成する太陽電池161や燃料電池163を併用することも可能になっている。交流電源ACから直流電力を生成するAC/DCコンバータ112を備える主電源に対して、太陽電池161や二次電池162や燃料電池163は分散電源になる。なお、図示例において、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163は出力電圧を制御する回路部を含み、二次電池162は放電だけではなく充電を制御する回路部も含んでいる。
分散電源のうち太陽電池161や燃料電池163は必ずしも設けなくてもよいが、二次電池162は設けるのが望ましい。二次電池162は主電源や他の分散電源により適時充電され、二次電池162の放電は、交流電源ACから電力が供給されない期間だけではなく必要に応じて適時に行われる。二次電池162の充放電や主電源と分散電源との協調は、協調制御部113により行われる。すなわち、協調制御部113は、直流電力供給部101を構成する主電源および分散電源から直流機器102への電力の配分を制御する直流電力制御部として機能する。なお、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163の出力を交流電力に変換し、AC/DCコンバータ112の入力電力として用いる構成を採用してもよい。
直流機器102の駆動電圧は機器に応じた複数種類の電圧から選択されるから、協調制御部113にDC/DCコンバータを設け、主電源および分散電源から得られる直流電圧を必要な電圧に変換するのが望ましい。通常は、1系統のサブシステム(もしくは1台の直流ブレーカ114に接続された直流機器102)に対して1種類の電圧が供給されるが、1系統のサブシステムに対して3線以上を用いて複数種類の電圧を供給するように構成してもよい。あるいはまた、直流供給線路Wdcを2線式とし、線間に印加する電圧を時間経過に伴って変化させる構成を採用することも可能である。DC/DCコンバータは、直流ブレーカと同様に複数に分散して設けてもよい。
上述の構成例では、AC/DCコンバータ112を1個だけ図示しているが、複数個のAC/DCコンバータ112を並設することが可能であり、複数個のAC/DCコンバータ112を設けるときには、負荷の大きさに応じて運転するAC/DCコンバータ112の台数を増減させるのが望ましい。
上述したAC/DCコンバータ112、協調制御部113、直流ブレーカ114、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163には通信機能が設けられており、主電源および分散電源や直流機器102を含む負荷の状態に対処する連携動作を行うことを可能にしている。この通信に用いる通信信号は、直流機器2に用いる通信信号と同様に直流電圧に重畳する形式で伝送する。
上述の例では主幹ブレーカ111から出力された交流電力をAC/DCコンバータ112により直流電力に変換するために、AC/DCコンバータ112を分電盤110内に配置しているが、主幹ブレーカ111の出力側において分電盤110内に設けた分岐ブレーカ(図示せず)で交流供給線路を複数系統に分岐し、各系統の交流供給線路にAC/DCコンバータを設けて系統ごとに直流電力に変換する構成を採用してもよい。
この場合、家屋Hの各階や各部屋を単位として直流電力供給部101を設けることができるから、直流電力供給部101を系統別に管理することができ、しかも、直流電力を利用する直流機器102との間の直流供給線路Wdcの距離が小さくなるから、直流供給線路Wdcでの電圧降下による電力損失を低減させることができる。また、主幹ブレーカ111および分岐ブレーカを分電盤110に収納し、AC/DCコンバータ112と協調制御部113と直流ブレーカ114と宅内サーバ116とを分電盤110とは別の盤に収納してもよい。
以下では、上述したDC配電システムにおいて照明システムK102を構築する照明器具を直流機器102の一例として説明する。ここで、直流アウトレットから出力される直流電圧の大きさは、交流の商用電源に比較して低く(たとえば24V、50Vなど)設定されている。
(実施形態1)
本実施形態の電源アダプタ1は、図1に示すように分電盤110内に設けられているAC/DCコンバータ112の出力に対し一対の直流供給線路Wdcを介して接続され、AC/DCコンバータ112からの直流電力の供給を受けて、直流機器102の駆動に適した直流電力を生成し直流機器102に供給するものである。なお、図1では、分電盤110内におけるAC/DCコンバータ112以外の装置(主幹ブレーカ111、協調制御部113、直流ブレーカ114等)並びに接続ボックス121やスイッチ141の図示を省略する。
ここに例示するAC/DCコンバータ112は、参照電圧Vrefの直流電圧を一対の直流供給線路Wdcに出力するように、入力電力を高周波出力に変換する電力変換回路4と、電力変換回路4の出力端間に1次巻線を接続したトランスT2と、中間タップを設けたトランスT2の2次巻線に誘起された電圧を整流する一対のダイオードD7,D8と、整流後の電圧を平滑して直流供給線路Wdcに出力する平滑コンデンサC5とを備え、フィードバック回路5により平滑コンデンサC5の出力を参照電圧Vrefとするように電力変換回路4をフィードバック制御する構成を有する。
電源アダプタ1は、図1に示すように直流供給線路Wdcを介して配電される直流電力を用いて直流機器102の駆動に適した直流電力を生成するために、スイッチング電源11をアダプタ本体に具備している。このスイッチング電源11は、電圧帰還型の自励式複合共振直列コンバータであり、スイッチング素子Q1,Q2の低損失・低雑音化を維持しながら、従来の他励式に比べて大幅な回路の簡素化、低コスト化を図り、さらに動作の高周波化を可能とするものである。
以下に、スイッチング電源11の具体的な回路構成について図1を参照して説明する。
直流供給線路Wdcに接続される一対の直流入力端In1,In2間には、パワーMOSFETからなる第1および第2のスイッチング素子Q1,Q2の直列回路が接続されている。そして、第1および第2のスイッチング素子Q1,Q2のいずれか一方と並列に、インダクタLと出力トランスT1の1次巻線L10とコンデンサC1との直列共振回路が接続されるとともに、コンデンサC2が接続されている(図1では、直列共振回路およびコンデンサC2を第2のスイッチング素子Q2に並列に接続した例を示している)。なお、図1において、スイッチング素子Q1,Q2とそれぞれ逆並列に接続されたダイオードD1,D2は、各スイッチング素子Q1,Q2のボディダイオードである。
さらに出力トランスT1の2次巻線に中間タップを設けて2分割(L21,L22)し、それらの出力を整流するダイオードD3,D4で全波整流回路を形成し、各ダイオードD3,D4のカソードと前記中間タップとの間に全波整流回路と共に出力部を構成する平滑コンデンサC3が接続される。この平滑コンデンサC3の両端が電源アダプタ1の出力端となるのであって、当該平滑コンデンサC3の両端間に直流機器102が接続される。また、出力トランスT1に1次巻線L10と磁気結合された第2の補助巻線L12を設け、当該補助巻線L12のうち1次巻線L10におけるスイッチング素子Q1,Q2の接続点側の端子とは逆極性の端子を、ゲート抵抗R12を介してスイッチング素子Q2のゲートに接続し、補助巻線L12に生じる電圧で第2のスイッチング素子Q2をオン駆動できるように構成する。高電位側のスイッチング素子Q1のゲート駆動についても同様に、出力トランスT1に1次巻線L10と磁気結合された第1の補助巻線L11を設け、当該補助巻線L11のうち1次巻線L10におけるスイッチング素子Q1,Q2の接続点側の端子と同一極性の端子を、ゲート抵抗R11を介して第1のスイッチング素子Q1のゲートに接続し、第1の補助巻線L11に生じる電圧でスイッチング素子Q1をオン駆動できるように構成する。しかして、2つの補助巻線L11,L12からの帰還電圧によって、スイッチング素子Q1,Q2が交互にオンして自励発振する。
ところで、本実施形態の電源アダプタ1は、各スイッチング素子Q1,Q2のゲート−ソース間にそれぞれ接続された第1および第2のスイッチ要素SW1,SW2と、第1および第2のスイッチ要素SW1,SW2をそれぞれオンオフ制御する第1および第2の制御部Cont1,Cont2とで構成された第1および第2の制御回路6,7をスイッチング電源11に具備している。第1および第2のスイッチ要素はSW1,SW2は各々のオン時に第1および第2のスイッチング素子Q1,Q2をそれぞれオフするものであって、各制御部Cont1,Cont2は、各補助巻線L11,L12に誘起される電圧に基づいてこれらスイッチ要素SW1,SW2をオンさせるタイミング、すなわちスイッチング素子Q1,Q2をオフさせるタイミングを設定するために設けられている。
各制御部Cont1,Cont2はそれぞれ、ダイオードD5とコンデンサD4との直列回路からなり各補助巻線L11,L12の両端間に接続されるピークホールド回路8と、前記ダイオードD5の逆電圧を検出し、スイッチ要素SW1,SW2をオンさせるための比較器Comp1と、次のサイクルに備えてコンデンサC4の電荷を放電するための遅延回路12およびスイッチSW3とによって構成され、以下に説明する自励動作を行うものである。なお、図1では第1の制御部Cont1の具体構成の図示を省略するが、第1の制御部Cont1も第2の制御部Cont2と同様の構成を採用しているものとする。
以下では、図3を参照して本実施形態の電源アダプタ1の回路動作を説明する。
図3は、本構成に係る電圧帰還型の自励式複合共振直列コンバータの動作波形図である。図中VQ1,VQ2は各スイッチング素子Q1,Q2のドレイン−ソース間電圧、IQ1,IQ2は各スイッチング素子Q1,Q2のドレイン電流、ID3,ID4は各ダイオードD3,D4、VL10は出力トランスT1の1次巻線L10の両端電圧、VL12は第2の補助巻線L12に生じる帰還電圧、VL11は第1の補助巻線L11に生じる帰還電圧、VC4はピークホールド用のコンデンサC4の両端電圧、Vcont1,Vcont2は比較器Comp1の出力からなる制御部Cont1,Cont2の出力信号(つまり、スイッチ要素SW1,SW2をオンする信号)をそれぞれ表している。
ここで、電圧VL12が正の間にコンデンサC4は当該電圧VL12よりダイオードD5のオン電圧だけ低い電圧まで充電されることになるが、以下の説明ではダイオードD5のオン電圧を無視できる程度の大きさと仮定し、補助巻線L12に生じる誘起電圧はそのピークにおいてピークホールド回路8によりコンデンサC4の両端電圧VC4としてホールドされるものとする。
スイッチング素子Q1,Q2が交互にオンオフした際に出力トランスT1の1次巻線L10に印加される電圧VL10は、図3(a)に示すように矩形波状の波形となり、補助巻線L11,L12には電圧VL10に相似した電圧VL11,VL12が発生する。なお、補助巻線L12に発生する電圧VL12は、1次巻線L10の両端電圧VL10とは正負が逆になる。ここで、電流帰還の場合は正弦波状の共振電流が帰還されるのに対して、出力トランスT1からの電圧帰還においては前記電圧VL10のような矩形波の電圧が帰還されるので、スイッチング素子Q1,Q2の駆動に適することが理解される。
以下、図3(a)の一部Aを詳しく示す図3(b)を参照して、スイッチング素子Q1,Q2のオンオフ制御について説明する。
図3の例において、第1のスイッチング素子Q1がオフの状態で、第2の補助巻線VL12の両端電圧VL12が立上がると、当該両端電圧VL12は、ゲート抵抗R12を介して第2のスイッチング素子Q2のゲート−ソース間に印加されてスイッチング素子Q2をオンさせ、且つ立上がった時点からインダクタLとコンデンサC1との共振周波数で決まる一定時間経過後(図3(b)の時刻t0)にピークから低下し始める。そして、電圧VL12が低下することによって時刻t0の直後には電圧VL12がホールド電圧VC4を下回り(VC4>VL12)、電圧VC4と電圧VL12との差分(VC4−VL12)がダイオードD5に逆電圧として印加される。ここに、比較器Comp1はダイオードD5にかかる逆電圧を所定の閾値δと比較し、当該逆電圧が閾値δを超えた時点(図3(b)の時刻t1)で、スイッチング素子Q2のゲート−ソース間に接続されたスイッチ要素SW2をオンする出力信号Vcont2を発生することにより、スイッチング素子Q2をオフさせる(図3(b)の時刻t2)。すなわち、比較器Comp1は、第2の補助巻線L12に生じる誘起電圧VL12がピークホールドされている電圧VC4より予め定めるレベル(ここでは閾値δ)以上低下したときに、スイッチ要素SW2をオンすることで第2のスイッチング素子Q2をオフさせる。
このように、第2の制御回路7(スイッチ要素SW2および制御部Cont2)が第2の補助巻線L12の両端電圧VL12の低下を検知してスイッチング素子Q2をオフさせる結果、1次巻線L10には逆起電力が発生して1次巻線L10の両端電圧VL10が上昇し、補助巻線L12の両端電圧VL12は時刻t2から速やかに低下する。その後、次のオンサイクルに備えて遅延回路12で前記時刻t1から時間tdだけ遅延した後、コンデンサC4の電荷をスイッチ要素SW3によって放電させる結果、コンデンサC4の両端電圧VC4はゼロにリセットされ、第2の制御部Cont2の出力信号Vcont2がLレベルになる。
さらに、1次巻線L10の両端電圧VL10の上昇に伴い、スイッチング素子Q2がオフした時刻t2から適度なデッドタイム(デッドオフタイム)を経て、補助巻線L11の両端電圧VL11が立上がる(図3(b)の時刻t3)。立上がった電圧VL11は、ゲート抵抗R11を介してスイッチング素子Q1のゲート−ソース間に印加されてスイッチング素子Q1をオンさせ、且つ立上がった時点(前記時刻t3)からインダクタLとコンデンサC1との共振周波数で決まる一定時間経過後に低下し始めることとなる。その後、上述したスイッチング素子Q2をオフさせる第2の制御回路7(スイッチ要素SW2および制御部Cont2)と同様の動作により、第1の制御回路6(スイッチ要素SW1および制御部Cont1)がスイッチング素子Q1をオフさせる。
本実施形態の電源アダプタ1に用いたスイッチング電源11は、上記動作を繰り返すことにより、自励式であっても、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間電圧VQ1、ドレイン電流IQ1およびスイッチング素子Q2のドレイン−ソース間電圧VQ2、ドレイン電流IQ2、並びにダイオード電流ID3,ID4に関して、前記図11で示す他励式と極めて近似した波形が得られることになる。
このような複合共振型直列コンバータでは、ZVS(ゼロ電圧スイッチング)、すなわちスイッチング素子Q1,Q2の印加電圧が低下した後で同スイッチング素子Q1,Q2に電流が流れ始めるように動作させることができ、スイッチング損失が極めて少ないこと、およびダイオードD3,D4のリカバリ損失を回避できることから、高効率で高周波化が可能となる。また、スイッチング時の電圧・電流波形が安定しているとともに、ダイオードD3,D4のリンギングも抑制できることから、雑音面でも優れているという利点がある。
しかして、スイッチング素子Q1,Q2の低損失・低雑音化を維持しながら、他励式に比べて大幅な回路の簡素化、低コスト化を図り、さらに動作の高周波化(たとえば500kHz)を可能とすることができる。
ところで、本実施形態においては、スイッチング素子Q1,Q2をオフさせるタイミングとして、以下に図4を参照して説明するタイミングを採用している。
図4は、図1で示す本実施形態の自励式複合共振直列コンバータではなく、前述の図10で示す他励式複合共振直列コンバータに第2の補助巻線L12を付加したものの動作波系図である。なお、図4において図3と同一の符号は同一の対象を表しており、VC1はコンデンサC1の両端電圧を表している。ここでは特に第2の補助巻線L12の両端電圧VL12bの波形を詳しく示してある。
ここにおいて、制御部10(図10参照)によるスイッチング素子Q1,Q2の駆動周波数(スイッチング周波数)と、インダクタLおよびコンデンサC1の直列共振周波数との関係が「共振周波数>駆動周波数」の条件を満足する設定とすることよって、ダイオードD3,D4の一方の電流ID3,ID4が流れ終わった後に他方の電流ID3,ID4が流れ始めるように設定が可能である。ただし、この場合、両ダイオードD3,D4の電流ID3,ID4が途切れる区間に対応して、出力トランスT1の1次巻線L10に印加される電圧VL10の波形には、図4に示すように段差P(図4の時刻t2〜t2’)が生じる。
本実施形態はこの段差Pに着目したものであり、スイッチング素子Q1,Q2をオフさせるタイミングをこの段差Pの発生時点(前記時刻t2)と一致させることによって、下記の効果を狙ったものである。
すなわち、段差Pの発生までの期間はインダクタLとコンデンサC1との直列共振周波数に依存し、安定した動作周波数設計が可能である。また、段差Pの発生は、出力トランスT1の2次側においてダイオードD3,D4の電流ID3,ID4が途切れた結果であり、まさに他励式において理想とされるスイッチングオフの動作ポイントとなるため、段差Pの発生時点でスイッチング素子Q1,Q2をオフすることにより、ダイオードD3,D4のリカバリを抑制できるとともに、リンギングも抑制できる。さらにまた、段差Pの発生時点(前記時刻t2)でスイッチング素子Q1,Q2がオフすると、補助巻線L11,L12の両端電圧が立上がって他のスイッチング素子Q1,Q2がオンする時点(図4の時刻t3)までに、適度のデッドタイムを確保することができるので、結果的に、スイッチング素子Q1,Q2のZVS動作を確実に実現できる。
本実施形態では、スイッチング素子Q1,Q2がオフするタイミングを、比較器Comp1においてダイオードD5にかかる逆電圧と比較される閾値δの大きさによって設定しており、比較器Comp1からの出力信号Vcont1,Vcont2(図3参照)を受けてスイッチ要素SW1,SW2がオンするタイミング(図3(b)の時刻t2)が、上述した段差Pの発生タイミング(図4の時刻t2)と一致するように前記閾値δは設定される。
以上説明した構成の電源アダプタ1によれば、一対の直流入力端In1,In2が直流供給線路Wdcを介して分電盤112内のAC/DCコンバータ110に接続されることにより、直流供給線路Wdcを介して直流電力が供給されることになる。したがって、電源アダプタ1においては交流電源を直流電源に変換するAC/DC変換回路が不要になり、AC/DC変換回路を構成する全波整流器や平滑コンデンサの分だけ電源アダプタ1の小型化が可能になる。なお、全波整流器が不要になることで、全波整流器で生じる損失分だけ回路効率が向上するという利点もある。
さらに、直流入力端In1,In2にはラインフィルタ(図示せず)を接続する必要があるが、直流入力端In1,In2にかかる直流電圧は交流の商用電源に比較して低く(たとえば24V、50Vなど)設定されているので、交流の商用電源を入力とする場合に比べて、ラインフィルタの絶縁距離を短くすることでラインフィルタを小型化することができ、電源アダプタ1の小型化を図ることができる。
しかも、第1および第2の補助巻線L11,L12のうち、一方のピークからの電圧低下を制御回路6,7が検知して第1および第2のスイッチング素子Q1,Q2のうちのオンしていた側をオフ駆動するとともに、他方の電圧上昇により第1および第2のスイッチング素子Q1,Q2のうちのオフしていた側をオンさせるので、電圧帰還型の自励式複合共振直列コンバータにおいて、適切なスイッチング条件(ZVS動作)を簡易な構成で実現でき、本来の特徴である低損失・低雑音化を維持しながら、他励式に比べて大幅な回路の簡素化、低コスト化を実現することができる。
また、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を高周波化することで、出力トランスT1の小型化による電源アダプタ1の小型化にも適応できる。具体的に説明すると、一般的な他励式の複合共振直列コンバータでは、高電位側のスイッチング素子Q1へのレベルシフタが必要で、その周波数追従性や損失の観点から、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は300〜500kHz程度に制限されているのに対し、本実施形態の構成によればスイッチング周波数を500kHz以上とすることが可能であり、他励式のものに比べて出力トランスT1の小型化を図ることができる。たとえばスイッチング周波数を500kHzとする場合、出力トランスT1のコアには高周波(500kHz)における損失が小さいものを採用することが望ましい。
上記電源アダプタ1は、直流コンセント131の接続口に差し込まれる接続子(図示せず)が突設された器体(図示せず)によってアダプタ本体の外郭が形成される。ここで、接続子は器体内で一対の直流入力端In1,In2に接続されており、器体には直流機器102の接触子が差し込まれる接続口(図示せず)が開口している。したがって、電源アダプタ1を直流コンセント131と直流機器102との間に接続すれば、直流電源(直流電力供給部101)からの直流電力を電源アダプタ1で直流機器102の駆動に適した直流電力に変換して直流機器102に供給することができる。
他の構成例として、上述した構成により小型化が可能となった電源アダプタ1は、たとえば図5に示すように壁コンセントあるいは床コンセントの形態で施工面(壁面あるいは床面)の定位置に固定される直流コンセント131の器体131a内にアダプタ本体が収納された構成とすることもできる。ここで、電源アダプタ1の出力端(平滑コンデンサC3の両端)は、直流コンセント131の器体131aの前面に開口する接続口9a〜9cに差し込まれた直流機器102の接触子に直接接触する接触子受けと、器体131a内で電気的に接続されている。これにより、直流コンセント131の周囲に電源アダプタ1を設置するためのスペースが不要となり、直流コンセント131に対して外付けの電源アダプタ1を接続する場合に比べて、直流コンセント131周辺の見映えがよくなる。また、電源アダプタ1のアダプタ本体を、天井に固定された引掛シーリング132の器体内に収納してもよく、この場合、引掛シーリング132周辺の見映えがよくなる。
さらに、図5の例においては、直流コンセント131の器体131aの前面に複数個(ここでは3個)の接続口9a〜9cが形成されており、接続口9a〜9cごとに出力電圧が異なる構成(図示例では、左から順に出力電圧が3V,6V,9V)を採用している。すなわち、直流機器102を接続する接続口9a〜9cによって、電源アダプタ1から当該直流機器102に出力される電圧の大きさが切替可能となっている。これにより、使用する直流機器102の種類に応じて出力電圧の大きさを選択することよって、駆動電圧の異なる複数種類の直流機器102に1個の電源アダプタ1で適応することが可能となる。
具体的な構成として、ここでは出力トランスT1の2次巻線L21,L22とダイオードD3,D4と平滑コンデンサC3との組み合わせを接続口9a〜9cごとに個別に設け、接続口9a〜9cごとに、2次巻線L21,L22の巻数を異ならせることで各平滑コンデンサC3の両端に生じる電圧が異なるようにしてある。ただし、この構成に限るものではなく、たとえば直流機器102への出力電圧を切り替えるためのスイッチを設け、1個の接続口においても出力電圧を切替可能な構成としてもよい。
なお、複合共振回路を形成するキャパシタC2については、第1および第2のスイッチング素子Q1,Q2の少なくとも一方に並列に設けるものとするが、スイッチング周波数が高い場合は、スイッチング素子Q1,Q2の寄生容量で代用することが可能である。
(実施形態2)
本実施形態の電源アダプタ1は、図6に示すように直流機器102に供給される負荷電流を検出し、当該負荷電流の大きさが一定に維持されるように第2のスイッチ要素SW2(図6ではトランジスタQ12)をオンするタイミングを決定する定電流制御回路13をアダプタ本体に備える点が実施形態1の電源アダプタ1と相違する。
定電流制御回路13は、負荷電流を検出する電流検出回路14と、第2の補助巻線L12に誘起された電圧が対応するスイッチング素子Q2をオンさせる向きに発生した時点を起点として三角波を発生する三角波発生回路15と、基準電圧VTHを決定する基準電圧源16と、前記三角波の電圧と基準電圧VTHとを比較し、三角波の電圧が基準電圧を超えるとスイッチ要素SW2としてのトランジスタQ12をオンさせる比較回路17とを有する。
電流検出回路14は、平滑コンデンサC3と並列に接続された抵抗R21,R22の直列回路と、当該直列回路の両端間に電流検知抵抗R25を介して接続された抵抗R23,R24の直列回路とを備え、電流検知抵抗R25による電圧降下を、抵抗R21,R22の接続点と抵抗R23,R24の接続点との電位差として取り出す構成を採用している。当該電位差は、差動増幅器Op1によって増幅される。ここで、抵抗R23,R24の直列回路と並列に、発光ダイオードD10およびトランジスタTR11の直列回路が接続されており、差動増幅器Op1の出力がトランジスタTR11のベースに与えられる。これにより、負荷電流による電流検知抵抗R25の電圧降下が大きくなる程、発光ダイオードD10に流れる電流が大きくなる。この発光ダイオードD10は、基準電圧源16に設けたフォトトランジスタTR10と共にフォトカプラPCを構成する。上記構成では、発光ダイオードD10およびトランジスタTR11の直列回路の両端が電源アダプタ1の出力端となるのであって、当該直列回路の両端間に直流機器102が接続される。
三角波発生回路15は、出力トランスT1の補助巻線L12の両端電圧を分圧する抵抗Rc1,Rc2の直列回路を具備し、両抵抗Rc1,Rc2の接続点をFETQc1のゲートに接続した構成を有する。抵抗Rc1には極性反転時のスピードアップ用のダイオードDc1が並列接続される。ここで、補助巻線L12の電圧VL12がスイッチング素子Q2のゲートを順方向バイアスする向きに発生しているとき、FETQc1のゲート−ソース間には正の電圧が印加される。FETQc1のドレイン−ソース間にはFETQc1がオンの状態で別途用意した制御用電源Vcから抵抗Rc7を介して電流が流れるようにしてあり、FETQc1のドレイン−ソースと並列にゲート−ソースが接続されることでFETQc1の反転回路を形成するFETQc2を設けてある。これにより、補助巻線L12の電圧VL12がスイッチング素子Q2のゲートを順方向バイアスする向きに発生しているとき、前記FETQc1はオンとなり、その反転回路を形成するFETQc2はオフとなる。
さらに、三角波発生回路15においては、トランジスタQc3,Qc4でカレントミラー回路を構成し、別途用意した制御用電源Vcからダイオード構造のトランジスタQc3に直列接続される抵抗Rc4に基準電流を流し、他方のトランジスタQc4に直列接続されるコンデンサCc1を充電する回路を設けるとともに、前記コンデンサCc1の両端間に、ダイオードDc2と抵抗Rc3と前記FETQc2との直列回路からなる放電回路を接続する。
上記構成により、三角波発生回路15は、図7に示すようにコンデンサCc1の両端に三角波状の電圧を発生する。図中VCC1はコンデンサCc1の両端電圧、VL12は第2の補助巻線L12に生じる帰還電圧、VQC1,VQC2は各FETQc1,Qc2のドレイン−ソース間電圧、VCPは後述の第2の比較器Comp2の出力をそれぞれ表している。
すなわち、補助巻線L12の電圧VL12がスイッチング素子Q2のゲートを逆方向バイアスする向きに発生しているときには、前記FETQc1がオフで前記FETQc2がオンとなり、カレントミラー回路によるコンデンサCc1の充電は行われない。一方、補助巻線L12の電圧VL12がスイッチング素子Q2のゲートを順方向バイアスする向きに発生しているときには、前記FETQc1がオンで前記FETQc2がオフとなり、コンデンサCc1の充電が行われ、コンデンサCc1の両端電圧VCC1は三角波状に上昇する。
そして、このコンデンサCc1の両端電圧VCC1が、基準電圧源16で発生する基準電圧VTHを超えたとき、比較回路17内の第2の比較器Comp2の出力VCPはHレベルとなり、当該比較器Comp2の出力VCPは、比較器Comp2の出力側のコンデンサCc2および抵抗Rc6を介してトランジスタQc5をオンさせ、pnp型のバイポーラトランジスタからなるトランジスタQ12(スイッチ要素SW2)をオンさせる。これにより、スイッチング素子Q2のゲート−ソース間が短絡され当該スイッチング素子Q2がターンオフする。
基準電圧源16は、制御電圧源Vcを分圧する抵抗Rc5および可変抵抗VRの直列回路を具備し、可変抵抗VRと並列に、コンデンサCc3および前述のフォトカプラPCのフォトトランジスタTR10が設けられた構成を有し、コンデンサCc3の両端に基準電圧VTHを発生する。これにより、可変抵抗VRの抵抗値あるいはフォトトランジスタTR10のインピーダンスを変化させることによって、比較器Comp2に出力される基準電圧VTHは所定範囲ΔVTH内で変化する。
ここにおいて、基準電圧VTHが変化すると、コンデンサCc1の両端電圧VCC1が上昇し始めてから比較器Comp2の出力VCPがHレベルになるまでの時間が変化し、結果的にスイッチング素子Q2のオンデューティが変化する。本実施形態では、基準電圧VTHを最大(図8中VTH1)とした状態で、スイッチング素子Q2は制御部Cont2からの出力を受けてトランジスタQ12がオンすることによりオンし、一方、基準電圧VTHをある程度低下させると、スイッチング素子Q2は制御部Cont2からの出力を受ける前に比較回路17の出力を受けてトランジスタQ12がオンすることによりオンするように、基準電圧VTHの変動範囲を規定してある。
しかして、図8に示すように基準電圧VTHが低く(VTH=VTH2)なると、スイッチング素子Q2のオンするタイミングが早まり、スイッチング素子Q2のオンデューティが低下する。このようにスイッチング素子Q2のオンデューティが変化することで、出力トランスT1の2次巻線L21,L22に誘起される電圧の大きさが変化し、結果的に電源アダプタ1の出力が変化する。なお、図8において図3、図7と同一の符号は同一の対象を表している。
以上説明した構成によれば、直流機器102に供給される負荷電流が大きくなると、差動増幅器Op1の出力が大きくなってフォトカプラPCの発光ダイオードD10に流れる電流が大きくなり、これに伴いフォトトランジスタTR10のインピーダンスが低下することで基準電圧VTHが低下し、スイッチング素子Q2のオンデューティが低下して電源アダプタ1の出力を低下させる。すなわち、フォトカプラPCがフィードバック回路を構成し、電源アダプタ1においては、負荷電流が一定値となるようにフィードバック制御が行われることとなり、直流機器102を定電流駆動することができる。なお、基準電圧VTHは可変抵抗VRの抵抗値の変化に応じても変化するので、可変抵抗VRの抵抗値を調節することで負荷電流の大きさを調節することも可能である。
ところで、本実施形態では、定電流制御回路13が第2のスイッチング素子Q2のオンデューティを調節するように第2のスイッチ要素SW2(トランジスタQ12)をオンする構成を例示したが、この構成に限らず、第1のスイッチング素子Q1のオンデューティを調節するように第1のスイッチ要素SW1(図6ではトランジスタQ11)をオンする構成の定電流制御回路13を採用してもよい。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態の電源アダプタ1は、直流機器102に印加される負荷電圧を検出し、当該負荷電圧の大きさが一定に維持されるように第2のスイッチ要素SW2をオンするタイミングを決定する定電圧制御回路をアダプタ本体に備える点が実施形態2の電源アダプタ1と相違する。
具体的には、実施形態2で説明した定電流制御回路13の電流検出回路14に代えて、図9に示すように負荷電圧を検出する電圧検出回路18を設けることにより、定電圧制御回路を構成している。ここで、三角波発生回路15、基準電圧源16と、比較回路17の構成は定電流制御回路13のものと同様である。
電圧検出回路18は、抵抗R31とフォトカプラPCの発光ダイオードD10とシャントレギュレータICとの直列回路と、抵抗R32,R33の直列回路とが平滑コンデンサC3と並列に接続された構成を有する。ここで、発光ダイオードD10およびシャントレギュレータICの接続点と抵抗R32,R33の接続点とは、コンデンサC31および抵抗R34の直列回路を介して互いに接続され、シャントレギュレータICの制御端子は抵抗R32,R33の接続点に接続される。これにより、シャントレギュレータICの制御端子の電位が一定値になるようにシャントレギュレータICを流れる電流が制御され、その結果、シャントレギュレータICの制御端子の電位が高くなる程、発光ダイオードD10に流れる電流が大きくなる。この発光ダイオードD10は、基準電圧源16のフォトトランジスタTR10と共にフォトカプラPCを構成する。
以上説明した構成によれば、直流機器102に印加される負荷電圧が大きくなると、シャントレギュレータICの制御端子の電位が高くなってフォトカプラPCの発光ダイオードD10に流れる電流が大きくなり、これに伴いフォトトランジスタTR10のインピーダンスが低下することで基準電圧VTHが低下し、スイッチング素子Q2のオンデューティが低下して電源アダプタ1の出力を低下させる。すなわち、電源アダプタ1においては、負荷電圧が一定値となるようにフィードバック制御が行われることとなり、直流機器102を定電圧駆動することができる。なお、基準電圧VTHは可変抵抗VRの抵抗値の変化に応じても変化するので、可変抵抗VRの抵抗値を調節することで負荷電圧の大きさを調節することも可能である。
その他の構成および機能は実施形態2と同様である。
本発明の実施形態1の構成を示す概略回路図である。 同上の電源アダプタが用いられるDC配電システムを示すシステム構成図である。 同上の電源アダプタの動作波形図である。 図10で示す従来例の動作波形図である。 同上の電源アダプタの他の構成例を示す概略正面図である。 本発明の実施形態2の構成を示す概略回路図である。 同上の電源アダプタの動作波形図である。 同上の電源アダプタの動作波形図である。 本発明の実施形態3の構成を示す要部の概略回路図である。 従来例の構成を示す概略回路図である。 同上の動作波形図である。
符号の説明
1 電源アダプタ
6 第1の制御回路
7 第2の制御回路
8 ピークホールド回路
9a〜9c 接続口
13 定電流制御回路
102 直流機器
112 AC/DCコンバータ
131 直流コンセント
131a 器体
132 引掛シーリング
AC 交流電源
C1 コンデンサ
Comp1 比較器
In1,In2 直流入力端
L インダクタ
L10 1次巻線
L11 第1の補助巻線
L12 第2の補助巻線
L21,L22 2次巻線
Q1 第1のスイッチング素子
Q2 第2のスイッチング素子
SW1,SW2 スイッチ要素
T1 出力トランス
Wdc 直流供給線路

Claims (7)

  1. 交流電源を直流電源に変換するAC/DCコンバータから出力される直流電力を建造物に配線した直流供給線路を介して直流機器に供給するDC配電システムに用いる電源アダプタであって、直流供給線路に接続される一対の直流入力端と、一対の直流入力端間に直列に接続され交互にオンオフ制御される第1および第2のスイッチング素子と、第1および第2のスイッチング素子のいずれか一方と並列に接続されたインダクタと出力トランスの1次巻線とコンデンサとの直列回路からなる直列共振回路と、出力トランスの2次巻線に誘起される電圧を整流および平滑して直流機器に出力する出力部と、出力トランスの1次巻線に磁気的に結合されており各々の両端間に誘起される電圧により第1および第2のスイッチング素子をそれぞれオンする第1および第2の補助巻線と、第1および第2の補助巻線に誘起される電圧に基づいて第1および第2のスイッチング素子をそれぞれオフする第1および第2の制御回路とをアダプタ本体に備え、各制御回路は、各々のオン時に各スイッチング素子をオフするスイッチ要素と、各補助巻線に生じる誘起電圧をピークホールドするピークホールド回路と、前記誘起電圧がピークホールド回路によるホールド電圧より予め定めるレベル以上低下したときにスイッチ要素をオンする比較器とを有することを特徴とする電源アダプタ。
  2. 前記アダプタ本体は、前記出力部から前記直流機器に供給される負荷電流を検出し、当該負荷電流の大きさが一定に維持されるように前記第1および第2のいずれか一方の制御回路における前記スイッチ要素をオンするタイミングを決定する定電流制御回路を備えることを特徴とする請求項1記載の電源アダプタ。
  3. 前記アダプタ本体は、前記出力部から前記直流機器に印加される負荷電圧を検出し、当該負荷電圧の大きさが一定に維持されるように前記第1および第2のいずれか一方の制御回路における前記スイッチ要素をオンするタイミングを決定する定電圧制御回路を備えることを特徴とする請求項1記載の電源アダプタ。
  4. 前記出力部は、前記直流機器に出力する電圧の大きさを切替可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電源アダプタ。
  5. 前記第1および第2のスイッチング素子のスイッチング周波数は500kHz以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電源アダプタ。
  6. 前記アダプタ本体は、施工面の定位置に固定され、前記直流機器に電源供給する接触子を差込可能な接続口が前面に開口した直流コンセントの器体内に収納されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電源アダプタ。
  7. 前記アダプタ本体は、天井に固定され、前記直流機器に電源供給する接触子を差込可能な接続口が下面に開口した引掛シーリングの器体内に収納されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電源アダプタ。
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